JP4984752B2 - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。特に、フレキシブル回路基板を湾曲して筐体に固定した電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、及びそのような電気光学装置を備えた電子機器に関する。
従来、電気光学装置の一態様として、それぞれの画素ごとに電極が対向しており、この対向する電極間に印加する電圧を選択的にオン、オフさせることによって、それぞれの画素の液晶材料を通過する光を変調させ、表示領域全体として絵や文字等の画像を表示させる液晶装置がある。
このような液晶装置において、小型化及び軽量化を目的として、表面に導電パターンや電子部品を設けたフレキシブル回路基板(以下、FPCと称する場合がある。)を、異方性導電膜(以下、ACFと称する場合がある。)等を用いて基板に接続した液晶装置がある。かかるFPCは、可撓性の基板を基体とした回路基板であり、収容される筐体や、装置の外形に応じて自由に折り曲げることができる一方、折り曲げ作業に起因して、表面に設けられた導電パターンが断線するおそれがある。
そこで、平面表示装置に接続されて用いられる、折り曲げ作業に起因する断線の防止に着目したフレキシブル配線基板が開示されている。より具体的には、図10に示すように、駆動入力用のFPC301は、端子接続用枝部315が表示パネル302の棚状周縁部325に接続され、ケーシングフレーム303の端縁部で表側面から裏側面へと略U字状に折り曲げられ、FPC301には、ケーシングフレーム303の端縁部における2つの稜線331に対応する箇所にそれぞれ折り曲げ箇所用肉厚部311が備えられ、稜線331に沿った折り曲げの際、断面が略円弧状を描くとともに、2つの折り曲げ箇所用肉厚部311の間には、折り曲げ防止用肉厚部312が備えられたFPC301である(特許文献1参照)。
特開2002−141620号 (図1)
しかしながら、特許文献1に記載された液晶装置は、構成が複雑であり、特殊なFPCを用いる必要があるとともに、ケーシングフレームの幅(高さ)に対応して折り曲げ箇所用肉厚部及び折り曲げ防止用肉厚部を設ける必要があり、汎用性に乏しいものである。また、折り曲げ箇所用肉厚部の位置が適切でなく、FPCの湾曲部のU字の幅が、ケーシングフレームの幅(高さ)よりも小さい場合には、FPCはケーシングフレームの端部に押圧されてしまい、当該箇所の導電パターンが断線を生じるおそれがある。すなわち、FPCを折り曲げた際に、FPCがケーシングフレームや基板の端部に押圧される状態となってしまうと、当該端部によって導電パターンが断線を生じるという問題があった。
また、特許文献1に記載された液晶装置のような構成以外にも、図11に示すように、フレキシブル回路基板417が、一部が基板460と対向配置して接続されるとともに、基板460と重ならない領域へ導出された後、基板460に対向する側の面を内側にして湾曲されて、筐体414の基板面461aと交差する方向に延在する固定面414aに固定されて構成される場合がある。このような構成の液晶装置において、フレキシブル回路基板417が、基板面461aの延在方向と筐体414の固定面414aの延在方向とが交差する線(図中交点Pで表される。)よりも内側で、あるいは、筐体414の固定面414aの延在方向に沿った面上で折り曲げられると、フレキシブル回路基板417が基板460の端部419に押圧される状態となり、当該端部419によって導電パターン402が断線を生じるおそれがあった。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、FPCが接続された電気光学装置において、FPCが所定の位置を通過するように折り曲げて筐体に固定することにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、FPCが基板等の端部に押圧されて、FPC上に形成された導電パターンが断線することを防止することができる電気光学装置を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、そのような電気光学装置の製造方法、及びそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することである。
本発明によれば、パネル基板と、前記パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板と、前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面を有して前記パネル基板を収容する収容体と、を備え、前記フレキシブル回路基板は、一部が前記パネル基板と対向配置して接続されて、前記パネル基板面の延在方向に向けて前記パネル基板と重ならない領域へ導出された電気光学装置において、前記フレキシブル回路基板は、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出されるとともに、前記フレキシブル回路基板は、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出されるとともに、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲された第1部分と、前記収容体の前記固定面に固定されている部分と、前記第1部分と前記収容体の前記固定面に前記固定されている部分との間に、前記第1部分とは逆側に曲げられた第2部分と、を有している電気光学装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、前記フレキシブル回路基板は、前記パネル基板に接続された直後の導出される方向が、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の延在方向よりも下側の前記パネル基板のエッジ部分の側とならないように導出されている。
また、前記収容体は、前記パネル基板とは接触しない離間した位置に配置されており、前記パネル基板の厚み方向における前記固定面の高さが、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の高さより低い位置に配置されている。
すなわち、フレキシブル回路基板を、パネルの基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過させることにより、フレキシブル回路基板における基板との接続箇所と収容体との固定箇所との間の長さを、余裕を持って確保することができる。したがって、基板とフレキシブル回路基板との接続箇所において、フレキシブル回路基板が下方へ引っ張られる力を低減させることができる。その結果、パネル基板のエッジ部分によって、フレキシブル回路基板上の配線パターンが断線することを防止することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、フレキシブル回路基板は、基板と重ならない領域へ導出された部分において、基板面の延在方向に沿った直線部を備えることが好ましい。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を防止できる一方、フレキシブル回路基板を基板面から浮きにくくすることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、前記フレキシブル回路基板における、前記パネル基板との接続箇所から前記第1部分までの間を、湾曲の外側であって前記フレキシブル回路基板が剥離する方向と逆の側から押さえる形状保持部が備えられていることが好ましい。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を防止できる一方、フレキシブル回路基板がパネル基板面からの浮きを防いで、フレキシブル回路基板がパネル基板から剥離することを防止することができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、フレキシブル回路基板は、収容体に設けられた係止部に係止されて、収容体との固定位置を規定するための位置決め部を備えることが好ましい。
このように構成することにより、電気光学装置を製造する際に、フレキシブル回路基板を容易に所定の湾曲状態にすることができ、製造効率を向上させることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、フレキシブル回路基板とパネル基板とは異方性導電膜を用いて圧着されており、異方性導電膜の端部とパネル基板の端部とが一致していることが好ましい。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板の接続箇所において、フレキシブル回路基板がパネル基板のエッジ部に接触しにくくなるために、フレキシブル回路基板に、パネル基板に対する押圧力が多少発生した場合であっても、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を生じにくくすることができる。
また、本発明の別の態様は、パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板が、前記パネル基板と重ならない領域へ導出されるとともに、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させて、収容体における前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面に固定された電気光学装置の製造方法であって、前記フレキシブル回路基板を、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出させて、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させた後、前記湾曲させた側とは逆側に曲げられた状態で前記収容体の前記固定面に固定することを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
すなわち、フレキシブル回路基板を、所定箇所を通過するように湾曲させて固定させることにより、フレキシブル回路基板が基板の端部に押圧されて、当該フレキシブル回路基板上の配線パターンが断線することを防止できる電気光学装置を効率的に製造することができる。

また、本発明の電気光学装置の製造方法を実施するにあたり、フレキシブル回路基板をあらかじめ折り曲げ加工することが好ましい。
このように実施することにより、フレキシブル回路基板の湾曲形状を容易に形成することができ、フレキシブル回路基板の湾曲、固定作業を効率的に行うことができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの電気光学装置を備えた電子機器である。
すなわち、基板の端部によるフレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を低減した電気光学装置を備えているため、動作不良の少ない、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
以下、適宜図面を参照して、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する実施形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同一の符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明を省略する。また、図によっては、一部の部材が適宜省略されている場合がある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態は、筐体に収容され、フレキシブル回路基板が接続された基板を備えた電気光学装置である。
本実施形態の電気光学装置において、フレキシブル回路基板は、一部が基板と対向配置して接続されるとともに、基板と重ならない領域へ導出された後、基板に対向する側の面を内側にして湾曲されて、筐体の基板面と交差する方向に延在する固定面に固定されており、かつ、基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過することを特徴とする。
以下、本実施形態の電気光学装置として、TFT素子(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置を例に採って説明する。ただし、本発明は、TFT素子を備えた液晶装置だけでなく、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置や、スイッチング素子を備えていないパッシブマトリクス型の液晶装置をはじめとして、種々の電気光学装置に適用することができる。
1.基本的構成
まず、図1(a)〜(b)を参照して、本実施形態に係る液晶装置の基本的構成について説明する。ここで、図1(a)は、本実施形態の液晶装置10の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)中のXX断面を矢印方向に見た断面図を示している。
この図1に示すように、本実施形態の液晶装置10は、対向基板30と素子基板60とをシール材(図示せず)によって貼り合わせるとともに、セル領域内に液晶材料(図示せず)が封入された液晶パネル20を備えている。また、液晶パネル20における素子基板60は、対向基板30の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有しており、この基板張出部60Tにおける、液晶材料を保持する面側には、外部接続用端子(図示せず)が形成されているとともに、当該外部接続用端子に対して、半導体素子91とパネル駆動用フレキシブル回路基板17(以下、単に駆動用FPCと称する場合がある。)とが接続されている。
また、液晶パネル20の表示面の背面側には照明装置11が配置されている。この照明装置11は、光源駆動用フレキシブル回路基板19(以下、単に光源用FPCと称する場合がある。)に実装された光源13と、当該光源13が端部に配置され、光源13から出射された光を液晶パネル20に導く導光板15とからなっている。光源用FPC19は、コネクタ18を用いて駆動用FPC17に接続されている。
光源13としては、発光ダイオード(LED)が一般的であるが、それ以外にも蛍光管を用いることもできる。また、導光板15は、透光性のアクリル樹脂等からなる平板状の部材であり、液晶パネル20と面する面の背面側には、光反射板又は光反射膜(図示せず)を備えている。
そして、これらの液晶パネル20及び照明装置11は、ともにプラスチック等からなる枠状の筐体14に収容され、固定されている。
2.液晶パネル
図2は、図1の液晶装置に備えられた液晶パネルの部分拡大断面図である。この図2に示すように、対向基板30は、ガラスやプラスチック等によって形成され、当該対向基板30上には、カラーフィルタすなわち着色層37r、37g、37bと、その着色層37r、37g、37bの上に形成された対向電極33と、その対向電極33の上に形成された配向膜45とを備えている。また、反射領域における、着色層37r、37g、37bと対向電極33との間には、リタデーションを最適化するための絶縁層41を備えている。
対向基板30上に備えられた対向電極33は、ITO(インジウムスズ酸化物)等によって基板の表面全域に形成された面状電極である。また、着色層37r、37g、37bは、素子基板60側の画素電極63に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。そして、着色層37r、37g、37bの隣であって、画素電極63に対向しない位置にブラックマスク又はブラックマトリクス、すなわち遮光膜39が設けられている。
また、対向基板30に対向する素子基板60は、ガラスやプラスチック等によって形成され、当該素子基板60上には、スイッチング素子として機能するアクティブ素子としてのTFT素子69と、透明な絶縁膜81を挟んでTFT素子69の上層に形成された画素電極63とを備えている。
素子基板60上に備えられた画素電極63は、反射領域においては反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域Tにおいては、ITOなどにより透明電極63bとして形成される。また、画素電極63aとしての光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成される。そして、画素電極63の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施される。
また、対向基板30の外側(すなわち、図2の上側)表面には、位相差板47が形成され、さらにその上に偏光板49が形成されている。同様に、素子基板60の外側(すなわち、図2の下側)表面には、位相差板87が形成され、さらにその下に偏光板89が形成されている。
また、TFT素子69は、素子基板60上に形成されたゲート電極71と、このゲート電極71の上で素子基板60の全域に形成されたゲート絶縁膜72と、このゲート絶縁膜72を挟んでゲート電極71の上方位置に形成された半導体層70と、その半導体層70の一方の側にコンタクト電極77を介して形成されたソース電極73と、さらに半導体層70の他方の側にコンタクト電極77を介して形成されたドレイン電極66とを有する。
また、ゲート電極71はゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極73はソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は素子基板60の横方向に延びていて縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されるとともに、ソースバス配線はゲート絶縁膜72を挟んでゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて横方向へ等間隔で平行に複数本形成される。
かかるゲートバス配線は液晶駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は他の駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線とソースバス配線とによって区画される方形領域のうちTFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
ここで、ゲートバス配線及びゲート電極は、例えばクロム、タンタル等によって形成することができる。また、ゲート絶縁膜は、例えば窒化シリコン(SiNX)、酸化シリコン(SiOX)等によって形成される。また、半導体層は、例えばドープトa−Si、多結晶シリコン、CdSe等によって形成することができる。さらに、コンタクト電極は、例えばa−Si等によって形成することができ、ソース電極及びそれと一体をなすソースバス配線並びにドレイン電極は、例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等によって形成することができる。
また、有機絶縁膜81は、ゲートバス配線、ソースバス配線及びTFT素子を覆って素子基板60上の全域に形成されている。但し、有機絶縁膜81のドレイン電極66に対応する部分にはコンタクトホール83が形成され、このコンタクトホール83の所で画素電極63とTFT素子69のドレイン電極66との導通がなされている。
また、かかる有機絶縁膜81には、反射領域に対応する領域に、散乱形状として、山部と谷部との規則的な又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂膜が形成されている。この結果、有機絶縁膜81の上に積層される光反射膜79(63a)も同様にして凹凸パターンから成る光反射パターンを有することになる。但し、この凹凸パターンは、透過領域Tには形成されていない。
以上のような構造を有する液晶パネル20を備えた液晶装置において、反射表示の際には、太陽光や室内照明光などの外光が、対向基板30側から液晶パネル20に入射するとともに、着色層37r、37g、37bや液晶材料21などを通過して光反射膜79に至り、そこで反射されて再度液晶材料21や着色層37r、37g、37bなどを通過して、液晶パネル20から外部へ出ることにより、反射表示が行われる。
一方、透過表示の際には、照明装置から出射された光が液晶パネル20に入射するとともに、透光性の透明電極63b部分を通過し、着色層37r、37g、37b、液晶材料21などを通過して液晶パネル20の外部へ出ることにより、透過表示が行われる。
3.パネル駆動用フレキシブル回路基板(駆動用FPC)
次に、図1(a)〜(b)に示す本実施形態の液晶装置10に備えられた駆動用FPC17、及びその配置構造について説明する。図3(a)及び(b)は、図1(b)中、Xで示す枠内を拡大して表した断面図であり、図4は、駆動用FPC17の平面図である。
これらの図に示すように、駆動用FPC17は、ポリイミド樹脂等の可撓性の基体1上に、銅やアルミニウムからなる配線パターン2が形成された回路基板である。例えば、0.1mm程度の厚さのポリイミド可撓性基板上に、センターtoセンターのピッチ間隔が0.05〜0.1mm、パターン幅が0.04〜0.15mmの配線パターンが形成された構成とすることができる。
また、素子基板60との接続位置において、配線パターン2の端部にはパネル接続端子3が形成され、素子基板60の基板張出部60Tに形成された外部接続用端子97に対して、ACF8等を用いて電気的に接続されている。また、駆動用FPC17の表面には、コネクタ18や半導体素子(図示せず)等の電子部品が実装され、さらに、これらの電子部品の実装領域やパネル接続端子3部分等を除いて、絶縁層で被覆されている。
ここで、本実施形態の液晶装置において、駆動用FPC17は、パネル接続端子3が形成された領域で素子基板60と対向配置され、素子基板60側の外部接続用端子97に接続されている。また、素子基板60と重ならない領域へ導出された後、素子基板60に対向する側の面、すなわち、パネル接続端子3や配線パターン2が形成された面を内側にして湾曲され、粘着テープ等を用いて筐体14に固定されている。このとき駆動用FPC17が固定される筐体14の固定面14aは、基板面61Aと交差する方向に延在する面となっている。その際に、駆動用FPC17は、素子基板60の基板面61Aの延在方向と、筐体14における固定面14aの延在方向とが交差する線(図3(a)においては交点Pで示されている。)よりも外側を通過するように湾曲されている。
換言すれば、図3(b)に示すように、基板面61Aの延在方向に沿った延長線L1と、駆動用FPC17の素子基板60との接続箇所から筐体14との固定箇所までの間における、素子基板60の端部から最も離間した最頂部17Mを通過する延長線L1と直交する線L2との交点P1が、筐体14の固定面14aを通過する延長線L1と直交する線L3と、延長線L1との交点P2よりも、素子基板60の端部から離間して位置するように湾曲されている。
このように構成することにより、素子基板60との接続箇所から、筐体14との固定箇所までの間、長さに充分な余裕を持って駆動用FPC17を配設することができる。その結果、素子基板60との接続箇所と筐体14との固定箇所との間に作用する引張力を低減することができる。したがって、素子基板60のエッジ部分に対して駆動用FPC17が強く押圧されることがなくなり、駆動用FPC17上に形成された配線パターン2の断線を防止することができる。よって、動作不良や故障の少ない液晶装置とすることができる。
ただし、駆動用FPCにおける、素子基板との接続箇所と筐体との固定箇所との間の長さ(以下、湾曲部分の長さと称する。)が過度に長くなると、駆動用FPCの曲げ反力によって、素子基板との接続箇所においては、駆動用FPCが剥離する方向(図中上方向)に力が作用し、筐体との固定箇所においては、駆動用FPCが剥離する方向(図中右方向)に力が作用しやすくなる(図6(b)を参照)。その結果、筐体14との固定面14aから脱離したり、素子基板60の外部接続用端子97から剥がれたりしやすくなるおそれがある。
したがって、図3(a)及び(b)に示すように駆動用FPC17を配設する際に、駆動用FPC17において、素子基板60の基板面61Aの延在方向に沿った直線部Sが形成されるように考慮して、湾曲部分の長さを決定することが好ましい。
また、駆動用FPC17の湾曲部分の長さが規定される場合には、図5(a)に示すように、駆動用FPC17に、筐体14との固定箇所の位置を規定するための位置決め部7を設けることが好ましい。かかる位置決め部7を設けることにより、筐体との固定箇所が一義的に決定され、湾曲部分の長さをあらかじめ定めた長さに容易に合わせることができる。
図5(a)に示す駆動用FPC17の位置決め部7は、基板1の一部に孔を設けた係止部7Aからなり、図5(b)に示すように、この係止部7Aを、筐体14の固定面14aに設けられた突部9に対して係止することにより、筐体14との固定箇所が決定される。
位置決め部の構成は、図5に示す例以外にも種々の態様が考えられ、適宜採用することができる。例えば、筐体側に突部等を設ける必要がないように、形状的な構成やマーキング等、視覚によって確認することができる方法によって、筐体との固定箇所の目印を付しておくこともできる。
また、駆動用FPC17の湾曲部分の長さを規定することなく、素子基板60との接続箇所において、駆動用FPC17が剥離する方向に作用する力を低減させるためには、図6(a)に示すように、筐体14に、駆動用FPC17における素子基板60との接続箇所と筐体14との固定箇所との間を、湾曲の外側から押さえる形状保持部5を設けることが好ましい。このような形状保持部5を備えることにより、駆動用FPC17の曲げ反力を、形状保持部5によって図中上方側から規制して、駆動用FPC17の素子基板60からの剥離を容易に防止することができる。
なお、筐体の一部に形状保持部を備えた構成以外に、別部材を用いて形状保持部を構成することもできる。別部材を用いて形状保持部材を構成した場合には、液晶装置を組立てる際に、フレキシブル回路基板の配置をスムーズに行うことができるとともに、形状保持部材の配置位置の自由度を高めることができる。
さらに、製造段階において、素子基板60と電気的に接続するまでに、あらかじめ折り曲げ加工された駆動用FPC17を用いることも好ましい。
このような折り曲げ加工をあらかじめ施した駆動用FPC17を用いることにより、所定の湾曲形状をなすように湾曲させることが容易になり、駆動用FPC17の配置構成を、本発明における所定の構成とすることが容易になる。
また、素子基板のエッジ部分に駆動用FPCが直接的に接触することを防ぐために、図7(a)に示すように、駆動用FPC17のパネル接続端子3と、素子基板60側の外部接続用端子97とを電気的に接続する手段として、ACF8を用いるとともに、ACF8の端部位置と素子基板60のエッジ部分の位置とを一致させることが好ましい。
このように構成することにより、駆動用FPC17に引張力が作用し、素子基板60のエッジ部分に押圧された場合であっても、ACF8によって押圧力が緩衝されるため、配線パターンの断線を生じにくくすることができる。すなわち、図7(b)に示すように、駆動用FPC517が素子基板560のエッジ部分に直接接触して、配線パターンが断線しやすくなることを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、駆動用FPCを例にとって説明したが、駆動用FPC以外であっても、基板に対して接続され、所定の湾曲構造をなして筐体に固定されるようなフレキシブル回路基板を備えた電気光学装置であれば、本発明を適用することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、第1実施形態で例示したような電気光学装置の製造方法であって、基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過するようにフレキシブル回路基板を湾曲させて、筐体の基板面と交差する方向に延在する固定面に固定することを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
以下、本実施形態の電気光学装置の製造方法の一例として、図1に示す液晶装置の製造方法について説明する。
1.液晶パネルの形成
まず、素子基板と対向基板としてのカラーフィルタ基板とを含む液晶パネルを製造する。
かかる液晶パネルを構成する素子基板は、素子基板の基体としてのガラス基板等の上に各種の部材を積層することにより、TFT素子や所定パターンの走査線、所定パターンのデータ線、外部接続端子等を適宜形成する。次いで、スパッタリング処理等によりITO等の透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ及びエッチング法により、表示領域に画素電極をマトリクス状に形成する。さらに、画素電極が形成された基板表面に、ポリイミドからなる配向膜を形成する。このようにして、種々の樹脂膜や導電膜が形成された素子基板を製造する。
また、対向基板としてのカラーフィルタ基板は、基体としてのガラス基板等の上に各種の部材を積層することにより、着色層や遮光膜を適宜形成する。次いで、スパッタリング処理等によりITO等の透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ及びエッチング法により、表示領域全面に渡る対向電極を形成する。さらに、対向電極が形成された基板表面に、ポリイミドからなる配向膜を形成する。このようにして、種々の樹脂膜や導電膜が形成されたカラーフィルタ基板を製造する。
次いで、カラーフィルタ基板と素子基板とをシール材を介して貼り合わせてセル構造を形成するとともに、セル構造の内部に液晶材料(図示せず)を配置することにより、図8(a)に示すような液晶セル20´を形成する。液晶材料の配置方法としては、セル構造を形成した後に行う真空注入法や、あらかじめ液晶材料を滴下した後基板を貼り合わせる方法などがある。
その後、カラーフィルタ基板30及び素子基板60の外面にそれぞれ偏光板(図示せず)等を貼付したり、駆動用FPC17を電気的に接続したりすることにより、図8(b)に示すように、液晶パネル20を製造することができる。
このとき、素子基板60に接続する駆動用FPC17には、あらかじめ折り曲げ加工を施しておくことが好ましい。このようにすることにより、あらかじめ湾曲形状を規定しておくことができるため、後工程で駆動用FPC17を湾曲させて配置することを容易に実施することができる。また、駆動用FPC17として、第1実施形態で説明した位置決め部が設けられたFPCを用いることも好ましい。
2.組立工程
次いで、図8(c)に示すように、液晶パネル20及び照明装置11をともに筐体14に収容するとともに、素子基板60に接続された駆動用FPC17を、素子基板60の基板面61Aの延在方向と筐体14の固定面14aの延在方向とが交差する線(図中では、交点Pとして表される。)よりも外側を通過するように湾曲させ、筐体14の固定面14aに対して固定する。
上述したように、あらかじめ折り曲げ加工されている場合や、筐体との固定箇所を規定する位置決め部を備えている場合には、駆動用FPCを容易に所定の配置構成をなすように湾曲させて固定させることができる。
次いで、図示しないものの、光源用FPCと駆動用FPCとをコネクタ等を介して接続し、図1に示すような液晶装置10を製造することができる。
このようにして製造された液晶装置であれば、駆動用FPC17において、素子基板60との接続箇所と筐体14との固定箇所との間に作用する引張力を低減することができ、素子基板60のエッジ部分に対して駆動用FPC17が強く押圧されることがなくなることから、駆動用FPC17上に形成された配線パターンの断線を防止することができる。したがって、動作不良や故障の少ない液晶装置とすることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、第1実施形態の液晶装置を備えた電子機器である。
図9は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶装置に備えられた液晶パネル20と、これを制御するための制御手段200とを有している。また、図9中では、液晶パネル20を、パネル構造体20Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路20Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段200は、表示情報出力源201と、表示処理回路202と、電源回路203と、タイミングジェネレータ204とを備えている。
また、表示情報出力源201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ204によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示処理回路202に供給するように構成されている。
また、表示処理回路202は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路20Bへ供給する。さらに、駆動回路20Bは、第1の電極駆動回路、第2の電極駆動回路及び検査回路を含めることができる。また、電源回路203は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
そして、本実施形態の電子機器であれば、駆動用FPC上の配線パターンが断線しにくい液晶パネルを備えているために、動作不良や故障の少ない電子機器とすることができる。
本発明によれば、フレキシブル回路基板を、所定の湾曲形状となるように湾曲させることにより、フレキシブル回路基板上の配線パターンを断線しにくくした電気光学装置を提供することができる。したがって、TFT素子、TFD素子を備えた液晶装置や電子機器、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器などに幅広く適用することができる。
また、本発明を適用可能な電気光学装置は液晶装置に限られるものではなく、EL装置やプラズマディスプレイ装置、電子放出素子を備えた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)等、フレキシブル回路基板が接続され、湾曲されて固定される電気光学装置であれば好適に使用することができる。
第1実施形態にかかる液晶装置の構成例を示す斜視図及び断面図である。 液晶パネルの構成を示す拡大断面図である。 駆動用FPCの配置構成を説明するための図である。 駆動用FPCの構成例を示す図である。 位置決め部を備えた駆動用FPCの構成例を示す図である。 形状保持部について説明するための図である。 ACFの配置位置について説明するための図である。 第2実施形態にかかる液晶装置の製造方法の一例を説明するための図である。 第3実施形態の電子機器の概略構成を示すブロック図である。 従来の液晶装置の構成を示す図である。 従来の液晶装置の別の構成を示す図である。
符号の説明
1:可撓性基体、2:配線パターン、3:パネル接続端子、5:形状保持部、7:位置決め部、8:異方性導電膜(ACF)、9:突部、10:液晶装置、11:照明装置、13:光源、14:筐体、14a:筐体の固定面、15:導光板、17:パネル駆動用フレキシブル回路基板、18:コネクタ、19:光源駆動用フレキシブル回路基板、20:液晶パネル、30:対向基板(カラーフィルタ基板)、60:素子基板、60T:基板張出部、61:ガラス基板、61A:基板面、97:外部接続用端子

Claims (8)

  1. パネル基板と、前記パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板と、前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面を有して前記パネル基板を収容する収容体と、を備え、前記フレキシブル回路基板は、一部が前記パネル基板と対向配置して接続されて、前記パネル基板面の延在方向に向けて前記パネル基板と重ならない領域へ導出された電気光学装置において、
    前記フレキシブル回路基板は、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出されるとともに、
    前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲された第1部分と、
    前記収容体の前記固定面に固定されている部分と、
    前記第1部分と前記収容体の前記固定面に前記固定されている部分との間に、前記第1部分とは逆側に曲げられた第2部分と、
    を有していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記フレキシブル回路基板は、前記パネル基板に接続された直後の導出される方向が、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の延在方向よりも下側の前記パネル基板のエッジ部分の側とならないように導出されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記収容体は、前記パネル基板とは接触しない離間した位置に配置されており、前記パネル基板の厚み方向における前記固定面の高さが、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の高さより低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記フレキシブル回路基板における、前記パネル基板との接続箇所から前記第1部分までの間を、湾曲の外側であって前記フレキシブル回路基板が剥離する方向と逆の側から押さえる形状保持部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 前記フレキシブル回路基板は、前記収容体に設けられた係止部に係止されて、前記収容体との固定位置を規定するための位置決め部を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記フレキシブル回路基板と前記パネル基板とは異方性導電膜を用いて圧着されており、前記異方性導電膜の端部と前記パネル基板の端部とが一致していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板が、前記パネル基板と重ならない領域へ導出されるとともに、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させて、収容体における前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面に固定された電気光学装置の製造方法であって、
    前記フレキシブル回路基板を、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出させて、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させた後、前記湾曲させた側とは逆側に曲げられた状態で前記収容体の前記固定面に固定することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載された電気光学装置を備えた電子機器。
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