JP4984752B2 - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents
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Description
このような液晶装置において、小型化及び軽量化を目的として、表面に導電パターンや電子部品を設けたフレキシブル回路基板(以下、FPCと称する場合がある。)を、異方性導電膜(以下、ACFと称する場合がある。)等を用いて基板に接続した液晶装置がある。かかるFPCは、可撓性の基板を基体とした回路基板であり、収容される筐体や、装置の外形に応じて自由に折り曲げることができる一方、折り曲げ作業に起因して、表面に設けられた導電パターンが断線するおそれがある。
すなわち、本発明は、FPCが基板等の端部に押圧されて、FPC上に形成された導電パターンが断線することを防止することができる電気光学装置を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、そのような電気光学装置の製造方法、及びそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することである。
また、前記フレキシブル回路基板は、前記パネル基板に接続された直後の導出される方向が、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の延在方向よりも下側の前記パネル基板のエッジ部分の側とならないように導出されている。
また、前記収容体は、前記パネル基板とは接触しない離間した位置に配置されており、前記パネル基板の厚み方向における前記固定面の高さが、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の高さより低い位置に配置されている。
すなわち、フレキシブル回路基板を、パネルの基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過させることにより、フレキシブル回路基板における基板との接続箇所と収容体との固定箇所との間の長さを、余裕を持って確保することができる。したがって、基板とフレキシブル回路基板との接続箇所において、フレキシブル回路基板が下方へ引っ張られる力を低減させることができる。その結果、パネル基板のエッジ部分によって、フレキシブル回路基板上の配線パターンが断線することを防止することができる。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を防止できる一方、フレキシブル回路基板を基板面から浮きにくくすることができる。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を防止できる一方、フレキシブル回路基板がパネル基板面からの浮きを防いで、フレキシブル回路基板がパネル基板から剥離することを防止することができる。
このように構成することにより、電気光学装置を製造する際に、フレキシブル回路基板を容易に所定の湾曲状態にすることができ、製造効率を向上させることができる。
このように構成することにより、フレキシブル回路基板の接続箇所において、フレキシブル回路基板がパネル基板のエッジ部に接触しにくくなるために、フレキシブル回路基板に、パネル基板に対する押圧力が多少発生した場合であっても、フレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を生じにくくすることができる。
すなわち、フレキシブル回路基板を、所定箇所を通過するように湾曲させて固定させることにより、フレキシブル回路基板が基板の端部に押圧されて、当該フレキシブル回路基板上の配線パターンが断線することを防止できる電気光学装置を効率的に製造することができる。
このように実施することにより、フレキシブル回路基板の湾曲形状を容易に形成することができ、フレキシブル回路基板の湾曲、固定作業を効率的に行うことができる。
すなわち、基板の端部によるフレキシブル回路基板上の配線パターンの断線を低減した電気光学装置を備えているため、動作不良の少ない、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
なお、それぞれの図中、同一の符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明を省略する。また、図によっては、一部の部材が適宜省略されている場合がある。
本発明の第1実施形態は、筐体に収容され、フレキシブル回路基板が接続された基板を備えた電気光学装置である。
本実施形態の電気光学装置において、フレキシブル回路基板は、一部が基板と対向配置して接続されるとともに、基板と重ならない領域へ導出された後、基板に対向する側の面を内側にして湾曲されて、筐体の基板面と交差する方向に延在する固定面に固定されており、かつ、基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過することを特徴とする。
以下、本実施形態の電気光学装置として、TFT素子(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置を例に採って説明する。ただし、本発明は、TFT素子を備えた液晶装置だけでなく、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置や、スイッチング素子を備えていないパッシブマトリクス型の液晶装置をはじめとして、種々の電気光学装置に適用することができる。
まず、図1(a)〜(b)を参照して、本実施形態に係る液晶装置の基本的構成について説明する。ここで、図1(a)は、本実施形態の液晶装置10の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)中のXX断面を矢印方向に見た断面図を示している。
この図1に示すように、本実施形態の液晶装置10は、対向基板30と素子基板60とをシール材(図示せず)によって貼り合わせるとともに、セル領域内に液晶材料(図示せず)が封入された液晶パネル20を備えている。また、液晶パネル20における素子基板60は、対向基板30の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有しており、この基板張出部60Tにおける、液晶材料を保持する面側には、外部接続用端子(図示せず)が形成されているとともに、当該外部接続用端子に対して、半導体素子91とパネル駆動用フレキシブル回路基板17(以下、単に駆動用FPCと称する場合がある。)とが接続されている。
光源13としては、発光ダイオード(LED)が一般的であるが、それ以外にも蛍光管を用いることもできる。また、導光板15は、透光性のアクリル樹脂等からなる平板状の部材であり、液晶パネル20と面する面の背面側には、光反射板又は光反射膜(図示せず)を備えている。
そして、これらの液晶パネル20及び照明装置11は、ともにプラスチック等からなる枠状の筐体14に収容され、固定されている。
図2は、図1の液晶装置に備えられた液晶パネルの部分拡大断面図である。この図2に示すように、対向基板30は、ガラスやプラスチック等によって形成され、当該対向基板30上には、カラーフィルタすなわち着色層37r、37g、37bと、その着色層37r、37g、37bの上に形成された対向電極33と、その対向電極33の上に形成された配向膜45とを備えている。また、反射領域における、着色層37r、37g、37bと対向電極33との間には、リタデーションを最適化するための絶縁層41を備えている。
対向基板30上に備えられた対向電極33は、ITO(インジウムスズ酸化物)等によって基板の表面全域に形成された面状電極である。また、着色層37r、37g、37bは、素子基板60側の画素電極63に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。そして、着色層37r、37g、37bの隣であって、画素電極63に対向しない位置にブラックマスク又はブラックマトリクス、すなわち遮光膜39が設けられている。
素子基板60上に備えられた画素電極63は、反射領域においては反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域Tにおいては、ITOなどにより透明電極63bとして形成される。また、画素電極63aとしての光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成される。そして、画素電極63の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施される。
また、ゲート電極71はゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極73はソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は素子基板60の横方向に延びていて縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されるとともに、ソースバス配線はゲート絶縁膜72を挟んでゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて横方向へ等間隔で平行に複数本形成される。
かかるゲートバス配線は液晶駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は他の駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線とソースバス配線とによって区画される方形領域のうちTFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
また、かかる有機絶縁膜81には、反射領域に対応する領域に、散乱形状として、山部と谷部との規則的な又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂膜が形成されている。この結果、有機絶縁膜81の上に積層される光反射膜79(63a)も同様にして凹凸パターンから成る光反射パターンを有することになる。但し、この凹凸パターンは、透過領域Tには形成されていない。
一方、透過表示の際には、照明装置から出射された光が液晶パネル20に入射するとともに、透光性の透明電極63b部分を通過し、着色層37r、37g、37b、液晶材料21などを通過して液晶パネル20の外部へ出ることにより、透過表示が行われる。
次に、図1(a)〜(b)に示す本実施形態の液晶装置10に備えられた駆動用FPC17、及びその配置構造について説明する。図3(a)及び(b)は、図1(b)中、Xで示す枠内を拡大して表した断面図であり、図4は、駆動用FPC17の平面図である。
これらの図に示すように、駆動用FPC17は、ポリイミド樹脂等の可撓性の基体1上に、銅やアルミニウムからなる配線パターン2が形成された回路基板である。例えば、0.1mm程度の厚さのポリイミド可撓性基板上に、センターtoセンターのピッチ間隔が0.05〜0.1mm、パターン幅が0.04〜0.15mmの配線パターンが形成された構成とすることができる。
換言すれば、図3(b)に示すように、基板面61Aの延在方向に沿った延長線L1と、駆動用FPC17の素子基板60との接続箇所から筐体14との固定箇所までの間における、素子基板60の端部から最も離間した最頂部17Mを通過する延長線L1と直交する線L2との交点P1が、筐体14の固定面14aを通過する延長線L1と直交する線L3と、延長線L1との交点P2よりも、素子基板60の端部から離間して位置するように湾曲されている。
したがって、図3(a)及び(b)に示すように駆動用FPC17を配設する際に、駆動用FPC17において、素子基板60の基板面61Aの延在方向に沿った直線部Sが形成されるように考慮して、湾曲部分の長さを決定することが好ましい。
図5(a)に示す駆動用FPC17の位置決め部7は、基板1の一部に孔を設けた係止部7Aからなり、図5(b)に示すように、この係止部7Aを、筐体14の固定面14aに設けられた突部9に対して係止することにより、筐体14との固定箇所が決定される。
このような折り曲げ加工をあらかじめ施した駆動用FPC17を用いることにより、所定の湾曲形状をなすように湾曲させることが容易になり、駆動用FPC17の配置構成を、本発明における所定の構成とすることが容易になる。
このように構成することにより、駆動用FPC17に引張力が作用し、素子基板60のエッジ部分に押圧された場合であっても、ACF8によって押圧力が緩衝されるため、配線パターンの断線を生じにくくすることができる。すなわち、図7(b)に示すように、駆動用FPC517が素子基板560のエッジ部分に直接接触して、配線パターンが断線しやすくなることを防ぐことができる。
本発明の第2実施形態は、第1実施形態で例示したような電気光学装置の製造方法であって、基板面の延在方向と筐体の固定面の延在方向とが交差する線よりも外側を通過するようにフレキシブル回路基板を湾曲させて、筐体の基板面と交差する方向に延在する固定面に固定することを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
以下、本実施形態の電気光学装置の製造方法の一例として、図1に示す液晶装置の製造方法について説明する。
まず、素子基板と対向基板としてのカラーフィルタ基板とを含む液晶パネルを製造する。
かかる液晶パネルを構成する素子基板は、素子基板の基体としてのガラス基板等の上に各種の部材を積層することにより、TFT素子や所定パターンの走査線、所定パターンのデータ線、外部接続端子等を適宜形成する。次いで、スパッタリング処理等によりITO等の透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ及びエッチング法により、表示領域に画素電極をマトリクス状に形成する。さらに、画素電極が形成された基板表面に、ポリイミドからなる配向膜を形成する。このようにして、種々の樹脂膜や導電膜が形成された素子基板を製造する。
その後、カラーフィルタ基板30及び素子基板60の外面にそれぞれ偏光板(図示せず)等を貼付したり、駆動用FPC17を電気的に接続したりすることにより、図8(b)に示すように、液晶パネル20を製造することができる。
次いで、図8(c)に示すように、液晶パネル20及び照明装置11をともに筐体14に収容するとともに、素子基板60に接続された駆動用FPC17を、素子基板60の基板面61Aの延在方向と筐体14の固定面14aの延在方向とが交差する線(図中では、交点Pとして表される。)よりも外側を通過するように湾曲させ、筐体14の固定面14aに対して固定する。
上述したように、あらかじめ折り曲げ加工されている場合や、筐体との固定箇所を規定する位置決め部を備えている場合には、駆動用FPCを容易に所定の配置構成をなすように湾曲させて固定させることができる。
このようにして製造された液晶装置であれば、駆動用FPC17において、素子基板60との接続箇所と筐体14との固定箇所との間に作用する引張力を低減することができ、素子基板60のエッジ部分に対して駆動用FPC17が強く押圧されることがなくなることから、駆動用FPC17上に形成された配線パターンの断線を防止することができる。したがって、動作不良や故障の少ない液晶装置とすることができる。
本発明の第3実施形態は、第1実施形態の液晶装置を備えた電子機器である。
図9は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶装置に備えられた液晶パネル20と、これを制御するための制御手段200とを有している。また、図9中では、液晶パネル20を、パネル構造体20Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路20Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段200は、表示情報出力源201と、表示処理回路202と、電源回路203と、タイミングジェネレータ204とを備えている。
また、表示情報出力源201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ204によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示処理回路202に供給するように構成されている。
そして、本実施形態の電子機器であれば、駆動用FPC上の配線パターンが断線しにくい液晶パネルを備えているために、動作不良や故障の少ない電子機器とすることができる。
また、本発明を適用可能な電気光学装置は液晶装置に限られるものではなく、EL装置やプラズマディスプレイ装置、電子放出素子を備えた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)等、フレキシブル回路基板が接続され、湾曲されて固定される電気光学装置であれば好適に使用することができる。
Claims (8)
- パネル基板と、前記パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板と、前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面を有して前記パネル基板を収容する収容体と、を備え、前記フレキシブル回路基板は、一部が前記パネル基板と対向配置して接続されて、前記パネル基板面の延在方向に向けて前記パネル基板と重ならない領域へ導出された電気光学装置において、
前記フレキシブル回路基板は、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出されるとともに、
前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲された第1部分と、
前記収容体の前記固定面に固定されている部分と、
前記第1部分と前記収容体の前記固定面に前記固定されている部分との間に、前記第1部分とは逆側に曲げられた第2部分と、
を有していることを特徴とする電気光学装置。 - 前記フレキシブル回路基板は、前記パネル基板に接続された直後の導出される方向が、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の延在方向よりも下側の前記パネル基板のエッジ部分の側とならないように導出されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記収容体は、前記パネル基板とは接触しない離間した位置に配置されており、前記パネル基板の厚み方向における前記固定面の高さが、前記フレキシブル回路基板が接続された前記パネル基板面の高さより低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記フレキシブル回路基板における、前記パネル基板との接続箇所から前記第1部分までの間を、湾曲の外側であって前記フレキシブル回路基板が剥離する方向と逆の側から押さえる形状保持部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記フレキシブル回路基板は、前記収容体に設けられた係止部に係止されて、前記収容体との固定位置を規定するための位置決め部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記フレキシブル回路基板と前記パネル基板とは異方性導電膜を用いて圧着されており、前記異方性導電膜の端部と前記パネル基板の端部とが一致していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- パネル基板に接続されたフレキシブル回路基板が、前記パネル基板と重ならない領域へ導出されるとともに、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させて、収容体における前記パネル基板面と交差する方向に延在する固定面に固定された電気光学装置の製造方法であって、
前記フレキシブル回路基板を、前記収容体の前記固定面の延在方向を超えて外側に導出させて、前記パネル基板に対向する側の面を内側にして湾曲させた後、前記湾曲させた側とは逆側に曲げられた状態で前記収容体の前記固定面に固定することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載された電気光学装置を備えた電子機器。
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