JP4760571B2 - 液晶装置、照明装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
かかる液晶装置において、薄型化や小型化を図る等の目的から、フレキシブル回路基板(FPC基板)上にLED等の光源を実装するとともに、光源を、下方に反射シートを備えた導光板のエッジ部に配置して、当該反射シートを備えた導光板によって、光源から出射される光を、液晶パネルに導くように構成された照明装置が用いられている。
より具体的には、図13に示すような液晶装置300において、液晶表示パネル302の裏面側に、所定のバックライト321を対向させて配置してある。すなわち、このバックライト321を、光源322と、導光板326と、反射シート333と、から構成してある。そして、このバックライト321をフレーム341に保持してあるとともに、フレーム341の下端側に設けた支持片部347の上端側に、固定シート334を設けて、その下端側が当接するように配置してある。
よって、このような液晶装置300の構成であれば、バックライト321における導光板326と、反射シート333と、を両面テープ等によって、貼り付ける必要がなくなり、薄型化が可能となるばかりか、フレーム341に設けた支持片部347への固定シート334の当接によって、反射シート333の移動を規制することができる。
すなわち、図14に示すように、枠状の反射ケース403に、外縁部が載置された状態において、フィルム部材402が、枠状の遮光両面テープ401により固定されたバックライトユニット400である。そして、遮光両面テープ401に、フィルム部材402の外縁部と、枠状の反射ケース403の双方と、を接着するとともに、少なくともその一辺において枠状の反射ケース403の外側面まで延在して接着される延在部401bを設けたバックライトユニット400である。
一方、特許文献2に記載されたバックライトユニット400においては、反射シート405の熱膨張率と、それを導光板404に固定するための接着部材の熱膨張率との関係を何ら考慮していないことより、光源の点灯状態のような高温状態において、表示ムラが大きくなるという問題が見られた。
特に、いずれの特許文献に記載された液晶装置やバックライトユニットを備えた電子機器において、周囲の環境温度が高くなると、光源温度の影響がさらに大きくなって、表示ムラが大きくなるという問題が見られた。
すなわち、本発明は、簡易な手段によって、光源の点灯状態のような高温状態においても、さらには周囲の環境温度が変化したような場合であっても、表示ムラが少ない液晶装置及びそのような液晶装置に適した照明装置、及びそのような液晶装置を備えた電子機器をそれぞれ提供することを目的とする。
すなわち、少なくとも光源の点灯状態のような高温状態、例えば、85℃付近において、反射シートの熱膨張率の値(L1)と、接着部材の熱膨張率の値(L2)と、が実質的に等しくなるように調整することにより、反射シートと、導光板との間の位置ずれが少なくなって、結果として、表示ムラが少ない液晶装置を提供することができる。
なお、反射シートの熱膨張率(L1)および接着部材の熱膨張率(L2)は、それぞれ所定温度範囲における線膨張率として、例えば、ASTM−D−696に準拠して測定することができる。
このように構成することにより、所定温度領域における接着部材の熱膨張率(8×10-5/℃〜1×10-4/℃程度)と、反射シートの熱膨張率(1×10-5〜6×10-5/℃程度)の差(L2−L1)を容易に調整することができ、結果として、反射シートと、導光板との間の位置ずれをさらに少なくすることができる。
このように接着部材においても樹脂フィルム層を含むことにより、接着部材の熱膨張率の値(L2)を、反射シートのその値(L1)に近付けることができる。その結果、反射シートと、導光板との間の位置ずれをさらに少なくすることができる。
このように構成することにより、接着部材の厚さが比較的薄くなるので、熱膨張率の差(L2−L1)に基づく実質的な歪の大きさを小さくすることができる。
このように構成することにより、接着部材を非表示領域に設けることが容易になって、液晶装置における表示領域の面積を相対的に大きくすることができる。また、表示領域においては、反射シートと、導光板あるいは筐体との間に、所定空間が生成されるため、それを利用して、導光効率をさらに高めることができる。
このように構成することにより、接着部材における熱膨張率の値(L2)を調整しやすくなって、反射シートの熱膨張率の値(L1)に、さらに近づけることができる。その結果、反射シートと、導光板との間の位置ずれをさらに少なくすることができる。
すなわち、少なくとも光源の点灯状態のような高温状態、例えば、85℃付近において、反射シートの熱膨張率の値(L1)と、接着部材の熱膨張率の値(L2)と、が実質的に等しくなるように調整した照明装置が提供されることにより、液晶パネルに用いた場合に、その下方に配置された導光板との間の位置ずれが少なくなって、結果として、表示ムラが少ない画像表示をすることができる。
すなわち、少なくとも光源の点灯状態のような高温状態、例えば、85℃付近において、反射シートの熱膨張率の値(L1)と、接着部材の熱膨張率の値(L2)と、が実質的に等しくした照明装置を備えた液晶装置が提供されることにより、それを表示手段として利用し、長時間の点灯使用や、周囲の環境温度の変化にかかわらず、表示ムラが少ない電子機器を提供することができる。
第1実施形態は、図1(a)〜(b)に例示するように、液晶パネル10と、当該液晶パネル10に対して入射させる光を出射する光源13と、当該光源13に対向配置され、当該光源13から出射された光を所定箇所に導くための導光板15と、当該導光板15の下方に、接着部材14´を介して配置された反射シート14と、を備えた液晶装置1であって、反射シート14の熱膨張率の値(L1)と、接着部材14´の熱膨張率の値(L2)と、を実質的に等しくした液晶装置1である。
また、図1(a)〜(b)に例示するように、光を出射する光源13と、当該光源13に対向配置され、当該光源13から出射された光を所定箇所に導くための導光板15と、当該導光板15の下方に、接着部材14´を介して配置された反射シート14と、を備えた照明装置11であって、反射シート14の熱膨張率の値と、接着部材14´の熱膨張率の値と、を実質的に等しくした照明装置11に関する態様についても、同様に、第1実施形態中で説明するものとする。
ただし、本発明は、TFT素子を備えた液晶装置だけでなく、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型の液晶装置や、スイッチング素子を備えていないパッシブマトリクス型の液晶装置をはじめとして、種々の電気光学装置に適用することができる。
さらに、以下の説明中、液晶パネルとは、シール材で貼り合わせられた一対の基板の間に液晶材料が注入された状態を指し、当該液晶パネルに、フレキシブル回路基板や電子部品、光源等が取り付けられた状態を液晶装置とする。
まず、図1〜図3を参照して、液晶装置の基本的構成について説明する。
ここで、図2は、図1に示される液晶装置1に使用される液晶パネル10の部分断面図を示し、図3は、液晶装置1に使用される液晶パネル10の斜視図を示している。
図3に示すように、液晶パネル10は、対向基板30と、素子基板60とが、それらの周辺部においてシール材23によって貼り合わせられ、さらに、対向基板30、素子基板60及びシール材23によって囲まれる間隙21a内に液晶材料21を封入して形成されている。
また、図3に示すように、液晶装置10において、素子基板60は、対向基板30の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有している。また、この基板張出部60Tにおける、液晶材料21を保持する面側には、外部接続用端子(図示せず)が形成されているとともに、当該外部接続用端子に対して、半導体素子91やパネル駆動用フレキシブル回路基板(FPC)17が接続されている。
ここで、対向電極33は、インジウムスズ酸化物(ITO)等によって、対向基板30の表面全域に形成された面状電極である。また、複数の着色層37r、37g、37bは、素子基板60側の画素電極63に対向する位置にR(赤)、G(緑)、B(青)又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった各色のいずれかの色フィルタエレメントを備えている。そして、複数の着色層37r、37g、37bの隣であって、画素電極63に対向しない位置に、ブラックマスク又はブラックマトリクス、すなわち遮光膜39が設けられている。
ここで、画素電極63は、反射領域Rにおいては反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域(T)においては、ITOなどによって、透明電極63bとして形成される。また、画素電極の一部としての光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)やAg(銀)等といった光反射性材料によって形成されている。そして、画素電極63の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施されている。
また、ゲート電極71は、ゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極73は、ソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は、素子基板60の横方向に延びていて、縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されている。同様に、ソースバス配線は、ゲート絶縁膜72を挟んで、ゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて、横方向へ等間隔で、平行に複数本形成されている。
かかるゲートバス配線は、液晶駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は、他の駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線と、ソースバス配線とによって区画される方形領域のうち、TFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
また、半導体層は、例えば、ドープトa−Si、多結晶シリコン、およびCdSe等によって形成されている。
さらに、コンタクト電極は、例えば、a−Si等によって形成することができ、ソース電極及びそれと一体をなすソースバス配線並びにドレイン電極は、例えば、チタン、モリブデン、アルミニウム等によって形成されている。
但し、有機絶縁膜81のドレイン電極66に対応する部分にはコンタクトホール83が形成され、このコンタクトホール83の箇所で、画素電極63と、TFT素子69のドレイン電極66と、の間の電気的接続がとられている。
また、かかる有機絶縁膜81には、反射領域(R)に対応した領域に、散乱形状であって、山部と谷部との規則的な又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂膜が形成されている。この結果、有機絶縁膜81の上に積層される光反射膜79(63a)も同様にして、凹凸パターンから成る光反射パターンを構成することになる。但し、この光反射のための凹凸パターンは、光透過量が低下してしまうため、透過領域(T)には形成されていない。
一方、透過表示の際には、照明装置としてのバックライトユニットが点灯されるとともに、バックライトユニットから出射された光は、透光性の透明電極63bを通過し、着色層37r、37g、37b、液晶材料21などをさらに通過して、液晶装置10の外部へ出射される。したがって、このようにして、液晶装置1における透過表示が行われる。
(1)基本構成
照明装置は、液晶パネルに対して入射させる光を出射するための部位であり、上述したように、バックライトユニットと称される場合がある。
かかる照明装置11の基本的構成について、図1(a)〜(b)および図4(a)〜(b)を適宜参照しながら説明する。
図1(b)に示す照明装置11は、液晶パネル10に対して入射させる光を出射する光源13と、当該光源13が実装された光源用回路基板(光源用FPC)17と、光源13から出射された光を液晶パネル10に導くための導光板15と、導光板15に導入された光をさらに効率的かつ指向性をもって液晶パネル10に対して入射させるための反射シート14と、を備えている。
そして、かかる照明装置11において、反射シート14の熱膨張率の値と、反射シート14および導光板15を相互に接着する接着部材14´の熱膨張率の値とが、例えば、光源の点灯時のような高温状態において、実質的に等しくなるように調整してある。
また、光源13が実装される光源用FPC17は、図4(a)〜(b)に示すように、例えば、ポリイミド樹脂等の可撓性材料から構成したフレキシブル回路基板である。その一方の端部に、複数の光源13が配列して、実装されているとともに、他方の端部には、上述のパネル駆動用FPC上のコネクタ等と接続される端子17bを備えている。そして、これらの光源13と、端子17bとの間は、配線パターン17aによって、電気的に接続されている。
また、光源用FPC17の平面形状の一例として、図4(b)に示すように、斜め配線部17a´を設けて、位置合わせや使い勝手を向上させることができる。また、図示しないものの、光源用FPC17における配線パターン17aの表面は、ショート発生防止や耐久性向上のために、通常、電気絶縁性材料によって被覆されている。
そして、図4(a)に示すように、光源13が光源用FPC17に実装された状態で、導光板15の一辺側の所定位置に配置されるとともに、その所定位置が動かないように、光源用FPC17は、周囲の筐体102や、あるいは導光板15に対して、それらの段差を利用して、接着剤102cによって固定されている。
なお、図1(b)に示す光源13の場合には、その下面において、接着剤13´を介して、光源用FPC17に実装されている。
また、図1(a)〜(b)に示す導光板15は、光源13から出射された光を所定箇所に導くための部材であって、通常、透光性のアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等からなる平板状の部材である。したがって、かかる導光板15は、液晶パネル10の背面側に位置し、さらに、導光板15の背面側には、図1(b)に示すように反射シート14を備えている。
ここで、図5に示すように、かかる導光板15は、液晶パネル側に所定のプリズムを有するプリズム導光体であることが好ましい。すなわち、このようなプリズム導光体であれば、光入射面から入射してくる光を、このプリズム導光体の表面へと均等に屈折および反射させることができるためである。
なお、面内輝度の均一化や輝度の向上をさらに図るために、図5に示すように、下方から複数のプリズム導光体15a、15bを重ねて配置しても良い。その場合、光の指向性がさらに向上することから、図5に示すように、二枚のプリズム導光体15a、15bのプリズムの溝方向を、直交させることがさらに好ましい。
さらに、同様の理由から、導光体の表面側、すなわち、導光体と、液晶パネルとの間に、集光シートや拡散シートをそれぞれ配置することも好ましい。
また、反射シート14は、図6(a)〜(b)に示すように、基本的に、基材シート(表面樹脂フィルムと称する場合がある)14aと、光反射層14c、14hと、を含む多層構造が採用されている。
具体的に、図6(a)に示す反射シート14は、下方から、裏面樹脂フィルム14g、白色塗膜層14f、接着層14e、トップコート層14d、光反射層14c、アンカーコート層14b、表面樹脂フィルム14aと、から構成してある。
同様に、図6(b)に示す反射シート14は、複数の光反射層14c、14hを備えた例であって、下方から、白色塗膜層14f、裏面樹脂フィルム14g、第2の光反射層14h、接着層14e、トップコート層14d、光反射層(第1の光反射層)14c、アンカーコート層14b、表面樹脂フィルム14aと、から構成してある。
ここで、基材シート14aは、光反射層14c等を含む反射シート14の全体的な支持体も兼ねていて、その材質については特に制限されるものではないが、例えば、樹脂フィルム(樹脂シートを含む)、金属板、金属箔、板紙、グラシン紙、織布、編布、不織布、等から構成してあることが好ましい。
また、基材シート14aを構成する際に、所定の可撓性があって、加工性が良好なことから、熱可塑性樹脂からなるフィルムやシートを使用することがより好ましい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂等の一種または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、かかる基材シートの厚さとしては、1〜200μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、これらの金属材料からなる粒子と、樹脂との混合材料からシートを形成し、それを光反射層14c、14hとして構成することもできる。
さらに、光反射層14c、14hの厚さとしては、0.01〜20μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.05〜10μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、図示しないものの、反射シートにおいて、面内輝度の均一化や輝度の向上をさらに図るために、光反射層の表面等に、光拡散層を設けたりすることも好ましい。
接着部材14´としては、厚さが均一となることから、図1(b)等に示すように、フィルム状接着剤が好適に用いられる。
具体的には、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、フェノール系接着剤等の一種または二種以上の組み合わせからなるフィルム状接着剤が挙げられる。
そして、上述したように、当該接着部材の熱膨張率の値と、反射シートの熱膨張率の値と、が実質的に等しくなるように調整してある。すなわち、少なくとも光源の点灯状態のような高温条件、例えば、85℃付近において、反射シートの熱膨張率の値と、接着部材の熱膨張率の値と、が実質的に等しくなるように調整することにより、反射シートと、導光板との間の位置ずれが少なくなって、結果として、表示ムラが少ない液晶装置を提供することができる。
また、図7に示すように、接着部材14´が、下方から、第1の接着剤層14c´と、樹脂フィルム層14b´と、第2の接着剤層14a´と、を含む積層構造の両面粘着テープであることが好ましい。
この理由は、このように樹脂フィルム層14b´を中間層として含むことにより、接着部材14の熱膨張率の値を、反射シート14の値により近付けることができるためである。したがって、このような積層構造の両面粘着テープを用いることにより、反射シートと、導光板との間の位置ずれをさらに少なくすることができる。
なお、図7に示す接着部材14´は、使用前の態様として、剥離フィルム14d´が貼り付けて示してある。
この理由は、温度50〜100℃において、これらの差を5×10-5/℃以下の値とすることにより、光源の点灯状態のような高温条件において、反射シートと、導光板との間の位置ずれをさらに少なくすることができるためである。すなわち、光源の点灯状態のような高温の温度領域において、所定値以下の値とすることにより、確実に、これらの間の位置ずれを少なくすることができる。
なお、温度50〜100℃において、接着部材(アクリル系接着剤やポリエステル系接着剤等)の熱膨張率は、通常、8×10-5/℃〜1×10-4/℃程度であるのに対して、反射シートの熱膨張率は、通常、1×10-5〜6×10-5/℃程度であることから、接着部材の熱膨張率を小さくするように調整することがより好ましい。
図8の横軸には、温度(℃)が採って示してあり、縦軸には、熱膨張率(相対値)が採って示してある。そして、図8中のラインAは、PETフィルム(厚さ:25μm)に対応したものであり、ラインBは、アクリル系粘着剤(ガラス転移点:−30℃以下)に対応したものであり、ラインB´は、ラインBのアクリル系粘着剤中に、無機フィラーとして酸化チタンを所定量添加したアクリル系粘着剤に対応したものである。
これらのラインA、B、B´の変化特性から明らかなように、アクリル系粘着剤に、無機フィラーを添加することにより、PETフィルムの熱膨張率(相対値)に近つけられることが理解できる。
すなわち、光源の点灯状態のような高温状態、例えば、85℃付近において、反射シートの熱膨張率の値と、接着部材の熱膨張率の値と、が実質的に等しくなるように調整することにより、接着部材を介して接着される導光板との間の位置ずれが少なくなって、さらには、環境温度の変化にかかわらず、表示ムラが少ない液晶装置等を提供することができる。
この理由は、かかる接着部材の厚さが5μm未満となると、反射シートと、導光板との間の接着性や固定性が不十分となって、液晶装置等の機械的特性や耐久性が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる接着部材の厚さが100μmを超えると、反射シートの熱膨張率の値と、接着部材の熱膨張率の値と、が近い場合であって、実際にずれる距離が大きくなって、表示ムラが大きくなる場合があるためである。
すなわち、接着部材の厚さがこのような範囲であれば、接着性も良好で、かつ比較的薄くなるので、液晶装置等の機械的特性等と、実質的な膨張長さ等とのバランスを良好なものとすることができる。
したがって、このような液晶装置等の機械的特性等と、実質的な膨張長さ等とのバランスがさらに良好となるため、8〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜30μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このように構成すると、接着部材14´を、図9(a)に示す表示領域(A)以外の非表示領域に設けることが容易になって、液晶装置における表示領域(A)の面積を相対的に大きくすることができるためである。また、このように構成すると、表示領域における反射シート14と、導光板15あるいは筐体102との間に、所定空間が生成されるため、それを利用して、導光効率をさらに高めることができるためである。
なお、接着部材14´をライン状に配置する場合、図9(a)に示す表示領域(A)の大きさにもよるが、通常、その幅を0.1〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、接着部材14´を辺に沿って、必ずしも一列に配置する必要はなく、二列以上に配置しても良い。
一方、図9(b)に示すように、接着部材14´が、導光板15と、筐体102とにまたがって配置されることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、筐体102に対して、導光板15および反射シート14を、同時に接着して、固定することが可能になるためである。
この理由は、このように構成することにより、接着部材における熱膨張率を調整しやすくなって、反射シートの熱膨張率の値に、さらに近づけることができるためである。したがって、図8中のラインB´が示すように、熱膨張率(相対値)の値が調整されて、例えば、光源の点灯状態(温度85℃付近)においても、PETフィルムの熱膨張率の値との差が小さくなって、反射シートと、導光板との間の位置ずれを少なくすることができる。
なお、無機フィラーを添加する場合、当該無機フィラーの添加量を、接着部材を構成する接着剤100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、このように熱膨張率等が異な二種類以上の無機フィラー14e´、14g´を含むことにより、接着部材14´における熱膨張率をさらに調整しやすくなるためである。
例えば、一種類の無機フィラーで、比較的低温(例えば、50〜80℃未満)の接着部材における熱膨張率を調整し、もう一種類の無機フィラーで、比較的高温(例えば、80〜100℃)の接着部材における熱膨張率を調整することができる。
また、同一種類の無機フィラーを多量に添加すると、接着性が著しく低下する場合があるが、このように二種類以上の無機フィラー14e´、14g´を含むことにより、その接着性の低下を抑制しやすいためである。
なお、二種類の無機フィラーを混合添加する場合、当該無機フィラーの添加比率を、重量比で、10:90〜90:10の範囲内の値とすることが好ましく、20:80〜80:20の範囲内の値とすることがより好ましく、30:70〜70:30の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような無機繊維や有機繊維を添加することにより、膨張率に異方性をもたせやすくなって、接着部材における横方向あるいは縦方向の熱膨張率を、任意に調整しやすくなるためである。
また、このような無機繊維や有機繊維とともに、上述した一種または二種類以上の無機フィラーを含むことも好ましい。
さらに、このような無機繊維等を添加する場合、当該無機繊維等の添加量を、接着部材を構成する接着剤100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
図1(a)に示すように、フレキシブル回路基板17は、液晶パネル10の駆動用素子91等に電力を供給するためのものであって、少スペース化や配線の引き回しのために、反転させた状態で、折り返して電気接続されている。
ここで、かかるフレキシブル回路基板17は、各種形態をとることができるが、典型的には、ポリイミド樹脂等からなる電気絶縁性基板の上に、銅等の金属からなる電気配線17Aが形成してある複合材料である。
また、図示しないものの、フレキシブル回路基板17の端部は、通常、液晶装置の電源等に対して、電気接続されている。
また、図9や図11に示すように、筐体102は、少なくとも液晶パネル10を収容するための部材であって、液晶パネル10の形状に併せて、各種形態をとることができる。
また、通常、筐体102は、液晶パネル10のみならず、上述した照明装置11や、フレキシブル回路基板17の一部等も収容することになる。
そして、図11に示すように、筐体102に対して、液晶パネル10を固定するために、筐体102の周囲において、画像表示箇所を除いて、枠状の接着部材としての遮光両面テープ100が配置され、それによって、筐体102の縁部102aと、液晶パネル10の周囲とが、接着されて、固定されることになる。
したがって、液晶パネルを固定するに際して、遮光両面接着テープの幅や面積を大きくしたり、あるいは種類を変えて接着性を高めたりして、液晶パネルと、筐体の縁部等との間の接着力を向上させることも考えられるが、実情に合致せず、また、遮光両面接着テープのリペア性にも劣ることになる。
なお、遮光両面テープは、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等の粘着樹脂中に、カーボンブラックや黒色顔料、あるいは金属粉やフィラー等が所定量添加された構成となっている。
本発明の第2実施形態は、第1実施形態の液晶装置を備えた電子機器である。
ここで、図12は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル200と、これを制御するための制御手段1200とを有している。また、図12中では、液晶パネル200を、パネル構造体200Aと、半導体素子(ICチップ)等で構成される駆動回路200Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路1220と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されていることが好ましい。
そして、本実施形態の電子機器であれば、所定温度における反射シートの熱膨張率の値と、導光板に固定するための接着部材の熱膨張率の値と、を実質的に等しくしてあることにより、光源と、導光板との間の位置ずれが少なくなって、特に点灯状態における輝度の低下や輝度ムラの発生を少なくした電子機器とすることができる。
したがって、TFT素子を備えた液晶装置等の電気光学装置や電子機器、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器、電子放出素子を備えた装置(FED:Field Emission DisplayやSCEED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)などに幅広く適用することができる。
Claims (8)
- 液晶パネルと、当該液晶パネルに対して入射させる光を出射する光源と、当該光源に対向配置され、当該光源から出射された光を所定箇所に導くための導光板と、当該導光板の下方に、接着部材を介して配置された反射シートと、を備えた液晶装置であって、
前記反射シートの熱膨張率の値と、前記接着部材の熱膨張率の値と、を実質的に等しくすることを特徴とする液晶装置。 - 温度50〜100℃において、前記反射シートの熱膨張率の値と、接着部材の熱膨張率の値との差を、5×10-5/℃以下の値とすることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記接着部材が、反射シート側から、第1の接着剤層と、樹脂フィルム層と、第2の接着剤層と、を含む積層構造の両面粘着テープであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
- 前記接着部材の厚さを5〜100μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記液晶装置は、少なくとも前記導光板及び前記反射シートを収容する筐体をさらに有しており、
前記接着部材が、前記反射シート導光板の周囲の少なくとも2辺に沿ってライン状に配置されるとともに、前記反射シートと、前記導光板あるいは前記筐体とを接着していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶装置。 - 前記接着部材が、接着剤と、熱膨張率を調整するための無機フィラーと、を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 光を出射する光源と、当該光源に対向配置され、当該光源から出射された光を所定箇所に導くための導光板と、当該導光板の下方に、接着部材を介して配置された反射シートと、を備えた照明装置であって、
前記反射シートの熱膨張率の値と、前記接着部材の熱膨張率の値と、を実質的に等しくすることを特徴とする照明装置。 - 液晶パネルと、当該液晶パネルに対して入射させる光を出射する光源と、当該光源に対向配置され、当該光源から出射された光を所定箇所に導くための導光板と、当該導光板の下方に、接着部材を介して配置された反射シートと、を備えた液晶装置を含む電子機器であって、
前記反射シートの熱膨張率の値と、前記接着部材の熱膨張率の値と、を実質的に等しくすることを特徴とする電子機器。
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