JP4983605B2 - α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物 - Google Patents

α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物、ならびに新規α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体およびα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体に関する。
現在のマルチメディアの発達に伴い、各種の表示機器において、その視野性(斜めから見たときの映り込みが少ない性質。「視認性」ともいう)の向上がますます重要となってきており、テレビなどの大型表示装置においても、より見やすくすることが求められており、この特性の改善が技術的な課題となっている。
こうした課題に対して、特開平6−115023号公報には低屈折率の含フッ素重合体を有機溶媒に溶解した液状組成物を調製し、これらを基材の表面に塗布することによって反射防止膜を形成する方法が検討されている。
しかしながら、含フッ素重合体溶液を塗布する方法では形成される塗膜の硬度が不充分なため、磨耗により塗膜に傷がついたり、塗膜が剥がれたりすることがあり、表示画面の外観を損なってしまう。
そこで、特許第2527186号明細書および特許第2543903号明細書には含フッ素重合体の側鎖に光反応性(重合性)の官能基を導入したものをアクリル単量体や多官能アクリル化合物と混合したものを塗布して光硬化することが検討されている。
しかし、これらに記載の含フッ素重合体はそれ自体屈折率が高いため反射防止膜用の性能としては不充分であり、しかも硬度を高くする目的で含フッ素重合体の硬化部位を増加するにしたがって高屈折率化するので、反射防止効果が低下してしまう。
特開平8−134015号公報および特開平2002−193895号公報には、低屈折率であり、耐擦傷性、耐磨耗性に優れるノルボルナン骨格をもつ非フッ素系アクリレートが、レジスト用やインキ、塗料、接着剤に有用であると記載されている。
しかしながら、これらに記載のノルボルナン骨格をもつ非フッ素系アクリレートは含フッ素重合体との相溶性がわるく、形成される塗膜にムラが生じ、反射防止膜として用いた場合その外観を悪化させる。
本発明は、低屈折率を維持しながら、耐擦傷性、耐摩耗性が改善された硬化性組成物およびそれからなる反射防止膜を提供することを目的とする。
さらに、かかる硬化性組成物の製造のためのα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体およびα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体を提供することを目的とする。
本発明は、
(A)硬化性含フッ素ポリマー、および
(B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
を含む硬化性組成物であって、
該(A)成分が、式(1):
−(M)−(A)− (1)
[式中、構造単位Mは、式(M):
Figure 0004983605
(式中、XaおよびXbは同じかまたは異なり、HまたはF;XcはH、F、CH3またはCF3;XdおよびXeは同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基にY(Yは末端にエチレン性炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の1価の有機基)が1〜3個結合している有機基;m1は0〜3の整数;m2およびm3は同じかまたは異なり、0または1)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位;
構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーであり、
該(B)成分が、式(2):
Figure 0004983605
(式中、Nbはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)の1価の残基;Zはα,β−不飽和エステル基を含む1価の有機基;n1は1〜6の整数)で示され、かつNbまたはZの少なくとも一方にフッ素原子を有しているα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)である硬化性組成物に関する。
前記式(2)において、有機基Zが式(3)
Figure 0004983605
(式中、R1は2価または3価の結合基;X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1または2)で示されるα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1であることが耐擦傷性、耐摩耗性が良好な点で好ましい。
前記成分(B)のうちのα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)が、式(4):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R5は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R5の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R5の少なくとも1つは有機基Zである)で示される化合物であり、α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)が、式(5):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9およびR2〜R5は式(4)と同じ;R6は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R6の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R6の少なくとも1つは有機基Zである)で示される化合物であるあることが耐擦傷性、耐摩耗性が良好な点で好ましい。
本発明はまた、前記硬化性組成物からなる硬化塗膜である反射防止膜にも関する。
また、本発明は
式(6):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R5は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基およびα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1(Z1は式(3):
Figure 0004983605
(式中、R1は2価または3価の結合基;X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1または2))よりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R5の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R5の1〜3個が有機基Z1である(ただし、式(3)においてn3が1のときはR2〜R5の2個または3個が有機基Z1である))で示されるα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体にも関する。
さらに、本発明は
式(7):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R6は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基およびα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1(Z1は式(3):
Figure 0004983605
(式中、R1は2価または3価の結合基;X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1または2))よりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R6の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R6の1〜3個が有機基Z1である(ただし、式(3)においてn3が1のときはR2〜R6の2個または3個が有機基Z1である))で示されるα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体にも関する。
まず、本発明の硬化性組成物について説明する。
本発明は、
(A)硬化性含フッ素ポリマー、および
(B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
を含む硬化性組成物である。
以下、各構造単位について説明する。
(A)硬化性含フッ素ポリマーは、国際公開第02/18457号パンフレットに式(1)で示されている硬化性含フッ素ポリマーである。
すなわち、式(1):
−(M)−(A)− (1)
[式中、構造単位Mは、式(M):
Figure 0004983605
(式中、XaおよびXbは同じかまたは異なり、HまたはF;XcはH、F、CH3またはCF3;XdおよびXeは同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基にY(Yは末端にエチレン性炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の1価の有機基)が1〜3個結合している有機基;m1は0〜3の整数;m2およびm3は同じかまたは異なり、0または1)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位;
構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーである。
構造式Mは、式(m):
CXab=CXc−(CXdem1−(C=O)m2−(O)m3−Rf (m)
(式中、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Rf、m1、m2およびm3は式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
つまり、上記の側鎖に反応により硬化可能なエチレン性炭素−炭素二重結合を有する含フッ素エチレン性単量体の単独重合体、またはその含フッ素エチレン性単量体を必須成分として有する共重合体である。
Yの少なくとも1個はRfの末端に結合していることが好ましい。
本発明の式(1)の硬化性含フッ素ポリマーにおいて構造単位MはなかでもM1が好ましく、M1は式(M1):
Figure 0004983605
(式中、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Rf、m1およびm3は式(M)と同じ)で示される構造単位である。
構造単位M1は、式(m1):
CXab=CXc−(CXdem1−(O)m3−Rf (m1)
(式中、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Rf、m1およびm3は式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
上記構造単位M1を含む重合体は、特に屈折率が低く、特にM1のホモポリマーやM1を増やした組成の重合体においても屈折率を低くすることができ、好ましいものである。
さらにM1のより好ましい具体例は構造単位M2であり、構造単位M2は式(M2):
Figure 0004983605
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される構造単位である。
構造単位M2は、式(m2):
CH2=CF−CF2−O−Rf (m2)
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
つまり、上記のM2はエチレン性炭素−炭素二重結合を末端に有する含フッ素アリルエーテルの構造単位であり、屈折率を低くできるだけでなく、重合性が良好であり、特にホモ重合性、含フッ素エチレン系単量体との共重合性が良好であるため好ましい。
また、M1のもう1つの好ましい具体例は構造単位M3であり、構造単位M3は式(M3):
Figure 0004983605
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される構造単位である。
構造単位M3は、式(m3):
CF2=CF−O−Rf (m3)
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
上記M3はエチレン性炭素−炭素二重結合を末端に有する含フッ素ビニルエーテルの構造単位であり、屈折率を低くでき、また含フッ素エチレン系単量体との共重合性が良好である点で好ましい。
本発明の式(1)の硬化性含フッ素ポリマーにおいて構造単位M、M1、M2およびM3に含まれるYは末端にエチレン性炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の有機基である。
つまり、Y中の炭素−炭素二重結合は重縮合反応や環化反応、付加反応などを起こす能力を有し、硬化(架橋)体を得ることができるものである。詳しくは、たとえばラジカルやカチオンの接触によって本発明の硬化性含フッ素ポリマー分子間で、または硬化性含フッ素ポリマーと必要に応じて加えられる硬化(架橋)剤との間で重合反応や縮合反応を起こし、硬化(架橋)物を得ることができるものである。
本発明の式(1)の硬化性含フッ素ポリマーにおいて、Yの好ましくは
Figure 0004983605
(式中、Y1は末端にエチレン性炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜5のアルケニル基、または含フッ素アルケニル基、m4およびm5は同じかまたは異なり0または1)であり、Y1の好ましくは
−CXf=CXgh
(式中、XfはH、F、CH3またはCF3;XgおよびXhはHまたはF)であり、ラジカルやカチオンの接触による硬化反応性が高く好ましいものである。
1の好ましい具体例としては、
Figure 0004983605
などがあげられる。
またYのより好ましくは、
−O(C=O)CXf=CXgh
(式中、Xf、XgおよびXhは上記と同じ)で示されるY2があげられ、特にラジカルの接触による硬化反応性がより高い点で好ましく、光硬化などにより容易に硬化物を得ることができる点で好ましい。
上記Y2のより好ましい具体例としては、
Figure 0004983605
などがあげられる。
その他のYとしては、
Figure 0004983605
があげられる。
なかでも、−O(C=O)CF=CH2の構造を有するものが屈折率を低くでき、さらに硬化(架橋)反応性が特に高く効率よく硬化物を得ることができる点で好ましい。
本発明の式(1)の硬化性含フッ素ポリマーにおいて、構造単位M、M1、M2およびM3に含まれるRfの好ましいものは、特に官能基Yが1個の場合、炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基、炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基である。これらの有機基は含まれる炭素原子にフッ素原子が結合していればよく、一般に、炭素原子にフッ素原子と水素原子または塩素原子が結合した含フッ素アルキレン基、エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基であるが、フッ素原子をより多く含有する(フッ素含有率が高い)ものが好ましく、官能基を除く有機基の酸素原子を除く分子量に対し、フッ素含有率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくはパーフルオロアルキレン基またはエーテル結合を有するパーフルオロアルキレン基である。これらによって、硬化性含フッ素ポリマーの屈折率を低くすることが可能となり、特に硬化物の硬度を高くする目的で硬化度(架橋密度)を高くしても屈折率を低く維持できるため好ましい。
炭素数は大きすぎると、含フッ素アルキレン基の場合は溶剤への溶解性を低下させたり透明性が低下することがあるため、またエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基の場合はポリマー自身やその硬化物の硬度や機械特性を低下させることがあるため好ましくない。含フッ素アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10である。エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20である。
好ましい具体例としては
Figure 0004983605
(XiおよびXjは同じかまたは異なりFまたはCF3;Xk、Xlは同じかまたは異なりHまたはF;o+p+qは1〜30;rは0または1;s、tは0または1)
である。
構造単位M2を与える単量体として好ましい具体例としては、
Figure 0004983605
があげられ、より詳しくは、
Figure 0004983605
Figure 0004983605
Figure 0004983605
Figure 0004983605
などがあげられる。
構造単位M3を与える単量体(m3)の好ましい具体例としては、
Figure 0004983605
などがあげられる。
さらに詳しくは、
Figure 0004983605
などがあげられる。
構造単位M2、M3以外の本発明の硬化性含フッ素ポリマーの構造単位Mを構成する単量体の好ましい具体例としては、たとえば
Figure 0004983605
などがあげられる。
より具体的には、
Figure 0004983605
などがあげられる。
本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)において構造単位Aは任意成分であり、構造単位M、M1、M2またはM3を与える単量体(m)、(m1)、(m2)および(m3)と共重合し得る単量体であれば特に限定されず、目的とする硬化性含フッ素ポリマーやその硬化物の用途、要求特性などに応じて適宜選択すればよい。
たとえば、つぎの構造単位が例示できる。
(1)官能基を有する含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位(A1)
これらは、硬化性含フッ素ポリマーおよびその硬化物の屈折率を低く維持しながら、基材への密着性や溶剤、特に汎用溶剤への溶解性を付与できる点で好ましく、そのほかYが関与する以外の架橋性などの機能を付与できる点で好ましい。官能基を有する好ましい含フッ素エチレン性単量体の構造単位は、一般式(A1):
Figure 0004983605
(式中、Xm、Xn、XoはHまたはF;XpはH、F、CF3;hは0〜2、iは0または1;Rf3aは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基、炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基;D1は−OH、−CH2OH、−COOH、カルボン酸誘導体、−SO3H、スルホン酸誘導体、エポキシ基、シアノ基から選ばれるもの)で示される構造単位であり、なかでも式(A1−1):
Figure 0004983605
(式中、Rf3a、D1は式(A1)と同じ)
で示される構造単位が好ましい。
より具体的には、
Figure 0004983605
などの含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位が好ましくあげられる。
また式(A1−2):
Figure 0004983605
(式中、Rf3a、D1は式(A1)と同じ)
で示される構造単位も好ましく例示でき、より具体的には、
Figure 0004983605
などの単量体から誘導される構造単位があげられる。
その他、官能基含有含フッ素エチレン性単量体としては、
CF2=CFCF2−O−Rfa−D1 、CF2=CF−Rfa−D1
CH2=CH−Rfa−D1 、CH2=CHO−Rfa−D1
(Rfaは式(M)のRfからYを除いた基)
などがあげられ、より具体的には、
Figure 0004983605
などがあげられる。
(2)官能基を含まない含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位(A2)
これらは硬化性含フッ素ポリマーまたはその硬化物の屈折率を低く維持できる点で、またさらに低屈折率化することができる点で好ましい。また単量体を選択することでポリマーの機械的特性やガラス転移点などを調整でき、特に構造単位Mと共重合してガラス転移点を高くすることができ、好ましいものである。
含フッ素エチレン性単量体の構造単位としては一般式(A2):
Figure 0004983605
(式中、Xq、Xr、XsはHまたはF;XtはH、FまたはCF3;h1、i1、jは0または1;D2はH、FまたはCl;Rf4aは炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基、炭素数2〜100のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基)で示されるものが好ましい。
具体例としては、
Figure 0004983605
などの単量体から誘導される構造単位が好ましくあげられる。
(3)フッ素を有する脂肪族環状の構造単位(A3)
これらの構造単位を導入すると、透明性を高くでき、また、より低屈折率化が可能となり、さらに高ガラス転移点の硬化性含フッ素ポリマーが得られ、硬化物にさらなる高硬度化が期待できる点で好ましい。
含フッ素脂肪族環状の構造単位としては式(A3):
Figure 0004983605
(式中、Xa1、Xa2、Xa4、Xa5、Xa7、Xa8は同じかまたは異なりHまたはF;Xa3、Xa6は同じかまたは異なりH、F、ClまたはCF3;Rf5aは炭素数1〜10の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜10のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基;p2は0〜3の整数;p1、p3、p4、p5は同じかまたは異なり0または1の整数)で示されるものが好ましい。
たとえば、
Figure 0004983605
(式中、Rf5a、Xa3、Xa6は前記と同じ)で示される構造単位があげられる。
具体的には、
Figure 0004983605
Figure 0004983605
などがあげられる。
(4)フッ素を含まないエチレン性単量体から誘導される構造単位
屈折率を悪化(高屈折率化)させない範囲でフッ素を含まないエチレン性単量体から誘導される構造単位を導入してもよい。
それによって、汎用溶剤への溶解性が向上したり、添加剤、たとえば光触媒や必要に応じて添加する硬化剤との相溶性を改善できるので好ましい。
非フッ素系エチレン性単量体の具体例としては、
αオレフィン類:
エチレン、プロピレン、ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど
ビニルエーテル系またはビニルエステル系単量体:
CH2=CHOR、CH2=CHOCOR(R:炭素数1〜20の炭化水素基)など
アリル系単量体:
CH2=CHCH2Cl、CH2=CHCH2OH、CH2=CHCH2COOH、CH2=CHCH2Brなど
アリルエーテル系単量体:
CH2=CHCH2OR (R:炭素数1〜20の炭化水素基) 、
CH2=CHCH2OCH2CH2COOH 、
Figure 0004983605
など
アクリル系またはメタクリル系単量体:
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類のほか、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル類などがあげられる。
(5)脂環式単量体から誘導される構造単位
構造単位Mの共重合成分として、より好ましくは構造単位Mと前述の含フッ素エチレン性単量体または非フッ素エチレン性単量体(前述の(3)、(4))の構造単位に加えて、第3成分として脂環式単量体構造単位を導入してもよく、それによって高ガラス転移点化、高硬度化が図られるので好ましい。
脂環式単量体の具体例としては、
Figure 0004983605
(m:0〜3、A、B、C、Dは、H、F、Cl、COOH、CH2OH、炭素数1〜5のパーフルオロアルキルなど)で示されるノルボルネン誘導体、
Figure 0004983605
などの脂環式単量体や、これらに置換基を導入した誘導体などがあげられる。
本発明の硬化性含フッ素ポリマーにおいて、構造単位M(M1、M2、M3)とAの組み合わせや組成比率は、上記の例示から目的とする用途、物性(特にガラス転移点、硬度など)、機能(透明性、屈折率)などによって種々選択できる。
本発明の硬化性含フッ素ポリマーにおいては、構造単位M(M1、M2、M3)を必須成分として含むものであり、構造単位M自体で屈折率を低く維持し、透明性を付与する機能と硬化により硬化物に硬さ、耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性を付与できる機能をあわせもつという特徴をもつ。したがって本発明の硬化性含フッ素ポリマーは、構造単位Mを多く含む組成、極端には構造単位Mのみ(100モル%)からなる重合体であっても屈折率を低く維持できる。さらに同時に硬化(架橋)密度の高い硬化物が得られ、高硬度、耐摩耗性、耐擦傷性に優れた被膜が得られる点で好ましい。
またさらに、本発明の構造単位Mと共重合可能な単量体の構造単位Aとからなる共重合体の場合、構造単位Aを前述の例示から選択することによって、さらに高硬度(高ガラス転移点)や低屈折率の硬化物を与えるポリマーとすることができる。
構造単位Mと構造単位Aとの共重合体において、構造単位Mの含有比率は、硬化性含フッ素ポリマーを構成する全単量体に対し0.1モル%以上であればよいが、硬化(架橋)により高硬度で耐摩耗性、耐擦傷性に優れ、耐薬品性、耐溶剤性に優れた硬化物を得るためには2.0モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上とすることが好ましい。
特に耐擦傷性、耐傷付性に優れた硬化被膜の形成が必要な反射防止被膜の用途においては、10モル%以上、好ましくは20モル%以上、さらには50モル%以上含有することが好ましい。
本発明の硬化性含フッ素ポリマーは、構成単位Mの比率を増やしても(硬化部位を増やしても)反射防止効果は低下しないため、特に反射防止膜用途において好ましいものである。
またさらに反射防止膜用途など透明性を必要とする場合、構造単位Mと構造単位Aの組合せが非晶性となり得る組合せと組成を有する硬化性含フッ素ポリマーであることが好ましい。
なかでも、低屈折率と高硬度を狙いとするコーティング組成物用の含フッ素ポリマーの好ましい形態としては、式(1−1):
−(M)−(A1)−(A2)− (1−1)
からなる硬化性含フッ素ポリマーである。
式(1−1)中の構造単位Mは、式(1)のエチレン性炭素−炭素二重結合を側鎖に有する構造単位Mであり、式(M1)、(M2)、(M3)で示した前記の好ましい具体例と同様のものが適用できる。
構造単位A1は、側鎖に官能基を有する含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位であり、詳しくは前記式(A1)で示される構造単位であり、前述の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位A1の具体例が同様に好ましく適用できる。
構造単位A2は、官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位であり、詳しくは前記式(A2)で示される構造単位であり、前述の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位A2の具体例が同様に好ましく適用できる。なかでも、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構造単位が好ましい。
構造単位M、A1およびA2のそれぞれの存在比率は、M=0〜90モル%、A1=0〜99.9モル%およびA2=0〜99.9モル%であり、かつA1+A2=10〜99.9モル%であるのが好ましい。なかでも、M=10〜80モル%、A1=1〜60モル%およびA2=20〜85モル%であり、かつA1+A2=20〜90モル%であることが好ましい。構造単位Mが少なすぎると、硬化後の被膜の硬度が低くなったり、強度が不充分になる傾向にある。A1が少なすぎると、基材への密着性や塗布性、溶剤溶解性などが不足する傾向にある。A2が少なすぎると、基材への塗布性、レべリング性、溶剤溶解性が不足する傾向がある。
これら構造単位M、A1、A2からなる含フッ素ポリマーは、構造単位Mの硬化性部位により被膜などに硬さと機械的強度、耐溶解性を付与できる。また構造単位A1の官能基により、基材との密着性や溶剤溶解性、基材に対する良好な塗布性(濡れ性やレベリング性)を付与できる。さらに構造単位A2により、含フッ素ポリマーに機械的強度や溶剤溶解性、基材に対する良好な塗布性を付与できる。
さらに構造単位M、A1、A2はいずれもフッ素原子を数多く含むものであるため、屈折率を低く維持しながら上記の機能を付与することができる点で、特に反射防止用のコーティング剤として好ましい硬化性含フッ素ポリマーである。
本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)の分子量は、たとえば数平均分子量において500〜1000000の範囲から選択できるが、好ましくは1000〜500000、特に2000から200000の範囲から選ばれるものが好ましい。
分子量が低すぎると、硬化後であっても機械的物性が不充分となりやすく、特に硬化物や硬化膜が脆く強度不足となりやすい。分子量が高すぎると、溶剤溶解性が悪くなったり、特に薄膜形成時に成膜性やレベリング性が悪くなりやすく、また硬化性含フッ素ポリマーの貯蔵安定性も不安定となりやすい。コーティング用途としては、最も好ましくは数平均分子量が5000から100000の範囲から選ばれるものである。
本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)は、構造単位Mの種類、含有率、必要に応じて用いられる共重合構造単位Aの種類によって種々決定できるが、硬化性含フッ素ポリマー自体(硬化前)の屈折率が1.45以下であることが好ましく、さらには1.40以下、特には1.38以下であることが好ましい。基材や下地の種類によって変化するが、これら低屈折率を維持し、硬化(架橋)が可能であることで、反射防止膜用のベースポリマーとして好ましいものとなり得る。
またさらに硬化性含フッ素ポリマーでは、汎用溶剤に可溶であることが好ましく、たとえばケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤の少なくとも1種に可溶または上記汎用溶剤を少なくとも1種含む混合溶剤に可溶であることが好ましい。
汎用溶剤に可溶であることは、コーティング用途、特に0.1μm程度の薄膜形成が必要な反射防止膜を各種透明フィルムやディスプレイ基板に形成する場合、成膜性、均質性に優れるため好ましく、反射防止膜形成における生産性の面でも有利である。
本発明の硬化性含フッ素ポリマーを得るためには、一般にはYを有する単量体を予め合成し、重合して得る方法;一旦、他の官能基を有する重合体を合成し、その重合体に高分子反応により官能基変換し、官能基Yを導入する方法など、国際公開第02/18457号パンフレットに記載の方法が採用できる。
(B)成分は、式(2):
Figure 0004983605
(式中、Nbはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)の1価の残基;Zはα,β−不飽和エステル基を含む1価の有機基;n1は1〜6の整数)で示され、かつNbまたはZの少なくとも一方にフッ素原子を有しているα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)であり、硬化性含フッ素ポリマー(A)の硬化に寄与する硬化剤として作用する。なお、α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)およびα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)を合わせて単に「ノルボルネン系硬化剤(B)」ということもある。
前記式(2)において、有機基Zは式(3):
Figure 0004983605
(式中、R1は2価または3価の結合基;X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1または2)で示されるα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1である。
式(3)において、X1はHまたはCH3であることが合成上安価な点から好ましく、またFあるいはCF3であることが屈折率の点から好ましい。
式(3)で示される有機基Z1において、結合基R1は結合手のほか、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基で示される。
これらのうち式(3)で示される有機基Z1の好ましい結合基R1としては、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素原子を含む2価のアルキレン基で示されるものがあげられ、具体的には式(3−1):
Figure 0004983605
(式中、Ra1は水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよくエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の2価の有機基;Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の含フッ素アルキル基;Ra2はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;q1は0または1;q2は0または1)で示される有機基が例示できる。
式(3−1)において、Ra1は好ましくは水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよくエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜5の2価の有機基であり、さらに好ましくはエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜5の2価の有機基であり、特に炭素数1〜3の2価の有機基であることが、合成上の点から好ましい。
式(3−1)において、Rf1およびRf2はフルオロアルキル基であることが好ましく、特に炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全てがフッ素原子で置換されたものが硬化性含フッ素ポリマーとの相溶性および屈折率を下げられる点で好ましい。なかでも、パーフルオロアルキル基であることが、硬化性含フッ素ポリマーとの相溶性および屈折率を下げることができる点で好ましい。
前記式(2)において、α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)は、式(4):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R5は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R5の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R5の少なくとも1つは有機基Zである)で示されるものが好ましい。
式(4)において、X2〜X9は合成上の点から、好ましくはHまたは炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくはHまたは炭素数1〜3のアルキル基、特に同時にHである。
式(4)において、R2〜R5は硬化性含フッ素ポリマーとの相溶性および屈折率を下げることができる点から少なくとも1種がFまたはCF3であることが好ましい。
前記α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)のうち、α,β−不飽和エステル基を2個以上有するものは新規化合物である。
α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)の具体的な例としては、
Figure 0004983605
Figure 0004983605
(式中、X1は式(3)と同じ;Rb1はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;r1は0または1;r2は1または2、r3は1または2)
などあげられる。
α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)は、たとえば次のような複数の方法で製造できる。
(i)α,β−不飽和カルボン酸誘導体と反応させる方法
水酸基含有ノルボルネンと式(4−1):
CH2=CX1−COORc (4−1)
(式中、X1は式(3)と同じ;RcはH、ハロゲン原子、アルキル基など)で示されるα,β−不飽和カルボン酸誘導体と反応させる。
(ii)エステル交換法(特開2005−15398号、特開2004−217575号、特開2002−358005号各公報)
アクリル酸メチルとメタノールより高沸点のアルコールの混合液よりメタノールを共沸させることによりエステル交換させる。
(iii)その他の合成
反応条件としては、それぞれ、特開2003−40840号、特開2004−175740号、特開2005−15398号、特開2004−217575号各公報に記載された条件が採用できる。
(iv)イソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる方法
水酸基含有ノルボルネンと式(4−2):
(CH2=CX1−COO)n4−Rd−NCO (4−2)
(式中、X1は式(3)と同じ;Rdは2価または3価の有機基;n4は1または2)で示されるイソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる。
また、水酸基含有ノルボルネンは、具体例としては国際公開第03/006413号、国際公開第01/74916号各パンフレットなどに記載されているものを目的化合物に応じて選択すればよい。
前記式(2)において、α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)は、式(5):
Figure 0004983605
(式中、X2〜X9およびR2〜R5は式(4)と同じ;R6は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R6の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R6の少なくとも1つは有機基Zである)で示される。
式(5)において、X2〜X9は合成上の点から、好ましくはHまたは炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくはHまたは炭素数1〜3のアルキル基、特に同時にHである。
式(5)において、R2〜R5は硬化性含フッ素ポリマーとの相溶性および屈折率を下げることができる点から少なくとも1種がFまたはCF3であることが好ましい。
前記α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)のうち、α,β−不飽和エステル基を2個以上有するものは新規化合物である。
α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)の具体的な例としては、
Figure 0004983605
Figure 0004983605
(式中、X1は式(3)と同じ;s1は0または1;s2は1または2;Re1はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;Re2は水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および有機基Zb1(Zb1は式(4−3):
(CH2=CX1COO)s3−(Re1s1 (4−3)
(式中、X1、Re1、s1は前記と同じ、s3は0〜2))
などがあげられる。
α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)は、たとえば次のような複数の方法で製造できる。
(i)ノルボルナニルアルコールを経由する方法(特開2003−40840号公報)
たとえば、式(6):
Figure 0004983605
で示される官能基含有ノルボルネンを公知のハイドロボレーション、エステル付加反応やエステル加水分解反応により、式(6−1):
Figure 0004983605
(式(6)および(6−1)中におけるX2〜X9、R2〜R5、n5は前記と同じ)で示される官能基含有ノルボルナンアルコールに変換した後、式(4−1):
CH2=CX1−COORc (4−1)
(式中、X1は式(3)と同じ;RcはH、ハロゲン原子、アルキル基など)で示されるα,β−不飽和カルボン酸誘導体と反応させる。
(ii)エステル交換法(特開2005−15398号、特開2004−217575号、特開2002−358005号各公報)
アクリル酸メチルとメタノールより高沸点のアルコールの混合液よりメタノールを共沸させることによりエステル交換させる。
(iii)直接付加反応法(特開2004−175740号公報)
前記式(6)の官能基含有ノルボルネンとα,β−不飽和エステル誘導体とを酸触媒の存在下に直接付加反応させる。
(iv)その他の合成
反応条件としては、それぞれ、特開2003−40840号、特開2004−175740号、特開2005−15398号、特開2004−217575号各公報に記載された条件が採用できる。
(v)イソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる方法
水酸基含有ノルボルナンと式(4−2):
(CH2=CX1−COO)n4−Rd−NCO (4−2)
(式中、X1、Rdおよびn4は前記式(4−2)と同じ)で示されるイソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる。
また、式(6)で示されるノルボルネンは、具体例としては国際公開第03/006413号、国際公開第01/74916号各パンフレットなどに記載されているものを目的化合物に応じて選択すればよい。
本発明の硬化性組成物の(A)成分の硬化性含フッ素ポリマーおよび(B)成分のα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体の質量比は、耐擦傷性、耐摩耗性および屈折率の点から、(A)が50〜99質量%、(B)が1〜50質量%、好ましくは(A)が60〜99質量%、(B)が1〜40質量%、より好ましくは(A)が70〜99質量%、(B)が1〜30質量%である。
本発明の硬化性組成物の硬化方法としては、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、熱により硬化させる方法などが採用できる。これらのうち、耐熱性が低く、熱で変形や分解、着色が起こりやすい基材、たとえば透明樹脂基材などにも適応できる点から、活性エネルギー線硬化開始剤(C)を用いる活性エネルギー線硬化方法が好ましい。
活性エネルギー線硬化開始剤(C)としては、たとえば350nm以下の波長領域の電磁波、つまり紫外光線、電子線、X線、γ線などが照射されることによって初めてラジカルやカチオンなどを発生し、硬化性含フッ素ポリマーの炭素−炭素二重結合を硬化(架橋反応)を開始させる触媒として働くものであり、通常、紫外光線でラジカルやカチオンを発生させるもの、特にラジカルを発生するものを使用する。
本発明の組成物における活性エネルギー線硬化開始剤(C)は、硬化性含フッ素ポリマー(A)中の側鎖の炭素−炭素二重結合の種類(ラジカル反応性か、カチオン反応性か)、ノルボルネン系硬化剤(B)中のα,β−不飽和結合の種類(ラジカル反応性か、カチオン反応性か)、使用する活性エネルギー線の種類(波長域など)と照射強度などによって適宜選択されるが、一般に紫外線領域の活性エネルギー線を用いてラジカル反応性の炭素−炭素二重結合を有する場合、硬化開始剤としては、たとえばつぎのものが例示できる。
アセトフェノン系
アセトフェノン、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、ヒドロキシプロピオフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オンなど
ベンゾイン系
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなど
ベンゾフェノン系
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシ−プロピルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなど
チオキサンソン類
チオキサンソン、クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン、ジエチルチオキサンソン、ジメチルチオキサンソンなど
その他
ベンジル、α−アシルオキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、アンスラキノンなど
含フッ素ポリマーの種類によっては、また上記の活性エネルギー線開始剤の種類のよっては、お互い相溶性がわるく、コーティング組成物自体が、または塗布後の被膜が白濁してしまい、透明性や硬化反応性が低下する場合がある。
本発明者らは、活性エネルギー線硬化開始剤(C)自体にフッ素原子、含フッ素有機基を導入することで含フッ素ポリマーとの相溶性が改善できることを見出した。
具体的には、含フッ素アルキル基、含フッ素アルキレン基、エーテル結合を有する含フッ素アルキル基、エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基を開始剤中に含むものが好ましく、たとえばOH基を有する開始剤に上記含フッ素有機基を有する含フッ素カルボン酸(多価カルボン酸)などをエステル結合で導入した構造のもの、アミノ基を有する開始剤に含フッ素カルボン酸(多価カルボン酸)をアミド結合で導入した構造のものなどがあげられる。
硬化開始剤(C)に含フッ素有機基を導入することによって、高フッ素化率の含フッ素ポリマーにおいても、相溶性が良好で、硬化反応性や被膜の透明性を改善できる点で好ましい。
また、必要に応じてアミン類、スルホン類、スルフィン類などの光開始助剤を添加してもよい。
また、カチオン反応性の炭素−炭素二重結合を有する場合、硬化開始剤としては、つぎのものが例示できる。
オニウム塩
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩など
スルホン化合物
β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物など
スルホン酸エステル類
アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなど
その他
スルホンイミド化合物類、ジアゾメタン化合物類など
これらのカチオン反応性の活性エネルギー線硬化開始剤においても、フッ素原子や含フッ素有機基を導入することで上記と同様に含フッ素ポリマーとの相溶性が改善できる。
本発明の硬化性組成物には溶剤(D)を使用してもよく、溶剤に溶解または分散させることによって種々の基材にコーティングし、塗膜を形成することができ、塗膜形成後、活性エネルギー線などの照射によって効率よく硬化でき、硬化被膜が得られる点で好ましい。
溶剤(D)は、硬化性含フッ素ポリマー(A)、ノルボルネン系硬化剤(B)、活性エネルギー線硬化開始剤(C)および必要に応じて添加する他の硬化剤、レベリング剤、光安定剤などの添加剤が均一に溶解または分散するものであれば特に制限はないが、特に硬化性含フッ素ポリマー(A)およびノルボルネン系硬化剤(B)を均一に溶解するものが好ましい。この溶剤を使用する態様は特に反射防止膜用途など薄層被膜(0.1μm前後)が要求される分野で透明性が高く、均質な被膜を生産性よく得られる点で好ましい。
かかる溶剤(D)としては、たとえばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶剤;ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチルなどのエステル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶剤;2−ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類あるいはこれらの2種以上の混合溶剤などがあげられる。
またさらに、硬化性含フッ素ポリマー(A)やノルボルネン系硬化剤(B)の溶解性を向上させるために、必要に応じてフッ素系の溶剤を用いてもよい。
フッ素系の溶剤としては、たとえばCH3CCl2F(HCFC−141b)、CF3CF2CHCl2/CClF2CF2CHClF混合物(HCFC−225)、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、メトキシ−ノナフルオロブタン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼンなどのほか、
Figure 0004983605
などのフッ素系アルコール類、
ベンゾトリフルオライド、パーフルオロベンゼン、パーフルオロ(トリブチルアミン)、ClCF2CFClCF2CFCl2などがあげられる。
これらフッ素系溶剤は単独でも、またフッ素系溶剤同士、非フッ素系とフッ素系の1種以上との混合溶剤として用いてもよい。
これらのなかでもケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤などが、塗装性、塗布の生産性などの面で好ましいものである。
また、硬化性含フッ素ポリマーを溶解させる際、これら汎用溶剤とともに含フッ素アルコール系溶剤を混合することで、塗布乾燥後のポリマー被膜の基材に対するレベリング性が改善される。
このレベリング性改善効果は、樹脂基材、特にアクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオレフィンに対して高く、なかでもポリエチレンテレフタレート基材に対して特に顕著である。
添加する含フッ素系アルコールとしては、沸点が50℃以上、好ましくは80℃以上のもので、硬化性含フッ素ポリマーを溶解させるものであればよい。
たとえば、
Figure 0004983605
などが好ましい具体例である。
含フッ素系アルコールは、それのみで溶剤として用いてもよいが、前述のケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、非フッ素系アルコール溶剤、芳香族系溶剤などの汎用溶剤に加えて用いても効果的である。
混合して用いる場合の添加量は、溶剤全体に対して1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、特に10〜30質量%添加するのが好ましい。
本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)とノルボルネン系硬化剤(B)と、要すれば活性エネルギー線硬化開始剤(C)との硬化性含フッ素樹脂組成物、さらに溶剤(D)を含めたコーティング用含フッ素樹脂組成物に、さらに必要に応じて他の硬化剤(E)を添加してもよい。
併用可能な他の硬化剤(E)としては、炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有しかつラジカルまたは酸で重合できるものが好ましく、具体的にはノルボルネン系硬化剤(B)以外のアクリル系モノマーなどのラジカル重合性の単量体、ビニルエーテル系モノマーなどのカチオン重合性の単量体があげられる。これら単量体は、炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能であっても炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能の単量体であってもよい。
これらの炭素−炭素不飽和結合を有する他の硬化剤(E)は、本発明の組成物中の活性エネルギー線硬化開始剤(C)と光などの活性エネルギー線との反応で生じるラジカルやカチオンで反応し、本発明の組成物中の硬化性含フッ素ポリマー(A)の側鎖の炭素−炭素二重結合やノルボルネン系硬化剤(B)のα,β−不飽和結合と共重合によって架橋することができるものである。
単官能のアクリル系単量体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸エステル類、α−フルオロアクリル酸、α−フルオロアクリル酸エステル類、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類のほか、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などを有する(メタ)アクリル酸エステル類などが例示される。
なかでも硬化物の屈折率を低く維持するために、フルオロアルキル基を有するアクリレート系単量体が好ましく、たとえば一般式:
Figure 0004983605
(Xb1はH、CH3またはF;Rfbは炭素数2〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基)で表わされる化合物が好ましい。
具体的には、
Figure 0004983605
などがあげられる。
多官能アクリル系単量体としては、ジオール、トリオール、テトラオールなどの多価アルコール類のヒドロキシル基をアクリレート基、メタアクリレート基、α−フルオロアクリレート基に置き換えた化合物が一般的に知られている。
具体的には、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのそれぞれの多価アルコール類の2個以上のヒドロキシル基がアクリレート基、メタクリレート基、α−フルオロアクリレート基のいずれかに置き換えられた化合物があげられる。
また、含フッ素アルキル基、エーテル結合を含む含フッ素アルキル基、含フッ素アルキレン基またはエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基を有する多価アルコールの2個以上のヒドロキシル基をアクリレート基、メタアクリレート基、α−フルオロアクリレート基に置き換えた多官能アクリル系単量体も利用でき、特に硬化物の屈折率を低く維持できる点で好ましい。
具体例としては
Figure 0004983605
(Rfdは炭素数1〜40の含フッ素アルキル基またはエーテル結合を含む含フッ素アルキル基;RhはHまたは炭素数1〜3のアルキル基)、
Figure 0004983605
(Rfeは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基またはエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基;RiはHまたは炭素数1〜3のアルキル基)
などの一般式で示される含フッ素多価アルコール類の2個以上のヒドロキシル基をアクリレート基、メタアクリレート基またはα−フルオロアクリレート基に置き換えた構造のものが好ましくあげられる。
また、これら例示の単官能、多官能アクリル系単量体を硬化剤として本発明の組成物に用いる場合、なかでも特にα−フルオロアクリレート化合物が硬化反応性が良好な点で好ましい。
本発明の組成物において、活性エネルギー線硬化開始剤(C)の添加量は、硬化性含フッ素ポリマー(A)中の炭素−炭素二重結合の含有量、ノルボルネン系硬化剤(B)の含有量、上記他の硬化剤(E)の使用の有無や硬化剤の使用量によって、さらには用いる開始剤(C)、活性エネルギー線の種類や、照射エネルギー量(強さと時間など)によって適宜選択されるが、他の硬化剤(E)を使用しない場合では、硬化性含フッ素ポリマー(A)とノルボルネン系硬化剤(B)の合計量100質量部に対して0.01〜30質量部、さらには0.05〜20質量部、最も好ましくは、0.1〜10質量部である。
詳しくは、硬化性含フッ素ポリマー(A)中に含まれる炭素−炭素二重結合とノルボルネン系硬化剤(B)中のα,β−不飽和結合の合計量の含有量(モル数)に対し、0.05〜50モル%、好ましくは0.1〜20モル%、最も好ましくは、0.5〜10モル%である。
他の硬化剤(E)を使用する場合は、硬化性含フッ素ポリマー(A)中に含まれる炭素−炭素二重結合の含有量(モル数)とノルボルネン系硬化剤(B)中のα,β−不飽和結合と硬化剤の炭素−炭素不飽和結合のモル数の合計モル数に対して0.05〜50モル%、好ましくは0.1〜20モル%、最も好ましくは0.5〜10モル%である。
他の硬化剤(E)を使用する場合、他の硬化剤(E)の使用量は、ノルボルネン系硬化剤(B)のα,β−不飽和結合の含有量、目的とする硬度や屈折率、他の硬化剤(E)の種類、使用する硬化性含フッ素ポリマー(A)の硬化性基の含有量などによって適宜選択され、望ましくは硬化性含フッ素ポリマー(A)に対して、1〜80質量%、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%である。硬化剤の添加量が多すぎると屈折率が高くなる傾向にあり、好ましくない。
溶剤(D)の含有量としては、溶解させる固形分の種類、他の硬化剤(E)の使用の有無や使用割合、塗布する基材の種類や目標とする膜厚などによって適宜選択されるが、組成物中の全固形分濃度が0.5〜70質量%、好ましくは1〜50質量%となるように配合するのが好ましい。
本発明の組成物は、前述の化合物のほかに、必要に応じて種々の添加剤を配合してもよい。
そうした添加剤としては、たとえばレベリング剤、粘度調整剤、光安定剤、水分吸収剤、顔料、染料、防汚剤(シリコーン系、フッ素系)、補強剤などがあげられる。
また、本発明の組成物は、硬化物の硬度を高める目的で無機化合物の微粒子を配合することもできる。
無機化合物微粒子としては特に限定されないが、屈折率が1.5以下の化合物が好ましい。具体的にはフッ化マグネシウム(屈折率1.38)、酸化珪素(屈折率1.46)、フッ化アルミニウム(屈折率1.33〜1.39)、フッ化カルシウム(屈折率1.44)、フッ化リチウム(屈折率1.36〜1.37)、フッ化ナトリウム(屈折率1.32〜1.34)、フッ化トリウム(屈折率1.45〜1.50)などの微粒子が望ましい。微粒子の粒径については、低屈折率材料の透明性を確保するために可視光の波長に比べて充分に小さいことが望ましい。具体的には100nm以下、特に50nm以下が好ましい。
無機化合物微粒子を使用する際は、組成物中での分散安定性、低屈折率材料中での密着性などを低下させないために、予め有機分散媒中に分散した有機ゾルの形態で使用するのが望ましい。さらに、組成物中において、無機化合物微粒子の分散安定性、低屈折率材料中での密着性などを向上させるために、予め無機微粒子化合物の表面を各種カップリング剤などを用いて修飾することができる。各種カップリング剤としては、たとえば有機置換された珪素化合物;アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンまたはこれらの混合物などの金属アルコキシド;有機酸の塩;配位性化合物と結合した配位化合物などがあげられる。
本発明の硬化性組成物は、溶剤(D)に対して硬化性含フッ素ポリマー(A)または添加物がディスパージョン状のものでも、溶液状のものでもよいが、均一な薄膜を形成するため、また比較的低温で成膜が可能となる点で、均一な溶液状であることが好ましい。
塗装法としては、膜厚をコントロールできるのであれば公知の塗装法を採用することができる。
たとえば、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、フローコート法、バーコート法、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法などが採用でき、基材の種類、形状、生産性、膜厚のコントロール性などを考慮して選択できる。
本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)とノルボルネン系硬化剤(B)、更に要すれば活性エネルギー線硬化開始剤(C)とを含む硬化性樹脂組成物、および上記の方法などでコーティング用含フッ素樹脂組成物を基材に塗布したのち乾燥により得られる被膜は、紫外線、電子線または放射線などの活性エネルギー線を照射することによって光硬化させることができる。
光硬化すると本発明の硬化性含フッ素ポリマー(A)中の炭素-炭素二重結合が分子間およびノルボルネン系硬化剤(B)を介して重合し、ポリマー中の炭素−炭素二重結合が減少または消失する。その結果、樹脂硬度が高くなり、機械的強度が向上したり、耐摩耗性、耐擦傷性が向上したり、さらには硬化前には溶解していた溶剤に対して不溶となるだけでなく、他の数多くの種類の溶剤に対して不溶となる。
本発明はまた、本発明の硬化性組成物の硬化被膜であって、膜厚が0.03〜0.5μmの反射防止膜にも関する。
本発明は、硬化性含フッ素ポリマー(A)自体が硬化(架橋)可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、それ自体が低屈折率なものを用いることで、透明基材に所定の膜厚で塗布し、ノルボルネン系硬化剤を用いて硬化させることによって反射防止効果と、高硬度、耐摩耗性、耐擦傷性がさらに改善された反射防止膜が得られる。かかる含フッ素ポリマー(A)を使用するときは、さらに塗装性(平滑性、膜厚均一性)も良好で、かつ硬化後の被膜に低分子量の単量体成分なども残留しにくく、表面のタック感もなく塗膜性能に優れたものとなる。
硬化は、熱や光(開始剤を含む系において)などの手段を取り得るが、透明な樹脂基材に反射防止膜を施す場合、高い温度をかけることは、基材の熱劣化、熱変形をおこしやすいため好ましくない。したがって光硬化による硬化が好ましい。
本発明の硬化性組成物を光硬化して、反射防止膜を得る方法としては、硬化性組成物を基材に塗布し、乾燥等により被膜(未硬化)を形成したのち、紫外線、電子線、放射線などの活性エネルギー線を照射することによって硬化被膜を得る方法が採用され、光照射は、空気中、窒素などの不活性ガス気流下のいずれの条件下で行なってもよい。なかでも、不活性ガス気流下で光照射する方法が、硬化反応性が良好な点で好ましく、より高い硬度の被膜が得られる。
また、酸重合性の炭素−炭素二重結合を有する硬化性含フッ素ポリマー(A)を活性エネルギー線の照射により酸を発生する開始剤と組合わせて用いることもでき、光照射時において空気(酸素)などの影響を受けにくく、硬化反応が達成できる点で好ましい。
本発明の反射防止膜に用いる硬化性含フッ素ポリマーは、前記した具体的例示の中から、硬化性含フッ素ポリマー自体、透明性が高く、非晶性でかつ屈折率が1.40以下のもの、好ましくは1.38以下のものが選ばれる。さらにそのなかから、目標とする硬さ、基材の種類、塗装方法、条件、膜厚、均一性、基材との密着性などに応じて適宜選択して用いることが好ましい。
本発明の反射防止膜に用いる活性エネルギー線硬化開始剤(C)は、前述の硬化性含フッ素樹脂組成物で例示したものと同じものが利用でき、硬化性含フッ素ポリマー中の炭素−炭素不飽和結合の種類(反応性、含有量)、ノルボルネン系硬化剤(B)の種類(反応性、含有量)、硬化条件、塗料のポットライフなどを考慮して種類、使用量など、前述の範囲の中から適宜選択できる。
溶剤(D)は、目標とする塗装性、成膜性、膜厚の均一性、塗装の生産性に応じて種類、使用量など前述の例示のなかから適宜選択されるが、透明樹脂基材を溶解させたり、膨潤させたりする溶剤は好ましくない。特にケトン系、酢酸エステル系、アルコール系および芳香族炭化水素系溶剤から選ばれるものが好ましい。
本発明の反射防止膜において、ノルボルネン系硬化剤(B)と共に、前述のものと同様の他の硬化剤(E)を併用してもよい。他の硬化剤(E)を併用することにより、硬化被膜の硬度をより高くすることができる。
これらのコーティング組成物を塗布後、含フッ素ポリマーを硬化させたのちの硬化物(被膜)は、屈折率が1.49以下、好ましくは1.45以下であり、さらに1.40以下であることが好ましい。最も好ましくは1.38以下であり、低い方が反射防止効果としてより有利である。
各種基材に施される反射防止膜の好ましい膜厚は、膜の屈折率や下地の屈折率によって変わるが0.03〜0.5μmの範囲から選択され、好ましくは0.07〜0.2μm、より好ましくは0.08〜0.12μmである。膜厚が低すぎると可視光における光干渉による反射率の低減化が不充分となり、高すぎると反射率はほぼ空気と膜の界面の反射のみに依存するようになるので、可視光における光干渉による反射率の低減化が不充分となる傾向がある。なかでも適切な膜厚は反射防止膜を施したのちの物品の反射率の最小値を示す波長が通常420〜720nm、好ましくは520〜620nmとなるように膜厚を設定するのが好ましい。
本発明の反射防止膜を施す物品、すなわち基材の種類は特に限定されない。たとえば、ガラス、石材、コンクリート、タイルなどの無機材料;塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂;鉄、アルミ、銅などの金属;木、紙、印刷物、印画紙、絵画などをあげることができる。また、物品の特定部分以外の部分に反射防止膜を施し、その特定部分の形状を反射光によって浮かび上がらせることにより、物品の装飾性を向上することもできる。
基材の中でもアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン樹脂などの透明樹脂基材に好ましく施され、効果的に反射防止効果を発揮できる。
本発明は、以下のような形態の物品に適用した場合に効果的である。
プリズム、レンズシート、偏光板、光学フィルター、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、背面投写型ディスプレイのスクリーン、光ファイバーや光カプラーなどの光学部品;
ショーウインドーのガラス、ショーケースのガラス、広告用カバー、フォトスタンド用のカバーなどに代表される透明な保護版;
CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、背面投写型ディスプレイなどの保護板;
光磁気ディスク、CD・LD・DVDなどのリードオンリー型光ディスク、PDなどの相転移型光ディスク、ホログラム記録などに代表される光記録媒体;
フォトレジスト、フォトマスク、ペリクル、レチクルなどの半導体製造時のフォトリソグラフィー関連部材;
ハロゲンランプ、蛍光灯、白熱電灯などの発光体の保護カバー;
上記物品に貼り付けるためのシートまたはフィルム。
本発明の反射防止膜の形成は、本発明の硬化性組成物の溶液を基材に直接塗布し、光照射し、0.1μm程度の厚みの硬化被膜としてもよいが、基材との間に1つまたは複数の層をアンダーコートとして形成し、その上にトップコートとして反射防止膜を形成してもよい。
アンダーコートの効果は大きく分けて3つあり、トップコートの耐擦傷性を高めたり、基材を保護したり、基材よりも高屈折率の層を加えることにより反射防止効果を高めることにある。トップコートの耐擦傷性を高めるためには特開平7−168005号公報に例示されるような自己修復性のアンダーコートを用いればよい。また、基材の保護のためにはハードコートと一般に呼ばれる塗料を用いればよい。ハードコート用には硬化型のアクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコンアルコキシド系化合物の硬化物、金属アルコキシド系化合物の硬化物などが例示できる。これらすべてに熱硬化法が適用できる。アクリル樹脂およびエポキシ樹脂については、光(紫外線)硬化法が生産性の面で好ましい。
CRTやプラズマディスプレイなどでは、装置の特性として表面に静電気がたまりやすい。そこで、上記のようなアンダーコート層および/またはトップコート層に導電性を付与する添加剤を混ぜることが好ましい。添加剤としては、−COO−、−NH2、−NH3 +、−NR111213(ここで、R11、R12およびR13は、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基など)、−SO3−などのイオン性基を含むポリマー、シリコーン化合物、無機電解質(たとえばNaF、CaF2など)などがあげられる。
また、ほこりの付着を防止する目的で、反射防止膜のアンダーコート層および/またはトップコート層に帯電防止剤を添加することが好ましい。添加剤としては上記の導電性を付与する添加剤に加え、金属酸化物の微粒子、フルオロアルコキシシラン、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、両性系、ノニオン系など)、有機高分子(パイ共役系、固体電解質型、4級アンモニウム型、スルホン酸型など)などがあげられる。
アンダーコート層に添加する帯電防止剤としては、効果が永続すること、効果が湿度の影響を受けにくいこと、帯電防止効果が高いこと、透明性、屈折率が高いために基材の屈折率を調整できるので反射防止効果を高めることができることなどの理由から、固体電解質型有機高分子、4級アンモニウム型有機高分子、金属酸化物の微粒子(具体的にはアンチモンをドープした酸化錫(ATO)、インジウムを含む酸化錫(ITO)など)などが好ましい。透明性の面ではATOが好ましく、帯電防止効果もしくは導電性の面ではITOが好ましい。また、帯電防止効果が必要ない場合でも、容易に屈折率を調節できるため、これらの添加剤を用いて反射防止効果を高めることもできる。
また、ATO、ITOが光を散乱・吸収しやすいので、光の透過を妨げないためには、アンダーコート層の厚さはサブミクロン程度であることが好ましい。反射防止効果の波長依存性を小さくし、全波長にわたって反射防止効果を高めるためには、含フッ素ポリマー硬化物の屈折率にもよるが、膜厚は0.05〜0.3μmが好ましい。最適な屈折率も、同様に含フッ素ポリマーの屈折率に依存するが、1.55〜1.95が好ましい。
含フッ素ポリマー硬化被膜に帯電防止性を与えるのであれば、屈折率が高くなりにくく反射防止効果に悪影響が少ないという面から、アルコキシシラン系の帯電防止剤が好ましい。フルオロアルコキシシランは屈折率が高くなる作用がさらに小さく、加えて表面特性が改良される効果も期待できるので、さらに好ましい。
また、上記したような膜の一部を改質するという方法とは全く異なった方法として、特開平8−142280号公報に示されるように反射防止能に悪影響を及ぼさない膜厚で界面活性剤の層を形成する方法がある。本発明に適用した場合、ほこり付着防止など、防汚性を向上するという効果がある。ハードコート層を形成した場合も同様の効果がある。
ハードコート層は、アルコキシシランやポリシラザンの溶液を塗布後、加熱・硬化させる方法により形成することができる。また、紫外線硬化型アクリル塗料やメラミン架橋の硬化膜も使用可能である。
またさらに、艶消し剤として微粒子を混合したコーティング剤を下地に施したもの、すなわちアンチグレア(AG)処理した基材フィルム(たとえばTACフィルムなど)上に、本発明の反射防止膜を施してもよい。それによって、低グロス、低反射の反射防止フィルムが得られ、LCDなどに用いることにより、より一層鮮明な画像が得られるので好ましい。
本発明の反射防止膜は、フッ素含有率も高く、表面接触角も低く、それ自体、撥水性、非粘着性、防汚性を有しており、反射防止と防汚層を兼ね備えることができる。
さらに反射防止層に防汚性を付与するために、含フッ素ポリエーテル化合物を添加することができる。その場合、力学特性の劣化や、含フッ素ポリマーとの相分離による白濁を考慮して添加量を決める必要がある。末端をカルボキシル基、ブロックされたカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アルコキシシラン基、(メタ)アクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基としておけば、被膜中に固定されやすくなる。また、同様のポリエーテル化合物を予め形成した反射防止膜表面(硬化前または硬化後の被膜)に塗布しても同様の効果がある。
硬化性含フッ素ポリマーの薄膜を形成する方法として、硬化性含フッ素ポリマーのディスパージョンを塗り、乾燥し、そののち必要に応じて焼成して造膜する方法と、溶液(均一溶液)を塗布し、乾燥する方法がある。薄膜の形成が容易であることから、溶液塗布が好ましい。その際、膜厚を充分にコントロールできるのであれば、公知の塗装法を採用することができる。たとえばロールコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、フローコート法、バーコート法、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法を採用することができる。このような方法の中から、生産性、膜厚コントロール性、歩留まりなどのバランスを考慮して、最適な塗装法を決定する。フィルム、シートなどに反射防止膜を形成したのち、これを基材に貼り付けてもよい。
本発明においても、反射防止膜の基材への密着性を高めるために、シラン化合物を添加してもよい。被膜中に添加するシラン化合物の量は数質量%程度でよい。また、基材表面をシラン化合物で処理しておくことも、密着性の改善のために効果がある。本発明においてはいずれの場合でも、シラン化合物は硬化膜の屈折率をほとんど増加させないため、反射防止効果への悪影響は非常に少ない。
つぎに本発明を合成例、製造例および実施例などに基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、物性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
(1)NMR:BRUKER社製
1H−NMR測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19F−NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
(2)IR分析:PERKIN ELMER社製のFT−IR SPECTROMETER 1760X
(3)重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による。昭和電工(株)製のShodexGPC−104を用い、Shodex社製のカラム(GPC KF−604を1本、GPC KF−603を1本、GPC KF−602を2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.5ml/分で流して測定したデータより算出する。
合成例1(ノルボルナン骨格にフッ素原子を1つ含むノルボルナンジオールの合成)
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、水素化ホウ素ナトリウム9.3gとテトラヒドロフラン150mlを仕込み、氷浴で冷却した。(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール30gとテトラヒドロフラン30mlの混合液を滴下した後、三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体9mlを滴下し、その後、摂氏20度で1時間攪拌した。水10ml、NaOH水溶液(濃度:3mol/l)75ml、30質量%過酸化水素水75mlを順に滴下した後、摂氏20度で20時間攪拌した。塩酸でpHを3以下の酸性溶液にした後、有機層を分液した。有機層を食塩水で洗浄した後、テトラヒドロフランを減圧下留去した。残渣をジエチルエーテルと混合し、不溶物をろ過した。ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減圧下留去し、(2−フルオロ−5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(以下「NB1F2OH」と略す)を30g得た。
Figure 0004983605
合成例2(ノルボルナン骨格にフッ素原子を3つ含むノルボルナンジオールの合成)
合成例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて(2,3,3−トリフルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール34gを用いた以外は合成例1と同様の操作を行い(2,3,3−フルオロ−5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(以下「NB3F2OH」と略す)を34g得た。
Figure 0004983605
製造例1(モノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物の合成)
温度計と3方コックおよび滴下ロートを備えた三つ口フラスコに(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール25gとHCFC−141b100mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下氷浴中で冷却した。その後、トリエチルアミン30ml、メタクリロイルクロライド10.5g(100mmol)を順に滴下し、摂氏20度で12時間攪拌した。塩酸でpHを2にし、食塩を入れ、分液した。有機層を食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてヘキサン:酢酸エチル=9:1)し、モノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物22gを得た。
Figure 0004983605
製造例2(モノメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物の合成)
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB1F2OH27gを用いた以外は同様にしてモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物を22g得た。
Figure 0004983605
製造例3(ジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物の合成)
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB1F2OH27g、メタクリロイルクロライド29gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物33gを得た。
Figure 0004983605
製造例4(ジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物の合成)
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB3F2OH30g、メタクリロイルクロライド29gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物35gを得た。
Figure 0004983605
製造例5(テトラアクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物の合成)
温度計と3方コックおよび滴下ロートを備えた三つ口フラスコに1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート24g、ジブチルスズラウレートの1%CFC−141b溶液2gとHCFC−141b30mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下、40℃に加熱した。その後、HCFC−141b50mLに溶解したNB1F2OH30gを滴下し、40℃で5時間攪拌した。溶媒を除去し、テトラアクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物50gを得た。
Figure 0004983605
合成例3(OH基を有する含フッ素アリルエーテルのホモポリマーの合成)
攪拌装置および温度計を備えた100mLのガラス製四ツ口フラスコに、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)
Figure 0004983605
を20gと
[H−(CF2CF23−COO−]2
の8.0質量%パーフロヘキサン溶液21.2gを入れ、十分に窒素置換を行った後、窒素気流下20℃で24時間攪拌を行ったところ、高粘度の固体が生成した。
得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフロヘキサンに注ぎ、分離、真空乾燥させ、重合体17.6gを得た。
この重合体を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、上記含フッ素アリルエーテルの構造単位のみからなり側鎖末端にヒドロキシル基を有する含フッ素重合体であった。また、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒に用いるGPC分析により測定した数平均分子量は9000、重量平均分子量は22000であった。
製造例6(α−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素硬化性ポリマーの合成)
還流冷却器、温度計、攪拌装置、滴下漏斗を備えた200mLの四ツ口フラスコに、ジエチルエーテル80mL、合成例3で得たヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテルの単独重合体5.0gと、ピリジン1.0gを仕込み5℃以下に氷冷した。窒素気流下、攪拌を行いながら、さらにα−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの2.0gをジエチルエーテル20mLに溶解したものを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げさらに4.0時間攪拌を継続した。反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、水洗、2%塩酸水洗浄、5%NaCl水洗浄、さらに水洗を繰返したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついでエーテル溶液を濾過により分離した。
このエーテル溶液を19F−NMR分析により調べたところ、
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=85/15モル%
の共重合体であった。
また、NaCl板に塗布し、室温にてキャスト膜としたものをIR分析したところ、炭素−炭素二重結合の吸収が1661cm-1に、C=O基の吸収が1770cm-1に観測された。
製造例7(α−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素硬化性ポリマーの合成)
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの1.2gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
19F−NMR分析により
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=50/50モル%
の共重合体であった。
また、IR分析において、炭素−炭素二重結合とC=O基の吸収がいずれも製造例6と同様の位置に確認された。
製造例8(α−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素硬化性ポリマーの合成)
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの0.65gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
19F−NMR分析により
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=30/70モル%
の共重合体であった。
また、IR分析において、炭素−炭素二重結合とC=O基の吸収がいずれも製造例6と同様の位置に確認された。
製造例9(α−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素硬化性ポリマーの合成)
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの0.35gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
19F−NMR分析により
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=15/85モル%
の共重合体であった。
また、IR分析において、炭素−炭素二重結合とC=O基の吸収がいずれも製造例6と同様の位置に確認された。
実施例1
(1)コーティング用含フッ素硬化性組成物の調製
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマー(エーテル溶液)に製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物0.8gおよびメチルイソブチルケトン(MIBK)を加えた後、エーテルをエバポレーターにより留去し、固形分濃度8.0質量%に調整した。
得られたポリマー溶液10gに活性エネルギー線硬化開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンをMIBKに1質量%の濃度に溶かした溶液を1.7g加えた。
(2)反射防止膜の作製
上記コーティング組成物を未処理のアクリル板上にスピンコーターにより室温で1000〜2000回転でコートし、50℃で5分間乾燥した。この際、乾燥後の膜厚が90〜110nmとなるように、スピンコーターの回転数を調整した。
(光照射)
乾燥後の被膜に高圧水銀灯を用い、室温にて3000mJ/cm2Uの強度で紫外線を照射した。
(3)含フッ素硬化性組成物の屈折率の測定
含フッ素硬化性組成物の8質量%MIBK溶液(前述の(1)において硬化触媒を添加する前のポリマー溶液)をアプリケーターを用いPETフィルム上に乾燥後膜厚が約100μmとなるように塗布し、50℃で10分間乾燥後、PETフィルムから得られたキャスト膜を剥離、アッベ屈折率計を用いて25℃で550nmの波長の光について屈折率を測定した。結果を表1に示す。
(4)硬化膜の屈折率測定
(1)で作製したコーティング用組成物をアルミ箔上にアプリケーターを用いて膜厚が約100μmとなるように塗布し、50℃で10分間乾燥した。(2)と同様にして光照射した後、アルミ箔を希塩酸で溶かし、サンプルフィルムとした。得られた硬化膜を上記(3)と同様にして屈折率を測定した。
(5)片面反射率の測定
(2)で得た反射防止膜を施したアクリル板を5°正反射ユニットを装着した可視紫外線分光器にセットし,波長550nmの光について反射率を測定した。測定には(株)日立ハイテクノロジー製のU−4000・SPECTROMETERを使用した。
(6)反射防止膜の物性評価
(2)で得た反射防止膜について以下の表面物性の評価を行った。
(i)鉛筆硬度
JIS K5400に従って測定した。
(ii)耐溶剤性
酢酸エチルを含浸させた綿布で塗膜表面を擦った後の塗膜表面の状態(溶解または剥離)を評価した。変化なしを○、溶解または剥離有りを×とした。
溶剤としてアセトンを用いた場合についても同様に評価した。
(iii)耐摩耗性
ラビングテスターに綿布(アサヒケミカル社製のBEMCOT(登録商標)M−3)をとりつけ、100gf/cm2の荷重で100往復反射防止膜を擦った。そのときの膜状態を観察した。
評価は、
○:変化なし
△:一部傷がつく
×:膜が剥離し、下地が見える部分がある
とした。
(7)含フッ素ポリマーとα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン化合物およびα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン化合物の相溶性を目視で調べた。
○:相溶する
×:相溶せず
実施例2〜4
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例2)、製造例8(実施例3)、製造例9(実施例4)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004983605
実施例5
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例2を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例6〜8
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例6)、製造例8(実施例7)、製造例9(実施例8)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例5と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004983605
実施例9
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例3を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例10〜12
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例10)、製造例8(実施例11)、製造例9(実施例12)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例9と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004983605
実施例13
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例4を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例14〜16
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例14)、製造例8(実施例15)、製造例9(実施例16)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0004983605
実施例17
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例5を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表5に示す。
実験例18〜20
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例18)、製造例8(実施例19)、製造例9(実施例20)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例17と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0004983605
比較合成例1(ノルボルナンジオールの合成)
合成例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて5−ノルボルネン−2−メタノール14gを用いた以外は合成例1と同様の操作を行い(5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン)−2−メタノールを13g得た。
Figure 0004983605
比較製造例1(ジメタクリレート含有ノルボルナン化合物の合成)
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて比較合成例1で合成したノルボナンジオール12.5g、メタクリロイルクロライド37gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有ノルボルナン化合物13gを得た。
Figure 0004983605
比較例1
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて比較製造例1を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表6に示す。
比較例2〜4
比較例1で用いたα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(比較例2)、製造例8(比較例3)、製造例9(比較例4)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてコーティング組成物の調製し、反射防止膜を作製したが、相溶性がわるく均一に混ざらず、均質な塗膜が得られなかった。したがって、屈折率および片面反射率の測定は行わなかった。塗膜の評価については実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。
Figure 0004983605
本発明の硬化性組成物によれば、低屈折率を維持しながら、耐擦傷性、耐摩耗性が改善された硬化膜、特に反射防止膜を提供することができる。
また、該硬化性組成物の製造のために有用なα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体およびα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体を提供することができる。

Claims (9)

  1. (A)硬化性含フッ素ポリマー、および
    (B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
    を含む硬化性組成物であって、
    該(A)成分が、式(1):
    −(M)−(A)− (1)
    [式中、構造単位Mは、式(M):
    Figure 0004983605
    (式中、XaおよびXbは同じかまたは異なり、HまたはF;XcはH、F、CH3またはCF3;XdおよびXeは同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基にY(Yは末端にエチレン性炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の1価の有機基)が1〜3個結合している有機基;m1は0〜3の整数;m2およびm3は同じかまたは異なり、0または1)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位;
    構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーであり、
    該(B)成分が、式(2)で表される化合物である、硬化性組成物。
    Figure 0004983605
    (式中、Nbはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)の1価の残基;Zは、式(3):
    Figure 0004983605
    (式中、R 1 は、式(3−1):
    Figure 0004983605
    (式中、R a1 は水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよくエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の2価の有機基;Rf 1 およびRf 2 は同じかまたは異なり、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の含フッ素アルキル基;R a2 はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;q1は0または1;q2は0または1);X 1 はH、Cl、F、CF 3 または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1)
  2. 前記成分(B)のうちのα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)が、式(4):
    Figure 0004983605
    (式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R5は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R5の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R5の少なくとも1つは有機基Zである)で示される化合物であり、α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)が、式(5):
    Figure 0004983605
    (式中、X2〜X9およびR2〜R5は式(4)と同じ;R6は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基および前記有機基Zよりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R6の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R6の少なくとも1つは有機基Zである)で示される化合物である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記式(3)で示される有機基Z1において、結合基R1が、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素原子を含む2価のアルキレン基である請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 活性エネルギー線硬化開始剤(C)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化被膜であって、該硬化被膜の膜厚が0.03〜0.5μmである反射防止膜。
  6. 式(6):
    Figure 0004983605
    (式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R5は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基およびα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1(Z1は式(3):
    Figure 0004983605
    (式中、R1、式(3−1):
    Figure 0004983605
    (式中、R a1 は水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよくエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の2価の有機基;Rf 1 およびRf 2 は同じかまたは異なり、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の含フッ素アルキル基;R a2 はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;q1は0または1;q2は0または1);X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R5の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R5の1〜3個が有機基Z1である)で示されるα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体。
  7. 前記式(6)において、R2〜R4が、同じかまたは異なりいずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、およびエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R5がアクリロイル基含有有機基Z1である請求項6記載のα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体。
  8. 式(7):
    Figure 0004983605
    (式中、X2〜X9は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数1〜10のアルキル基;R2〜R6は同じかまたは異なり、いずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、カルボン酸塩基、アミノ基およびα,β−不飽和エステル基含有有機基Z1(Z1は式(3):
    Figure 0004983605
    (式中、R1、式(3−1):
    Figure 0004983605
    (式中、R a1 は水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよくエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の2価の有機基;Rf 1 およびRf 2 は同じかまたは異なり、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の含フッ素アルキル基;R a2 はエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合および/またはイミド結合を含む2価または3価の結合基;q1は0または1;q2は0または1);X1はH、Cl、F、CF3または炭素数1〜10のアルキル基;n2は0または1;n3は1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種;n5は0〜2の整数;ただし、R2〜R6の少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を有する基であり、またR2〜R6の1〜3個が有機基Z1である)で示されるα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体。
  9. 前記式(7)において、R2〜R4が、同じかまたは異なりいずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、およびエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R5およびR6がアクリロイル基含有有機基Z1である請求項8記載のα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体。
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