JP4983605B2 - α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物 - Google Patents
α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物 Download PDFInfo
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Description
(A)硬化性含フッ素ポリマー、および
(B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
を含む硬化性組成物であって、
該(A)成分が、式(1):
−(M)−(A)− (1)
[式中、構造単位Mは、式(M):
構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーであり、
該(B)成分が、式(2):
式(6):
式(7):
(A)硬化性含フッ素ポリマー、および
(B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
を含む硬化性組成物である。
−(M)−(A)− (1)
[式中、構造単位Mは、式(M):
構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーである。
CXaXb=CXc−(CXdXe)m1−(C=O)m2−(O)m3−Rf (m)
(式中、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Rf、m1、m2およびm3は式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
CXaXb=CXc−(CXdXe)m1−(O)m3−Rf (m1)
(式中、Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Rf、m1およびm3は式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
CH2=CF−CF2−O−Rf (m2)
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
CF2=CF−O−Rf (m3)
(式中、Rfは式(M)と同じ)で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位である。
−CXf=CXgXh
(式中、XfはH、F、CH3またはCF3;XgおよびXhはHまたはF)であり、ラジカルやカチオンの接触による硬化反応性が高く好ましいものである。
−O(C=O)CXf=CXgXh
(式中、Xf、XgおよびXhは上記と同じ)で示されるY2があげられ、特にラジカルの接触による硬化反応性がより高い点で好ましく、光硬化などにより容易に硬化物を得ることができる点で好ましい。
これらは、硬化性含フッ素ポリマーおよびその硬化物の屈折率を低く維持しながら、基材への密着性や溶剤、特に汎用溶剤への溶解性を付与できる点で好ましく、そのほかYが関与する以外の架橋性などの機能を付与できる点で好ましい。官能基を有する好ましい含フッ素エチレン性単量体の構造単位は、一般式(A1):
CF2=CFCF2−O−Rfa−D1 、CF2=CF−Rfa−D1 、
CH2=CH−Rfa−D1 、CH2=CHO−Rfa−D1
(Rfaは式(M)のRfからYを除いた基)
などがあげられ、より具体的には、
これらは硬化性含フッ素ポリマーまたはその硬化物の屈折率を低く維持できる点で、またさらに低屈折率化することができる点で好ましい。また単量体を選択することでポリマーの機械的特性やガラス転移点などを調整でき、特に構造単位Mと共重合してガラス転移点を高くすることができ、好ましいものである。
これらの構造単位を導入すると、透明性を高くでき、また、より低屈折率化が可能となり、さらに高ガラス転移点の硬化性含フッ素ポリマーが得られ、硬化物にさらなる高硬度化が期待できる点で好ましい。
屈折率を悪化(高屈折率化)させない範囲でフッ素を含まないエチレン性単量体から誘導される構造単位を導入してもよい。
αオレフィン類:
エチレン、プロピレン、ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど
ビニルエーテル系またはビニルエステル系単量体:
CH2=CHOR、CH2=CHOCOR(R:炭素数1〜20の炭化水素基)など
CH2=CHCH2Cl、CH2=CHCH2OH、CH2=CHCH2COOH、CH2=CHCH2Brなど
CH2=CHCH2OR (R:炭素数1〜20の炭化水素基) 、
CH2=CHCH2OCH2CH2COOH 、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類のほか、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル類などがあげられる。
構造単位Mの共重合成分として、より好ましくは構造単位Mと前述の含フッ素エチレン性単量体または非フッ素エチレン性単量体(前述の(3)、(4))の構造単位に加えて、第3成分として脂環式単量体構造単位を導入してもよく、それによって高ガラス転移点化、高硬度化が図られるので好ましい。
−(M)−(A1)−(A2)− (1−1)
からなる硬化性含フッ素ポリマーである。
などあげられる。
水酸基含有ノルボルネンと式(4−1):
CH2=CX1−COORc (4−1)
(式中、X1は式(3)と同じ;RcはH、ハロゲン原子、アルキル基など)で示されるα,β−不飽和カルボン酸誘導体と反応させる。
アクリル酸メチルとメタノールより高沸点のアルコールの混合液よりメタノールを共沸させることによりエステル交換させる。
反応条件としては、それぞれ、特開2003−40840号、特開2004−175740号、特開2005−15398号、特開2004−217575号各公報に記載された条件が採用できる。
水酸基含有ノルボルネンと式(4−2):
(CH2=CX1−COO)n4−Rd−NCO (4−2)
(式中、X1は式(3)と同じ;Rdは2価または3価の有機基;n4は1または2)で示されるイソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる。
(CH2=CX1COO)s3−(Re1)s1 (4−3)
(式中、X1、Re1、s1は前記と同じ、s3は0〜2))
などがあげられる。
たとえば、式(6):
CH2=CX1−COORc (4−1)
(式中、X1は式(3)と同じ;RcはH、ハロゲン原子、アルキル基など)で示されるα,β−不飽和カルボン酸誘導体と反応させる。
アクリル酸メチルとメタノールより高沸点のアルコールの混合液よりメタノールを共沸させることによりエステル交換させる。
前記式(6)の官能基含有ノルボルネンとα,β−不飽和エステル誘導体とを酸触媒の存在下に直接付加反応させる。
反応条件としては、それぞれ、特開2003−40840号、特開2004−175740号、特開2005−15398号、特開2004−217575号各公報に記載された条件が採用できる。
水酸基含有ノルボルナンと式(4−2):
(CH2=CX1−COO)n4−Rd−NCO (4−2)
(式中、X1、Rdおよびn4は前記式(4−2)と同じ)で示されるイソシアネート基含有α,β−不飽和エステル誘導体と反応させる。
アセトフェノン、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、ヒドロキシプロピオフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オンなど
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなど
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシ−プロピルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなど
チオキサンソン、クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン、ジエチルチオキサンソン、ジメチルチオキサンソンなど
ベンジル、α−アシルオキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、アンスラキノンなど
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩など
β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物など
アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなど
スルホンイミド化合物類、ジアゾメタン化合物類など
これらのカチオン反応性の活性エネルギー線硬化開始剤においても、フッ素原子や含フッ素有機基を導入することで上記と同様に含フッ素ポリマーとの相溶性が改善できる。
などの一般式で示される含フッ素多価アルコール類の2個以上のヒドロキシル基をアクリレート基、メタアクリレート基またはα−フルオロアクリレート基に置き換えた構造のものが好ましくあげられる。
プリズム、レンズシート、偏光板、光学フィルター、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、背面投写型ディスプレイのスクリーン、光ファイバーや光カプラーなどの光学部品;
ショーウインドーのガラス、ショーケースのガラス、広告用カバー、フォトスタンド用のカバーなどに代表される透明な保護版;
CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、背面投写型ディスプレイなどの保護板;
光磁気ディスク、CD・LD・DVDなどのリードオンリー型光ディスク、PDなどの相転移型光ディスク、ホログラム記録などに代表される光記録媒体;
フォトレジスト、フォトマスク、ペリクル、レチクルなどの半導体製造時のフォトリソグラフィー関連部材;
ハロゲンランプ、蛍光灯、白熱電灯などの発光体の保護カバー;
上記物品に貼り付けるためのシートまたはフィルム。
1H−NMR測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
19F−NMR測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による。昭和電工(株)製のShodexGPC−104を用い、Shodex社製のカラム(GPC KF−604を1本、GPC KF−603を1本、GPC KF−602を2本直列に接続)を使用し、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.5ml/分で流して測定したデータより算出する。
温度計、3方コックを付けた冷却管および滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに窒素ガスを充填し、水素化ホウ素ナトリウム9.3gとテトラヒドロフラン150mlを仕込み、氷浴で冷却した。(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール30gとテトラヒドロフラン30mlの混合液を滴下した後、三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体9mlを滴下し、その後、摂氏20度で1時間攪拌した。水10ml、NaOH水溶液(濃度:3mol/l)75ml、30質量%過酸化水素水75mlを順に滴下した後、摂氏20度で20時間攪拌した。塩酸でpHを3以下の酸性溶液にした後、有機層を分液した。有機層を食塩水で洗浄した後、テトラヒドロフランを減圧下留去した。残渣をジエチルエーテルと混合し、不溶物をろ過した。ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減圧下留去し、(2−フルオロ−5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(以下「NB1F2OH」と略す)を30g得た。
合成例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて(2,3,3−トリフルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール34gを用いた以外は合成例1と同様の操作を行い(2,3,3−フルオロ−5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(以下「NB3F2OH」と略す)を34g得た。
温度計と3方コックおよび滴下ロートを備えた三つ口フラスコに(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール25gとHCFC−141b100mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下氷浴中で冷却した。その後、トリエチルアミン30ml、メタクリロイルクロライド10.5g(100mmol)を順に滴下し、摂氏20度で12時間攪拌した。塩酸でpHを2にし、食塩を入れ、分液した。有機層を食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてヘキサン:酢酸エチル=9:1)し、モノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物22gを得た。
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB1F2OH27gを用いた以外は同様にしてモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物を22g得た。
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB1F2OH27g、メタクリロイルクロライド29gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物33gを得た。
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えてNB3F2OH30g、メタクリロイルクロライド29gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物35gを得た。
温度計と3方コックおよび滴下ロートを備えた三つ口フラスコに1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート24g、ジブチルスズラウレートの1%CFC−141b溶液2gとHCFC−141b30mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下、40℃に加熱した。その後、HCFC−141b50mLに溶解したNB1F2OH30gを滴下し、40℃で5時間攪拌した。溶媒を除去し、テトラアクリレート含有含フッ素ノルボルナン化合物50gを得た。
攪拌装置および温度計を備えた100mLのガラス製四ツ口フラスコに、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)
[H−(CF2CF2)3−COO−]2
の8.0質量%パーフロヘキサン溶液21.2gを入れ、十分に窒素置換を行った後、窒素気流下20℃で24時間攪拌を行ったところ、高粘度の固体が生成した。
還流冷却器、温度計、攪拌装置、滴下漏斗を備えた200mLの四ツ口フラスコに、ジエチルエーテル80mL、合成例3で得たヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテルの単独重合体5.0gと、ピリジン1.0gを仕込み5℃以下に氷冷した。窒素気流下、攪拌を行いながら、さらにα−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの2.0gをジエチルエーテル20mLに溶解したものを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げさらに4.0時間攪拌を継続した。反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、水洗、2%塩酸水洗浄、5%NaCl水洗浄、さらに水洗を繰返したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついでエーテル溶液を濾過により分離した。
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=85/15モル%
の共重合体であった。
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの1.2gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=50/50モル%
の共重合体であった。
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの0.65gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=30/70モル%
の共重合体であった。
α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH2=CFCOFの0.35gとピリジンを1.0g用いた以外は製造例6と同様にして、含フッ素硬化性ポリマー(エーテル溶液)を合成した。
−OOCCF=CH2基含有含フッ素アリルエーテル/OH基含有含フッ素アリルエーテル=15/85モル%
の共重合体であった。
(1)コーティング用含フッ素硬化性組成物の調製
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマー(エーテル溶液)に製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物0.8gおよびメチルイソブチルケトン(MIBK)を加えた後、エーテルをエバポレーターにより留去し、固形分濃度8.0質量%に調整した。
上記コーティング組成物を未処理のアクリル板上にスピンコーターにより室温で1000〜2000回転でコートし、50℃で5分間乾燥した。この際、乾燥後の膜厚が90〜110nmとなるように、スピンコーターの回転数を調整した。
乾燥後の被膜に高圧水銀灯を用い、室温にて3000mJ/cm2Uの強度で紫外線を照射した。
含フッ素硬化性組成物の8質量%MIBK溶液(前述の(1)において硬化触媒を添加する前のポリマー溶液)をアプリケーターを用いPETフィルム上に乾燥後膜厚が約100μmとなるように塗布し、50℃で10分間乾燥後、PETフィルムから得られたキャスト膜を剥離、アッベ屈折率計を用いて25℃で550nmの波長の光について屈折率を測定した。結果を表1に示す。
(1)で作製したコーティング用組成物をアルミ箔上にアプリケーターを用いて膜厚が約100μmとなるように塗布し、50℃で10分間乾燥した。(2)と同様にして光照射した後、アルミ箔を希塩酸で溶かし、サンプルフィルムとした。得られた硬化膜を上記(3)と同様にして屈折率を測定した。
(2)で得た反射防止膜を施したアクリル板を5°正反射ユニットを装着した可視紫外線分光器にセットし,波長550nmの光について反射率を測定した。測定には(株)日立ハイテクノロジー製のU−4000・SPECTROMETERを使用した。
(2)で得た反射防止膜について以下の表面物性の評価を行った。
JIS K5400に従って測定した。
酢酸エチルを含浸させた綿布で塗膜表面を擦った後の塗膜表面の状態(溶解または剥離)を評価した。変化なしを○、溶解または剥離有りを×とした。
ラビングテスターに綿布(アサヒケミカル社製のBEMCOT(登録商標)M−3)をとりつけ、100gf/cm2の荷重で100往復反射防止膜を擦った。そのときの膜状態を観察した。
○:変化なし
△:一部傷がつく
×:膜が剥離し、下地が見える部分がある
とした。
○:相溶する
×:相溶せず
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例2)、製造例8(実施例3)、製造例9(実施例4)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例2を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表2に示す。
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例6)、製造例8(実施例7)、製造例9(実施例8)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例5と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表2に示す。
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例3を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表3に示す。
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例10)、製造例8(実施例11)、製造例9(実施例12)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例9と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表3に示す。
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例4を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表4に示す。
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例14)、製造例8(実施例15)、製造例9(実施例16)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表4に示す。
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて製造例5を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表5に示す。
製造例6で得たα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(実施例18)、製造例8(実施例19)、製造例9(実施例20)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は実施例17と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表5に示す。
合成例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて5−ノルボルネン−2−メタノール14gを用いた以外は合成例1と同様の操作を行い(5または6−ヒドロキシ−ノルボルナン)−2−メタノールを13g得た。
製造例1において(2−フルオロ−5−ノルボルネン−2−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに代えて比較合成例1で合成したノルボナンジオール12.5g、メタクリロイルクロライド37gを用い、シリカゲルを用いて残渣をカラム分離(溶媒としてHCFC−141b)した以外は同様にしてジメタクリレート含有ノルボルナン化合物13gを得た。
製造例1で得たモノメタクリレート含有含フッ素ノルボルネン化合物に代えて比較製造例1を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング組成物の調製、反射防止膜の作製、塗膜の評価を行った。結果を表6に示す。
比較例1で用いたα−フルオロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマーに代えて製造例7(比較例2)、製造例8(比較例3)、製造例9(比較例4)の含フッ素硬化性ポリマーをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてコーティング組成物の調製し、反射防止膜を作製したが、相溶性がわるく均一に混ざらず、均質な塗膜が得られなかった。したがって、屈折率および片面反射率の測定は行わなかった。塗膜の評価については実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。
Claims (9)
- (A)硬化性含フッ素ポリマー、および
(B)α,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)および/またはα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体(B2)
を含む硬化性組成物であって、
該(A)成分が、式(1):
−(M)−(A)− (1)
[式中、構造単位Mは、式(M):
構造単位Aは、構造単位Mを与える含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である]で示され、構造単位Mを0.1〜100モル%および構造単位Aを0〜99.9モル%含む数平均分子量500〜1000000の含フッ素ポリマーを100モル%まで含む硬化性含フッ素ポリマーであり、
該(B)成分が、式(2)で表される化合物である、硬化性組成物。
- 前記成分(B)のうちのα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体(B1)が、式(4):
- 前記式(3)で示される有機基Z1において、結合基R1が、エーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素原子を含む2価のアルキレン基である請求項1または2記載の硬化性組成物。
- 活性エネルギー線硬化開始剤(C)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化被膜であって、該硬化被膜の膜厚が0.03〜0.5μmである反射防止膜。
- 式(6):
- 前記式(6)において、R2〜R4が、同じかまたは異なりいずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、およびエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R5がアクリロイル基含有有機基Z1である請求項6記載のα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルネン誘導体。
- 式(7):
- 前記式(7)において、R2〜R4が、同じかまたは異なりいずれもH、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、およびエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の含フッ素アルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R5およびR6がアクリロイル基含有有機基Z1である請求項8記載のα,β−不飽和エステル基含有含フッ素ノルボルナン誘導体。
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