JP4983529B2 - 塗膜防水工法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜防水工法に関するものである。本発明は建造物の防水処理に有用である。
コンクリートからなる建造物の防水工法は種々知られている。コンクリートのひび割れに追従するために防水被膜の伸び(ひび割れ追従性)が大きい材料が提供されている(特許文献1)。防水被膜を補修する際に、下地の改修に使用する材料も知られている(特許文献2)。また、下塗材および防水材を使用する防水施工方法も知られている(特許文献3)。しかし、例えば表層に砂付アスファルト防水被膜を備える既設の屋根防水を補修する目的で上記材料を使用すると、長期間経過後に形成された被膜が剥離して膨れが発生する場合がある。また、使用条件によっては、塗装して形成される防水被膜の伸び(下地ひび割れ追従性(単にひび割れ追従性ともいう))が小さいため使用が制限される場合もある。
特開平02−064177号公報 特公昭59−014416号公報 特開平07−292876号公報
本発明は、コンクリートや砂付アスファルト防水被膜などの基材との密着性が良好であり、長期間経過後も剥離や膨れの発生することが少ない塗膜防水多層被膜および該被膜を形成する防水工法を提供することを目的とする。また、塗装して形成される防水多層被膜の伸び(下地ひび割れ追従性(単にひび割れ追従性ともいう))が大きい塗膜防水多層被膜および該被膜を形成する防水工法を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の塗膜防水工法は、建造物の表面に下記(1)に記載された構成を有する下塗材組成物を塗布して下塗材被膜を形成する工程、および上記の下塗材被膜上に下記(2)に記載された構成を有する防水材組成物を塗布して防水材被膜を形成する工程を含むものである。
(1)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位20〜60質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃〜0℃であるビニル重合体(A)無機質水硬性物質(B)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(A)100質量部を基準として、無機質水硬性物質(B)の割合は500〜1000質量部である下塗材組成物。
(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位55〜98質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃以下であるビニル重合体(D)、(メタ)アクリル酸単位を構成単位として含み、重量平均分子量が2000〜100000であり、酸価が50〜200mgKOH/gであり、ガラス転移温度が0℃以上であるビニル重合体(E)、無機質水硬性物質(F)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(D)100質量部を基準としてビニル重合体(E)の割合は0.3〜8質量部であり、ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機質水硬性物質(F)の割合は10〜200質量部である防水材組成物。
請求項2に記載の塗膜防水工法は、請求項1に記載の塗膜防水工法において、上記(1)の下塗材組成物は、上記ビニル重合体(A)、上記無機質水硬性物質(B)、無機充填材(C)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(A)100質量部を基準として無機充填材(C)の割合は10〜2000質量部であることを特徴とする。
請求項3に記載の塗膜防水工法は、請求項1に記載の塗膜防水工法において、上記(2)の防水材組成物は、上記ビニル重合体(D)、上記ビニル重合体(E)、上記無機質水硬性物質(F)、無機充填材(G)、空気置換比重が0.6〜1.2であり、平均粒子径が20〜200μmである中空粒子(H)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機充填材(G)の割合は10〜500質量部であり、ビニル重合体(D)100質量部を基準として中空粒子(H)の割合は0.6〜8質量部であることを特徴とする。
請求項4に記載の塗膜防水工法は、請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜防水工法において、上記ビニル重合体(A)および上記ビニル重合体(D)は、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤の存在下に原料ビニル単量体を水性媒体中でラジカル重合させて得られるものであることを特徴とする。
請求項5に記載の塗膜防水工法は、請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜防水工法において、上記建造物は、建造物の屋根に砂付アスファルト防水被膜を備えるものであり、該砂付アスファルト防水被膜の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜防水処理を施すことを特徴とする。
請求項6に記載の塗膜防水被膜は、請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜防水工法を実施して得られるものである。
コンクリートや砂付アスファルト防水被膜などの基材との密着性が良好であり、長期間経過後も剥離や膨れの発生することが少ない塗膜防水多層被膜が得られた。また、塗装して形成される防水多層被膜の伸び(ひび割れ追従性)が大きい塗膜防水多層被膜が得られた。
本願明細書において、アクリルおよびメタクリルを合わせて(メタ)アクリルともいい、アクリレートおよびメタクリレートを合わせて(メタ)アクリレートともいう。
○ビニル重合体(A)
ビニル重合体(A)は、炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位20〜60質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃を超えるビニル重合体である。炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位を主体とするビニル重合体(A)は、形成される被膜に良好な伸びを与える。
炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数が4より小さいアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、耐アルカリ性の点で好ましくなく、炭素数が10を越えるものは耐寒性が低下するので好ましくない。ビニル重合体(A)における、上記単量体単位の割合は、20〜60質量%であり、好ましくは25〜55質量%である。この割合が20質量%を下回ると、被膜の下地ひびわれ追従性、耐水性及び耐アルカリ性が劣るものとなり、60質量%を越えると、得られる被膜の強靭性が不足しやすく、基材との剥離または膨れが発生する場合がある。
(メタ)アクリル酸単位は、ビニル重合体(A)における他の必須構成単量体成分であるグリシジル(メタ)アクリレートとの架橋成分として働くほか、無機質水硬化性物質中の多価金属イオン(カルシウムイオン等)とカルボキシル基との内部架橋を形成して塗膜に強靭性を付与する。さらに組成物に混練安定性を付与する分散剤機能も発揮する。ビニル重合体(A)における、上記単量体単位の割合は、0.1〜3質量%の範囲である。この割合が0.1質量%に満たない場合は、被膜と基材等との接着性の低下を招く。3質量%を越える場合は、被膜の耐水性、耐アルカリ性が極端に低下することがある。
グリシジル(メタ)アクリレート単位は、ビニル重合体(A)における架橋成分として働き、塗膜に強靭性を付与する。ビニル重合体(A)におけるグリシジル(メタ)アクリレート単位の割合は0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%である。この割合が0.1質量%に満たない場合は、被膜と基材等との接着性の低下を招く。5質量%を越えて使用すると、ビニル重合体(A)の製造において凝集物が多く生成したり、被膜の伸びが低下したりするので好ましくない。
ビニル重合体(A)は、上記必須単量体単位のほか、それらと共重合可能なビニル単量体単位を有するものであってもよい。該単量体として、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のほか、炭素数3以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数11以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ビニル重合体(A)における上記単量体単位の割合は79.8質量%以下である。
ビニル重合体(A)は、2種類以上のものが併用されてもよい。
ビニル重合体(A)は、ガラス転移温度(以下Tgともいう。)が−20℃〜0℃の範囲にある重合体である。Tgが−20℃未満の場合は、得られる被膜の強靭性が不足しやすく、基材との剥離または膨れが発生する場合がある。Tgが0℃を超えると下塗材組成物が乾燥成膜する際にひび割れ、連続層を形成しにくくなる。Tgとは、無定型重合体の各種性質が急変する温度で、この温度以下では重合体の無定型部分の分子セグメント運動が凍結されるような温度である。重合体のTgを実際に測定するには、一例として種々の温度での熱膨張を測定してそれぞれの温度に対して、比容積をプロットし、得られた曲線で屈曲している点の温度を求める方法が一般的に用いられる。DSC(示差走査熱量測定法)により求める方法も一般的である。しかし、個々の構成単量体の単独重合体のTgの値が知られているので、共重合体のTgの値は、次の計算式によって求めることもできる。本願発明におけるビニル重合体(A)のガラス転移温度は以下に示す計算式によって算出されるものである。
Figure 0004983529
上記の数式中の記号の意味は下記のとおりである。
Tg =重合体のTg(K)
W(a) =重合体における単量体(a)由来の構造単位の質量分率
W(b) =重合体における単量体(b)由来の構造単位の質量分率
Tg(a) =単量体(a)の単独重合体のガラス転移温度(K)
Tg(b) =単量体(b)の単独重合体のガラス転移温度(K)
ビニル重合体(A)は、原料単量体を公知の方法でラジカル重合させて得ることができる。ビニル重合体(A)は、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤の存在下に原料ビニル単量体を水性媒体中でラジカル重合させて得られるものが好ましい。このようにして得られるビニル重合体(A)が水性媒体中に分散されたエマルションは、そのまま(ビニル重合体(A)を単離することなく)組成物の原料として使用できるため生産性がよい。アニオン性の界面活性剤は、被膜の耐水性を低下させる場合もある。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド及びトリメチルステアリルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン及びポリオキシエチレンアルキルアミン等の3級アミン等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常アクリルエマルション製造に使用されるものであれば何れも使用できる。具体例を挙げれば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンのアルキル又はアルキルフェノールエーテル、スチレン化フェノールエーテル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート及びソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、並びにグリセリンモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらの界面活性剤の内、特に重合安定性、機械的化学的安定性が良好となる点で、HLB値15以上のポリエチレンオキサイド系ノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の使用量は、エマルションに対して要求される性質に応じて変わりうるが、エマルションの安定性を向上させるには、界面活性剤の配合量が多いことが好ましく、乾燥性及び被膜の耐水性を向上させるためには、使用量が少ない方が好ましい。好適な使用量範囲は、エマルション中の重合体固形分に対して、1〜10質量%である。
上記エマルションの固形分濃度は、30〜70重量%が好ましい。また、アンモニア、水溶性アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて、エマルションのpH値を調整しても良い。
本発明に用いるエマルションには、その他の成分として一般的な塗膜防水材に配合される消泡剤、増粘剤、成膜助剤、凍結防止剤、防腐剤などを配合することができる。消泡剤としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール及びシクロヘキサノール等の一般に使用される消泡剤が使用できる。消泡剤の配合割合としては、重合体固形分に対して0.1〜5質量%が好ましい。
○無機質水硬性物質(B)
無機質水硬性物質(B)は、組成物から得られる被膜を強靭にし、基材との剥離または膨れの発生を抑制するために必要な成分である。また、被膜の耐水性、湿潤面に対する接着性及び乾燥成膜性の向上に効果がある。無機質水硬性物質(B)としては、各種のセメント、無水及び半水石膏、生石灰並びに亜鉛華等が挙げられる。これらの中でもセメントを使用することが好ましく、例えば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強セメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、白色セメント、コロイドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント等があり、さらにこれらの中でも、特に入手が容易で、本発明の効果を充分に発揮できる、ポルトランドセメント又はアルミナセメントが好ましい。
ビニル重合体(A)100質量部を基準として無機質水硬性物質(B)の割合は500〜1000質量部であり、520〜900質量部が好ましく、550〜800質量部がより好ましい。500質量部に満たない場合には塗膜の強靭性が不足し、又湿潤面に対する接着性が劣ることがあり好ましくない。1000質量部を越える場合には、上に塗る防水材組成物の被膜が付着しなくなったり、塗膜の柔軟性が充分でなく、下地ひびわれ追従性が充分でないことがある。無機質水硬性物質は、2種以上を併用することもできる。
○水性媒体
水性媒体は、水のみからなるものでもよく、水および水と混和するアルコールなどの有機溶剤の混合物であってもよい。環境保全およびコスト面から、水性媒体は水であることが好ましい。ビニル重合体(A)100質量部を基準として水性媒体の割合は20〜1000質量部であることが好ましく、30〜800質量部であることがより好ましい。
○無機充填材(C)
本発明で使用される下塗材組成物は、無機充填材(C)が添加されたものであってもよい。無機充填材(C)が配合された場合には、塗布作業性の向上、被膜への強靭性の付与、被膜タックの低減などの効果があるので好ましい。無機充填材(C)の具体例としては、硅砂、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、マイカ、シリカ、スラグ粉、水酸化アルミニウム、ゼオライト、石膏及び珪藻土等の、一般汎用のものを用いることができる。
無機充填材(C)が添加される場合には、ビニル重合体(A)100質量部を基準として無機充填材(C)の割合は10〜2000質量部であり、30〜1600質量部が好ましく、50〜1200質量部がより好ましい。10質量部に満たない場合には、無機充填材(C)の配合効果が認められなくなることがある。2000質量部を越える場合には、組成物の被膜が下地ひびわれ追従性に劣るものになったり、また組成物が高粘度になり、塗装作業性が低下することがある。
○下塗材組成物
本発明で使用される下塗材組成物は、上記ビニル重合体(A)、無機質水硬性物質(B)および水性媒体を上記の割合で含有するものである。下塗材組成物を塗布して形成される被膜は、強靭性を有する被膜であり、基材と被膜の剥離が発生しにくく、また剥離が発生しても被膜の膨れが発生しにくいものに設計されている。その結果本発明の塗膜防水多層被膜は、基材との剥離や膨れが発生しにくいものとなる。下塗材組成物は、上記無機充填材(C)が添加されたものが好ましい。
下塗材組成物には、その他の成分として、一般的な塗膜防水材やコンクリート、モルタルに使用されている増粘剤、減水剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、着色顔料、収縮低減剤、膨張剤、有機系・無機系繊維、ポゾランなどを配合することができる。
増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、グアーガムなどの多糖類系の増粘剤、ウレタン会合形の増粘剤、セピオライト、アタパルジャイト、フォーステライト、ベントナイト、ヘクトライトなどの無機系の増粘剤が使用できる。
減水剤としては、通常のコンクリート、モルタルと同様に、ナフタリンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤が使用できる。
硬化促進剤としては、塩化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムなどのリチウム塩、塩化カルシウムが使用できる。
遅延剤としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カルシウムなどが使用できる。
着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラックのほか、一般的な塗料に使用されている無機顔料、有機顔料が使用できる。
収縮低減剤としてはポリオキシアルキレン化合物が、膨張剤としてはエトリンガイト系の膨張剤などが使用できる。
有機系・無機系の繊維としては、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維などが使用できる。
ポゾランとしては、シリカヒューム、フライアッシュ、メタカオリン、火山灰などのシリカとアルミナを主成分とした微粉末を使用することができる。ポゾランは、セメントを含む混合物に添加すると、セメントの水和反応で生じた水酸化カルシウムと反応し、硬化物の強度を上げたり、エフロレッセンスを減らす働きがある。エフロレッセンスとは、セメント硬化物中にしみ込んだ雨水などに水酸化カルシウムが溶けて硬化物の表面に滲み出し、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになったものである。
○ビニル重合体(D)
ビニル重合体(D)は、炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位55〜98質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃以下であるビニル重合体である。炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位を主体とするビニル重合体(D)は、形成される被膜に良好な伸びを与える。
炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数が4より小さいアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、耐アルカリ性の点で好ましくなく、炭素数が10を越えるものは耐寒性が低下するので好ましくない。ビニル重合体(D)における、上記単量体単位の割合は、55〜98質量%であり、好ましくは60〜90質量%である。この割合が55質量%を下回ると、被膜の下地ひびわれ追従性、耐水性及び耐アルカリ性が劣るものとなり、98質量%を越えると、被膜にタックが生じるほか、充分な強度の被膜を得ることが出来ない。
(メタ)アクリル酸単位は、ビニル重合体(D)における他の必須構成単量体成分であるグリシジル(メタ)アクリレートとの架橋成分として働くほか、無機質水硬化性物質中の多価金属イオン(カルシウムイオン等)とカルボキシル基との内部架橋を形成して塗膜に強靭性を付与する。さらに組成物に混練安定性を付与する分散剤機能も発揮する。ビニル重合体(D)における、上記単量体単位の割合は、0.1〜3質量%の範囲である。この割合が0.1質量%に満たない場合は、被膜と基材等との接着性の低下、被膜のタック増大を招く。3質量%を越える場合は、被膜の耐水性、耐アルカリ性が極端に低下し、また被膜のタックが増大するので好ましくない。
グリシジル(メタ)アクリレート単位は、ビニル重合体(D)における架橋成分として働き、塗膜に強靭性を付与する。ビニル重合体(D)におけるグリシジル(メタ)アクリレート単位の割合は0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%である。この割合が0.1質量%に満たない場合は、被膜と基材等との接着性の低下、被膜のタック増大を招く。5質量%を越えて使用すると、ビニル重合体(D)の製造において凝集物が多く生成したり、被膜の伸びが低下したりするので好ましくない。
ビニル重合体(D)は、上記必須単量体単位のほか、それらと共重合可能なビニル単量体単位を有するものであってもよい。該単量体として、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のほか、炭素数3以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数11以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ビニル重合体(D)における上記単量体単位の割合は44.8質量%以下であるが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート単位の割合は30質量%以下とするのが好ましい。
ビニル重合体(D)は、2種類以上のものが併用されてもよい。
ビニル重合体(D)は、Tgが−20℃以下の重合体である。Tgの下限は特にないが、汎用の原料単量体から得られる重合体のTgの下限は通常−80℃程度である。
Tgが−20℃を越える場合は、得られる被膜が下地ひびわれ追従性に劣るものとなるほか、基材等との接着性が低下する。その結果本発明の塗膜防水多層被膜が下地ひびわれ追従性に劣るものとなる。また耐水性が不良になる場合もあるので好ましくない。本願発明におけるビニル重合体(D)のガラス転移温度は上述の計算式によって算出されるものである。
Tgが−20℃以下の主な重合体を挙げると(括弧内はTg)、ポリエチルアクリレート(−22℃)、ポリ−n−ブチルアクリレート(−54℃)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)等があり、これらと共重合可能なモノマーからなりTgが−20℃を超える重合体としては、ポリアクリル酸メチル(8℃)、ポリスチレン(87℃)、ポリ酢酸ビニル(30℃)、ポリメタクリル酸(130℃)等がある(これら以外の重合体のTgについては、丸善(株)発行の化学便覧等を参照)。共重合体のTgの計算例を示すと、ブチルアクリレート70質量%、スチレン30質量%の共重合体のTgは上記数式より求めると−23℃となる。
ビニル重合体(D)は、原料単量体を公知の方法でラジカル重合させて得ることができる。ビニル重合体(D)は、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤の存在下に原料ビニル単量体を水性媒体中でラジカル重合させて得られるものが好ましい。このようにして得られるビニル重合体(D)が水性媒体中に分散されたエマルションは、そのまま(ビニル重合体(D)を単離することなく)組成物の原料として使用できるため生産性がよい。アニオン性の界面活性剤は、被膜の耐水性を低下させる場合もある。
カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤については、ビニル重合体(A)に関する説明と同様である。
これらの界面活性剤の内、特に重合安定性、機械的化学的安定性が良好となる点で、HLB値15以上のポリエチレンオキサイド系ノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の使用量は、エマルションに対して要求される性質に応じて変わりうるが、エマルションの安定性を向上させるには、界面活性剤の配合量が多いことが好ましく、乾燥性及び被膜の耐水性を向上させるためには、使用量が少ない方が好ましい。好適な使用量範囲は、エマルション中の重合体固形分に対して、1〜10質量%である。
上記エマルションの固形分濃度は、30〜70重量%が好ましい。また、アンモニア、水溶性アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて、エマルションのpH値を調整しても良い。
本発明に用いるエマルションには、その他の成分として一般的な塗膜防水材に配合される消泡剤、増粘剤、成膜助剤、凍結防止剤、防腐剤などを配合することができる。消泡剤としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール及びシクロヘキサノール等の一般に使用される消泡剤が使用できる。消泡剤の配合割合としては、重合体固形分に対して0.1〜5質量%が好ましい。
○ビニル重合体(E)
ビニル重合体(E)は、(メタ)アクリル酸単位を構成単位として含み、重量平均分子量(Mw)が2000〜100000であり、酸価が50〜200mgKOH/gであり、ガラス転移温度が0℃以上であるビニル重合体である。ビニル重合体(E)は、組成物を塗布して形成される被膜のタック(べたつき)を低減させる効果を発揮する成分である。タックの低減は、施工性を良好にする。
重量平均分子量が2000未満でも100000を超えてもタック低減効果が不十分となる。重量平均分子量は2500〜80000が好ましく、3000〜60000がより好ましい。
酸価が50mgKOH/g未満でも200mgKOH/gを超えてもタック低減効果が不十分となる。酸価は55〜180mgKOH/gが好ましく、60〜160mgKOH/gがより好ましい。特に酸価が50mgKOH/g未満では組成物中に均一に溶解しにくく、タック低減効果を発揮しにくくなる。
ガラス転移温度が0℃未満だとタック低減効果が不十分となる。ガラス転移温度は10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましい。ガラス転移温度の上限は特にないが、汎用の原料単量体を使用して得られるビニル重合体のガラス転移温度の上限は200℃程度である。ビニル重合体(E)のガラス転移温度はDSC(示差走査熱量測定法)により実測されるものである。
ビニル重合体(E)は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のビニル単量体を公知の方法で共重合させて得られる。
マクロモノマーも併用して得られるグラフト共重合体は、タック低減効果が特に優れるためビニル重合体(E)として好ましいものである。
ビニル重合体(E)は、2種類以上のものが併用されてもよい。
ビニル重合体(D)100質量部を基準としてビニル重合体(E)の割合は0.3〜8質量部であり、0.5〜7質量部が好ましく、0.7〜6質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。0.3質量部未満であるとタック低減効果が不十分となる。8質量部を超えると被膜の耐水性が悪くなる。
○無機質水硬性物質(F)
無機質水硬性物質(F)は、防水材組成物から得られる被膜を強靭にし、被膜の耐水性、湿潤面に対する接着性及び乾燥成膜性を向上させるために必要な成分である。無機質水硬性物質(F)としては、各種のセメント、無水及び半水石膏、生石灰並びに亜鉛華等が挙げられる。これらの中でもセメントを使用することが好ましく、例えば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強セメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、白色セメント、コロイドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント等があり、さらにこれらの中でも、特に入手が容易で、本発明の効果を充分に発揮できる、ポルトランドセメント又はアルミナセメントが好ましい。
ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機質水硬性物質(F)の割合は10〜200質量部であり、20〜180質量部が好ましく、30〜150質量部がより好ましい。10質量部に満たない場合には塗膜の強靭性が不足し、又湿潤面に対する接着性が劣ることがあり好ましくない。200質量部を越える場合には、塗膜の柔軟性が充分でなく、下地ひびわれ追従性が充分でないことがある。無機質水硬性物質は、2種以上を併用することもできる。
○水性媒体
水性媒体は、水のみからなるものでもよく、水および水と混和するアルコールなどの有機溶剤の混合物であってもよい。環境保全およびコスト面から、水性媒体は水であることが好ましい。ビニル重合体(D)100質量部を基準として水性媒体の割合は20〜1000質量部であることが好ましく、30〜800質量部であることがより好ましい。
○無機充填材(G)
本発明で使用される防水材組成物は、無機充填材(G)が添加されたものであってもよい。
無機充填材(G)が配合された場合には、塗布作業性の向上、被膜への強靭性の付与、被膜タックの低減などの効果があるので好ましい。無機充填材(G)の具体例としては、硅砂、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、マイカ、シリカ、スラグ粉、水酸化アルミニウム、ゼオライト、石膏及び珪藻土等の、一般汎用のものを用いることができる。
無機充填材(G)が添加される場合には、ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機充填材(G)の割合は10〜500質量部であり、30〜400質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。10質量部に満たない場合には、無機充填材(G)の配合効果が認められなくなることがある。500質量部を越える場合には、組成物の被膜が下地ひびわれ追従性に劣るものになったり、また組成物が高粘度になり、塗装作業性が低下することがある。
○中空粒子(H)
本発明で使用される防水材組成物は、中空粒子(H)が添加されたものであってもよい。
中空粒子(H)が配合された場合には、組成物を塗布して形成される被膜の表面に存在して、被膜のタックを小さくするとともにタック低減に要する時間が短縮されるので好ましい。
中空粒子(H)は、空気置換比重が0.6〜1.2であるものが好ましく、0.7〜1.1であるものがより好ましい。空気置換比重が大きすぎると形成された被膜中に沈んでしまいタック低減効果を十分に発揮できない場合がある。空気置換比重とは、中空粒子の質量を空洞も含めた中空粒子の体積で割って求めた比重である。
中空粒子(H)は、平均粒子径が20〜200μmであるものが好ましく、30〜160μmであるものがより好ましい。平均粒子径が小さすぎるとタック低減効果が十分に発揮できない場合があり、平均粒子径が大きすぎると被膜の外観が悪くなる場合がある。
中空粒子(H)が添加される場合には、ビニル重合体(D)100質量部を基準として中空粒子(H)の割合は0.6〜8質量部であることが好ましく、0.8〜6質量部であることがより好ましい。
無機中空粒子(バルーン)として、珪酸系バルーンと非珪酸系バルーンとが例示でき、珪酸系バルーンには、シラスバルーン、パーライト、ガラス(シリカ)バルーン、フライアッシュバルーン等が、非珪酸系バルーンには、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等が例示できる。
有機中空粒子(バルーン)として、熱硬化性樹脂のバルーンと熱可塑性樹脂のバルーンが例示でき、熱硬化性のバルーンにはフェノールバルーン、エポキシバルーン、尿素バルーンが、熱可塑性バルーンにはサランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系バルーンが例示できる。また、架橋した熱可塑性樹脂のバルーンも使用できる。
中空粒子(H)は無機物であっても有機物であってもよいが、耐久性の面から無機物が好ましい。シラスバルーンは中空粒子(H)として特に好ましい。
○防水材組成物
本発明に使用される防水材組成物は、上記ビニル重合体(D)、ビニル重合体(E)、無機質水硬性物質(F)および水性媒体を上記の割合で含有するものである。防水材組成物から形成される被膜は、本発明の防水多層被膜の下地ひび割れ追従性を良好にするために効果を発揮する。防水材組成物は、上記無機充填材(G)が添加されたものが好ましい。防水材組成物は、上記中空粒子(H)が添加されたものが好ましい。
本発明に使用される防水材組成物には、その他の成分として、一般的な塗膜防水材やコンクリート、モルタルに使用されている増粘剤、減水剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、着色顔料、収縮低減剤、膨張剤などを配合することができる。
増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、グアーガムなどの多糖類系の増粘剤、ウレタン会合形の増粘剤、セピオライト、アタパルジャイト、フォーステライト、ベントナイト、ヘクトライトなどの無機系の増粘剤が使用できる。
減水剤としては、通常のコンクリート、モルタルと同様に、ナフタリンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤が使用できる。
硬化促進剤としては、塩化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムなどのリチウム塩、塩化カルシウムが使用できる。
遅延剤としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カルシウムなどが使用できる。
着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラックのほか、一般的な塗料に使用されている無機顔料、有機顔料が使用できる。
収縮低減剤としてはポリオキシアルキレン化合物が、膨張剤としてはエトリンガイト系の膨張剤などが使用できる。
○塗膜防水工法(防水多層被膜の施工方法)および塗膜防水被膜
本発明の防水多層被膜の施工は、建造物(構造物)の表面に上記下塗材組成物を塗布して下塗材被膜を形成する工程、および上記の下塗材被膜上に、上記防水材組成物を塗布して防水材被膜を形成する工程を含む。
上記工程は、下塗材組成物または防水材組成物を塗布した後、乾燥(養生)することを含む。
上記下塗材組成物は、刷毛、ローラー、こてまたはへらを使用して塗布することができ、コンクリートまたは砂付アスファルト防水被膜の表面にすり込むように塗られる。特に砂付アスファルト防水被膜の上に塗るときは、表面の砂の隙間が埋まるように塗ることが好ましい。
上記防水材組成物は、通常の方法で塗布することができる。下塗材被膜の上に、刷毛、ローラー、こてまたはへら等により塗布したり、またはスプレーガンで吹付ける等の一般的な方法により塗布し、被膜を形成させることができる。
防水材組成物の粘度は、塗布方法に応じて調整されるが、300mPa・s以上(B型粘度計、12回転、ローターNo.4、20℃)であることが施工性に優れるため好ましく、より好ましくは1000〜50000mPa・sである。粘度が300mPa・sより小さいと、一度に厚塗りすることが難しくなる。また高粘度の組成物は、厚塗りができる利点があるが、高粘度に過ぎるときは施工性に難点が生じる傾向にある。
防水材組成物の塗布量は、被膜形成後の膜厚が0.5mm以上となるよう調整して塗布することが好ましい。より好ましい膜厚は0.7mm〜5mmである。膜厚が薄すぎると、下地ひびわれ追従性が低下して漏水の原因となる場合がある。膜厚が厚すぎる場合には、下地ひびわれ追従性が向上し、亀裂、ひびわれが発生し難くなる利点はあるが、より多くの塗り重ね回数が必要となり、工期が延びる。
本発明の塗膜防水工法は、施工される基材がコンクリートであってもよいし、砂付アスファルト防水被膜であってもよいが、建造物の屋根などに形成された砂付アスファルト防水被膜の表面の施工用に特に効果を発揮する。
砂付アスファルト防水被膜は、砂付アスファルトルーフィングの継手や経年で生じた欠損部から水が侵入しやすく、水は日光の熱により水蒸気となり、砂付アスファルト防水被膜の表面に形成された下塗材被膜が剥離したり、砂付アスファルト防水被膜の内部で層間剥離したりして、膨れを発生しやすいものである。本発明の防水多層被膜は、建造物の屋根に形成された砂付アスファルト防水被膜のような基材であっても剥離や膨れが発生しにくく、下塗材塗膜の剛性により砂付アスファルト防水被膜の内部剥離から膨れが生じてもこれを押さえ込むため、砂付アスファルト防水被膜の補修用の塗膜防水被膜として特に有用である。
美観向上を目的として、防水材被膜の表面に上塗材を施工することもできる。上塗材に制限はないが、例としては、アクリル系樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂及びエポキシ樹脂等を主成分とする水系および溶剤系の塗料や、これらの樹脂系塗料に配合する着色顔料の配合を工夫し日光の反射率を高めた塗料が挙げられる。
実施例の記載において、部は質量部を意味し、%は質量%を意味する。
評価は以下の方法により行った。
○接着性(基材との剥離のしにくさの評価)
コンクリート板(30cm×30cm、厚さ5cm)に砂付アスファルトルーフィング(田島ルーフィング株式会社製、三星砂付ルーフィング3500)を貼り付けたものおよび貼り付けていないものを基材として使用した。基材表面に、下塗材組成物をローラーで塗布量が1.5kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で1日間養生した。その後、防水材組成物を塗布量が2kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で7日間養生し、接着性評価用の試験体とした。この試験体について建研式接着力試験機で付着強さを測定し、剥離箇所も記録した。表1において、a、b、c、dおよびeは、それぞれ以下の意味である。
a:防水材組成物から形成された被膜の凝集破壊
b:下塗材組成物から形成された被膜と防水材組成物から形成された被膜の界面剥離
c:下塗材組成物から形成された被膜の凝集破壊
d:基材(砂付アスファルトルーフィングまたはコンクリート板)と下塗材組成物から形成された被膜の界面剥離
e:砂付アスファルトルーフィングの破壊または砂付アスファルトルーフィングとコンクリート板下地の界面剥離
また、接着力の判定の○および×はそれぞれ以下の意味である。すなわち界面剥離しやすいものの評価が不良である。
○:良好(剥離箇所がa、c、eのいずれかである。)
×:不良(剥離箇所がbまたはdである。)
○温冷繰り返し後の膨れ
コンクリート板(30cm×30cm、厚さ5cm)に砂付アスファルトルーフィング(田島ルーフィング株式会社製、三星砂付ルーフィング3500)を貼り付けたものを23℃の水中に24時間浸漬後、取り出して表面の水を軽く拭き取り、下塗材組成物をローラーで塗布量が1.5kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で1日間養生した。その後、防水材組成物を塗布量が2kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で7日間養生し、4側面および裏面をエポキシ樹脂でコーティングし、膨れ評価用の試験体とした。
この試験体を温冷繰り返し(23℃水中に18時間浸漬、水から取り出し、20℃3時間、60℃3時間)処理を行い、膨れが生じたサイクル数、20サイクル後の膨れ面積率および膨れの最大高さを調べた。なお、ふくれは60℃処理後に最も大きくなるため、この状態で確認した。
また、温冷くり返し後の膨れの判定の○および×は以下の意味である。
○:良好(10サイクル以内に膨れが発生しない、および20サイクル後の膨れ面積率が50%未満でかつ膨れの最大高さが10mm未満である。)
×:不良(10サイクル以内に膨れが発生、20サイクル後の膨れ面積率が50%以上、膨れの最大高さが10mm以上のいずれかに該当。)
○下地ひび割れ追従性
スレート板(150mm×75mm、厚さ5mm、裏面の長手方向中央に割りやすくするためのVカットが施されたもの)の表面に、下塗材組成物をローラーで塗布量が1.5kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で1日間養生した。その後、防水材組成物を塗布量が2kg/m2となるように塗布し、温度23℃、相対湿度50%で7日間養生した。上記Vカット部分でスレート板を割ったものを試験体とした。この試験体は、75mm×75mmの大きさに2分されたスレート板が試験用組成物から形成された被膜(厚さ約1mm)でつながった状態である。
2分されたスレート板を5mm/分の速度で長手方向に引っ張り、被膜にピンホールまたは破断などの欠陥が発生した時点の引っ張りの幅(下地ひび割れ追従幅)を測定した。個々の防水材被膜の厚さは1mmを中心として若干のばらつきがあり、防水材被膜の膜厚とひび割れ追従幅は経験的に比例関係にあるため、上記測定値を防水材被膜の膜厚1mm当りの数値に換算した(実際の測定値を膜厚(単位:mm)で割った)。下地ひび割れ追従幅が大きいほど下地ひび割れ追従性が優れたものである。防水材被膜の厚さが厚いほど下地ひび割れ追従幅は大きくなるが、防水材被膜の厚さ1mmにおける下地ひび割れ追従幅が4mm以上のものが好ましく、5mm以上のものがより好ましい。
○ビニル重合体の製造
3リットルのフラスコ中にイオン交換水103部を入れ、内温を80℃に加温した後、フラスコ内に窒素を流しながら、2−エチルヘキシルアクリレート34部、ブチルアクリレート19部、スチレン44部、メチルアクリレート1部、グリシジルメタクリレート1部、アクリル酸1部、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(HLB18.5)2部からなる混合液を、攪拌下連続的に滴下し、一方で、重合開始剤として2、2’−アゾビス−2−アミノプロパン塩酸塩1部を水溶液として攪拌下連続的に滴下、5時間の重合反応を実施し、固形分濃度50%のエマルションA(計算Tg:−17℃)を得た。
上記の操作のうち、原料単量体のみ2−エチルヘキシルアクリレート77部、スチレン20部、メチルアクリレート1部、グリシジルメタクリレート1部、アクリル酸1部に置き換えて重合を行い、固形分濃度50%のエマルションB(計算Tg:−60℃)を得た。
上記の操作のうち、原料単量体のみ2−エチルヘキシルアクリレート35部、ブチルアクリレート35部、スチレン27部、メチルアクリレート1部、グリシジルメタクリレート1部、アクリル酸1部に置き換えて重合を行い、固形分濃度50%のエマルションC(計算Tg:−38℃)を得た。
○下塗材組成物の調製
表1に記載の原料を記載されている質量割合で混合し、下塗材組成物および比較用下塗材組成物を調製した。エマルションAおよびCの使用割合100質量部中には、それぞれビニル重合体を50質量部含む。
○防水材組成物の調製
表1に記載の原料を記載されている質量割合で混合し、防水材組成物および比較用防水材組成物を調製した。エマルションAおよびBの使用割合100質量部中には、それぞれビニル重合体を50質量部含む。
表1において、ビニル重合体E1およびシラスバルーンはそれぞれ以下のものである。
ビニル重合体E1:ブチルアクリレート/スチレン/メチルアクリレート/メタクリル酸=35部/32部/15部/18部の共重合体(Mw:6000、酸価:117mgKOH/g、Tg:18℃(DSCによる実測値)、固形分:30%(水溶液))
シラスバルーン:平均粒子径40μm、空気置換比重1.0(空気置換比重とは、中空部分の体積も含めて求めた比重を意味する。)
○実施例および比較例
表1に記載されている下塗材組成物および防水材組成物を使用して塗膜防水多層被膜および比較用の多層被膜を形成し、上記の評価を行った。結果を表1に示した。
本発明の塗膜防水工法(実施例1および2)は、コンクリート板および砂付アスファルト防水被膜との接着が良く、温冷くり返し後の膨れが生じるのが遅く、膨れても小さい膨れにとどまった。また、下地ひび割れ追従幅は4mm以上であり、優れた下地ひび割れ追従性を有していた。
比較例1〜6においては、少なくとも1つの評価が悪かった。
比較例1:下塗材組成物の原料ビニル重合体としてガラス転移温度が−38℃の重合体を使用すると、コンクリート板と下塗材組成物から形成された被膜、下塗材組成物から形成された被膜と防水材組成物から形成された被膜の接着強度が小さかった。
比較例2、3:下塗材組成物における無機質水硬性物質のビニル重合体固形分100部を基準とする割合が小さい(400部、200部)ケースであり、温冷くり返し後の膨れが生じるのが早くなった。比較例2、3の膨れはいずれも砂付アスファルトルーフィング内に生じた界面剥離部から生じており、樹脂の固形分に対する無機質水硬性物質の比率が下がるほど膨れ面積は大きく、膨れ高さは高くなった。特に200部のケースでは、コンクリート板下地の接着試験で下塗材が凝集破壊し、砂付アスファルトルーフィング下地の接着試験で下塗材の砂付アスファルトルーフィングに対する接着が悪くなった。
比較例4:下塗材組成物における無機質水硬性物質のビニル重合体固形分100部を基準とする割合が大きい(1100部)ケースであり、防水材組成物から形成された被膜との接着性が低下した。
比較例5:防水材組成物における無機質水硬性物質のビニル重合体固形分100部を基準とする割合が大きい(237部)ケースであり、下地ひび割れ追従幅が1.8mmまで小さくなった。
比較例6:防水材におけるビニル重合体(D)に対応する重合体としてガラス転移温度が高い(−17℃)ケースであり、下地ひび割れ追従幅が2.9mmまで小さくなった。
Figure 0004983529
本発明は建造物の防水処理に有用である。建造物の屋根などに形成された砂付アスファルト防水被膜の表面の補修施工用に特に効果を発揮する。

Claims (6)

  1. 建造物の表面に下記(1)に記載された構成を有する下塗材組成物を塗布して下塗材被膜を形成する工程、および上記の下塗材被膜上に下記(2)に記載された構成を有する防水材組成物を塗布して防水材被膜を形成する工程を含む塗膜防水工法。
    (1)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位20〜60質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃〜0℃であるビニル重合体(A)無機質水硬性物質(B)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(A)100質量部を基準として、無機質水硬性物質(B)の割合は500〜1000質量部である下塗材組成物。
    (2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位55〜98質量%、(メタ)アクリル酸単位0.1〜3質量%およびグリシジル(メタ)アクリレート単位0.1〜5質量%を構成単位として含み、ガラス転移温度が−20℃以下であるビニル重合体(D)、(メタ)アクリル酸単位を構成単位として含み、重量平均分子量が2000〜100000であり、酸価が50〜200mgKOH/gであり、ガラス転移温度が0℃以上であるビニル重合体(E)、無機質水硬性物質(F)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(D)100質量部を基準としてビニル重合体(E)の割合は0.3〜8質量部であり、ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機質水硬性物質(F)の割合は10〜200質量部である防水材組成物。
  2. 上記(1)の下塗材組成物は、上記ビニル重合体(A)、上記無機質水硬性物質(B)、無機充填材(C)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(A)100質量部を基準として無機充填材(C)の割合は10〜2000質量部である請求項1に記載の塗膜防水工法。
  3. 上記(2)の防水材組成物は、上記ビニル重合体(D)、上記ビニル重合体(E)、上記無機質水硬性物質(F)、無機充填材(G)、空気置換比重が0.6〜1.2であり、平均粒子径が20〜200μmである中空粒子(H)および水性媒体を含有し、ビニル重合体(D)100質量部を基準として無機充填材(G)の割合は10〜500質量部であり、ビニル重合体(D)100質量部を基準として中空粒子(H)の割合は0.6〜8質量部である請求項1に記載の塗膜防水工法。
  4. 上記ビニル重合体(A)および上記ビニル重合体(D)は、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤の存在下に原料ビニル単量体を水性媒体中でラジカル重合させて得られるものである請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜防水工法。
  5. 上記建造物は、建造物の屋根に砂付アスファルト防水被膜を備えるものであり、該砂付アスファルト防水被膜の表面に、請求項1に記載の塗膜防水処理を施す塗膜防水工法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜防水工法を実施して得られる塗膜防水被膜。
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