JP2005220009A - ポリマーセメント組成物及びそのコンクリート構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルミナセメントと、エマルジョン及びワックスサスペンションを含み、タック荷重が500gf以下であることを特徴とするポリマーセメント組成物を提供すること。
【選択図】 なし
Description
(1)全固形分を基準にして、1〜50重量%のエポキシ樹脂と5〜99重量%のセメントを含有し、かつこれらの合計量が40重量%以上である組成物。
(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを必須構成単量体とし、かつガラス転移点は−20℃以下である重合体が、界面活性剤により水に乳化分散されているエマルションと、無機質水硬性物質とからなる組成物。
(1)特定のアルキル(メタ)アクリレート、メチルアクリレート又はエチルアクリレート及び(メタ)アクリル酸を必須構成単量体とする重合体のエマルションと、無機質水硬性物質からなる組成物。
(2)特定のアルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドを必須構成単量体とし、かつTg点が−20℃以下である重合体のエマルションと、無機質水硬性物質からなる組成物。
ポリマーセメント組成物が本発明のポリマーセメント組成物であり、
プライマーがエマルジョンであることを特徴とするコンクリート構造体を提供することである。
1)エマルジョンのガラス転移温度は、−45〜0℃の範囲であること。
2)エマルジョンは、アクリル系樹脂エマルジョンであること、さらにガラス転移温度が−45〜0℃のアクリル系樹脂エマルジョンであること。
3)アルミナセメントは、エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の固形分合計100質量部に対し、3〜175質量部、さらに7〜55質量部含むこと。
4)エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の配合組成は、エマルジョンのポリマー固形分60〜88重量%とワックスサスペンションの固形分12〜40重量%(エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計を100重量%とする)であること。
5)ワックスサスペンションは、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むこと。
6)ポリマーセメント組成物は、さらに充填材を含み、エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計100質量部に対し、アルミナセメントと充填材とを含む粉体を20〜350質量部、さらに20〜200質量部の範囲含むこと。
7)ポリマーセメント組成物は、コンクリート防水用であること。
8)ポリマーセメント組成物の塗膜の乾燥時間は、1時間以上、かつ4時間45分以下であること。
ポリマーセメント組成物が本発明のポリマーセメント組成物であり、
プライマーがエマルジョンであることを特徴とするコンクリート構造体を提供することである。
本発明のコンクリート構造体は、ポリマーセメント組成物の硬化物層を表面に有するため、タックが低く作業性に優れ、防水性などに優れた構造体である。
エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の固形分合計100質量部に対し、アルミナセメントを好ましくは3〜175質量部、さらに好ましくは5〜100質量部、より好ましくは7〜55質量部、特に好ましくは7〜35質量部含むことにより、
(1)水和反応により組成物の乾燥を促進させ、硬化した塗膜の耐水性及び強度確保に優れ、
(2)エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計100質量部に対し、アルミナセメントの含有量が、上記範囲より小さい場合は塗膜の乾燥時間、強度が不十分となり、また上記範囲より大きい場合ポットライフが短く、また粘度が上昇して作業性、施工性に支障を来す場合があり好ましくない。
本発明のポリマーセメント組成物では、塗膜の乾燥時間が、1〜4.75時間、好ましくは1.5〜4.5、さらに好ましくは2〜4.5時間とすることができ、施工性に優れる。
アルミナセメントと充填材とを含む粉体が、エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分に対して含まれる割合が、上記範囲より大きい場合、得られるポリマーセメント組成物の粘度が高くなり施工性が低下するとともに、十分な下地ひび割れ追従性が得られないため好ましくなく、上記範囲より小さい場合、十分な下地ひび割れ追従性が得られるが、塗膜強度が低下すること、塗膜のタックが強くなるなど好ましくない。
アルミナセメントは、鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されているが、何れも主成分はモノカルシウムアルミネートであり、市販品はその種類によらず使用することができる。
エマルジョンとしては、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンなどの建築用途に開発された樹脂系エマルジョンを好ましく用いることができる。
エマルジョンに含まれるポリマー成分のガラス転移温度は、どのようなものでも用いることができるが、0℃での下地ひび割れ追従性に優れる組成物としては好ましくは−45〜0℃、さらに好ましくは−45〜−10℃、より好ましくは−45〜−20℃、特に好ましくは−45〜−25℃の範囲内を有するものであれば特に制限はなく用いることが出来る。
重合開始剤としては、水又は含水溶媒中でラジカル重合できるものが好ましく、過酸化水素、過酢酸、過硫酸又はこれらのアンモニウム塩や硫酸塩等の水溶性の過酸化物やその塩などを挙げることができる。また、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの有機過酸化物、メタ亜硫酸ナトリウムやピロ亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を併用することができる。
重合開始剤の使用量は、エマルジョンが製造できる範囲であれば適宜選択できる。
エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとしては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などの水溶性高分子を乳化剤や保護コロイドとして用いる物を好ましく用いることが出来る。特にエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、保護コロイドとしてポリビニルアルコールを用いたものが好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの重合体成分において、酢酸ビニル含有量は、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは60〜86質量%が好ましい。
エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン中のエチレン酢酸ビニル共重合体成分の含有量は、好ましくは40〜65質量%、さらに好ましくは45〜60質量%、特に好ましくは47〜60質量%である。
アクリル系樹脂エマルジョンは、エマルジョンに含まれるポリマー成分が、架橋していないポリマー、さらに好ましくはポリマー内又はポリマー間で架橋していないポリマーを用いることにより、伸びに優れるために好ましい。
アクリル系樹脂エマルジョンに含まれるポリマー成分は、ガラス転移温度が好ましくは−45〜0℃、さらに好ましくは−45〜−10℃、より好ましくは−45〜−20℃、特に好ましくは−45〜−25℃の範囲内を有するものであれば特に制限はなく用いることが出来る。
アクリル系樹脂エマルジョンは、公知のエマルジョンを用いることができ、アクリル系樹脂成分の含有量は特に制限がない。
パラフィンワックスサスペンションとしては、n−パラフィンを主成分とするパラフィンワックスのサスペンションを用いることが出来る。
オレフィンワックスサスペンションとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの低中分子量のポリオレフィンのサスペンションを用いることが出来る。
充填材は、珪砂、スラグ粉、フライアッシュ、石灰石粉、タルク、カオリン、アルミナ粉、酸化チタン、水酸化アルミニウム、マイカ、パイロフィライトなどを添加して用いることが出来、これらの充填材を1種または2種以上用いることが出来る。特に珪砂の場合、表面精度の面から5〜7号の使用が好ましい。
ポリマーセメント組成物は、塗膜の強度を向上させる目的で、ガラス繊維を含むことができる。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部、さらに0.01〜0.3質量部、特に0.01〜0.2質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル、フッ素系などの合成物質または植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、アルミナセメント及びエマルジョンの固形分と、必要に応じて添加されるタルクや珪砂などの固形分との合計量100質量部に対して、2質量部以下、特に0.2質量部以下が好ましい。消泡剤の添加量は、上記より多く添加する場合、消泡効果の向上がみとめられない場合がある。
凝結速度調整剤としては、凝結促進を行う成分である凝結促進剤、凝結遅延を行う成分である凝結遅延剤などを単独、又は併用して用いることが出来る。
凝結速度調整剤としては、凝結促進剤及び凝結遅延剤を併用して用いることが好ましい。凝結促進剤と凝結遅延剤を併用添加することで、例えば、30分以上の可使時間を可能とする流動保持性と、その後の速やかな硬化により、即日の軽歩行及び翌日の仕上材施工を可能とする速硬性・速乾性が確保できる。さらに、低温から高温の広範囲において上記の超速硬性、流動保持性及び優れた硬化体性状の両立が可能である。
凝結促進剤として固形物を用いる場合、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結速度調整剤は、流動性及び可使時間の調整に用いる場合、リチウム塩とナトリウム塩の合量が、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、さらに0.1〜2質量部、特に0.30〜0.70質量部の範囲で添加することが好ましい。
減水剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.20質量部、さらに0.02〜0.20質量部、特に0.05〜0.20質量部が好ましい。
流動化剤とは、流動性を向上させる混和剤で公知の流動化剤を用いることが出来る。流動化剤の一例として、リグニン系、メラミン系、ポリカルボン酸系などを用いることが出来る。このうち流動性の向上効果が大きいポリカルボン酸系が好ましい。
流動化剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜1.0質量部、さらに0.02〜0.50質量部、特に0.05〜0.50質量部が好ましい。
コンクリート層は、公知のコンクリートに他に、モルタルを用いることが出来る。
(1)コンクリート又はモルタルを屋上、床面又は壁に打設し、コテ、機械等で仕上げた後、コンクリート又はモルタルを硬化させてコンクリート層を形成させ、
(2)コンクリート層表面に、プライマー(エマルジョンの希釈液又は希釈水溶液)をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布又は吹き付けなどを行い、その後プライマーを硬化又は半硬化させた硬化物層を形成させ、
(3)プライマーの硬化物層表面に、本発明のポリマーセメント組成物をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布し、その後ポリマーセメント組成物を硬化させた硬化物層を形成させることにより、コンクリート構造体を施工することができる。
プライマーの硬化物層は、本発明のポリマーセメント組成物に含まれるエマルジョンと同じ樹脂成分を用いることが、プライマー層と本発明のポリマーセメント組成物との層間の接着強度が優れるために好ましい。
アルミナセメント、充填材、水或いは添加剤などは、単独で添加しても良いし、予め他の数種と混合したものを添加しても良く、添加順序は特に選ばない。また、攪拌機は、一般的な固液攪拌機など撹拌機能を有するものを問題なく用いることが出来る。
本発明のポリマーセメント組成物は、塗膜の乾燥時間が、好ましくは0.5時間以上、さらに好ましくは0.75時間以上、より好ましくは1時間以上、かつ好ましくは4.75時間以内、さらに好ましくは4.5時間以内、より好ましくは4.25時間以内、特に好ましくは4時間以内であることが好ましい。
(1)塗膜の乾燥時間の評価法: コテ仕上げのコンクリート表面に、プライマー(各実施例及び比較例と同じエマルジョンを用い、エマルジョンに水を添加し10倍に希釈した液)を0.4kg/m2の量で塗布し1日放置する。翌日、プライマー塗布面に、さらにポリマーセメント組成物を市販の汎用ローラー[大塚刷毛製造(株)社製、ウーローラーB]で0.9kg/m2の量で塗布し、試験体Aを得る。試験体Aに塗布した塗膜を、20±3℃、湿度65±5%の条件で硬化させ、塗膜の乾燥を指触により観察し、塗膜表面に指で触れても指に材料が付着せず、また、ローラーで重ね塗りしても1回目の材料が剥がれず支障のない状態となる時間を乾燥時間とする。
タックは、20℃、湿度60%の条件で、オートグラフ((株)東洋ボールドウイン製、TENSILON/UTM−I−2500)に直径20mmのステンレス製の円柱を取付け、円柱を1mm/分の速度で固定した試験体Bに2kgの荷重で30秒間押し当て、その後円柱を上部に引き上げるさいの引張荷重を測定し、その荷重の最大値をタック荷重とする。
タック(歩行評価)の評価基準を以下に示す。
◎:全く感じない、○:殆ど感じない、×:タックが強く歩行できない。
下地ひび割れ追従性試験による伸びの測定は、試験体Dを、測定温度0℃、湿度60%の条件で、オートグラフ((株)東洋ボールドウイン社製、TENSILON/UTM−I−2500)を用い、引張速度5mm/分の条件で行う。目視観察で塗膜に亀裂などの欠陥が生じる時の伸びを測定し、その伸びを下地ひび割れ追従性とする。
DSCの測定条件は、室温から150℃に10分間で昇温し、150℃を10分間保持した後に計算で得られた試料のTgより50℃低い温度まで下げ、再度150℃まで10分間で昇温するさいに、1回目のTgの測定を行う。次に1回目で測定したTgより50℃低い温度まで下げるさいに、2回目のTgの測定を行い、2回目のTgの値をガラス転移温度とした。
(1)原料は、以下の物を用いた。
・アクリル系樹脂エマルジョンA:アクリル系樹脂エマルジョン(ポリマー固形分量:55重量%、ガラス転移温度:−40℃)。
・アクリル系樹脂エマルジョンB:アクリル系樹脂エマルジョン(ポリマー固形分量:55重量%、ガラス転移温度:−30℃)。
・アクリル系樹脂エマルジョンC:アクリル系樹脂エマルジョン(ポリマー固形分量:55重量%、ガラス転移温度:−40℃)。
・パラフィンワックスサスペンション:フタバファインケミカル社製、商品名:フェニックスEW−1000(固形分量:50重量%)。
・フィシャートロプッシュワックスサスペンション:フタバファインケミカル社製、商品名:FT−100(固形分量:50重量%)。
・オレフィンワックスサスペンション:フタバファインケミカル社製、商品名:KSL245(固形分量:40重量%)。
・アルミナセメント:市販アルミナセメント(JIS・R−2511による第3種)。
・珪砂:市販6号珪砂。
予め、容器にイオン交換水420部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製、エマルゲン935)28部、スチレン280部、2−エチルヘキシルアクリレート504部、n−ブチルアクリレート616部、β−ヒドロキシエチルアクリレート49部、アクリルアミド7部を秤量し、単量体乳化混合液を調整する。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置及び窒素ガス導入管を備えた3Lの反応容器に、イオン交換水560部、アクアロン RN−20(第一工業製薬社製)7部、β−ヒドロキシエチルアクリレート11部、アクリルアミド7部を仕込み、窒素ガスで置換し、攪拌しながら内温が83℃になるまで加温する。
次に、5%過硫酸ナトリウム70部を添加して、約30分間初期重合を行う。
同温で、先に調整した単量体乳化混合液と5%過硫酸ナトリウム70部を同時に滴下しながら、5時間重合反応を行う。
滴下終了後、さらに1時間、83℃を保ったまま、攪拌を持続する。
その後、70℃まで温度を下げ、有機過酸化物と還元剤を用いて、未反応モノマーの重合を完結する。
その後、室温まで下げ、消泡剤、防腐剤、光安定剤、紫外線吸収剤を添加し、アンモニア水、イオン交換水でpH、不揮発分を調整し、エマルジョンを得る。
予め、容器にイオン交換水420部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製、エマルゲン935)28部、スチレン392部、2−エチルヘキシルアクリレート392部、n−ブチルアクリレート616部、β−ヒドロキシエチルアクリレート49部、メタクリル酸7部を秤量し、単量体乳化混合液を調整する。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置及び窒素ガス導入管を備えた3Lの反応容器に、イオン交換水560部、アクアロン RN−20(第一工業製薬社製)7部、β−ヒドロキシエチルアクリレート11部、アクリルアミド7部を仕込み、窒素ガスで置換し、攪拌しながら内温が83℃になるまで加温する。
次に、5%過硫酸ナトリウム70部を添加して、約30分間初期重合を行う。
同温で、先に調整した単量体乳化混合液と5%過硫酸ナトリウム70部を同時に滴下しながら、5時間重合反応を行う。
滴下終了後、さらに1時間、83℃を保ったまま、攪拌を持続する。
その後、70℃まで温度を下げ、有機過酸化物と還元剤を用いて、未反応モノマーの重合を完結する。
その後、室温まで下げ、消泡剤、防腐剤、光安定剤、紫外線吸収剤を添加し、アンモニア水、イオン交換水でpH、不揮発分を調整し、エマルジョンを得る。
予め、容器にイオン交換水420部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製、エマルゲン935)28部、メチルメタクリレート392部、2−エチルヘキシルアクリレート616部、n−ブチルアクリレート392部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート49部、メタクリル酸7部を秤量し、単量体乳化混合液を調整する。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置及び窒素ガス導入管を備えた3Lの反応容器に、イオン交換水560部、アクアロン RN−20(第一工業製薬社製)7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート11部、アクリルアミド7部を仕込み、窒素ガスで置換し、攪拌しながら内温が83℃になるまで加温する。
次に、5%過硫酸ナトリウム70部を添加して、約30分間初期重合を行う。
同温で、先に調整した単量体乳化混合液と5%過硫酸ナトリウム70部を同時に滴下しながら、5時間重合反応を行う。
滴下終了後、さらに1時間、83℃を保ったまま、攪拌を持続する。
その後、70℃まで温度を下げ、有機過酸化物と還元剤を用いて、未反応モノマーの重合を完結する。
その後、室温まで下げ、消泡剤、防腐剤、光安定剤、紫外線吸収剤を添加し、アンモニア水、イオン交換水でpH、不揮発分を調整し、エマルジョンを得る。
2Lのポリ容器にエマルジョン、ワックスサスペンション、アルミナセメント及び珪砂を、表1に示す配合割合(合計1250g)で加え、0.15KW攪拌機を使用し1300rpmの条件下で3分間混合し、ポリマーセメント組成物を得た。
得られたポリマーセメント組成物は、塗膜の乾燥時間、タック評価及び下地ひび割れ追従性の評価を行い、結果を表2に示す。
表1の配合割合は、エマルジョンはポリマー固形分量として、ワックスサスペンションは固形分量を配合した割合を示す。
Claims (9)
- アルミナセメントと、エマルジョン及びワックスサスペンションを含み、タック荷重が500gf以下であることを特徴とするポリマーセメント組成物。
- エマルジョンが、アクリル系樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーセメント組成物。
- エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計100質量部に対し、アルミナセメントを3〜175質量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。
- エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の配合組成が、エマルジョンのポリマー固形分60〜88重量%とワックスサスペンションの固形分12〜40重量%(エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計100重量%)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。
- ワックスサスペンションが、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。
- エマルジョンは、ガラス転移温度が−45〜0℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。
- ポリマーセメント組成物は、さらに充填材を含み、
エマルジョンのポリマー固形分とワックスサスペンションの固形分の合計100質量部に対し、アルミナセメントと充填材とを含む粉体20〜350質量部を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。 - ポリマーセメント組成物が、コンクリート防水用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマーセメント組成物。
- コンクリート層に、プライマーの硬化物層、ポリマーセメント組成物の硬化物層の順に積層したコンクリート構造体であり、
ポリマーセメント組成物が請求項1〜8に記載のポリマーセメント組成物であり、
プライマーがエマルジョンであることを特徴とするコンクリート構造体。
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