JP3188937B2 - 仕上用ポリマ−セメント系組成物、及びそれを用いたセメント系成型品の製造方法 - Google Patents

仕上用ポリマ−セメント系組成物、及びそれを用いたセメント系成型品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマ−セメント
モルタルとして吹付けを中心とする厚塗り仕上げに好適
な仕上用ポリマ−セメント系組成物、及びそれを用いた
セメント系成型品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】ポル
トランドセメント等の水硬性セメントを用いたセメント
モルタルやセメントコンクリ−トは、一般的な土木建築
材料であるが、その結合材であるセメント水和物に起因
する欠点、例えば、遅い硬化、小さい引張強度、大きい
乾燥収縮性、あるいは低い耐薬品性等の欠点を有するも
のである。このようなセメントモルタル等の欠点を改善
する目的で、従来よりセメントに対して5〜15重量
%、好ましくは5〜10重量%のスチレンブタジエンゴ
ムラテックス、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン酢
酸ビニルエマルジョン、アクリル系エマルジョンなどの
樹脂水性エマルジョンを配合し、セメント水和物の一部
を代替せしめたポリマ−セメントモルタル等が提案され
ている。そして、かかるポリマ−セメントモルタル等
は、従来のセメントモルタル等に比してワ−カビリテ
ィ、保水性、引張および曲げ強度、伸び能力、接着性、
防水性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性など各種の優れ
た性質を有するものであって、舗装材、床材、防水材、
接着材、化粧仕上げ材、補修材、あるいは防食材などの
土木建築材料として一般に広く多用せられている。
【0003】ところで、かかるポリマ−セメントモルタ
ル等における樹脂水性エマルジョンの使用比率は5〜1
0重量%と低く抑えられている。もともと、樹脂水性エ
マルジョンのポリマ−セメント比(P/C)を高くする
ほど性能が安定して好結果を得ることが出来るものであ
るが、反面、樹脂水性エマルジョンの使用比率が高くな
るにつれて表面乾燥性が速く、非常に上乾きしやすいの
みならず、塗膜が厚い場合には中心が未乾燥となってク
ラックを発生しやすく、しかも、粘りがあって非常に扱
いにくいものである。
【0004】このため、P/C比が高くて性能のよいポ
リマ−セメントは、従来の左官仕事から次第に吹付け使
用され、そのさいのP/C比は30〜50%が一般的で
あるが、表面乾燥が速いため、一度に厚く塗ることが出
来ず、500〜1500μ程度で何回かに分けて吹付作
業を行わざるを得ないものとなっている。しかしなが
ら、如何に注意深く作業しても部分的に厚くなったり、
コ−ナ−部や凹凸部、複雑な形状、溝部等は厚くなるも
ので、これらの部位はクラックを発生しやすいものであ
る。かかる従来の問題点を解決するものとして、配合組
成上、ポリマ−成分を低下せしめたり、あるいは水の抜
けをよくし、表面乾燥を低下せしめる添加剤の使用が提
案されているが、必ずしも充分な成果を期待し得ないの
が実情である。
【0005】また、近年、自然環境や周囲の景観との調
和を意識した建築物、土木構造物が増え、景観性へのニ
−ズは非常に高まっているものである。このため、例え
ば、道路や宅地造成工事等の擁壁、河川護岸、ダム、橋
脚等のコンクリ−ト壁面を従来の平滑な表面と異なり、
あたかも天然の石や岩を積み上げたような壁面に形成す
る方法が注目されている。そして、かかる方法として
は、施工現場でコンクリ−ト型枠の内面に天然岩石状の
模様を有する化粧型枠を固定し、そこへコンクリ−トを
打設して順次石積み状に形成する方法、あるいは、化粧
型枠を使用して模様をつけた工場打ちのコンクリ−ト壁
を施工現場において積み上げる方法が一般に採択されて
いる。
【0006】ところで、かかる従来の方法による場合に
は、前述の如きコンクリ−ト自体の性状に起因し、化粧
型枠の模様が比較的平滑である場合にはともかく、コ−
ナ−部や凹凸部、複雑な形状、あるいは溝部等において
は打設コンクリ−トの馴染みが非常に悪く、満足すべき
模様を顕現せしめずらいのみならず、強度的な面や保形
性等の面において問題を有するものとされている。
【0007】上記の問題点を解決するものとして、化粧
型枠内面に可塑性塗料を塗布して被膜化せしめ、その上
にコンクリ−トを打設して形成する方法が開示されてい
る(特開昭62−33607号公報参照)。しかしなが
ら、かかる方法は、化粧型枠の模様が平滑である場合に
はともかく、凹凸が好まれ、より外観性のよい複雑な形
状の模様の場合においては種々の問題点を有するもので
ある。即ち、上述のごとく複雑な模様を有する場合に
は、通常50〜300μ程度で使用する塗料を用いるこ
とが多く、部分的にはmm単位となることもあり、この
部分にクラックが発生することが多いものである。これ
は、厚さによる表面乾燥や乾燥時の収縮であり、かつ、
化粧型枠が吸水性のないプラスチックである為である。
これらは、各種の添加剤や配合剤でもある程度改善出来
るが、塗膜の性能に影響することが多いものである。ま
た、デザイン上、細かな線状の模様があるコンクリ−ト
面の場合、コンクリ−ト面に塗料塗材等を吹付け塗工す
ると、細かな模様がぼけてしまうこと、さらに吹付けに
よる外観上の肌合いが変わってしまう。さらに、塗料や
塗材(厚塗り材)は、コンクリ−ト打設後、養生も十分
に行った後に使用しなければトラブルを発生しやすく、
特に有機樹脂を主成分とする塗料では耐久性に限界があ
り、土木構造物のようにながい寿命を求められるものに
は好ましくない。この面から、樹脂モルタル系塗材が近
年使われ始めているが、塗り厚み1mm前後であり、数
mmの厚みではクラック等を発生しやく、塗り重ねが必
要となるものである。
【0008】本発明者は、上記従来の問題点を解決する
ために鋭意研究を行った結果、樹脂水性エマルジョンと
共に水再分散性樹脂粉末を使用することにより、塗装厚
さを自由に行うことが出来るのみならず、ポリマ−セメ
ント比が高くてポリマ−の特性を十分に発揮せしめなが
ら乾燥性が良く、乾燥時にクラック等を生じにくく、極
めて吹付け性に優れる仕上用ポリマ−セメント系組成
物、及びそれを用いたセメント系成型品の製造方法を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、この出願の第1の
発明は、水硬性セメントと、水再分散性樹脂粉末100
重量部および樹脂水性エマルジョン(固形分として)1
00〜250重量部からなるポリマ−と、無機フィラ−
、粒状化粧材とよりなり、上記ポリマ−の総和は水硬
性セメントに対して40〜120重量%、無機フィラ−
は水硬性セメントに対して100〜600重量%である
ことを特徴とする、仕上用ポリマ−セメント系組成物を
要旨とするものである。
【0010】また、この出願の第2の発明は、請求項1
記載の仕上用ポリマ−セメント系組成物を水スラリ−化
せしめ、これを離型自在な所要の型枠内面に塗布して皮
膜を形成したのち、この皮膜上に水スラリ−状のセメン
ト系材料を重ねて成型せしめることを特徴とする、セメ
ント系成型品の製造方法を要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の仕上用ポリマ−セメント
系組成物は、ポリマ−として水再分散性樹脂粉末と樹脂
水性エマルジョンを特定の範囲内で併用し、さらに、水
硬性セメントを使用することにより、P/C比率が非常
に高いにも拘わらず、耐久性に優れた皮膜を形成し、新
鮮なコンクリ−トに吹付けで厚塗りが可能であるのみな
らず、クラックの発生がなく、美粧、表面保護、養生に
極めて好適に使用することが出来るものである。なお、
本発明の仕上用ポリマ−セメント系組成物は、ポリマ−
セメントモルタルのみならず、ポリマ−セメントコンク
リ−トにも適用することが出来るものであるが、特にポ
リマ−セメントモルタルとして好適に使用しうるもので
ある。
【0012】本発明における水再分散性樹脂粉末として
は、ポリ酢酸ビニル系、酢酸ビニルエチレン共重合体、
あるいはアクリル樹脂系のエマルジョンを噴霧乾燥する
ことによって得られる、所謂水再分散性樹脂粉末を使用
する。かかる水再分散性樹脂粉末は、水を加えると容易
に再乳化して元の水性ポリマ−に戻る特徴をもつもの
で、後記する水硬性セメントに直接プレミックスとして
使用するとよい。また、この水再分散性樹脂粉末は、硬
いものを使用すると硬く強い皮膜が、また、柔らかいも
のを使用すると柔らかい皮膜が得られるが、造膜温度
(MFT)が+25〜−50℃のものを用いることによ
り、通常の使用温度範囲(+35〜−10℃)下では硬
いようでも柔さをもつ皮膜を得ることが出来る。このさ
い、後記する樹脂水性エマルジョンとの総和が水硬性セ
メントに対して40重量%以上なければ吹付け仕上材と
してその効果は小さい。
【0013】本発明で使用する水再分散性樹脂粉末は、
住友化学工業株式会社製のスミカフレックス(登録商
標)RP−100S、RP−110、三菱化学ビ−エ−
エスエフ株式会社製のアクロナ−ル(登録商標)DS−
6029、DS−6031、ヘキスト合成株式会社製の
モビニル(登録商標)DM−200、DM−289、8
43、SA、E45等の商品名で市販されている。な
お、かかる水再分散性樹脂粉末の製造方法については、
特開昭47−8188号公報、特開昭59−19970
3号公報、特開平6−24820号公報、特願平4−1
85606号公報,特開平7−53730号公報,特公
平7−30221号公報,特開平7−138062号公
報,特開平7−187741号公報,特開平7−180
86号公報、米国特許第4704416号明細書,米国
特許第3784648号明細書,米国特許第51187
51号明細書等や文献に開示されている。
【0014】また、樹脂水性エマルジョンとしては、た
とえばアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n・
ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸n・プロピ
ル、メタクリル酸n・ブチル、酢酸ビニル、アクリル
酸、メタクリル酸n・プロピル、スチレン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸
エチル、エチレン、ブタジエンなどより選ばれた不飽和
単量体の1種又は2種以上を乳化重合させて得られるホ
モ重合体又は共重合体のエマルジョン、さらにはこれら
の重合体エマルジョンの2種以上の混合物が用いられ
る。また、水性エポキシエマルジョンのような硬化性樹
脂の水性エマルジョンも使用することができる。更に、
ウレタンエマルジョン、ウレタン水溶液、シリコンエマ
ルジョンも使用することができる。
【0015】これらの樹脂水性エマルジョンは、住友化
学工業株式会社製のスミカフレックス(登録商標)S−
401・S−420、三菱化学ビ−エ−エスエフ株式会
社製のアクロナ−ル(登録商標)S−400、80D
N、YJ3042D、YJ3031D等の商品名で市販
されている。なお、上記のアクロナ−ルS−400、ア
クロナ−ルYJ3042Dはアクリル酸エステル−スチ
レン共重合体樹脂の水性エマルジョンであり、アクロナ
−ル80DNはアクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体樹脂の水性エマルジョンである。柔らかい性能
が要求される場合は樹脂のTgは5℃以下が好ましく、
硬い風合の場合にはこの限りではないが、造膜性の点か
らTg30℃以下が好ましい。
【0016】水再分散性樹脂粉末と樹脂水性エマルジョ
ンの比率は、水再分散性樹脂粉末100重量部に対して
100〜250重量部であり、100重量部より少ない
と、スラリ−の粘性の面から吹付けなど塗布作業性が悪
く、仕上り性も悪いものである。ある程度の粘りが必要
であり、フイラ−や骨材の分離を生じる(水希釈では分
離しやすい)。また、250重量部を超えると厚膜時の
乾燥性、表面クラック耐性が悪くなるものである。吹付
施工やハケ塗り、あるいは流し塗りでは、一般に流動性
を良くする為にP/C比が50〜200%のものが使用
されるが、本発明では、40〜120%とにすること、
並びに水再分散性樹脂粉末と樹脂水性エマルジョンを一
定比率で併用することにより、従来においては表面乾燥
しやすく、クラックを生じやすく、通常1mm程度で何
回も重ね塗りして時間と手間をかけ、注意深く塗工する
必要があったが、厚みを気にせず簡単に塗布作業を行う
ことが出来るものである。P/C比が40%より少ない
と、塗工作業性が悪いこと、また、120%を超える
と、厚塗時の乾燥性やクラック耐性が低下するものであ
る。本発明にかかる組成物は、素地に直接塗布しても効
果を発揮するが、シ−ラ−処理や下地調整、また、セメ
ント系塗材のため下地材への影響も十分に考慮のうえ選
定を行う必要がある。
【0017】水硬性セメントとしては、ポルトランドセ
メント、早強セメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント、白色セメント、アルミナ
セメントなどの単独、または組合せて使用する。
【0018】本発明における無機フィラ−としては、
砂、硅砂、硅石粉、陶砂、炭カル、酸化マグネシウム、
半水石膏、無水石膏、活性シリカ、フライアッシュ、寒
水、しらすバル−ン、発泡シリカ、ド−ソナイト、パ−
ライト、酸化鉄、焼却灰、顔料、水酸化カルシウム、マ
イカ、ガラス粉末等を使用する。また、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム、二
水和石膏、ほう酸亜鉛など結晶水を100〜400℃で
放出するものも好適に使用することが出来る かる無
機フィラ−は、水硬性セメントに対して100〜600
重量%、好ましくは180〜400重量%である。かか
る無機フィラ−の使用比率が100重量%以下の場合に
は、吹付け作業性の低下と樹脂の比率が多すぎて乾燥性
に悪影響を及ぼし、また、600重量%を越える場合に
は皮膜がもろくなるため塗材として不適である。
【0019】 本発明における化粧材としては、大理石や
御影石などの 石材の粒子、陶砂、釉薬粉、着色フィラ
−、土類、貝などを通常5mm径以下に処理して使用す
る。そして、かかる化粧材は、水硬性セメントに対して
好ましくは50〜300重量%配合せしめる。
【0020】 本発明の組成物を調製する時には、適量の
水、増粘剤、可塑剤、消泡剤、分散剤、造膜剤などを必
要に応じて適宜使用する。また、繊維や有機系の増量
材、充填材等も必要に応じて適宜使用してもよい
【0021】 本発明の仕上用ポリマ−セメント系組成物
を用いてセメント系成型品を製造するさいには、内面に
天然岩石状の模様を有する化粧型枠を使用する。そし
て、かかる化粧型枠は、発泡ポリスチレン、発泡ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ウレタンゴム、シリコン等の
材質より形成されている。また、化粧型枠の内面には、
本発明の組成物を塗布して皮膜化せしめるさいにその剥
離を容易に行わしめるべく、ポリオレフィン、ポリエス
テル、シリコン系やフッ素樹脂、ホウロウ、ウレタン、
テフロン等の極性の異なる素材でもって剥離面を形成せ
しめたり、あるいは、オイル、シリコン油、グリ−ス類
等の所謂遊離剤を塗布せしめてもよい。
【0022】 そして、化粧型枠内面に水スラリ−化せし
めた本発明の組成物を吹付け、ハケ、流し塗り等の方法
で塗布し、乾燥させて皮膜化させる。作業としては、吹
付けがもっとも楽であるが、平滑面でなく、凹凸があっ
たり、コ−ナ−部はどうしても厚くなりがちで、この部
分が乾燥と共にクラックを生じるものである。また、平
滑面でも少し厚く付くと、表面乾燥してクラックを生じ
たりする。このため、通常1mmの厚さを1回塗りの目
安としているが、本発明の組成物は、かなり厚塗りに耐
えるものである。塗工は、全面に一様にも、また部分的
にも行い、同時に複数のものを塗工したり、部分的な塗
工を複数回行う等の方法を行うが、それぞれが乾燥する
のを待つ必要がなく、塗り重ねることも出来る。これら
の塗膜は、通常、塗布側面に凹凸や粗さが出やすく、特
に石の粒子等よりも粗さがあるものである。この面に、
さらに水スラリ−化せしめたセメント系材料を重ねて塗
ることにより乾燥硬化させ、一体化したセメント系成型
品を得る。これは、表面に磨き面のような樹脂モルタル
仕上層をもつセメント系成型品で、P/C比が高い為、
耐久性に優れたものである。
【0023】 仕上面となる組成物の皮膜面は、通常、乾
燥皮膜化させてセメント系材料を塗るのが良いが、かな
りの力を加えて化粧型枠内に流し込んでコンクリ−トを
打設する場合には、必ず皮膜化させるもその膜厚があま
り大きくないために水平にしてモルタルを薄くゆっくり
流し込むとよく、また、樹脂モルタルを塗布したりする
場合には、特に皮膜化にこだわることなく乾燥する前に
次のものを塗布し重ねて乾燥させる所謂ウエットアンド
ウェット方式を採用してもよい。セメント系材料とは、
モルタル、コンクリ−ト、樹脂モルタルコンクリ−ト
で、厚みが50mm未満の特に薄いシ−ト状の場合は強
度の面から樹脂モルタルが好適であるが、支持体の上に
流したり、あるいは構造体として使う場合はモルタルや
コンクリ−トを使用するとよい。
【0024】 本発明の組成物を化粧型枠に塗布せしめる
さいには、吹付けがポピュラ−な方法であるが、ハケ、
流し塗り、コテ、ロ−ラ等でもって行ってもよい。ま
た、乾燥は、室温乾燥、あるいは加熱乾燥せしめてもよ
い。さらに塗り重ねは、化粧型枠と化粧型枠との間にコ
ンクリ−トを打設するのが一般的であるが、シ−ト状の
セメント系成型品として利用されることもある。本組成
物の塗布厚は、1〜10mm、好ましくは2〜5mmで
ある。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。 実施例1〜15、比較例1〜12 表1〜表2に示す配合割合に基づき、水硬性セメントに
無機フィラ−と粒状化 粧材と水再分散性樹脂粉末を加え
て混合せしめたのち、これに樹脂水性エマルジョンおよ
び水を加えてミキサ−により混練りして水スラリ−状の
ポリマ−セメントモルタルを調製した。このさい、調製
ポリマ−セメントモルタルの粘度は3000〜3000
0cpsとした。次いで、調製ポリマ−セメントモルタ
ルにつき、以下の方法で耐クラック性、吹付け作業性、
表面乾燥性、及び塗膜の耐久性について各々試験を行っ
た。その結果を表1〜表2に併せて示す。
【0026】 耐クラック性 調製ポリマ−セメントモルタルをポリエチレンシ−ト上
に設置した50×100cmの化粧型枠5枚に各々1m
m、2mm、3mm、4mm、5mmの厚さに塗布し、
20時間後にその皮膜を肉眼観察し、耐クラック性につ
いて調べた。なお、表中、 Ο:クラックなし △:若干のクラツクあり ×:クラックあり を各々示す。
【0027】 吹付け作業性 調製ポリマ−セメントモルタルをスレ−ト板面にφ5m
m口径のリシンガンでもって5kg/cm2の圧下に吹
付け、その吹付け作業性を観察した。その結果を表1〜
表2に併せて示す。なお、表中、 Ο:均等に霧化して吹付け良好 △:霧化性が悪くて固りが時々でる等のやや不良 ×:吹付け不良 を各々示す。
【0028】 表面乾燥性 調製ポリマ−セメントモルタルを15×15cmのスト
レ−ト板面に各々1mm、3mm、5mmの厚さに各々
塗布せしめ、表面膜の皮膜化を指触で観察した。その結
果を表1〜表2に併せて示す。なお、表中、 Ο:皮膜化なく良好 △:部分的に皮膜化するもやや良好 ×:皮膜化して不良 を各々示す。
【0029】 塗膜の耐久性 調製ポリマ−セメントモルタルを15×15cmのスト
レ−ト板面に3mmの厚さに塗布し、3日間自然乾燥せ
しめたのち、水中に3日間浸漬せしめ、形成皮膜の耐久
性を肉眼観察した。その結果を表1〜表2に併せて示
す。なお、表中、 Ο:変化なく良好 △:若干軟化しやや良好 ×:軟化し不良 を各々示す。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば以上の次第で、ポリマ−
として水再分散性樹脂粉末と樹脂水性エマルジョンを特
定の範囲内で併用し、さらに、水硬性セメント無機フ
ィラ−・粒状化粧材を使用することにより、P/C比率
が非常に高いにも拘わらず、耐久性に優れた皮膜を形成
し、新鮮なコンクリ−トに強く、吹付けで厚塗りが可能
であるのみならず、クラックの発生がなく、あたかも天
然様の美粧、表面保護、養生に極めて好適な仕上用ポリ
マ−セメントモルタルを得ることが出来る。
【0031】 また、本発明は化粧型枠の模様が比較的平
滑な場合のみならず、コ−ナ−部や凹凸部、複雑な形
状、あるいは溝部等によく馴染み、常に精確な模様を顕
現せしめることが出来、しかも、強度的な面、保形性等
の面においても優れたセメント系成型品を得ることが出
来るものである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24:26) (56)参考文献 特開 平6−24820(JP,A) 特開 昭59−185464(JP,A) 特開 平3−103344(JP,A) 特開 昭59−146960(JP,A) 特開 昭59−107986(JP,A) 特開 平10−36158(JP,A) 笠井、小林編 セメント・コンクリー ト用混和材料 61年5月15日 技術書院 発行 187−192、396−397頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 B28B 1/16 C04B 41/63 C04B 24/26 C04B 24:26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性セメントと、水再分散性樹脂粉末1
    00重量部および樹脂水性エマルジョン(固形分とし
    て)100〜250重量部からなるポリマ−と、無機フ
    ィラ−と、粒状化粧材とよりなり、上記ポリマ−の総和
    は水硬性セメントに対して40〜120重量%、無機フ
    ィラ−は水硬性セメントに対して100〜600重量%
    であることを特徴とする、仕上用ポリマ−セメント系組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の仕上用ポリマ−セメント系
    組成物を水スラリ−化せしめ、これを離型自在な所要の
    型枠内面に塗布して皮膜を形成したのち、この皮膜上に
    水スラリ−状のセメント系材料を重ねて成型せしめるこ
    とを特徴とする、セメント系成型品の製造方法。
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