JP4982034B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、FZ法によるシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶並びにシリコンウェーハに関するものであり、より詳しくはFZ法による低抵抗率でかつ高品質のP型またはN型のシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶並びにシリコンウェーハに関する。
従来、ツェナーダイオードの作製には、一般に抵抗率が数mΩ・cm〜数Ω・cmになるようにリンまたはボロン等の不純物(ドーパント)がドーピングされた、導電型がP型またはN型のシリコンウェーハが使用される。そして、従来、抵抗率が0.1Ω・cm以下のシリコンウェーハは、CZ(チョクラルスキー)法で製造されたシリコン単結晶から作製されたものが用いられ、抵抗率が0.1Ω・cm以上のシリコンウェーハは、FZ(フロートゾーン)法で製造されたシリコン単結晶から作製されたものが用いられていた。このように、抵抗率の大きさにより使用されるシリコン単結晶の製造方法が異なるのは、FZ法で0.1Ω・cm以下のような低抵抗率のシリコン単結晶を製造するのが技術上極めて困難であることによる。
FZ法によってシリコン単結晶棒を製造する場合、モノシラン等の原料ガスを熱分解あるいは加熱還元して得られたシリコン多結晶原料棒の先端を、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中でヒータコイル等を用いた高周波誘導加熱により溶解し、種結晶と接触させてなじませた後、部分的な溶融帯域を、通常、原料棒の下部から上部に向かって移動させることにより、種結晶と同じ結晶軸をもつ単結晶化を行っている。このとき、ドーパントのドーピング方法としては、N型単結晶にする場合はホスフィン(PH)、P型単結晶にする場合はジボラン(B)をそれぞれ含むアルゴンガスを、ノズルを用いて溶融帯域に吹きつけるガスドープ法があり、これによりシリコン単結晶の抵抗率を制御することができる。
上記のガスドープ法によりシリコン単結晶を低抵抗率にするためには、極めて高い濃度のドープガスを吹きつける必要がある。例えばドープガスをPH、ガス流量を5l/minとして、抵抗率0.01Ω・cmのN型単結晶を製造する場合に必要なPHボンベ濃度(ガスボンベ中の濃度)は0.4%であり、ドープガスB、ガス流量を5l/minとして、抵抗率0.01Ω・cmのP型単結晶を製造する場合に必要なBボンベ濃度は0.3%といった極めて高い濃度にする必要がある。
しかしながら、これらのドープガスの人体への許容濃度はPHの場合は0.3ppm、Bの場合は0.1ppmであるため、安全のため、ドープガスが漏洩したとしても、作業エリアにおけるド−プガス濃度が前記許容濃度以下となるように、PHボンベ濃度、Bボンベ濃度ともに上限を20ppmとしている。このようにPHボンベ濃度、Bボンベ濃度を上限の20ppmとしたときの抵抗率は、どちらも0.1Ω・cmとなる。このような理由により、通常FZ法により製造するシリコン単結晶はN型、P型ともに抵抗率を0.1Ω・cm以上とするのである。
さらにBは爆発限界が0.8〜98.0体積%であり、極めて高い爆発性を有している。即ち、人体への影響のみならず爆発性も考慮すると、高濃度のPHやBのガスを用いたガスドープ法では、僅かな漏洩も許されず、取扱い上も問題がある。従って、これらのガスを高濃度で用いるためには、装置、配管等を安全上特別な装置としたり、これらの有毒ガスを排気する設備を設置する必要があり、装置の大幅なコストアップを伴うものとなる。
さらに、上記のような高濃度のドープガスの使用は、FZ成長炉のチャンバー内ばかりでなくそれが設置されているFZ室内のドーパント汚染をも招く可能性が高く、同一のFZ室でドーパント濃度が低い高抵抗率シリコン単結晶を製造する際に抵抗率制御の障害となるため、高濃度のドープガスを使用するチャンバーは隔離する必要がある。
一方、FZ法によりN型シリコン単結晶を製造する場合は、上記のようにドーパントをドープすることなしにシリコン単結晶棒を成長させた後、該単結晶棒を原子炉内に挿入し中性子照射をすることにより、30Siを31Pに核反応で変化させたドーパントでドープする方法(中性子照射ドープ法)も知られている。
しかし、中性子照射ドープ法の場合は、原子炉を必要とするし、抵抗率を低下させるためには中性子照射量を増加させる必要があるが、中性子照射のコストはほとんどが中性子照射量に応じて設定されているため、抵抗率が30Ω・cm以下となるとシリコン単結晶の製造コストは大幅に上昇する。さらに、抵抗率が30Ω・cmより大きい通常抵抗率とするためにシリコン単結晶に中性子照射を行なった場合では、単結晶の放射能としては主に中間生成物である31Siの放射能が支配的で、同じく中間生成物である32Pの放射能は無視できる程度であるが、低抵抗率にするために中性子照射を行なう場合には、中性子照射量の増加に伴い、32Pの放射能の影響が無視できなくなる。この32Pの半減期は31Siの2.62時間に対して14.3日もかかり、中性子線照射後も安全上すぐに原子炉からシリコン単結晶を取り出すことができないといった制限があるため、低抵抗率単結晶は通常抵抗率単結晶より製品納期が長くなるといった欠点も有している。このように、FZ法で低抵抗率のシリコン単結晶を製造するのは技術上極めて困難であった。
一方、CZ法で製造されたシリコン単結晶棒に関しては、結晶成長時の冷却条件の違いにより、軸方向で酸素析出物の量等に差が生じている場合があり、それを軸方向で均一にするために、CZ法により上部から下部に向けて格子間酸素濃度を増大させたシリコン単結晶棒を引き上げ、これをFZ法を用いて再結晶化させる方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開平5−43382号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高品質な低抵抗率のP型及びN型のシリコン単結晶を、FZ法により低コスト且つ安全に製造する方法及びシリコン単結晶並びにシリコンウェーハを提供することにある。
上記目的達成のため、本発明は、FZ法によるシリコン単結晶の製造方法であって、CZ法により製造された抵抗率が0.1Ω・cm以下のP型またはN型のシリコン結晶棒をシリコン原料棒として、該シリコン原料棒をFZ法により再結晶化することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このように、CZ法により製造された抵抗率が0.1Ω・cm以下のP型またはN型のシリコン結晶棒をシリコン原料棒として、該シリコン原料棒をFZ法により再結晶化すれば、従来の高濃度のガスドープや長時間の中性子線照射を行うことなく抵抗率を0.1Ω・cm以下とできる。従って、爆発や人体への危険性がなく、また莫大なコストの設備投資を伴わず、さらに高コストの中性子線照射の必要がなく、製品納期の長期化も伴わずに、安全に、低コスト且つ短納期で、極めて容易にCOP(Crystal Originated Particle)に代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、また酸素析出量が極めて少ない高品質な低抵抗率のP型またはN型のシリコン単結晶を製造することが可能となる。
この場合、前記再結晶化を行なう際に、前記シリコン原料棒の低抵抗側から高抵抗側に向かってゾーニングすることにより、前記シリコン原料棒を再結晶化することが好ましい。
このように、FZ法による再結晶化を行なう際に、シリコン原料棒の低抵抗側から高抵抗側に向かってゾーニングすることによりシリコン原料棒を再結晶化すれば、低抵抗側から高抵抗側にドーパントが偏析するので、再結晶化したシリコン単結晶棒の軸方向の抵抗率分布を、元々のシリコン原料棒の軸方向の抵抗率分布よりもフラットにすることができる。従って例えばツェナーダイオードの作製に使用されるシリコンウェーハのように、抵抗率規格値が極めて狭い範囲のものであっても、効率よく製造することが可能となる。
また、前記再結晶化を行なう際に、前記シリコン原料棒の高抵抗側から低抵抗側に向かってゾーニングすることにより、前記シリコン原料棒を再結晶化することもできる。
このように、FZ法による再結晶化を行なう際に、シリコン原料棒の高抵抗側から低抵抗側に向かってゾーニングすることによりシリコン原料棒を再結晶化すれば、高抵抗側から低抵抗側にドーパントが偏析するので、再結晶化した単結晶棒の軸方向の抵抗率分布を、元々のシリコン原料棒の軸方向の抵抗率分布よりも大きな傾きをもつ抵抗率分布とすることができる。従って例えばツェナーダイオードの作製に使用されるシリコンウェーハのように、抵抗率規格値が極めて狭い範囲であり且つ異なる品種の抵抗率規格値が連続している場合には、このように製造したシリコン単結晶を用いれば、異なる抵抗率規格値をもつ多くの品種に対応したウェーハを一度に製造することが可能となり、多品種少量生産に極めて有利である。
また、前記再結晶化を行なう際に、成長炉のチャンバー内雰囲気の窒素濃度を0.2〜0.5%とすることが好ましい。
このように、成長炉のチャンバー内雰囲気の窒素濃度を0.2〜0.5%とすれば、再結晶化したシリコン単結晶には適量の窒素がドープされ、シリコン原料棒内に存在するFPD(Flow Pattern Defect)やスワール欠陥を消滅させることができるので、より高品質なシリコン単結晶が製造できる。
また、本発明は、前記のいずれかの方法により製造されたシリコン単結晶であって、抵抗率が0.1Ω・cm以下のものであることを特徴とするシリコン単結晶を提供する。
このように、前記のいずれかの方法により製造されたシリコン単結晶であって、抵抗率が0.1Ω・cm以下のものであれば、低コスト且つ短納期であり、COPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、また酸素析出量が極めて少ない高品質な低抵抗率のシリコン単結晶とできる。
また、本発明は、前記のシリコン単結晶から作製されたシリコンウェーハであって、少なくとも酸素析出量が0.2ppma以下のものであることを特徴とするシリコンウェーハを提供する。
このように、前記のシリコン単結晶から作製されたシリコンウェーハであって、少なくとも酸素析出量が0.2ppma以下のものであれば、ツェナーダイオード等の作製に適した、リーク電流不良の少ない低抵抗率のシリコンウェーハとできる。
本発明に係るシリコン単結晶の製造方法であれば、安全に、低コスト且つ短納期で、極めて容易にCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、また酸素析出量が極めて少ない高品質な低抵抗率のP型またはN型のシリコン単結晶を製造することができる。また、本発明に係るシリコン単結晶であれば、低コスト且つ短納期であり、COPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、また酸素析出量が極めて少ない高品質な低抵抗率のシリコン単結晶とできる。さらに、本発明に係るシリコンウェーハであれば、ツェナーダイオード等の作製に適した、リーク電流不良の少ない低抵抗率のシリコンウェーハとできる。
以下、本発明について詳述する。
前述のように、ツェナーダイオードの作製には、一般に抵抗率が数mΩ・cm〜数Ω・cmのシリコンウェーハが使用され、抵抗率の大きさに応じてFZ法またはCZ法で製造されたシリコン単結晶が使用される。一方で、高品質のツェナーダイオードを作製するためには、リーク電流不良の原因となるCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が低く、また酸素析出量が極めて少ないウェーハを用いることが好ましい。CZ法で製造したシリコン単結晶は酸素が不可避的に混入するため酸素濃度が高くなり易くCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が高くなり易いが、FZ法で製造したシリコン単結晶は酸素が混入せず酸素濃度が低いのでCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、酸素析出量も極めて低いものとできる。しかし、前述のように、従来のFZ法で用いられていたドーピング法では、0.1Ω・cm以下のような低抵抗率のシリコン単結晶を製造するのが技術上極めて困難であった。
本発明者らは、高品質なツェナーダイオード作製用のシリコンウェーハとして、抵抗率が0.1Ω・cm以下の低抵抗率のものについても、FZ法で製造されるようなCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、酸素析出量が極めて少ないものが強く望まれるようになってきたことに鑑み、CZ法により製造されたシリコン結晶棒をシリコン原料棒としてこれをFZ法により再結晶化すれば、CZ法によって製造された高酸素濃度でCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が高く、酸素析出量が多いシリコン単結晶をシリコン原料棒として用いたとしても、FZ中に、原料中の酸素を飛散させることができるので、酸素濃度やCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、酸素析出量も極めて少なくするものとできることに着目した。そして、CZ法で製造するシリコン結晶棒は、従来の方法でドーピングされたFZシリコン単結晶とは異なり、極めて容易に抵抗率が0.1Ω・cm以下の低抵抗率のものとできる。従って、予めCZ法で抵抗率が0.1Ω・cm以下のシリコン結晶棒を製造し、これをシリコン原料棒として用いてFZ法により再結晶化すれば、抵抗率が0.1Ω・cm以下の低抵抗率でかつCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、酸素析出量も極めて少ないシリコン単結晶を、従来よりもはるかに容易に製造できることに想到し、本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係るシリコン単結晶の製造に用いるFZ単結晶製造装置の一例を示す模式的部分断面図である。
まず、FZ法によるシリコン単結晶の製造に用いるシリコン原料棒となる、例えば直径100〜150mmのシリコン結晶棒をCZ法により育成する。例えば導電型がP型、直径130mmのシリコン結晶棒を育成する場合、例えば口径450mmの石英ルツボに60kgのシリコン多結晶を充填し、さらに肩部の抵抗率が0.1Ω・cm以下の所望の抵抗率となるようにドーパントとして所定量のボロンやガリウム等のP型のドーパントを石英ルツボ内に投入する。ドーパントとしては、例えばボロンを高濃度にドープしたシリコン片を用いることができる。このように、CZ法であれば、FZ法に比べて高濃度のドーピングが容易にできる。なお、導電型をN型とする場合には、リン、ヒ素、アンチモン等のN型のドーパントを投入すればよい。
そして、その後、ヒータによりシリコン多結晶を加熱溶融した原料融液に種結晶を浸し、種結晶を回転させながら所定の成長速度で直径130mm、直胴長さ100cmのシリコン結晶を成長させる。このとき、シリコン結晶は抵抗率が目標とする抵抗率に制御されたものであればよく、その他の製造条件や特性、例えば酸素濃度、COP密度、FPD密度、酸素析出量は特に限定されない。なお、結晶方位としては、最終的に製造するシリコン単結晶又はウェーハと同じとすることが好ましい。
次に、シリコン結晶の抵抗率およびスリップ転位の有無を確認する。スリップ転位が存在していると、シリコン結晶棒をFZのシリコン原料棒としてFZ単結晶製造装置にセットする時やFZ法でシリコン単結晶を再結晶化中に原料棒落下の原因となるので、スリップ転位がある場合は、スリップ転位の部分を予め取り除く必要がある。なお、このようなスリップ転位以外の結晶欠陥は存在していても特に問題はなく、シリコン結晶棒が完全に高品質な単結晶となっているものでなくともよい。すなわち、このようにCZ法で製造されたシリコン結晶棒であれば、従来FZ法のシリコン原料棒として用いられていたシリコン多結晶原料棒と比較して結晶性がはるかに高いので、FZ法により再結晶化して得られるシリコン単結晶は従来のものより高品質とできるし、例えば所望の品質のシリコン単結晶を得るために従来ではゾーニングを複数回行なう必要がある場合であっても、本発明では原則として1回のゾーニングで済み、その回数を減らすことができる。
次に、こうしてCZ法により得られたシリコン結晶棒を円筒研削後、FZ法で溶融を開始する部分をコーン形状に加工し、その後、加工歪みを除去するために表面のエッチングを行なう。このシリコン結晶棒は、例えばリンをドープした場合には、シリコン結晶が成長するに従ってドープされるリン濃度が高くなるので、抵抗率は低くなる。その結果、シリコン結晶棒には軸方向に抵抗率分布が生じている。従って、シリコン結晶棒の一端をコーン形状に加工してコーン部を形成する際に、シリコン結晶棒の低抵抗側から高抵抗側に向かってゾーニングするときはシリコン結晶棒の低抵抗側をコーン形状に加工し、シリコン結晶棒の高抵抗側から低抵抗側に向かってゾーニングするときは、シリコン結晶棒の高抵抗側をコーン形状に加工する。
そして、このようにCZ法により製造された抵抗率が0.1Ω・cm以下のP型またはN型のシリコン結晶棒を、FZ成長炉のチャンバー内に設置された図1に示すFZ単結晶製造装置1の上軸4の上部保持冶具6にネジ等で固定してシリコン原料棒2とし、下軸8の下部保持冶具10には種結晶12を取り付ける。次に、シリコン原料棒2のコーン部の下端をカーボンリング(不図示)で予備加熱する。その後、チャンバー下部より窒素ガスを含んだArガスを供給しチャンバー上部より排気して、炉内圧力を例えば0.05MPaとする。そして、シリコン原料棒2を高周波コイル14で加熱溶融した後、コーン部先端を種結晶12に融着させ、絞り16により無転位化し、上軸4と下軸8を回転させながらシリコン原料棒2を例えば2.0〜2.3mm/minの成長速度で下降させることで溶融帯(メルト)18をシリコン原料棒上端まで移動させてゾーニングし、シリコン原料棒2を再結晶化してシリコン単結晶3を成長させる。なお、上記のようにチャンバー内を窒素を含む雰囲気にすれば、シリコン単結晶中に窒素がドープされ、シリコン原料棒2の内部に存在したFPDやスワール欠陥が消滅するのでより高品質のシリコン単結晶を成長させることができるので好ましい。この場合、雰囲気中の窒素濃度を0.2〜0.5%とすれば、上記の欠陥を消滅させるのに適当な濃度の窒素がドープされるので好ましい。また、窒素ガスの代わりにアンモニア、ヒドラジン、三フッ化窒素等の窒素を含む化合物ガスを用いてもよい。このときシリコン単結晶にドープされる窒素濃度は、例えば3×1014atoms/cm程度である。
なお、再結晶化の際に、シリコン原料棒2の低抵抗側をコーン部として低抵抗側から高抵抗側に向かってゾーニングすれば、シリコン単結晶3の軸方向の抵抗率分布を、シリコン原料棒2の軸方向の抵抗率分布よりもフラットにすることができる。従って例えばツェナーダイオードの作製に使用されるシリコンウェーハのように、抵抗率規格値が極めて狭い範囲のものであっても、効率よく製造することが可能となる。また逆に、シリコン原料棒2の高抵抗側をコーン部として高抵抗側から低抵抗側に向かってゾーニングすれば、シリコン単結晶3の軸方向の抵抗率分布を、シリコン原料棒2の軸方向の抵抗率分布よりも大きな傾きをもつ抵抗率分布とすることができる。従って例えばツェナーダイオードの作製に使用されるシリコンウェーハのように、抵抗率規格値が極めて狭い範囲であり且つ異なる品種の抵抗率規格値が連続している場合には、このように製造したシリコン単結晶を用いれば、異なる抵抗率規格値をもつ多くの品種に対応したウェーハを一度に製造することが可能となり、多品種少量生産に極めて有利である。
以上のように、予めCZ法により抵抗率が0.1Ω・cm以下の低抵抗率に調整されて製造されたシリコン結晶をシリコン原料棒として、これをFZ法により再結晶化させて製造した抵抗率が0.1Ω・cm以下のシリコン単結晶は、従来のFZ法で製造されたものより低コスト且つ短納期であり、従来CZ法で製造されたものよりCOPに代表される酸素起因結晶欠陥密度が極めて低く、また酸素析出量が極めて少ない高品質な、低抵抗率のシリコン単結晶となる。
そして、このシリコン単結晶から作製したシリコンウェーハは、少なくとも酸素析出量が0.2ppma以下のものとできるので、ツェナーダイオード等、低抵抗率であり、また結晶欠陥が主な原因となるリーク電流不良が少ないことが要求される半導体デバイスの作製に適したシリコンウェーハとなる。
なお、結晶中の酸素濃度は、赤外吸収測定装置等を用いれば評価することができ、シリコンウェーハ表面のCOP密度は、パーティクルカウンター等を用いれば測定することができる。また、酸素析出量は初期酸素濃度と650℃2hrs+800℃4hrs+1000℃16hrsの熱処理後の酸素濃度との差として求めることができる。
以下に本発明の実施例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
肩部の抵抗率が0.01Ω・cmになるようにリンのドーパントを添加して一般的なCZ法の製造条件により製造した、導電型がN型であり、図2に示すように抵抗率が全長で0.0079〜0.0109Ω・cmの間で分布し、直径130mm、直胴長さ100cm、酸素濃度14〜17ppma(JEIDA)のスリップ転位のないCZシリコン単結晶をシリコン原料棒として用意した。これの低抵抗側にコーン部を形成し、図2に矢印で方向を示すように、FZ法によりシリコン原料棒の低抵抗側から高抵抗側に成長速度2.0〜2.3mm/minでゾーニングして直径150mm、直胴長さ54cmのシリコン単結晶を製造した。このときのFZ単結晶製造装置の炉内圧力を0.05MPa、Ar流量を30l/min、チャンバー内窒素濃度を0.2〜0.5%とした。
このように製造したシリコン単結晶の上下部両端と中央部の抵抗率、酸素濃度を測定した。そして、酸素濃度測定サンプルに650℃2hrs+800℃4hrs+1000℃16hrsの熱処理後の酸素濃度を測定し、その差として酸素析出量を求めた。次に、このシリコン単結晶からウェーハを2枚切り出し、COP密度を評価した。
その結果、図2に示すように、実施例1のシリコン単結晶の抵抗率は全長で0.0090〜0.0098Ω・cmの範囲のものとなり、軸方向の抵抗率分布がフラットとなった。また、酸素濃度は0.3ppma(JEIDA)で酸素析出量は0.2ppma以下、COP密度は0.01個/cmと極めて低かった。
(実施例2)
実施例1と同じように肩部の抵抗率が0.01Ω・cmになるようにリンのドーパントを添加して一般的なCZ法の製造条件により製造した、導電型がN型であり、図2に示すように抵抗率が全長で0.0090〜0.0135Ω・cmの間で分布し、直径130mm、直胴長さ120cm、酸素濃度14〜17ppma(JEIDA)のスリップ転位のないCZシリコン単結晶をシリコン原料棒として、高抵抗側にコーン部を形成し、図2に矢印で方向をしめすように、FZ法によりシリコン原料棒の高抵抗側から低抵抗側に成長速度2.0〜2.3mm/minでゾーニングして直径150mm、直胴長さ54cmのシリコン単結晶を製造した。このときのFZ単結晶製造装置の炉内圧力を0.05MPa、Ar流量を30l/min、チャンバー内窒素濃度を0.2〜0.5%とした。
そして、上記実施例1と同様に、このように製造したシリコン単結晶の上下部両端と中央部の抵抗率、酸素濃度及び酸素析出量を測定した。次に、このシリコン単結晶からウェーハを2枚切り出し、COP密度を評価した。
その結果、図2に示すように、実施例2のシリコン単結晶の抵抗率は全長で0.0096〜0.0124Ω・cmの間に分布するものとなり、軸方向の抵抗率分布が大きな傾きをもつものとなった。また、実施例1と同様、酸素濃度は0.3ppma(JEIDA)で酸素析出量は0.2ppma以下、COP密度は0.01個/cmと極めて低かった。
(比較例1)
実施例1と同じように、肩部の抵抗率が0.01Ω・cmになるようにリンのドーパントを添加して、導電型がN型であり、直径130mm、直胴長さ100cmのCZシリコン単結晶を一般的なCZ法の製造条件により製造し、上下部両端と中央部の抵抗率、酸素濃度及び酸素析出量を測定した。そして、前記シリコン単結晶からウェーハを2枚切り出し、COP密度を評価した。
その結果、抵抗率が全長で0.0081〜0.0110Ω・cmの間に分布するものとなり、抵抗率分布の傾きは実施例1、2の間の大きさとなった。また、酸素濃度が14.0〜17.6ppma(JEIDA)、酸素析出量が0.4〜10.0ppma、COP密度が1.75個/cmと実施例より大幅に高かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係るFZ単結晶製造装置の一例を示す模式的部分断面図である。 実施例1及び実施例2のシリコン原料棒の抵抗率分布とFZ法によりゾーニングした後の抵抗率分布を示す図である。
符号の説明
1…FZ単結晶製造装置、 2…シリコン原料棒、 3…シリコン単結晶、
4…上軸、 6…上部保持治具、 8…下軸、 10…下部保持治具、
12…種結晶、 14…高周波コイル、 16…絞り、 18…溶融帯(メルト)。

Claims (4)

  1. FZ法によるシリコン単結晶の製造方法であって、CZ法により製造された抵抗率が0.1Ω・cm以下のP型またはN型のシリコン結晶棒をシリコン原料棒として、該シリコン原料棒をFZ法により再結晶化し、抵抗率が0.1Ω・cm以下で酸素析出量が0.2ppma以下のシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記再結晶化を行なう際に、前記シリコン原料棒の低抵抗側から高抵抗側に向かってゾーニングすることにより、前記シリコン原料棒を再結晶化することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記再結晶化を行なう際に、前記シリコン原料棒の高抵抗側から低抵抗側に向かってゾーニングすることにより、前記シリコン原料棒を再結晶化することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記再結晶化を行なう際に、成長炉のチャンバー内雰囲気の窒素濃度を0.2〜0.5%とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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