JP6119642B2 - 半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、FZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)による半導体単結晶の製造方法、及び、この製造方法によって製造されたシリコン単結晶に関する。
FZ法は、例えば、現在半導体素子として最も多く使用されているシリコン単結晶等の半導体単結晶の製造方法の一つとして、使用される。
図4はFZ法による半導体結晶の製造方法における各製造工程の一例を説明する図である。図4に示すように、原料となる半導体棒(原料棒)14の下端部を溶融して種結晶15に融着させ((a)種付工程)、更にこの種付の際に結晶に生じた転位を抜くための絞り(ネッキング)を行い((b)ネッキング工程)、その後に晶出側半導体棒(半導体単結晶棒)19を所望の直径まで拡大させながら成長させる((c)コーン部形成工程)。
さらに、晶出側半導体棒(半導体単結晶棒)19を所望の直径に制御しつつ成長を行い((d)直胴部形成工程)、原料の供給を止め、晶出側半導体棒19の直径を縮小させて晶出側半導体棒19を原料半導体棒14から切り離す((e)切り離し工程)。
以上のような工程を経て、半導体結晶(FZシリコン単結晶)を製造することができる。
通常、シリコン単結晶に所望の電気抵抗率を与えるためにはn型或いはp型の不純物ドーピングが必要である。FZ法においては、ドーパントガスを溶融帯域に吹き付けるガスドーピング法が知られている(非特許文献1参照)。
ドーパントガスとして、例えばn型ドーパントであるP(リン)のドーピングにはPH等が、p型ドーパントであるB(ホウ素)のドーピングにはB等が用いられる。シリコン単結晶の電気抵抗率は、これらN型ドーパントとP型ドーパントの結晶中の濃度差により変化するが、通常の結晶製造においてn型ドーパントのみ、或いはp型ドーパントのみをドーピングする場合には、電気抵抗率はドーパント供給量が増加するにつれて低くなる。
所望の電気抵抗率のシリコン単結晶を得るためには、原料の電気抵抗率と所望の電気抵抗率を元に算出されたドーパント供給量が、適正に保たれる必要がある。供給されるドーパントガスの濃度や流量等を調整することによりドーパント供給量を適正に保ちつつFZ法により単結晶を成長させることで、所望の電気抵抗率を持つFZシリコン単結晶を得ることができる。
FZ法ではシリコン融液は浮遊帯域であり、炉内雰囲気以外には他のいずれの部材とも接触することなく製造されるため、FZ法により製造されるFZシリコン単結晶の不純物濃度は極めて低く高純度であることが特徴である。例えば、石英坩堝を用いてシリコン単結晶を製造するCZ法では、シリコン融液と坩堝のSiOとの反応によりSiOが生成されてシリコン融液に酸素が溶け込むため、製造されるCZシリコン単結晶には酸素が混入して高酸素濃度となるが、これに対しFZシリコン単結晶は極めて酸素濃度が低くなる。
高純度ポリシリコン棒に比べて酸素濃度が高いCZ結晶棒を原料として使用した場合でも、通常はFZシリコン単結晶の酸素濃度は可能な限り低いことが求められる。
一方で、FZシリコンウェーハにもCZシリコンウェーハ同様のイントリンシックゲッタリング効果或いはスリップ耐性を付与するために、FZシリコン単結晶製造中にシリコン融液に高純度石英のような酸素供給物を接触もしくは挿入させて、シリコン融液に酸素をドープすることによりCZシリコン単結晶並みの酸素濃度であるFZシリコン単結晶を得る方法(例えば特許文献1−3)や、FZシリコン単結晶の周辺部のみ酸素濃度をCZシリコン単結晶並みにすることで機械的強度を上げる方法(例えば特許文献4)が提案されている。
また、特許文献5には、炉内雰囲気の酸素分圧を高圧にすることによりメルトの温度変動を変化させ、酸素濃度バラツキを均一にするという方法が開示されている。
特開昭59−102891号公報 特開平02−197118号公報 特許第2807688号公報 特開平07−291783号公報 特開2000−335995号公報
WOLFGANG KELLER、ALFRED MUHLBAUER著「Floating−Zone Silicon」p.82−92、MARCEL DEKKER, INC.発行
近年、省エネルギーの面からパワーデバイスが脚光を浴びているが、サイリスタ、ダイオード、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などで、He照射や電子線照射を行って格子欠陥を導入しキャリアライフタイムを制御する技術を使用したデバイスがある。このようなデバイスの製造に用いられる半導体ウェーハにおいては、その酸素濃度をある程度高くすることで、比較的簡単に所望の格子欠陥量に制御することができる。
このようなスイッチングデバイスに用いられるFZシリコンウェーハの原料となるFZシリコン単結晶は、高純度ポリシリコン棒或いはCZ法により製造されたCZシリコン結晶棒を原料として製造されるものであるが、高純度ポリシリコン棒を原料とした場合では酸素濃度が5.6×1015atoms/cmより小さくなり、CZシリコン結晶を原料として使用した場合では1.4〜1.9×1016atoms/cmと低いレベルである。一方、CZシリコン単結晶の場合は、その酸素濃度は1.6×1017atoms/cm以上と高いレベルであり、その間の酸素濃度を持つ半導体単結晶はなかった。
また、FZシリコン単結晶の酸素濃度を高めることについては、CZシリコン単結晶と同等の酸素濃度まで高める目的で製造されることはあっても、所定の範囲に酸素濃度を収めるという目的で製造されることはなかった。
そこで、所望の酸素濃度であるFZ結晶を製造しようとした時に、先行文献の方法はいずれも、酸素濃度の低い原料棒に対してFZ中に何らかの形で外部から酸素を追加するという手法を用いており、FZシリコン単結晶の酸素濃度はCZシリコン単結晶並みのかなりの高濃度となる。
さらに、上記の手法を用いる場合には、近年の大直径FZ結晶製造(例えば200mm)に関してはシリコン単結晶の製造自体が困難になる、酸素濃度以外の品質(例えば面内抵抗率分布)が悪化する、などの不具合が出る可能性が高く、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法での所望の酸素濃度を有するFZ単結晶製造方法が望まれる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度を有する半導体単結晶を製造することができるFZ法による半導体単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、FZ法による半導体単結晶の製造方法であって、
前記製造されるFZ法による半導体単結晶に求められる所望の不純物濃度よりも高い不純物濃度の不純物を有する原料棒を使用し、前記半導体単結晶の不純物濃度が前記所望の不純物濃度まで減少するようにFZ法による結晶成長条件を調整することを特徴とする半導体単結晶の製造方法を提供する。
このように、所望の不純物濃度よりも高い不純物濃度の不純物を有する原料棒を使用し、前記半導体単結晶の不純物濃度が前記所望の不純物濃度まで減少するようにFZ法による結晶成長条件を調整することで、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
このとき、(前記所望の不純物濃度)/(前記原料棒の不純物濃度)で表される不純物導入率を算出し、予め求められている不純物導入率と、(メルト滞留時間)×(メルト表面積)/(炉内圧力)で表される数値Kとの関係に基づいて、前記算出された不純物導入率から数値Kを導き出し、前記導き出された数値Kとなる結晶成長条件を決定し、前記決定された結晶成長条件で結晶成長を行うことが好ましい。
このようにして結晶成長条件を決定することで、より確実に所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
このとき、前記結晶成長条件を結晶成長速度とすることが好ましい。
このように結晶成長条件が結晶成長速度であれば、他の品質を低下させることなく、容易かつ確実に所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
このとき、前記半導体単結晶をシリコン単結晶とし、前記不純物を酸素とすることができる。
このように半導体単結晶としてシリコン単結晶を好適に用いることができ、また、不純物として酸素を好適に用いることができる。
このとき、前記半導体単結晶の直径を200mm以上とすることが好ましい。
半導体単結晶の直径を200mm以上である場合に、本発明を好適に用いることができる。
このとき、所望の酸素濃度の50倍以上の酸素濃度を有するCZシリコン結晶を、前記原料棒として用いることが好ましい。
原料棒として、このようなCZシリコン結晶を好適に用いることができる。
このとき、所望の酸素濃度を、2.1×1016atoms/cm以上、8.0×1016atoms/cm以下の範囲とすることができる。
所望の酸素濃度が上記の範囲内である場合にパワーデバイスに有益であり、このような場合に本発明を好適に用いることができる。
また、本発明は、上記の半導体単結晶の製造方法で製造されたシリコン単結晶であって、酸素濃度が2.1×1016atoms/cm以上、8.0×1016atoms/cm以下の範囲であることを特徴とするシリコン単結晶を提供する。
本発明の半導体単結晶の製造方法を用いて製造され、酸素濃度が上記の範囲内であるシリコン単結晶であれば、従来製造されてきたFZシリコン単結晶及びCZシリコン単結晶ではなし得ない酸素濃度範囲のシリコン単結晶とすることができ、He照射や電子線照射を行って格子欠陥を導入しキャリアライフタイムを制御する技術を使用したデバイスの製造に用いられる半導体ウェーハに好適な単結晶とすることができる。
以上のように、本発明の半導体単結晶の製造方法によれば、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
また、本発明のシリコン単結晶であれば、従来製造されてきたFZシリコン単結晶及びCZシリコン単結晶ではなし得ない酸素濃度範囲のシリコン単結晶とすることができ、He照射や電子線照射を行って格子欠陥を導入しキャリアライフタイムを制御する技術を使用したデバイスの製造に用いられる半導体ウェーハの原料とすることができる。
本発明の半導体単結晶の製造方法を示す製造フローである。 本発明の半導体単結晶の製造に用いられる半導体単結晶の製造装置を示す図である。 不純物導入率(FZ結晶中酸素濃度/原料中酸素濃度)と数値Kとの関係を示すグラフである。 FZ法による半導体結晶の製造方法における各製造工程の一例を説明する図である。
前述のように、従来、FZシリコン単結晶に求められる品質としては高純度化、すなわちできるだけ不純物濃度は低くすることが望ましく、またそれがFZシリコン単結晶の特徴の一つでもあった。
しかしながら、FZシリコンウェーハから製造されるデバイスの製造方法によっては、ある程度不純物が含有していた方が好ましい場合があり、所望の酸素濃度であるFZ結晶を製造しようとした時に、先行文献の方法はいずれも、酸素濃度の低い原料棒に対してFZ中に何らかの形で外部から酸素を追加するという手法を用いており、FZシリコン単結晶の酸素濃度はCZシリコン単結晶並みのかなりの高濃度となる。
さらに、上記の手法を用いる場合には、大直径FZ結晶製造に関してはシリコン単結晶を得ること自体が困難になる、酸素濃度以外の品質が悪化する、などの不具合が出る可能性が高く、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法での所望の不純物濃度を有するFZ単結晶製造方法が望まれる。
そこで、本発明者らは、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度を有する半導体単結晶を製造することができるFZ法による半導体単結晶の製造方法について鋭意検討を重ねた。
その結果、所望の不純物濃度よりも高い不純物濃度の不純物を有する原料棒を使用し、前記半導体単結晶の不純物濃度が前記所望の不純物濃度まで減少するようにFZ法による結晶成長条件を調整することで、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができることを見出し、本発明をなすに至った。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図2を参照しながら、本発明の半導体単結晶の製造に用いる半導体単結晶の製造装置について説明する。
半導体単結晶の製造装置1のチャンバー11内には上軸12及び下軸13が設けられている。上軸12には原料半導体棒(原料棒)14として所定の直径の原料半導体棒が取り付けられるようになっていて、下軸13には種結晶15が取り付けられるようになっている。
さらに、原料半導体棒14を溶融する高周波コイル16を備え、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に移動させながら晶出半導体棒19を成長させることができる。また、結晶成長中に、ドープノズル20からドーパントガスを供給できるようになっている。
次に図1−2を参照しながら、本発明の半導体結晶の製造方法について説明する。
まず、製造されるFZ法による半導体単結晶に求められる所望の不純物濃度より高い不純物濃度の不純物を有する原料棒14を準備する(図1のステップS11を参照)。
ここで、半導体単結晶19をシリコン単結晶とし、不純物を酸素とすることができ、所望の酸素濃度の50倍以上の酸素濃度を有するCZシリコン結晶を、原料棒14として用いることが好ましい。
このようなCZシリコン結晶を原料棒として好適に用いることができる。
このとき、所望の酸素濃度を、2.1×1016atoms/cm以上、8.0×1016atoms/cm以下の範囲とすることができる。
所望の酸素濃度が上記の範囲内である場合に、本発明を好適に用いることができる。
もちろん不純物はこれに限らず、いわゆる抵抗制御用のドーパントとすることもできる。特に揮発性が高いP、As、Sbなどが好適である。
次に、半導体単結晶19の不純物濃度が所定の不純物濃度まで減少するようにFZ法による結晶成長条件を調整する(図1のステップS12を参照)。
具体的には、(所望の不純物濃度)/(原料棒14の不純物濃度)で表される不純物導入率を算出し、予め求められている不純物導入率と、(メルト滞留時間)×(メルト表面積)/(炉内圧力)で表される数値Kとの関係に基づいて、前記算出された不純物導入率から数値Kを導き出し、前記導き出された数値Kとなる結晶成長条件を調整することができる。
ステップS12において、調整する結晶成長条件を結晶成長速度とすることが好ましい。
このように調整する結晶成長条件が結晶成長速度であれば、K値を制御しやすく、他の品質を低下させることなく、容易かつ確実に所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
次に、上記の調整された結晶成長条件でFZ法による結晶成長を行う(図1のステップS13を参照)。
具体的には、上記のFZ法による結晶成長は、図2のような半導体単結晶の製造装置1を用いて以下のようにして行うことができる。
まず、上軸12には原料半導体棒14として、例えば所定の直径で予め酸素濃度を測定して酸素濃度が既知になっているCZシリコン結晶棒を取り付け、また下軸13に種結晶15を取り付ける。次に、原料半導体棒14を高周波コイル16等で溶融した後、種結晶15に融着させる(図4(a)参照)。次に、種結晶15から成長させる晶出側半導体棒19を絞り17により無転位化し(図4(b)参照)、両軸を回転させながら相対的に下降させ、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に上へと移動させながらシリコン単結晶(晶出側半導体棒)19を成長させる。
絞り17を形成した後、種結晶15から成長させる晶出側半導体棒19を所望の直径まで拡径させながら成長させてコーン部10を形成し(図4(c)参照)、原料半導体棒14と晶出側半導体棒19との間に溶融帯域18を形成して、晶出側半導体棒19を所望の直径に制御しつつ成長させて直胴部9を形成する(図4(d)参照)。その後、溶融帯域18を原料半導体棒14の上端まで移動させてシリコン単結晶19の成長を終え、晶出側半導体棒19の直径を縮径させて晶出側半導体棒19を原料半導体棒14から切り離して(図4(e)参照)、半導体結晶19を製造することができる。
この場合、ステップS13において、半導体単結晶の直径を200mm以上とすることが好ましい。
半導体単結晶の直径を200mm以上である場合に、本発明を好適に用いることができる。
ここで、半導体単結晶19をシリコン単結晶とし、不純物を酸素とした場合に、FZシリコン単結晶19に導入される酸素は、原料棒14に含有されていたものがメルト(溶融帯)18に供給され、メルト18から蒸発する分を除いた量がFZシリコン単結晶19に導入されるものと考えられる。
この時、メルト18からの酸素蒸発量は、メルト滞留時間、メルト表面積と比例し、炉内圧力(チャンバー内圧力)と反比例関係にある。よって、FZシリコン単結晶19の酸素濃度を原料棒14の酸素濃度で割ることで得られる酸素導入率は、(メルト滞留時間)×(メルト表面積)/(炉内圧力)で表わされる数値Kでコントロールできる。
図3は不純物導入率(FZ結晶中の酸素濃度/原料中の酸素濃度)とFZシリコン単結晶製造における上記の数値Kとの関係を示すものである。
なお、メルト滞留時間は、直胴時の溶融メルト量と単位時間内の原料溶融量(結晶成長量)とから算出することができる。
図3からわかるように、原料半導体棒14からのFZシリコン単結晶19への酸素導入率は低く、原料として用いるCZシリコン結晶棒には、FZシリコン単結晶19の所望とする酸素濃度よりかなり高濃度の酸素濃度が必要とされるため、ステップS11において以下のような手法を用いて好ましい酸素濃度の原料棒14を準備することができる。
予め暫定的なFZシリコン単結晶製造条件からKの値を求めておき、このKの値とFZシリコン単結晶19の所望とする酸素濃度から、図3に示された関係に基づいて原料棒14に必要な酸素濃度を計算し、この条件に比較的近い酸素濃度の原料棒14を準備する。
このような手順で準備した原料棒14を用いることで、所望の酸素濃度を持つFZシリコン単結晶19を得ることが容易となる。
準備された原料棒14の酸素濃度とFZシリコン単結晶19の所望とする酸素濃度から酸素導入率を算出し、算出された酸素導入率から図3の関係に基づいてKの値を導き出し、導き出されたKの値となるようにFZシリコン単結晶製造条件を変更することで、所望とする酸素濃度を持つFZシリコン単結晶を得ることができる。
なお、メルト表面積及び溶融メルト量は、FZシリコン単結晶の直径によりほぼ決まるため、実質的には原料溶融量(結晶成長量)と炉内圧力で、FZシリコン単結晶19への酸素導入率をコントロールすることになる。
昨今FZシリコン単結晶は大直径化が進み、200mmが中心となりつつあるが、FZシリコン単結晶の直径が大きくなれば、それに伴いKの値は大きくなる。
このような大直径のシリコン単結晶を得ようとする際に、使用する原料棒14の酸素濃度から、製造条件の調整によりKの値を調整して所望とする単結晶酸素濃度にしようとする場合、Kの値を小さくする必要がある。
結晶成長量は結晶成長速度で調整することができ、この調整(すなわち、結晶成長速度を大きくすること)によりメルト滞留時間を短くしてKの値を小さくすることは可能である。しかしながら、結晶成長速度を大きくすると、生産性は増加するが、品質面では抵抗率のバラツキが大きくなる傾向にあるため、特に結晶品質を考慮すると、やはり大直径化によりKの値はある程度大きくなる方向である。
また、炉内圧力を大きくすればKの値を小さくすることができ、理論上は炉内圧力を大きくすればするほどKの値を小さくする効果が大きくなることになる。しかしながら、炉内圧力を大きくするために製造装置の改造などが必要となり、また法規上の問題もあり、際限なく炉内圧力を大きくすることは極めて困難である。
以上の様なことを鑑みると、実操業レベルでは、直径200mmのFZシリコン単結晶製造かつ抵抗率品質を兼ね備えたKの値は20以上となることが望ましい。この時の酸素導入率は2%以下であるため、FZシリコン単結晶に所望とする酸素濃度の50倍以上、好ましくは100倍以上の酸素濃度を持つCZシリコン結晶棒を原料半導体棒として用いることができる。
原料棒14の酸素濃度が高いほど、製造条件のマージンが拡がり、より生産性・結晶品質の制限がなくなる。
上記で説明した本発明の半導体単結晶の製造方法によれば、結晶製造可能でより簡単かつ確実な方法で所望の不純物濃度の不純物を有する半導体単結晶を製造することができる。
次に、本発明のシリコン単結晶について説明する。
本発明のシリコン単結晶は、上記の半導体単結晶の製造方法で製造されたシリコン単結晶であって、酸素濃度が2.1×1016atoms/cm以上、8.0×1016atoms/cm以下の範囲にあるものである。
本発明の半導体単結晶の製造方法を用いて製造され、酸素濃度が上記の範囲内であるシリコン単結晶であれば、従来製造されてきたFZシリコン単結晶及びCZシリコン単結晶ではなし得ない上記の酸素濃度範囲のシリコン単結晶とすることができ、He照射や電子線照射を行って格子欠陥を導入しキャリアライフタイムを制御する技術を使用したデバイスの製造に用いられる半導体ウェーハに好適な単結晶とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(比較例1)
結晶直径200mm、酸素濃度3.2×1016atoms/cmのFZシリコン単結晶を得るため、酸素濃度9.6×1017atoms/cmのCZシリコン結晶を原料棒として、本発明を用いない方法でFZシリコン単結晶製造を行った。この時の、メルト滞留時間、メルト表面積、炉内圧力から算出したKの値は23.8であった(この場合、FZシリコン単結晶/原料棒の酸素導入率は2%と計算された)。
この結果、製造された結晶の酸素濃度は1.8×1016atoms/cmとなり、所望の値まで上がらなかった。
(比較例2)
比較例1で得ようとしたものと同様のFZシリコン単結晶を得るため、原料棒のCZシリコン結晶の酸素濃度、FZ単結晶製造条件は比較例1と同様のものを使用するとともに、得られるシリコン結晶の酸素濃度をさらに上げるため、直胴プロセス移行後(図4(d)参照)にメルト(溶融帯)への高純度石英棒挿入を試みたが、メルト滴下、有転位化により結晶を得ることはできなかった。
(実施例)
比較例1で得ようとしたものと同様のFZシリコン単結晶を得るため、本発明の半導体単結晶の製造方法を用いて、FZシリコン単結晶を製造した。
原料棒として、比較例1と同じ酸素濃度のCZシリコン結晶を用いた。この酸素濃度では酸素導入率が3.3%となる製造条件を適用することが必要となり、これに要求されるKの値は15以下となる(図3参照)。このため、結晶成長速度を調整してメルト滞留時間を短くして、Kの値が14.9となる製造条件でFZ単結晶製造を行った。
この結果、製造されたシリコン単結晶の酸素濃度は3.2×1016atoms/cmとなり、所望とする酸素濃度のシリコン単結晶が得られた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記では、ガスドーピングにより抵抗率を調整する半導体単結晶製造について説明してきたが、中性子照射により所望の抵抗率を得る半導体単結晶製造に用いてもよい。
1…半導体単結晶の製造装置、 9…直胴部、 10…コーン部、
11…チャンバー、 12…上軸、 13…下軸、 14…半導体原料棒(原料棒)、
15…種結晶、 16…高周波コイル、 17…絞り、 18…溶融帯、
19…晶出側半導体棒(半導体単結晶棒、シリコン単結晶)、 20…ドープノズル。

Claims (6)

  1. FZ法による半導体単結晶の製造方法であって、
    前記製造されるFZ法による半導体単結晶に求められる所望の不純物濃度よりも高い不純物濃度の不純物を有する原料棒を使用し、
    前記半導体単結晶の不純物濃度が前記所望の不純物濃度まで減少するようにFZ法による結晶成長条件を調整し、
    前記結晶成長条件を結晶成長速度とすることを特徴とする半導体単結晶の製造方法。
  2. (前記所望の不純物濃度)/(前記原料棒の不純物濃度)で表される不純物導入率を算出し、
    予め求められている不純物導入率と、(溶融帯滞留時間)×(溶融帯表面積)/(炉内圧力)で表される数値Kとの関係に基づいて、前記算出された不純物導入率から数値Kを導き出し、
    前記導き出された数値Kとなる結晶成長条件を決定し、
    前記決定された結晶成長条件で結晶成長を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶の製造方法。
  3. 前記半導体単結晶をシリコン単結晶とし、前記不純物を酸素とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記半導体単結晶の直径を200mm以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体単結晶の製造方法。
  5. 所望の酸素濃度の50倍以上の酸素濃度を有するCZシリコン結晶を、前記原料棒として用いることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の半導体単結晶の製造方法。
  6. 所望の酸素濃度が、2.1×1016atoms/cm以上、8.0×1016atoms/cm以下の範囲であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の半導体単結晶の製造方法。
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