JP7240827B2 - 原料結晶の抵抗率の測定方法及びfzシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

原料結晶の抵抗率の測定方法及びfzシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、FZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)によるシリコン結晶製造に使用される原料結晶、特に、チョクラルスキー(Czochralski、以下CZと略称する)法で製造された原料結晶の抵抗率の測定方法に関する。
FZ法は、例えば、現在半導体デバイスとして最も多く使用されているシリコン単結晶等の半導体単結晶の製造方法の一つとして使用されている。
従来、シリコン単結晶に所望の抵抗率を与えるためにはn型或いはp型の不純物ドーピングが必要である。FZ法においては、ドーパントガスを溶融帯域に吹き付けるガスドーピング法が知られている(非特許文献1参照)。
このドーパントガスとして、例えばn型ドーパントであるP(リン)のドーピングにはPH等が、p型ドーパントであるB(ホウ素)のドーピングにはB等が用いられる。シリコン単結晶の抵抗率は、これらn型ドーパントとp型ドーパントの結晶中の濃度差により変化するが、通常の結晶製造においてn型ドーパントのみ、或いはp型ドーパントのみをドーピングする場合には、抵抗率はドーパント添加量が増加するにつれて低くなる。
所望の抵抗率のシリコン単結晶を得るためには、原料結晶の抵抗率と目標の抵抗率を基に算出されたドーパント供給量が、適正に保たれる必要がある。供給されるドーパントガスの濃度や流量等を調整してドーパント添加量を適正に保ちつつFZ法により単結晶を成長させることで、目標の抵抗率を持つFZシリコン単結晶を製造することができる。
上記のように、目標の抵抗率のFZシリコン単結晶を製造するためには、算出・設定された濃度や流量のドーパントガスを確実に供給することはもちろんであるが、ドーパント供給量の計算自体が適正であることが必要である。この適正なドープ条件設定のためには、原料結晶の抵抗率は非常に重要な因子である。原料結晶の抵抗率値及び/或いは導電型が真値と異なっていれば、製造、取得したFZシリコン単結晶の抵抗率は目標の値からかけ離れたものになり、必要な特性が得られずロスに繋がる。
上記FZシリコン単結晶製造の原料結晶としては高純度シリコン多結晶を用いるが、FZシリコン単結晶に所定量の酸素を含有させるなどの目的で、FZシリコン単結晶製造の原料結晶としてCZ法により製造したCZシリコン結晶を用いる場合がある(例えば特許文献1、2)。いずれの場合でも原料結晶の抵抗率、及び導電型を適正に測定、設定し、ドープ計算に用いることで、目標の抵抗率をもつFZシリコン単結晶を製造することができる。
このように、FZシリコン単結晶製造の原料結晶にCZシリコン結晶を用いる場合、様々な抵抗率帯のFZシリコン単結晶を製造するためには、原料結晶ができるだけ高抵抗率であることが望ましい。
また従来はジーメンス法などにより製造された高純度シリコン多結晶棒を原料結晶として使用しており、製造されるFZシリコン単結晶の酸素濃度は極めて低かった。一方、近年は半導体デバイスの製造方法や求められる特性等もより多様化し、ある程度の酸素濃度を持つFZシリコン単結晶の需要も存在する。この対応としては、FZシリコン単結晶製造においての様々な方法による酸素ドープ法よりも、高酸素濃度の原料を使用する方法がより簡便であるため、原料結晶にCZシリコン結晶が使用されている。
原料結晶のCZシリコン結晶は、あらかじめ、その抵抗率及び導電型の測定を行い、その測定値を以て原料結晶の抵抗率、導電型とするが、通常の測定サンプルは、そのままの状態ではCZシリコン結晶製造時に導入される酸素がサーマルドナー化しているため、適正な抵抗率測定値が得られない。特に、上記のように、FZシリコン単結晶製造に用いる場合は前記のように高抵抗率であるため、その傾向は顕著である。
従来は熱処理(酸素ドナーキラー熱処理)を施して酸素ドナーを消去した後に、抵抗率及び導電型の測定を行っており、CZシリコン結晶の結晶断面内の抵抗率変動は比較的小さいため、例えば、サンプル面内中心を測定して、抵抗率の代表値としていた。
しかしながら、原料のCZシリコン結晶が高酸素濃度の場合、上記のような酸素ドナーキラー熱処理を施したとしても酸素ドナーは完全に除去しきれず、原料結晶のCZシリコン結晶は高抵抗率であるため、抵抗率及び導電型の測定結果へ影響を及ぼすことになる。これは、原料結晶の抵抗率及び導電型が適正に測定されないということであり、FZシリコン単結晶の製造時に、これらの値に基づいてドーパント供給量を決定し、実際に供給したとしても、取得したFZシリコン単結晶の抵抗率は目標とする値にならず、このFZシリコン単結晶は製造しようとする半導体デバイスに必要な特性が得られないため無駄になってしまうという問題があった。
特開2005-306653号公報 特開2015-160800号公報
WOLFGANG KELLER、ALFRED MUHLBAUER著「Floating-Zone Silicon」p.15-、MARCEL DEKKER, INC.発行
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、FZ法によるシリコン単結晶の製造に用いる原料結晶の抵抗率及び導電型を適正に測定することが可能となる原料結晶の抵抗率の測定方法、及び前記測定方法によって求めた原料結晶の原料抵抗率を用いるFZシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
FZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いる酸素を含有する原料結晶の抵抗率の測定方法であって、
(a)原料結晶からサンプルウェーハを採取する工程、
(b)前記サンプルウェーハの周方向の複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する工程、
(c)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率のうち、最大値と最小値の乖離率を計算し、該乖離率が定められた閾値を超えていなければ測定抵抗率適正、閾値を超えていれば測定抵抗率不適正と判定する工程、
(d)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定導電型が全て同一であれば測定導電型適正、全て同一でなければ測定導電型不適正と判定する工程、
(e)前記(c)工程及び前記(d)工程において測定抵抗率適正と判定され、かつ測定導電型適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率から算出される平均値を前記原料結晶の原料抵抗率として、前記測定導電型を前記原料結晶の原料導電型として採用し、また、前記(c)工程及び前記(d)工程で測定抵抗率不適正及び/又は測定導電型不適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率及び/又は前記複数箇所の測定導電型は不採用として、再度、複数箇所の測定抵抗率及び/又は測定導電型を測定し、前記(c)工程及び/又は前記(d)工程からやりなおす工程、
とを有することを特徴とする原料結晶の抵抗率の測定方法を提供する。
このような本発明の測定方法であれば、原料結晶の抵抗率及び導電型を適正に測定することができるため、目標の抵抗率を有するFZシリコン単結晶の製造が容易になり、得られたFZシリコン単結晶は、目的とする半導体デバイス製造のための適切な品質を有する材料として用いることができる。
また、このとき、前記(c)工程における前記乖離率を、[乖離率]=([測定抵抗率の最大値]-[測定抵抗率の最小値])÷[測定抵抗率の最小値]により計算し、前記乖離率の閾値を20%とすることが好ましい。
乖離率をこのように計算すれば、測定抵抗率の測定結果が測定抵抗率不適正である場合を精度よく検出することができる。
また、前記(b)工程における前記測定抵抗率の測定は四探針法により行い、前記(b)工程における前記測定導電型の測定は熱起電力法により行うことが好ましい。
測定抵抗率及び測定導電型をこのような方法により測定すれば、精度の高い測定抵抗率の測定を比較的容易に行うことができ、測定導電型測定を簡単に行うことができる。
また、前記原料結晶がCZ法により製造された結晶であることが好ましい。
このようにCZ法により製造された原料結晶であれば、比較的簡便に高酸素濃度の原料結晶を得ることができるとともに、本発明により正確に原料の抵抗率と導電型を測定することができる。
また、前記原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であることが好ましい。
本発明であれば、原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であっても真値に近い抵抗率を測定することができる。
また、前記原料結晶の抵抗率が1,000Ωcm以上であることが好ましい。
本発明では、抵抗率が1,000Ωcm以上といった高抵抗率の原料結晶であっても、原料結晶の抵抗率を適正に測定することができる。
また、前記(b)工程における前記複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する位置を前記サンプルウェーハの中心からr/2以上離れた位置にあって、中心からの距離を同一とすることが好ましい。
このように複数の測定点がサンプルウェーハの中心からr/2以上離れた位置にあって、中心からの距離を同一とすれば、複数の測定点の測定抵抗率と測定導電型が比較的安定した値となる。
また、上記の測定方法によって求めた原料結晶の原料抵抗率と製造されるFZシリコン単結晶の目標とする目標抵抗率を基に、FZシリコン単結晶製造時に導入するドーパント添加量を算出し、該算出したドーパント量を添加しながらFZ法によりシリコン単結晶を製造することを特徴とするFZシリコン単結晶の製造方法も提供する。
このようなFZシリコン単結晶の製造方法であれば、目標抵抗率に近いFZシリコン単結晶を容易に製造することができる。
以上のように、本発明の原料結晶の抵抗率の測定方法であれば、FZ法を使用して行うシリコン単結晶製造の際に、酸素を含有する原料結晶の抵抗率及び導電型を適正に測定することができ、本発明のFZシリコン単結晶の製造方法に適用した場合に、目標の抵抗率値となるFZシリコン単結晶の製造が容易となり、得られたFZシリコン単結晶を目的の半導体デバイス製造のための適切な品質を有する材料とすることができる。
これは製造した結晶のロスとなる割合が下がるということであり、特に商業生産においては、製品の安定供給に繋がるため大きなメリットがある。
本発明のFZシリコン単結晶の製造工程の一例を示す概略図である。 本発明で用いることができるFZシリコン単結晶の製造装置の一例を示す概略図である。 サンプルA及びBの抵抗率と導電率の比較結果を示す図である。 本発明の原料結晶の抵抗率の測定方法の各工程を示すフロー図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述のように、CZシリコン結晶を原料結晶としてFZシリコン単結晶製造を行う際に、事前に設定した通りのドーパント供給量であるにもかかわらず、製造したシリコン単結晶の抵抗率が結晶間で大きく異なり安定しないケースが見られた。このように製造したシリコン単結晶の抵抗率が目標の値から乖離し、規定範囲から逸脱してしまうと、当該単結晶は目的の半導体デバイス向けに使用することができずロスとなるため問題である。そこで、原料のシリコン結晶が高酸素濃度の場合であっても抵抗率及び導電型の測定結果への影響が少なく、原料結晶の抵抗率及び導電型を適正に測定することができる原料結晶の抵抗率の測定方法の開発が求められていた。
本発明者らは、このような問題について鋭意検討を重ねたところ、原料結晶の抵抗率が真値から乖離していることが原因の主たる要因であることを見出し、原料結晶のサンプルウェーハの周方向の複数箇所で測定した測定抵抗率のバラツキが一定値以下であり、同じく、測定した測定導電型が全て一致していれば、測定抵抗率及び測定導電型の測定結果の信頼度が高いと判断され、より真値に近い原料結晶の抵抗率が得られることに想到し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、FZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いる酸素を含有する原料結晶の抵抗率の測定方法であって、
(a)原料結晶からサンプルウェーハを採取する工程、
(b)前記サンプルウェーハの周方向の複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する工程、
(c)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率のうち、最大値と最小値の乖離率を計算し、該乖離率が定められた閾値を超えていなければ測定抵抗率適正、閾値を超えていれば測定抵抗率不適正と判定する工程、
(d)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定導電型が全て同一であれば測定導電型適正、全て同一でなければ測定導電型不適正と判定する工程、
(e)前記(c)工程及び前記(d)工程において測定抵抗率適正と判定され、かつ測定導電型適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率から算出される平均値を前記原料結晶の原料抵抗率として、前記測定導電型を前記原料結晶の原料導電型として採用し、また、前記(c)工程及び前記(d)工程で測定抵抗率不適正及び/又は測定導電型不適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率及び/又は前記複数箇所の測定導電型は不採用として、再度、複数箇所の測定抵抗率及び/又は測定導電型を測定し、前記(c)工程及び/又は前記(d)工程からやりなおす工程、
とを有することを特徴とする原料結晶の抵抗率の測定方法である。
本発明は、FZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いる酸素を含有する原料結晶の抵抗率の測定方法であって、以下の(a)から(e)工程を有することを特徴とする。
以下、図4を参照して説明する。
[(a)工程]
(a)工程は、原料結晶からサンプルウェーハを採取する工程である(図4(a))。サンプルウェーハの採取は従来の方法で行うことができ、例えば、簡便で実用的な方法として、原料結晶から円盤形状のサンプルを採取することができる。酸素ドナーの影響を除去するための熱処理(酸素ドナーキラー熱処理)をさらに施すこともできる。
また、原料結晶はCZ法により製造された結晶であることが好ましい。このようにCZ法により製造された原料結晶であれば、比較的簡便に高酸素濃度の原料結晶を得ることができる。
また、FZシリコン単結晶製造の原料としてはできるだけ長尺であることが好ましいため、サンプリングはCZシリコン結晶の端部付近から行うのが好ましい。
また、原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であることが好ましい。本発明であれば、原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であっても真値に近い抵抗率を測定することができる。
また、原料結晶の抵抗率が1,000Ωcm以上であることが好ましい。本発明であれば、抵抗率が1,000Ωcm以上といった高抵抗率の原料結晶であっても、原料結晶の抵抗率を適正に測定することができる。高抵抗率品は、わずかなドーパント濃度の違いでも大幅に抵抗率が変動してしまうので、本発明を適用するのが有効である。
[(b)工程]
(b)工程は、サンプルウェーハの周方向の複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する工程である(図4(b))。サンプルウェーハの周方向の複数箇所の抵抗率(測定抵抗率)と導電型(測定導電型)を測定する位置については、サンプル円盤面内の中心から等距離と見なせる同心円状の範囲内であることが望ましく、サンプル円盤面内の中心から外周までの半径内での中央地点(r/2)以上離れた位置であることが好ましいが、サンプルウェーハの周方向の複数箇所であれば特に限定されない。例えば、サンプルウェーハ中心に軸対称の2点に設定したり、それよりも近接してサンプルウェーハの半円内に全て収まる位置としたりすることもできる。複数の測定点がサンプルウェーハの中心からr/2以上離れた位置にあって、中心からの距離を同一とすれば、複数の測定点の測定抵抗率と測定導電型が比較的安定した値となる。
測定抵抗率の測定は、四探針法とすれば精度の高い測定を比較的容易に行うことができ、測定導電型の測定は、熱起電力法により簡単に行うことができる。測定サンプルによっては、そのままの状態ではCZシリコン結晶製造時に導入される酸素がサーマルドナー化しているため、適正な抵抗率測定値が得られない場合がある。この酸素ドナーは、例えば、650℃で20分程度の軽微な熱処理で消去されることが知られており、このような熱処理を必要に応じて行い、酸素ドナーを消去した後に抵抗率及び導電型の測定を行うこともできる。
[(c)工程]
(c)工程は、前記(b)工程で測定した各測定抵抗率のうち最大値と最小値を特定し、この最大値と最小値の乖離率を求め、さらにこの乖離率が予め定めた閾値に対し小さければ測定は測定抵抗率適正、大きければ測定値は測定抵抗率不適正と判定する工程である。
測定抵抗率の最大値と最小値の乖離率は、[乖離率]=([測定抵抗率の最大値]-[測定抵抗率の最小値])÷[測定抵抗率の最小値]により計算することができる。乖離率の閾値は20%以下、好ましくは10%以下とすることができる。乖離率をこのように計算すれば、測定抵抗率の測定結果が測定抵抗率不適正である場合を精度よく検出することができる。
このようにして測定抵抗率が適正に測定されたものかどうかを判定する。
[(d)工程]
(d)工程は、前記(b)工程で測定した各測定導電型を確認し、全ての測定結果が同一であれば測定は測定導電型適正、異なるものが含まれていれば測定は測定導電型不適正と判定する工程である。
[(e)工程]
(e)工程は、前記(c)工程及び(d)工程の結果に基づいて、測定抵抗率適正と判定され、かつ測定導電型適正と判定された場合には、(b)工程で測定した各測定抵抗率の平均値を算出し、算出した平均値を原料結晶の原料抵抗率とし、同じく測定した測定導電型を原料結晶の原料導電型とする。また、前記(c)工程及び前記(d)工程で測定抵抗率不適正及び/又は測定導電型不適正と判定された場合には、前記(b)工程で測定した抵抗率及び/または導電型は不適切と判断して原料結晶の特性値として採用せず、再度、複数箇所の測定抵抗率及び/又は測定導電型を測定し、前記(c)工程及び/又は前記(d)工程からやりなおす工程である。このとき、(c)工程、(d)工程のいずれか一方が不適正と判定された場合にやりなおす工程は、不適正と判定された工程に加え、適正と判定された工程を含めても良い。
上記(c)から(e)工程を行うことにより、原料結晶のサンプルウェーハを測定して得られた測定抵抗率及び測定導電型が適正なものであることが精度良く判断される。すなわち、真値に近い抵抗率が得られる。
このような本発明の測定方法であれば、原料結晶の抵抗率及び導電型を適正に測定することができるため、目標の抵抗率を有するFZシリコン単結晶の製造が容易になり、得られたFZシリコン単結晶は目的とする半導体デバイス製造のための適切な品質を有する材料として用いることができる。
[FZシリコン単結晶の製造方法]
本発明は、さらに、本発明の原料結晶の抵抗率の測定方法によって求めた原料結晶の原料抵抗率と製造されるFZシリコン単結晶の目標とする目標抵抗率を基に、FZシリコン単結晶製造時に導入するドーパント供給量を算出し、該算出したドーパント量を添加しながらFZ法によりシリコン単結晶を製造することを特徴とするFZシリコン単結晶の製造方法を提供する。このようなFZシリコン単結晶の製造方法であれば、目標抵抗率に近いFZシリコン単結晶を容易に製造することができる。
図1に本発明のFZシリコン単結晶の製造工程の一例を示す。
高周波誘導電流を印加する高周波コイル16の上方に本発明の方法により抵抗率が測定された原料となる半導体棒(原料棒)14を、下方に単結晶の種結晶15を配置する。原料棒14の下端部を溶融して種結晶15に融着させ((a)種付工程)、さらにこの種付の際に結晶に生じた転位を抜くための絞り(ネッキング)を行い((b)ネッキング工程)、その後に晶出側半導体棒(半導体単結晶棒)を所望の直径まで拡大させながら成長させる((c)コーン部形成工程)。さらに、晶出側半導体棒19を所望の直径に制御しつつ、かつ目標とする抵抗率となるようにドーパントガスを供給して成長を行い((d)直胴部形成工程)、原料の供給を止め、晶出側半導体棒19の直径を縮小させて該晶出側半導体棒を原料半導体棒から切り離す((e)切り離し工程)。以上のような工程を経て、半導体結晶(FZシリコン単結晶)を製造することができる。
図2に、本発明で用いることができるFZシリコン単結晶の製造装置の一例を示す。
FZシリコン単結晶の製造装置1のチャンバー11内には、上軸12及び下軸13が設けられている。上軸12には原料半導体棒14として所定の直径の半導体棒が、下軸13には種結晶15が取り付けられるようになっている。さらに、原料半導体棒14を溶融する高周波コイル16を備え、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に移動させながらシリコン単結晶(晶出側半導体棒)19を成長させることができる。また、成長中に、ドーパントガスドープノズル(ドーパントガス供給手段)20からドーパントガスを供給できるようになっている。ドーパントガスは、本発明の測定方法によって求めた原料結晶14の原料抵抗率と製造されるFZシリコン単結晶の目標とする目標抵抗率を基に、FZシリコン単結晶製造時に導入するドーパント添加量を算出し、この結果に基づいて供給される。なお、図中の下向き矢印は結晶移動の方向を示す。
まず、上軸12には本発明の抵抗率測定方法で抵抗率を測定した原料半導体棒14として、例えば所定の直径のシリコン多結晶棒を取り付け、また下軸13に種結晶15を取り付ける。原料半導体棒14を高周波コイル16で溶融した後、種結晶15に融着させる。種結晶15から成長させる晶出側半導体棒19を絞り17により無転位化し、両軸を回転させながら高周波コイル16に対して相対的に下降させ、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に上へと移動させながら晶出側半導体棒19を成長させる。
絞り17を形成した後、種結晶15から成長させる晶出側半導体棒19を所望の直径まで拡径させながら成長させてコーン部を形成し、前記原料半導体棒14と前記晶出側半導体棒19との間に溶融帯域18を形成して、前記晶出側半導体棒19を所望の直径に制御しつつ成長させて直胴部を形成する。
そして、溶融帯域18を原料半導体棒14の上端まで移動させてシリコン単結晶19の成長を終え、晶出側半導体棒19の直径を縮径させて該晶出側半導体棒19を前記原料半導体棒14から切り離して、半導体結晶を製造する。
FZシリコン単結晶に要求される抵抗率は1Ωcm未満から数千~1万Ωcm以上と幅広い範囲にわたるところ、単結晶製造中のドーパント添加によりFZ単結晶の抵抗率を調整する方法を取るため、その使用原料には汎用性が必要となる。このため、原料結晶の抵抗率はできるだけ高いものが望ましく、さらには原料結晶中の含有ドーパント量もできるだけ少ない方が好ましい。
ある程度の酸素濃度を持つFZシリコン単結晶の需要に対応するためには、FZシリコン単結晶製造において酸素ドープ法を採用するよりも、高酸素濃度の原料を初めから使用する方法を採用する方がより簡便である。この場合、原料結晶にCZシリコン結晶を使用することが好ましい。
CZシリコン結晶についても、FZシリコン単結晶製造の原料として望ましい特徴は上記と同様であるため、追加ドーパントは無添加として抵抗率の高いCZシリコン結晶を製造し、原料結晶に用いるのが一般的である。ここで、CZシリコン結晶を原料結晶として用いる理由の一つに、酸素濃度が所定の範囲であるFZシリコン単結晶を取得する目的がある。この場合、原料結晶のCZシリコン結晶の酸素濃度は、所望とするFZシリコン単結晶の酸素濃度の50倍以上であることが望ましいため(例えば特許文献2)、原料のCZシリコン結晶はある程度以上の高酸素濃度、例えば6.5×1017atoms/cm以上とすることができる。
上記の通り、FZシリコン単結晶の抵抗率の調整は、単結晶成長中にドーパントガスによりドーパントを添加することで行う。必要なドーパントの添加量は、目標とするFZシリコン単結晶の抵抗率及び導電型、原料結晶の抵抗率及び導電型、結晶成長条件、などの因子から計算され、さらにこの計算値に基づきドーパントガスの濃度、供給量を決定する。
上記のように目標の抵抗率のFZシリコン単結晶を製造するためには、算出・設定された濃度、流量のドーパントガスを確実に供給することが重要である。
しかしながら、所定のドーパントガス供給量であることが確認されているにもかかわらず、製造された単結晶の抵抗率が設定通りとはならない場合がある。この一要因として、ドーパント添加量の計算自体が不適切、という可能性が挙げられる。ドーパント添加量の計算因子の中で、FZシリコン単結晶の抵抗率や導電型は予め決められている通りであり、また、結晶成長条件等の要素は、仮に実状と異なっていれば検出することができ、抵抗率が設定通りとならない場合にはその原因として特定できるものである。一方、原料結晶の抵抗率や導電型は、真値と異なっていてもFZシリコン単結晶製造の後では確認できないため、この抵抗率、導電型が適正に求められていないことが製造したシリコン単結晶の抵抗率が結晶間で大きく異なり安定しない原因となっていることが判った。
FZシリコン単結晶を製造の際の原料結晶としてCZシリコン結晶を使用する時には、当然ながらCZシリコン結晶の抵抗率及び導電型を適正に把握しなければならない。このための方法として、原料結晶のCZシリコン結晶から円盤形状のサンプルを採取し、酸素ドナーの影響を除去するための熱処理を施した後、例えば四探針法で抵抗率を測定し、例えば熱起電力法で導電型を測定し、それぞれ当該CZシリコン結晶の抵抗率、導電型とする方法がある。従来は、その測定位置について、CZシリコン結晶は結晶断面内の抵抗率変動は比較的小さいため、例えばサンプル面内中心一点としていた。
本発明者は、製造したシリコン単結晶の抵抗率が目標の値から乖離し、規定範囲から逸脱してしまう原因が、原料結晶の抵抗率が真値から乖離していることが前記原因の主たる要因であると考え、原料のCZシリコン結晶の抵抗率サンプルが適正に測定できているかを確認することを目的として、サンプル面内の抵抗率及び導電型測定と、サンプルのドーパント濃度測定を行い、ドーパント濃度測定結果から抵抗率と導電型を算出し、測定値と算出値を比較、検討した。以下、この検討について説明する。
抵抗率測定は四探針法でサンプル直径方向について、導電型測定は熱起電力法でサンプル半径範囲の中心部、r/2部(中心からサンプル半径rの1/2だけ外周側の部分)、外周部(外周から10mmの位置)について、それぞれ実施した。ドーパント濃度測定はフォトルミネッセンス測定にて、サンプル半径範囲の中心部、r/2部、外周部について実施した。
サンプルA及びBの二つの例について、図3に抵抗率の比較結果を、表1に導電型の比較結果を示す。
Figure 0007240827000001
図3(a)はサンプルAの抵抗率比較結果である。測定値では、抵抗率分布は、外周部が低く中心部が高い形状になっている。表1に示すサンプルAの導電型測定結果は、全面がp型と判定された。一方、算出値では、抵抗率分布は若干の変動は見られるものの面内3点でほぼ同等の値となっている。表1に示す導電型算出値は、測定値と同じく全面がp型と判定された。
図3(b)はサンプルBの抵抗率比較結果である。測定値では、抵抗率分布は、外周部が低くr/2部付近で極大値を持ち、中心部に向かうとまた低くなる形状となっている。表1に示すサンプルBの導電型測定結果は、外周部がp型、中心部がn型と判定され、r/2部付近は明確な判定はできなかった。これは外周部から中心部へ向かう直線をなぞった場合、p型の低い抵抗率で始まりどんどん高抵抗率となっていき、r/2部付近でp型からn型に転換し、さらに抵抗率は高→低へと変化している、ということと読み取れる。一方、算出値では、やはり抵抗率分布は若干の変動は見られるものの面内3点でほぼ同等の値となっている。表1に示す導電型算出値は、測定値とは異なり、全面がp型と判定された。

サンプルA、Bのいずれの場合も、サンプル外周部付近では抵抗率の測定値と算出値がほぼ一致し、導電型も測定値と算出値は一致している。これがr/2部、中心部とサンプルの内側位置に移動すると、抵抗率は測定値と算出値の乖離が見られ、導電型では測定値と算出値が異なるケースが見られる。
これは上記サンプルの内側位置では、算出値と比較して測定値はn型を示す傾向が強まっている、と言い換えることができる。ここで、算出値はドーパント濃度測定結果、すなわちリンやヒ素などのn型不純物濃度と、ホウ素やアルミニウムなどのp型不純物濃度との差異に基づいた数値であり、本来の抵抗率値に適合するものと考えられる。算出値よりもn型傾向が強まるということは、ドーパント以外の影響でドナー量が増加しているということであり、サーマルドナー、この場合は酸素ドナーの影響が表れていると考えられる。
この観点からすれば、従来のようにサンプル中心部位置で抵抗率、導電型の測定を実施しても、適正な値は得られないが、一方でサンプル外周部では適正な抵抗率及び導電型が測定できているため、測定位置は面内r/2よりも外周側にすることが好ましいといえる。
ここで、上述のようにFZシリコン単結晶製造に用いる原料結晶は非常に高抵抗率であり、低抵抗率結晶を測定する場合と比較して、抵抗率測定値が変動する頻度は高い。例えば、四探針法の測定ではサンプル表面状態の僅かな差異により探針の接触度合が変わり、抵抗率測定値が大きく変化する。すなわち、測定が適正でない場合が見られる。或いは高抵抗率であるということはp型とn型の変化点に近いということであり、やはり導電型も変化する場合があり得る。
従って、不適正な測定値を原料結晶の抵抗率或いは導電型として採用する可能性が考えられ、製造したFZシリコン単結晶が目的の抵抗率を逸脱する要因となるため、これを避けなければならない。しかしながら、従来のように、例えば、サンプル中心の一箇所だけの測定では、測定値が不適正な場合でもそれが不適正かどうかを検出することができない。
ここで、CZ法による原料結晶の製造方法の原理から、原料結晶の断面内の抵抗率分布は中心を軸とした対称形状となる。すなわち、原料結晶断面の中心から等距離と見なせる同心円状の範囲内では抵抗率は同等であるため、この範囲内で複数位置の抵抗率測定を行えば、得られた抵抗率値は同等となるはずである。同じく、導電型も、この範囲内では本来同一となるはずである。この現象を利用して、もし測定抵抗率が同等でない、或いは測定導電型が同一でないとすれば、その測定は不適正であると判断することができる。
そこで、本発明者は1,000Ωcm以上の原料結晶1,000本についてサンプルウェーハを採取し、各々のサンプルについて外周から10mmの位置で2箇所の抵抗率測定を行った。このとき、測定抵抗率の最大値と最小値の乖離率を確認したところ、平均値で3.8%、平均値+3σは21.5%という結果を得た(σは抵抗率のバラツキ。)。サンプルの中で乖離率が20%を超える22枚について、抵抗率再測定を行ったところ、全てが乖離率10%未満となった。さらに乖離率が15%を超え20%未満である9枚のサンプルについても抵抗率再測定を行い、やはり全てが乖離率10%未満となった。一方、乖離率が10%未満であったサンプルを20枚選択し抵抗率再測定を行ったが、乖離率はほとんど変わらなかった。
このことから、上記の様に原料結晶断面の中心から等距離と見なせる同心円状の範囲内で複数位置の抵抗率測定を行い、乖離率を閾値で判定すればその測定は適正であるか否か判断することができ、この時の抵抗率測定の適正/不適正の判定に用いる乖離率の閾値は少なくとも20%、好ましくは10%である。
FZシリコン単結晶製造の原料となるCZシリコン結晶の抵抗率の取得には、フォトルミネッセンス測定などによるドーパント濃度測定を行い、その結果から抵抗率を算出する方法がより適正であるが、商業生産の中で前記の方法を全原料棒について行うには、リードタイム、コスト等の面で現実的とは言えず、より簡便な方法が必要である。
従って、本発明のように、同等の抵抗率、同一の導電型が得られる複数位置を測定し、その測定が適正か不適正かを判定し、不適正と判定された場合は再測定する方法が、実用的でかつ適正な抵抗率値、導電型を設定するのに極めて有効である。なお、仮に不適正な測定値が含まれているとしても測定点数を極めて多くして平均値を算出することにより、再測定を行わずとも不適正な抵抗率測定値を実質的に無効化して適正な抵抗率値を得る、或いは、多数であった導電型を採用する、という方法も考えられるが、これでは多大な時間がかかる。本発明は測定位置が2点とすることもできるため、リードタイムやコスト等の面ではより有利である。
以下に本発明の実施例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例と比較例で用いたCZシリコン原料結晶の酸素濃度はいずれも同程度であった。
(実施例1)
FZシリコン単結晶製造の原料に使用するCZシリコン原料結晶(酸素濃度は6.5×1017atoms/cm以上である)からサンプルウェーハを採取し、このサンプルウェーハの外周から10mmの位置にある異なる2点について、四探針法で抵抗率(測定抵抗率)を測定し、熱起電力法で導電型(測定導電型)を測定した。次に、乖離率の閾値を20%とし、得られた2つの測定抵抗率の乖離率を求め、20%を超えなかった場合は両測定値の平均値を原料結晶の抵抗率として採用し、乖離率が20%を超えた場合は同様の抵抗率測定を再度行った。このとき、乖離率は、[乖離率]=([測定抵抗率の最大値]-[測定抵抗率の最小値])÷[測定抵抗率の最小値]により計算した。同じく、2つの測定導電型が一致する場合は原料結晶の導電型として採用し、一致しない場合は同様の導電型測定を再度行った。
このようにして抵抗率、導電型を決定したCZシリコン原料結晶を必要本数準備した。決定された原料抵抗率はいずれも1,000Ωcm以上であった。
n型50Ωcm(目標抵抗率)のFZシリコン単結晶を製造するため、上記原料抵抗率を用いてドーパント添加量を計算して、その通りにドーパント供給を行いつつ単結晶製造を行い、30本のFZシリコン単結晶を取得した。目標抵抗率に対する得られた各FZシリコン単結晶の抵抗率のバラツキ(σ)は、1.4%以内であった。
(実施例2)
p型3,500Ωcm(目標抵抗率)のFZシリコン単結晶を製造するため、乖離率の閾値を10%とした以外は実施例1と同様の手順を用いて、20本のFZシリコン単結晶を取得した。目標抵抗率に対する得られた各FZシリコン単結晶の抵抗率のバラツキ(σ)は、8.4%であった。
(比較例1)
FZシリコン単結晶製造の原料に使用するCZシリコン結晶から採取したサンプルウェーハの面内中心部について、四探針法で抵抗率を測定し、熱起電力法で導電型を測定した。準備した他のCZシリコン結晶についても同様に測定し、各々の原料抵抗率を決定した。
n型50Ωcm(目標抵抗率)のFZシリコン単結晶を製造するため、上記で測定された原料抵抗率を用いてドーパント添加量を計算して、その通りにドーパント供給を行いつつ単結晶製造を行い、30本のFZシリコン単結晶を取得した。この時の単結晶間の抵抗率バラツキ(σ)は、4.0%であった。
(比較例2)
p型3,500Ωcm(目標抵抗率)のFZシリコン単結晶を製造するため、比較例1と同様の手順により、20本のFZシリコン単結晶を取得した。この時の単結晶間の抵抗率バラツキ(σ)は、18.9%であった。
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、FZ法を使用して行うシリコン単結晶製造の際に酸素を含有する原料結晶を用いる場合であっても、その抵抗率及び導電型を適正に測定することができ、本発明のFZシリコン単結晶の製造方法に適用した場合に、目標の抵抗率値となるFZシリコン単結晶の製造が容易になり、得られたFZシリコン単結晶を目的の半導体デバイス製造のための適切な品質を有する材料とすることができる。そして、原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であるような結晶であっても真値に近い抵抗率を測定することができる。
さらに、原料結晶の原料抵抗率と製造されるFZシリコン単結晶の目標抵抗率を基に、FZシリコン単結晶製造時に導入するドーパント添加量を算出し、これに基づいてFZシリコン単結晶を製造するため、製造しようとするFZシリコン単結晶の抵抗率、導電型によらず、得られたFZシリコン単結晶間の抵抗率のバラツキを低くすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…単結晶の製造装置、 11…チャンバー、 12…上軸、 13…下軸、
14…原料半導体棒、 15…種結晶、
16…高周波コイル、 17…絞り、 18…溶融帯域、
19…シリコン単結晶(晶出側半導体棒)、
20…ドーパントガスドープノズル(ドーパントガス供給手段)。

Claims (7)

  1. FZ法によりシリコン単結晶を製造する際に用いる酸素を含有する原料結晶の抵抗率の測定方法であって、
    (a)原料結晶からサンプルウェーハを採取する工程、
    (b)前記サンプルウェーハの周方向の複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する工程、
    (c)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率のうち、最大値と最小値の乖離率を計算し、該乖離率が定められた閾値を超えていなければ測定抵抗率適正、閾値を超えていれば測定抵抗率不適正と判定する工程、
    (d)前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定導電型が全て同一であれば測定導電型適正、全て同一でなければ測定導電型不適正と判定する工程、
    (e)前記(c)工程及び前記(d)工程において測定抵抗率適正と判定され、かつ測定導電型適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率から算出される平均値を前記原料結晶の原料抵抗率として、前記測定導電型を前記原料結晶の原料導電型として採用し、また、前記(c)工程及び前記(d)工程で測定抵抗率不適正及び/又は測定導電型不適正と判定された場合、前記(b)工程で得られた前記複数箇所の測定抵抗率及び/又は前記複数箇所の測定導電型は不採用として、再度、複数箇所の測定抵抗率及び/又は測定導電型を測定し、前記(c)工程及び/又は前記(d)工程からやりなおす工程、
    とを有し、
    前記(b)工程における前記複数箇所の測定抵抗率と測定導電型を測定する位置を前記サンプルウェーハの中心からr/2以上離れた位置にあり、且つ前記サンプルウェーハの外周から10mm以内の位置にあって、中心からの距離を同一とすることを特徴とする原料結晶の抵抗率の測定方法。
  2. 前記(c)工程における前記乖離率を、[乖離率]=([測定抵抗率の最大値]-[測定抵抗率の最小値])÷[測定抵抗率の最小値]により計算し、前記乖離率の閾値を20%とすることを特徴とする請求項1に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法。
  3. 前記(b)工程における前記測定抵抗率の測定は四探針法により行い、前記(b)工程における前記測定導電型の測定は熱起電力法により行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法。
  4. 前記原料結晶がCZ法により製造された結晶であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法。
  5. 前記原料結晶の酸素濃度が6.5×1017atoms/cm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法。
  6. 前記原料結晶の抵抗率が1,000Ωcm以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の原料結晶の抵抗率の測定方法によって求めた原料結晶の原料抵抗率と製造されるFZシリコン単結晶の目標とする目標抵抗率を基に、FZシリコン単結晶製造時に導入するドーパント添加量を算出し、該算出したドーパント量を添加しながらFZ法によりシリコン単結晶を製造することを特徴とするFZシリコン単結晶の製造方法。
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