JP6152784B2 - 半導体結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、FZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)による半導体結晶の製造方法に関する。
FZ法は、例えば、現在半導体素子として最も多く使用されているシリコン単結晶等の半導体単結晶の製造方法の一つとして、使用される。図4はFZ法による半導体結晶の製造方法における各製造工程の一例を説明する図である。図4に示すように、原料となる半導体棒54の下端部を溶融して種結晶55に融着させ(a種付工程)、更にこの種付の際に結晶に生じた転位を抜くための絞り(ネッキング)を行い(bネッキング工程)、その後に晶出側半導体棒59を所望の直径まで拡大させながら成長させる(cコーン部形成工程)。更に、晶出側半導体棒59を所望の直径に制御しつつ成長を行い(d直胴部形成工程)、原料の供給を止め、晶出側半導体棒59の直径を縮小させて該晶出側半導体棒を原料半導体棒54から切り離す(e切り離し工程)。以上のような工程を経て、半導体結晶(FZシリコン単結晶)を製造することができる。
通常、シリコン単結晶に所望の電気抵抗率を与えるためにはN型或いはP型の不純物ドーピングが必要である。FZ法においては、ドーパントガスを溶融帯域に吹き付けるガスドーピング法が知られている(非特許文献1参照)。
ドーパントガスとして、例えばN型ドーパントであるP(リン)のドーピングにはPH等が、P型ドーパントであるB(ホウ素)のドーピングにはB等が用いられる。シリコン単結晶の電気抵抗率は、これらN型ドーパントとP型ドーパントの結晶中の濃度差により変化するが、通常の結晶製造においてN型ドーパントのみ、或いはP型ドーパントのみをドーピングする場合には、電気抵抗率はドーパント供給量が増加するにつれて低くなる。
所望の電気抵抗率のシリコン単結晶を得るためには、原料の電気抵抗率と所望の電気抵抗率を元に算出されたドーパント供給量が、適正に保たれる必要がある。供給されるドーパントガスの濃度や流量等を調整することによりドーパント供給量を適正に保ちつつFZ法により単結晶を成長させることで、所望の電気抵抗率を持つFZシリコン単結晶を得ることができる。
所望の電気抵抗率のFZ単結晶を得るためのガスドープ方法の工夫として、1本の半導体結晶棒製造途中でドープガス濃度を変更することにより複数の電気抵抗率部分を1本の単結晶棒中に形成するマルチドープFZ単結晶棒製造方法(特許文献1)、原料棒としてCZシリコン単結晶を用いる場合に、原料棒の成長軸方向の電気抵抗率の変化に応じてドープガス流量も変化させるFZ法(特許文献2)、FZ単結晶直胴部製造中の結晶成長状態に応じてドーパント供給量を変化させる方法(特許文献3)等が提案されている。
特許第2617263号公報 特開2008−87984号公報 特許第4957600号公報
WOLFGANG KELLER、ALFRED MUHLBAUER著「Floating−Zone Silicon」p.82−92、MARCEL DEKKER, INC.発行
従来、結晶成長状態がほぼ一定となるような直胴部形成工程においては、直胴部形成工程におけるドーパント供給量を、変化させず一定にすることで、製造するFZシリコン単結晶を所望の電気抵抗率にできると考えられていた。或いは、実際のFZ単結晶製造において、結晶成長中の成長状態は完全に一定ではなく、変動があったとしても、結晶成長状態の変化に応じてドーパント供給量を変化(製造装置等に依存しない同一の調整による変化)させる方法をとれば、1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたってほぼ一定の所望の電気抵抗率であるFZシリコン単結晶を取得可能であると考えられていた。
しかしながら、実際の生産、製造を考えた場合、FZ単結晶製造機・使用部材による結晶製造状態の差、或いは経時変化による結晶製造状態の差が生じるため、ドーパント供給量の調整度合いは一様ではなく、全て同一な調整では実際に結晶製造時に必要な調整度合いとズレが生ずることがある。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、所望の電気抵抗率であり、かつ1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたって所望の電気抵抗率を有する結晶が取得可能なFZ法による半導体結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、溶融帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶の直胴部を形成する工程を含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、
予め、前記直胴部形成工程中に、電気抵抗率に影響する複数のパラメータを測定し、製造した半導体結晶の電気抵抗率を測定し、前記電気抵抗率に対する前記複数のパラメータの影響を多変量解析し、該多変量解析の結果に基づいて、前記ドーパント供給量調整係数を求め、次に、FZ法で半導体結晶を製造する際、前記求めたドーパント供給量調整係数に応じて、前記直胴部形成工程中にドーパント供給量を調整することを特徴とする半導体結晶の製造方法を提供する。
このように、直胴部形成工程中に、予め設定したドーパント供給量をベースとしつつも、複数のパラメータの変化について予め多変量解析にて求めておいた係数に基づいてドーパント供給量を適正に調整するようにすれば、バッチ間であるパラメータが急変していたとしても結晶中ドーパント濃度の変動を抑制し、1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたって電気抵抗率がほぼ所望の値で一定となる半導体結晶を製造することが可能となる。
また、前記複数のパラメータを、ネック直径、メルト直径、ゾーン長、結晶温度、上軸速度のいずれか二つ以上とすることが好ましい。
このように、ドーパント供給量調整係数を設定するための複数のパラメータとしては、特に抵抗率への影響が大きい上記のパラメータのいずれか二つ以上を用いることが好ましい。
また、前記ドーパント供給量調整係数を、前記複数のパラメータ及び前記電気抵抗率の複数のバッチで得られたデータを蓄積し、該蓄積データを使用して新たに多変量解析することによって、その都度更新することが好ましい。
FZ結晶製造は一般的にはバッチ方式で行われる。ここで一回のバッチのデータではなく、このように、複数のバッチで得られたデータを蓄積し、その都度ドーパント供給量調整係数の再計算を行うことで、認識されるまたは認識されない何らかの経時変化や、部材の交換等で結晶製造状態の変化が生じ、各パラメータと取得結晶の電気抵抗率との関係に変化があったとしても、適宜それに応じたドーパント供給量調整を行うことができ、安定して所望の電気抵抗率を持つ結晶が取得できる。
前記複数のパラメータのうち、前記電気抵抗率との相関関係の強いパラメータに重みをつけて、前記ドーパント供給量調整係数を決定することが好ましい。
このようにすれば、バッチ間で生ずるバラツキを更に小さくすることができる。
また、前記半導体結晶をシリコン単結晶とすることが好ましい。
本発明の半導体結晶の製造方法によれば、成長軸方向全体にわたってほぼ所望値の電気抵抗率を持つシリコン単結晶を容易に且つ安定して製造することができる。
本発明によれば、FZ法による半導体結晶の製造方法において、少なくとも、直胴部形成工程中に、結晶成長状態の変化に応じて晶出側半導体結晶に供給するドーパントの供給量を制御しながら成長させるようにするので、結晶成長軸方向で電気抵抗率が変動することなく全長にわたってほぼ一定であるか、所望の軸方向プロファイルを有する半導体結晶を容易に取得できる。特に、多変量解析の結果に基づいて、ドーパント供給量を調整することによって、使用する製造装置や、製造条件に合わせて、ドーパント供給量の調整を行うことができる。これにより、例えば半導体結晶において電気抵抗率が所望の範囲を外れてしまい使用できなくなる部分の発生を防止し、製造工程における歩留まり及び生産性が向上するため、結果として半導体単結晶供給安定性の向上も可能となる。
本発明の半導体結晶の製造方法に用いる半導体結晶製造装置の一例の概略図である。 図1における半導体結晶製造装置のチャンバー内のみを示した図である。 FZ法による半導体結晶の製造方法における溶融帯域付近の拡大図である。 FZ法による半導体結晶の製造方法における各製造工程の一例を説明する図である。 実施例と比較例の電気抵抗率の比較を示すグラフである。
従来のFZシリコン単結晶製造工程の直胴部形成工程においては、FZシリコン単結晶の直径を所望とする直径に制御しながら結晶成長を行う際、製造する結晶直胴部全体で品質を均一化・安定化させるために、結晶移動速度や結晶回転数等の結晶製造条件はできるだけ変化させず、一定条件を用いている。ここで、直胴部形成工程における単結晶成長状態について、結晶成長中の結晶直径や溶融帯域の長さ等の結晶成長状態が一定に保たれていれば、直胴部形成工程におけるドーパント供給量についても、変化させず一定にすることで、製造するFZシリコン単結晶を所望の電気抵抗率にすることができ、もし仮に結晶成長中の結晶成長状態が一定ではなく、変動が存在するとしても、結晶成長中に結晶成長状態の変化に応じて供給するドーパント供給量を制御(製造装置等に依存しない全て同一の制御)することにより、1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたって電気抵抗率がほぼ一定である結晶が取得可能と考えられていた。
しかしながら、本発明者らが、実際のFZ単結晶製造について調査を行ったところ、FZ単結晶製造機・使用部材による結晶製造状態の差、或いは経時変化による結晶製造状態の差が生じるため、ドーパント供給量の調整度合いは一様ではなく、全て同一な調整では実際に結晶製造時に必要な調整度合いとズレが生ずることがあることがわかった。
本発明者らは、上記のような問題に対処すべく、鋭意・検討を行った結果、FZ法による半導体結晶の製造において、結晶成長中(直胴部形成工程中)に電気抵抗率に影響する複数のパラメータを測定し、その結晶成長により取得したFZ結晶の電気抵抗率を測定し、これらのデータから、抵抗率に対する各パラメータの影響を多変量解析により求め、その結果より結晶成長中に結晶成長状態の変化に応じて供給するドーパント供給量を制御する際のドーパント供給量調整係数を決定することにより、1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたって電気抵抗率が所望値となる結晶が取得可能な半導体結晶の製造方法を発明するに至った。
以下、本発明について、更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図1は、本発明の半導体結晶の製造方法に用いる半導体結晶製造装置の一例の概略図である。図1に示されるように、本発明の半導体結晶の製造方法に用いる半導体結晶製造装置1は、混合ドーパントガスドープノズル20(混合ドーパントガス供給手段20)、Arガス供給管22(Arガス供給手段22)と、濃厚ドーパントガス供給管24(濃厚ドーパントガス供給手段24)を備えており、該濃厚ドーパントガス供給手段24から供給された濃厚ドーパントガスを前記Arガス供給手段22から供給されたArガスで希釈した混合ドーパントガスを混合ドーパントガス供給手段20により製造装置のチャンバー11内に供給することができるようになっている。また、それぞれのガス供給手段を制御するガス供給制御手段(混合ドーパントガス供給制御手段21、Arガス供給制御手段23、濃厚ドーパントガス供給制御手段25)を有している。
さらに、半導体結晶製造装置1は、結晶製造条件を制御する結晶製造条件制御手段26と、結晶成長状態を検出する検出手段27と、各制御手段に信号を与えるコントローラ28を有している。ここで、結晶製造条件を制御する結晶製造条件制御手段26は、高周波コイル16への供給電力、上軸速度、駆動回路等、制御する結晶製造条件に対して複数設けることもできる。同様に、各制御手段に信号を与えるコントローラ28も伝える信号の種類や、信号を与える制御手段等に応じて複数設けることができる。
次に、図2は、図1に示される半導体結晶製造装置1のチャンバー11内のみを示した図である。チャンバー11内には上軸12及び下軸13が設けられている。上軸12には原料半導体棒14として所定の直径の半導体棒(原料結晶)が、下軸13には種結晶15が取り付けられるようになっている。さらに、原料半導体棒14を溶融する高周波コイル16を備え、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に移動させながら晶出側半導体棒(シリコン単結晶)9を成長させることができる。また、成長中に、混合ドーパントガスドープノズル20(混合ドーパントガス供給手段20)からドーパントガスを供給できるようになっている。
半導体結晶製造装置1は、このような特徴的な構成により、原料半導体棒14が溶融して形成される溶融帯域18から晶出する晶出側半導体棒(シリコン単結晶)9の直胴部19を形成する時に、前記検出手段27により検出された結晶成長状態の変化に応じて、Arガス供給量、濃厚ドーパントガス供給量、混合ドーパントガス供給量のいずれか1つ以上を前記ガス供給制御手段(混合ドーパントガス供給制御手段21、Arガス供給制御手段23、濃厚ドーパントガス供給制御手段25)で制御することにより、前記晶出側半導体棒へのドーパント供給量の制御を行うものである。
本発明に係る半導体結晶の製造方法は、例えば、図1、図2に示される半導体結晶製造装置を用いることができる。まず、上軸12には原料半導体棒14として、例えば所定の直径のシリコン多結晶棒を取り付け、また下軸13に種結晶15を取り付ける。原料半導体棒14を高周波コイル16等で溶融した後、種結晶15に融着させる。種結晶から成長させる晶出側半導体棒9を絞り17により無転位化し、両軸を回転させながら相対的に下降させ、溶融帯域18を原料半導体棒14に対して相対的に上へと移動させながら晶出側半導体棒9を成長させる。
絞り17を形成した後、種結晶から成長させる晶出側半導体棒9を所望の直径まで拡径させながら成長させてコーン部10を形成し、前記原料半導体棒14と前記晶出側半導体棒9との間に溶融帯域18を形成して、前記晶出側半導体棒9を所望の直径に制御しつつ成長させて直胴部19を形成する。
ここで、直胴部19を形成する工程中に、結晶成長状態の変化に応じて前記晶出側半導体棒へのドーパント供給量を制御する。ドーパントは、成長中に、例えばドープノズル20から溶融帯域にドーパントガスを供給することにより添加され、その結果、所望の電気抵抗率を持つ晶出側半導体棒9とすることができる。このドーパントガスは、濃厚ドーパントガスとArガスの混合ドーパントガスであることが好ましい。
そして、溶融帯域18を原料半導体棒14の上端まで移動させて晶出側半導体棒9の直胴部の成長を終え、晶出側半導体棒9の直径を縮径させて該晶出側半導体棒9を前記原料半導体棒14から切り離して、半導体結晶を製造する。
結晶成長状態の変化に応じた前記晶出側半導体棒へのドーパント供給量の制御の方法として、例えば検出手段27により検出した結晶成長状態から濃厚ドーパントガス流量、Arガス流量、混合ドーパントガス流量のいずれか1つ以上にフィードバックをかけて、供給されるドーパントガスの流量及び/又は濃度を変化させることにより、ドーパント供給量を制御することができる。
本発明の半導体結晶の製造方法は、上記のように溶融帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶の直胴部を形成する工程を含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、予め、求めておいたドーパント供給量調整係数に応じて、直胴部形成工程中にドーパント供給量を調整し、半導体結晶を製造する方法である。
ドーパント供給量調整係数の決定方法を以下に示す。
まず、予め直胴部形成工程中に、電気抵抗率に影響する複数のパラメータを測定した半導体結晶を製造し、この半導体結晶の電気抵抗率を測定する。次に、測定した電気抵抗率に対する複数のパラメータの影響を多変量解析する。この多変量解析の結果に基づいて、ドーパント供給量調整係数を決定する。
このような製造方法であれば、バッチ間であるパラメータが急変していたとしても結晶中ドーパント濃度の変動を抑制し、1本の結晶棒の成長軸方向全体にわたって電気抵抗率がほぼ所望値となる半導体結晶を製造することが可能となる。また、多変量解析の結果に基づいて、ドーパント供給量を調整することによって、使用する製造装置や、製造条件に合わせて、ドーパント供給量の調整を行うことができる。
図3は、FZ法による半導体結晶の製造方法における溶融帯域付近の拡大図である。電気抵抗率に影響する複数のパラメータとしては、例えば、図3における溶融帯域の晶出側融液ネック部の直径(ネック直径)Dn、晶出側融液ネック部と晶出界面110との間の晶出側融液肩部の直径(メルト直径)Dm、高周波コイル16の下面111から晶出界面110までの溶融帯域の長さ(ゾーン長)Lを挙げることができる。また、溶融帯域の温度(結晶温度)、上軸速度(原料供給速度)もパラメータとして使用できる。これらのパラメータは、ドーパント供給量調整係数を設定するための複数のパラメータとして、特に好適に用いることができる。上記のネック直径、メルト直径、ゾーン長、結晶温度等の定義は、必ずしも上記図3の場合に限定されない。これらのパラメータと相関関係があるなら、定義は測定の都合等により適宜変更使用することができる。
また、本発明の半導体結晶の製造方法で製造する半導体結晶は、シリコン単結晶とすることが好ましい。
ここで、本発明においての、ドーパント供給量制御に用いる係数の決定方法の詳細について説明する。所望の電気抵抗率の結晶を得るためには、所望の電気抵抗率に相当するドーパント量と、原料半導体棒から供給されるドーパント量の差分を、ドーパントガスにより供給する必要がある。このとき、ドープノズルから噴射されるドーパントガスにより供給されるドーパントは、その全量が晶出側半導体棒に導入されるわけではなく、ある程度のロスが見込まれる。このときの(導入されたドーパント量/ノズルから噴射して供給された全ドーパント量)の比率を移行率とする。
すなわち、ドープノズルから供給されるドーパント量は、(所望の電気抵抗率を得るために必要な追加ドーパント量/予め設定された移行率)となる。設定移行率は結晶製造実績によるフィードバックで定められ、同一製造条件であればほとんど変わらない値となる。
FZ結晶成長中の状態の変化により結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動が生じているということは、結晶成長状態の変化で移行率が変化していると見なすことができる。このため、FZ結晶成長中の移行率を変数とし、設定移行率に結晶成長状態の変化に対応した係数(ドーパント供給量調整係数)kをかけた数値を用いるようにして結晶成長中随時再計算しながら濃厚ドーパントガス流量、Arガス流量、混合ドーパントガス流量のいずれか1つ以上にフィードバックをかけて、供給されるドーパントガスの流量及び/又は濃度を変化させることにより、ドーパント供給量を制御する。このようにすれば、その時々の結晶成長状態に応じたドーパント量を供給することができ、取得結晶の電気抵抗率は結晶成長軸方向でほぼ一定となる。
この時のkは、結晶成長中のパラメータA,B,C,・・・・・・に関する関数f(A,B,C,・・・・・・)と定義される。ここで、本来の関数fは普遍的なものに統一できるものと思われるが、実際の結晶成長では、製造設備、部材などの違い(個体差)により各パラメータの数値は変わるものであり、他の製造設備で実績のある関数fを適用したとしても必ずしも最適なものが得られない。
そこで、例えば製造設備毎の、FZ結晶成長中の複数のパラメータを連続的にデータ採取する。また、これと対応する結晶成長により取得したFZ結晶の電気抵抗率の実績データを、結晶成長軸方向の移行率に換算する。結晶成長軸方向の電気抵抗率の変化に基づく移行率の変化に対する、各パラメータの変動の影響を多変量解析により求め、関数fを導出する。このようにそれぞれ求めた関数fを用いると、それぞれの製造設備に適した調整係数kを得ることができる。
更に、同一製造設備においても経時変化により必要な調整度合いも変化してしまう場合がある。このため、直近の適度な範囲(複数のバッチ)でFZ結晶製造データ(複数のパラメータ及び電気抵抗率のデータ)を蓄積し、その蓄積データを使用して新たに多変量解析を行いドーパント供給量調整係数kをその都度更新することが有効である。この場合のデータ蓄積範囲が小さければその時々の状態に応じた調整が可能となるが、小さすぎると調整バラツキが大きくなる。またデータ蓄積範囲が大きい場合は調整バラツキは安定するが、大きすぎればその時の状態に適さない調整となる可能性がある。製造状態により適宜決めればよい。
また、複数のパラメータの中でも、特に、電気抵抗率との相関関係の強いパラメータに重みをつけることにより、すなわち、移行率偏差と相関の大きいもののウエイトを上げることにより、ドーパント供給量調整係数を決定することが好ましい。このようにすれば、調整が更に適したものとなる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
結晶直径200mm、導電型N型、狙い電気抵抗率50Ωcmのシリコン単結晶製造において、本発明のドーパント供給量調整方法を使用した場合(実施例)と、使用せずネック直径の変動に応じたドーパント供給量調整方法とした場合(比較例)とで、FZ単結晶を製造して各10本の結晶を取得した。製造したシリコン単結晶の結晶成長軸方向での電気抵抗率を測定し、その変化の度合いを比較した。
(実施例)
FZ結晶成長5バッチ分のデータから、ネック直径、ゾーン長、メルト直径の各パラメータの結晶成長中各時点のデータを取得した。またそれぞれのバッチの取得結晶の軸方向電気抵抗率から換算した成長軸方向の移行率も取得し、前記3つのパラメータデータを用いて多変量解析を行い、ドーパント供給量調整係数kに用いる関数fを次のように求めた。
f[移行率偏差=A×ネック直径偏差+B/ゾーン長偏差+C×メルト直径偏差+D(定数)]
ここで式内の各係数は以下の通りである。
A:−0.003
B:2.65
C:−13.42
D:−2.65
以上のように求めたドーパント供給量調整係数kを乗じた混合ドーパントガス流量で直胴部を形成した。
(比較例)
FZ結晶成長5バッチ分のデータから、ネック直径の結晶成長中各時点のデータと、それぞれのバッチの取得結晶の軸方向電気抵抗率から換算した成長軸方向の移行率を取得し、ドーパント供給量調整係数kに用いる関数fを次のように求めた。
f[移行率偏差=0.053×ネック直径偏差]
以上のように求めたドーパント供給量調整係数kを乗じた混合ドーパントガス流量で直胴部を形成した。
表1と図5に(実施例)と(比較例)の電気抵抗率の比較を示す。尚、表1中の軸方向抵抗率偏差は標準偏差σを示す。図5は、実施例と比較例の電気抵抗率の比較を示すグラフである。
Figure 0006152784
表1および図5に示される通り、本発明の半導体結晶の製造方法におけるガスドーピング制御方法を使用した場合(実施例)、使用しなかった場合(比較例)に比べて結晶成長軸方向での電気抵抗率の均一性が改善された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記では、多変量解析に用いるパラメータに融液帯域の長さ(ゾーン長)及びメルト直径、ネック直径の変化を採用したが、結晶温度変化や上軸速度変化、もしくはこれらの変化の他の組み合わせに応じてドーパント供給量を制御するようにしてもよい。
1…半導体結晶製造装置、 9、59…晶出側半導体棒(シリコン単結晶)、
10…コーン部、 11…チャンバー、 12…上軸、 13…下軸、
14、54…原料半導体棒、 15、55…種結晶、 16…高周波コイル、
17…絞り、 18…溶融帯域、 19…直胴部、
20…混合ドーパントガスドープノズル(混合ドーパントガス供給手段)、
21…混合ドーパントガス供給制御手段、
22…Arガス供給管(Arガス供給手段)、 23…Arガス供給制御手段、
24…濃厚ドーパントガス供給管(濃厚ドーパントガス供給手段)、
25…濃厚ドーパントガス供給制御手段、 26…結晶製造条件制御手段、
27…検出手段、 28…コントローラ、 110…晶出界面、
111…高周波コイルの下面、 Dm…メルト直径、
Dn…ネック直径、 L…ゾーン長。

Claims (5)

  1. 溶融帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶の直胴部を形成する工程を含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、
    予め、前記直胴部形成工程中に、電気抵抗率に影響する複数のパラメータを測定し、製造した半導体結晶の電気抵抗率を測定し、前記電気抵抗率に対する前記複数のパラメータの影響を多変量解析し、該多変量解析の結果に基づいて、装置毎にドーパント供給量調整係数を求め、次に、同一装置でFZ法で半導体結晶を製造する際、前記求めたドーパント供給量調整係数に応じて、前記直胴部形成工程中にドーパント供給量を調整することを特徴とする半導体結晶の製造方法。
  2. 前記複数のパラメータを、ネック直径、メルト直径、ゾーン長、結晶温度、上軸速度のいずれか二つ以上とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の製造方法。
  3. 前記ドーパント供給量調整係数を、前記複数のパラメータ及び前記電気抵抗率の複数のバッチで得られたデータを蓄積し、該蓄積データを使用して新たに多変量解析することによって、その都度更新することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体結晶の製造方法。
  4. 前記複数のパラメータのうち、前記電気抵抗率との相関関係の強いパラメータに重みをつけて、前記ドーパント供給量調整係数を決定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  5. 前記半導体結晶をシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
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