JP2017141130A - 半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】FZ法による単結晶成長において、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることで、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができ、また、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置を提供する。【解決手段】ガスドープノズルから浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶を製造するFZ法による半導体単結晶の製造方法であって、前記ガスドープノズルの位置を制御しながら半導体単結晶を育成する半導体単結晶の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、該浮遊帯域を移動させる事で半導体単結晶を育成するFZ法(フローティングゾーン法又は浮遊帯溶融法)による半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置に関する。
図2は、FZ法による従来の半導体単結晶の製造装置である。このFZ単結晶製造装置101を用いて、単結晶を製造する方法について説明する。
まず、原料結晶102(原料結晶棒)を、チャンバー103内に設置された上軸104の上部保持治具105に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶106)を、原料結晶102の下方に位置する下軸107の下部保持治具108に保持する。このFZ単結晶製造装置101は、原料結晶102と種結晶106を回転させるための回転機構109を有しており、上軸104と下軸107の他、これらの回転を制御する回転制御手段110が備えられている。
次に、高周波発振機111に接続された誘導加熱コイル112により原料結晶102を溶融して、種結晶106に融着させる。その後、種絞りにより絞り部113を形成して無転位化する。上軸104と下軸107を回転させながら原料結晶102と半導体単結晶114(単結晶棒又は育成単結晶棒とも言う)を下降させることで、浮遊帯域115(溶融帯あるいはメルトとも言う)を原料結晶102と半導体単結晶114の間に形成し、該浮遊帯域115を原料結晶102の上端まで移動させてゾーニングし、半導体単結晶114を成長させる。この半導体単結晶114の結晶成長状態は、検出手段116によって検出する。ここでは、誘導加熱コイル112の下端面と半導体単結晶114の成長界面との距離を浮遊帯域115のゾーン長さ117としている。
なお、FZ単結晶製造装置101には、浮遊帯域115にドーパントガスを吹き付けるガスドープノズル118(混合ドーパントガスドープノズルとも言う)と、混合ドーパントガス供給装置119が備えられており、所望の濃度のドーパントガスをチャンバー103内に供給することができるようになっている。上記の単結晶成長は、不活性ガス雰囲気中で行われ、また、n型FZ単結晶又はp型FZ単結晶を製造するために、ガスドープノズル118により、製造する導電型、抵抗率に応じた量の不活性ガスベースのPH3又はB2H6等のドーパントガスを流す。所望の電気抵抗率のシリコン単結晶を得るためには、原料の電気抵抗率と所望の電気抵抗率を基に算出されたドーパントの供給量が適正に保たれる必要がある。
公知であるゾーン長制御では、結晶成長状態の変化が無いことが前提であり、製造するFZシリコン単結晶を所望の電気抵抗率とするために、ドーパント供給量を一定に流していた。しかしながら、結晶成長中の成長状態は完全に一定ではなく変動がある。例えば、原料結晶の直径の変動、あるいは、誘導加熱コイルの加熱特性の変化による浮遊帯域の形状の変動等がある。この変動の影響により、ドーパント供給量を一定にしても電気抵抗率に変動が発生した。
この対応として、多変量解析結果に基づいたドーパント供給量調整係数を求め、求めたドーパント供給量調整係数に応じてドーパント供給量を調整する技術が開発された(特許文献1)。この技術により軸方向電気抵抗率の偏差が改善してきている。
しかしながら、近年、非常に狭い電気抵抗率公差のFZシリコン単結晶の要求が多くなり、この技術のみでは要求を満たすことが困難になっていた。特に浮遊帯域の形状の変化に対しては、変量解析結果に基づいたドーパント供給量調整係数に応じたドーパント供給量調整だけでは、より小さな電気抵抗率の偏差に抑えることができなかった。これについては、浮遊帯域の形状が変化することで、ガスドープノズルの先端からドーパントガスが噴射されている浮遊帯域までの距離が変わり、その距離間における炉内ガス対流の非連続変化の影響により、浮遊帯域へのドーパントの取り込み量の変動が発生し、電気抵抗率の変動が発生していることが分かった。また、バッチ間による電気抵抗率の偏差もあり、非常に狭い電気抵抗率公差のFZシリコン単結晶の要求に応えることが困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、FZ法による単結晶成長において、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることで、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができ、また、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、ガスドープノズルから浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶を製造するFZ法による半導体単結晶の製造方法であって、前記ガスドープノズルの位置を制御しながら半導体単結晶を育成することを特徴とする半導体単結晶の製造方法を提供する。
このような半導体単結晶の製造方法であれば、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができるため、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができる。また、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる。
このとき、前記ガスドープノズルの位置を、前記浮遊帯域のドーパントガスが吹きつけられている部分における浮遊帯域の直径の変化に合わせ、前記ガスドープノズルの先端と前記浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙が一定になるように制御することが好ましい。
このように、ガスドープノズルの位置を制御しながら半導体単結晶を育成することで、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動をより小さくすることができるため、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動をより小さくすることができる。また、バッチ間の電気抵抗率の偏差もより小さくすることができる。
またこのとき、前記間隙を50mm以下とすることが好ましい。
このようなガスドープノズルの先端と浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙とすることで、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動をより確実に小さくすることができる。
また、本発明では、原料結晶を部分的に加熱溶融して浮遊帯域を形成するための誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルで前記原料結晶を加熱溶融して半導体単結晶を成長させるときに前記原料結晶と前記半導体単結晶を各々保持して回転させるための回転機構と、前記浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けるガスドープノズルとを具備するFZ法による半導体単結晶の製造装置であって、前記ガスドープノズルに配置され、該ガスドープノズルの位置を移動させる移動機構を有する半導体単結晶の製造装置を提供する。
このような半導体単結晶の製造装置であれば、半導体単結晶の育成中にガスドープノズルの位置を移動できるので、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができ、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができる。また、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる。
このとき、前記半導体単結晶の製造装置は、さらに前記浮遊帯域の直径を検出する検出手段と、前記直径の変化に応じて、前記移動機構を制御する制御手段とを有するものであることが好ましい。
このような半導体単結晶の製造装置であれば、検出された浮遊帯域の直径から比較的簡単にガスドープノズルの先端と浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙を一定にすることができる。
またこのとき、前記ガスドープノズルの先端の口径が3mm以下であることが好ましい。
このようなガスドープノズルの先端の口径であれば、より確実に半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができる。
以上のように、本発明の半導体単結晶の製造方法であれば、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができるため、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができる。加えて、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる。
また、本発明の半導体単結晶の製造装置であれば、単結晶製造中にガスドープノズルを移動させることができるので、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができ、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができる。加えて、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる。また、本発明の半導体単結晶の製造装置が、さらに浮遊帯域の直径を検出する検出手段と、前記直径の変化に応じて、移動機構を制御する制御手段とを有するものであれば、比較的簡単にガスドープノズルの先端と浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙を一定にすることができる。
また、本発明の半導体単結晶の製造装置であれば、単結晶製造中にガスドープノズルを移動させることができるので、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることができ、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができる。加えて、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる。また、本発明の半導体単結晶の製造装置が、さらに浮遊帯域の直径を検出する検出手段と、前記直径の変化に応じて、移動機構を制御する制御手段とを有するものであれば、比較的簡単にガスドープノズルの先端と浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙を一定にすることができる。
上述のように、FZ法による単結晶成長において、半導体単結晶へのドーパントの取り込み量の変動を小さくすることで、結晶成長軸方向の電気抵抗率の変動を小さくすることができ、また、バッチ間の電気抵抗率の偏差を小さくすることができる半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、ガスドープノズルから浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶を製造するFZ法による半導体単結晶の製造方法であって、前記ガスドープノズルの位置を制御しながら半導体単結晶を育成する半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[半導体単結晶の製造装置]
図1は本発明のFZ法による半導体単結晶の製造装置の一例を示す概略図である。
図1に示されるように、本発明の半導体単結晶の製造装置1は、原料結晶2及び絞り部13に続いて形成される半導体単結晶14を収容するチャンバー3と、原料結晶2を部分的に加熱溶融して原料結晶2と半導体単結晶14の間に浮遊帯域15を形成するための誘導加熱コイル12と、誘導加熱コイル12に電力を供給する高周波発振機11と、原料結晶2を保持するための上部保持治具5と、原料結晶2を回転させるための上軸4と、種結晶6を保持するための下部保持治具8と、種結晶6を回転させるための下軸7とを有するものである。この半導体単結晶の製造装置1は、誘導加熱コイル12で原料結晶2を加熱溶融して半導体単結晶14を成長させるときに原料結晶2と半導体単結晶14を各々保持して回転させるための回転機構9を有しており、上軸4と下軸7の他、これらの回転を制御する回転制御手段10が備えられている。ここでは、誘導加熱コイル12の下端面と半導体単結晶14の成長界面との距離をゾーン長さ17としている。
図1は本発明のFZ法による半導体単結晶の製造装置の一例を示す概略図である。
図1に示されるように、本発明の半導体単結晶の製造装置1は、原料結晶2及び絞り部13に続いて形成される半導体単結晶14を収容するチャンバー3と、原料結晶2を部分的に加熱溶融して原料結晶2と半導体単結晶14の間に浮遊帯域15を形成するための誘導加熱コイル12と、誘導加熱コイル12に電力を供給する高周波発振機11と、原料結晶2を保持するための上部保持治具5と、原料結晶2を回転させるための上軸4と、種結晶6を保持するための下部保持治具8と、種結晶6を回転させるための下軸7とを有するものである。この半導体単結晶の製造装置1は、誘導加熱コイル12で原料結晶2を加熱溶融して半導体単結晶14を成長させるときに原料結晶2と半導体単結晶14を各々保持して回転させるための回転機構9を有しており、上軸4と下軸7の他、これらの回転を制御する回転制御手段10が備えられている。ここでは、誘導加熱コイル12の下端面と半導体単結晶14の成長界面との距離をゾーン長さ17としている。
また、この半導体単結晶の製造装置1は、浮遊帯域15にドーパントガスを吹き付けるガスドープノズル18と、混合ドーパントガス供給装置19とを備えており、所望の濃度のドーパントガスをチャンバー3内に供給することができるようになっている。また、ガスドープノズル18には、該ガスドープノズル18の位置を移動させる移動機構30が配置されており、該移動機構30によりガスドープノズル18の先端と浮遊帯域15におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との距離(間隙20)を制御する。この移動機構30としては、モーター等を使用することができる。
図1に示すように、本発明の半導体単結晶の製造装置1は、さらに結晶成長状態と浮遊帯域の直径を検出する検出手段16と、前記直径の変化に応じて、移動機構30を制御する制御手段31とを有することが好ましい。検出手段16はカメラ及び画像処理装置等からなるものであり、制御手段31は駆動回路(サーボアンプ)からなるものである。検出手段16で得られた情報は、制御手段に信号を与えるコントローラー32を介し制御手段31に与えられる。なお、このコントローラー32は制御コンピュータからなるものである。
図1に示す半導体単結晶の製造装置1は、これらの装備により一定の間隙20を保つ機構となっている。検出手段16により、浮遊帯域15のドーパントガスが吹きつけられている部分における浮遊帯域の直径21を検出させ、その数値を基に間隙20を割り出す。次に、検出手段16で得られた直径21の情報を、コントローラー32を介して制御手段31に与え、基準とする間隙20を設定し、結晶成長中の間隙20の変化に応じて移動機構30によりガスドープノズル18の位置を移動し、一定の間隙20を保つ機構となっている。
また、チャンバー3に流れる不活性ガスの流れの影響を小さくするために、混合ドーパントガス流速が速いことが望ましく、以下に説明するようにガスドープノズルの先端の口径は3mm以下にすることが好ましい。口径が3mm以下であれば、混合ドーパントガスの流速を速くするために流量が非常に大きくなることを抑制でき、混合ドーパントガスにより浮遊帯域が冷却され、結晶成長状態が不安定になってしまうことを防ぐことができる。
(半導体単結晶の製造方法)
次に、本発明の半導体単結晶の製造方法について説明する。
ここでは、図1に示す本発明の半導体単結晶の製造装置を用いて半導体単結晶を製造する方法について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の半導体単結晶の製造方法について説明する。
ここでは、図1に示す本発明の半導体単結晶の製造装置を用いて半導体単結晶を製造する方法について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、原料結晶2(シリコン)の溶融を開始する部分をコーン形状に加工し、加工歪みを除去するために表面のエッチングを行う。次に、半導体単結晶の製造装置1のチャンバー3内に原料結晶2を収容し、チャンバー3内に設置された上軸4の上部保持治具5にネジ等で固定する。一方、下軸7の下部保持治具8には種結晶6を取り付ける。また、誘導加熱コイル12を高周波発振機11に接続して固定する。
次に原料結晶2のコーン部分の下端をカーボンリング(不図示)で予備加熱する。その後、チャンバー3に不活性ガスを供給し、加圧の状態とする。そして、原料結晶2を誘導加熱コイル12で加熱溶融した後、コーン部先端を種結晶6に融着させ、絞り部13により無転位化し、上軸4と下軸7を回転させながら原料結晶2と半導体単結晶14を例えば1〜5mm/minの速度で下降させることで浮遊帯域15を形成し、該浮遊帯域15を原料結晶2の上端まで移動させてゾーニングし、半導体単結晶14を成長させる。
ここで、n型FZ単結晶又はp型FZ単結晶を製造するために、混合ドーパントガス供給装置19より製造する導電型、抵抗率に応じた量の不活性ガスベースのドーパントガスPH3又はB2H6を流し、ガスドープノズル18から浮遊帯域15へ吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶を製造する。その際、ガスドープノズル18の位置を所望の位置へと制御し、半導体単結晶14を育成する。
このとき、ガスドープノズル18の位置を、浮遊帯域のドーパントガスが吹きつけられている部分における浮遊帯域の直径21の変化に合わせ、ガスドープノズルの先端と浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙20が一定になるように制御することが好ましい。
例えば、図1に示す半導体単結晶の製造装置1のように、検出手段16で得られた浮遊帯域15の混合ドーパントガスが吹きつけられている部分における浮遊帯域の直径21の情報を、コントローラー32を介して制御手段31に与え、基準とする間隙20を設定することで、間隙20を一定にする制御を行う構造とすることができる。
ここで、間隙20は50mm以下とすることが好ましい。間隙20が50mm以下であれば、浮遊帯域15付近の炉内ガス対流の非連続変化の影響が大きくなることを防ぐことができ、電気抵抗率の変動の発生を抑制することができる。また、混合ドーパントガスの発散の影響による所望の電気抵抗率より高い状態になることを防ぐことができる。
また、間隙20を一定に保つことが非常に重要である。間隙20が狭くなることで、炉内ガスの対流の非連続変化の影響が小さくなり、電気抵抗率の変動が小さくなる。また、混合ドーパントガスの発散の影響が小さくなることで混合ドーパントガスが取り込まれやすい状態となり、電気抵抗率が低くなる場合がある。従って所望の電気抵抗率を得るために、間隙20を一定に保つことが非常に重要である。
さらに、混合ドーパントガスを吹き付ける位置は浮遊帯域のシリコン溶融部であることが好ましい。シリコン溶融部への噴射であれば、単結晶内へのドーパントガスの取り込みが小さくなりすぎず、さまざまな単結晶成長中の外乱の影響が大きくなったりして、電気抵抗率の変動が大きくなることを防止することができる。
なお、ここでは、間隙20を一定にする方法として、図1に示す半導体単結晶の製造装置1のように、検出手段16と、移動機構30と、制御手段31とを有するものを用い、間隙20を制御する方法を例にして説明したが、本発明はこれには限定されず、ガスドープノズル18の位置を移動制御できればよく、例えば間隙20を直接検出するようにしてもよいし、ガスドープノズル18の移動も手動で制御し、間隙20を一定にする方法であってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
それぞれの条件において、1000Ωcm以上のCZシリコン単結晶を原料結晶棒として、FZ法によりn型50Ωcmの直径8インチ(200mm)のシリコン単結晶を5本製造した。それぞれのガスドープノズルの先端の口径は2mmとした。また、ドーパントガスを吹きかける位置は任意の浮遊帯域の位置とした。FZ単結晶成長では、ゾーン長さを制御するゾーン長制御を行った。
(実施例1)
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に常に間隙20が10mmになるように制御手段31で移動機構30を制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に常に間隙20が10mmになるように制御手段31で移動機構30を制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
(実施例2)
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に間隙20が20mmになるように上記と同様に制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に間隙20が20mmになるように上記と同様に制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
(実施例3)
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に間隙20が50mmになるように上記と同様に制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
図1で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル18を浮遊帯域にドーパントガスを吹き付ける位置にセットし、FZ単結晶成長中に間隙20が50mmになるように上記と同様に制御し、所望の電気抵抗率になるようにドーパントガスを流した。
(比較例1)
図2で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル118の先端は誘導加熱コイル112の内径中心を基準にして50mm外側へ設置した。FZ単結晶成長中は、間隙120は混合ドーパントガスが吹きつけられている部分の浮遊帯域の直径121に依存することとなり、成り行きとなる。ここでは、間隙120が20mm程度になるように設定した。
図2で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル118の先端は誘導加熱コイル112の内径中心を基準にして50mm外側へ設置した。FZ単結晶成長中は、間隙120は混合ドーパントガスが吹きつけられている部分の浮遊帯域の直径121に依存することとなり、成り行きとなる。ここでは、間隙120が20mm程度になるように設定した。
(比較例2)
図2で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル118の先端は誘導加熱コイル112の内径中心を基準にして80mm外側へ設置した。FZ単結晶成長中は、間隙120は混合ドーパントガスが吹きつけられている部分の浮遊帯域の直径121に依存することとなり、成り行きとなる。ここでは、間隙120が50mm程度になるように設定した。
図2で示す半導体単結晶の製造装置を用い、FZ単結晶製造を行った。ガスドープノズル118の先端は誘導加熱コイル112の内径中心を基準にして80mm外側へ設置した。FZ単結晶成長中は、間隙120は混合ドーパントガスが吹きつけられている部分の浮遊帯域の直径121に依存することとなり、成り行きとなる。ここでは、間隙120が50mm程度になるように設定した。
実施例及び比較例で得られたシリコン単結晶について、結晶成長軸方向電気抵抗率の変動と、バッチ間のバラツキ(バッチ間の電気抵抗率の偏差)を算出し、評価した。その結果を表1に示す。
結晶成長軸方向電気抵抗率の変動は、結晶1本当たりの結晶成長軸方向電気抵抗率の最大値(Max)と最小値(Min)を抜き出し、差を求め、結晶成長軸方向電気抵抗率全体の平均値(Ave)で除した値を求め((Max−Min)÷Ave)、この計算結果から5本分で平均を取ったものである。
バッチ間のバラツキは、結晶1本当たりの結晶成長軸方向電気抵抗率の平均値と狙い電気抵抗率との偏差を求め((結晶1本当たりの結晶成長軸方向電気抵抗率の平均値−狙い電気抵抗率)÷50)、この計算結果から5本分の標準偏差を算出したものである。
表1に示される通り、実施例1〜3では、比較例1,2に比べ、結晶成長軸方向での電気抵抗率の変動が小さくなり、結晶成長軸方向での電気抵抗率の変動が改善された。また、実施例1〜3では、比較例1,2に比べ、バッチ間のバラツキも小さくなり、バッチ間のバラツキについても改善された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…半導体単結晶の製造装置(FZ単結晶製造装置)、 2…原料結晶、
3…チャンバー、 4…上軸、 5…上部保持治具、 6…種結晶、
7…下軸、 8…下部保持治具、 9…回転機構、
10…回転制御手段、 11…高周波発振機、 12…誘導加熱コイル、
13…絞り部、 14…半導体単結晶、 15…浮遊帯域、
16…検出手段、 17…ゾーン長さ、 18…ガスドープノズル、
19…混合ドーパントガス供給装置、 20…間隙、 21…直径、
30…移動機構、 31…制御手段、 32…コントローラー。
3…チャンバー、 4…上軸、 5…上部保持治具、 6…種結晶、
7…下軸、 8…下部保持治具、 9…回転機構、
10…回転制御手段、 11…高周波発振機、 12…誘導加熱コイル、
13…絞り部、 14…半導体単結晶、 15…浮遊帯域、
16…検出手段、 17…ゾーン長さ、 18…ガスドープノズル、
19…混合ドーパントガス供給装置、 20…間隙、 21…直径、
30…移動機構、 31…制御手段、 32…コントローラー。
Claims (6)
- ガスドープノズルから浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けながら、電気抵抗率を制御しつつ半導体結晶を製造するFZ法による半導体単結晶の製造方法であって、
前記ガスドープノズルの位置を制御しながら半導体単結晶を育成することを特徴とする半導体単結晶の製造方法。 - 前記ガスドープノズルの位置を、前記浮遊帯域のドーパントガスが吹きつけられている部分における浮遊帯域の直径の変化に合わせ、前記ガスドープノズルの先端と前記浮遊帯域におけるドーパントガスが吹きつけられている部分との間隙が一定になるように制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶の製造方法。
- 前記間隙を50mm以下とすることを特徴とする請求項2に記載の半導体単結晶の製造方法。
- 原料結晶を部分的に加熱溶融して浮遊帯域を形成するための誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルで前記原料結晶を加熱溶融して半導体単結晶を成長させるときに前記原料結晶と前記半導体単結晶を各々保持して回転させるための回転機構と、前記浮遊帯域にドーパントガスを吹き付けるガスドープノズルとを具備するFZ法による半導体単結晶の製造装置であって、
前記ガスドープノズルに配置され、該ガスドープノズルの位置を移動させる移動機構を有するものであることを特徴とする半導体単結晶の製造装置。 - 前記半導体単結晶の製造装置は、さらに前記浮遊帯域の直径を検出する検出手段と、前記直径の変化に応じて、前記移動機構を制御する制御手段とを有するものであることを特徴とする請求項4に記載の半導体単結晶の製造装置。
- 前記ガスドープノズルの先端の口径が3mm以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の半導体単結晶の製造装置。
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