JP3867476B2 - シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、引上速度の変動をきわめて少なくすることができるシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年LSIのMOS型高集積半導体素子の集積度が増大され、ゲート酸化膜が薄膜化されたことから、ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性の向上が強く要求されている。ところが、チョクラルスキー法(CZ法)により製造されたシリコン単結晶には微小な欠陥(Grown−in欠陥)が存在することが知られており、このような欠陥は酸化膜耐圧特性をはじめとするデバイス特性に悪影響を及ぼす。
【0003】
このGrown−in欠陥による問題を解決するため、引上速度が0.8mm/min以下の低速で成長する方法が特開平2−267195号公報等により提案されている。しかし、低速で成長させたシリコン単結晶ウエーハにも赤外散乱欠陥、OSFリング、転位クラスタ等のGrown−in欠陥が存在し、ウエーハ面内の無欠陥領域が限られている。また、単結晶を低速で成長することは生産性の低下をもたらし好ましくない。
【0004】
そこでウエーハ全面にわたってGrown−in欠陥の無いシリコン単結晶ウエーハを製造する方法が、特開平8−330316号公報において提案されている。この方法は、引上速度をV(mm/min)とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引上軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値をある限定範囲内にしてシリコン単結晶を成長する製造方法である。そして、この発明では、V/G値を制御することにより、単結晶横断面全面で無欠陥であるシリコン単結晶を製造したり、あるいはOSFリングを狙いとする位置に発生させたり、または消滅させることも可能となる。つまり、温度勾配Gが特定の成長炉で引上速度Vを一定として単結晶が成長できれば、全面無欠陥シリコン単結晶やOSFリング位置を制御した単結晶を製造できることになる。
【0005】
一方、シリコン単結晶を成長させる際には、成長させる単結晶の直径の径変動を抑え、所望径で一定に制御しつつ成長させることも、ウエーハを製造する際の製造歩留り等の見地から重要となる。
この単結晶の直径を制御する方法としては、成長させる結晶径を引上速度とヒータ供給電力(ヒータ温度、以下は単に温度と呼ぶことがある)で制御する直径制御方法がある(特公平7−74117号)。このような直径制御方法においては、引上速度を変化させた場合は速効性があって直径を直ぐに変化できるのに対し、ヒータ温度を変化させた場合はその効果が現れるのが遅い。このようにヒータ温度の増減の効果として単結晶の直径が増減するまでに時間がかかる理由は、ヒータ温度の変化により融液の温度が変化し、単結晶直径が変化するという熱が伝導するのに時間を要するからである。
【0006】
このようなことから引上速度を全く変化させずに一定として、目標の直径に成長させようとヒータ温度だけで直径を制御すると、一定の目標直径に成長させることが困難となる。このため供給電力の制御方法としては、検出直径に応じてヒータへの供給電力を変化させるのではなく、主に検出直径に応じて引上速度を変化させることで成長させる単結晶の径を制御し、この引上速度の変化に応じて供給電力を制御する方法がとられている。
【0007】
この検出直径に応じて引上速度を変化させることで成長させる単結晶の径を制御する場合、引上速度の変化には速効性があって直径をすぐに変化させることができる。しかし、検出直径がわずかに変化しただけでも引上速度がそれに対応して大きく変わってしまうことになるため、引上速度を一定の範囲内に制御することができなくなる。そのため、この方法では検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御値を演算した後、該引上速度制御値に引上速度スパン制限を行い、引上速度の変化量に上限と下限を設け、変動幅が制限された引上速度出力を演算することにより、引上速度を一定の範囲内に制御することとしている。従来、通常の結晶を引上げる際の引上速度の変動幅は±0.5mm/min程度とされていた。
【0008】
さらに、このような引上速度の変化に応じて供給電力を制御するにあたっては、実際の引上速度となる演算値に基づいてヒータ温度を制御するための温度補正量を演算する温度補正演算を行ったほうが、より現実的で適正な温度補正ができると考えられていた。そのため、引上速度制御演算を行った直後の引上速度制御値ではなく、実際の引上速度となるスパン制限がなされ変動幅が制限された引上速度出力に基づき温度補正演算が行われていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前述のように特開平8−330316号によれば、V/G値を制御することにより、全面無欠陥シリコン単結晶やOSFリング位置を制御した単結晶が製造できることになるが、現実にV/G値をある狭い限定範囲内にして単結晶を成長させることはきわめて困難である。すなわち、特定のGを持つ炉内構造でVをある狭い範囲内にして成長しようとすると、成長している間に単結晶径が大きく変動したり、また単結晶径を引上速度にフィードバックして直径制御している場合にその変動を抑止しようとしてVが大きく変化したりする。
【0010】
このためVをある範囲内にするために、前記のように引上速度を全く変化させずに一定として目標直径に成長させようとして、供給電力だけで直径を制御すると、ヒータ温度に対する応答性の悪さから結晶を一定の目標直径に成長させることが困難となる。
【0011】
さらに、V/Gを制御することにより結晶欠陥をなくす方法により単結晶を引上げる際には、従来は引上速度のスパン制限を±0.5mm/min程度に制限していたのに対して、±0.01〜0.05mm/minの極めて狭い範囲にまで制限する必要がある。そのため、引上速度により単結晶径を制御するためには、このような狭い範囲にスパン制限がかかった引上速度制御値では不十分である。加えて、この狭い範囲にスパン制限がかかった引上速度制御値に対応して温度制御補正量も小さくなるため、成長する結晶の径変動を制御することがほとんどできなくなる。
【0012】
このように、従来のシリコン単結晶の製造方法及び製造装置においてV/Gを制御する方法により製造されたシリコン単結晶では、成長させる結晶径を十分に制御しつつ全面無欠陥シリコン単結晶を製造することができず、適当な対策が望まれていた。
【0013】
そこで本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、引上速度をほとんど変動させずに、成長単結晶の良好な直径制御を可能とするシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、チョクラルスキー法にてヒータにより溶融されたシリコン融液から種結晶を引上げてシリコン単結晶を製造する際に、前記シリコン単結晶の直径を検出し、該検出直径を引上速度と前記ヒータ温度にフィードバックすることによりシリコン単結晶の直径を制御して引上げを行うシリコン単結晶の製造方法において、
前記検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御値を演算し、該引上速度制御値に引上速度スパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力を得、且つ前記演算された引上速度制御値にスパン制限をする前に、引上速度制御値と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算してヒータ温度設定出力を得て、前記引上速度出力及びヒータ温度設定出力により引上速度及びヒータ温度を制御することによってシリコン単結晶の直径を制御することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である(請求項1)。
【0015】
このように本発明は、引上速度制御値に引上速度スパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力を得る一方で、演算された引上速度制御値にスパン制限をする前の変動幅が制限されていない引上速度制御値と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算してヒータ温度設定出力を得てヒータ温度を制御することによってシリコン単結晶の直径を制御することを特徴とする。
これにより、引上速度は制限されているにもかかわらず演算された温度補正量は従来に比べてダイナミックに変化するものとなり、スパン設定された引上速度で制御できない分を補って、直径制御性が向上し、従来の方法に比べてより直径変動の少ない良好な単結晶を得ることができる。
【0016】
また本発明は、少なくとも原料シリコン多結晶を溶融するヒータとシリコン単結晶引上手段とを有し、シリコン単結晶の直径を検出して引上速度とヒータ温度にフィードバックしてシリコン単結晶の直径を制御するチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造装置であって、
シリコン単結晶の直径を検出する直径検出手段と、前記直径検出手段により得た検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御値を演算する引上速度制御演算手段と、前記引上速度制御値にスパン制限を行うことにより引上速度の変動幅を制限する引上速度スパン制限手段と、前記引上速度制御値と設定引上速度とを比較して前記ヒータの温度補正量を演算する温度補正演算手段を具備し、前記温度補正演算手段は前記スパン制限を行う前の引上速度制御値と設定引上速度とを比較して前記ヒータの温度補正量を演算するものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造装置である(請求項2)。
【0017】
このように本発明のシリコン単結晶の製造装置は、直径検出手段と、引上速度制御演算手段と、引上速度スパン制限手段と、温度補正演算手段を具備し、前記温度補正演算手段は前記スパン制限を行う前の引上速度制御値と設定引上速度とを比較して前記ヒータの温度補正量を演算するものであることを特徴とする。
このため本発明の装置においては、温度補正量は、V/Gを制御する場合のように引上速度の変動幅をごく狭い範囲に制限したとしてもダイナミックに変動することとなり、全面無欠陥でありOSFリングの位置が制御された結晶性に優れ、かつ結晶直径の均一性にも優れたシリコン単結晶を製造することができる。
【0018】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、前述の課題を解決するための手段として、成長させる単結晶の検出直径を引上速度及びヒータ温度にフィードバックして直径を制御し、目標直径のシリコン単結晶を製造する方法において、例えばV/Gを一定に制御するために引上速度の変動幅を狭い範囲(例えば±0.02mm/min以下、望ましくは±0.01mm/min以下)に設定して単結晶を製造する際に、単結晶の直径と引上速度が目標範囲となるように、引上速度及びヒータ温度を変化させる方法に関するものであり、引上速度の変動幅を設ける前の検出直径に応じた引上速度制御値に対してヒータ温度を制御するものである。
【0019】
図2に示すように、従来の方法では、検出直径と設定直径とを比較することにより直径制御演算手段1から引上速度制御演算手段2により引上速度制御値を演算し、引上速度制御値に引上速度スパン制限手段3により引上速度スパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力を得る。そして、このスパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力と設定引上速度を比較することにより温度補正演算手段4でヒータ温度補正量を演算して、結晶成長長さに基づく基本温度パターン演算手段5による基本値に補正を加えてヒータ温度設定出力を得て、前記引上速度出力及びヒータ温度設定出力により引上速度及びヒータ温度を制御することによりシリコン単結晶の直径を制御していた。
【0020】
この方法において、スパン制限後の引上速度出力によりヒータ温度補正量を演算していた理由は、前述のように従来は実際の引上速度となる演算値に基づいて温度補正演算を行った方が、より現実的で適正な温度補正ができたからである。
【0021】
しかし、近年の高精度に引上速度を限定する引き上げでは、許容される引上速度の範囲が狭く、スパン制限後の引上速度制御値の変化量はかなり小さい。特に、V/Gを制御してシリコン単結晶の製造を行う場合には、引上速度が±0.02mm/min以下の変動幅にスパン制限されることとなり、引上速度制御値の変化量は極めて小さく、これにより温度補正量も極めて小さいものとなる。従って、温度補正量はごく小さいものとなり十分な直径制御を行うことが困難になった。
【0022】
そこで本発明では、図1に示すように、検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御演算手段2で引上速度制御値を演算し、該引上速度制御値に引上速度スパン制限手段3で引上速度スパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力を得ることは従来の方法と同じであるが、前記演算された引上速度制御値にスパン制限をする前に、引上速度制御値と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算してヒータ温度設定出力を得ることとした。このようにすれば、演算された温度補正量は従来の方法に比べてダイナミックに変化するものとなり、スパン設定された引上速度で制御できない分を補って直径制御性が向上し、従来の方法に比べて引上速度変動が小さいにもかかわらず、より直径変動の少ない良好な単結晶を製造することができる。
【0023】
この場合において、スパン制限が極めて小さな範囲の値で行われる場合には、温度補正量が大きくなるようにするため、温度補正制御演算と引上速度制御演算の一方あるいは両方でPID定数の微分項の大きさを増加するようにすれば良い。これにより各演算系における応答性が良好になり、直径のわずかな変化でも引上速度制御値は大きく変動することとなる。そして、この大きく変化する引上速度に応じて温度補正演算がなされ、温度パターンが大きく補正され、仮に引上速度による直径制御が十分できなくとも、温度による直径制御がその分を補うことができる。
【0024】
なお、このように引上速度制御演算で微分項の大きさを増加しゲインを大きくした場合には、引上速度制御値自体は大きくなる事になるが、次段の引上速度スパン制限手段3により引上速度制御値にスパン制限がかかるため、引上速度出力の変動幅は狭い範囲に保つことができ、引上速度自体は狭い一定の範囲に制御することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係るシリコン単結晶の製造装置は、特開平5−70283号に開示されているような公知の装置を基にして構成されている。図3に示すように、本発明の製造装置10は、上部をネック部12としたメインチャンバ11を有している。このメインチャンバ11のネック部12の上方にはゲートバルブ部13を介してプルチャンバ(図示せず)及び引上機構部(図示せず)が設けられている。
【0026】
このメインチャンバ11の内部には黒鉛ルツボ20に嵌合された石英ルツボ15が支持軸14を介して設置されている。石英ルツボ15を囲繞するように原料シリコン多結晶を溶融するヒータ18が設けられており、石英ルツボ15内に収容された原料シリコン多結晶を溶融してシリコン溶融液16とする。ヒータ18の周囲、及びシリコン溶融液16の上方に形成されるホットゾーンの周囲には、所望のGを持つ炉内構造とするために、場合によってはサブヒータが設けられることもある。
【0027】
シリコン単結晶引上手段22がプルチャンバから上下回転自在なように垂下される。図示の例では引上手段22は引上軸から成り、その先端には種結晶23が取付けられ、この種結晶23をシリコン溶融液16に漬け、ついでこの引上手段22を徐々に引上げることによってシリコン単結晶24を成長させつつ引上げるものである。また上記引上手段22としては、引上軸の他に、ワイヤ等の可撓手段を用いたものであっても良い。
【0028】
チャンバ11の肩部に設けられた窓には、シリコン単結晶24の直径を検出する直径検出手段21が配置され、直径検出手段21によりシリコン溶融液16とシリコン単結晶24との間の結晶育成界面17の付近を撮像することにより、シリコン単結晶24の直径を検出する。
【0029】
この直径検出手段21としては、例えばCCDカメラを用いることができ、石英ルツボ15内の結晶育成界面17とCCDカメラとの距離に基づいて補正を加え、CCDカメラが観察している領域で最も光度の高い輝環部の直径の算出がなされ、成長中の単結晶直径が演算で求められる(融液から単結晶に固化する際に凝固熱が発散され、最も光度が高くなり、従って、最も高度の高い輝環部が成長中の単結晶直径となる)。
【0030】
本発明の装置10では前記直径検出手段21により求められた単結晶直径を、引上速度及びヒータ温度にフィードバックすることによりシリコン単結晶の直径を制御することとなる。以下、本発明のシリコン単結晶製造の制御フローを述べる。
【0031】
図1は、本発明のシリコン単結晶直径の制御フローを示したものである。まず直径制御演算手段1において、設定直径と検出直径とを比較して直径制御演算を行い、現実に成長されている単結晶の径と設定直径との差分を抽出する。
【0032】
引上速度制御演算手段2においては、前記直径制御演算手段1で求められた単結晶直径を基にして、引上速度制御演算がなされ、前記検出直径が設定直径よりも大きい場合、引上速度を設定速度よりも速くし、逆に設定直径よりも小さい場合、引上速度を設定速度よりも遅くする。この際の引上速度による直径制御は応答性が速く、単結晶直径を急激に変化させることができるが、そのために要求される引上速度の変化量は直径の僅かな変化であっても大きなものとなり、引上速度を一定の範囲に制御することができない。
【0033】
このため、引上速度制御演算の後に、引上速度スパン制限手段3において、引上速度スパン制限を行うことで、引上速度の変化量に上限と下限を設け、引上速度を所望の一定範囲内に制御することができる。このスパン制限された引上速度出力をシリコン単結晶引上手段に与えることにより、引上速度が制御される。
【0034】
一方、前述のように本発明の装置では、前記スパン制限を行う前の引上速度制御値と設定引上速度とを比較して、その差分を温度補正演算手段4に与え、温度補正量を演算する。また、結晶成長の長さが基本温度パターン演算手段5に与えられ、ヒータ温度の基本値とする基本温度値が求められる。この基本温度値に前述の温度補正量が加えられることにより、ヒータ温度設定出力を得ることができる。このヒータ温度設定出力はヒータに与えられ、ヒータ18に与えられる電力を調整することによりヒータ温度を制御する。
【0035】
このように、スパン設定される前の変化量が大きい引上速度制御値を用いて温度補正演算を行うことにより、引上速度の変動範囲が狭く制限されていても、十分に径変動を防止することができる。
【0036】
ここで、スパン制御による引上速度制御値の変動幅が、例えば±0.01mm/minと狭い範囲に制限されている場合には、温度補正制御演算と引上速度制御演算の両方でPID定数の値を変更するのが好ましい。
より具体的には、例えば温度補正制御演算では、通常品に対する低欠陥品の定数値について、比例項Pを1/2倍、微分項Dを4倍、積分項Iを0とし、ゲインを3倍とする。また、引上速度制御演算では、通常品に対する低欠陥品の定数値について、比例項Pを2倍、微分項Dを6倍、積分項を1/50倍とする。
これらのようにPID定数の値を変更することにより、温度補正量の応答性は速くなり、引上速度制御値の変動幅が狭い範囲に限定されている場合であっても、応答性にすぐれた結晶径制御を行うことができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図3に記載したような本発明の単結晶製造装置により、直径6インチ、軸方位が<100>、導電型がP型のシリコン単結晶を直径18インチの石英ルツボから成長させた。成長させる単結晶断面のOSFリングを目標とする位置に制御することとし、単結晶断面の全面に亘って検出可能なGrown−in欠陥が存在しないようにするために、炉内の熱分布Gに応じて引上速度Vを0.6±0.01mm/minに制御して、単結晶が炉内で受ける熱履歴を一定に保った。温度補正演算等の単結晶直径の制御は、図1に示すような本発明のスパン制限をする前に、引上速度制御値と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算する方法により行った。単結晶製造後の直径制御状況を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003867476
【0039】
表1に示すように、実施例1で製造されたシリコン単結晶は、引上速度の変動幅が±0.01mm/minと極めて狭い範囲に制限されているにもかかわらず、単結晶直径の径変動は目標値の±6mmまで抑えられ、歩留りも80%と高い数値となった。しかし、一部に製品直径よりも小さい部分もあった。
【0040】
(実施例2)
実施例1の装置を用いて同様に、炉内の熱分布Gに応じて引上速度Vを0.6±0.01mm/minに制御してシリコン単結晶の製造を行った。この時、温度補正演算手段4においては、PID制御要素の定数を比例項Pは実施例1の1/2倍、微分項Dを実施例1の4倍とし、積分項Iは0として、ゲインを3倍とした。また引上速度制御演算では、比例項Pを実施例1の2倍、微分項Dを6倍、積分項Iを1/50倍とした。単結晶製造後の直径制御状況を表1に併記した。
【0041】
表1より、実施例2で製造されたシリコン単結晶は、実施例1と同じ引上速度の変動幅にもかかわらず、単結晶直径の径変動は目標値の±2mmとさらに抑えられたものとなった。加えて、実施例2においては製造された単結晶の直胴部の全てを製品として用いることができ、収率は100%となった。
【0042】
(比較例)
図3に記載されている本発明のシリコン単結晶の製造装置と炉内構造等は同様であるが、図2に示すような従来方法のスパン制限をした後の引上速度出力と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算する方法により行った。単結晶製造後の直径制御状況を表1に併記した。
【0043】
表1より、スパン制限により変化量を制限された引上速度出力を基に温度補正演算を行っても温度補正量は小さく、基本温度値をほとんど補正できなかった。そのため製造された単結晶の径変動は目標直径の±10mmにも及び、製品直径よりも小さい部分が複数箇所できてしまったため、収率は50%に止まった。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
例えば、本発明のシリコン単結晶製造の例としては、V/Gを制御しつつシリコン単結晶を製造する例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、通常の引上速度の変動範囲でシリコン単結晶の引上げを行う場合であっても適用することが可能である。また本発明のチョクラルスキー法にはいわゆる磁場を印加するMCZ法も含まれる。
【0046】
【発明の効果】
単結晶の直径を目標範囲内としながら、引上速度Vをほぼ一定で単結晶を成長させることができ、単結晶の全長にわたって目標とする引上速度にできる。よって、引上速度Vをほぼ一定で、単結晶内温度勾配の平均値G(℃/mm)が特定された炉内構造を使用すれば、V/Gが所定範囲の単結晶を成長することができる。それにより、全面無欠陥であるシリコン単結晶や所望の位置にOSFリングを発生させ、あるいは消滅させたシリコン単結晶を得ることが可能となる。
また、従来の方法に比べて、製造する単結晶の直径制御特性を向上することができ、直径変動が少なくほぼ目標直径通りの単結晶が製造できる。したがって、直径変動による単結晶のロス(製品規格直径に合わせて表面を円筒状に研削するときに発生するロス)を軽減でき、製造歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶の製造装置のシリコン単結晶直径の制御フローを示した図である。
【図2】従来のシリコン単結晶の製造装置のシリコン単結晶直径の制御フローを示した図である。
【図3】本発明のシリコン単結晶の製造装置の構成の一例を示した概略図である。
【符号の説明】
1…直径制御演算手段、 2…引上速度制御演算、
3…引上速度スパン制限手段、 4…温度補正演算手段、
5…基本温度パターン演算手段、
10…シリコン単結晶製造装置、 11…メインチャンバ、 12…ネック部、
13…ゲートバルブ部、 14…支持軸、 15…石英ルツボ、
16…シリコン溶融液、 17…結晶育成界面、 18…ヒータ、
19…断熱材、 20…黒鉛ルツボ、 21…直径検出手段、 22…引上手段、
23…種結晶、 24…シリコン単結晶。

Claims (2)

  1. チョクラルスキー法にてヒータにより溶融されたシリコン融液から種結晶を引上げてシリコン単結晶を製造する際に、前記シリコン単結晶の直径を検出し、該検出直径を引上速度と前記ヒータ温度にフィードバックすることによりシリコン単結晶の直径を制御して引上げを行うシリコン単結晶の製造方法において、
    前記検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御値を演算し、該引上速度制御値に引上速度スパン制限を行い変動幅が制限された引上速度出力を得、且つ前記演算された引上速度制御値にスパン制限をする前に、引上速度制御値と設定引上速度を比較することによりヒータ温度補正量を演算してヒータ温度設定出力を得て、前記引上速度出力及びヒータ温度設定出力により引上速度及びヒータ温度を制御することによってシリコン単結晶の直径を制御することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 少なくとも原料シリコン多結晶を溶融するヒータとシリコン単結晶引上手段とを有し、シリコン単結晶の直径を検出して引上速度とヒータ温度にフィードバックしてシリコン単結晶の直径を制御するチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造装置であって、
    シリコン単結晶の直径を検出する直径検出手段と、前記直径検出手段により得た検出直径と設定直径とを比較することにより引上速度制御値を演算する引上速度制御演算手段と、前記引上速度制御値にスパン制限を行うことにより引上速度の変動幅を制限する引上速度スパン制限手段と、前記引上速度制御値と設定引上速度とを比較して前記ヒータの温度補正量を演算する温度補正演算手段を具備し、前記温度補正演算手段は前記スパン制限を行う前の引上速度制御値と設定引上速度とを比較して前記ヒータの温度補正量を演算するものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造装置。
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