JP2004161566A - シリコンウェーハの製造方法およびその製造装置およびシリコンウェーハ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】引上げ機構によるシリコン結晶10の引上げ速度Vを調整するとともに、クーラの冷却量を調整して、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、成長速度Vが限界速度Vmaxの97%〜75%の範囲で固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、シリコン結晶10が引上げ成長される。これによりウェーハ面内にOSF領域が存在しないシリコンウェーハが製造される。また引上げ機構4による引上げ速度Vを調整するとともに、クーラの冷却量を調整して、前記G1を大きくさせた状態で、V/G1を臨界値近傍まで低下させて、シリコン結晶が引上げ成長される。これにより面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSFが存在しないシリコンウェーハが製造される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコンウェーハの製造方法およびその製造装置およびシリコンウェーハに関し、特に、ボイド欠陥のサイズ、ボイド欠陥の密度を減らすことができる製造方法、製造装置およびこれらによって製造されたシリコンウェーハに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
シリコン結晶はCZ(チョクラルスキー法)によって引上げ成長されることによって製造される。引上げ成長されたシリコン結晶のインゴットはシリコンウェーハにスライスされる。半導体デバイスはシリコンウェーハの表面にデバイス層を形成するデバイス工程を経て作成される。
【0003】
しかしシリコン結晶の成長の過程でグローイン(Grown−in)欠陥(結晶成長時導入欠陥)と呼ばれる結晶欠陥が発生する。
【0004】
近年、半導体回路の高集積化、微細化の進展に伴い、シリコンウェーハのうちデバイスが作成される表層近くには、こうしたグローイン欠陥が存在することが許されなくなってきている。このため無欠陥結晶の製造の可能性が検討されている。
【0005】
一般にシリコン結晶に含まれデバイスの特性を劣化させる結晶欠陥は、以下の3種類の欠陥である。
【0006】
a) COP(Crytstal Originated Particle)などと呼ばれる、空孔が凝集して生じるボイド ( 空洞 )欠陥。
【0007】
b)OSF ( 酸化誘起積層欠陥, Oxidation Induced Stacking Fault )
c) 格子間シリコンが凝集して生じる転位ループクラスタ(格子間シリコン型転位欠陥、I−defect)。
【0008】
無欠陥のシリコン単結晶とは、上記3種の欠陥のいずれも含まないか、実質的に含まない結晶として認識ないしは定義されている。
【0009】
上記3種の欠陥の発生挙動は成長条件によって以下のように変化することが知られている。図2を併せ参照して説明する。図2において横軸は、後述する成長条件V/G1であり、G1を固定とすれば成長速度Vの関数と考えられる。図2において100A、100B、100C、100D、100Eはシリコン結晶10から取得されるシリコンウェーハ100の面中心と端(エッジ)の間における各種欠陥のサイズと密度を概念的に示している。シリコンウェーハ100の面中心と端は、シリコン結晶10の結晶中心と結晶端(結晶外周)に対応している。
【0010】
i)成長速度Vが速い場合には、図2に100A、100Bに示されるように、シリコン結晶10は空孔型点欠陥が過剰となり、ボイド欠陥のみが発生する。
【0011】
ii)成長速度Vを減じると、シリコン結晶10の外周付近にリング状にOSF(R−OSF)が発生し、R−OSF部の内側にボイド欠陥が存在する構造となる。
【0012】
iii)成長速度Vを更に減じると、リング状のOSF(R−OSF)の半径は減少し、リング状OSF部の外側に欠陥が存在しない領域が、その外側には転位ループクラスタが生じ、R−OSF部の内側にボイド欠陥が存在する構造となる。
【0013】
iV)さらに成長速度Vを減じると、100Eに示すように、シリコン結晶10全体に転位ループラスタが存在する構造となる。
【0014】
上述した現象が起こるのは成長速度Vの減少に伴いシリコン結晶10が空孔型点欠陥過剰な状態から格子間シリコン型点欠陥過剰な状態へと変化するためであると考えられており、その変化はシリコン結晶10の外周部から始まると理解されている。
【0015】
上記3種の欠陥のうち特にa)のボイド欠陥は、微細化したデバイスで素子分離不良などの原因となるため、その低減が特に必要とされている。
【0016】
ボイド欠陥は、結晶成長時にシリコン融液から取り込まれた原子空孔(点欠陥)が、結晶冷却中に臨界過飽和度に達することによって凝集して生じるものであり、その欠陥検出方法によってLPD(レーザ パーティクル ディフェクト)、COP(クリスタル オリジネイティド パーティクル)、FPD(フロー パターン ディフェクト)、LSTD(レーザ スキャッタリング トモグラフィ ディフェクト)などと呼ばれる。
【0017】
現状では図2に100A、100Bに示されるように、シリコン結晶10はボイド欠陥がシリコンウェーハ全面に存在するような領域で作成されている。このシリコン結晶10から取得されたシリコンウェーハ100では、表面にボイド欠陥が顕在化したCOPが存在する。シリコンウェーハ表層の無欠陥の完全性が要求され、特にデバイス線幅がCOPサイズ近くまで微細化が進んだ現在では、COPの低減が必要になっている。
【0018】
欠陥が存在しないシリコン結晶10を製造すればCOPが存在しないシリコンウェーハが得られる。しかし、そのためのシリコン結晶製造には非常に精密な引上げ制御が必要であり、また生産性も劣るという欠点がある。
【0019】
ここでデバイス回路が作成される表層付近においてCOPなどのグローイン欠陥を含まないシリコンウェーハを得るための方法の1つに、「エピタキシャル成長によりウェーハ表面に無欠陥層を成長させる」という方法がある。しかしこの方法はエピタキシャル成長層形成の工程が入るためポリッシュドウェーハに比べて製造コストが高くなってしまうという問題がある。また水素やアルゴン雰囲気下でアニールする方法も同様にウェーハ表層付近をCOPなどを含まない無欠陥層とすることができるが、アニールの工程が入るため同様にポリッシュドウェーハに比してコスト高を招く。
【0020】
デバイスの品質を保証する上で必ずしもCOPの完全除去は必要でなく、そのサイズを一定レベル以下に小さくできればデバイス不良の歩留まりを向上させることができる。つまりCOPサイズをデバイス線幅よりも小さくすれば素子分離する上で問題がなくデバイス不良に与える影響は少ない。具体的にはパーティクルカウンタで測定される約0.10μm以上のCOPが問題視されておりその低減が必要であるものの、その大きさより低いサイズのCOPについては影響は小さいことがわかってきている。
【0021】
以上のように製造コスト、価格の優位性を考慮して完全にCOPを排除するのではなく、COPが存在するものの通常よりもCOPが微細化されサイズの大きいCOPを減少させたポリッシュドウェーハを製造することが必要になってきている。
【0022】
ここでボイド欠陥の形成メカニズムについて図1を参照して説明する。図1(a)はシリコン融液5から引上げ成長されるシリコン結晶10中の欠陥を概念的に示し、図1(b)は図1(a)に対応させてシリコン結晶10の軸方向の温度と点欠陥濃度、ボイド欠陥密度との関係を示している。図1(b)においてCvはシリコン結晶10中の空孔濃度で、Cv,eqはシリコン結晶10中の空孔の熱平衡濃度である。空孔が過剰に取り込まれた場合、温度の低下に伴い空孔の過飽和度(Cv/Cv,eq)が増加し、臨界値に達したところでボイド欠陥が形成される。
【0023】
同図1に示すように、シリコン融点(約1350゜C)近傍(〜約1150゜C)では空孔過飽和度が臨界値に達していないため点欠陥のままでボイド欠陥が形成されないが、空孔過飽和度が臨界値に達するとボイド欠陥が発生し始めボイド欠陥発生温度帯(約1150゜C〜約1080゜C)でボイド欠陥密度が徐々に増加し一定の密度に達する。
【0024】
このようにボイド欠陥の発生、成長は、結晶成長中にシリコン結晶が受ける熱履歴に強く影響を受ける。特に融点近傍の軸方向温度勾配G1、ボイド欠陥発生温度帯での軸方向温度勾配G2、シリコン結晶10の成長速度Vがボイド欠陥の密度、サイズを制御する重要なパラメータとなる。
【0025】
ボイド欠陥のサイズ、密度は、結晶引上げ中の熱履歴を表した成長条件V/G1、V・G2に影響されることが知られている。このうち成長条件V/G1はボイド欠陥を構成する空孔量に影響し、初期に導入される空孔濃度を決定する。成長条件V・G2はボイド欠陥発生温度帯での結晶冷却速度であり、ボイド欠陥の成長に影響する。
【0026】
成長条件V/G1(V・G2)と点欠陥(空孔)濃度と欠陥種の関係は前掲した図2に示す概念図で表される。
【0027】
現状では、図2に100A、100Bで示されるように、OSF領域を結晶外周に逃がした比較的空孔濃度の安定した高V/G1の領域で、ボイド欠陥発生温度帯における冷却速度V・G2を変化させてボイド欠陥の密度、サイズを制御している(通常条件)。
【0028】
ボイド欠陥の密度とサイズの間の関係は図3に示されるように、概ね逆比例の関係にあり、欠陥サイズは冷却速度V・G2が大きくなるほど小さくなり、欠陥密度は冷却速度V・G2が小さくなるほど大きくなる。高V/G1の領域では、ボイド欠陥を構成する総空孔濃度はほぼ一定であり、V/G1は殆ど影響せず冷却速度V・G2だけで100A、100Bに示すように欠陥の密度とサイズが決定される。
【0029】
しかしV/G1がボイド欠陥領域からOSF領域に変化する臨界値に近い領域では、100C、100Dに示されるように、V/G1が臨界値に近づき総空孔濃度が低くなるほど、V/G1の影響によって欠陥サイズを小さくする効果が顕れる(低V/G1効果)。すなわちボイド欠陥のサイズは、V/G1が臨界値に近い領域では、V/G1が小さいほどV・G2が大きいほど、小さくなる。このメカニズムについて説明する。
【0030】
ボイド欠陥は、空孔の過飽和度が臨界値を超えてから形成される。総空孔濃度が低い場合には図1(b)に一点鎖線で示すように空孔の過飽和度C′v/Cv,eqが臨界値(臨界過飽和度)を超えるときの温度が低くなる。このためボイド欠陥の形成温度が低下するとともにボイド欠陥の成長速度(空孔の凝集速度)が低下してボイドサイズが大きくならない。また空孔過飽和度の解消が遅れ過剰空孔を吸収するため新規にボイドの核が発生する結果、ボイド欠陥密度は増加するがボイド欠陥サイズは大きくならない。
【0031】
更にシリコンウェーハの性能保証ということを考慮すると、シリコンウェーハ100の径方向(面中心〜端)で、ボイド欠陥サイズが小さい状態を均一に作り出すことが必要になる。シリコン結晶10は、その表面から抜熱されるため融点近傍の軸方向温度勾配G1の径方向分布は結晶中心で小さくシリコン結晶外周にいくに従って大きくなっていく。このためG1が分布差が大きいと、低V/G1を達成するために成長速度Vを低下させていくだけでは、シリコンウェーハ100の周辺部ではV/G1が相対的に低くなり、周辺部でR−OSFが発生したり、ウェーハ面内でボイド欠陥サイズ、ボイド欠陥密度が不均一になることから部分的に欠陥サイズ、密度が増大するおそれがある。
【0032】
つぎに特許文献に示された従来技術について説明する。
【0033】
(従来技術1)
特許文献1(特開2001−278692号公報)には、シリコン結晶中心における成長条件V/G1、V・G2(ただしボイド欠陥発生温度帯通過時間で定義されている)を制御することにより、サイズの大きなCOPを減少させるという発明が記載されている。しかしこの特許文献1では、温度勾配G1を結晶中心で規定しており、温度勾配G1の径方向分布については何ら考慮されていない。このため上述したようにウェーハ周辺部でR−OSFが発生したり、ウェーハ面内で部分的に欠陥サイズ、密度が増大するおそれがある。また特許文献1には、成長中のシリコン結晶を急冷する冷却筒を設けて温度勾配G1を大きくするという技術が記載されている。
【0034】
(従来技術2)
特許文献2(特開2000−313695号公報)には、成長条件V/G1の径方向分布(ΔV/G1)を10%以下にして、COPを減少させるという発明が記載されている。しかし後述するように単に成長条件V/G1の径方向分布(ΔV/G1)というパラメータを制御しただけでは、成長速度Vを一定レベル以上に上げることができない。引上げ速度に限界があることから生産性が損なわれるおそれがある。
【0035】
(従来技術3)
本出願人に係る特許文献3(特開2001−261495号公報)には、シリコン結晶10とシリコン融液との境界である固液界面の形状によって、臨界値、V/G1の径方向分布が変化することが記載されている。
【0036】
ここで上述した従来技術1、2は、固液界面の形状を何ら考慮したものではない。すなわち従来技術1、2において、固液界面の形状を考慮して臨界値、V/G1の径方向分布の変化を捕らえないと、精度よく欠陥サイズ、密度を制御することができない。
【0037】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、生産性を損なうことなくボイド欠陥のサイズ、密度を精度よく一定レベル以下に制御できるようにしてデバイス不良の歩留まりを向上させることを解決課題とするものである。
【0038】
【課題を解決するための手段、作用および効果】
第1発明は、
シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、シリコン結晶引上げ中の融液とシリコン結晶との境界である固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1(V:成長速度、G1:シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配)を臨界値近傍まで低下させて、
シリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0039】
第2発明は、第1発明において、
クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、成長速度VがVmax(シリコン結晶が変形せずに成長できる限界成長速度)の97%〜75%の範囲で前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0040】
第3発明は、第1発明において、
クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させること
を特徴とする。
【0041】
第4発明は、第1発明において、
シリコン融液に磁場を印加することにより、前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にすること
を特徴とする。
【0042】
第5発明は、第1発明において、
クーラによってシリコン結晶を冷却するとともに、シリコン結晶の回転数またはシリコン融液を収容するるつぼの回転数を調整することにより
、前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にすること
を特徴とする。
【0043】
第6発明は、
シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0044】
第7発明は、第6発明において、
シリコン結晶中の酸素濃度が12.5×1017atoms/cm3 (1979年ASTM)以下に制御されること
を特徴とする。
【0045】
第8発明は、第6発明において、
シリコンウェーハでOSF核がOSFに顕在化しないように、シリコンウェーハに1000゜C以上の熱処理を施すこと
を特徴とする。
【0046】
第9発明は、第6発明において、
シリコンウェーハでOSF核がOSFに顕在化しないように、かつシリコンウェーハ表層でボイド欠陥が消滅するように、シリコンウェーハに非酸化性雰囲気で1000゜C以上の熱処理を施すこと
を特徴とする。
【0047】
第10発明は、
シリコン融液からシリコン結晶を引上げ機構によって引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造装置において、
前記シリコン融液の上方に、シリコン結晶を冷却するクーラが設けられ、
前記引上げ機構によるシリコン結晶引上げ速度と、前記クーラの冷却量を調整することにより、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、シリコン結晶引上げ中の融液とシリコン結晶との境界である固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1(V:成長速度、G1:シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配)を臨界値近傍まで低下させて、
シリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0048】
第11発明は、第10発明において、
クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、成長速度VがVmax(シリコン結晶が変形せずに成長できる限界成長速度)の97%〜75%の範囲で前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0049】
第12発明は、
シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造装置において、
前記シリコン融液の上方に、シリコン結晶を冷却するクーラが設けられ、
前記引上げ機構によるシリコン結晶引上げ速度と、前記クーラの冷却量を調整することにより、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする。
【0050】
第13発明は、第10発明または第12発明において、
前記クーラは、シリコン融液から30mm〜500mmの距離に、シリコン結晶を囲むように配置されていること
を特徴とする。
【0051】
第14発明は、第10発明または第12発明において、
前記シリコン融液の上方に、熱遮蔽板が設けられ、当該熱遮蔽板の下端とシリコン融液表面との間隙のギャップが、20mm〜100mmに設定されていること
を特徴とする。
【0052】
第15発明は、
シリコン融液から引上げ成長されることによって取得されたシリコンウェーハであって、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在せず、シリコンウェーハ全面における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下でって、シリコンウェーハ全面における平均ボイド欠陥サイズが100nm以下であるシリコンウェーハであることを特徴とする。
【0053】
第16発明は、
シリコン融液から引上げ成長されることによって取得されたシリコンウェーハであって、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在せず、シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域ににおける平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下であって、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下であるシリコンウェーハであることを特徴とする。
【0054】
第1発明、第2発明、第3発明、第4発明、第5発明、第10発明、第11発明、第13発明、第14発明では、ウェーハ面内にOSF領域が存在しないシリコンウェーハが製造される。
【0055】
本発明では、引上げ機構4によるシリコン結晶10の引上げ速度Vを調整するとともに、クーラ30の冷却量を調整して、シリコン結晶10の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、成長速度VがVmax(シリコン結晶が変形せずに成長できる限界成長速度)の97%〜75%の範囲で固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、シリコン結晶10が引上げ成長される。なおクーラ30の冷却量を調整することに加え必要に応じてシリコン結晶回転数S/R、るつぼ回転数C/Rが調整されて固液界面が融液面に対して上に凸の形状にされる。またクーラ30の冷却量を調整する代わりに磁場をシリコン融液に印加することで固液界面が融液面に対して上に凸の形状にされる。
【0056】
クーラ30でシリコン結晶10を冷却することでG1が増加し、V/G1を臨界値近傍まで低下させたときの速度VをVmaxの75%以上に高く維持することができる(図10)。図10は、直径200mmのシリコン結晶10の成長速度と固液界面形状の関係を示したものである。この図10でVmaxは1.48mm/minに相当し、Vmaxの75%のVの値は1.11mm/minに相当する。ただしボイド欠陥サイズの縮小効果を得るために引き上げ速度Vは、OSFを発生させない下限速度(Vmaxの75%)近傍の低速にすることが望ましい(図12)。低速とはいえクーラ30のない通常の引上げ条件でOSFを発生させない下限引上げ速度(0.76mm:図8)と比較しても十分高速であり、生産性が劣ることはない。
【0057】
本発明によれば、固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させているので、図7(c)と同様にウェーハ面内でのV/G1の径方向分布が一定レベル以上に均一になりウェーハ面内でOSFを発生させないようにすることができるとともに、低V/G1効果によりボイド欠陥のサイズ、密度を縮小することができる。しかも速度Vは通常条件より高く維持されているのでV・G2が大きくなり、高V・G2効果により欠陥サイズを更に小さくすることができる(図3参照)。このため図2に100Dで示すシリコンウェーハが得られ、シリコンウェーハ100Dの全面にわたるボイド欠陥のサイズ、密度を図5に斜線に示すレベルまで小さくすることができる。図2でシリコンウェーハ100Dの図中横幅が通常条件で得られるシリコンウェーハ100A、100Bの横幅よりも狭くなっているのは、ウェーハ面内でV/G1が均一化され、ボイド欠陥サイズ、密度がウェーハ面内で均一に縮小されていることを示している。
【0058】
しかも本発明では、クーラ30を用いて固液界面を上に凸形状にしたので、水平磁場印加で同様のことを達成する場合と比較して装置コストを低く抑えることができる。
【0059】
第6発明、第7発明、第8発明、第9発明、第12発明、第13発明、第14発明では、シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSFが存在しないシリコンウェーハが製造される。
【0060】
本発明では、引上げ機構4によるシリコン結晶10の引上げ速度Vを調整するとともに、クーラ30の冷却量を調整して、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、シリコン結晶10が引上げ成長される。
【0061】
本発明によればクーラ30でシリコン結晶10を冷却することでG1が増加し、V/G1を臨界値近傍まで低下させたときの速度Vを高く維持することができる。ただしシリコン結晶10の外周部にOSF領域が発生することを許容しているため図10に示すように固液界面はやや下に凸の形状になるとともに、図12に示すように引上げ速度VはVmaxの70%程度となりOSF領域の存在を許容しない場合よりも低くなる。このため引上げ速度Vの更なる低下によりボイド欠陥サイズの縮小効果が一層高まる。低速とはいえ通常の引上げ条件でOSFを発生させない下限引上げ速度(0.76mm:図8)と同程度のレベルであり、生産性が劣ることはない。
【0062】
本発明によれば、V/G1を臨界値近傍まで低下させているので低V/G1効果が得られ、ボイド欠陥のサイズ、密度を縮小することができる。しかも速度Vは通常条件と同レベルに高く維持されているのでV・G2が大きくなり、高V・G2効果により欠陥サイズを更に小さくすることができる(図3参照)。このため図2に100Cで示すシリコンウェーハが得られ、シリコンウェーハ100Cの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域において、ボイド欠陥のサイズ、密度を図5に斜線に示すレベルまで小さくすることができる。
【0063】
図2でシリコンウェーハ100Cの図中横幅が通常条件で得られるシリコンウェーハ100A、100Bの横幅よりも狭くなっているのは、ウェーハ面内でV/G1が均一化され、ボイド欠陥サイズ、密度がウェーハ面内で均一に縮小されていることを示している。
【0064】
第15発明は、第1発明、第2発明、第3発明、第4発明、第5発明、第10発明、第11発明、第13発明、第14発明の製造方法、製造装置によって製造されたシリコンウェーハである。本発明のシリコンウェーハ100Dは面中心〜端のシリコンウェーハ全面においてOSF領域が存在しないように製造される。図5の斜線で示される領域は,本発明のシリコンウェーハ100Dの全面における平均ボイド欠陥密度、平均ボイド欠陥サイズの範囲を示している。本発明のシリコンウェーハ100Dはウェーハ全面における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下となり、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下となる。
【0065】
第16発明は、第6発明、第7発明、第8発明、第9発明、第12発明、第13発明、第14発明の製造方法、製造装置によって製造されたシリコンウェーハである。本発明のシリコンウェーハ100Cはシリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF領域が存在しないように製造される。図5の斜線で示される領域は,本発明のシリコンウェーハ100CのR−OSFの内側領域における平均ボイド欠陥密度、平均ボイド欠陥サイズの範囲を示している。本発明のシリコンウェーハ100CはR−OSFの内側領域における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下となり、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下となる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0067】
図15は実施形態に用いられるシリコン結晶製造装置の構成の一例を側面からみた図である。
【0068】
同図15に示すように、実施形態の単結晶引上げ装置1は、単結晶引上げ用容器としてのCZ炉(チャンバ)2を備えている。
【0069】
CZ炉2内には、多結晶シリコンの原料を溶融して融液5として収容する石英るつぼ3が設けられている。石英るつぼ3は、その外側が黒鉛るつぼ11によって覆われている。石英るつぼ3の外側にあって側方には、石英るつぼ3内の多結晶シリコン原料を加熱して溶融する主ヒータ9が設けられている。石英るつぼ3の底部には、石英るつぼ底面を補助的に加熱して、石英るつぼ3の底部の融液5の固化を防止する補助ヒータ(ボトムヒータ)19が設けられている。主ヒータ9、補助ヒータ19はそれらの出力(パワー;kW)は独立して制御され、融液5に対する加熱量が独立して調整される。たとえば、融液5の温度が検出され、検出温度をフィードバック量とし融液5の温度が目標温度になるように、主ヒータ9、補助ヒータ19の各出力が制御される。
【0070】
主ヒータ9とCZ炉2の内壁との間には、保温筒13が設けられている。
【0071】
石英るつぼ3の上方には引上げ機構4が設けられている。引上げ機構4は、引上げ軸4aと引上げ軸4aの先端のシードチャック4cを含む。シードチャック4cによって種結晶14が把持される。
【0072】
石英るつぼ3内で多結晶シリコン(Si)が加熱され溶融される。融液5の温度が安定化すると、引上げ機構4が動作し融液5からシリコン結晶10(シリコン単結晶)が引き上げられる。すなわち引上げ軸4aが降下され引上げ軸4aの先端のシードチャック4cに把持された種結晶14が融液5に浸漬される。種結晶14を融液5になじませた後引上げ軸4aが上昇する。シードチャック4cに把持された種結晶14が上昇するに応じてシリコン結晶10が成長する。引上げの際、石英るつぼ3は回転軸110によって回転速度C/Rで回転する。また引上げ機構4の引上げ軸4aは回転軸110と逆方向にあるいは同方向に回転速度S/Rで回転する。
【0073】
回転軸110は鉛直方向に駆動することができ、石英るつぼ3を上下動させ任意の位置に移動させることができる。
【0074】
CZ炉2内と外気を遮断することで炉2内は真空(たとえば20Torr程度)に維持される。すなわちCZ炉2には不活性ガスとしてのアルゴンガス7が供給され、CZ炉2の排気口からポンプによって排気される。これにより炉2内は所定の圧力に減圧される。
【0075】
単結晶引上げのプロセス(1バッチ)の間で、CZ炉2内には種々の蒸発物が発生する。そこでCZ炉2にアルゴンガス7を供給してCZ炉2外に蒸発物とともに排気してCZ炉2内から蒸発物を除去しクリーンにしている。アルゴンガス7の供給流量は1バッチ中の各工程ごとに設定する。
【0076】
シリコン結晶10の引上げに伴い融液5が減少する。融液5の減少に伴い融液5と石英るつぼ3との接触面積が変化し石英るつぼ3からの酸素溶解量が変化する。この変化が、引き上げられるシリコン結晶10中の酸素濃度分布に影響を与える。そこで、これを防止するために、融液5が減少した石英るつぼ3内に多結晶シリコン原料または単結晶シリコン原料を引上げ後あるいは引上げ中に追加供給してもよい。
【0077】
石英るつぼ3の上方にあって、シリコン結晶10の周囲には、略逆円錐台形状の熱遮蔽板8(ガス整流筒)が設けられている。熱遮蔽板8は、保温筒13に支持されている。熱遮蔽板8は、CZ炉2内に上方より供給されるキャリアガスとしてのアルゴンガス7を、融液表面5aの中央に導き、さらに融液表面5aを通過させて融液表面5aの周縁部に導く。そして、アルゴンガス7は、融液5から蒸発したガスとともに、CZ炉2の下部に設けた排気口から排出される。このため液面上のガス流速を安定化することができ、融液5から蒸発する酸素を安定な状態に保つことができる。
【0078】
また熱遮蔽板8は、種結晶14および種結晶14により成長されるシリコン結晶10を、石英るつぼ3、融液5、主ヒータ9などの高温部で発生する輻射熱から、断熱、遮蔽する。また熱遮蔽板8は、シリコン結晶10に、炉内で発生した不純物(たとえばシリコン酸化物)等が付着して、単結晶育成を阻害することを防止する。熱遮蔽板8の下端と融液表面5aとの間隙のギャップ20の大きさは、回転軸110を上昇下降させ、石英るつぼ3の上下方向位置を変化させることで調整することができる。また熱遮蔽板8を昇降装置により上下方向に移動させてギャップ20を調整してもよい。
【0079】
シリコン融液5の上方にあって、シリコン融液5から30mm〜500mmの距離には、シリコン結晶10を囲むようにシリコン結晶10を冷却するクーラ30が設けられている。
【0080】
ギャップ20、引上げ軸4aの引上げ速度V、クーラ30の冷却量を調整することによって、後述するようにV/G1(V:成長速度、G1:シリコン結晶10の融点近傍での軸方向温度勾配)、V・G2(V:成長速度、G2:シリコン結晶のボイド欠陥発生温度帯での軸方向温度勾配)、成長速度V、シリコン結晶10の融点近傍での軸方向温度勾配G1、シリコン結晶10の融点近傍での軸方向温度勾配G1の径方向分布の各パラメータが制御される。
【0081】
また引上げ中に、るつぼ回転数C/R、引上げ軸回転数S/R、アルゴンガス流量、炉内圧等を調整することによって、シリコン結晶10中の酸素濃度(atoms/cm3)が制御される。
【0082】
図15の装置によって製造されたシリコン結晶10のインゴットは切断装置によって切断されて、シリコンウェーハ100が採取される。
【0083】
(第1の実施形態)
図2に示す100Dは、第1の実施形態のシリコンウェーハを示している。実施形態のシリコンウェーハ100Dは面中心〜端のシリコンウェーハ全面においてOSF領域が存在しないように製造される。
【0084】
図5の斜線で示される領域は,第1の実施形態のシリコンウェーハ100Dの全面における平均ボイド欠陥密度、平均ボイド欠陥サイズの範囲を示している。第1の実施形態のシリコンウェーハ100Dはウェーハ全面における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下となり、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下となる。
【0085】
第1の実施形態のシリコン結晶10は、直径200mmで、1.11〜1.45mm/minの速度Vで引き上げ成長される。
【0086】
このように第1の実施形態によれば、シリコンウェーハ全面における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下に、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下になるので、ボイド欠陥に起因するデバイス特性劣化をなくすことができる。またシリコンウェーハ全面でOSF領域が存在しないので、OSFに起因するデバイス特性劣化をなくすことができる。またシリコン結晶10を1.11〜1.45mm/minの高速で引上げ成長させているので、生産性を高めることができる。
【0087】
つぎにこうしたシリコンウェーハ100Dを製造するための条件について検討を加える。
【0088】
前述したように、現状では、図2に100A、100Bで示されるように、OSF領域を結晶外周に逃がした比較的空孔濃度の安定した高V/G1の領域で、ボイド欠陥発生温度帯における冷却速度V・G2を変化させてボイド欠陥の密度、サイズを制御している。
【0089】
ボイド欠陥の密度とサイズの間の関係は図3に示されるように、概ね逆比例の関係にあり、欠陥サイズは冷却速度V・G2が大きくなるほど小さくなり(高V・G2効果)、欠陥密度は冷却速度V・G2が小さくなるほど大きくなる。高V/G1の領域では、ボイド欠陥を構成する総空孔濃度はほぼ一定であり、V/G1は殆ど影響せず冷却速度V・G2だけで図2に100A、100Bにて示すように欠陥の密度とサイズが決定される。
【0090】
図6はV/G1が臨界値の2倍以上の場合、1100゜Cにおける冷却速度と欠陥サイズを関係を示したものである。このように高V/G1のときには冷却速度を表すV・G2を大きく変化させるだけで欠陥サイズを低下させることができる(高V・G2効果)。
しかしV/G1がボイド欠陥領域からOSF領域に変化する臨界値に近い領域では、100C、100Dに示されるように、V/G1が臨界値に近づき総空孔濃度が低くなるほど、V/G1の影響によって欠陥サイズを小さくする効果が顕れる(低V/G1効果)。ボイド欠陥のサイズは、V/G1が臨界値に近い領域では、V/G1が小さいほどV・G2が大きいほど、小さくなる。
【0091】
このため欠陥サイズを縮小させるには、主にV・G2を大きくさせる方法と、主にV/G1を小さくさせる方法が考えられる。ただし成長速度Vだけを変化させただけでは、V・G2を大きくすることとV/G1が小さくすることとを両立させることはできないので後述するようにG1を大きくする方法が必要になる。
【0092】
図7はシリコンウェーハ中心とシリコンウェーハ外周(端)との間におけるV/G1の分布を示した図である。以下図7を併せ参照して説明する。
【0093】
V・G2を大きくさせるのに有効な方法としてクーラ30によってG2を高くするとともにシリコン結晶10が変形しないで成長させられる成長速度Vの限界速度Vmaxを高めて、高速に引上げを行うという方法が考えられる(方法▲1▼)。
【0094】
この方法▲1▼では引上げ速度が速く生産性が向上する利点がある。
【0095】
しかし図7(a)に破線にて示すように方法▲1▼はV/G1が臨界値よりも遙かに大きく低V/G1効果が得られないため、ボイド欠陥サイズの縮小化、低密度化には限界がある。
【0096】
V/G1を小さくさせる方法では、欠陥種がボイド欠陥からOSFに変わる臨界値近傍までV/G1を低下させないと、低V/G1効果が顕れない。これは図2においてシリコンウェーハ100Aのシリコンウェーハ端を臨界値近傍まで移動させたことに相当する。
【0097】
通常行われている引上げ条件では、図7(a)に実線で示すようにシリコンウェーハ外周のV/G1を臨界値まで低下させたとしても、シリコンウェーハ中心のV/G1との差が大きいため、シリコンウェーハ中心部で高V/G1となり低V/G1効果が得られない。このためシリコンウェーハ中心部でのボイド欠陥サイズの縮小化、低密度化には限界がある。
【0098】
そこで、この問題を解決するために、つぎのような方法が考えられる。
【0099】
・方法▲2▼
図7(b)に実線にて示すように、シリコンウェーハ外周部でOSF領域、無欠陥領域に入ることを許容して、シリコンウェーハ中心部でのV/G1を低下させ低V/G1効果を得る。
【0100】
・方法▲3▼
図7(c)に実線にて示すように、シリコンウェーハの中心〜外周間でのV/G1の差が小さくなるように、シリコンウェーハ面内のV/G1を一定レベル以上に均一にし、シリコンウェーハ面内全体にわたってV/G1を低下させ、低V/G1効果を得る。この方法▲3▼は前述した従来技術2に相当する方法である。
【0101】
上記方法▲2▼によればウェーハ面内のボイド欠陥存在領域が狭くなることによってボイド欠陥数が減少する。しかしこのシリコン結晶10ではOSF領域が存在するという問題がある。シリコン結晶10中の酸素濃度を低く抑えることで熱処理後にシリコンウェーハ100でOSF核がOSFに顕在化しくくすることができるが、酸素析出不足によってゲッタリング能力が不足するおそれがある。また通常のシリコン結晶10を引き上げる場合と比較して成長速度Vが低下することから生産性が劣る。
【0102】
上記方法▲3▼によれば、ウェーハ全面でボイド欠陥サイズが縮小する。しかしウェーハ面内のV/G1を一定レベル以上に均一にする条件は通常の条件で製造する場合に比べて引上げ速度Vが遅くなる。本発明者らの実験によると直径200mmのシリコン結晶100を引上げ成長させる場合、引上げ速度Vを0.8mm/minよりも大きくすることができなかった。このように方法▲3▼によれば生産性が劣るおそれがある。
【0103】
つぎに従来技術1を検討する。
【0104】
図4は従来技術1のシリコン結晶10の中心における成長条件V/G1、V・G2の範囲を斜線にて示している。従来技術1では、V・G2はその逆数であるボイド欠陥発生温度帯通過時間L/V(L:温度領域長さ)で定義されている。
【0105】
図4はV/G1に対してボイド欠陥形成温度帯における通過時間L/Vをプロットし、0.10μmサイズ以上のパーティクル密度が1ヶ/cm2 となるしきい線y=0.28/(x−0.225)2 (x:横軸、y:縦軸)を示している。しきい線を境界とする斜線で示される領域がR−OSFの発生がなく0.10μmサイズ以上のパーティクル密度が1ヶ/cm2 以下となる。
【0106】
ここで従来技術3によれば、シリコン結晶10とシリコン融液との境界である固液界面の形状によって、臨界値、V/G1の径方向分布が変化することが記載されている。
【0107】
図4に示される斜線領域は、ある条件下での臨界値で欠陥サイズが低下し低密度化する領域であり、固液界面の形状によっては図4に示される斜線領域で欠陥サイズ低下、低密度化が常に成立するとはいえない。
【0108】
また従来技術1のV/G1は結晶中心部での値であり、V/G1の径方向分布については何ら考慮されていない。このため固液界面の形状が変化すれば結晶中心部で同じV/G1値であったとしてもV/G1の径方向分布が異なるものとなってしまうことにより結晶端部でボイド欠陥領域ではなくなりOSF領域になることもある。また固液界面形状が異なれば結晶端部でボイド欠陥サイズに差が生じることがある。
【0109】
このように従来技術1に示される図4の斜線領域は、ウェーハ全面で常にボイド欠陥領域となり常に欠陥サイズが低下し低密度化するとはいえない。
【0110】
すなわち従来技術1を適用したとしても、確かに図4に示される条件にしたがい結晶中心部を低V/G1化することでボイド欠陥サイズ、密度は低下するものの、図7(b)と同様にして結晶中心部を低V/G1化することで結晶端部でのV/G1は臨界値を下回りR−OSFが発生すると考えられる。
【0111】
図8は通常の引上げ条件(磁場印加無し、クーラ設置無し)のときに固液界面の形状が変化することを調べた実験結果を示す。図8の横軸はシリコン結晶10の中心からの距離(半径方向距離)であり縦軸は固液界面の各部の高さXである。固液界面高さX、固液界面中心高さ(突出量)Xcenは図16で定義される。固液界面中心高さXcenが正の値のとき固液界面は上に凸となり、固液界面中心高さXcenが負の値のとき固液界面は下に凸となる。図8は、成長速度Vを0.53mm/min〜1.14mm/minの範囲で変化させたときの各成長速度における固液界面形状、OSFが発生する成長速度およびそのときの固液界面形状を示している。
【0112】
同図8に示すように通常条件では低V/G1にするために引上げ速度Vを低下させていくにつれて固液界面は徐々に上に凸の形状から下に凸の形状になる。R−OSFが発生する臨界値まで引上げ速度Vを低下させると固液界面形状は下に凸となる。このときの引上げ速度Vは0.76mm/minであった。
【0113】
なお図20は図8とは異なる直径のシリコン結晶を通常の引上げ条件(磁場印加無し、クーラ設置無し)で引上げ成長させたときの固液界面の形状の変化を調べた実験結果を示す。図20の横軸、縦軸は図8の横軸、縦軸に対応している。図20は、成長速度Vを0.35mm/min、0.41mm/min、0.48mm/minにそれぞれ変化させたときの各成長速度における固液界面形状を示している。この成長速度域では固液界面形状は下に凸となっているのがわかる。
【0114】
ここで本発明者らは固液界面が上に凸の形状になっているときにはウェーハ面内でのG1分布が一定レベル以上に均一なものとなりV/G1の径方向分布は一定レベル以上に均一になるが、逆に固液界面が下に凸の形状になっているときにはウェーハ面内でのG1分布がばらつきV/G1の径方向分布は均一にはならないことをみいだした。
【0115】
通常条件では図8に示すようにV/G1を臨界値まで低下させたときに固液界面は下に凸となるので、ウェーハ面内のG1分布に差がつきウェーハ端部でR−OSFが発生しやすくなると考えられる。つまり図7(b)と同様にして結晶中心部を低V/G1化したとしても結晶端部でのV/G1は臨界値を下回りR−OSFが発生する。
【0116】
そこでこれを回避するために引上げ速度Vいかんにかかわらず固液界面を上に凸形状にする方法として、シリコン融液5に2500G以上の水平磁場を印加することが考えられる(方法▲4▼)。
【0117】
図9はギャップ20を57mmにしるつぼ回転数C/Rを3rpmにし3000Gの水平磁場をシリコン融液5に印加するという引上げ条件で固液界面の形状の変化を調べた実験結果を示す。図9の横軸、縦軸は図8の横軸、縦軸に対応している。成長速度Vを0.35mm/min〜0.55mm/minの範囲で変化させた。
【0118】
同図9に示すように水平磁場を印加する条件では引上げ速度Vいかんにかかわらず固液界面を上に凸の形状にすることができる。
【0119】
つぎにクーラ30でシリコン結晶10を冷却することで、引上げ速度Vを生産性を落とすことない高速に維持にした状態で固液界面を上に凸形状にする方法を考えた(方法▲5▼)。
【0120】
図10はギャップ20を30mmにしるつぼ回転数C/Rを4rpmにしシリコン結晶回転数S/Rを13rpmにしクーラ30をシリコン融液5から距離80mmだけ離間した上方に配置するという引上げ条件で直径200mmのシリコン結晶10を作製したときの固液界面の形状の変化を調べた実験結果を示す。図10の横軸、縦軸は図8の横軸、縦軸に対応している。成長速度Vを0.78mm/min〜1.48mm/minの範囲で変化させた。
【0121】
同図10に示すようにクーラ30でシリコン結晶10を冷却するという条件では、R−OSFが発生する臨界値まで引上げ速度Vを低下させたとしても固液界面形状は上に凸となる。そして、V/G1を臨界値まで低下させたときの下限の引上げ速度Vは図8と比較してわかるように1.11mm/minという高速であった。
【0122】
図11は図10と条件を異ならせてるつぼ回転数C/Rを1rpmにしたときに、V/G1を臨界値近傍まで低下させたときの引上げ速度Vを調べた結果を示す。R−OSFを発生させない引上げ速度Vは1.15mm/min以上であった。図10と比べてR−OSFを発生させない引上げ速度での固液界面が上に凸になっていることがわかる。このようにクーラ設置に加えて更にるつぼ回転数を調整することは、固液界面を上に凸にするのに効果的であることがわかった。
【0123】
そこでるつぼ回転数C/R、シリコン結晶回転数S/Rの各パラメータが固液界面の形状に及ぼす影響について検討した。
【0124】
図18は、磁場印加無しでるつぼ回転数C/R等他の引上げ条件を同一条件にして、シリコン結晶回転数S/Rだけを変化させたときの固液界面の形状の変化を調べた実験結果を示す。図18の横軸、縦軸は図8の横軸、縦軸に対応している。シリコン結晶回転数S/Rを4rpm、8rpm、12rpmにそれぞれ変化させた。
【0125】
同図18に示すようにシリコン結晶回転数S/Rを上げるほど固液界面を上に凸にする効果が高まることがわかる。
【0126】
図19は、磁場印加無しでシリコン結晶回転数S/R等他の引上げ条件を同一条件にして、るつぼ回転数C/Rだけを変化させたときの固液界面の形状の変化を調べた実験結果を示す。図19の横軸、縦軸は図8の横軸、縦軸に対応している。るつぼ回転数C/Rを6rpm、7rpm、8rpm、10rpmにそれぞれ変化させた。
【0127】
同図19に示すようにるつぼ回転数C/Rを上げるほど固液界面を上に凸にする効果が高まることがわかる。
【0128】
したがってクーラ30を設置することに加えてシリコン結晶回転数S/R、るつぼ回転数C/Rを調整することで、R−OSFが発生する臨界値まで引上げ速度Vを低下させたときの固液界面形状を上に凸にすることができる。
【0129】
このようにクーラ設置という条件またはクーラ設置に加えてシリコン結晶回転数S/R、るつぼ回転数C/Rを調整することで、通常条件(図8)よりもシリコンウェーハ面内でR−OSFを発生させない引上げ速度Vを高速にすることができる。これはクーラ30でシリコン結晶10を冷却することでG1が増加し、V/G1が臨界値まで小さくなったときの速度Vを高くできるからである。
【0130】
図12はクーラ30によりシリコン結晶10を冷却したときの引上げ速度比V/Vmaxとシリコン結晶中心部でのボイド欠陥サイズとの関係を示している。
【0131】
引上げ速度比V/Vmaxは、シリコン結晶10が変形するときの限界速度Vmaxに対する引上げ速度Vの比率である。
【0132】
同図12に示すように引上げ速度Vを低くし引上げ速度比V/Vmaxを低下させるほど欠陥サイズが小さくすることがわかる。
【0133】
引上げ速度Vの低下はV・G2の低下を意味しV・G2のパラメータに限ればボイド欠陥サイズの増加を意味するが、このV・G2の低下によるマイナスの効果以上に低V/G1効果がきいて、欠陥サイズを縮小させていると考えられる。
【0134】
以上の検討結果からつぎのような製造方法でシリコンウェーハ100Dを製造することが望ましい。
【0135】
(製造方法1)
この製造方法1では、上記方法▲5▼が適用されクーラ30がCZ炉2内に設置される。クーラ30は、シリコン融液5から30mm〜500mmの距離に、シリコン結晶10を囲むように配置される。シリコン結晶10の直径を200mmとした。
【0136】
熱遮蔽板8の下端とシリコン融液表面5aとの間隙のギャップ20が、20mm〜100mmに設定される。
【0137】
そして 引上げ機構4によるシリコン結晶10の引上げ速度Vを調整するとともに、クーラ30の冷却量を調整して、シリコン結晶10の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、成長速度Vが1.11〜1.45mm/minの範囲で固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させる。このとき固液界面中心高さXcenは0〜20mmにすることが望ましい。また必要に応じてシリコン結晶回転数S/R、るつぼ回転数C/Rが調整される。
【0138】
本製造方法によれば図10で説明したようにクーラ30でシリコン結晶10を冷却することでG1が増加し、V/G1を臨界値近傍まで低下させたときの速度Vを1.11mm/min以上に高く維持することができる。ただし図12で説明したようにボイド欠陥サイズの縮小効果を得るために引き上げ速度Vは、OSFを発生させない下限速度1.11mm/min近傍の低速にすることが望ましい。低速とはいえ通常の引上げ条件でOSFを発生させない下限引上げ速度(0.76mm)と比較しても十分高速であり、生産性が劣ることはない。
【0139】
本製造方法によれば、固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させているので、図7(c)と同様にウェーハ面内でのV/G1の径方向分布が一定レベル以上に均一になりウェーハ面内でOSFを発生させないようにすることができるとともに、低V/G1効果によりボイド欠陥のサイズ、密度を縮小することができる。しかも速度Vは通常条件より高く維持されているのでV・G2が大きくなり、高V・G2効果により欠陥サイズを更に小さくすることができる(図3参照)。このためシリコンウェーハ100Dの全面にわたるボイド欠陥のサイズ、密度を図5に斜線に示すレベルまで小さくすることができる。
【0140】
図2でシリコンウェーハ100Dの図中横幅が通常条件で得られるシリコンウェーハ100A、100Bの横幅よりも狭くなっているのは、ウェーハ面内でV/G1が均一化され、ボイド欠陥サイズ、密度がウェーハ面内で均一に縮小されていることを示している。
【0141】
しかもこの製造方法1では、クーラ30を用いて固液界面を上に凸形状にしたので(方法▲5▼)、水平磁場印加で同様のことを達成する場合(方法▲4▼)と比較して装置コストを低く抑えることができる。
【0142】
つぎに製造方法1の効果を図13を用いて説明する。
【0143】
図13は引上げ速度と結晶中心部における欠陥サイズとの関係を示している。図13は図7に対応している。
【0144】
通常の条件では図13(a)に示すように、引上げ速度Vを低下させていくと結晶中心部で低V/G1効果を十分得られる前の速度V1で結晶外周部にOSFが発生してしまう。このため低V/G1効果は得られないが高V・G2効果が得られる引上げ速度V2まで速度Vを高くして欠陥サイズを低下させるようにしている。しかし高V・G2効果だけでは欠陥サイズの縮小効果に限界がある。
【0145】
方法▲2▼では図13(b)に示すように、引上げ速度Vを低下させてV3にすることで結晶中心部で低V/G1効果を十分得られ欠陥サイズを十分に低下させることができる。しかし結晶外周部にOSFが発生してしまうおそれがあるとともに引上げ速度の低下により生産性が悪くなる。
【0146】
これに対してクーラ30を用いた本発明の場合には図13(c)に示すように、引上げ速度Vを高い速度V5に維持できた上に低V/G1効果が得られるため欠陥サイズを十分に低下させることができる。これに対して方法▲1▼では、クーラによってG2を高め限界速度Vmaxを高めているため引上げ速度Vを限界速度Vmax付近の極めて高い速度V4にでき生産性が向上するものの、高V・G2効果だけで低V/G1効果が得られないため欠陥サイズの縮小効果に限界がある。
【0147】
図14(a)、(b)、(c)、(d)は引上げ速度を1.45mm/min(引上げ速度比V/Vmax=0.97)、1.25mm/min(引上げ速度比V/Vmax=0.83)、1.15mm/min(引上げ速度比V/Vmax=0.77)、1.05mm/min(引上げ速度比V/Vmax=0.70)と変化させたときのウェーハ面内のR−OSF領域の有無と、ウェーハ1枚当たりのLPD数のヒストグラムを示している。
【0148】
ヒストグラムの横軸は、ウェーハ1枚あたりでサイズ0.10μm以上のパーティクルをカウントできた数を示し、縦軸は各カウント数に対応するウェーハ枚数を示している。
【0149】
同図14に示すように引上げ速度Vを1.45mm/minから1.05mm/minまで低下させるにつれてウェーハ1枚当たりの大きなサイズのボイド欠陥が低減していることがわかる。また1.15mm/minから1.05mm/minの間の引上げ速度でウェーハ面内にOSFが発生(図10より1.11mm/minが下限)していることがわかる。
【0150】
つぎに従来技術1、従来技術2(方法▲3▼)と比較した本実施形態の効果について説明する。
【0151】
従来技術1では固液界面の形状、V/G1の径方向分布を何ら考慮したものではないので、図4に示す斜線領域は必ずしもボイド欠陥サイズ、密度を低減させることができる領域とはいえるものではなかった。しかし本実施形態によれば、クーラ30の冷却量を調整することにより固液界面を上に凸形状にしてV/G1の径方向分布を均一にしたので、ウェーハ全面で精度よく欠陥サイズ、密度を小さくすることができる。このためデバイス不良の歩留まりが向上する。
【0152】
つぎに従来技術2と比較する。
【0153】
成長中のシリコン結晶の固液界面近傍では、次式に示されるステファン条件で熱収支がバランスしている。
【0154】
Ks・Gs=H・V+KL・GL
Ks:結晶の熱伝導率
KL:融液の熱伝導率
Gs:結晶の温度勾配
GL:融液の温度勾配
H:凝固潜熱
V:引上げ速度
従来技術2(方法▲3▼)では、結晶径方向のV/G1分布を均一にしているが、一般にV/G1分布を均一にするには、結晶の表面からの抜熱を抑える必要がある。このため凝固潜熱の吐き出し効果が弱まり、上記式でKs・Gsが小さくなり、引上げ速度Vを大きくできなくなる。ひいてはボイド欠陥発生温度帯での冷却速度の低下つまりV・G2の低下を招く。このためボイド欠陥縮小化、生産性を阻害することになる。これに対して本実施形態ではクーラ30によりシリコン結晶10を冷却したのでG1が大きくなり、引上げ速度Vを大きくしてもV/G1を小さくすることができ界面形状を上に凸にしたのでV/G1の面内分布もほぼ均一な状態に保てる。また引上げ速度Vが大きいためV・G2を大きくすることができる。このため従来技術2と比較してボイド欠陥縮小化、生産性を向上させることができる。
【0155】
図17は本発明と方法▲1▼、方法▲2▼、方法▲3▼(従来技術2)とを、サイズ0.10μm以上のCOP数の低減、生産性、R−OSFの有無について比較したものである。同図17において◎が非常に優れているという評価を示し、○が優れているという評価を示し、△がやや劣るという評価を示している。同図17に示すに本発明は他の方法と比較して、総合的に最も優れているという評価が得られた。
【0156】
(製造方法2)
上記方法▲4▼を適用して製造方法1と同様にシリコンウェーハ100Dを製造してもよい。この場合、シリコン融液5に2500G以上の水平磁場を印加して固液界面を上に凸形状にする以外は、製造方法1と同様な制御が行われる。製造方法2では、引上げ速度Vいかんにかかわらず固液界面を上に凸形状にすることができるので、引上げ速度Vの自由度が向上する。
【0157】
さて上述した第1の実施形態では、シリコンウェーハでのOSFの発生を回避するようにしている。しかし結晶構造的にOSF領域であったとしてもデバイスを作製するプロセスでOSF核がOSFに顕在化しない場合には、シリコンウェーハの特性として問題にならない場合がある。すなわちR−OSFの核はシリコン結晶中の酸素析出物であることが知られているため、シリコン結晶中の酸素濃度を低下させたり、シリコンウェーハ作製後にOSF核が消失可能な熱処理を加えることでOSFの非顕在化が可能にする。そこで、つぎのような製造方法を採用してもよい。
【0158】
(第2の実施形態)
図2に示す100Cは、第2の実施形態のシリコンウェーハを示している。実施形態のシリコンウェーハ100Cは、その面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSFが存在しないように製造される。
【0159】
図5の斜線で示される領域は,第2の実施形態のシリコンウェーハ100CのR−OSFの内側領域における平均ボイド欠陥密度、平均ボイド欠陥サイズの範囲を示している。第2の実施形態のシリコンウェーハ100CはR−OSFの内側領域における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下となり、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下となる。
【0160】
第2の実施形態の製造方法は以下のとおりである。
【0161】
(製造方法3)
この製造方法3では、上記方法▲5▼が適用されクーラ30がCZ炉2内に設置される。シリコン結晶10の直径は200mmとした。
【0162】
そして 引上げ機構4によるシリコン結晶10の引上げ速度Vを調整するとともに、クーラ30の冷却量を調整して、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させる。
【0163】
本製造方法によれば図10で説明したようにクーラ30でシリコン結晶10を冷却することでG1が増加し、V/G1を臨界値近傍まで低下させたときの速度Vを高く維持することができる。ただしシリコン結晶10の外周部にOSF領域が発生することを許容しているため図10に示すように固液界面は製造方法1の場合と比較してやや下に凸の形状になるとともに、図12に示すように引上げ速度Vは製造方法1の場合よりも低くなる。このため引上げ速度Vの更なる低下によりボイド欠陥サイズの縮小効果が一層高まる。低速とはいえ通常の引上げ条件でOSFを発生させない下限引上げ速度(0.76mm/min)と同程度のレベルであり、生産性が劣ることはない。
【0164】
本製造方法によれば、V/G1を臨界値近傍まで低下させているので低V/G1効果が得られ、ボイド欠陥のサイズ、密度を縮小することができる。しかも速度Vは通常条件と同レベルに高く維持されているのでV・G2が大きくなり、高V・G2効果により欠陥サイズを更に小さくすることができる(図3参照)。このためシリコンウェーハ100Cは、その面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域において、ボイド欠陥のサイズ、密度を図5に斜線に示すレベルまで小さくすることができる。
【0165】
図2でシリコンウェーハ100Cの図中横幅が通常条件で得られるシリコンウェーハ100A、100Bの横幅よりも狭くなっているのは、ウェーハ面内でV/G1が均一化され、ボイド欠陥サイズ、密度がウェーハ面内で均一に縮小されていることを示している。
【0166】
本製造方法では、OSF核がOSFに顕在化しないようにシリコン結晶10中の酸素濃度が制御されるとともにシリコンウェーハ100Cに熱処理が施される。具体的には以下の各工程のいずれか若しくはこれらの工程が適宜組み合わされて実施される。
【0167】
(工程1)シリコン結晶10中の酸素濃度が12.5×1017atoms/cm3以下に制御される。
【0168】
(工程2)シリコンウェーハ100Cに1000゜C以上の熱処理が施される。(工程3)シリコンウェーハ100Cに非酸化性雰囲気で1000゜C以上の熱処理が施される。
【0169】
工程3によればシリコンウェーハ表層でのボイド欠陥を消滅させる効果が得られる。
【0170】
もちろん第1の実施形態の製造方法1、2に(工程1)、(工程2)、(工程3)を適宜加えるようにしてもよい。また第2の実施形態の製造方法3で(工程1)、(工程2)、(工程3)を省略してもよい。
【0171】
本発明はポリッシュドウェーハを製造する場合のみならずアニールウェーハを製造する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は欠陥形成メカニズムを概念的に示す図である。
【図2】図2は欠陥種と点欠陥(空孔、格子間シリコン)濃度の関係を示す図である。
【図3】図3は冷却速度とボイド欠陥密度およびボイド欠陥サイズとの関係を示す図である。
【図4】図4は従来技術を説明する図で、V/G1と通過時間との関係を示す図である。
【図5】図5はボイド欠陥密度とボイド欠陥サイズの関係を示す図である。
【図6】図6は1100゜Cでの冷却速度とボイド欠陥サイズとの関係を示す図である。
【図7】図7(a)、(b)、(c)はシリコンウェーハの径方向各位置とV/G1との関係を示す図である。
【図8】通常条件での引上げ速度と固液界面形状、OSF発生速度との関係を説明する図である。
【図9】図9は水平磁場を印加した条件での引上げ速度と固液界面形状、OSF発生速度との関係を説明する図である。
【図10】図10はクーラを設置した条件での引上げ速度と固液界面形状、OSF発生速度との関係を説明する図である。
【図11】図11はクーラを設置した条件でOSFが発生しない下限速度を説明する図である。
【図12】図12はクーラを設置条件での引上げ速度比と結晶中心部におけるボイド欠陥サイズとの関係を示す図である。
【図13】図13(a)、(b)、(c)は実施形態の効果を説明する図で、引上げ速度と結晶中心部におけるボイド欠陥サイズとの関係を示す図である。
【図14】図14(a)、(b)、(c)、(d)はクーラ設置条件での引上げ速度比とOSF領域の有無、ウェーハ1枚当たりのLPD数のヒストグラムとの対応を示す図である。
【図15】図15は実施形態の製造装置を示す図である。
【図16】図16は固液界面を説明する図である。
【図17】図17は従来のCOP低減方法と本発明による方法とを比較した図である。
【図18】図18はシリコン結晶回転数を変化させたときの固液界面の形状の変化を示す図である。
【図19】図19はるつぼ回転数を変化させたときの固液界面の形状の変化を示す図である。
【図20】図20は図8とは異なる直径のシリコン結晶について、引上げ速度と固液界面形状との関係を説明する図である。
【符号の説明】
4 引上げ機構
5 融液
10 シリコン結晶
30 クーラ
100C、100D シリコンウェーハ
Claims (16)
- シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、シリコン結晶引上げ中の融液とシリコン結晶との境界である固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1(V:成長速度、G1:シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配)を臨界値近傍まで低下させて、
シリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とするシリコンウェーハの製造方法。 - クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、成長速度VがVmax(シリコン結晶が変形せずに成長できる限界成長速度)の97%〜75%の範囲で前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。 - クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させること
を特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。 - シリコン融液に磁場を印加することにより、前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にすること
を特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。 - クーラによってシリコン結晶を冷却するとともに、シリコン結晶の回転数またはシリコン融液を収容するるつぼの回転数を調整することにより、前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にすること
を特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。 - シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造方法において、
クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とするシリコンウェーハの製造方法。 - シリコン結晶中の酸素濃度が12.5×1017atoms/cm3(1979年ASTM)以下に制御されること
を特徴とする請求項6記載のシリコンウェーハの製造方法。 - シリコンウェーハでOSF核がOSFに顕在化しないように、シリコンウェーハに1000゜C以上の熱処理を施すこと
を特徴とする請求項6記載のシリコンウェーハの製造方法。 - シリコンウェーハでOSF核がOSFに顕在化しないように、かつシリコンウェーハ表層でボイド欠陥が消滅するように、シリコンウェーハに非酸化性雰囲気で1000゜C以上の熱処理を施すこと
を特徴とする請求項6記載のシリコンウェーハの製造方法。 - シリコン融液からシリコン結晶を引上げ機構によって引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造装置において、
前記シリコン融液の上方に、シリコン結晶を冷却するクーラが設けられ、
前記引上げ機構によるシリコン結晶引上げ速度と、前記クーラの冷却量を調整することにより、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせ、シリコン結晶引上げ中の融液とシリコン結晶との境界である固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1(V:成長速度、G1:シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配)を臨界値近傍まで低下させて、
シリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とするシリコンウェーハの製造装置。 - クーラによってシリコン結晶を冷却することにより、成長速度VがVmax(シリコン結晶が変形せずに成長できる限界成長速度)の97%〜75%の範囲で前記固液界面を融液面に対して上に凸の形状にした状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とする請求項10記載のシリコンウェーハの製造装置。 - シリコン融液からシリコン結晶を引上げ成長させ、引き上げ成長されたシリコン結晶からシリコンウェーハを取得するようにしたシリコンウェーハの製造装置において、
前記シリコン融液の上方に、シリコン結晶を冷却するクーラが設けられ、
前記引上げ機構によるシリコン結晶引上げ速度と、前記クーラの冷却量を調整することにより、
シリコン結晶の融点近傍での軸方向温度勾配G1を大きくさせた状態で、成長条件V/G1を臨界値近傍まで低下させて、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在しないシリコン結晶を引上げ成長させること
を特徴とするシリコンウェーハの製造装置。 - 前記クーラは、シリコン融液から30mm〜500mmの距離に、シリコン結晶を囲むように配置されていること
を特徴とする請求項10または12記載のシリコンウェーハの製造装置。 - 前記シリコン融液の上方に、熱遮蔽板が設けられ、当該熱遮蔽板の下端とシリコン融液表面との間隙のギャップが、20mm〜100mmに設定されていること
を特徴とする請求項10または12記載のシリコンウェーハの製造装置。 - シリコン融液から引上げ成長されることによって取得されたシリコンウェーハであって、
シリコンウェーハ全面においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在せず、シリコンウェーハ全面における平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下でって、シリコンウェーハ全面における平均ボイド欠陥サイズが100nm以下であること
を特徴とするシリコンウェーハ。 - シリコン融液から引上げ成長されることによって取得されたシリコンウェーハであって、
シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域においてOSF(酸化誘起積層欠陥)の領域が存在せず、シリコンウェーハの面内のうち少なくとも面の中心から外周より内側10mmまでの領域ににおける平均ボイド欠陥密度が5×106/cm3 以下であって、平均ボイド欠陥サイズが100nm以下であること
を特徴とするシリコンウェーハ。
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