JP6777013B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶などの半導体単結晶は、FZ法(フローティングゾーン法または浮遊溶融帯域法)などの方法によって育成される。FZ法では、原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、誘導加熱コイルに対して上側の原料結晶棒及び下側の単結晶棒を相対的に下降させ、浮遊帯域を移動させることで単結晶棒を育成する(例えば、特許文献1参照)。
FZ法による単結晶の製造について、図2を参照してより具体的に説明する。図2は、FZ法による一般的な単結晶製造装置101の一例を示す概略図である。まず、原料結晶棒102を、チャンバー112内に設置された上軸104の上部保持治具105に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶)109を、原料結晶棒102の下方に位置する下軸106の下部保持治具107に保持する。
次に、高周波発振機を具備する誘導加熱コイル108により原料結晶棒102を溶融して、種結晶109に融着させる。その後、種絞りにより絞り部110を形成して無転位化する。そして、上軸104と下軸106を回転させながら原料結晶棒102と単結晶棒103を下降させることで浮遊帯域(溶融帯あるいはメルトともいう)111を原料結晶棒102と単結晶棒103の間に形成し、該浮遊帯域111を原料結晶棒102の上端まで移動させてゾーニングし、単結晶棒103を成長させる。
また、FZ法では、単結晶棒を所望の直径まで拡げながら成長させるコーン工程、コーン形成後、単結晶棒を一定直径に制御して成長させる直胴工程を経て、単結晶製造が行われる。このとき、単結晶側の浮遊帯域長さ140と、単結晶直径141と、単結晶側の浮遊帯域直径142を検出し、これらの検出値を用いて単結晶製造を自動制御している。なお、この単結晶成長は、不活性ガス雰囲気中で行われ、また、N型FZ単結晶またはP型FZ単結晶を製造する場合には、ドープノズル(不図示)により、製造する導電型、抵抗率に応じた量の不活性ガスベースのPH又はBを流す。
また、上記誘導加熱コイル108としては、銅又は銀、あるいはそれらの複合材料からなり、内部に冷却用の水を流通させたものが一般的に用いられている。
特開2016−141612号公報
ところで、コーン工程においては、所望量の原料を溶融させるために、原料結晶棒102の直径と単結晶棒103の直径方向の断面積比で計算された原料下降速度で、原料結晶棒102と単結晶棒103を下降させている。加えて、溶融原料を速やかに単結晶側へ供給させるために、コーン部の拡径に合わせて誘導加熱コイル108のパワーを増加させながら単結晶棒103を拡径していく。そうすると、浮遊帯域長さ140が長くなり、かつ、特に浮遊帯域直径142が細くなってしまう。浮遊帯域直径142が細くなると、誘導加熱コイル108と浮遊帯域111との距離が大きくなり、磁界における電気的結合が弱くなることで、浮遊帯域直径部における溶融ムラが発生する。溶融ムラが生じた場合、未溶融原料(例えば、原料がシリコンの場合、とげ状の未溶融シリコン)が浮遊帯域111に発生し、それが単結晶固液界面に付着することで有転位化する問題があった。
また、これに対して、浮遊帯域111の直径が細くならないように、誘導加熱コイル108のパワーを大きくしないように制御して単結晶製造すると、溶融原料の供給が遅くなってしまい、コーン成長速度が遅くなるという問題が生じる。また、直径が8インチ(約200mm)の大直径の単結晶を成長させる場合には、原料結晶棒102の直径が単結晶棒103の直径より特に細くなることから、原料下降速度が速くなり、誘導加熱コイル108のパワーを上げずに単結晶棒103を成長させようとすると、原料溶融が追い付かず、原料結晶棒102の外周部が誘導加熱コイル108と衝突したり、アーク放電が発生したりしてしまうという問題があった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、FZ法による単結晶の製造方法においてコーン工程中の浮遊帯域長さを所定長さ以下に制御することで原料の溶融ムラによる未溶融原料の発生を抑制し、有転位化率を低下させることができる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱して浮遊帯域を形成し、前記浮遊帯域を下方から上方に向けて移動させることで単結晶棒を前記浮遊帯域の下方に育成するFZ法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶棒を所望の直径まで拡げながら成長させるコーン工程において、前記浮遊帯域の上方に位置する前記原料結晶棒の周囲に設置した原料棒加熱用補助ヒーターの出力を制御することで、前記コーン工程の完了時の前記浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における前記浮遊帯域の長さの110%以下となるように前記単結晶棒を成長させることを特徴とする単結晶の製造方法を提供する。
このような単結晶の製造方法であれば浮遊帯域の直径が細くなることもなく、原料の溶融ムラによる未溶融原料の発生を抑制し、単結晶の有転位化率を低下させることができる。また、原料棒加熱用補助ヒーターによる補助加熱によって、単結晶の拡径に必要な原料溶融量を十分に確保できるため、コーン成長速度の低下を抑制でき、原料結晶棒と誘導加熱コイルとの衝突も防止でき、アーク放電の発生も防止できる。
このとき、前記原料棒加熱用補助ヒーターとして、ハロゲンランプヒーターを用いることが好ましい。
このように原料棒加熱用補助ヒーターとしてハロゲンランプヒーターを用いれば、容易にコーン工程における浮遊帯域の長さを上記の長さ以下とするのに必要な出力を得ることができる。
また、前記原料棒加熱用補助ヒーターの最大出力を、前記原料棒加熱用補助ヒーター無しで前記単結晶棒を成長させた場合のチャンバー及びチャンバー内の治具に流れている冷却水の除熱量相当とすることが好ましい。
このような最大出力の原料棒加熱用補助ヒーターを用いれば、確実にコーン工程における前記浮遊帯域の長さを上記の長さ以下とするのに必要な出力を得ることができる。
本発明の単結晶の製造方法であれば、FZ法による単結晶の製造方法においてコーン工程中の浮遊帯域長さを所定長さ以下に制御することで溶融ムラによる未溶融原料の発生を抑制し、有転位化率を低下させることができる。
本発明の単結晶の製造方法に用いることができるFZ法による単結晶製造装置の一例を示した概略図である。 FZ法による一般的な単結晶製造装置の一例を示した概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、従来では、誘導加熱コイルのパワーを増加させながら単結晶棒を拡径していく際に、単結晶に転位が生じることが有った。本発明者らは、このような転位が発生するのは、誘導加熱コイルのパワーの増加に伴い、浮遊帯域直径が細くなってしまい、誘導加熱コイルと浮遊帯域との距離が大きくなり、これによって溶融ムラが生じることで、未溶融シリコンが浮遊帯域に発生し、それが単結晶固液界面に付着することが一因であることを知見した。
そこで、本発明者らはこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、原料棒加熱用補助ヒーターの出力を制御することで、コーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの110%以下となるように制御することで、有転位化の発生を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施形態について図1を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[単結晶製造装置]
FZ法による単結晶製造装置1は、原料結晶棒2を収容するチャンバー12と、原料結晶棒2を保持する上部保持治具5と、上部保持治具5を軸周りに回転させる上軸4を具備する。さらに、単結晶製造装置1は、原料結晶棒2の下方に位置する種結晶9を保持する下部保持治具7と、下部保持治具7を軸周りに回転させる下軸6を具備する。
また、単結晶製造装置1は、原料結晶棒2を溶融して浮遊帯域11を形成する熱源となる誘導加熱コイル8と、浮遊帯域11の上方に位置する原料結晶棒2の周囲に設置した原料棒加熱用補助ヒーター13を具備する。誘導加熱コイル8は、高周波発振機によって高周波を発生させて原料結晶棒2を加熱、溶融する。原料棒加熱用補助ヒーター13は電力供給器14から電力を供給されており、このような原料棒加熱用補助ヒーター13及び電力供給器14は、特許文献1に記載のものと同様とすることができる。
また、単結晶製造装置1は、浮遊帯域11の長さ、単結晶3の直径、及び浮遊帯域11の直径を測定する検出手段を有している。検出手段は、例えば、単結晶側の浮遊帯域長さ40と、単結晶直径41と、単結晶側の浮遊帯域直径42を検出し、単結晶製造装置1は、これらの検出値を用いて単結晶製造を自動制御することができる。なお、単結晶成長時には、チャンバー12内に不活性ガスが満たされる。また、N型のFZ単結晶またはP型のFZ単結晶を製造する場合には、ドープノズル(不図示)により、製造する導電型、抵抗率に応じた量の不活性ガスベースのPH又はBを流すことができる。
[単結晶の製造方法]
続いて、本発明の単結晶の製造方法について説明する。まず、原料結晶棒2の溶融を開始する部分をコーン形状に加工し、加工歪みを除去するために表面のエッチングを行う。
次に、単結晶製造装置1のチャンバー12内に原料結晶棒2を収容し、チャンバー12内に設置された上軸4の上部保持治具5にネジ等で固定する。一方、下軸6の下部保持治具7には種結晶9を取り付ける。また、原料棒加熱用補助ヒーター13を原料結晶棒2に通して設置しておく。
次に、原料結晶棒2の下端をカーボンリング(不図示)で予備加熱する。その後、チャンバー12に不活性ガスを供給し、加圧の状態とする。そして、原料結晶棒2を誘導加熱コイル8で加熱溶融した後、原料結晶棒2のコーン形状に加工した部分の先端を種結晶9に融着させ、絞り部10により無転位化する。
次に、上軸4と下軸6を回転させながら原料結晶棒2と単結晶棒3を、例えば、1〜5mm/minの速度で下降させることで浮遊帯域11を原料結晶棒2の上端まで移動させてゾーニングし、単結晶棒3を成長させるが、この単結晶棒3の成長工程では、単結晶棒3を所望の単結晶直径まで拡げながら成長させるコーン工程と、コーン工程後に一定直径で制御して単結晶棒3を成長させる直胴工程を行う。このとき、誘導加熱コイル8の下端から単結晶との界面までの浮遊帯域長さ(単結晶側)40、単結晶直径41、誘導加熱コイル8の下端と水平な位置の浮遊帯域直径(単結晶側)42を検出して、自動制御により単結晶の育成を行うことができる。
本発明では、上記コーン工程において、原料棒加熱用補助ヒーター13による補助加熱を行う。このとき、誘導加熱コイル8の上面から原料棒加熱用補助ヒーター13の下端までの距離は可能な限り近いほうが好ましい。この距離が近いことで、原料棒加熱用補助ヒーター13からの加熱の効果が大きくなる傾向がある。
また、原料棒加熱用補助ヒーター13への電力は、チャンバー外に設置した電力供給器14(調整器)から供給できる。また、原料棒加熱用補助ヒーター13による溶融シリコンの供給を円滑にさせるためには、可能な限り最大出力が高いほうが良い。例えば、予め、原料棒加熱用補助ヒーター13無しで単結晶棒3を成長させた場合の、チャンバー12及びチャンバー12内の治具(例えば、誘導加熱コイル8や上部保持治具5や下部保持治具7など)に流れている冷却水の除熱量を計算しておき、該除熱量相当を最大出力とした原料棒加熱用補助ヒーター13を用いることが好ましい。それにより、原料溶融を促進させるための熱量を十分に得ることができる。
コーン工程中は、原料棒加熱用補助ヒーター13の出力を制御し、単結晶側への溶融原料を適切な量で供給しながら、単結晶側の浮遊帯域長さを所定の長さに維持させて単結晶棒3の育成を行う。
このとき、本発明では、原料棒加熱用補助ヒーター13の出力を制御することで、コーン工程の完了時の浮遊帯域11の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域11の長さの110%以下となるように単結晶棒3を成長させる。また、下限値は90%とすることができる。90%以上とすることで誘導加熱コイル8と原料結晶棒2の衝突を防止することができる。このようにすることで、未溶融の原料結晶の発生を抑制し、有転位化率を低下させることができる。また、原料結晶棒2の直径が単結晶の直径より細いような場合でも、原料棒加熱用補助ヒーター13により加熱されていることで原料結晶棒2の溶融が促進されているため、原料側の浮遊帯域長さが短くなることがない。従って、原料結晶棒2の外周部と誘導加熱コイル8とが衝突したり、アーク放電が発生したりすることが無い。
また、原料結晶棒2側の浮遊帯域長さが短くなり過ぎることで、誘導加熱コイル8と原料結晶棒2が衝突することがないように、原料結晶棒2側の浮遊帯域長さを一定以上とすることが好ましい。そのためには、例えば、コーン工程で単結晶棒3の直径を太らせていく過程で、溶融原料供給に遅延無きように(即ち、大きな偏差(狙いの直径とその時の実直径の差)が生じないように)、原料棒加熱用補助ヒーター13の出力を上げていけばよい。これにより、コーンを拡大していくための誘導加熱コイル8へのパワーの投入が非常に小さくなり、また、浮遊帯域の長さが伸びていくことなく、かつ、浮遊帯域の直径を細くさせることなく単結晶を製造することができる。また、原料結晶棒2の直径が太いほど、誘導加熱コイル8へのパワーの削減率が大きくなる傾向である。
以上のように、コーン工程で単結晶棒3を目標直径まで拡径した後に、直胴工程で単結晶棒3の直径を目標直径に保ったまま単結晶棒を育成する。
また、N型FZ単結晶またはP型FZ単結晶を製造する場合には、ドープノズルにより、製造する導電型、抵抗率に応じた量の不活性ガスベースのPH又はBを流すことができる。
また、原料結晶棒2を育成する際に回転中心となる上軸4と、単結晶化の際に育成単結晶棒3の回転中心となる下軸6をずらして(偏芯させて)、単結晶棒3を育成することが好ましい。このように両中心軸をずらすことにより単結晶化の際に溶融部を撹拌させ、製造する単結晶の品質を均一化させることができる。偏芯量は単結晶の直径に応じて設定すればよい。
以上のようにして、FZ法によって単結晶を製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1、2)
図1に示すような原料棒加熱用補助ヒーター13を有する単結晶製造装置1を用いて、FZ法によって単結晶を製造した。原料結晶棒2としては、抵抗率が1000Ω・cm以上の直径150mmのCZシリコン単結晶インゴット(チョクラルスキー法によって製造したシリコン単結晶インゴット)を用いた。
実施例1では、コーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの100%、実施例2ではコーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの110%として、直径150mmのFZシリコン単結晶を製造した。
(比較例1、2)
比較例1では、実施例1と同様の単結晶製造装置1を用いて、コーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの120%、比較例2ではコーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの130%としたこと以外、実施例1、2と同様に、直径150mmのFZシリコン単結晶を製造した。
表1に、実施例1、2、及び比較例1、2における結果をまとめたもの示す。
Figure 0006777013
表1に示す通り、実施例1、2のように、コーン工程完了時の浮遊帯域の長さを目標直径の80%における浮遊帯域の長さの110%以下となるように成長させることで、浮遊帯域直径をより大きく保つことができ、有転位化率を低下させることができた。一方、比較例1、2のように、コーン工程完了時の浮遊帯域の長さを目標直径の80%における浮遊帯域の長さの110%より大きくした場合、コーン工程完了時の浮遊帯域の直径が小さくなり、実施例1、2に比べて有転位化率は増加した。
(比較例3)
比較例3では、原料棒加熱用補助ヒーターを具備していない図2の単結晶製造装置101を用いて、直径6インチ(約150mm)のシリコン単結晶をFZ法により製造した。また、原料結晶棒102として、抵抗率が1000Ω・cm以上の直径150mmのCZシリコン単結晶インゴットを用いた。
(実施例3)
実施例3では、原料棒加熱用補助ヒーター13を有する図1の単結晶製造装置1を用いて、コーン工程の完了時の浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における浮遊帯域の長さの110%以下となるように、FZ法によって直径6インチ(約150mm)のシリコン単結晶を製造した。原料結晶棒2としては、抵抗率が1000Ω・cm以上の直径150mmのCZシリコン単結晶インゴット(チョクラルスキー法によって製造したシリコン単結晶インゴット)を用いた。
ここでは、比較例3の単結晶製造装置から計算した原料棒加熱用補助ヒーター無しのチャンバー及びチャンバー内の治具の冷却水の除熱量の総量を参考にし、原料棒加熱用補助ヒーター13の最大出力は20kWとした。この最大出力範囲で出力をコントロールし、単結晶を製造した。また、誘導加熱コイル8上面から、原料棒加熱用補助ヒーター13の下端までの距離は10mmとした。
コーン工程においては、予め加工して形成しておいた原料結晶棒の溶融を開始する部分のコーン形状が消費されたタイミングより、原料棒加熱用補助ヒーター13にて加熱を行い始めた。コーン工程で単結晶直径を太らせていく過程で、溶融原料供給に遅延無きように(即ち、大きな偏差(狙いの直径とその時の実直径の差)が生じないように)、原料棒加熱用補助ヒーター13の出力を上げていった。結果として、コーン工程完了時には原料棒加熱用補助ヒーター13には10kWの電力を印加していた。この時の誘導加熱コイル8のパワーは原料棒加熱補助ヒーターを使用しない場合より17.3%減少した。
上記のような、比較例3と実施例3の比較結果を下記に示す。
(浮遊帯域長さ)
コーン工程における、単結晶直径が120mm(目標直径の80%)時点とコーン工程完了時の浮遊帯域長さは、単結晶直径が120mm時点を基準としたとき、比較例3では浮遊帯域長さの比が1.25(125%)であり、実施例3では1.03(103%)となり、実施例3では浮遊帯域長さを大きくすることなく単結晶を製造できた。
(浮遊帯域直径)
コーン工程における、単結晶直径が120mm(目標直径の80%)時点とコーン工程完了時の浮遊帯域直径の比は、単結晶直径が120mm時点を基準としたとき、比較例3では浮遊帯域直径の比は0.85であり、実施例3では浮遊帯域直径の比が0.98となり、実施例3では浮遊帯域直径を大きく維持したまま単結晶を製造できた。
また、上記のような実施例3では、誘導加熱コイルの出力を必要以上に上げずに、原料棒加熱用補助ヒーター13の制御によって、浮遊帯域直径を上記のように制御したため、溶融ムラによるとげ状の未溶融シリコンの発生が無く、有転位化率を減少させることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…単結晶製造装置、 2…原料結晶棒、 3…単結晶棒、
4…上軸、 5…上部保持治具、 6…下軸、
7…下部保持治具、 8…誘導加熱コイル、 9…種結晶、
10…絞り部、 11…浮遊帯域、 12…チャンバー、
13…原料棒加熱用補助ヒーター、 14…電力供給器、
40…浮遊帯域長さ(単結晶側)、41…単結晶直径、
42…浮遊帯域直径(単結晶側)、
101…一般的な単結晶製造装置、 102…原料結晶棒、 103…単結晶棒、
104…上軸、 105…上部保持治具、 106…下軸、
107…下部保持治具、 108…誘導加熱コイル、 109…種結晶、
110…絞り部、 111…浮遊帯域、 112…チャンバー、
140…浮遊帯域長さ(単結晶側)、141…単結晶直径、
142…浮遊帯域直径(単結晶側)。

Claims (3)

  1. 原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱して浮遊帯域を形成し、前記浮遊帯域を下方から上方に向けて移動させることで単結晶棒を前記浮遊帯域の下方に育成するFZ法による単結晶の製造方法であって、
    前記単結晶棒を所望の直径まで拡げながら成長させるコーン工程において、
    前記浮遊帯域の上方に位置する前記原料結晶棒の周囲に設置した原料棒加熱用補助ヒーターの出力を制御することで、前記コーン工程の完了時の前記浮遊帯域の長さを、育成する単結晶の目標直径の80%における前記浮遊帯域の長さの110%以下となるように前記単結晶棒を成長させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記原料棒加熱用補助ヒーターとして、ハロゲンランプヒーターを用いることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記原料棒加熱用補助ヒーターの最大出力を、前記原料棒加熱用補助ヒーター無しで前記単結晶棒を成長させた場合のチャンバー及びチャンバー内の治具に流れている冷却水の除熱量相当とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単結晶の製造方法。
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