JP6269397B2 - 半導体単結晶棒の製造装置及び製造方法 - Google Patents

半導体単結晶棒の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して溶融帯域を形成し、この溶融帯域を移動させることで晶出側半導体単結晶棒を育成するFZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)による半導体単結晶棒の製造装置及び製造方法に関する。
原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を作り、誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側半導体単結晶棒を軸方向へ移動させることにより溶融帯域を軸方向に移動させる浮遊帯溶融法において、溶融帯域およびその付近をCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理して幾何学量を測定し、その測定値に応じて制御出力量を計算し、誘導加熱コイルに供給する電力や、移動回転軸に固定された晶出側半導体単結晶棒や原料結晶棒の移動速度や回転速度を調節するような半導体単結晶棒の製造装置及び製造方法が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
近年FZ法による半導体単結晶棒の製造においても、大口径ウェーハの要求が多くなり、シリコン単結晶においては直径150mm、あるいは直径200mmを超える大口径化ウェーハを安定製造する必要が出てきた。
図6は、FZ法による従来の単結晶棒製造装置115の概略図である。以下、図6を参照して、このFZ単結晶棒製造装置を用いて、単結晶棒を製造する方法について説明する。
大口径結晶においては、これまでと比較してより多くの原料を溶融させ、溶融帯域111のメルトを保持する必要があるため、誘導加熱コイル107からの溶融パワー(加熱量)を増加させることが必須であった。そのため、誘導加熱コイルにより大きな電力が供給されることになり、誘導加熱コイルのスリット上で放電が頻発するようになった。FZ結晶製造において、この誘導加熱コイルのスリット部での放電は、FZ結晶の無転位成長を阻害する大きな要因である。これまで、この放電を防止するためにFZ結晶製造を行うチャンバー112内の雰囲気ガス圧力を増加させたり、雰囲気アルゴンに加えて窒素を加えることなどが知られている(特許文献4)。
特公平5-71552号公報 特公平6-51598号公報 特公平6-57630号公報 特許第4581977号公報
しかしながら、チャンバー(炉)112内の雰囲気ガス圧力を増大させることは、この放電の防止に大きな効果を発揮する一方、この内圧のために、チャンバー内の誘導加熱コイル107に高周波電力を供給する電極108や、原料結晶棒101を保持する上軸103あるいは晶出側単結晶棒102を保持する下軸105の炉体封止部に大きな圧力が加わり、電極108や、上軸103及び下軸105の中心軸が傾いたり、基準位置から変位してしまうことがあった。
そして、本来垂直であるべき原料結晶棒101と晶出側単結晶棒102の中心軸が傾き、また水平であるべき電極108の中心軸が傾き、そのことが原因で単結晶が有転位化してしまうことがあった。また、この傾きあるいは変位は、炉内圧力の増加に伴い大きくなるということが分かった。
すなわち、炉内圧力が低いままだと、放電発生を完全に抑制することができず、一方、炉内圧力を高くすると電極108、上軸103、及び下軸105の中心軸の傾きが大きくなってしまい、有転位化が起こりやすくなることが分かった。
従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造装置について本発明者らは鋭意研究を行ったところ、従来装置を用いて単結晶成長を行った場合、所望の半導体単結晶を得ることができない場合があることがわかった。例えば、これまでは、炉内圧力を低い状態で結晶成長を行っていたため、電極108と、上下移動と回転が可能に構成された上軸103と下軸105の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位は小さく、結晶成長に与える影響も小さいものであった。しかしながら、誘導加熱コイルに投入する電力が大きくなるに伴い、誘導加熱コイルのスリット部での放電を防止するために、炉内圧力を高くする必要が出てきた。それに伴い、電極108や、原料結晶棒101を保持している上軸103、あるいは単結晶棒102を保持している下軸105へ加わる圧力も大きくなり、それぞれの中心軸が傾いたり、基準位置から変位してしまう場合があった。つまり、原料結晶棒101あるいは単結晶棒102の中心軸の傾きが変化してしまい、結晶成長中に有転位化してしまうことがあった。
また、単結晶棒102の成長に伴い、単結晶棒重量は増加し、原料結晶棒重量は減少する。その結果、それぞれの結晶棒を支持している下軸105及び上軸103への加重も変化し、それにより上下軸の移動部の傾きあるいは基準位置からの変位量が変化してしまうことがあった。特に大口径化による高重量化により、この傾きあるいは変位が大きくなり、有転位化が生じることがある。
このように、従来の半導体単結晶棒製造装置では、炉内圧力の増加や加重の変化による、電極、上軸、及び下軸の中心軸の傾きの変化が発生するために、有転位化が起こりやすくなっていることが分かった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、半導体単結晶棒の結晶成長中に、誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極と、原料結晶棒を保持する上軸と、晶出側単結晶棒を保持する下軸のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を抑制することにより、単結晶の有転位化を防止したFZ法における半導体単結晶棒の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側単結晶棒を軸方向へ移動させることにより前記溶融帯域を軸方向に移動させて、前記晶出側単結晶棒を成長させるFZ法による半導体単結晶棒の製造装置であって、
該半導体単結晶棒の製造装置は前記原料結晶棒を保持する上軸と、前記晶出側単結晶棒を保持する下軸と、前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極とを有し、
前記上軸、前記下軸、及び前記電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構と、該検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を自動調整する機構とを具備するものであることを特徴とする半導体単結晶棒の製造装置を提供する。
このように、中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構と検出された傾きあるいは変位を自動調整する機構を具備することにより、半導体単結晶棒の成長中に変化する、上軸、下軸、及び電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きや基準位置からの変位を常に調整することができるので、電極を水平に、上軸と下軸を垂直に保持することができ、有転位化を抑制し、半導体単結晶棒の安定した製造が可能となる。
このとき、前記中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を自動調整する機構は、中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を補正する調整機構と、前記中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構から信号を受信し、前記調整機構に与える調整量を演算する演算機構とを有するものであることが好ましい。
このような調整機構と演算機構を有する自動調整する機構とすることにより、上軸、下軸、及び電極の中心軸の傾きや基準位置からの変位を常に安定的に調整することができるので、有転位化が抑制され、半導体単結晶棒の安定した製造が可能となる。
また、本発明は、原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側単結晶棒を軸方向へ移動させることにより前記溶融帯域を軸方向に移動させて、前記晶出側単結晶棒を成長させるFZ法による半導体単結晶棒の製造方法であって、
前記原料結晶棒を保持する上軸と、前記晶出側単結晶棒を保持する下軸と、前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する工程と、
前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整する工程と、
を有することを特徴とする半導体単結晶棒の製造方法を提供する。
このように、中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する工程と検出された傾きあるいは変位を零とするように自動調整する工程とを有することにより、半導体単結晶棒の成長中に変化する、上軸、下軸、及び電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きや基準位置からの変位を常に零とするように調整することができるので、電極を水平に、上軸と下軸を垂直に保持することができ、有転位化が抑制され、半導体単結晶棒の安定した製造が可能となる。
このとき、前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整する工程は、
前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするための調整量を演算する工程と、
前記調整量を用いて、前記上軸、前記下軸、及び前記電極の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を調整機構によって零とするように補正する工程と、
を有することが好ましい。
自動調整する工程が、このような調整量を演算する工程と、調整量を用いて中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を調整機構によって零とするように補正する工程とを有することによって、上軸、下軸、及び電極の中心軸の傾きや基準位置からの変位を常に安定的に零とするように調整することができるので、有転位化が抑制され、半導体単結晶棒の安定した製造が可能となる。
以上のように、本発明によれば、半導体単結晶棒の成長中に変化する、原料結晶棒を保持する上軸、晶出側単結晶棒を保持する下軸、及び誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きや基準位置からの変位を常に調整することができるので、単結晶の有転位化が抑制され、半導体単結晶棒の安定した製造を可能とすることができる。
本発明の半導体単結晶棒の製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の半導体単結晶棒の製造装置の傾き・変位制御機構の一例を示す概略図である。 本発明の実施例におけるFZ単結晶棒製造中の炉内圧力の変化を示した図である。 本発明の実施例における炉内圧力と下軸の基準位置からの変位の関係を示した図である。 比較例の炉内圧力と下軸の基準位置からの変位の関係を示した図である。 従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造装置を示す概略図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述のように、従来のFZ法による半導体単結晶棒の製造装置においては、誘導加熱コイルのスリット上での放電防止のための炉内圧力の上昇などにより、電極、原料結晶棒保持軸(上軸)及び晶出側単結晶保持軸(下軸)の中心軸が傾いたり、基準位置から変位してしまうことが分かった。それらの結果、所望の半導体単結晶棒が得られないことがあることを本発明者らは見出した。そして、上下移動と回転が可能に構成された上軸及び下軸や電極の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構と、検出された傾きあるいは変位を自動的に調整し補正する機構を新たに備えたFZ単結晶棒製造装置を用いることにより、所望の半導体単結晶棒をより確実に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
以下では、まず本発明の半導体単結晶棒の製造装置について図1及び図2を参照して説明する。
まず、原料結晶棒1をチャンバー(炉)12内に設置された上軸3の上部保持具4に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶)9を原料結晶棒1の下方に位置する下軸5の下部保持具6に保持する。次に、高周波発振機13によって電極8を介し誘導加熱コイル7に高周波電力を供給し原料結晶棒1を加熱し、溶融させて種結晶9に融着させる。その後種絞りにより絞り部10を形成して無転位化する。
そして、上軸3と下軸5を回転させながら原料結晶棒1と晶出側単結晶棒2を誘導加熱コイル7に対して相対的に下降させることで、原料結晶棒1と晶出側単結晶棒2の間に形成された溶融帯域11を原料結晶棒1の上端まで移動させてゾーニングし、晶出側単結晶棒2を成長させる。
この際、本発明の半導体単結晶棒製造装置15は、図2に示すように電極、上軸、下軸にそれぞれ、傾き・変位制御手段20を有する。傾き・変位制御手段20は、中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する検出機構21と、検出された傾きあるいは変位を補正するための調整機構22と、検出機構21で検出された傾きあるいは変位に関する信号を受信し、調整機構22に与える調整量を演算する演算機構23を有している。例えば、上軸3に設けられた傾き・変位制御手段20は、上軸の中心軸の傾きθeを検出する検出機構21、その傾きを調整(補正)するための調整機構22、および調整機構22に与える調整量を演算する演算機構23で構成されている。
ここで、傾きあるいは変位を検出する検出機構21については、例えば、傾斜計やレーザー変位計などのセンサーを用いることができるが、傾きあるいは変位を正確に測定できるものであれば他のものでもよい。また、この傾きあるいは変位を調整する調整機構22については、例えば、電動モーターや油圧機構が採用できるが、傾きや変位を調整できるものであれば他のものでもよい。
なお、傾き・変位制御手段20は、電極、上軸、下軸のすべてに設置するのが好ましいが、いずれか一つか二つに設置した場合であっても、設置しない場合より大きな効果がある。また、調整機構22と演算機構23を統合して一つの機構としてもよく、検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように演算して自動調整する機構(自動調整機構)としてもよい。
ここで、中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とすることについて、補足説明する。電極、上軸、及び下軸の中心軸の水平又は垂直方向からの傾きや基準位置からの変位を、完全に零にすることは極めて困難である。従って、本明細書中及び特許請求の範囲中の「零とする」との記載は、中心軸の傾き或いは基準位置からの変位をできるだけ小さくして零に近づけることを意味している。即ち、電極の中心軸の傾きであれば水平に、上軸及び下軸の中心軸の傾きであれば垂直に戻し、これらの変位を基準位置の範囲内に戻すことを意味している。また、上軸及び下軸の中心軸の傾きとは垂直(鉛直)からの傾きのことであり、電極の中心軸の傾きとは水平方向の軸からの傾きのことである。さらに、基準位置は様々な設定が可能であるが、晶出側単結晶棒育成開始前の元の位置(初期位置)とすることができる。
次に、上記のような半導体単結晶棒の製造装置15を用いた、本発明の半導体単結晶棒の製造方法について説明する。
ここで、FZ法による半導体単結晶棒の製造方法の概略の工程について説明する。
通常、原料結晶棒1は、大気圧中において、上部保持具4に固定され、上軸3に保持される。その後、炉内を真空排気したのち、アルゴンや窒素などの不活性ガスにて置換される(原料セット・真空置換工程)。
その後、上軸3に取り付けた原料結晶棒1の先端を誘導加熱コイル7で溶融した後、下軸5に固定された下部保持具6に取り付けた種結晶9に融着させる。そして融着の際に結晶に生じた転位を抜くために絞り部10を形成する(種付け・絞り工程) 。
そして、上軸3および下軸5を回転させながら下降させ、溶融帯域11 を原料結晶棒1に対して上方に移動させながら晶出側単結晶棒2を成長させる。この時、絞り後、所望の直径まで晶出側単結晶棒2の直径を徐々に拡大させてコーン部を形成する(コーン工程)。
さらに、所望直径まで達した後はその所望直径で一定に保ったまま結晶成長を行い、直胴部を形成する(直胴工程)。そして所望の長さの直胴部を得た後は、原料の供給を止め、晶出側単結晶棒2の直径を縮小させて、原料結晶棒1から切り離す(切り離し工程)。
上記の工程において、炉内はアルゴンなどの不活性ガスにて加圧されている。これは、誘導加熱コイルのスリットでの放電防止などのためであり、その圧力を以下のように制御することが好ましい。
種付け・絞り工程では、例えば大気圧を基準(0[MPa])とした場合に、0〜0.15[MPa]の範囲の圧力としておく。さらに、コーン工程においては、晶出側単結晶棒の結晶径が大きくなるに従い、炉内の圧力を徐々に高く変化させ、その後、その高い圧力のまま晶出側単結棒の直胴部を所定の直径に制御しつつ育成する。
そして、本発明においては、結晶成長中において、電極、上軸、及び下軸のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出機構21にて検出する(検出工程)。そして、検出機構21で検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするための調整量を演算機構23で演算する(演算工程)。この調整量を用いて、上軸、下軸、及び電極の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を調整機構22によって零とするように補正する(調整工程あるいは補正工程)。
ここで、演算工程と調整工程は二つの分かれた工程でなく、連続した工程とし、検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整する連続した工程としてもよい(自動調整工程)。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1及び図2に示したFZ法による半導体単結晶棒の製造装置を用いて、直径200mmのシリコン単結晶棒を製造した。
本実施例において、シリコン単結晶棒は、原料結晶棒を溶融して種結晶に融着させ、さらにこの種付けの際に結晶に生じた転位を抜くための絞りを行う工程の後、シリコン単結晶を200mmの直径まで拡げながら成長させ、200mmの一定の直径に制御しつつ成長させていく工程を経ながら成長させた。また、結晶成長中の炉内圧力については、図3に示すように、種付け時+0.10[MPa]とし、コーン中に+0.20[MPa]まで自動的に上昇させるよう制御した。ただし、図3においては大気圧を基準とし、これを0[MPa]としてある。
さらには、電極、上軸、及び下軸の中心軸の傾きと変位を検出可能とするレーザー変位計を取り付け、そのレーザー変位計からの信号により、演算機構で調整量を計算し、傾きを零とするように、油圧式シリンダ装置にて補正を行った。
このような条件の下、結晶製造を行ったところ、炉内圧力(チャンバー内圧力)の上昇に伴い、その都度調整機構により補正を行うことにより、中心軸の傾き、及び基準位置からの変位を常に零とすることができた。図4は本実施例における炉内圧力と下軸の基準位置からの変位量の関係を示した図である。図4及び後述の図5においても、大気圧を基準とし、これを0[MPa]と表示してある。炉内圧力が、−0.1[MPa](略真空)から+0.2[MPa]の範囲で下軸の変位量を常に零とすることができた。
このとき、晶出側半導体単結晶棒の有転位化率は、20%であった。これは、後述する比較例に比べて低い値である。実施例では、炉内圧力の変化に伴う、電極あるいは上下軸の中心軸の傾きと基準位置からの変位を常時零とすることが可能となり、安定した結晶成長を行ううえで有効に作用したと考えられる。
(比較例)
シリコン単結晶棒製造の際、実施例とは異なり、電極、上軸、及び下軸の中心軸の傾き及び基準位置からの変位を検出機構21により検出するものの、その後の補正を行わなかった。それ以外は、実施例と同様にしてシリコン単結晶棒の製造を行った。
その結果、炉内圧力が上昇するのに伴い、電極、上軸、及び下軸の中心軸の傾きと基準位置からの変位は大きくなっていった。図5に比較例における炉内圧力と下軸の基準位置からの変位量の関係を示した。大気圧(0[MPa])時と比較して、炉内圧力がおよそ+0.2[MPa]の場合に、最大で0.5mmも変位していることが確認された。また、晶出側半導体単結晶棒の有転位化率は、35%であった。
実施例では、電極、上軸、及び下軸の中心軸の傾き及び基準位置からの変位量を零とすることができた。これらの効果で晶出側半導体単結晶棒の有転位化率は比較例の35%から20%へと、15%減少した。これらの結果から、上軸、下軸、及び電極の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出し、検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整することにより、中心軸が傾くことによる、溶融帯域の状態変化を抑制することが可能になり、有転位化率の低減に有効であり、これまで以上に安定した結晶製造が可能となった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上軸及び下軸の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位については、炉内圧力のみならず、結晶成長に伴う原料結晶棒と晶出側単結晶棒の重量の変化によっても引き起こされる。本発明はこのような変位についても修正することができる。
1…原料結晶棒、 2…晶出側単結晶棒、 3…上軸、 4…上部保持具、
5…下軸、 6…下部保持具、 7…誘導加熱コイル、 8…電極、 9…種結晶、
10…絞り部、 11…溶融帯域、 12…チャンバー、 13…高周波発振機、
15…半導体単結晶棒の製造装置、 20…傾き・変位制御手段、 21…検出機構、
22…調整機構、 23…演算機構、 101…原料結晶棒、
102…晶出側単結晶棒、 103…上軸、 105…下軸、
107…誘導加熱コイル、 108…電極、 111…溶融帯域、
112…チャンバー、 115…半導体単結晶棒の製造装置。

Claims (4)

  1. 原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側単結晶棒を軸方向へ移動させることにより前記溶融帯域を軸方向に移動させて、前記晶出側単結晶棒を成長させるFZ法による半導体単結晶棒の製造装置であって、
    該半導体単結晶棒の製造装置は前記原料結晶棒を保持する上軸と、前記晶出側単結晶棒を保持する下軸と、前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極とを有し、
    前記上軸、前記下軸、及び前記電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構と、該検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を自動調整する機構とを具備するものであることを特徴とする半導体単結晶棒の製造装置。
  2. 前記中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を自動調整する機構は、傾きあるいは基準位置からの変位を補正する調整機構と、前記中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する機構から信号を受信し、前記調整機構に与える調整量を演算する演算機構とを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体単結晶棒の製造装置。
  3. 原料結晶棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯域を形成し、前記誘導加熱コイルに対し上側の原料結晶棒および下側の晶出側単結晶棒を軸方向へ移動させることにより前記溶融帯域を軸方向に移動させて、前記晶出側単結晶棒を成長させるFZ法による半導体単結晶棒の製造方法であって、
    前記原料結晶棒を保持する上軸と、前記晶出側単結晶棒を保持する下軸と、前記誘導加熱コイルに高周波電力を供給する電極のいずれか一つ以上の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を検出する工程と、
    前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整する工程と、
    を有することを特徴とする半導体単結晶棒の製造方法。
  4. 前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするように自動調整する工程は、
    前記検出された中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を零とするための調整量を演算する工程と、
    前記調整量を用いて、前記上軸、前記下軸、及び前記電極の中心軸の傾きあるいは基準位置からの変位を調整機構によって零とするように補正する工程と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体単結晶棒の製造方法。
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