JP2008308383A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 MCZ法で引き上げ育成したシリコン単結晶へのリン不純物ドープのためのNTDに要する時間を短縮しその低コスト化を容易にする。
【解決手段】 シリコン単結晶インゴットの引き上げ育成において、ステップS1で石英ルツボに多結晶シリコンとN型不純物を供給し、これ等をステップS2で融解し適度なN型不純物の添加量を有するシリコン融液を形成する。そして、ステップS3でMCZ法によるインゴット引上げを行い、ステップS4において上記インゴットの加工を行い中性子線照射に適するシリコン単結晶の形状にする。そして、ステップS5で目標の抵抗率となるようにシリコン単結晶に中性子線照射を施し、ステップS6においてシリコン単結晶の熱処理を行い照射欠陥を除去する。その後は、公知のスライス・ラップ加工等でウェーハに加工する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中性子線照射の不純物ドーピング法を用いたシリコン単結晶の製造においてその低コスト化を容易にするシリコン単結晶の製造方法に関する。
従来から、例えばパワーMOSトランジスタのような高耐圧素子を有する半導体デバイスの基板用ウェーハとして、半導体素子の高耐圧値を保証するためにFZ法(Floating
Zone method)で育成したシリコン単結晶から加工形成されたシリコンウェーハが使用されている。このFZ法は高純度のシリコン単結晶の育成に好適であり、シリコン単結晶中の(格子間)酸素濃度を例えば1016原子/cmレベルに容易に低減させることができる。そして、上記半導体デバイス製造の熱処理工程において、ウェーハ中の酸素析出に起因した結晶欠陥の発生あるいは酸素ドナー化によるウェーハの抵抗率の変動を簡便に抑制制御でき、上記半導体素子の安定した高耐圧化が容易になる。
一方、高耐圧素子が製造される基板用ウェーハは一般に高抵抗率のシリコンウェーハであり、例えばN導電型のシリコンウェーハでは、その不純物濃度が1014原子/cm程度の低濃度になる。ここで、FZ法のシリコン単結晶育成時の不純物ドープによると、ウェーハに加工したときの面内抵抗のばらつきが例えば±10〜15%程度となり、ウェーハ面内の不純物分布を均一に制御することが難しい。この不純物分布の不均一性は高耐圧素子の耐圧ばらつき不良を生じさせる。そこで、FZ法で育成したシリコン単結晶のリン不純物ドープのために、いわゆる中性子線照射によるドーピング(Neutron Transmutation Doping:NTD)方法が併用される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述したようなFZ法を用いたシリコン単結晶製造の場合、その製造コストが後述するMCZ法(Magnetic field applied CZochralski method:磁界下チョクラルスキー法)あるいはCZ法(CZochralski
method)の場合に較べて高くなる。そして、そのシリコン単結晶から作製されるシリコンウェーハも高コストになる。また、このシリコンウェーハの直径は現在の量産製造において5インチ程度であり、MCZ法およびCZ法に較べてその大口径化が難しい。これ等のために、このシリコンウェーハを用いた上記半導体デバイスの製造コストの低減が難しいという問題があった。
更に、上記シリコンウェーハは、格子間酸素の量が極めて低くなることからその機械的強度が低下し、半導体デバイス製造の熱処理工程においてウェーハ割れ、スリップ等が発生し易いという問題を有していた。
そこで、近年では、MCZ法により引き上げ育成したシリコン単結晶から作製したシリコンウェーハが用いられるようになってきている。更に、高耐圧デバイス以外の半導体デバイス全般において広く用いられているCZ法で育成したシリコン単結晶から上記基板用ウェーハを製造する方法が提示されている(例えば、特許文献2参照)。
MCZ法によるシリコン単結晶の育成においては、その酸素濃度を容易に1017原子/cmレベルに低減させることができる。そして、この方法により引き上げ育成される棒状のシリコン単結晶インゴットは、例えば300mmφのような大口径化が容易になることから、FZ法の場合に説明したシリコンウェーハの大口径化に係る問題は解決される。しかし、このMCZ法の場合であっても、ノンドープの状態でシリコン単結晶を引き上げ育成し、その後にNTDにより上記シリコン単結晶にリン不純物をドープする手法がとられる。
NTDでは、シリコン単結晶に中性子線を照射することにより、シリコン単結晶中に3%程度含まれる同位体30Siが熱中性子を捕獲吸収してγ線を放出し、不安定な同位体31Siに移行する。そして、この同位体31Siが、2.6時間程度の半減期でβ線を放出して安定な同位体31Pに核変換する。この核変換で形成された31Pがリン不純物として働くことになる。このようなNTDは不純物ドープの均一性を高くするため、高耐圧素子の耐圧ばらつきを抑える。しかしながら、現状では、NTD作業場所が限定設備である原子炉周辺であり、その処理能力が充分でなく、しかも1回の中性子線の照射時間は3〜5日程度と長い。これ等のことから、NTDコストが高くなり、MCZ法による高耐圧素子を有する半導体デバイス用のシリコン単結晶の製造において、その低コスト化が容易でないという問題があった。
また、上記CZ法によるシリコン単結晶の育成において、通常では酸素濃度は1〜2×1018原子/cm程度であるが、特許文献2では1017原子/cmレベルの後半まで低減できるとしている。しかし、この場合でも、ノンドープの状態でシリコン単結晶を引き上げ育成した後にNTDによりリン不純物をドープする手法がとられることから、MCZ法の場合と同様にその製造コストの低減が容易でないという問題がある。
特開2005−12090号公報 特開2006−344823号公報
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、高耐圧素子を有する半導体デバイス用のシリコン単結晶の製造において、その良品収率を低下させることなくその製造コストの低減を容易にすることを主目的にするものである。そこで、MCZ法で引き上げ育成したシリコン単結晶へのリン不純物ドープのためのNTDに要する時間を短縮し、その低コスト化を容易にすることを目的とする。ここで、上記シリコン単結晶インゴットの長さ方向における抵抗率のバラツキを小さく保ち、シリコンウェーハの良品収率を低下させないようにする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるシリコン単結晶の製造方法は、石英ルツボ内のシリコン融液にN型不純物を添加し、MCZ法(磁界下チョクラルスキー法)によりシリコン単結晶を引き上げ育成する工程と、前記引き上げ育成した後のシリコン単結晶に中性子線照射を行い所定濃度のリン不純物を注入する工程と、を有するという構成になっている。
上記発明により、中性子線照射におけるリン不純物注入の所要時間が短縮してリン不純物注入に要するコストが低減する。そして、高耐圧素子を有する半導体デバイス用のシリコン単結晶の製造コスト低減が可能になる。また、このシリコン単結晶シリコンから作製されるシリコンウェーハが容易に大口径化され、上記高耐圧デバイスの製造コスト低減が容易になる。
上記発明の好適な態様では、前記N型不純物の添加量は、5×1012原子/cm以上であり5×1013原子/cm未満となる範囲にする。あるいは、前記石英ルツボは、天然石英ガラス材料を含んで形成され、前記石英ルツボ中のアルミニウム濃度が5〜50ppmの範囲にあり、前記石英ルツボ中の硼素濃度が0.05ppmを超えない。
このようにすることにより、シリコン単結晶引き上げ用の石英ルツボを安価にすることが可能になり、中性子線照射によるリン不純物注入に要するコスト低減と併せて、高耐圧素子を有する半導体デバイス用のシリコン単結晶の製造コストが大きく低減する。また、シリコン単結晶の長さ方向における抵抗率のバラツキが小さく保たれてシリコンウェーハの良品収率が低下しないようになる。
本発明の構成により、MCZ法で引き上げ育成したシリコン単結晶へのリン不純物ドープのためのNTDに要する時間が短縮し、その低コスト化が容易になる。また、上記シリコン単結晶インゴットの長さ方向における抵抗率のバラツキは小さく保たれ、シリコンウェーハのインゴットでの良品収率の低下が防止される。そして、高耐圧素子を有する半導体デバイスの製造に使用されるシリコンウェーハの低コスト化、および上記半導体デバイスの製造コストの低減が容易になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態にかかるシリコン単結晶の製造方法を示す工程フロー図である。そして、図2はMCZ法における単結晶引き上げ装置内の状態を概略的に示した模式的な縦断面図である。
本発明のシリコン単結晶の製造方法を説明する前に、MCZ法によるシリコン単結晶引き上げ装置について概略説明する。図2に示すように、MCZ法シリコン単結晶引き上げ装置には、円筒形状のメインチャンバ11内にシリコン融液12を保持する石英ルツボ13、その外側の黒鉛ルツボ14が配置され、黒鉛ルツボ14を周囲から加熱するヒータ15が設置されている。そして、石英ルツボ13の回転および昇降を行うためのルツボ昇降軸16が備えられ、メインチャンバ11外に対向型超電導コイル磁石17,17が取り付けられている。ここで、対向型超電導コイル磁石17,17により生じる水平方向磁束の中心線はシリコン融液12の融液面下の所定領域に位置するようになっている。
そして、引き上げワイヤ18が、シリコン単結晶インゴット19のネック上部の種結晶を保持するシードチャック20と連結しており、プルチャンバ21からメインチャンバ11内に垂下してシリコン単結晶インゴット19を所定の速度で引き上げるようになっている。なお、この引き上げ装置においては、本実施形態を説明する上で必要な構成部分以外については記載を一部省略しており、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。例えば、シリコン単結晶インゴット19にボロン、ヒ素、リンなどの有効不純物を添加する機構、部材等が備えられるが、説明図を簡明にするために省略される。
本実施形態にかかるシリコン単結晶の製造では、図1に示されるステップS1において、石英ルツボ13内にシリコン融液12の原料シリコンとして多結晶シリコンを供給しリン等の微量のN型不純物を添加し充填する。ここで、添加するN型不純物としてはヒ素あるいはアンチモンであっても構わない。
そして、原料シリコン等を石英ルツボ13内に充填した後、ステップS2において、メインチャンバ11内に希ガスを流入させ希ガス雰囲気で原料シリコン等の融液化を行い、シリコン融液12を石英ルツボ13内に形成する。次いで、ステップS3において、MCZ法によるシリコン単結晶インゴット19の引き上げ育成を行う。
このインゴット引き上げでは、対向型超電導コイル磁石17によりシリコン融液12に対し水平方向磁束を付与し、シードチャック20に取り付けた種結晶をシリコン融液12に着液する。そして、引き上げワイヤ18を一方向に回転させながら所定の速度で引き上げ、同時にルツボ昇降軸16により石英ルツボ13を同方向又は逆方向に回転させて、所要の直胴部の直径および長さのシリコン単結晶インゴット19を育成させる。ここで、ルツボ昇降軸16は上方駆動されシリコン融液12の融液面が一定の高さに維持される。このようにして、シリコン単結晶インゴット19は、いわゆるネック部、ショルダー部、ボディ部およびテイル部の順に育成される。
ここで、原料シリコンを構成する多結晶シリコンとしては、例えばトリクロルシランのようなシラン系ガスを原料にした化学気相成長(CVD)法でフィラメントに沿ってロッド状に堆積させたものを用いる。この多結晶シリコンは高純度(例えばイレブン9以上)シリコンである。しかし、この多結晶シリコンには極微量のリンが含まれる。
また、シリコン融液12を保持する石英ルツボ13は、1400〜1500℃という高温で長時間に亘り使用されることから、5ppm〜50ppm濃度のアルミニウムを含有させることより高温粘性を高め、その熱変形が抑制されるようになっている。上記範囲のアルミニウム含有量は、合成石英ガラス材料あるいは天然石英ガラス材料の溶融成形により形成される石英ルツボ13に好適である。そして、石英ルツボ13を上記天然石英ガラス材料の精製とその材料粉の溶融成形により形成する場合には、その石英ルツボ13には50ppb以下の硼素が含まれるようになる。
そこで、上述したMCZ法によるシリコン単結晶インゴット19の引き上げ育成において、上記アルミニウムのシリコン単結晶インゴット19への固溶によるシリコン単結晶のP型化を補償するように、シリコン融液12にN型不純物を添加すると好適である。ここで、実施例において後述されるが、N型不純物の添加量は、5×1012原子/cm以上であり5×1013原子/cm未満となる範囲にするのが好ましい。また、原料シリコンである多結晶シリコン中のリン不純物は、石英ルツボ13からシリコン融液12に溶出する上述した石英ルツボ13中の硼素を相殺し補償することから、この硼素起因のシリコン単結晶のP型化を補償する。
なお、上述したMCZ法によるシリコン単結晶インゴット19の引き上げ育成では、水平方向磁束の付加により、石英ルツボ13からシリコン融液12に溶出した酸素がシリコン融液12とシリコン単結晶インゴット19の固液界面に流入するのが抑制され、シリコン単結晶インゴット19に固溶する酸素濃度は容易に1017原子/cm程度になる。
次に、図2のステップS4において、シリコン単結晶インゴット19にインゴットの加工を施す。この工程では、例えば6インチφで2m長尺のインゴット19のネック部、ショルダー部、およびテイル部の削除とボディ部の取り出しを行う。そして、インゴットの直胴部であるボディ部を中性子線照射に適する規定の長さに切断し、円柱研削と共に表面不純物除去のための洗浄およびエッチング処理を施す。
そして、ステップS5において、上記加工されたシリコン単結晶に中性子線照射を施す。この照射は軽水炉や重水炉などの原子炉において行う。この中性子線照射によるNTDでは、シリコン単結晶に均一に中性子線が照射するように、照射中にシリコン単結晶を回転させ上下反転させる。この照射時間はシリコン単結晶が目標の抵抗率になるように決められる。なお、目標の抵抗率は高耐圧素子の所要耐圧値により異なり、その抵抗率によって照射時間は3〜5日程度範囲になる。そして、照射した後は、シリコン単結晶は、照射中に生じた32Pなどの核種の放射能が規定値に減衰するまでクーリングする。
本実施形態では、シリコン単結晶インゴット19の引き上げ育成において、シリコン融液12中に上述したような適度なN型不純物の添加を施すために、上記NTDにおける照射時間が10〜20%程度短縮するようになる。この具体例は実施例のところで後述される。
次に、ステップS6において、中性子線照射によりシリコン単結晶中に生じた点欠陥や格子変位等の照射欠陥を除去するために、シリコン単結晶の熱処理を施す。そして、このように製造されたシリコン単結晶は、公知のスライス・ラップ等によりウェーハに加工される。
本実施形態では、上述したようにシリコン単結晶の引き上げ育成において、石英ルツボ13内のシリコン融液12にN型不純物を適度に添加し、MCZ法によりシリコン単結晶インゴット19を引き上げる。そして、上記引き上げ育成した後のシリコン単結晶に中性子線照射を行い所定濃度のリン不純物を注入する。ここで、N型不純物の添加量は、石英ルツボ13含有のアルミニウムによるシリコン単結晶インゴット19のP型化を補償するように適度に決められる。このようなN型不純物の添加により、NTDの所要時間が短縮してその生産性が向上するようになる。そして、高耐圧素子を有する半導体デバイス用であって所要の高抵抗率を有するシリコン単結晶の製造コストの低減が極めて容易になる。
また、本実施形態では、シリコン単結晶インゴット引き上げ用の石英ルツボとして、含有アルミニウム量が高くなるが安価である天然石英ガラス材料から溶融成形したものを使用することが可能になる。そして、このことからも、高耐圧素子を有する半導体デバイス用の高抵抗率を有するシリコン単結晶の製造コストの低減が容易になる。
更に、本実施形態におけるMCZ法によるシリコン単結晶の大口径化は容易であり、このシリコン単結晶シリコンから作製されるシリコンウェーハが容易に大口径化される。このために、上述した高耐圧デバイスの製造コストの低減が極めて容易になる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。この実施例とその比較例において、インゴット引き上げでは、図2に示したようなMCZ法シリコン単結晶引き上げ装置を用い、石英ルツボ13中のシリコン融液12へのリン不純物の添加量を変えてシリコン単結晶インゴット19の引き上げを行った。上記石英ルツボ13としては、天然石英ガラス材料の精製とその材料粉の溶融成形により形成された口径が16インチφのものを使用した。そして、1本のシリコン単結晶インゴットの引き上げ育成毎に新たなものに取り換えた。ここで、石英ルツボ13には、5ppm〜50ppm濃度のアルミニウムが含有され、50ppb以下の硼素が含まれる。また、NTDの中性子線照射は、同一の原子炉の設備で行い、シリコン単結晶の抵抗率50Ω・cmを目標に照射時間を調節した。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでないことに言及しておく。
(実施例1)
上記石英ルツボ13に多結晶シリコンとリン不純物を充填し、これらを溶融してリン不純物量が8×1012原子/cmのシリコン融液12を形成してシリコン単結晶インゴットの引き上げを行った。この引き上げでは、直径が5インチφとなるインゴットを通常のネック部、ショルダー部、ボディ部およびテイル部の順に育成し、その長さが2m強のシリコン単結晶インゴットを得た。このインゴット育成の同一条件で3本のシリコン単結晶インゴットを作製した。
そして、2本のシリコン単結晶インゴットには、図1のステップS4のインゴットの加工を施し、上述したNTDにおいて中性子線照射の時間を計測した。そして、各シリコン単結晶インゴットからウェーハを作製し、ウェーハ面の電気抵抗率を四探針法により測定して、各シリコン単結晶インゴットのショルダー部側からテイル側にわたる結晶成長軸方向(シリコン単結晶インゴットの長さ方向)における抵抗率分布を求めた。ここでは、インゴットの長さ方向に等間隔に100枚のウェーハを取り出し、各ウェーハ面内分布を測定して各ウェーハの平均抵抗率を算出し、この平均抵抗率のインゴット長さ方向の分布を求めている。
また、残りの1本のシリコン単結晶インゴットにはNTDを施さないで、そのシリコン単結晶の抵抗率および長さ方向の分布を上述したのと同様にウェーハ状態にして測定した。
(実施例2)
この実施例では、シリコン単結晶インゴットの引き上げ育成において、リン不純物量が2×1013原子/cmのシリコン融液12を用いた。それ以外は、実施例1と全く同様にして、3本のシリコン単結晶インゴットを引き上げた。また、そのNTDでは、シリコン単結晶の抵抗率50Ω・cmを目標に照射時間を測定した。そして、実施例1で説明したようにウェーハ状態にしてシリコン単結晶の抵抗率およびその分布を測定した。
(比較例1)
この比較例は、従来技術のNTDを用いたシリコン単結晶の製造方法に相当している。ここでは、シリコン単結晶インゴットの引き上げ育成において、リン不純物量を添加しないシリコン融液12を用いる以外は、実施例1と全く同様にして、シリコン単結晶インゴットの引き上げ、そのNTDおよび上記測定等を行った。
(比較例2)
比較例2では、シリコン単結晶インゴットの引き上げ育成において、リン不純物量が5×1013原子/cmのシリコン融液12を用いた。それ以外は、実施例1と全く同様にして、シリコン単結晶インゴットの引き上げ、そのNTDおよび測定等を行った。
(評価)
上記実施例および比較例で得られたNTD後のシリコン単結晶インゴットの長さ方向における抵抗率分布を図3に示す。図3は、横軸に抵抗率の値をとり、縦軸にその抵抗率を示すウェーハの頻度をとっている。ここで、頻度は、各実施例および比較例において、それぞれに2本のシリコン単結晶インゴットから得られたウェーハ200枚中の割合で示される。
図3に示されるように、実施例1と比較例1では約50Ω・cmを中心としてほぼ同様な抵抗率の頻度分布になる。実施例2では約48Ω・cmを中心とした抵抗率の頻度分布であり、その分布における標準偏差は実施例1と比較例1の場合より少し増加する。これ等に対して、比較例2では約44.5Ω・cmを中心とした頻度分布であり、その標準偏差は急増する。
表1には、上述した実施例1,2および比較例1,2の結果についてまとめて示した。ここで、照射前抵抗率は、上述したようにNTDを施さないシリコン単結晶インゴットから得たウェーハの抵抗率であり、インゴット長さ方向におけるその平均値で示している。そして、照射後抵抗率は、上述したNTDを施した2本のシリコン単結晶インゴットから得たウェーハのインゴット長さ方向におけるその抵抗率の平均値である。また、NTDにおける照射時間は比較例1を基準に規格化して示している。
Figure 2008308383
表1に示した結果から明らかなように、シリコン単結晶インゴットの引き上げ育成において、シリコン融液にリン不純物を添加することにより、NTDにおける照射時間は短縮する。一方で、リン不純物の添加量が増加すると、照射後抵抗率の標準偏差が増えて、シリコン単結晶のインゴット長さ方向におけるその抵抗率のバラツキが増大することが判る。
例えば、実施例2では、NTDにおける照射時間は、従来技術である比較例1の場合よりも10%程度短縮する。そして、この場合の標準偏差は2.7Ω・cmであり、従来技術の場合の約1.7Ω・cmより少し増加するが、照射後抵抗率の5.6%である。このような抵抗率のバラツキは、この抵抗率に対応した高耐圧素子のウェーハとして問題のない範囲であり、シリコン単結晶インゴットにおけるウェーハの良品収率は従来技術の場合のそれと略同程度になる。これに対して、比較例2では、標準偏差は照射後抵抗率の20%近くに急増することから、使用に耐えなくなる。なお、照射後抵抗率のウェーハ面内におけるバラツキは±5%以内になる。
また、上記実施例および比較例から、NTDにおけるシリコン単結晶の目標抵抗率と照射時間の関係は、(1)式あるいは(2)式で与えられることが判った。ここで、(1)式は表1の実施例1および比較例1の場合に示したようにシリコン単結晶の中性子線の照射前導電型がP型の場合であり、(2)式は実施例2および比較例2の場合に示したようにシリコン単結晶の中性子線の照射前導電型がN型の場合である。
Figure 2008308383
Figure 2008308383
ここで、ρ0はシリコン単結晶の照射前抵抗率(Ω・cm)、ρはシリコン単結晶の照射後抵抗率(Ω・cm)、Φは熱中性子線束(個/cm・sec)、tは照射時間である。
そして、(1)式あるいは(2)式から、目標の抵抗率が大きくなるに従い照射時間が短くなり、しかもシリコン融液のN型不純物添加による照射時間短縮の効果が増大することが判る。ここで、N型不純物の添加は、MCZ法におけるノンドープによる引き上げで生じるシリコン単結晶のP型化を補償し、その中性化あるいはN型化が起こるように適度に調整する。そして、N型化する場合には、その照射前抵抗率が10Ω・cmレベルになるようにする。なお、シリコン単結晶の照射前抵抗率はシリコン単結晶の照射後抵抗率の10倍以上にするのが好ましい。
以上のことから、例えば天然石英ガラス材料から作製した石英ルツボを用いて引き上げ育成したシリコン単結晶のNTDでは、シリコン融液へのリン不純物量は、5×1012原子/cm以上であり5×1013原子/cm未満となる範囲にすると極めて好適になることが確認された。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。例えば、本実施形態は、CZ法による高耐圧素子を有する半導体デバイス用のシリコン単結晶の製造方法にも同様に適用できる。
本発明の実施形態にかかるシリコン単結晶の製造方法を示す工程フロー図である。 本発明を説明するためのMCZ法における単結晶引き上げ装置内の状態を概略的に示した模式的な縦断面図である。 本発明の実施例および比較例におけるNTD後のシリコン単結晶インゴット長方向の抵抗率分布である。
符号の説明
11 メインチャンバ
12 シリコン融液
13 石英ルツボ
14 黒鉛ルツボ
15 ヒータ
16 ルツボ昇降軸
17 対向型超電導コイル磁石
18 引き上げワイヤ
19 シリコン単結晶インゴット
20 シードチャック
21 プルチャンバ

Claims (3)

  1. 石英ルツボ内のシリコン融液にN型不純物を添加し、MCZ法(磁界下チョクラルスキー法)によりシリコン単結晶を引き上げ育成する工程と、
    前記引き上げ育成した後のシリコン単結晶に中性子線照射を行い所定濃度のリン不純物を注入する工程と、
    を有することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記N型不純物の添加量は、5×1012原子/cm以上であり5×1013原子/cm未満となる範囲にすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記石英ルツボは天然石英ガラス材料を含んで形成され、前記石英ルツボ中のアルミニウム濃度が5〜50ppmの範囲にあり、前記石英ルツボ中の硼素濃度が0.05ppmを超えないことを特徴とする請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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