JP2011020886A - シリカ容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高寸法精度、高耐熱変形性を有するシリカ容器を、シリカを主成分とする粉体を主原料として、低コストで製造できるシリカ容器の製造方法、及び、このようなシリカ容器を提供する。
【解決手段】 回転対称性を有するシリカ基体を備えてなるシリカ容器を製造する方法であって、減圧用の孔を有する炭素製の外型枠を回転させながら、外型枠の内壁に基体用原料粉(シリカ粒子)を導入し、所定形状に仮成形する工程、シリカ基体の仮成形体の内周側からHガスを10vol.%を超える比率で含有する還元性ガスを供給しつつ、シリカ基体の仮成形体を外周側から減圧して脱ガスするとともに、炭素電極による放電加熱溶融法によりシリカ基体の仮成形体の内側から加熱することによって、シリカ基体の仮成形体の外周部分を焼結体とするとともに、内側部分を溶融ガラス体とし、シリカ基体を形成する工程を含むシリカ容器の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリカを主な構成成分とするシリカ容器及びその製造方法に関し、特には、低コスト、高寸法精度、高耐熱変形性のシリカ容器及びその製造方法に関する。
シリカガラスは、大規模集積回路(LSI)製造用投影露光装置(リソグラフィー装置)のレンズ、プリズム、フォトマスクやディスプレイ用TFT基板、紫外線又は赤外線ランプ用チューブ、窓材、反射板、半導体工業用洗浄容器、シリコン半導体溶融容器等として用いられている。しかしながら、これらシリカガラスの原料としては高価な四塩化ケイ素等の化合物を用いなければならず、また、シリカガラスの溶融温度や加工温度は約2000℃と著しく高温であるため、エネルギー消費量が多く地球温暖化ガスの1つとして考えられる二酸化炭素の大量排出を引き起こしてしまう。そこで、従来から、比較的安価な粉体原料等を用いたシリカガラスの製造方法が考えられていた。
例えば特許文献1では、シリコンアルコキシドを加水分解してシリカゾルとし、次いでゲル化させてウェットゲルとし、乾燥によりドライゲルとし、最後に高温焼成により透明シリカガラス体を得る方法(ゾルゲル法)が示されている。また特許文献2では、テトラメトキシシランもしくは、テトラエトキシシランと、シリカ微粒子を含むシリカゾル溶液とから構成されるシリカゾル混合溶液から、ゾルゲル法によって透明シリカガラスを得る方法が示されている。また、特許文献3では、シリコンアルコキシド及びシリカガラス微粒子を主原料として、透明シリカガラスを製造する方法において、200℃〜1300℃未満の加熱処理は酸素ガス含有雰囲気で行い、さらに1700℃以上に昇温させる加熱処理を水素ガス含有雰囲気で行い、かつ前記2つの加熱処理の間に減圧雰囲気加熱処理を行うことが示されている。しかし、これら従来のゾルゲル法では、作製されたシリカガラスの初期の寸法精度やその後の高温度下での使用時の耐熱性に問題があるばかりではなく、コスト面でもそれほど安価ではなかった。
また、特許文献4では、少なくとも2つの異なるシリカガラス粒子、例えばシリカガラス微粉末とシリカガラス粒を混合して水含有懸濁液とし、次いで加圧成形し、高温下で焼結してシリカ含有複合体を得る方法(スリップキャスト法)が示されている。また、特許文献5では、100μm以下のサイズのシリカガラス粒子と100μm以上のサイズのシリカガラス顆粒を含有する混合液(スラリー)の作製、成形型枠への注入、次いで乾燥、焼結により不透明シリカガラス複合材を作製する方法が示されている。しかし、これら従来のスリップキャスト法では、乾燥工程や焼結工程での成形体の収縮が大きく、寸法精度の高い肉厚のシリカガラス成形体を作ることはできなかった。
このように、粉体原料からのシリカガラス成形体の製造方法では、上記のような問題がある。そのため、現在でも、LSI用単結晶シリコン製造用シリカルツボの製造方法としては、特許文献6及び特許文献7に記載されているような製造方法が用いられている。これらの方法は、回転する型枠の中に超高純度化処理された天然石英粉又は合成クリストバライト粉を投入、成形した後、上部からカーボン電極を押し込み、カーボン電極に加電することによりアーク放電を起こし、雰囲気温度を石英粉の溶融温度域(1800〜2100℃程度と推定)まで上昇させて、石英原料粉を溶融、焼結させる方法である。
しかし、これらの製造方法では、超高純度の石英原料粉を使用するため高コストであるという問題があった。また、製造されたシリカルツボに各種の不純物ガスが溶存されるため、シリコン単結晶成長用シリカルツボとし使用する際にガス放出が生じ、それがシリコン単結晶に気泡として取り込まれる等の、製造コスト上及びシリコン結晶の品質上の問題が出ていた。また単結晶シリコン引上げ時にルツボの側壁が軟化変形するという、シリカルツボの耐熱変形性の問題も生じていた。
また、特許文献8には、シリカ粉体原料のアーク放電溶融法(溶融時の雰囲気は大気と推定される)により、天然石英ガラスから成る外層と、アルミニウム濃度の高い合成石英ガラスから成る中間層と、高純度合成石英ガラスから成る内層の3層構造のシリカルツボが示されている。そして、中間層による不純物移動防止効果が示されている。しかし、このような構造による3層構造は高コストであるばかりではなく、耐熱変形性の問題は解決されていなかった。
また、特許文献9には、シリカ粉体原料成形体のアーク放電溶融時に、成形型枠の外周から減圧吸引することにより、溶融された石英ルツボ壁の中の気泡を少なくする技術が示されている。
しかし、シリカ粉体に存在する空気を減圧吸引するだけでは、溶融された石英ルツボ壁の中の溶存ガスを完全に除去することはできなかった。特に、HOの残留ガスの多いルツボしか得ることができなかった。
さらに、特許文献10には、同様なアーク放電溶融法による、結晶化促進剤を含ませた3層構造のシリカルツボが示されている。
しかし、この3層構造ルツボを使用して単結晶シリコンを引上げた場合、必ずしもルツボが均一に結晶化しないという問題や、該ルツボからのガス放出が多いために成長単結晶シリコンの中にボイドやピンホールといった欠陥が生成する、またルツボ使用時に熱変形を引き起こすという問題があった。
特開平7−206451号公報 特開平7−277743号公報 特開平7−277744号公報 特開2002−362932号公報 特開2004−131380号公報 特公平4−22861号公報 特公平7−29871号公報 特開平9−255476号公報 特開平10−25184号公報 特開平11−171684号公報
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、高寸法精度、高耐熱変形性を有する、シリカを主な構成成分とするシリカ容器を、シリカを主成分とする粉体を主原料として、低コストで製造できるシリカ容器の製造方法、及び、このようなシリカ容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ基体を備えてなるシリカ容器を製造する方法であって、前記シリカ基体を形成するためのシリカ粒子である基体用原料粉を準備する工程と、回転対称性を有しており、減圧用の孔が内壁に分配されて形成された、炭素製の外型枠を回転させながら、前記外型枠の内壁に前記基体用原料粉を導入し、該基体用原料粉を前記外型枠の内壁に応じた所定形状に仮成形してシリカ基体の仮成形体とする工程と、前記シリカ基体の仮成形体の内周側からHガスを10vol.%を超える比率で含有する還元性ガスを供給しつつ、前記外型枠に形成されている減圧用の孔によって減圧することにより、前記シリカ基体の仮成形体を外周側から減圧して脱ガスするとともに、炭素電極による放電加熱溶融法により前記シリカ基体の仮成形体の内側から加熱することによって、前記シリカ基体の仮成形体の外周部分を焼結体とするとともに、前記シリカ基体の仮成形体の内側部分を溶融ガラス体とし、前記シリカ基体を形成する工程とを含むことを特徴とするシリカ容器の製造方法を提供する。
このような工程を含むシリカ容器の製造方法であれば、強い還元性雰囲気下での加熱により、シリカ基体中に酸素欠損型欠陥を含ませることができる。この酸素欠損型欠陥の存在のため、シリカ基体に高い耐熱変形性を付与することができる。そして、本発明は、従来法に対して特別な装置や工程の付加をすることなく実施できるので、高耐熱変形性を有するシリカ容器を、高寸法精度で、高生産性かつ低コストで製造することができる。
また、Hガスの存在下における加熱により、製造されたシリカ容器に溶存するHO分子の溶存量を抑制することができる。そのため、シリカ容器を使用する際に、シリカ容器から放出されるHO分子を抑制することができるので、シリカ容器に収容される収容物へのHO分子による悪影響を低減することができる。
この場合、前記基体用原料粉にAlを10〜1000wt.ppmの濃度で含有させることができる。
このように、基体用原料粉にAlを10〜1000wt.ppmの濃度で含有させれば、シリカ基体中の金属不純物の拡散を抑制することができ、収容する収容物への不純物汚染を低減することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記放電加熱溶融法によりシリカ基体を形成する工程よりも後に、前記シリカ基体の内側から、結晶質シリカからなり、前記基体用原料粉よりもシリカ純度が高い内層用原料粉を散布しつつ、放電加熱溶融法により内側から加熱することによって、前記シリカ基体の内側表面上に透明シリカガラスからなる内層を形成する工程をさらに含むことができる。
このように、上記のいずれかのシリカ容器の製造方法において、得られたシリカ基体の内側表面上に透明シリカガラスからなる内層を形成する工程をさらに含むものとすれば、製造したシリカ容器に収容する収容物への不純物汚染をより効果的に低減することができる。
この場合、前記内層用原料粉のLi、Na、Kの各濃度を60wt.ppb以下とし、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各濃度を30wt.ppb以下とすることが好ましい。
内層用原料粉に含まれる金属の濃度が、このような濃度であれば、製造したシリカ容器に収容する収容物への不純物汚染をより効果的に低減することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記放電加熱溶融法によりシリカ基体を形成する工程又は内層を形成する工程の放電加熱後の冷却を、Oガスを含有する酸化性ガス雰囲気下にて行うことができる。
この場合、前記酸化性ガスのOガス含有比率を1〜30vol.%とすることが好ましい。
このように、上記のいずれかのシリカ容器の製造方法において、放電加熱溶融法によりシリカ基体を形成する工程又は内層を形成する工程の放電加熱後の冷却を、Oガスを含有する酸化性ガス雰囲気下にて行うこととすれば、炭素電極から飛散した炭素粒子を酸化処理してガス化し、炭素微粒子の付着の少ないシリカ容器を得ることができる。また、酸化性ガスのOガス含有比率を1〜30vol.%とすることにより、付着した炭素微粒子をより効果的に除去することができる。
また、本発明は、少なくとも、シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ基体を備えてなるシリカ容器であって、前記シリカ基体は、酸素欠損型欠陥を含むものであり、外周部分に気泡を含有する白色不透明層部を有し、内周部分に実質的に気泡を含有しないシリカガラスからなる無色透明層部を有するものであることを特徴とするシリカ容器を提供する。
このようなシリカ容器であれば、酸素欠損型欠陥を含むために、高い耐熱変形性を有するものとすることができる。
この場合、前記シリカ基体に含まれる酸素欠損型欠陥の密度が、前記無色透明層部において、光路長10mm当たりの、波長240nmでの光透過率が80%以下を示すものであることが好ましい。
このように、シリカ基体に含まれる酸素欠損型欠陥の密度が、無色透明層部において、光路長10mm当たりの、波長240nmでの光透過率が80%以下を示すものであれば、シリカ基体が十分に高密度の酸素欠損型欠陥を含むので、より信頼性の高い耐熱変形性を有するシリカ容器とすることができる。
また、前記シリカ基体の無色透明層部を真空下で1000℃に加熱したときに放出するHO分子が1×1017分子/cm以下であることが好ましい。
このように、シリカ基体の無色透明層部を真空下で1000℃に加熱したときに放出するHO分子が1×1017分子/cm以下であれば、シリカ容器に収容される収容物へのHOガス分子による悪影響を抑制することができる。
また、前記シリカ基体の無色透明層部におけるH分子濃度が5×1016分子/cm以下であることが好ましい。
このように、シリカ基体の無色透明層部におけるH分子濃度が5×1016分子/cm以下であれば、シリカ容器に収容される収容物へのHガス分子による悪影響を抑制することができる。
また、前記シリカ基体の無色透明層部の1400℃における粘度が1010.5Pa・s以上であることが好ましい。
このように、シリカ基体の無色透明層部の1400℃における粘度が1010.5Pa・s以上であれば、より信頼性の高い耐熱変形性を有するシリカ容器とすることができる。
また、前記シリカ基体のOH基濃度が60wt.ppm以下であることが好ましい。
また、前記シリカ基体がAlを10〜1000wt.ppmの濃度で含有することが好ましい。
このように、シリカ基体がOH基やAlを上記の濃度で含有するものであれば、シリカ基体中の金属不純物の拡散を抑制することができ、収容する収容物への不純物汚染を低減することができる。
また、本発明のシリカ容器では、前記シリカ基体の内側表面上に、該シリカ基体よりシリカ純度が高い透明シリカガラスからなる内層を備えることができる。
このように、上記のいずれかのシリカ容器を、シリカ基体の内側表面上に、該シリカ基体よりシリカ純度が高い透明シリカガラスからなる内層を備えるものとすれば、シリカ容器に収容する収容物への不純物汚染をより効果的に低減することができる。
この場合、前記内層は、OH基濃度が30wt.ppm以下であり、Li、Na、Kの各濃度が60wt.ppb以下であり、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各濃度が30wt.ppb以下であることが好ましい。
内層に含まれるOH基濃度、各金属の濃度がこのような濃度であれば、製造したシリカ容器に収容する収容物への不純物汚染をより効果的に低減することができる。
以上のように、本発明に従うシリカ容器の製造方法であれば、シリカ基体中に酸素欠損型欠陥を含ませることができる。この酸素欠損型欠陥の存在のため、シリカ基体に高い耐熱変形性を付与することができる。そして、このような高耐熱変形性を有するシリカ容器を、高寸法精度で、高生産性かつ低コストで製造することができる。
また、溶存するHO分子が抑制されたシリカ容器を製造することができる。そのため、シリカ容器を使用する際に、シリカ容器から放出されるHO分子を抑制することができるので、シリカ容器に収容される収容物へのHO分子による悪影響を低減することができる。
また、本発明に従うシリカ容器であれば、酸素欠損型欠陥を含むために、高い耐熱変形性を有するものとすることができる。
本発明に係るシリカ容器の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の別の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法の一例の概略を示すフローチャートである。 本発明に係るシリカ容器の製造方法の別の一例の概略を示すフローチャートである。 本発明に係るシリカ容器の製造方法において用いることができる外型枠の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法における、シリカ基体の仮成形体を形成する工程の一例を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法における、シリカ基体を形成する工程の一例の一部(放電加熱溶融前)を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法における、シリカ基体を形成する工程の一例の一部(放電加熱溶融中)を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法における、内層を形成する工程の一例を模式的に示す概略断面図である。
前述のように、従来のシリカ容器の製造では、耐熱性、寸法精度、コストの面で問題があった。特に、容器全体において超高純度の石英原料粉を使用するためコストが非常に高いという問題もあった。
また、これに加えて、シリコン単結晶成長用シリカルツボにおけるシリコン単結晶への気泡の取り込みのように、従来のシリカ容器の製造方法により製造されたシリカ容器では、収容物へのガスの影響の問題があった。また、シリカ容器の高温(例えば1000℃以上)での使用の際の耐熱変形性には、特に問題があった。
本発明者らは、このような問題に鑑み、検討したところ、以下のような課題を見出した。
まず、金属シリコン溶融及びシリコン結晶製造用のルツボやボート等のシリカ容器では、加熱高温雰囲気での容器内部の均熱性が必要とされる。そのためには少なくともシリカ容器を多重構造とし、容器外側は多孔質の白色不透明シリカガラスとし、容器内側は実質的に気泡の少ない無色透明シリカガラスとすることが第1の課題である。
また、特にこのようなシリコン結晶製造用ルツボやボート等のシリカ容器は、シリコン結晶の大口径化に従って大型シリカ容器が必要とされてきており、金属シリコン溶融時の高温下(例えば1400〜1600℃程度)でのシリカ容器自体の軟化、変形を防止すること、すなわち、耐熱変形性を向上させることが第2の課題である。
また、シリカ容器中のO(酸素分子)ガス、H(水素分子)ガス、HO(水分子)ガス、CO(一酸化炭素分子)ガス、CO(二酸化炭素分子)ガス等の溶存ガスが少ないもの(低放出ガス性のもの)とすることを第3の課題とした。
これは、シリカ容器にOガス、Hガス、HOガス、COガス、COガス等の気体分子が取り込まれていると、シリコン単結晶の引上げに用いるシリカ容器の場合、シリコン結晶作製時に、このような気体分子がシリコン融液中に放出され、気泡となって育成シリコン単結晶中に取り込まれてしまう。このように取り込まれた気体は、シリコン単結晶をウェーハとした場合に、ボイドやピンホールを形成し、著しく歩留まりを低下させてしまう。従って、シリカ容器からのガス分子の放出量を低下させることを上記第3の課題とした。
以上の通り、本発明では上記3つの技術的課題を、従来の製造方法による高純度単結晶シリコン引上げ用ルツボのようなシリカ容器よりも低コストで同時に解決する必要があった。従って、高純度化処理の必要のない低コストのシリカ原料を使用して低コストの製造方法とすることを第4の課題とした。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に、以下では主に本発明を好適に適用できる一例として、太陽電池(太陽光発電、ソーラー発電)の材料とされる金属シリコン溶融用容器として使用することができるシリカ容器(ソーラーグレードルツボ)とその製造方法の説明を行うが、本発明はこれに限定されることなく、シリカを主な構成成分とする回転対称性を有するシリカ容器全般に広く適用することができる。
図1に本発明に係るシリカ容器の一例の概略断面図を示す。
本発明に係るシリカ容器71は回転対称性を有し、その基本構造は、シリカ基体51から成る。このシリカ基体51は、酸素欠損型欠陥を含む。
また、シリカ基体51は、外周部分に気泡を含有する白色不透明層部51aを有し、内周部分に実質的に気泡を含有しないシリカガラスからなる無色透明層部51bを有するものである。
なお、本発明のシリカ容器は、少なくともシリカ基体51を有していれば、それ以外の層をさらに含んでもよい。
図2には、本発明に係るシリカ容器の別の一例として、シリカ基体51の内側表面上に、透明シリカガラスからなる内層56を備えるシリカ容器71’を示した。内層56のシリカ純度はシリカ基体51よりも高いことが好ましい。
以下、本発明に係るシリカ容器を構成するシリカ基体51について具体的に説明する。
まず、シリカ基体51は、上記のように、酸素欠損型欠陥を含む。
シリカ基体51に酸素欠損型欠陥を含ませることにより、高温度下におけるシリカガラスの粘性度を上げることができ、その結果、シリカ容器の耐熱変形性を向上させることができる。
シリカガラス中の酸素欠損型欠陥は、光波長約240nm〜約250nmにおいて吸収帯を示すと報告されている。例えば、Bα帯と呼ばれるものは酸素(O)のショットキー型欠陥による吸収と推定されており5.06eV(246nm)に最大吸収を示す。また、Bβ帯と呼ばれるものはシリコン(Si)の孤立電子対(シリコンローンペア)による吸収と推定されており5.14eV(242nm)に最大吸収を示す。また、5eV帯と呼ばれるものはシリカガラス中のシリコンクラスターによる吸収と推定されており、5eV(250nm)付近に非常に広い吸収を示す。
本発明のシリカ基体51、特に無色透明層部51bにおける吸収帯は約5.17eV(波長240nm)付近に最大吸収を示すものであり、前述の酸素欠損型欠陥のどの種類に関連するかは不明である。また該酸素欠損型欠陥がシリカガラスの高温度下における粘性度を向上させるメカニズムは不明である。
しかしながら、シリカ容器51に酸素欠損型欠陥を含むようにすれば、シリカ基体51の耐熱変形性を向上させることができる。
特に、シリカ基体51に含まれる酸素欠損型欠陥は、その密度が、無色透明層部51bにおいて、光路長10mm当たりの、波長240nmでの光の透過率(ここでは、シリカガラス表面や裏面での反射やシリカガラスの内部での光散乱を含まない透過率のことを指し、いわゆる直線透過率と呼ばれるものである)が80%以下を示すものであることが好ましく、1〜60%の範囲を示すものとすることがさらに好ましい。
このような範囲であれば、シリカ基体51の耐熱変形性を確実に向上させることができる。
一方、酸素欠損型欠陥を含まない、気泡の無い透明なシリカガラスでは、光路長10mm当たりの波長240nmの光透過率は約90%を示す。
シリカガラス中の酸素欠損型欠陥の濃度が高くなればなるほど、波長240nmにおける光透過率は低下する。そのため、波長240nmにおける光透過率は低い方が好ましいが、工業レベルでの実用的製造条件から1%程度が下限値となる。
また、シリカ基体51は、上記のように、外周部分に気泡を含有する白色不透明層部51aを有し、内周部分に実質的に気泡を含有しないシリカガラスからなる無色透明層部51bを有する。シリカ基体51が、このような白色不透明層部51aと無色透明層部51bとを有することにより、加熱下においてシリカ容器内部の均熱性を向上させることが可能となる。
白色不透明層部51aのかさ密度は例えば1.90〜2.20(g/cm)とすることができ、無色透明層部51bのかさ密度は典型的には2.20(g/cm)程度とすることができるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
また、シリカ容器71、71’は高温の減圧下で使用される場合が多く、この時シリカ容器71、71’からの放出ガス量を少なくする必要がある。従って、無色透明層部51bを真空下で1000℃に加熱したときに放出するHO分子が1×1017分子/cm以下であることが好ましく、5×1016分子/cm以下とすることがさらに好ましい。また、無色透明層部51bにおけるH分子濃度が5×1016分子/cm以下であることが好ましい。
なお、Hガスに関しては、測定用試料としてのシリカガラスの厚さが薄い場合(例えば1mm以下など)、1000℃真空下における単位体積当りのHガス放出量と、室温下におけるラマン散乱測定法による単位体積当りの溶存H分子濃度値は等価である。
このようにシリカ基体51に溶存している各ガス分子を抑制すれば、シリカ容器に収容される収容物への各ガス分子による悪影響を低減することができる。例えば、シリコン単結晶引上げに本発明のシリカ容器71を使用した場合、上記のガス放出が生ずると、シリコン結晶中に取り込まれて、結晶中にボイドやピンホールと呼ばれる気泡等の構造欠陥を生成することになるが、本発明によれば、この悪影響を低減することができる。
また、シリカ基体51にAlの濃度を好ましくは10〜1000wt.ppm、より好ましくは50〜500wt.ppm含有させることにより、不純物金属元素の吸着、固定を行うことが可能となる。
また、さらに、シリカ基体にOH基を好ましくは60wt.ppm以下、より好ましくは10〜30wt.ppm含有させることにより、さらに不純物金属元素の吸着、固定作用を大幅に向上させることができる。
これらAl、OH基が不純物金属元素のシリカガラス中の移動、拡散を防止するメカニズムの詳細は不明であるが、AlはSiと置換することにより不純物金属元素の陽イオン(カチオン)をシリカガラスネットワークの電荷バランスを保つという点から吸着、拡散防止するものと推定される。またOH基は水素イオンと金属イオンが置換することにより、これら不純物金属元素を吸着ないし拡散防止する効果が生ずるものと推定される。
シリカ基体51にAlを含有させる効果としては、そのほかに、シリカガラスの高温下での粘性度を上げて高温下におけるシリカ基体51の耐熱変形性を向上させることができるので、シリカ容器71、71’の耐熱変形性を向上させることができる。
一方、OH基濃度を、60wt.ppm以下、好ましくは30wt.ppm以下としておけば、OH基の効果による、高温下におけるシリカガラスの粘性度を低下させることを抑制して、上記の不純物金属元素の吸着、固定作用を得ることができる。
本発明では、上記の酸素欠損型欠陥の存在や、Alの添加等によって、シリカ基体51の粘度を向上させることができ、シリカ容器71、71’の耐熱変形性を向上させることができる。具体的には、シリカ基体51の無色透明層部51bの1400℃における粘度としては、1010.5Pa・s以上であるようにすることができる。
次に、図2に示したシリカ容器71’の内層56について説明する。
内層56は、シリカ基体51の内壁面上に形成され、シリカ基体よりシリカ純度が高い透明シリカガラスからなる。
このような内層56を形成すれば、例えば、シリカ基体51のシリカ純度を99.9〜99.999wt.%と比較的低純度とすることができる。内層56を備えるシリカ容器71’であれば、シリカ基体51をこのようなシリカ純度として低コストのシリカ容器としつつも、収容する収容物への不純物汚染を十分に防止できる。
また、内層56は、含有するOH基濃度を30wt.ppm以下とすることが好ましく、10wt.ppm以下とすることがさらに好ましい。内層56にOH基を含有させることによって不純物金属元素の拡散速度を低下させる効果があるが、耐エッチング性を低下させる逆効果もあるため適量濃度範囲が限定される。
また、内層56は、Li、Na、Kの各元素濃度が60wt.ppb以下とし、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各元素濃度が30wt.ppb以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、Li、Na、Kの各々が20wt.ppb以下、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各々が10wt.ppb以下とする。このことにより被処理物へのこれら不純物元素による悪影響を低減することができる。特に、被処理物がソーラー用シリコン結晶の場合に、光電変換効率の低下を引き起こすことを防止でき、その品質を高くすることができる。
以下では、上記のようなシリカ容器71、71’を製造することができる、本発明のシリカ容器の製造する方法を具体的に説明する。特に、太陽光発電デバイスの材料等とされる金属シリコン(Si)溶融及び単結晶引上げ用容器として使用することができる、低コストで製造可能なシリカ容器(ソーラーグレードルツボ)の作製方法を例として説明する。
本発明に係るシリカ容器71の製造方法の概略を図3に示す。
まず、図3の(1)に示すように、シリカ粒子である基体用原料粉11を準備する(工程1)。
基体用原料粉11は、本発明に係るシリカ容器71、71’(図1及び図2参照)のうち、シリカ基体51の主な構成材料となるものである。
この基体用原料粉は例えば以下のようにしてシリカ塊を粉砕、整粒することにより作製することができるが、これに限定されない。
まず、直径5〜50mm程度の天然シリカ塊(天然に産出する水晶、石英、珪石、珪質岩石、オパール石等)を大気雰囲気下、600〜1000℃の温度域にて1〜10時間程度加熱する。次いで該天然シリカ塊を水中に投入し、急冷却後取出し、乾燥させる。この処理により、次のクラッシャー等による粉砕、整粒の処理を行いやすくできるが、この加熱急冷処理は行わずに粉砕処理へ進んでもよい。
次いで、該天然シリカ塊をクラッシャー等により粉砕、整粒し、粒径を好ましくは10〜1000μm、より好ましくは50〜500μmに調整して天然シリカ粉を得る。
次いで、この天然シリカ粉を、傾斜角度を有するシリカガラス製チューブから成るロータリーキルンの中に投入し、キルン内部を塩化水素(HCl)又は、塩素(Cl)ガス含有雰囲気とし、700〜1100℃にて1〜100時間程度加熱することにより高純度化処理を行う。ただし高純度を必要としない製品用途では、この高純度化処理を行わずに次処理へ進んでもよい。
以上のような工程後に得られる基体用原料粉11は結晶質のシリカであるが、シリカ容器の使用目的によっては、基体用原料粉11として非晶質のシリカガラススクラップを使用することもできる。
基体用原料粉11の粒径は、上記のように、10〜1000μmとすることが好ましく、50〜500μmとすることがより好ましい。
基体用原料粉11のシリカ純度は、99.99wt.%以上とすることが好ましく、99.999wt.%以上とすることがさらに好ましい。また、本発明のシリカ容器の製造方法であれば、基体用原料粉11のシリカ純度を99.999wt.%以下と比較的低純度のものとしても、製造されるシリカ容器は、収容する収容物への不純物汚染を十分に防止することができる。そのため、従来よりも低コストでシリカ容器を製造することができることになる。
また、後述する、図2に示すような内層56を備えるシリカ容器71’を製造する場合には、特に基体用原料粉11のシリカ純度を低くすることもでき、例えば、99.9wt.%以上とすることもできる。
また、基体用原料粉11に含有されるOH基の濃度は、10〜1000wt.ppm程度とすることが好ましい。
基体用原料粉11に含有されるOH基は、天然石英に当初から含んでいるもの、又は中間工程で混入する水分をその後の乾燥工程におけるガス雰囲気、処理温度、時間により調整することができる。また、火炎加水分解法で合成されたり、火炎ベルヌイ法で作製されたシリカガラスには200〜2000wt.ppmのOH基が含有されており、これらOH基含有非晶質シリカ粉を適量混合することによってもOH基濃度を調整することが可能である。
なお、基体用原料粉11には、さらに、Alを好ましくは10〜1000wt.ppmの範囲で含むものとしてもよい。
Alは、例えば硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物等を水又はアルコール溶液として、これら溶液の中にシリカ粉を投入、浸漬させ、次いで乾燥することにより得られる。
次に、図3の(2)に示すように、基体用原料粉11を成形するための回転対称性を有する外型枠に導入する(工程2)。
図5に、基体用原料粉11を仮成形する外型枠の概略を表す断面図を示した。本発明で用いる炭素製外型枠101は、グラファイト等の炭素製部材から成り、回転対称性を有している。また、炭素製外型枠101の内壁102には、減圧用の孔103が分配されて形成されている。減圧用の孔103は、減圧用の通路104に連なっている。また、炭素製外型枠101を回転させるための回転軸106にも減圧用の通路105が通っており、ここから真空引きを行うことができるようになっている。
この炭素製外型枠101の内壁102に、基体用原料粉11を導入し、基体用原料粉11を炭素製外型枠101の内壁102の形状に応じた所定形状に仮成形してシリカ基体の仮成形体41とする(図6参照)。
具体的には、炭素製外型枠101を回転させつつ、原料粉ホッパー(図示せず)から徐々に基体用原料粉11を炭素製外型枠101の内壁102に投入し、遠心力を利用して容器形状に成形する。また内側から板状の内型枠(図示せず)を、回転する粉体に接触させることにより、シリカ基体の仮成形体41の肉厚を所定量に調整してもよい。
また、この基体用原料粉11の炭素製外型枠101への供給方法は特に限定されないが、例えば、攪拌用スクリューと計量フィーダを備えるホッパーを用いることができる。この場合、ホッパーに充填された基体用原料粉11を、攪拌用スクリューで攪拌し、計量フィーダで供給量を調節しながら供給する。
次に、図3の(3)に示すように、減圧・放電加熱溶融法によりシリカ基体51を形成する(工程3)。
具体的には、図7、図8に示すように炭素製外型枠101に形成されている減圧用の孔103によって減圧することにより、シリカ基体の仮成形体41を、シリカ基体の仮成形体41の外周側から減圧して脱ガスするとともに、放電加熱溶融法により、シリカ基体の仮成形体の内側から加熱する。これによって、シリカ基体の仮成形体41の外周部分を焼結体とするとともに、シリカ基体の仮成形体41の内側部分を溶融ガラス体とし、シリカ基体51を形成する。
シリカ基体51を形成する装置は、上記の回転軸対称性を有する回転可能な炭素製外型枠101の他、回転モーター(図示せず)、溶融雰囲気ガス調整器(図示せず)、及び放電加熱溶融(アーク溶融、アーク放電溶融とも呼ばれる)の熱源となる炭素電極212、電線212a、高圧電源ユニット211、蓋213から成る。
なお、この装置は、後述するようにシリカ基体51の内表面上に内層56を形成する場合には、続けて使用することができる。
シリカ基体の仮成形体41の溶融、焼結手順としては、まず、シリカ基体の仮成形体41が入っている炭素製外型枠101を一定速度で回転させつつ、脱ガス用真空ポンプ(図示せず)を起動させ、減圧用の孔103、減圧用の通路104、105を通じて仮成形体41の外側から減圧するとともに炭素電極212に加電を開始する。
炭素電極212間にアーク放電(符号220で図示)が開始されると、シリカ基体の仮成形体41の内表面部はシリカ粉の溶融温度域(1800〜2000℃程度と推定)となり、最表層部から溶融が始まる。最表層部が溶融すると脱ガス真空ポンプによる真空引きの減圧度が増加し(急に圧力が低下し)、基体用原料粉11に含まれている溶存ガスを脱ガスしつつ溶融シリカガラス層への変化が内側から外側へ進行することになる。
そして、シリカ基体の全厚さの内側半分程度が溶融し、透明ないし半透明の層からなる部分(透明層部)51bとなり、残り外側半分程度が焼結した白色不透明シリカ(不透明層部)51aとなるまで加電による加熱と真空ポンプによる減圧を継続する。減圧度は10Pa以下が好ましい。
シリカ基体51内側の放電加熱溶融時の雰囲気ガスは、水素ガス(H)を10vol.%を超えるように混合する。なお、水素ガス以外の成分は、炭素電極212の消耗を少なくする目的から、窒素(N)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを主成分とする。
これにより、溶融後のシリカ基体51中に酸素欠損型欠陥構造を生成することができるとともに、また溶融後のシリカ基体51の溶存ガスを少なくすることができる。シリカ気体51中の溶存ガスを少なくすることができる理由は、シリカガラスから脱ガスしにくい酸素ガス(O)が水素と反応し水(HO)を生成し、水分子は酸素分子に比較して拡散係数が大きいため、基体の外部へ放出されやすくなるものと考えられる。また水素ガス(H)は分子半径が小さく拡散係数が大きいため、雰囲気ガスに含まれていても基体外部へ放出されやすい。シリカガラスの溶融時に炭素、グラファイトの存在かつ水素ガス雰囲気下とすると、強い還元作用が発生し、シリカガラス中に酸素欠損型構造を形成することができる。
ここまでの工程で形成されたシリカ基体51のみで本発明のシリカ容器71とすることができるが、必要に応じて、図2に示したように、内層56をシリカ基体51の内表面上に形成し、シリカ基体51と内層56とを備えてなるシリカ容器71’とすることもできる。
図2に示したような内層56を備えるシリカ容器71’を製造する方法を図4を参照して説明する。
まず、上記の図3の(1)〜(3)に示した工程1〜3と同様に、シリカ基体51を形成する工程まで行う(図4(1)〜(3)参照)。
次に、図4の(4)に示すように、シリカ基体51の内側から、結晶質シリカからなり、基体用原料粉11よりもシリカ純度が高い内層用原料粉12を散布しつつ、放電加熱溶融法により内側から加熱することによって、シリカ基体51の内表面に内層56を形成する(工程4)。
なお、この工程4を繰り返すことにより、内層56を純度や添加物が異なる複数の透明シリカガラス層からなるようにしてもよい。
この内層56の基本的な形成方法は、例えば特許文献6及び特許文献7に示される内容に従う。
まず、内層用原料粉12を準備する。
内層用原料粉12の材質としては、高純度化処理された天然石英粉、天然水晶粉、又は合成クリストバライト粉、合成シリカガラス粉が挙げられる。内層56の気泡量を少なくする目的であれば結晶質シリカ粉が好ましく、あるいは高純度な透明層とする目的であれば、合成粉が好ましい。粒径は10〜1000μm、好ましくは100〜500μmである。純度はシリカ成分(SiO)99.9999wt.%以上、かつアルカリ金属元素Li、Na、Kの各々が60wt.ppb以下、好ましくは各20wt.ppb以下、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各々が30wt.ppb以下、好ましくは各10wt.ppb以下である。
内層56の形成する方法を、図9を参照して説明する。
シリカ基体51の内表面上への内層56を形成する装置は前工程と同様、回転軸対称性を有するシリカ基体51が設置されている回転可能な炭素製外型枠101、回転モーター(図示せず)、溶融雰囲気ガス調整器(図示せず)、及び内層56形成のための内層用原料粉12が入った原料粉ホッパー303、攪拌用スクリュー304、計量フィーダ305、及び放電加熱溶融の熱源となる炭素電極212、電線212a、高圧電源ユニット211、蓋213から成る。
内層56の形成方法としては、まず、炭素製外型枠101を所定の回転速度に設定し、高圧電源ユニット211から徐々に高電圧を負荷するのと同時に原料ホッパー303から徐々に内層56形成用の内層用原料粉(高純度シリカ粉)12をシリカ基体51の上部から散布する。この時炭素電極212間に放電は開始されており、シリカ基体51内部はシリカ粉の溶融温度域(1800〜2000℃程度と推定)にあるため、散布された内層用原料粉12はシリカの溶融粒子となってシリカ基体51の内表面に付着していく。シリカ基体51の上部開口部に設置されている炭素電極212、原料粉投入口、蓋213はシリカ基体51に対してある程度位置が変化させられる機構となっており、これらの位置を変化させることにより、シリカ基体51の全内表面に均一厚さで内層56を形成することができる。
内層56の形成のための放電加熱溶融中のシリカ基体51内部の雰囲気ガスは炭素電極の消耗を少なくするために、Nガス等の不活性ガスを主成分とするが、Hガスを1〜30vol.%含有する混合雰囲気とすることにより、より気泡の少ない内層56を得ることができる。このとき、水蒸気を含まない乾燥ガス雰囲気とすることにより、溶存HO分子を効果的に低減できることができる。
また、酸素ガス(O)1〜30vol.%の混合雰囲気とすることにより、放電加熱溶融時に発生する炭素(C、カーボン)微粒子を酸化し、CO、COとすることにより、炭素(C)微粒子の少ない内層56を得ることができる。また、このとき、上記のようにCO、COが発生するが、減圧下のために除去することができる。
放電加熱溶融時に発生する炭素微粒子、及び炭素と酸素との化合物である一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)は内層56中に残留した場合、単結晶シリコン引上げ時に不純物として再発生し、該シリコンの品質を低下させる原因の一つとなる。これをさらに抑制するためには、雰囲気ガスを一定流量で供給しつつ、一定流量で排出させて溶融中のシリカ容器内部を適切に換気することが好ましい。
さらに、必要に応じて、本発明では、放電加熱溶融法によりシリカ基体51を形成する工程(図3、図4に示した工程3)又は内層56を形成する工程(図4に示した工程4)における、放電加熱後の冷却を、Oガスを含有する酸化性ガス雰囲気下にて行うことができる。このとき、放電加熱を行っていた雰囲気のガスが、上記したHガスを含むNガス等の場合には、Oガスを含有する酸化性ガスに置換する必要がある。
このように、冷却過程においてOガスを含有する酸化性ガス雰囲気下とすることにより、炭素電極から発生してシリカ基体51や内層56に付着したり、周辺雰囲気に残留している炭素粒子を酸化処理によりガス化することができ、炭素微粒子の付着の少ないシリカ容器を得ることができる。なお、この冷却過程における酸化性ガスのOガス含有比率は、1〜30vol.%とすることが好ましい。
なお、このシリカ基体51をOガスを含有する酸化性ガス雰囲気下にて室温まで冷却する過程は、図2、4に示したような、内層56を形成するシリカ容器71’を製造する場合には、シリカ基体51を形成した後に一旦冷却する場合にはその際に行ってもよいし、シリカ基体51を形成した後、高温に保ったまま内層56を形成し、その後冷却を行う場合にはその際に行ってもよい。もちろん、その両方で行ってもよい。
このようにして、本発明のシリカ容器70、71’を得ることができるが、必要に応じて以下のようにシリカ容器の洗浄を行う。
(シリカ容器の洗浄、乾燥)
例えば、フッ化水素酸水溶液(HF)1〜10%程度にて、5〜30分間の表面エッチングを行い、次いで純水で洗浄し、クリーンエア中で乾燥させてシリカ容器を得る。
以上のような工程を経て、上記したような、図1、2に示す本発明に係るシリカ容器71、71’を製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示した本発明のシリカ容器の製造方法に従い、シリカ容器を以下のように製造した。
まず、図3(1)に示したように、基体用原料粉11を以下のように準備した(工程1)。
天然珪石を100kg準備し、大気雰囲気下で、1000℃、10時間の条件で加熱後、純水の入った水槽へ投入し、急冷却した。これを乾燥後、クラッシャーを用いて粉砕し、粒径50〜500μm、シリカ(SiO)純度99.999wt.%以上、総重量約90kgのシリカ粉(天然石英粉)とした。
次に、図3(2)、図6に示したように、減圧用の孔103が内壁102に形成された、回転する円筒型の炭素製(グラファイト製)外型枠101の内壁102へ基体用原料粉11を投入し、炭素製外型枠101の形状に合わせて均一の厚さになるように基体用原料粉11の形状を調整し、シリカ基体の仮成形体41とした(工程2)。
次に、図3(3)、図7、8に示したように、減圧しつつ放電加熱溶融法によってシリカ基体51を形成した(工程3)。
具体的には、シリカ基体の仮成形体41の内周側から、乾燥させたN(窒素)80vol.%とH(水素)20vol.%の混合ガスを供給しつつ、炭素製外型枠101に形成されている減圧用の孔103によって減圧することにより、シリカ基体の仮成形体41を、シリカ基体の仮成形体41の外周側から減圧して脱ガスするとともに、炭素電極212による放電加熱溶融法によりシリカ基体の仮成形体41の内側から高温加熱することによって、シリカ基体の仮成形体41の外周部分を焼結体とするとともに、シリカ基体の仮成形体41の内側部分を溶融ガラス体とし、シリカ基体51を形成し、これをシリカ容器71とした。
その後、N(窒素)80vol.%とO(酸素)20vol.%の混合ガス雰囲気中にて、シリカ基体51(シリカ容器71)を室温まで冷却した。
このようにして製造したシリカ容器71を3wt.%フッ酸水溶液(HF)にて3分間洗浄後、純水洗浄し、乾燥させた。
(実施例2)
実施例1と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)60vol.%とH(水素)40vol.%の混合ガスとして、シリカ容器71の製造を行った。
(実施例3)
図4に示した本発明のシリカ容器の製造方法に従い、シリカ容器71’を以下のように製造した。
図4(1)に示した、工程1については、基体用原料粉11にAlが20wt.ppm含有されるようにAlを添加した以外は実施例1と同様にして行った。
次に、図4(2)、(3)の工程(工程2〜3)は、実施例1と同様にして行ったが、シリカ基体51を一旦冷却することなく、次の工程(工程4)に移行した。
次に、図4(4)、図9に示したように、内層用原料粉12として、高純度の合成クリストバライト粉(粒径100〜300μm、シリカ純度99.99999wt.%以上)を準備した。次に、N(窒素)95vol.%とH(水素)5vol.%の混合ガス雰囲気中にて、シリカ基体51の内側から、内層用原料粉12を散布しつつ、放電加熱溶融法により内側から加熱することによって、シリカ基体51の内側表面上に透明シリカガラスからなる内層56の形成を行い、シリカ容器71’とした。その後、N(窒素)80vol.%とO(酸素)20vol.%の混合ガス雰囲気中にて、シリカ容器71’を室温まで冷却した(工程4)。
このようにして製造したシリカ容器71’を、実施例1の場合と同様に、3wt.%フッ酸水溶液(HF)にて3分間洗浄後、純水洗浄し、乾燥させた。
(実施例4)
実施例3と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)60vol.%とH(水素)40vol.%の混合ガスとして、シリカ容器71’の製造を行った。
(実施例5)
実施例3と基本的には同様にしてシリカ容器71’の製造を行ったが、以下の点を変更した。
まず、工程1については、基体用原料粉11にAlが30wt.ppm含有されるようにAlを添加した。
また、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)40vol.%とH(水素)60vol.%の混合ガスとした。
また、工程4の内層56形成のための放電加熱を、N(窒素)90vol.%とH(水素)10vol.%の混合ガス雰囲気中にて行った。
(実施例6)
実施例5と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)20vol.%とH(水素)80vol.%の混合ガスとした。
(実施例7)
実施例1と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)85vol.%とH(水素)15vol.%の混合ガスとし、シリカ基体51からなるシリカ容器71を製造した。
(実施例8)
実施例3と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)85vol.%とH(水素)15vol.%の混合ガスとし、シリカ基体51及び内層56からなるシリカ容器71’を製造した。
(比較例1)
概ね従来法に従ってシリカ容器(シリカルツボ)を作製した。すなわち、本発明のシリカ容器のシリカ基体に相当する部分も高純度の原料粉を用いて放電加熱溶融法によって形成した。
まず、基体用原料粉に相当する原料粉としてシリカ純度99.9999wt.%以上の高純度である天然石英粉(粒径100〜300μm)を準備した。
この原料粉を用いて、特には湿度調整を行わない空気雰囲気下で、炭素製(グラファイト製)の回転枠に対して直接高純度天然石英粉を投入して回転枠内に遠心力を利用して石英粉層を形成し、これを炭素電極で放電加熱溶融してシリカ基体(図2に図示した本発明のシリカ基体51に対応)を形成した。この間60分であり、シリカ基体の温度は2000℃程度と推定される。
次に、内層用原料粉に相当する原料粉として、実施例3〜8と同様の合成クリストバライト粉を準備し、シリカ基体の内表面にこの高純度合成クリストバライト粉をホッパーから散布、特には湿度調整を行わない空気雰囲気下の炭素電極による放電加熱溶融により内層部(図2に図示した本発明のシリカ容器71’における内層56に対応)を形成した。
(比較例2)
比較例1と基本的には同様に、ただし、シリカ基体(図2に図示した本発明のシリカ基体51に対応)の溶融はアルミナ製の型枠内で、特には湿度調整を行わない減圧空気雰囲気下下にて放電加熱溶融法により行った。
(比較例3)
実施例1と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)90vol.%とH(水素)10vol.%の混合ガスとし、シリカ基体51からなるシリカ容器71を製造した。
(比較例4)
実施例3と基本的には同様に、ただし、工程3のシリカ基体の仮成形体41の溶融時の雰囲気ガスを乾燥させたN(窒素)90vol.%とH(水素)10vol.%の混合ガスとし、シリカ基体51及び内層56からなるシリカ容器71’を製造した。
[実施例及び比較例における評価方法]
各実施例及び比較例において製造したシリカ容器の物性、特性評価を以下のようにして行った。
不純物金属元素濃度分析:
不純物金属元素濃度が比較的低い(ガラスが高純度である)場合は、プラズマ発光分析法(ICP−AES、Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectroscopy)又はプラズマ質量分析法(ICP−MS、Inductively Coupled Plasma − Mass Spectroscopy)で行い、不純物金属元素濃度が比較的高い(ガラス低純度である)場合は、原子吸光光度法(AAS、Atomic Absorption Spectroscopy)で行った。
各原料粉の粒径測定方法:
光学顕微鏡又は電子顕微鏡で各原料粉の二次元的形状観察及び面積測定を行った。次いで、粒子の形状を真円と仮定し、その面積値から直径を計算して求めた。この手法を統計的に繰り返し行い、粒径の範囲の値とした(この範囲の中に99wt.%以上の原料粉が含まれる)。
透過率測定:
各実施例及び各比較例の、それぞれのシリカ容器のシリカ基体の内側部分の気泡の無い部位(無色透明層部)から、寸法6×6×厚さ10mmの、両端が平行な光学研磨仕上げのサンプルを作製し、紫外域分光光度計により波長240nmにおける直線光透過率の測定を行った。従って、サンプルへの入射光の表面反射ロスと出射光の裏面反射ロスは含まれていない。
なお、比較例1については、透過率測定が十分に測定できる程度に気泡の少ない領域が、上記寸法のサンプルが採取できる大きさで存在しなかったため、透過率の測定ができなかった。
層厚測定:
シリカ容器の側壁の全高さの半分部分における容器断面をスケールで測定することにより、シリカ基体及び内側層の厚さを決めた。
OH基濃度測定:
赤外線吸収分光光度法で行った。OH基濃度への換算は、以下文献に従う。
Dodd,D.M. and Fraser,D.B.(1966) Optical determination of OH in fused silica. Journal of Applied Physics, vol.37, P.3911.
シリカ基体、内層のそれぞれからのガス分子放出量の測定方法:
実施例、比較例のそれぞれのシリカ容器のシリカ基体の内側部分の気泡の無い部位(無色透明層部、比較例1についてはできるだけ内側の気泡の比較的少ない部分)及び内層から、それぞれ10×50×厚さ1mmの寸法の両面鏡面研磨仕上げの測定用サンプルを作製し、これを真空チャンバー内に設置し、1000℃真空下におけるガス放出を、ガスの種類とガス放出量について質量分析装置により測定した。
、HOガスは全量放出したものとして、単位体積当りの放出分子数(分子/cm)として表現した。測定方法の詳細は以下の文献に従う。
Nasu,S.et al.(1990) “Gas release of various kinds of vitreous silica”, Journal of Illuminating Engineering Institute of Japan, vol.74, No.9, pp.595−600.
また、Hガスについては、シリカガラス中の溶存濃度として、下記文献の測定方法によっても同様の値が得られることを確認した。
Khotimchenko, V. S. et al.(1987) “Determining the content of hydrogen dissolved in quartz glass using the methods of Raman scattering and mass spectrometry”, Journal of Appllied Spectroscopy, vol.46, No.6, pp.632−635.
粘性度:
まず、各シリカ容器から約10×10cm程度の材料を切り出し、洗浄後、電気炉内に設置し、大気雰囲気中にて、1150℃で3時間保持した。その後、10℃/時の降温速度にて900℃まで降温し、その後電源を切り、電気炉内で室温まで自然冷却した。この熱処理により各シリカ容器から切り出した材料の熱履歴を一致させた。次いで、この材料の、シリカ基体の内側部分の気泡の無い部分(無色透明層部、比較例1についてはできるだけ内側の気泡の比較的少ない部分)に相当する部分から、各々3×10×長さ100mmの全面鏡面仕上げのサンプルを作製した。次いでビームベンディング法により1400℃における粘度ηの測定を行った。詳細は下記の文献に従う。
菊池義一、他、(1997)、シリカガラス粘度のOH基含有量依存性、Journal of the Ceramic Society of Japan, Vol.105, No.8, pp.645−649
シリコン単結晶連続引上げ(マルチ引上げ)評価:
製造したシリカ容器の中に純度99.99999wt.%の金属ポリシリコンを投入し、昇温を行いシリコン融液とし、次いでシリコン単結晶の引上げを3回繰り返して行い(マルチ引上げ)、単結晶育成の成功率として評価した。引上げ条件は、CZ装置内を10Paの圧力のアルゴン(Ar)ガス100%雰囲気で、引上げ速度1mm/分、回転数10rpm、シリコン単結晶寸法を直径150mm、長さ150mmとした。また、1バッチの操業時間は約12時間とした。単結晶育成3回繰り返しの成功率の評価分類は以下の通りとした。
3回 ○(良好)
2回 △(やや不良)
1回 ×(不良)
シリカ容器の耐熱変形性評価:
前記のシリコン単結晶連続引き上げにおいて、3回目終了後のシリカ容器の側壁上端部の内側への倒れ込み量を評価した。
内側への倒れ込み量が1cm未満 ○(良好)
内側への倒れ込み量が1cm以上2cm未満 △(やや不良)
内側への倒れ込み量が2cm以上 ×(不良)
ボイドとピンホールの評価:
前記のシリコン単結晶連続引き上げにおいて、各シリコン単結晶マルチ引き上げ後の1本目のシリコン単結晶の任意の部位から、直径100mm、厚さ200μmの両面研磨仕上げのシリコンウエーハ各10枚を作製した。次いで各々のシリコンウエーハの両面に存在するボイドとピンホールの個数を測定し、統計的に数値処理を行い単位面積(m)当りの平均ボイド及びピンホール数を求めた。
平均ボイド及びピンホール数が1個/m未満 ○(良好)
平均ボイド及びピンホール数が1〜2個/m △(やや不良)
平均ボイド及びピンホール数が3個/m以上 ×(不良)
実施例1〜8、比較例1〜4で製造したそれぞれのシリカ容器の製造条件と、測定した物性値、評価結果をまとめ、下記の表1〜6、及び表7に示す。表7には内層の不純物分析値を示す。
Figure 2011020886
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表1〜7からわかるように、本発明に係るシリカ容器の製造方法に従った実施例1〜8では、低コスト、高生産性で製造したシリカ容器であるにも関わらず、単結晶引上げにおいて比較例1の従来のシリカ容器と遜色ない結果を出せるシリカ容器を製造することができた。また、従来の比較例1のシリカ容器と比べて耐熱変形性を大幅に向上させることができた。
特に、内層56を形成した実施例3〜6、8の場合は、表7からわかるように、内層における不純物金属元素が比較例1と比べても同等程度であり、十分に高純度の単結晶を引上げることができることがわかる。
また、実施例1〜8では、比較例1、2に比較して、大幅にHO分子の溶存量が少ない、従って、これらのシリカ容器を用いて製造されるシリコン単結晶中にボイドやピンホール等の欠陥が発生しづらいものとなった。
また、実施例2では、シリカ基体の仮成形体41からシリカ基体51を形成する工程(工程3)において、実施例1よりもHガスの比率を高くしたため、実施例1よりも基体中の酸素欠損型欠陥を多く生成させ、またHOガス放出量を少なくすることができた。そのため、ボイド及びピンホールの発生をより低減することもできた。
また、実施例3、4では、シリカ基体51中のAlの濃度を高めることにより、実施例1、2よりも、シリカ基体51の粘度を高めることができた。また、表中には示していないが、実施例3、4では、シリカ基体51中のAlの濃度が高く、内層56を形成したことにより、実施例1、2よりも不純物拡散防止効果を高めることができた。
また、実施例5では、シリカ基体の仮成形体41からシリカ基体51を形成する工程(工程3)におけるHガスの比率を、実施例3よりも高くしたため、シリカ基体中の酸素欠損型欠陥量を更に高めることができ、高温での粘性度を高めることができ、耐熱変形性の高いシリカ容器とすることができた。また、実施例6ではその傾向がより顕著となった。
また、実施例7、8と比較例3、4の結果から、十分な耐熱変形性を得るためには、工程3のシリカ基体の仮成形体の溶融時の雰囲気ガスは、Hガスを10vol.%を超える比率で含有するものであることが必要であることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
11…基体用原料粉、 12…内層用原料粉、
41…シリカ基体の仮成形体、
51…シリカ基体、 51a…白色不透明層部、 51b…無色透明層部、
56…内層、 71、71’…シリカ容器、
101…炭素製外型枠、 102…内壁、 103…減圧用の孔、
104、105…減圧用の通路、 106…回転軸、
211…高電圧電源ユニット、 212…炭素電極、 212a…電線、
213…蓋、 220…アーク放電、
303…ホッパー、 304…攪拌用スクリュー、 305…計量フィーダ。

Claims (15)

  1. 少なくとも、シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ基体を備えてなるシリカ容器を製造する方法であって、
    前記シリカ基体を形成するためのシリカ粒子である基体用原料粉を準備する工程と、
    回転対称性を有しており、減圧用の孔が内壁に分配されて形成された、炭素製の外型枠を回転させながら、前記外型枠の内壁に前記基体用原料粉を導入し、該基体用原料粉を前記外型枠の内壁に応じた所定形状に仮成形してシリカ基体の仮成形体とする工程と、
    前記シリカ基体の仮成形体の内周側からHガスを10vol.%を超える比率で含有する還元性ガスを供給しつつ、前記外型枠に形成されている減圧用の孔によって減圧することにより、前記シリカ基体の仮成形体を外周側から減圧して脱ガスするとともに、炭素電極による放電加熱溶融法により前記シリカ基体の仮成形体の内側から加熱することによって、前記シリカ基体の仮成形体の外周部分を焼結体とするとともに、前記シリカ基体の仮成形体の内側部分を溶融ガラス体とし、前記シリカ基体を形成する工程と
    を含むことを特徴とするシリカ容器の製造方法。
  2. 前記基体用原料粉にAlを10〜1000wt.ppmの濃度で含有させることを特徴とする請求項1に記載のシリカ容器の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシリカ容器の製造方法において、前記放電加熱溶融法によりシリカ基体を形成する工程よりも後に、前記シリカ基体の内側から、結晶質シリカからなり、前記基体用原料粉よりもシリカ純度が高い内層用原料粉を散布しつつ、放電加熱溶融法により内側から加熱することによって、前記シリカ基体の内側表面上に透明シリカガラスからなる内層を形成する工程をさらに含むことを特徴とするシリカ容器の製造方法。
  4. 前記内層用原料粉のLi、Na、Kの各濃度を60wt.ppb以下とし、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各濃度を30wt.ppb以下とすることを特徴とする請求項3に記載のシリカ容器の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法において、前記放電加熱溶融法によりシリカ基体を形成する工程又は内層を形成する工程の放電加熱後の冷却を、Oガスを含有する酸化性ガス雰囲気下にて行うことを特徴とするシリカ容器の製造方法。
  6. 前記酸化性ガスのOガス含有比率を1〜30vol.%とすることを特徴とする請求項5に記載のシリカ容器の製造方法。
  7. 少なくとも、シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ基体を備えてなるシリカ容器であって、
    前記シリカ基体は、酸素欠損型欠陥を含むものであり、外周部分に気泡を含有する白色不透明層部を有し、内周部分に実質的に気泡を含有しないシリカガラスからなる無色透明層部を有するものであることを特徴とするシリカ容器。
  8. 前記シリカ基体に含まれる酸素欠損型欠陥の密度が、前記無色透明層部において、光路長10mm当たりの、波長240nmでの光透過率が80%以下を示すものであることを特徴とする請求項7に記載のシリカ容器。
  9. 前記シリカ基体の無色透明層部を真空下で1000℃に加熱したときに放出するHO分子が1×1017分子/cm以下であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のシリカ容器。
  10. 前記シリカ基体の無色透明層部におけるH分子濃度が5×1016分子/cm以下であることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載のシリカ容器。
  11. 前記シリカ基体の無色透明層部の1400℃における粘度が1010.5Pa・s以上であることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか一項に記載のシリカ容器。
  12. 前記シリカ基体のOH基濃度が60wt.ppm以下であることを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれか一項に記載のシリカ容器。
  13. 前記シリカ基体がAlを10〜1000wt.ppmの濃度で含有することを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれか一項に記載のシリカ容器。
  14. 前記シリカ基体の内側表面上に、該シリカ基体よりシリカ純度が高い透明シリカガラスからなる内層を備えることを特徴とする請求項7ないし請求項13のいずれか一項に記載のシリカ容器。
  15. 前記内層は、OH基濃度が30wt.ppm以下であり、Li、Na、Kの各濃度が60wt.ppb以下であり、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Wの各濃度が30wt.ppb以下であることを特徴とする請求項14に記載のシリカ容器。
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