JP4634553B2 - シリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法)により育成され、特に、熱酸化処理をした際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅し、ボイドや転位クラスターなどの微小欠陥が存在しない、電気特性に優れたシリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン単結晶の製造方法として、ルツボ内融液から結晶を育成させつつ引上げるCZ法が広く行われている。CZ法では、例えば図1に模式的に示すような構成の単結晶製造装置が用いられる。まず、図中のルツボ内に原料としてシリコン多結晶を入れ、それらを取り囲むヒーター(ヒーター、断熱材などの炉内構造物を総称して、以下では、ホットゾーンと呼ぶ)によって原料を融解する。ルツボ内の融液の上方より種結晶を降ろして融液表面に接触させ、この種結晶を回転させながら、引上げ速度を制御しつつ上方に引上げることにより所定の径の単結晶を製造する。結晶が成長するにつれ融液が減少していくが、融液表面の位置を引き上げ装置に対して一定に保つために、引上げられた結晶の重量に応じてルツボ位置を上昇させている。
【0003】
原料として用いられるシリコン多結晶の純度は、一般的に99.9999%以上の高純度であるが、製造するシリコン単結晶の伝導型と比抵抗を制御するために、ドーパントを故意に添加する。結晶をP型にするためには、アクセプターとして作用するホウ素などのIII族の元素をドーパントとして添加し、N型にするためには、リンやアンチモンなどのV族の元素をドーパントとして添加する。また、原料を入れるルツボは、一般的に石英が用いられている。石英ルツボはシリコン融液との接触により少しずつ溶解するため、シリコン融液中には高濃度の酸素が含まれている。従って、シリコン融液中には一般的に、故意に添加したドーパント元素と酸素が含まれており、それらの一部は結晶成長とともに結晶内に取り込まれていく。
【0004】
シリコン融液中のドーパントは、その偏析係数に従って結晶中に取り込まれる。ドーパントの偏析係数は一般的に1より小さいため、融液中のドーパントは結晶育成とともに濃縮されていく。結晶中に取り込まれるドーパントの濃度も、結晶引上げに伴なう融液中の濃度の上昇とともに(結晶の下部にいくほど)高くなる。製品となるシリコンウエーハのドーパント濃度は、顧客毎の仕様に比抵抗の範囲として定められているため、その範囲を外れた結晶部位は製品とはならない。従って、結晶軸方向のドーパント濃度の変化は歩留低下の要因となっていた。この問題を解決するために、シリコン融液にシリコン結晶を追加添加しながら結晶引上げを行なう方法(連続チャージ法)や、溶解が完了した融液内にあらためて固体層を形成した後に結晶引き上げを開始する方法(DLCZ法)などが提案されてきた。しかしこれらの方法はいずれも無欠陥領域結晶を製造することを目的としたものではなかった。
【0005】
結晶の比抵抗は結晶中のドーパント濃度に依存して変化する。しかし、結晶の冷却過程における450℃付近の低温域の通過時間が長い場合には、サーマルドナーと呼ばれるドナーの性質を有する結晶欠陥が形成されるため、比抵抗はその影響を受けてしまう。サーマルドナーは、650℃以上での追加熱処理により消滅させることができるため、引上げが完了した結晶には、ブロックに切断した状態か、あるいはウエーハにスライスした状態で、サーマルドナーを消去するための熱処理(以下、ドナーキラーアニール)を施し、比抵抗を目的の値に調整する。ドナーキラーアニール後の比抵抗は、結晶中のドーパント濃度でほぼ完全に決定される。
【0006】
シリコン単結晶から切り出したウエーハには、微小な転位クラスターやボイドが存在する場合がある。ボイドはウエーハ表面を異物検査装置で測定することにより小さなピットとして検出される。このピットは結晶欠陥に起因したピットとしてCOP(Crystal Originated Pits)と呼ばれている。また、ウエーハに熱酸化処理を加えると積層欠陥が発生することがある(酸化誘起積層欠陥:Oxidation-Induced Stacking Faults、以下OSF)。転位クラスター、COPやOSFといった微小欠陥は、デバイス不良の原因となる場合があるため、欠陥の種類、密度、サイズなどを制御する必要があり、これまでにも多くの研究がなされてきた。シリコン結晶育成中のこれらの微小欠陥の形成機構については、以下で詳しく述べることにする。
【0007】
Voronkovは、V/G値とシリコン結晶内の欠陥種との関係を、フローティングゾーン(FZ)法で育成したシリコン結晶において初めて指摘し、CZ法で育成したシリコン結晶においても同様のことが起こることを示唆した(V.V.Voronkov; Journal of Crystal Growth, 1982, Vol.59, p.625-643)。ここでVはシリコン単結晶の育成速度を示し、Gは結晶成長界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配を示している。また、FZ法とは、ロッド状の多結晶シリコンを高周波加熱で溶解しながら、種結晶をその溶けたシリコン融液に接触させて後に移動させることで単結晶を得る方法である。CZ法との大きな違いは、FZ法ではシリコン融液部は融液自体の表面張力により支持されているため、CZ法のような石英ルツボを必要としない点である。従って、FZ法により育成されたシリコン単結晶中の酸素濃度は、CZ法により育成されたシリコン単結晶中の酸素濃度に比べて、非常に低い。
【0008】
この文献によると、V/G値が小さいときには格子間シリコン型の欠陥であるA欠陥とB欠陥がシリコン単結晶内に存在する。V/G値を増加させていき、ある臨界値ξaを越えるとA欠陥は存在しなくなり、B欠陥のみとなる。さらにV/G値を大きくしてξbを越えると、B欠陥も存在しなくなり、無欠陥領域となる。さらにV/G値を大きくしてξdを越えると、格子間シリコン型の欠陥に代って原子空孔型のD欠陥が形成されてしまう。つまり、V/Gをξb〜ξdの間に維持すれば無欠陥領域の結晶を得られることが、確認されていた。提案された欠陥形成モデルでは、結晶成長界面から導入された点欠陥(格子間シリコンと原子空孔)が結晶成長界面近傍で拡散や再結合反応を起こす。そして最終的に結晶中に多く残存した点欠陥種が、前述のA,B欠陥やD欠陥を形成する、というものである。このV/G値とシリコン単結晶内に現れる点欠陥種との関係はCZ法により育成されたシリコン単結晶にも適用されることが、この文献で示唆されている。
【0009】
CZ法におけるシリコン単結晶中の欠陥種と育成条件との関係については、これまでVoronkovが提唱したFZ法におけるV/Gモデルと同様に、以下のように考えられてきた。
【0010】
結晶が凝固した直後の高温領域における優勢な点欠陥種とその濃度は、引上げ速度Vと固液界面における結晶側の結晶軸方向の温度勾配Gとの比、V/G値、との間に図2に示す関係がある。即ち、V/G値が大きい場合には優勢な点欠陥種は原子空孔であり、V/G値が小さくなるにしたがって原子空孔濃度が小さくなり、ある値で0となる。V/G値をさらに小さくしていくと、やがて優勢な点欠陥の種類は格子間シリコンになり、V/G値を小さくするに従ってその濃度も高くなる。
【0011】
高温において優勢となった点欠陥は、結晶が冷える過程において、その濃度に依存して様々な構造欠陥に変化していくと考えられる。V/G値がη1よりも小さい場合には、高い濃度で存在する格子間シリコンは転位クラスターを形成する。V/G値がη1からη2までの範囲では、結晶内に格子間シリコンがわずかに存在するが、濃度が低いため、顕著な構造欠陥は形成しない。η2では、格子間シリコン濃度、原子空孔濃度とも0になる。η2以上では、優勢な点欠陥種は格子間シリコンから原子空孔に代るが、η2からη3までの範囲では、低濃度で存在する原子空孔は酸素析出物の発生核となる微小な欠陥(以下酸素析出核)を形成する。η3からη4までの範囲ではOSFの発生核(以下OSF核。リング状に分布するOSFの核)となり、そしてη4以上では高濃度に存在する原子空孔はボイドを形成する。
【0012】
これらの構造欠陥の内、転位クラスターは、それ自体がデバイス特性を劣化させることが明らかになっている。わずかに存在する格子間シリコンはデバイス特性には影響を及ぼさない。酸素析出核は、非常に微小な欠陥であるため、それ自体はデバイス特性を劣化させる原因とはならず、むしろ有害な不純物の吸収源として働く酸素析出物の発生中心として働く効果がある。OSF核の実体は板状の酸素析出物と推測されており、それ自体がデバイス特性の劣化原因になる場合もある。また熱酸化によりOSF核を発生中心としてウエーハ表面のデバイス活性領域にOSFが発生すると、デバイス特性が著しく劣化されることが判っている。また、ボイドはウエーハ表面ではピット(COP)として現れ、あるサイズ以上になるとデバイス特性が劣化されることが判っている。
【0013】
このようにV/G値がη1からη3までの範囲であればデバイス特性に悪影響を及ぼす欠陥は形成されないと考えられており、この条件範囲で育成された結晶領域は無欠陥領域と言われている。
【0014】
一方、一般的な条件で育成した結晶から切り出したウエーハにはOSFのリング状分布を含む様々な欠陥が同心円状に分布してしまう。図3はこのような欠陥分布の模式図を示している。ウエーハの最外周から、転位クラスター領域、格子間シリコン型の無欠陥領域、原子空孔型の無欠陥領域、OSFリング領域、そして最も中心がボイド領域となる。これまでV/G値がη3に近い条件で結晶育成が行われてきたため、ウエーハ全面ではη1からη4まで様々な値を横切り、図3のような欠陥分布になったと考えられる。
【0015】
Voronkovが提案したV/Gを指標としたCZ法における欠陥制御方法に関して、特開平8−330316号公報に、CZ法により育成されたシリコン単結晶ウエーハであって、熱酸化処理をした際にリング状に発生するOSFがウエーハの中心部に消滅した低速育成ウエーハであり、かつウエーハ全面で転位クラスターが排除されているシリコン単結晶ウエーハの製造方法が開示されている。この製造方法は、CZ法でシリコン単結晶を育成する際に、引上げ速度をV(mm/分)とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における結晶軸方向の結晶側の温度勾配の平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値を結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2/℃・分とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2/℃・分とするか、若しくは結晶外周に向かって漸次増加させることを特徴とする。
【0016】
即ち、上記特開平8−330316号公報では、OSFリング領域と転位クラスター領域の間の無欠陥領域を半径方向の全てに広げた結晶の製造方法に関して開示されている。
【0017】
ウエーハ面内全域にわたって無欠陥領域を得るための具体的なV/Gの制御方法に関しては、例えば特開平10−265294号公報に、結晶を取り囲む熱遮蔽材により結晶側面からの入熱を制御し、結晶側の結晶軸方向の温度勾配Gを結晶面内で均一にすることでV/Gを結晶面内で均一にする方法が開示されている。
【0018】
一方、シリコン結晶中に導入されたシリコン以外の元素が無欠陥領域の形成条件に与える影響については、これまでわずかな報告しかなされていない。第46回応用物理学関係連合講演会予稿集,p.471,29a-ZB-9には、シリコン結晶中に窒素を添加することによって、無欠陥領域のV/Gトレランスが増大することが示されており、かつ窒素を添加した場合の無欠陥領域の品質は、COPや酸化膜耐圧ともエピウエーハ並みに良好であることが示されている。しかしながら、シリコン結晶中の窒素は、極微量存在しただけでもOSF核として作用することが知られている。また、デバイス構造の微細化が進むにつれてデバイスプロセスは低温化の傾向にあるが、シリコン結晶中での窒素の拡散定数は大きいため、低温での繰り返し長時間にわたるデバイスプロセスを経るうちに、窒素はデバイス活性となるウエーハの表面に偏析し、OSF等の構造欠陥の発生原因になることが懸念されている。
【0019】
窒素以外の元素が無欠陥領域に及ぼす影響についてはこれまで報告がなく、また、ドーパント濃度の影響についてもこれまで報告されたことがない。
【0020】
シリコン融液に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引上げる方法については、カスプ磁場および水平磁場について報告がなされている。カスプ磁場装置とは、例えば特公平2−12920号公報に示されるように、引き上げ装置の外壁の上下に同軸対向磁石を配置したもので、この磁石により融液内には等軸対称的かつ放射状のカスプ磁場が形成される。水平磁場装置とは、特公昭58−50951号公報に示されるように、引き上げ装置の外壁の左右に同軸対向磁石を配置したもので、この磁石により融液内には水平方向の磁場が形成される。水平磁場装置を配置した引上げ炉を図4に模式的に示す。
【0021】
これらのカスプ磁場や水平磁場を融液に印加しながらシリコン単結晶を引上げる方法は、これまで酸素濃度制御や融液流動制御を目的として行われてきた。しかしながら、無欠陥領域を得ることを目的とした報告はこれまでにない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ウェーハ面内全域にわたって無欠陥領域であるウェーハ(無欠陥領域結晶)を得るための、特開平8−330316号公報や特開平10−265294号公報に記載された方法においては、図8に示すようにインゴット全長のうちのわずかの長さについては無欠陥領域結晶が得られるものの、インゴット軸方向のほとんどの部分については、転位クラスター領域あるいはOSFリングおよびボイド領域であり、無欠陥領域結晶の採取歩留りは極めて低いのが実状であった。
【0023】
また、特定の品種においては特定の引上げ条件を採用することにより結晶の軸方向一定長さにわたって無欠陥領域ウェーハが作成できるものの、別の品種では同じ引上げ条件を採用しても無欠陥領域ウェーハがまったく得られない場合があった。
【0024】
本発明の目的は、CZ法によるシリコン単結晶の育成において、無欠陥領域の結晶を歩留良く製造でき、異なる品種においても同様に無欠陥領域結晶を製造できる方法を提供することにある。
【0025】
また、無欠陥領域を製造するための引上げ速度Vや温度勾配Gのトレランスを広げ、無欠陥領域の結晶を歩留良く製造する方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、
(1) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低ほど、V/G値を大きくすることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(2) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、結晶軸方向のドーパント濃度が低ほど、V/G値を大きくするように制御することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(3) 前記ドーパント濃度が低いほど、Vを大きくする、および/または、Gを小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(4) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低ほど、V/G値を大きくすることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(5) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、結晶軸方向のドーパント濃度が低ほど、V/G値を大きくするように制御することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(6) 前記ドーパントが、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモンの内のいずれか1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低ほどV/G値を大きくするように、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素を添加したシリコン融液からシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
) チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低ほどV/G値を大きくするように、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素をシリコン融液に添加しながらシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
) 前記添加元素が、水素、ヘリウム、炭素、ネオン、ゲルマニウム、クリプトン、錫、キセノンの内の1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項又は記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
【0027】
これらの方法により、
(13)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶ウエーハであって、熱酸化処理をした際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅したウエーハであり、かつウエーハ全面にわたって転位クラスターが無く、かつ、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモンの内の2種以上がドープされていることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
(14)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶ウエーハであって、熱酸化処理をした際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅したウエーハであり、かつウエーハ全面にわたって転位クラスターが無く、かつドーパント濃度のウエーハ面内におけるバラツキが5%未満であることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
(15)前記ドーパントが、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモンの内のいずれか1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項14記載のシリコン単結晶ウエーハ。
を得ることが可能になる。
【0028】
さらに、
(16)チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素を添加したシリコン融液からシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(17)チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素をシリコン融液に添加しながらシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(18)前記添加元素が、水素、ヘリウム、炭素、ネオン、ゲルマニウム、クリプトン、錫、キセノンの内の1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項16、17記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
である。
【0029】
これらの方法により、
(19)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶ウエーハであって、熱酸化処理をした際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅したウエーハであり、かつウエーハ全面にわたって転位クラスターが無く、かつ、水素、ヘリウム、炭素、ネオン、ゲルマニウム、クリプトン、錫、キセノンの内の1種、あるいは2種以上がドープされていることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
を得ることができる。
【0030】
また、
(20)シリコン融液に磁場を印加しつつシリコン単結晶を引上げることを特徴とする請求項1〜12、16〜18記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
(21)印加する磁場が、水平磁場、あるいはカスプ磁場であることを特徴とする請求項20記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
である。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、無欠陥領域結晶を製造するにあたり、添加するドーパント量の異なる2水準の試験を行なった。その際の結晶引上げは、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れる、従来から知られている無欠陥領域結晶を製造する条件で行なった。具体的には、特開平8−330316号公報や特開平10−265294号公報に記載された方法である。ドーパント量を変える点以外は、両水準で条件を全く等しくして行なった。ドーパント量の異なる結晶の欠陥領域分布を図8と図10に示す。また、併せてドナーキラーアニール後の結晶中心位置での比抵抗の結晶軸方向の変化を合わせて示す。図8の結晶の比抵抗は12〜8Ω・cmであり、図10の結晶の比抵抗は16〜11Ω・cmである。引上げ条件は全く等しいにもかかわらず、両者の欠陥領域分布は大きく異なり、図8の結晶では結晶直胴300mm〜600mmで全面無欠陥領域結晶が形成されているのに対して、図10の結晶では直胴全長にわたり転位クラスターが形成している。この結果は、無欠陥領域の条件範囲はドーパント濃度に依存していることを示している。
【0032】
本発明者らは、さらに結晶の引上げ条件を様々に変更して試験を行い、無欠陥領域とドーパント濃度との関係を調査した。図5は、ドーパントとしてホウ素を添加した場合の、無欠陥領域の条件範囲とドナーキラーアニール後の比抵抗、引上げ速度との関係を示している。ドナーキラーアニール後の比抵抗からは結晶中のドーパント濃度を知ることができ、比抵抗が低いほどドーパント濃度は高い。図5は、比抵抗が低いほど、即ちドーパント濃度が高いほど、無欠陥領域のための引上げ速度のトレランスが広がることを示している。この結果は、図2に示したV/G値と点欠陥種・濃度の関係が、ドーパント濃度に依存して図6の様に変化することを示している。即ち、図2に示したη1からη4の値は一定ではなく、ドーパント濃度に依存して変化することを示している。
【0033】
このような現象が発生する理由は次のように考えられる。ドーパントは融液から結晶中に結晶の凝固とともに取り込まれるが、点欠陥(格子間シリコン、原子空孔)も結晶の凝固とともに結晶中に熱平衡濃度で発生する。点欠陥の優勢種やその濃度の決定は、結晶の冷却過程で生じる点欠陥の拡散や格子間シリコンと原子空孔の対消滅などの過程を経て行われるが、結晶中のドーパントは点欠陥と相互作用し、点欠陥の平衡濃度自体を変化させる、あるいは拡散や対消滅反応などを変化させるものと推定される。
【0034】
これらの知見から、本発明者らは、ドーパント濃度を変更して無欠陥領域結晶を製造する場合には、ドーパント濃度毎にVおよび/またはGを変更してV/G値を適正化する必要があることを見出した。
【0035】
また、本発明者らは、無欠陥領域を結晶軸方向に歩留良く製造するためには、結晶軸方向の結晶中のドーパント濃度の変化に合わせてVおよび/またはGを連続的に変更してV/G値を連続的に適正範囲に入れることが有効であることを見出した。
【0036】
また、シリコン単結晶を育成中の固液界面の形状は完全には平坦ではなく、上に凸や下に凸、あるいはM型やW型をしているため、結晶軸に垂直にスライスされるウエーハの半径方向のドーパント濃度は界面形状に依存して変動する。本発明者らは、無欠陥結晶育成のためには、半径方向のドーパント濃度の変動に合わせてGの面内分布を変更した方が、ウェーハ面内でGを一定に保ってV/G値の面内ばらつきを小さくするよりも有効であることを見出した。
【0037】
一方、半径方向のドーパント濃度の変動が5%未満であれば、V/G値の面内分布を特に適正化する必要がなくなるため望ましい。半径方向のドーパント濃度の変動を制御する方法としては、融液に磁場を印加しつつ結晶引上げを行なうことが有効である。印加する磁場としては、カスプ磁場や横磁場が有効である。
【0038】
また、本発明者らは、無欠陥領域を結晶軸方向に歩留良く製造するためには、結晶引き上げに伴なう融液中のドーパント濃度の変動をできるだけ抑制することが有効であることを見出した。融液中のドーパント濃度の変動を抑制する方法としては、シリコン結晶を融液に追加添加しながら結晶を引上げる方法や、融液中にあらかじめ固体層を形成し、その固体層を溶解しながら結晶を引上げる方法が有効である。
【0039】
これまでに述べた方法は、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモンの内のいずれか1種をドーパントとして添加している場合には有効に作用する。また、これらの内、2種以上のドーパントを添加した場合には、比抵抗の仕様範囲を満たしつつ、無欠陥領域条件のトレランスを広くすることができ、さらに有効である。
【0040】
さらに本発明者らは、ドーパント以外の元素をシリコン融液に添加した場合の無欠陥領域の製造条件の変化を調査した。その結果、水素、ヘリウム、炭素、ネオン、ゲルマニウム、クリプトン、すず、あるいはキセノンを添加した場合には、無欠陥領域の製造条件は変化し、無欠陥領域条件のトレランスを広くできることを見出した。これらの元素は、あらかじめシリコン多結晶原料と一緒にルツボ内に着工することで添加しても良い。また、シリコン結晶の引上げに伴なってシリコン結晶を融液中に追加添加すれば、融液中の元素の濃度の変化を抑制することができるため、より望ましい。また、添加する元素は1種類でも有効であるが、2種類以上であっても効果が得られる。
【0041】
また、本発明者らは、ドーパントの濃度分布制御の場合と同様、添加した元素の結晶の半径方向の分布を制御するには、融液に磁場を印加しながら結晶引き上げを行なうことが有効であることを見出した。印加する磁場としてはカスプ磁場や水平磁場が有効である。
【0042】
なお、前述のように、一定の引上げ速度範囲においてはウェーハ面内にOSFリング領域が発生し、該引上げ速度範囲においては引上げ速度が速いほどOSFリング領域の直径が大きくなり、逆に引上げ速度が遅いほどOSFリング領域の直径が小さくなる。引上げ速度を更に遅くするとOSFリング領域があたかもウェーハ中心に消滅したように挙動する。従って、引上げ速度とOSFリング領域の大きさ変化の挙動を明らかにすることにより、本発明の熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅したウェーハを製造することが可能である。また、OSFリング領域がウェーハ外周に消滅したウェーハにおいては、ウェーハ全面がボイド領域となっている。従って、ウェーハ面内に無欠陥領域や転位クラスター領域が生成していれば、そのウェーハはOSFリング領域がウェーハ中心に消滅したものであることが明らかである。
【0043】
【実施例】
以下の比較例や実施例では図4に示すCZ法によるシリコン単結晶の製造装置20を用いた。
【0044】
シリコン単結晶の製造装置20は、シリコンを溶解するための部材やシリコン結晶を引上げる機構などを有しており、シリコン溶解のための部材は加熱チャンバ2a内に収容され、シリコン結晶を引上げる機構は、引上げチャンバ2bの内部および外部に設けられている。また、加熱チャンバ2aと引上げチャンバ2bの間には中間チャンバ2cが設けられている。
【0045】
加熱チャンバ2a内には、溶解しているシリコンLを収容するルツボ3が設けられ、このルツボ3は図示しない駆動装置に回転軸5によって回転・昇降自在に支持されている。駆動装置は、シリコン単結晶Sの引上げに伴なう液面低下を補償すべくルツボ3を液面低下分だけ上昇させ、また、シリコン融液Lの攪拌を行なうためにルツボ3を所定の回転数で回転させる。回転軸は加熱チャンバ2aを貫通しているが、チャンバ2内外の気密を保持し、また極めて悪い温度条件の下での使用となるために、図示しない特殊なベアリングで保持されている。
【0046】
ルツボ3は従来と同じ石英ルツボ3aとこれを保護する黒鉛ルツボ3bとから構成されている。
【0047】
ルツボ3の側壁部分には、シリコンを溶解させる加熱ヒータ4がその周囲を取り囲むように配置されている。この加熱ヒーター4の外側には、この加熱ヒーターからの熱が加熱チャンバ2aに直接輻射されるのを防止する断熱材12が加熱ヒータの周囲を取り囲むように設けられている。なお、加熱ヒータ4と断熱材12は支持台16に取り付けられている。この支持台16は熱抵抗率の非常に大きな材料を用いて作られている。
【0048】
引上げチャンバ2bには、一端がワイヤ巻き上げ機11に取り付けられ、中間チャンバ2cの天井部6aの頂壁を挿通して垂れ下げられた引上げワイヤ8が設けられ、この引上げワイヤ8の下端には、種結晶9を保持するチャック10が取り付けられている。ワイヤ巻き上げ機11は種結晶9の下端側に徐々に成長するシリコン単結晶Sをその成長速度等に従って引上げ、同時に、ルツボ3の回転方向とは反対に常時回転させる。
【0049】
この引上げチャンバ2bの収容部に形成されたガス導入口13からはアルゴンガスが導入され、このアルゴンガスは加熱チャンバ2a内に流通した後にガス排出口14から排出されるようになっている。このようにチャンバ2内にアルゴンガスを流通させるのは、前述のように、加熱ヒータ4の加熱によるシリコンの溶解に伴なってチャンバ2内に発生するSiOガスやCOガスをシリコン融液内に混入させないようにするためである。
【0050】
融液表面より上方には、カーボンや、あるいはMoで構成された1重あるいは複重構造のロートが設置されている。複重構造の場合には、その重なりの間に断熱材が装填されている場合もある。以下の比較例および実施例においては、2重構造で間に断熱材を装填したカーボン製のロートを用いた。
【0051】
このような引き上げ装置を用いて、シリコン単結晶の引上げを行なった。
【0052】
OSFリング領域の判定は、結晶から切り出し鏡面加工したウエーハを水蒸気雰囲気中で1100℃1時間の酸化熱処理を施し、表面の酸化膜をフッ酸で除去した後、ライトエッチング液に2分間浸積して結晶欠陥をエッチピットとして顕在化させ、集光燈および顕微鏡にてOSFの分布と密度を評価することにより行なった。転位クラスター領域の判定は、結晶から切り出し鏡面加工したウエーハを熱処理を施さずにセコエッチング液に20分間浸積して結晶欠陥(転位ループ)をエッチピットとして顕在化させ、集光燈および顕微鏡にてその分布と密度を評価することにより行なった。また、ボイド領域の判定は、異物検査装置LS6000でCOPを測定することにより行なった。
【0053】
なお、比較例および実施例に共通する結晶の製造条件を以下に示す。
・結晶直径: 208mm
・結晶直胴部長さ: 800mm
・ルツボ直径: 22インチ
・多結晶シリコン原料チャージ重量: 95kg
・ロート下端の内径: 260mm
・ロート下端から融液表面までの距離: 50mm
・ルツボ回転: 4rpm
・水平磁場印加: あり
・ルツボ壁における磁場強度: 3000ガウス
Gの面内ばらつき(ΔG)は、ロートと融液表面との位置関係、具体的にはロート下端から融液表面までの距離の条件に強く依存している。上記のようにロート下端から融液表面までの距離が50mmであれば、ΔGは10%以内の範囲に制御され、インゴット長手方向でのGの値も一定に保たれる。その結果、以下の比較例、実施例とも、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で10%以下の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成することができる。
【0054】
<比較例1>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 0.52mm/分
【0055】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。
図7に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、12〜8Ω・cmであった。
結晶直胴0〜200mmでは転位クラスターが存在し、200〜700mmではOSFリング領域が形成されており、結晶の下部ほどOSFリング領域の直径が広がり、700〜800mmではOSFリング領域は結晶の外周部に消滅して結晶全面でCOP(ボイド)が存在していた。
【0056】
なお、結晶直胴0〜200mmは、上方に結晶が存在しないため他の部位よりも冷却されやすく、温度勾配Gが他の部位よりも大きくなる傾向にある。
【0057】
<比較例2>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 0.50mm/分
【0058】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。
図8に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、12〜8Ω・cmであった。
結晶直胴0〜300mmでは転位クラスターが存在し、300〜600mmでは無欠陥領域が形成されており、600〜800mmではOSFリング領域が形成され、結晶の下部ほどOSFリング領域の直径が広がっていた。
【0059】
<比較例3>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 0.48mm/分
【0060】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。
図9に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、12〜8Ω・cmであった。
結晶直胴全長にわたって転位クラスターが存在していた。
【0061】
<比較例4>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 0.50mm/分
【0062】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。
図10に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、16〜11Ω・cmであった。
結晶直胴全長にわたって転位クラスターが存在していた。
【0063】
比較例2と引上げ条件が全く同じであるにもかかわらず、結晶中のドーパント濃度の違いにより欠陥分布が大きく異なっていることが判る。
【0064】
<実施例1>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 0.52mm/分
【0065】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。図11に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、16〜11Ω・cmであった。
結晶直胴0〜300mmでは転位クラスターが存在し、300〜600mmでは無欠陥領域が形成されており、600〜800mmではOSFリング領域が形成され、結晶の下部ほどOSFリング領域の直径が広がっていた。比抵抗が高く、無欠陥結晶製造条件のトレランスが狭い品種であるにもかかわらず、インゴット軸方向300mmにわたって無欠陥結晶領域を生成することができた。
【0066】
比抵抗12〜8Ω・cmの結晶では、比較例2にあるように引上げ速度を0.50mm/分とすることで無欠陥領域結晶を結晶軸方向300mmにわたって製造することができたのに対し、比抵抗16〜11Ω・cmの結晶においては同じ引上げ条件では比較例4にあるように無欠陥領域結晶を製造することができなかった。本発明に基づき、結晶のドーパント濃度の変更に応じて引上げ条件を変更する、即ち引上げ速度を比較例4の0.50mm/分から実施例1の0.52mm/分に変更することにより、無欠陥領域を形成することができることが判る。
【0067】
<実施例2>
以下の条件でシリコン単結晶を育成した。
・ドーパント種: ホウ素
・ドーパントの添加方法: 溶解開始前に多結晶シリコン原料とともにルツボ内に添加
・引上げ速度: 結晶中のドーパント濃度の変化に応じて、結晶の位置によって以下のように連続的に変更した。
Figure 0004634553
【0068】
この結晶から50mm間隔でウエーハを切り出して比抵抗や欠陥分布を調査した。図12に、欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化を示す。
比抵抗は、12〜8Ω・cmであった。
結晶直胴全長にわたって無欠陥領域が形成されていた。
【0069】
結晶中のドーパント濃度の変化に応じて引上げ条件を変更することにより、歩留良く無欠陥領域を形成することができることが判る。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、結晶中のドーパント濃度が変化しても、無欠陥領域を歩留良く製造することができる。また、シリコン以外の元素をドープすることにより、無欠陥領域の製造条件のトレランスを広くすることができ、歩留良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なシリコン単結晶の製造装置を示す図
【図2】シリコン単結晶中の欠陥種とV/G値との関係
【図3】OSFリング領域がウエーハ半径中央付近に存在する場合のウエーハ面の欠陥分布模式図
【図4】水平磁場を印加し、熱遮蔽材を備えた結晶育成装置
【図5】無欠陥領域とドナーキラーアニール後の比抵抗、引上げ速度との関係
【図6】結晶中のドーパント濃度が異なる場合の、欠陥種とV/G値との関係
【図7】比較例1の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【図8】比較例2の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【図9】比較例3の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【図10】比較例4の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【図11】実施例1の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【図12】実施例2の結晶の欠陥分布と、結晶中心の比抵抗の結晶軸方向の変化
【符号の説明】
2a・・・・加熱チャンバ、
2b・・・・引上げチャンバ
2c・・・・中間チャンバ
3 ・・・・ルツボ
4 ・・・・加熱ヒータ
12・・・・断熱材
22・・・・ロート
40・・・・水平磁場印加用同軸対向電磁石
S ・・・・シリコン単結晶
L ・・・・溶融シリコン

Claims (7)

  1. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低いほど、V/G値を大きくすることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  2. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、結晶軸方向のドーパント濃度が低いほど、V/G値を大きくするように制御することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  3. 前記ドーパント濃度が低いほど、Vを大きくする、および/または、Gを小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  4. 前記ドーパントが、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモンの内のいずれか1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  5. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低いほどV/G値を大きくするように、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素を添加したシリコン融液からシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  6. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を製造するにあたり、結晶の引上速度をV、固液界面における結晶軸方向の結晶側の温度勾配をGとしたときに、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥がリング状に発生する領域がウエーハ中心に消滅しかつ転位クラスターが無い無欠陥領域を結晶の半径方向の全てにわたって形成するために、固液界面におけるV/G値を結晶の半径方向で所定の範囲に入れつつシリコン単結晶を育成する方法において、ドーパント濃度が低いほどV/G値を大きくするように、シリコン、酸素、ホウ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、および窒素以外の元素をシリコン融液に添加しながらシリコン単結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  7. 前記添加元素が、水素、ヘリウム、炭素、ネオン、ゲルマニウム、クリプトン、錫、キセノンの内の1種、あるいは2種以上であることを特徴とする請求項又は記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
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