JP6007892B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6007892B2
JP6007892B2 JP2013263509A JP2013263509A JP6007892B2 JP 6007892 B2 JP6007892 B2 JP 6007892B2 JP 2013263509 A JP2013263509 A JP 2013263509A JP 2013263509 A JP2013263509 A JP 2013263509A JP 6007892 B2 JP6007892 B2 JP 6007892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon concentration
single crystal
silicon
silicon single
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013263509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015117177A (ja
Inventor
義博 児玉
義博 児玉
佐藤 賢一
佐藤  賢一
慶一 中澤
慶一 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2013263509A priority Critical patent/JP6007892B2/ja
Publication of JP2015117177A publication Critical patent/JP2015117177A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6007892B2 publication Critical patent/JP6007892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、原料棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、浮遊帯域を移動させることで単結晶棒を育成するFZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)によるシリコン単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、電子線照射等によるライフタイムコントロールに適した低炭素濃度のシリコン単結晶の製造方法に関する。
近年、省エネルギーの面からパワーデバイスが脚光を浴びているが、その内、電気自動車やハイブリット自動車用を中心に使用されているIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)では、ライフタイムコントロールのために電子線等の照射が行われている。この際、照射に対して炭素の影響が原因となるリーク不良が発生し、デバイス製造上の問題となることがある。このような背景から、デバイス作製に用いられるシリコン単結晶中の炭素濃度を、特に1×1015atoms/cm以下に低減する要求がある。
シリコン単結晶を製造する方法として、FZ法が知られている。図10に、一般的に用いられるFZ法による単結晶製造装置を示す。このFZ単結晶製造装置30を用いて、シリコン単結晶を製造する方法について説明する。
まず、原料棒としてシリコン結晶棒1をチャンバー20内に設置された上軸3の上部保持治具4に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶)8を、シリコン結晶棒1の下方に位置する下軸5の下部保持治具6に保持する。
次に、誘導加熱コイル7によりシリコン結晶棒1を溶融して、種結晶8に融着させる。その後、種絞りにより絞り部9を形成して無転位化する。そして、上軸3と下軸5を回転させながらシリコン結晶棒1とシリコン単結晶2を下降させることで浮遊帯域10(溶融帯あるいはメルトともいう)をシリコン結晶棒1とシリコン単結晶2の間に形成し、当該浮遊帯域10をシリコン結晶棒1の上端まで移動させてゾーニングし、シリコン単結晶2を成長させる。この成長は、Arガスに微量の窒素ガスを混合した雰囲気中で行われる。
上記誘導加熱コイル7としては、銅または銀からなる単巻または複巻の冷却用の水を流通させた誘導加熱コイルが用いられている。
原料棒としては、FZ用多結晶原料の入手困難を背景に、CZ法(チョクラルスキー法)によって製造されたシリコン結晶棒(以下、CZ結晶棒とも呼ぶ)が用いられる場合が増えている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
CZ結晶棒を製造する際には、種結晶を原料融液に接触させた後、所望の直径になるまで拡径してコーン部を成長させ、目標の長さの円筒状直胴部を成長させた後、徐々に直径を減少させてテール部を形成する。テール部の形成の際に、急激に直径を減少させると原料融液と単結晶が切れてしまい、このときの熱ショックによりスリップ転位が導入される危険性が高まる。これを防止するため直径を徐々に減少させるので、テール部は比較的長さが長くなる。
このようにCZ結晶棒は、円筒状の直胴部の両端部にコーン部とテール部を有している。FZ法によりシリコン単結晶を製造する際には、シリコン結晶棒のテール部またはコーン部を切断した後、直胴部に、シリコン結晶棒を上記した上部保持治具4に保持するための、例えば溝形成などの機械加工が行われる。特許文献2には、このような機械加工をなくすために、テール部付近の直胴部の外周方向に沿って凸部を形成し、この形成した凸部を把持することが開示されている。
特開2005−306653号公報 特開2013−139388号公報
しかし、特許文献2のように、テール部付近の直胴部の外周方向に沿って形成した凸部を把持するようにした場合、ゾーニングする対象となるシリコン結晶棒の部分が少なくなってしまう。すなわち、原料棒の移動ストロークが短くなってしまうため、歩留りが低下してしまう。
一般に、CZ結晶棒は、偏析により、コーン部よりもテール部の炭素濃度が高くなり、通常、テール部の炭素濃度は、FZ用多結晶原料よりも高くなる。さらに、CZ結晶棒を原料としてFZ法によりシリコン単結晶を製造する場合、単結晶製造装置のカーボン部材から発生する炭素と、メルトから発生する酸素による一酸化炭素ガスがメルトに取り込まれることにより、メルト中の炭素濃度が原料棒自体に含まれる炭素濃度よりも高くなる。このため、原料棒の炭素濃度によっては、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下のシリコン単結晶を安定して得られない。同程度の炭素濃度の原料棒を用いた場合であっても、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下となるシリコン単結晶が得られたり、得られなかったりすることがある。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、歩留まりを低下させることなく、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下のシリコン単結晶を製造できる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、コーン部とテール部を有する、CZ法により製造されたシリコン結晶棒を原料棒としてFZ法によりシリコン単結晶を製造する製造方法において、前記シリコン結晶棒の前記コーン部から前記テール部に向けてゾーニングして前記シリコン単結晶を成長させる工程と、前記シリコン単結晶の前記テール部側の端部からサンプルを切り出し、該切り出したサンプルの炭素濃度を測定する炭素濃度測定工程を有し、前記炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cmを超える場合には、前記テール部側の端部から切り込んで再度サンプルを切り出し、前記炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下になるまで前記炭素濃度測定工程を繰り返し行うことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法が提供される。
このような製造方法であれば、シリコン結晶棒を低い炭素濃度のコーン部から高い炭素濃度のテール部に向けてゾーニングすることになるので、製造するシリコン単結晶の直胴部の炭素濃度の増加を抑制しつつ、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下のシリコン単結晶を確実に製造できる。
前記炭素濃度測定工程において再度前記サンプルを切り出す場合の切り込む長さを、前記シリコン結晶棒のテール部側の炭素濃度と前記シリコン単結晶のテール部側の炭素濃度および直胴長さから算出することが好ましい。
このようにすれば、炭素濃度が1×1015atoms/cmを超える部分をより正確に発見して、その部分を切り込んで除去できる。
このとき、前記原料棒となるシリコン結晶棒を、前記テール部の炭素濃度が2×1015atoms/cm以下となるようにCZ法により製造することが好ましい。
このようにすれば、製造するシリコン単結晶の直胴部全体の炭素濃度を1×1015atoms/cm以下に抑えることができる。
また、前記原料棒となるシリコン結晶棒を、前記コーン部の先端角度が50°から100°となるようにCZ法により製造することができる。
このようにすれば、コーン部の先端を種結晶に容易に融着させることができる。
また、前記原料棒となるシリコン結晶棒のテール部を、部分的に一定の直径を有するようにまたは部分的に直線的に増加する直径を有するように形成し、該形成した部分を保持しながら前記FZ法によりシリコン単結晶を成長させることができる。
このようにすれば、テール部を保持することによりゾーニングができなくなる部分を低減できるので、歩留まりの低下を抑制できる。
本発明では、CZシリコン結晶棒を、低い炭素濃度のコーン部から高い炭素濃度のテール部に向けてゾーニングしてFZ法によりシリコン単結晶を成長させるので、製造するシリコン単結晶の直胴部の炭素濃度の増加を抑制できる。また、最も炭素濃度の高いシリコン単結晶のテール部側の端部からサンプルを切り出し、このサンプルの炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cmを超える場合には、テール部側の端部から切り込んで再度サンプルを切り出し、炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下になるように繰り返すので、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下のシリコン単結晶を確実に製造できる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例のフロー図である。 FZ法による単結晶製造装置を用いて本発明の単結晶の製造方法を実施する様子を説明する図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法で用いるCZ結晶棒の形状の一例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法で用いるCZ結晶棒の形状の別の一例を示す概略図である。 実施例1の炭素濃度の結果を示す図である。 実施例1、比較例における炭素濃度のシミュレーション結果を示す図である。 実施例2の炭素濃度の結果を示す図である。 実施例2、比較例における炭素濃度のシミュレーション結果を示す図である。 比較例の炭素濃度の結果を示す図である。 一般的に用いられるFZ法による単結晶製造装置を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、歩留まりを低下させることなく、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下のシリコン単結晶を製造することが課題となっている。この課題に対し、本発明者が検討を行ったところ、以下のことを見出し、本発明を完成させた。
原料としてCZ結晶を用いてFZ法によりシリコン単結晶を製造する際、ゾーニングする方向によって、シリコン単結晶の軸方向の炭素濃度プロファイルが変化する。より詳細には、炭素濃度が同じ2つのCZ結晶棒を原料棒として、(1)テール部からコーン部に向けてゾーニングを行う場合と、(2)コーン部からテール部に向けてゾーニングを行う場合とを比較すると、(1)の場合では、直胴部の長さ全域に亘って炭素濃度が高くなるのに対して、(2)の場合では、直胴部のコーン部側の炭素濃度が低く、そこからテール部側に向かって徐々に炭素濃度が高くなってゆく傾向がある。
また、(2)コーン部からテール部方向のゾーニングを行って製造したシリコン単結晶は、炭素濃度が、直胴部の長さ位置に応じて、コーン部からテール部の方向に徐々に上昇するため、炭素濃度が1×1015atoms/cmになる位置がわかれば、その位置よりもコーン部側の部分は全て、炭素濃度が1×1015atoms/cm以下となる。
そこで、シリコン単結晶のテール部側の端部からサンプルを切り出し、このサンプルの炭素濃度が1×1015atoms/cmを超える場合には、テール部側の端部から切り込んで炭素濃度が1×1015atoms/cmを超える部分を除去するようにすれば、目的のシリコン単結晶を確実に得ることができる。
ここで、本発明の単結晶の製造方法において用いることができるFZ法による単結晶製造装置について説明する。
図2に示すように、FZ単結晶製造装置30は、チャンバー20を有しており、チャンバー20内には、上下動および回転可能な上軸3および下軸5が設けられている。
上軸3には上部保持治具4が取り付けられており、該上部保持治具4によって原料棒であるシリコン結晶棒1が保持されている。下軸5に取り付けられた下部保持治具6には種結晶8が取り付けられており、該種結晶8の上方にシリコン単結晶2を成長させることができる。
チャンバー20内には誘導加熱コイル7が配置されている。該誘導加熱コイル7により原料棒となるシリコン結晶棒1を加熱溶融して、シリコン結晶棒1とシリコン単結晶2との間に浮遊帯域10が形成される。上軸3と下軸5は、移動手段によって上下方向に移動できるようになっており、上軸3と下軸5を移動させて、浮遊帯域10をシリコン結晶棒1の上端まで移動させることができる。必要に応じて、浮遊帯域10にドーピング用ガスを吹き付けるためのガス吹き付け用ノズル11を設けることもできる。
以下、本発明のシリコン単結晶の製造方法について、上記したFZ単結晶製造装置30を用いた場合を例に、図1〜4を参照して説明する。
まず、CZ法により原料棒となるシリコン結晶棒を製造する(図1の100)。図3に示すように、製造したシリコン結晶棒1は、コーン部12、直胴部13およびテール部14を有する。CZ法によるシリコン結晶棒1の炭素濃度分布は、偏析により必ずコーン部12からテール部14の方向に徐々に高くなっている。最も濃度の高いテール部14の先端部より炭素濃度サンプルを採取し、炭素濃度測定を行う。
このシリコン結晶棒1の加工歪みを除去するために表面のエッチングを行う。
シリコン結晶棒1を、図2に示すFZ単結晶製造装置30のチャンバー20内に収容し、テール部14を上方に、コーン部12を下方に向けた状態で上部保持治具4によってテール部14を保持する。また、下軸5の下部保持治具6に種結晶8を取り付ける。この際、例えば、テール部14をネジなどで上部保持治具4に固定することによって保持しても良いが、以下に示すような形状に形成したテール部14を上部保持治具4によってチャックすることで保持することが好ましい。
本発明では、図3に示すように、テール部14を部分的に一定の直径を有するように形成することが好ましい。あるいは、テール部14を部分的に直線的に増加する直径を有するように形成しても良い。このような形状のテール部14は、CZ法によりテール部14を成長させる際に、途中で直径が一定か、または直径が直線的に増加するように成長させた後、直径を縮めてから切り離すことで形成することができる。あるいは、図4に示すように、テール部14が、一定の直径、またはテール部先端方向に向かって直線的に増加する直径を有するように、例えばグラインダー等で切削加工を行うこともできる。
図3に示すように、このように形成したテール部14を上部保持治具4で保持することにより、ゾーニングができなくなる部分を低減でき、原料棒の移動ストロークを長くすることができるので、歩留まりの低下を抑制できる。
シリコン結晶棒1は、コーン部12の先端角度が50°から100°の範囲内となるようにCZ法により製造することが好ましい。このようにすれば、コーン部12の先端を種結晶に容易に融着させることができる。
その後、シリコン結晶棒1のコーン部12の下端をカーボンリング(不図示)で予備加熱する。チャンバー20の下部から窒素ガスを含んだArガスを供給し、チャンバー20上部から排気する。シリコン原料棒1のコーン部12の下端を誘導加熱コイル7で加熱溶融した後、種結晶8に融着させ、種絞りにより絞り部9を形成して無転位化する。
その後、上軸3と下軸5を回転させながら、シリコン結晶棒1のコーン部12からテール部14に向けてゾーニングしてシリコン単結晶2を成長させる(図1の101)。このとき、シリコン結晶棒1を所定の速度、例えば2.0〜3.0mm/minで下降させる(図3、図4のA方向)ことで浮遊帯域10をシリコン結晶棒1のテール部14側に移動させてゾーニングすることができる。
ゾーニングの際には、上軸3と下軸5の回転軸の位置をずらして、シリコン結晶棒1とシリコン単結晶2を偏芯させた状態で回転させることが好ましい。このようにすれば、単結晶化の際に溶融部を攪拌させ、製造するシリコン単結晶2の品質を均一化することができる。このときの偏芯量はシリコン単結晶2の直径に応じて設定すればよい。
ゾーニングが終了した後、すなわちシリコン単結晶2の成長が完了した後、シリコン単結晶2のテール部側の端部からサンプルを切り出し(図1の102)、切り出したサンプルの炭素濃度を測定する(図1の103)。本発明では、この工程(図1の102と103)を炭素濃度測定工程と呼ぶ。
測定した炭素濃度が1×1015atoms/cm以下であるか判定する(図1の104)。本発明で製造したシリコン単結晶2の炭素濃度は、テール部において最大となるので、テール部側の端部から切り出した(採取した)サンプルの炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下である場合には、シリコン単結晶2全体の炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下であると判断できる。この場合、シリコン単結晶2の製造は完了となる(図1の105)。
一方、炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cmを超える場合には、その部分を除去する必要がある。そのために、炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下になるまで炭素濃度測定工程を繰り返し行う。このとき、サンプルの切り出しと炭素濃度の測定のみを繰り返し行っても良いが、工程時間を短縮するために、炭素濃度が1×1015atoms/cmを超える部分を特定し、その部分を切り込んでからサンプルを切り出した方が良い。このときの切り込み長さは、シリコン結晶棒1(原料棒)のテール部14側の炭素濃度、シリコン単結晶2のテール部側の炭素濃度および直胴長さ、並びに炭素の偏析係数を基に算出することができる(図1の106)。この切り込む位置が、シリコン単結晶2の炭素濃度が1×1015atoms/cmとなる位置であると考えることができる。
シリコン単結晶2のテール部側の端部から上記で算出した切り込む長さ分を切り込み(図1の107)、切り込んだ後の端部から再度サンプルを切り出す(図1の108)。このサンプルの炭素濃度を測定、判定する(図1の103、104)。このように、再度サンプルを切り出す場合の切り込む長さを算出し、炭素濃度が1×1015atoms/cmを超える部分を除去してから再度サンプルを切り出すようにすれば、サンプルの切り出し回数を大幅に減らすことができ、生産性を向上できる。
図1の100に示すCZ法によるシリコン結晶棒1の製造の際に、シリコン結晶棒1のテール部14の炭素濃度を2×1015atoms/cm以下となるようにすることが好ましい。このようなシリコン結晶棒1を、コーン部12からテール部14に向けてゾーニングすることにより、シリコン単結晶2の直胴部全体の炭素濃度を1×1015atoms/cm以下に抑えることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
CZ法で製造した直径150mm、テール部の炭素濃度が1.3×1015atoms/cmのシリコン結晶棒(ここでは、シリコン結晶棒1aと呼ぶ)と、2.0×1015atoms/cmのシリコン結晶棒(ここでは、シリコン結晶棒1bと呼ぶ)の2本のシリコン結晶棒を原料棒として用い、本発明の製造方法に従って、直径150mmの2本のシリコン単結晶を製造した。2本のシリコン結晶棒のテール部は共に、図3に示すように、直径120mm近傍で直径が一定になるように成長させた。このテール部をチャックすることでシリコン結晶棒を保持しながら、図2に示すFZ単結晶製造装置を用いてゾーニングを行った。
成長させた直後のシリコン単結晶のテール部側の端部からサンプルを採取し、その炭素濃度を測定したところ、どちらのシリコン単結晶の製造においても、測定値は1.0×1015atoms/cm以下であったので、製造を完了させた。
製造したシリコン単結晶の炭素濃度の結果を図5に示す。図5に示すように、シリコン結晶棒1a(1.3×1015atoms/cm)を用いた場合、テール部の炭素濃度は0.6×1015atoms/cmであった。シリコン結晶棒1b(2.0×1015atoms/cm)を用いた場合、テール部の炭素濃度は0.8×1015atoms/cmであった。なお、コーン部側の端部から採取したサンプルの炭素濃度は、どちらも0.5×1015atoms/cm以下であった。
シリコン結晶棒1bを用いた場合のシリコン単結晶の長さ方向の炭素濃度をシミュレーションした結果を図6に示す。図6に示すように、シミュレーション結果は、上記の実測値の結果に近いものであった。
(実施例2)
原料棒として用いたCZシリコン結晶棒のテール部の炭素濃度を、4.0×1015atoms/cmとしたこと以外、実施例1と同様の条件でシリコン単結晶を製造し、同様に評価した。
成長させたシリコン単結晶のテール部側の端部からサンプルを採取し、その炭素濃度を測定したところ、図7に示すように、測定値は1.6×1015atoms/cmであった。なお、コーン部側の端部から採取したサンプルの炭素濃度は、0.5×1015atoms/cm以下であった。
テール部側の端部から採取したサンプルの炭素濃度が1.0×1015atoms/cmより高かったため、CZ結晶棒のテール部側の炭素濃度、シリコン単結晶のテール部側の炭素濃度、炭素濃度採取長さ(直胴長さ100cm)、炭素濃度の偏析係数から炭素濃度が1.0×1015atoms/cm以下になる位置を算出した。その結果、その位置はコーン部側の端部から40cmの直胴部上の位置であった。そこで、この位置でシリコン単結晶を切り込み、切り込んだ後の端部から再度サンプルを切り出した。
再度切り出したサンプルの炭素濃度を測定したところ、図7に示すように(直胴40cm)、炭素濃度は、0.9×1015atoms/cmであった。これにより、短時間で、コーン部側の端部から直胴部40cmまでの炭素濃度が1.0×1015atoms/cm以下であるシリコン単結晶を得ることができた。
実施例2のCZシリコン結晶棒(4.0×1015atoms/cm)を用いた場合のシリコン単結晶の長さ方向の炭素濃度をシミュレーションした結果を図8に示す。図8に示すように、シミュレーション結果は、上記の実測値の結果に近いものであった。
(比較例)
直径150mm、テール部の炭素濃度が2.0×1015atoms/cmのCZシリコン結晶棒(ここでは、シリコン結晶棒1cと呼ぶ)と、4.0×1015atoms/cmのCZシリコン結晶棒(ここでは、シリコン結晶棒1dと呼ぶ)の2本のシリコン結晶棒を原料棒として用い、テール部からコーン部に向けてゾーニングを行い、直径150mmのシリコン単結晶を製造した。2本のシリコン結晶棒のテール部を共に切断し、ネジで上部保持治具に固定した。この作業は非常に煩雑なものであった。
製造したシリコン単結晶の炭素濃度の結果を図9に示す。図9に示すように、シリコン結晶棒1c(2.0×1015atoms/cm)を用いた場合、炭素濃度は、テール部側で1.2×1015atoms/cm、コーン部側で0.8×1015atoms/cm以下であった。シリコン結晶棒1d(4.0×1015atoms/cm)を用いた場合、炭素濃度は、テール部側で2.0×1015atoms/cm、コーン部側で1.7×1015atoms/cm以下であった。
このように、シリコン単結晶は、炭素濃度が全域若しくは部分的に1.0×1015atoms/cmを超えるものであった。
シリコン結晶棒1cおよび1dを用いた場合のシリコン単結晶の長さ方向の炭素濃度をシミュレーションした結果を図6、8に示す。図6、8に示すように、シミュレーション結果は、上記の実測値の結果に近いものであった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…シリコン結晶棒、 2…シリコン単結晶、 3…上軸、 4…上部保持治具、
5…下軸、 6…下部保持治具、7…誘導加熱コイル、 8…種結晶、
9…絞り部、 10…浮遊帯域、 11…ガス吹き付け用ノズル、
12…シリコン結晶棒のコーン部、 13…シリコン結晶棒の直胴部、
14…シリコン結晶棒のテール部、 20…チャンバー、 30…FZ単結晶製造装置。

Claims (5)

  1. コーン部とテール部を有する、CZ法により製造されたシリコン結晶棒を原料棒としてFZ法によりシリコン単結晶を製造する製造方法において、
    前記シリコン結晶棒の前記コーン部から前記テール部に向けてゾーニングして前記シリコン単結晶を成長させる工程と、
    前記シリコン単結晶の前記テール部側の端部からサンプルを切り出し、該切り出したサンプルの炭素濃度を測定する炭素濃度測定工程を有し、
    前記炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cmを超える場合には、前記テール部側の端部から切り込んで再度サンプルを切り出し、前記炭素濃度の測定値が1×1015atoms/cm以下になるまで前記炭素濃度測定工程を繰り返し行うことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記炭素濃度測定工程において再度前記サンプルを切り出す場合の切り込む長さを、前記シリコン結晶棒のテール部側の炭素濃度と前記シリコン単結晶のテール部側の炭素濃度および直胴長さから算出することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記原料棒となるシリコン結晶棒を、前記テール部の炭素濃度が2×1015atoms/cm以下となるようにCZ法により製造することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記原料棒となるシリコン結晶棒を、前記コーン部の先端角度が50°から100°となるようにCZ法により製造することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記原料棒となるシリコン結晶棒のテール部を、部分的に一定の直径を有するようにまたは部分的に直線的に増加する直径を有するように形成し、該形成した部分を保持しながら前記FZ法によりシリコン単結晶を成長させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
JP2013263509A 2013-12-20 2013-12-20 シリコン単結晶の製造方法 Active JP6007892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013263509A JP6007892B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 シリコン単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013263509A JP6007892B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 シリコン単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015117177A JP2015117177A (ja) 2015-06-25
JP6007892B2 true JP6007892B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=53530248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013263509A Active JP6007892B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 シリコン単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6007892B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6954083B2 (ja) * 2017-12-18 2021-10-27 信越半導体株式会社 Fz用シリコン原料棒の製造方法およびfzシリコン単結晶の製造方法
JP7452314B2 (ja) 2020-07-31 2024-03-19 信越半導体株式会社 Fz用シリコン原料結晶の製造方法及びfz用シリコン原料結晶の製造システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001068477A (ja) * 1999-08-27 2001-03-16 Komatsu Electronic Metals Co Ltd エピタキシャルシリコンウエハ
JP4982034B2 (ja) * 2004-03-30 2012-07-25 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の製造方法
KR100700082B1 (ko) * 2005-06-14 2007-03-28 주식회사 실트론 결정 성장된 잉곳의 품질평가 방법
JP5070737B2 (ja) * 2006-05-26 2012-11-14 信越半導体株式会社 Cz法により製造したシリコン結晶棒を原料としたfz単結晶シリコンの製造方法
JP5049544B2 (ja) * 2006-09-29 2012-10-17 Sumco Techxiv株式会社 シリコン単結晶の製造方法、シリコン単結晶の製造制御装置、及びプログラム
JP5767461B2 (ja) * 2010-12-14 2015-08-19 Sumco Techxiv株式会社 半導体ウェーハの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015117177A (ja) 2015-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5070737B2 (ja) Cz法により製造したシリコン結晶棒を原料としたfz単結晶シリコンの製造方法
JP6007892B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
EP2679706B1 (en) Method for manufacturing n-type silicon single crystal
JP5318365B2 (ja) シリコン結晶素材及びこれを用いたfzシリコン単結晶の製造方法
JP6119642B2 (ja) 半導体単結晶の製造方法
US10490398B2 (en) Manufacturing method of monocrystalline silicon and monocrystalline silicon
US20090293803A1 (en) Method of growing silicon single crystals
JP6756244B2 (ja) 半導体シリコン単結晶の製造方法
JP6720841B2 (ja) 半導体シリコン単結晶の製造方法
JP6645409B2 (ja) シリコン単結晶製造方法
US20090293802A1 (en) Method of growing silicon single crystals
TWI613333B (zh) 單晶矽錠及晶圓的形成方法
JP5880415B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP2007284324A (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP5924181B2 (ja) Fz単結晶シリコンの製造方法
JP6233182B2 (ja) 単結晶の製造方法及び単結晶製造装置
JP5594257B2 (ja) 単結晶製造方法
JP5365617B2 (ja) 半導体単結晶製造装置及び半導体単結晶の製造方法
JP5846071B2 (ja) Fz法による半導体単結晶棒の製造方法
JP2007284323A (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP6777013B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP2014058414A (ja) 評価用シリコン単結晶の製造方法
JP7452314B2 (ja) Fz用シリコン原料結晶の製造方法及びfz用シリコン原料結晶の製造システム
JP6954083B2 (ja) Fz用シリコン原料棒の製造方法およびfzシリコン単結晶の製造方法
JP2005104751A (ja) 単結晶育成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151216

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6007892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250