JP4980186B2 - 香味油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水相への分散性が改善された香味油組成物に関する。
ラー油(辣油)は中華料理に欠かすことのできない調味料であり、餃子のたれ、坦坦麺の汁や広島風つけ麺のたれなど色々な料理の風味付けに使用される。しかし、ラー油は本質的に油脂であり、これらたれや汁に添加しても、たれや汁の水相表面に一つの大きな連続相となって浮かぶため視覚的に嫌われ、この改良が求められていた。
従来、スープなどに油脂を適度な径の油滴として分散させることに関して、例えば融点40℃以下の食用油脂と、乳化剤として(イ)ソルビタン飽和脂肪酸トリエステル、(ロ)ソルビタン飽和脂肪酸トリエステルまたはヨウ素価20以下のグリセリン脂肪酸部分エステルとソルビタン飽和脂肪酸モノ−ジエステル、HLB1〜4の蔗糖脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸部分エステルからなる群から選ばれた1種以上、または(ハ)ソルビタン飽和脂肪酸トリエステルとヨウ素価20以下のグリセリン脂肪酸部分エステルを上記食用油脂に対して0.1〜3重量%含有するスープ用油脂組成物(特許文献1参照)、油脂、HLB10〜12のポリグリセリン脂肪酸エステル、各種調味料を含むスープ素材であって、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルが油脂に対して3〜30重量%の割合で含有されていることを特徴とするスープ素材(特許文献2参照)、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリンからなる群より選ばれた少なくとも1種とアラキン酸及び/またはベヘニン酸とから得られるエステル化合物と、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/またはHLBが3以下のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有するエステル化合物を含有し、平均粒径50〜500ミクロンの油滴を調整するための油滴調整剤を含有する油脂組成物(特許文献3参照)などが知られている。
しかし、上記の油脂組成物などはいずれも室温下で乳化剤に起因する濁りを生じるという欠点がある。それ故、スープ類などに配合される油脂組成物はともかく、透明のガラス瓶に入れて販売されることの多いラー油では、濁りはその商品価値を損ない好ましくないことから、これら開示された技術によって前出の問題が解決されたとは決して言えない。
特公昭62−27780号公報 特開2001−54372号公報、請求項2 特開2003−213286号公報、請求項3
本発明は、水相への分散性が改善され、且つ室温下で乳化剤に起因する濁りの発生が抑えられた香味油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、香味油に(a)トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルと(b)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステルとを組み合わせて含有せしめることにより、目的に叶う香味油組成物が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は
(1)下記のA成分とB成分とを含有することを特徴とする香味油組成物。
A成分:トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル;
B成分:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステル;
(2)ラー油(辣油)、葱油またはガーリックオイルである、前記(1)に記載の香味油組成物、
から成っている。
本発明の香味油組成物は水相中で容易に分散して小滴となり、合一することなく安定な油滴状態を保つ。
本発明で言うところの香味油とは、例えば唐辛子、花山椒、陳皮、黒胡麻、白胡麻、麻の実、けしの実、胡椒、桂皮、八角などの香辛料類、例えば五香粉、七味唐辛子、カレー粉、ガラムマサラなどの調合香辛料類、並びに例えば長ねぎ(青い部分)、生姜、にんにく、玉ねぎ、人参、セロリ、紫蘇、茗荷などの香味野菜類などと油脂とを接触させ、香辛料や香味野菜に含まれる香味成分や色素類などを油脂に移行させたものを指し、具体的には、例えばラー油(辣油)、葱油およびガーリックオイル(アーリオオイルとも言う。)などが挙げられる。更に、該香味油には、溶剤抽出、水蒸気蒸留または超臨界抽出などにより、香辛料や香味野菜などから抽出した香味成分や色素類などを油脂に溶解して作られた調合油のようなものも含まれる。
香味油の製造に用いられる油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はないが、例えばオリーブ油、ごま油、こめ油、サフラワー油、大豆油、とうもろこし油、なたね油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、ひまわり油、ぶどう油、綿実油、やし油、落花生油などの植物油脂が好ましく、これら植物油脂のサラダ油が特に好ましい。本発明においては、これらの油脂を一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明の香味油組成物は、A成分(トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル)とB成分(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステル)の二群の食品用乳化剤を含有することを特徴とするものである。
[トリグリセリン不飽和脂肪酸エステル]
本発明でA成分として用いられ得るトリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、トリグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられるトリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度注1)が約2.5〜3.4、好ましくは平均重合度が約3.0のトリグリセリン混合物が挙げられる。また、トリグリセリンはグリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。工業的には、上記トリグリセリン混合物を、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて更に精製して得られる、グリセリン3分子からなるトリグリセリンを約50%以上、好ましくは約85%以上に高濃度化した高純度トリグリセリンが、好ましく用いられる。
注1)グリセリン1分子の重合度を1と数える。
トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられる不飽和脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする不飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸などが挙げられる。工業的には、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を約50%以上、好ましくは約80%以上含む脂肪酸が好ましく用いられる。
トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、高純度トリグリセリンと不飽和脂肪酸をおよそ1:1のモル比で仕込み、通常触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下または常圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応液の酸価を測定し、12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のトリグリセリン、トリグリセリンモノ脂肪酸エステル、トリグリセリンジ脂肪酸エステル、トリグリセリントリ脂肪酸エステル、トリグリセリンテトラ脂肪酸エステルおよびトリグリセリンペンタ脂肪酸エステルなどを含む混合物である。反応終了後、液温を約160℃〜200℃まで冷却し、反応液中に残存する触媒を、例えばリン酸(85%)などを用いて中和する。中和後、その温度で好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のポリオールが下層に分離した場合はそれを除去するのが好ましい。
反応生成物は、通常、トリグリセリンのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−およびペンタ−脂肪酸エステルなどを含む混合物として得られるが、本発明では、例えば遠心式分子蒸留装置(ULVAC社製)などを用いて真空蒸留し、最終的に留分として得られる、モノエステル体を約50%以上、好ましくは約80%以上含むトリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
[テトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル]
本発明でA成分として用いられ得るテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、テトラグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
テトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられるテトラグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が約3.5〜4.4、好ましくは平均重合度が約4.0のテトラグリセリン混合物が挙げられる。また、テトラグリセリンはグリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。
テトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられる不飽和脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする不飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸などが挙げられる。工業的には、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を約50%以上、好ましくは約80%以上含む脂肪酸が好ましく用いられる。
反応生成物は、通常、テトラグリセリンのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−およびヘキサ−脂肪酸エステルなどを含む混合物として得られるが、本発明では、相対的にモノエステル体を多く含むテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルが好ましく用いられる。該テトラグリセリン不飽和脂肪酸エステルとしては、例えば、SYグリスターMO−3S(商品名;阪本薬品工業社製)、NIKKOL Tetraglyn 1−O(商品名;日光ケミカルズ社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
[ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル]
本発明でB成分として用いられ得るポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの原料として用いられるポリグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が約2〜15のポリグリセリンが挙げられ、好ましくは平均重合度が約4〜10のものである。ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの原料として用いられる縮合リシノール酸としては、通常ひまし油から分解・精製したひまし油脂肪酸(リシノール酸約90%以上)に少量のアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180〜210℃の温度で加熱し、重縮合反応させて得られる混合物であれば特に制限はなく、通常リシノール酸の平均縮合度が約2〜10のものが挙げられ、好ましくは平均縮合度が約3〜6のものである。
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとしては、例えば、ポエムPR−100(製品名;理研ビタミン社製)、ポエムPR−300(商品名;理研ビタミン社製)、SYグリスターCR−310(商品名;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCR−500(商品名;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCR−ED(商品名;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCRS−75(商品名;阪本薬品工業社製)、サンソフト818SK(商品名;太陽化学社製)、NIKKOL Decaglyn PR−20(商品名;日光ケミカルズ社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
[プロピレングリコール脂肪酸エステル]
本発明でB成分として用いられ得るプロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
プロピレングリコール脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸などの中鎖脂肪酸、並びにパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。工業的には、炭素数8〜12の中鎖脂肪酸を約50%以上、好ましくは約80%以上含む脂肪酸、または炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を約50%以上、好ましくは約80%以上含む脂肪酸が好ましく用いられる。
反応生成物は、通常、プロピレングリコールのモノ−、ジ−脂肪酸エステルなどを含む混合物として得られるが、本発明では、例えば遠心式分子蒸留装置(ULVAC社製)などを用いて真空蒸留し、最終的に留分として得られる、モノエステル体を通常90%以上含むプロピレングリコール脂肪酸エステルが好ましく用いられる。該プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、リケマールPO−100V(商品名;理研ビタミン社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の香味油組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、予め製造された香味油にA成分(トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル)とB成分(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステル)とを添加し溶解する方法、香辛料類、調合香辛料類および香味野菜類などと油脂とを接触させる際に、前記A成分(トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル)とB成分(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステル)とを含有する油脂を使用し、香辛料や香味野菜に含まれる香味成分や色素類をA成分とB成分とを含有する油脂に移行させる方法などが挙げられる。
本発明の香味油組成物100質量%中に含まれる食品用乳化剤の総量は、通常0.05〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。該乳化剤の総量が0.05質量%に満たないと均一な分散状態が得られないか、分散しても油滴径が大きくなりすぎ好ましくない。また該乳化剤の総量が5.0質量%を越えると、乳化剤の味を感じたり、保存中に乳化剤に起因する濁りを発生するなどの恐れがあり好ましくない。A成分とB成分の比率は、約1:1(質量比)であるのが好ましい。
本発明の香味油組成物の利用態様に特に制限はなく、小瓶や小さな容器に入れられて食卓の上に置かれる他、プラスチック製の小袋に充填され、食品、例えば冷凍餃子、チルド餃子、即席ラーメン、スパゲッティソースなど、に別添して利用される。
以下に本発明を製造例および実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
[製造例]
(1)高純度トリグリセリンの製造
攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mlを加え、窒素ガス気流中250℃で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を約90℃まで冷却し、リン酸(85%)約20gを添加して触媒を中和した後ろ過した。ろ液を160℃、400Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの条件下で真空蒸留してジグリセリンを除き、蒸留残液を更に240℃、20Paの条件下で真空蒸留し、グリセリン1%、ジグリセリン4%、トリグリセリン88%およびテトラグリセリン3%、環状ポリグリセリン4%を含む留分約1.5kgを得た。次に、該留分に活性炭1質量%を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過した。得られた高純度トリグリセリンの水酸基価は約1164で、その平均重合度は約3.0であった。
(2)トリグリセリンオレイン酸エステルの製造
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、上記(1)で得た高純度トリグリセリン480g(約2.0モル)、およびオレイン酸(商品名:ルナックO−V;花王社製)約561g(約2.0モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%溶液20mlを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。反応終了後、反応液を約130℃まで冷却し、リン酸(85%)4gを添加して触媒を中和した。中和後その液温で約1時間放置し、分離した未反応のポリオール約30gを除去し、反応生成物約960gを得た。
次に、該反応生成物を、遠心式分子蒸留装置(実験機;CEH−300II;ULVAC社製)を用いて真空蒸留し、温度約240℃、20Paの条件下で未反応のポリオールなどの低沸点化合物を留去し、続いて温度約250℃、1Paの条件下で、留分として、トリグリセリンオレイン酸エステル(試作品;モノエステル体含有量約85%)約190gを得た。
モノエステル体含有量の分析は、以下に示すモノエステル体含有量測定法に準じて行った。
[モノエステル体含有量測定法]
HPLCを用いて、以下に示す分析条件でエステル組成分析を行い、データ処理装置によってクロマトグラム上に記録されたモノエステル体に該当するピークの面積から、モノエステル体含有量を面積百分率(%)として求める。
〈HPLC分析条件〉
装置 島津高速液体クロマトグラフ
ポンプ(型式:LC−10A;島津製作所社製)
カラムオーブン(型式:CTO−10A;島津製作所社製)
データ処理装置(型式:C−R7A;島津製作所社製)
カラム GPCカラム(型式:SHODEX KF−802;昭和電工社製)
2本連結
移動相 THF
流量 1.0mL/min
検出器 RI検出器(型式:RID−6A;島津製作所社製)
カラム温度 40℃
検液注入量 15μL(in THF)
[実施例1]
[香味油組成物の作製]
(1)原材料
1)辣油(市販品;エスビー食品社製)
2)ジグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムDO−100V;理研ビタミン社製)
3)トリグリセリンオレイン酸エステル(試作品)
4)テトラグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターMO−3S;阪本薬品工業社製)
5)ペンタグリセリンオレイン酸エステル(商品名:サンソフトA−171E;太陽化学社製)
6)デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムJ−0381V;理研ビタミン社製)
7)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)
8)プロピレングリコールオレイン酸エステル(商品名:リケマールPO−100V;理研ビタミン社製)
(2)香味油組成物の配合
上記原材料を用いて作製した香味油組成物(試料1〜12)の配合組成を表1に示した。この内、試料1〜5は本発明に係る実施例であり、試料6〜12はそれらに対する比較例である。
Figure 0004980186
(3)香味油組成物の作製
表1に示した配合に基づいて辣油と各種乳化剤とを混合し、約50℃に加熱して溶解し香味油組成物(試料1〜12)を作製した。なお、各試料の一回の作製量は30gとした。
[香味油組成物(試料1〜12)の評価]
(1)分散性
プラスチック製シャーレ(φ85×12mm)に穀物酢(ミツカン社製)6gと濃口醤油(キッコーマン社製)23.2gを入れて混合し、その上に香味油組成物(試料1〜12)または辣油(市販品)約0.8gを量り込み、外側から内側に向けて、ステンレス製ミクロスパーテルで軽く30回かき混ぜた後の状態を目視で観察した。結果を表2に示した。
Figure 0004980186
(2)澄明性
実施例の香味油組成物(試料1〜5)を室温で6ヶ月間保存し、その状態を目視で観察した。結果を表3に示した。
Figure 0004980186
[実施例2]
[香味油組成物の作製]
(1)原材料
1)葱風味オイル(商品名:シャン油S505;理研ビタミン社製)
2)ネギフレーバー(高砂香料社製)
3)米サラダ油(ボーソー油脂社製)
4)ポークオイル(理研ビタミン社製)
5)トリグリセリンオレイン酸エステル(試作品)
6)テトラグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターMO−3S;阪本薬品工業社製)
7)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)
(2)香味油組成物の配合
上記原材料を用いて作製した香味油組成物(試料13〜15)の配合組成を表4に示した。この内、試料13および14は本発明に係る実施例であり、試料15は比較例(乳化剤無添加)である。
Figure 0004980186
(3)香味油組成物の作製
表4に示した配合に基づいて各原材料を混合し、約50℃に加熱して溶解し香味油組成物(試料13〜15)を作製した。なお、各試料の一回の作製量は50gとした。
[香味油組成物(試料13〜15)の評価]
温めたラーメン鉢にラーメンスープの素(商品名:逸品中華 こくだし塩;理研ビタミン社製)40gを入れ、沸騰したお湯360gを加えてラーメンスープを作った。この中に、茹で上げた中華麺約200gと香味油組成物(試料13〜15)4gを入れ、軽くかき混ぜた後試食した。食べているときに感じたことを表5にまとめた。
Figure 0004980186

Claims (2)

  1. 下記のA成分とB成分とを含有することを特徴とする水相への分散性が改善された香味油組成物。
    A成分:トリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン不飽和脂肪酸エステル;
    B成分:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよび/またはプロピレングリコール脂肪酸エステル;
  2. ラー油(辣油)、葱油またはガーリックオイルである、請求項1に記載の香味油組成物。
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