JP5204715B2 - クリーム用耐酸耐熱性向上剤 - Google Patents

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Description

本発明はクリームの耐酸耐熱性を向上させるクリーム用耐酸耐熱性向上剤に関するものである。
クリームは水と油脂と蛋白質を含む食品であり、そのままコーヒーホワイトナーとして使用されるとともに、起泡させホイップクリームとして製菓、製パン等のトッピングやフィリングに使用される。更には、調理用クリームとして食用酢等の酸性調味料などと混合し加熱調理され料理のソースに用いられる。しかし、調理の際、クリームが酸性領域で混合されると、乳化破壊やクリーム中に含まれる蛋白質の凝集を引き起こし、カードが生成され分離、沈殿するために、料理の風味を損なうのみならず、料理の外観も損なうことからクリームを料理に使用することができなかった。
そこで、クリームが酸性下で安定性を保つためには油脂の選択と配合、蛋白質などの種類と量の組合せ、乳化剤の選択と組合せ配合が研究されている。
水中油型乳化物の耐酸、耐熱性を改善するために、乳清蛋白、ポリグリセリン縮合リシノレン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びカラギーナンを含有する水中油型乳化物が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。油脂と蛋白質とから成るホイップクリームにおいて、混合比が3.8から0.24までのカゼイン蛋白質とホエー蛋白質との混合物、乳化剤としてレシチン及び特定の平均グリセリン重合度とHLB値を有する2種類のポリグリセリン飽和脂肪酸エステルから成る混合物及び食物繊維及び/または化工澱粉とをそれぞれ特定量必須成分として配合したホイップクリーム組成物の製造方法による耐酸性を有するホイップクリームが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルを必須成分として含有するホイップクリーム用乳化剤組成物が記載されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、いずれの特許文献も乳化剤とその他の原料を組み合わせたことによって耐酸性を付与させた配合技術に関するものであり、多品種の原料が必要であることは製造工程の複雑化や製造時間の遅延によるコストアップが挙げられ、未だ満足できる域には達していない。
特開2008−154469号公報(2頁) 特開平8−154612号公報(2頁) 特開2005−78号公報(2頁)
本発明は水と油脂と蛋白質を含むクリームが酸性領域においても乳化破壊や蛋白質の凝集、沈殿を引き起こすことのないクリーム用耐酸耐熱性向上剤を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基価のうち1級水酸基価が50%以上であるデカグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させることによりクリームが酸性領域においても安定性を維持することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基価のうち1級水酸基価が50%以上であるデカグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするクリーム用耐酸耐熱性向上剤に関する。
本発明のクリーム用耐酸耐熱性向上剤は調合時に配合されることにより耐酸耐熱性が優れ、酸性領域においても乳化破壊や分離、蛋白質の凝集、沈殿が発生することのないクリームを製造することができる。
以下、詳細に本発明を説明する。
本発明のデカグリセリンとは、グリセリンを脱水縮合する等して得られる分子内に水酸基とエーテル結合を有している物質をいう。
一般的なデカグリセリンはグリセリンをアルカリ触媒下に常圧または減圧下で加熱し、使用の目的によって窒素、水蒸気などの気体を通じで低融点成分などを除去したり、イオン交換樹脂、イオン交換膜などによって使用した触媒などイオン成分を除去したり、活性炭などの吸着剤を用いて色成分、臭成分を除去したり、水素添加などにより還元処理を行ったり、あるいはまた、分子蒸留、精留によって分画するなどにより精製して得られる。
本発明に使用される全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上であるデカグリセリンの調製方法は特に限定されるものではないが、例えば市販のデカグリセリンから分画精製により得ることができる。
一般的なポリグリセリンは重合度の種類がテトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンが例示されるが、耐酸耐熱性向上剤として、その効果を最大限発揮させるには平均重合度が10のデカグリセリンが好ましい。
また、作業性および脂肪酸とのエステル化の容易性の観点から、水酸基価は1200以下が好ましく、1200以下かつ770以上がより好ましい。
本発明に使用されるデカグリセリンは、ポリグリセリン中の全水酸基価のうち1級水酸基価が50%以上であるデカグリセリンであり、得られるポリグリセリン脂肪酸エステルを耐酸耐熱性向上剤として用いる観点から、1級水酸基が好ましくは55%以上のポリグリセリン、より好ましくは60%以上のポリグリセリンである。さらに上限値は、特に規定するものではないが、その効果を最大限に発揮させるためには90%以下であることが望ましい。
全ての水酸基のうちの1級水酸基の割合は、炭素原子に対する核磁気共鳴スペクトル(NMR)を測定する方法を用いて測定される。但し、2級水酸基を示すメチン炭素(CHOH)は、1級水酸基を示すメチレン炭素に結合するメチン炭素にさらに隣接するメチレン炭素ピークと重なり、それ自体の積分値を得られないため、メチン炭素(CHOH)と隣り合うメチレン炭素(CH)の74ppm付近のシグナル強度により積分値を算出する。
本発明に使用されるステアリン酸としては、天然の動植物より抽出した油脂を加水分解し、分離してあるいは分離せずに精製して得られるカルボン酸を官能基として含む物質であれば特に限定するものではない。あるいは石油などを原料にして化学的に合成して得られる脂肪酸であってもよい。これらステアリン酸の選択に当たっては所望の効果を勘案して決めればよい。
デカグリセリンとステアリン酸とのエステル化は、当該分野の公知の方法に従って行われる。例えばアルカリ触媒下、酸触媒下、あるいは無触媒下にて、常圧あるいは減圧下エステル化することができる。また、デカグリセリンとステアリン酸の混合量を変更することにより種々の性質をもつステアリン酸デカグリセリンを調製することができる。例えば、モノエステルであるモノステアリン酸デカグリセリンを得る場合、デカグリセリンと脂肪酸のモル数の計算により等モルになるようにデカグリセリンとステアリン酸を仕込めばよく、ジエステルのジステアリン酸デカグリセリンを得る場合、デカグリセリンに対してステアリン酸を2モル付加させればよい。
得られたステアリン酸デカグリセリンは使用される製品の使用上の要求によってさらに精製してもよい。精製の方法は公知のいかなる方法でもよく特に限定するものではない。
本発明クリーム用耐酸耐熱性向上剤はクリームの調合時に添加されればよく、クリームを調製する上で使用する添加物は一般的に食品で使用されている添加物であれば特に制限を受けるものではないが、乳化状態を安定保持するためには乳化剤、蛋白質、塩類、安定剤の1種または2種以上を併用して使用してもよい。
また、本発明のクリーム用耐酸耐熱性向上剤はクリームの乳化安定性を向上する観点から、その他の乳化剤と併用されてもよく、例えばグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、酵素分解レシチン等が挙げられる。添加量は乳化剤総量として0.01%〜10%、好ましくは0.05%〜5%、より好ましくは0.1〜3%の範囲が好ましい。0.01%未満では耐熱性もしくは耐酸性の効果が見られず不十分であり、10%超過では風味が悪くなることがあり好ましくない。
原料の一部として蛋白質を使用する場合、例えば乳蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質、ゼラチン、卵白等があげられ、乳化安定性を高めるために何を使用してもよいが、風味の点で乳由来であるカゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエープロテインコンセントレート、ホエープロテインアイソレート、トータルミルクプロテイン等の使用が好ましい。
クリームのpHの変化を抑制する目的に使用される塩類は、緩衝作用のあるものであれば何を使用しても良いが、風味的、効果的にクエン酸塩類、リン酸塩類、重合リン酸塩類(ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩等)の使用が好ましい。
クリームの調製で用いる油脂はクリームの調製が可能であれば何ら制限されるものではない。例示すると植物性油脂であればヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、落花生油、コメ油、ナタネ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、大豆油、サフラワー油等、動物性油脂であれば乳脂、魚油、ラード、牛脂、豚脂等、さらにこれらの油脂を化学処理した硬化油、エステル交換油、分別油等があげられ、これらの油脂を1種または2種以上併用して使用しても良い。また、連続相には通常水を用いるが、安定性を高める目的にグリセリン等の多価アルコールや糖類を配合したり、あるいは水の代わりに連続相として使用しても良い。その際使用される多価アルコール、糖類の例としてはグリセリン、ショ糖、果糖、麦芽糖、ブドウ糖、デキストリン異性化糖、水飴、還元水飴、トレハロース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
本発明のクリーム用耐酸耐熱性向上剤を配合したクリームを製造するに当たっては当該分野の公知の方法に準じて製造すれば良く、その方法には何ら制限されるものではないが、使用に供する対象製品の性質上賞味期限が長いものが好ましく、物性的には乳化粒子が細かく、安定な乳化状態を保っていることが好ましい。具体的には衛生面では微生物レベルを低くすることを目的に厳しい加熱殺菌処理がなされることが望ましい。乳化粒子を細かくするためには高圧ホモジナイザーを使用することが有利であり、可能であれば10MPa以上の高圧にて処理することが好ましい。
以下に実施例または比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
温度計、ジムロートおよび撹拌装置を付けた3つ口フラスコに太陽化学社製のポリグリセリン(デカグリセリン)200gおよびピリジン600mlを加えた。ここへ1級水酸基に選択的に反応する試薬であるクロロトリフェニルメチル(和光純薬社製)370gを加えて100℃で1時間撹拌後室温に戻し、24時間撹拌した。さらに反応液を減圧下でピリジンの大部分を除去した。得られた反応物に水800mlを加え、分液ロートに移して酢酸エチル400mlで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせて濃縮し、得られた残渣156gおよび酢酸300gを温度計、ジムロートおよび撹拌装置を付けた3つ口フラスコに加えて8時間加熱還流し、トリメチルフェニル基を脱離させた。上記工程を繰り返し、精製したポリグリセリンを混合し、一定量のポリグリセリンを得た。得られたポリグリセリンの水酸基価は886、1級水酸基の割合は61.3%、2級水酸基の割合は38.7%であった。
水酸基価は第8版食品添加物公定書「油脂類試験法」または基準油脂分析試験法に準じて算出した。
なお、1級水酸基と2級水酸基の割合は、核磁気共鳴装置におけるスペクトル分析にて決定した。すなわち核磁気共鳴装置(13C−NMR)(日本電子社製、JNM−A500)を使用して、ポリグリセリンの1級水酸基と2級水酸基の割合の分析は分画したポリグリセリン500mgを重水2.8mlに溶解し、ろ過後ゲートつきデカップリングにより13C−NMR(125MHz)スペクトルを得た。ゲートデカップルド測定手法によりピーク強度は炭素数に比例する。1級水酸基と2級水酸基の存在を示す13C化学シフトはそれぞれメチレン炭素(CHOH)が63ppm付近、メチン炭素(CHOH)が71ppm付近であり、2種それぞれのシグナル強度の分析により、1級水酸基と2級水酸基の存在比を算出した。但し、2級水酸基を示すメチン炭素(CHOH)は、1級水酸基を示すメチレン炭素に結合するメチン炭素にさらに隣接するメチレン炭素ピークと重なり、それ自体の積分値を得られないため、メチン炭素(CHOH)と隣り合うメチレン炭素(CH)の74ppm付近のシグナル強度により積分値を算出した。
上記の精製したポリグリセリン126gとステアリン酸54gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて本発明品1を得た。このエステルの酸価は0.3であった。酸価は第8版食品添加物公定書「油脂類試験法」または基準油脂分析試験法に準じて算出した。
実施例2
実施例1で精製したポリグリセリン104gとステアリン酸76gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて本発明品2を得た。このエステルの酸価は0.4であった。
比較例1
太陽化学社製ポリグリセリン(デカグリセリン)126gとステアリン酸54gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて比較品1を得た。このエステルの酸価は0.3であった。
なお、太陽化学社製ポリグリセリン(デカグリセリン)の水酸基価は890、1級水酸基の割合は46.6%、2級水酸基の割合は53.4%であった。
比較例2
太陽化学社製ポリグリセリン(デカグリセリン)104gとステアリン酸76gを用いた以外は比較例1と同様の方法で比較品2を得た。このエステルの酸価は0.4であった。
比較例3
実施例1と同様の方法で太陽化学社製ポリグリセリン(ジグリセリン)を精製した。得られたポリグリセリンの水酸基価は1350、1級水酸基価の割合は53.5%、2級水酸基価の割合は46.5%であった。
上記の精製したポリグリセリン126gとステアリン酸54gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて比較品3を得た。このエステルの酸価は0.3であった。
試験例1
クリームは以下の通り調製した。
表1から8いずれか記載の本発明品及び/または乳化剤を水または油脂に添加し、80℃で加熱溶解した。水に表1から8記載の食品素材を添加し、ホモディスパーを用いて3000rpmで撹拌、溶解した。水および油脂を80℃に保持しながら、油脂を水に添加し、ホモミキサーを用いて10000rpmで3分間、予備乳化した。得られた混合液を42メッシュにてろ過後、高圧ホモジナイザーを用いて100kg/cmで均質化処理し、直ちに10℃に冷却した。冷却後5℃でエージングすることによりクリーム1から38を得た。
目視観察の評価基準
10:凝集及び分離が全くなく極めて良好であった。
9:凝集及び分離がなく良好であった。
8:凝集及び分離がほとんどなく良好であった。
7:凝集または分離のどちらかが極少量発生した。
6:凝集または分離どちらかが少量発生した。
5:凝集または分離どちらかが発生した。
4:凝集及び分離が極少量発生した。
3:凝集及び分離が少量発生した。
2:凝集及び分離が発生した。
1:凝集及び分離が多量に発生した。
0:混合直後に固化した。
試験例2 (耐熱性試験)
試験例1記載のクリームの耐熱性試験は以下のように実施した。
90℃、5分間加熱したイオン交換水をネジ口試験管に3ml投入し、試験例1記載のクリームを3ml投入し混合した。試験管内のクリームの凝集及び分離状態を目視観察により評価した。
試験例3 (耐酸性試験)
試験例1記載のクリームの耐酸性試験は以下のように実施した。
90℃、5分間加熱した食用酢(pH2.66)をネジ口試験管に3ml投入し、試験例1記載のクリームを3ml投入し混合した。試験管内のクリームの凝集及び分離状態を目視観察により評価した。
試験例4 (風味)
試験例1記載のクリームの風味評価は20名のパネラーによる官能評価を実施し、以下の基準で評価した。
10:20名中、20名が乳化剤の風味を全く感じることなく、大変おいしいと評価した。
9:20名中、19名または18名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
8:20名中、17名または16名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
7:20名中、15名または14名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
6:20名中、13名または12名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
5:20名中、11名または10名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
4:20名中、9名または8名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
3:20名中、7名または6名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
2:20名中、5名または4名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
1:20名中、3名以下が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
試験例5 (ホイップ試験)
試験例1記載のクリームのホイップ試験は以下のように実施した。
氷水上で試験例1記載のクリーム180gに食用酢20gを添加し、市販のハンドホイッパーを用いて5分間撹拌した。ホイップ後の保形性を目視観察により実施し、以下の基準で評価した。
5:非常に良好である。
4:良好である。
3:普通である。
2:不良である。
1:ホイップしない。
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表1または2から明らかなように本発明品およびその他の乳化剤を併用したクリーム1から10は等量の熱水または食用酢と混合しても乳化剤総量が0.05%以上で凝集及び分離が発生することなく、耐酸性及び耐熱性が優れていることは明らかである。
表1記載のクリーム1は本発明品1と乳化剤との総量が0.01%であり風味が極めて良く、耐熱性試験及び耐酸性試験での凝集または分離が極少量発生したが品質に大きな問題は無く良好であった。さらに、クリーム2から4は本発明品1と乳化剤との総量が0.05%から5%で風味が良く、耐酸性試験において凝集及び分離がほとんどなく良好であったとともに、耐熱性試験においてクリーム3または4は凝集及び分離がなく良好であった。クリーム5は本発明品1と乳化剤との総量が10%でパネラーの半数がおいしいと評価し、耐酸性試験および耐熱性試験で凝集および分離がほとんどなく良好であった。
表2記載のクリーム6は本発明品2と乳化剤との総量が0.01%であり風味が極めて良く、耐熱性試験及び耐酸性試験での凝集及び分離がほとんどなかった。さらに、クリーム7から9は本発明品2と乳化剤との総量が0.05%から5%で風味が良く、耐酸性試験において凝集及び分離が全くなく極めて良好であったとともに、耐熱性試験においてもクリーム8または9は凝集及び分離が全くなく極めて良好であった。クリーム10は本発明品2と乳化剤との総量が10%でパネラーの半数がおいしいと評価し、耐酸性試験及び耐熱性試験では凝集および分離が全くなく極めて良好であった。
表3または4から明らかなように本願のクリーム用耐酸耐熱性向上剤を配合したクリームは等量の熱水または食用酢と混合しても添加量が0.05%以上で凝集及び分離がほとんど発生することなく、耐酸性及び耐熱性が優れていることは明らかである。
表3記載のクリーム11は本発明品1の添加量が0.01%であり風味が極めて良く、耐熱性試験及び耐酸性試験での凝集及び分離が極少量発生したが品質に大きな問題は無く良好であった。さらに、クリーム12から14は本発明品1の添加量が0.05%から5%で風味が良く、耐酸性試験において凝集及び分離がほとんどなく良好であったとともに、耐熱性試験においてクリーム13または14は凝集及び分離がなく良好であった。クリーム15は本発明品1が10%でパネラーの半数がおいしいと評価し、耐酸性試験では凝集及び分離がほとんどなく良好であり、耐熱性試験でも凝集及び分離が見られなかった。
表4記載のクリーム16は本発明品2の添加量が0.01%であり風味が極めて良く、耐熱性試験及び耐酸性試験での凝集及び分離がほとんどなかった。さらに、クリーム17から19は本発明品2の添加量が0.05%から5%で風味が良く、耐酸性試験において凝集及び分離が全くなく極めて良好であったとともに、耐熱性試験においてもクリーム18または19は凝集及び分離が全くなく極めて良好であった。クリーム20は本発明品2の添加量が10%で風味はパネラーの半数がおいしいと評価し、耐酸性試験および耐熱性試験は極めて良好であった。
表5から明らかなように本発明品1または2と乳化剤との総量が0.005%では耐熱性試験および耐酸性試験において凝集または分離が発生し、12%では風味が悪く好ましくなかった。
表6から明らかなように本発明品1または2の添加量が0.005%では耐熱性試験および耐酸性試験において凝集または分離が発生し、12%では風味が悪く好ましくなかった。
表7から明らかなように比較品3から5を配合したクリームは比較品3から5を単独またはその他の乳化剤と併用しても、耐酸性試験では凝集及び分離が発生し不良であり、耐酸性が向上しないことが明らかである。
表8記載のクリーム36または37の調製において一般的に用いられる公知の乳化剤を配合したクリームは乳化剤の種類によらず、耐酸性試験では多量の凝集及び分離が発生し、耐酸性の向上がないことは明らかである。クリーム38の調製において公知の乳化剤を併用したクリームは耐熱性試験では凝集または分離のどちらかが極少量発生し、耐酸性試験では凝集及び分離が発生し、耐酸性がないことは明らかである。
また、クリーム35はホモジナイザーを使用した均質化工程においてクリームが気泡し、クリームの調製が不可能であった。なお、その後の試験は実施しなかった。
ホイップ試験は耐酸性試験の結果と同様の傾向が見られ、本発明品1または2を必要量配合したクリームは品質劣化を引き起こすことなくホイップ後の保型性が良好であったのに対し、比較品を配合したクリームではクリームの凝集や分離が激しくホイップしないまたは保型性が不良であり、ホイップクリームとして使用することが不可能であった。
近年の嗜好の多様化に伴いクリームは調理用クリームとして食用酢や果実、果汁等の酸性の原材料と混合される。こうしたクリームに対して本願のクリーム用耐酸耐熱性向上剤を用いることで酸性の原材料即ち食用酢、果実、果汁、ヨーグルト、各種の酸味料等を混合しても、凝集や分離を引き起こすことなく酸性下で安定した品質を保つことができ、酸性の原材料と使用することが可能となった。

Claims (3)

  1. 水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基の割合が50%以上であるデカグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするクリーム用耐酸耐熱性向上剤であって、ポリグリセリン脂肪酸エステルがジエステルであることを特徴とするクリーム用耐酸耐熱性向上剤。
  2. 請求項1記載のクリーム用耐酸耐熱性向上剤を含有するホイップクリーム。
  3. 請求項1記載のクリーム用耐酸耐熱性向上剤を含有するコーヒーホワイトナー。
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