JP4977394B2 - あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料 - Google Patents

あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP4977394B2
JP4977394B2 JP2006103326A JP2006103326A JP4977394B2 JP 4977394 B2 JP4977394 B2 JP 4977394B2 JP 2006103326 A JP2006103326 A JP 2006103326A JP 2006103326 A JP2006103326 A JP 2006103326A JP 4977394 B2 JP4977394 B2 JP 4977394B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beverage
extract
drinking
warm
feeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006103326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007274929A (ja
Inventor
孝敏 清水
大輔 楠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Calpis Co Ltd
Original Assignee
Calpis Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calpis Co Ltd filed Critical Calpis Co Ltd
Priority to JP2006103326A priority Critical patent/JP4977394B2/ja
Publication of JP2007274929A publication Critical patent/JP2007274929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4977394B2 publication Critical patent/JP4977394B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、冬場のさむい時期を中心に、もしくは冷房が過剰に利いた室内において、さらには体があたたまる感覚を楽しみたいヒトのために、ヒトにあたたまり感を速やかに与え、且つそのあたたまり感を長時間にわたり維持させるための加温された飲料に関する。
従来から、人は、冬場を中心に、あたたかい飲料を供することによって、体をあたためようとする行為を行ってきた。例えば、飲料においては、コーヒー、紅茶、緑茶、スープ等の加温された飲料(ホット飲料)の摂取が挙げられる。近年、空調機が広く普及するに至り、夏場においても、からだをあたためるためのホット飲料の需要が高まりつつある。しかし、多くの飲料においては、すみやかにあたたまり感を与え、かつ長時間にわたり持続的に維持させることは実現できておらず、十分満足されるあたたまり感を提供できていない。
体温に影響を及ぼす飲食品あるいは素材については、冷え性の改善を目的とした提案が多く成されている。例えば、熟地黄のエタノール抽出エキス(特開平6−305976号公報)、サフランエキス(特開平10−287576号公報)、ココアパウダー(特開2004−18512)、テアニン含有組成物(特開2000−247878号公報)、カシス濃縮物(特開2004−262878)、ヒハツ抽出物(特開2003−40788号公報)などが挙げられる。
これらの冷え性対策の場合、冷えた体を、平常時の体温にまで回復させること、言い換えれば、体温をもとに戻す事に主眼が置かれている。従って、これらは、通常の状態以上に体が「あたたまった」という状態を実現するものではない。例えば、特開2003−40788では、ヒハツ抽出物(150mg)が冷えた末梢部(手の甲)の体温を平熱に戻す効果を持つことが述べられているが、この時、末梢部(手の甲)の体温を平熱以上に上げることは認めていない。すなわち、この特許出願に開示される組成物は、体温を「普通の状態(平熱)」に戻すが、平熱以上に積極的に体温が高め「あたたまり感達成」を促すものではない。また、これらの含む食品等の摂取の仕方は、多くの場合、平常時体温または、それよりも低い温度で成されている。また、ヒハツ抽出物には独特のスパイシーな風味を有する。したがって、ヒハツ抽出物を含む場合、その風味の影響が発生する。特に、150mgの摂取は、ヒハツ抽出物の風味が強く感じられるため、嗜好性の上でも好ましいものではない。
一方で、冷え性ではない多くのヒトが、冬場を中心に普段の生活の中で、体内における代謝を活発にし体調を良好に保つために、あるいは体内中の例えば脂肪成分を代謝により燃焼させるために、平常体温以上に体温を高めたいと考えている。また、「あたたまった」という感覚が欲しいと考えている人も存在する。さらには、そのあたたまり感を、長い時間維持したいと考えている。前述のとおり、近年の過剰冷房の室内の問題も挙げられるが、ホット飲料摂取理由に関して、それ以外の理由も広がりをみせつつある。たとえば、体が芯からポカポカあたたまる感覚を楽しみたい、体の中が燃えているような気分を感じたい等、多様なものになっている。そのためには、体温を平常時体温より高め、且つその状態を維持するための飲食品が求められてきつつある。この点で、消費者の需要は、これまでの冷え性改善食品とは、趣を異にしている。
特に、「あたたまり」をヒトに提供する上で重要と考えられることとして、あたたまりを感じる体の部位が重要となる。ヒトがあたたまりたいと希望する部位については、季節、環境、個人の置かれた状態、体調等いろいろな要因があるので、一概に語ることはできないが、例えば、頭、顔、首、胸、背中、へその周り、手先、足先等が挙げられる。
すべての部位に対してあたたまり感を速やかに提供し、これを長時間にわたり維持することのできる飲料を提供することは困難である。しかし、一方で、ヒトがあたたまりたいと希望する特定の部位に対して、飲用によってあたたまり感を与えることができれば、体全体の体温バランスを維持しつつあたたまりに関する満足を得ることが可能となり、有用と考えられる。しかし、このような機能をもった飲料は提案されていない。
特開平6−305976 特開平10−287576 特開2004−18512 特開2000−247878 特開2004−262878 特開2003−40788
本発明は、冬場のさむい時期を中心に、もしくは過剰冷房の利いた部屋等において、さらには体があたたまる感覚を楽しみたいヒトのために、ヒトのあたたまりたいという欲求を速やかに実現させるために、「首」、「背中」、「へその周り」にあたたまり感を速やかに与え、且つそのあたたまり感を長時間にわたり維持させるための、良好な風味を有する加温された飲料(ホット飲料)を提供することを目的とする。
本発明は、加温用の200mL以上500mL以下の容量を有する飲料であって、飲料中にコショウ科植物由来のピペリン類を35μg以上140μg以下含むことを特徴とする加温用飲料を提供する。好ましくは、本発明の飲料は、50℃以上100℃未満に加温される飲料である。別の態様においては、本発明は、200mL以上500mL以下の容量を有する飲料であって、飲料中にコショウ科植物由来のピペリン類を35μg以上140μg以下含み、50℃以上100℃未満に加温された飲料を提供する。好ましくは、コショウ科植物は、Piper LongumおよびPiper nigrum からなる群より選択される。好ましい態様においては、本発明の飲料は、飲用後に、首、背中またはへその周りであたたまり感が維持される。
ピペリン類には血管を拡張する作用があるとされており、体内の血液の循環を高める。この作用により、体温の維持効果が高められる。一方で、スパイシーな風味をもたらし、場合によっては風味に悪影響を与える。このため、良好な風味を得るために、果汁、野菜汁、茶類、穀類、糖類、酸味料、あるいは甘味料等を、飲料中に含めることで、幅広い人々にとって飲みやすいものとすることができる。この飲料を摂取することにより、あたたまり感はすみやかに高められ、かつ、あたたまり感は長時間にわたり維持される。
本発明で提供される飲料の温度は、あたたまりの効果を実現するために重要な点である。飲用時の温度は、あたたまり感をすみやかに実現させるために、可能な限り高く設定することが望ましいが、50℃以上〜100未満で目的は達成される。しかし、風味、口内におけるやけどの問題等を勘案すると、55℃〜65℃程度が好ましい。本発明の飲料により得られる「あたたまり感」は、加温飲料を摂取することによって、初期体温(平熱)以上に急速に高められたことで「あたたまり感」が達成されるとともに、ヒハツの血管拡張作用により血管が拡張し、血液が効率的に体内全体に流れ、加温飲料の熱が体中(特に中枢部)に行き渡ることで、「あたたまり感維持効果」が達成されると考えられる。本発明のこのような効果は、末梢部冷え性の改善を目的とする従来の技術からでは予測できなかったものである。
本明細書で用いる「コショウ科植物」には、コショウ科のヒハツ(Piper lomgum)やクロコショウ(Piper nigrum)が含まれる。コショウ科植物由来のピペリン類は、加温された飲料を摂取することにより、平常体温以上に高められたときに生じるあたたまり感を維持延長させる食品素材として使用することができる。コショウ科植物由来のピペリン類は、コショウ科のヒハツ(Piper lomgum)やクロコショウ(Piper nigrum)の果穂、根、茎、花又はこれらの混合物を水もしくは親水性溶媒又はこれらの混合物で抽出して得られる成分に含まれる。このような抽出物は、例えば丸善製薬株式会社より、商品名「ヒハツエキスパウダーMF」として販売されている。製品における配合量については、特に制限されるものではないが、1回の飲用量、コショウ抽出物由来の風味への影響、かつ期待される効果を考慮した上で設定することができる。のぞましくは、ヒハツエキスパウダーMFの摂取量は、効果を勘案し、1回の飲用量あたり30mg(ピペリン類として35μg)以上であることが必要であり、風味を勘案し120mg(ピペリン類として140μg)以下にすることが望ましい。
また、本発明では飲料として好適な果汁、野菜汁、茶及びその抽出液、糖類、乳類、豆類及びその抽出液、穀類及びその抽出液等の食品を用いること、あるいは、加えることができる。いずれも、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。「果汁」、「野菜汁」については、加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、レモン、カリン、ウメ、ユズ、リンゴ、ブドウ、モモ、カシス、ショウガ、トマト、ニンジン、クリが挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではないが、1mass%〜100mass%で配合することができる。一方で、伝統的に冷え性の改善に良いと言われている素材であって良好な風味でないものとして、イチョウ葉、ショウガ等の抽出物が挙げられるが、本発明の効果を実現する上において、これらを必ずしも併用する必要はない。
茶及びその抽出液についても、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。例えば、加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、緑茶、紅茶、麦茶、ウーロン茶が挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではない。
糖類については、いずれも、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、ぶどう糖、果糖、砂糖、麦芽糖、オリゴ糖が挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではない。
乳類についても、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。例えば、加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、全粉乳、脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ蛋白、乳性ミネラルが挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではない。
豆類及びその抽出液についても、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。例えば、加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、豆乳が挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではない。
穀類及びその抽出液についても、一般的に食品として入手可能なものであれば、特に制限されるものではない。例えば、加温された状態で良好な風味が実現されるものとして、例えば、大麦、ひえ、あわ、燕麦、はと麦等が挙げられる。製品での配合量、組み合わせについても、特に制限されるものではない。
また、本発明の飲料には、食品添加物を加えることができる。酸味料については、食品添加物として通常用いられているものであれば特に限定されないが、好ましくは、クエン酸、フィチン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸を使用でき、より好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸を使用することができる。これらの有機酸の配合量については、特に制限されるものではないが、合わせて配合される果汁の量や、糖類の量を勘案して、さらに風味を基準に選択し配合量を調整することが望ましい。
また、本発明で使用する甘味料についても、食品添加物として通常用いられているものであれば特に制限されるものではないが、好ましくはエリスリトール、マルチトール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア等が挙げられる。これらの甘味料の配合量について、特に制限されるものではないが、合わせて配合される果汁の量や、有機酸の量を勘案して、さらには風味を基準に選択し配合量を調整することが望ましい。
本発明の飲料の作用効果を確認する目的で、例えば、サーモグラフィーを用い、手のひらの表面皮膚温度変化量を測定することができる。サーモグラフィーは、直接人体に接触することなく体温が測定でき、視覚的に温度状態が確認できる装置である。サーモグラフィーを得る装置として、サーモトレーサー(NEC三栄)などを用いることができる。
サーモグラフィーによる表面皮膚温度では、ヒトの実感としてのあたたまりを把握することはできない。従って、サーモグラフィーに変えて、被験者に対して官能評価を実施することができる。この場合、あたたまりに関する程度、部位、あたたまり時間等について把握することが可能となる。
なお、コショウ抽出物中のピペリン類の含有量は、例えば、抽出操作と吸光度測定によって測定することができる。即ち、適当量の試料を計量し、蒸留水50mLに溶解する。塩化ナトリウムでこれを飽和させた後、分液ロートに移す。これに、水飽和酢酸エチル150mLを分液ロートに加え、20分間振とうする。水層と酢酸エチル層を分画し、水層については、再度水飽和酢酸エチルを加え、同様の抽出操作を行う。酢酸エチル層中の水を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下で濃縮乾固する。本乾固物をエタノールに溶解し、膜ろ過したものを分析試料とする。検量線の作成は、例えば、標準物質として和光純薬工業(株)のピペリンを使用できる。定量は、分析試料の吸光度を345nmで測定し、検量線で換算することにより求めることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。
コショウ抽出物含有レモネード飲料の表面皮膚温度上昇効果
(被検試料の調整)
コショウ抽出物として、ヒハツエキスパウダーMFを使用した。この抽出物を含むレモネード系酸性飲料を調製し、被験試料とした。今回使用した原料及びその配合は、グラニュ糖(北海道糖業(株)、8mass%)、還元澱粉糖化物(東和化成工業(株)2.5mass%)、果糖ぶどう糖液糖(王子コーンスターチ(株)、1.5mass%)、精製はちみつ(三島食品工業(株)、1mass%)、透明レモン果汁(三菱商事(株)、3mass%)、クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ(株)、0.15mass%)、L-アスコルビン酸(国産化学(株)、0.04mass%)、ヒハツエキスパウダーMF(丸善製薬(株)、0.0103mass%)、色素、香料、イオン交換水とした。同時に、ヒハツエキスパウダーMFが0.0052mass%の被験試料も調製した。この時の溶液の物性値は、糖度(Brix)11.5、酸度(クエン酸換算)0.28mass%、pH3.4であった。この溶液を殺菌処理し、280mL(比重:1.045)をPETボトルに充填する事で、常温流通が可能な仕様とした。この飲料中には、ピペリン類が35μg含まれる。
(陰性対象試料の調整)
被検試料に関し、コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)を含まないものを、陰性対照試料とした。
(飲用時の試料の扱い)
被検試料、陰性対象試料は、各々、試験に供されるまで、10℃以下の冷蔵庫内で保管した。また、これらの試料を試験者に提示する際は、恒温器内において55℃に調整し、加温された飲料(ホット飲料)とした。
(被験者)
被験者は、20代女性6名、30代女性6名の、計12名を対象とした。
(表面皮膚温度測定)
測定は、室温20℃、湿度40%の恒温高湿室で行った。表面皮膚温度は、手のひら(右手)に関して、サーモトレーサー(NEC三栄)を使用して測定した。この表面皮膚温度は、熱画像処理プログラムを活用し、手のひらを単位とし、その全体表面温度を平均化することで平均値として算出した。測定実施の際は、被験者を椅子にリラックスした状態で着席させた。また、無理が生じない程度に、肘と腕を肘掛けに置き、手のひらがどこにも触れず力が加わっていない状態になるよう維持した。
(試験結果)
飲用後の表面皮膚温度変化量を、図1にまとめた。飲用後待機期間における表面皮膚温度変化量についてみた。被験試料飲用時と陰性対照試料飲用時の場合、表面皮膚温度は経時的に高まり、飲用後10分で約2℃高くなった。一方、試料非飲用時では、被験者の表面皮膚温度に変化は見られなかった。また、被検試料と陰性対象試料を比べた場合、被検試料飲用時の表面皮膚温度がやや高くなった。これより、コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)を含有したレモネード系飲料(加温)の摂取により、体温が上昇する効果が確認された。
コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)を含有したレモネード飲料摂取によってあたたまりを実感する部位
(官能評価方法)
体の各部位における「あたたまり」の程度を確認するために、官能評価を実施した。官能評価は、表面皮膚温度回復期間終了直後に行った。質問は、体全身(全身)、顔面(顔)、首筋(首)、胸のあたり(胸)、胃のあたり(胃)、おへそ周り(へそ)、背中、足先、手先の、9部位について行った。評価得点については、「温まらなかった」(0点)、「わずかに温まった」(1点)、「やや温まった」(2点)、「温まった」(3点)、「非常に温まった」(4点)とした。評価得点は、平均値を算出する事により求めた。2群の平均値の差は、「paired t検定」により評価した。危険率5%未満で「有意差あり」、危険率10%未満で「傾向差あり」とした。被験者は、女性12名とした。
(試験結果)
飲用後から試験終了までの試験時間の中での「あたたまり」の程度について、官能評価により調べた。その結果を、図2に示した。被験者は、陰性対象試料飲用時と被験試料飲用時の両方で、足先を除く全ての部位で「あたたまり」を感じていた。さらに、陰性対象試料飲用時と被験試料飲用時の間で比較した。その結果、被験試料(ヒハツエキスパウダーMF30mg;ピペリン類として35μg)飲用時において、「首」、「胃」、「へそ」、「背中」に関して、陰性対象試料飲用時に対して有意に高かった。また、「顔」、「胸」に関しても、傾向差が認められた。一方、「全身」、「足先」、「手先」に関して、統計上の差は確認されなかった。被検試料(ヒハツエキスパウダーMF15mg:ピペリン類として18μg)に関しては、いずれの比較においても、有意差は検出されなかった。これより、ヒハツエキスパウダーMF含有レモネード飲料(ヒハツエキスパウダーMF30mg:ピペリン類として35μg)の摂取により、特定の部位において、あたたまり感が上昇する効果が確認された。
首、背中、へその周りにおけるあたたまり実感者数の経時変化
(官能評価方法)
飲用後、待機期間を経た後、「あたたまり」を感じている被験者の人数(あたたまり実感者数)の経時変化を把握するために、官能評価を実施した。試料は、被検試料(ヒハツエキスパウダーMF30mg;ピペリン類として35μg)と、陰性対象試料とした。被験者は女性12名とした。この時、「飲用開始〜冷却」、「冷却〜5分」、「5〜10分」、「10〜15分」、「15〜20分」、「20〜25分」、「25〜30分」、「30分以上」の各々の期間に対して、「あたたまり感」の有無の回答を求めた。被検試料飲用時と陰性対象試料飲用時におけるあたたまり実感者数についての差は、χ2検定により評価した。危険率5%未満で「有意差あり」、危険率10%未満で「傾向差あり」とした。
(試験結果)
「首」、「背中」「へそ」におけるあたたまり実感者数の経時変化を、図3、図4、図5に示した。あたたまり実感者数は、「首」、「背中」、「へそ」のいずれの部分においても、飲用直後が最も高くなり、その後経時的に減少した。これは、加温された飲料を摂取することによると考えられる。「首」、「背中」、「へそ」に関して、被検試料飲用時のあたたまり実感者数の経時変化を見た。その結果、被検試料が、陰性対象試料飲用時に比べ高い値で推移した。これは、一度加温飲料の摂取によって高められたあたたまり感が、飲料中のコショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)の作用によって維持され、その低下が遅延されたものと考えられた。従って、コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)を含有するレモネード飲料(加温)は、これらの部位において、あたたまり感低下遅延を与える機能効果が存在するものと判断した。
コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)配合料の風味に及ぼす影響
コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)はスパイシーな風味を有し、配合量によって飲料の風味への影響をもたらす。実施例1において調製された被検試料に対して、コショウ抽出物(ヒハツエキスパウダーMF)の配合量を変更したものを調製した。この被検試料を用いて、風味評価を行った。このとき、一回の飲用量を変更した場合についても合わせて評価した。風味評価者は、男性4名、女性1名の計5名とした。飲用する際の液温は、55℃に調整した。その結果を表1に示す。
Figure 0004977394
これより、100mLで飲用した場合、ヒハツエキスパウダーMFの配合量が150mg/100mL以上(ピペリン類として175μg/100mL以上)で、「良好でない」との評価となった。以上の結果、ヒハツエキスパウダーMFの配合量は、120mg/100mL以下(ピペリン含量として140μg/100mL以下)とすることが好ましい。また、表1によると、ヒハツエキスパウダーMFの濃度を下げること、「良好」、「やや良好」等の評価を得ることができた。
図1は、表面皮膚温度の変化に及ぼすコショウ抽出物含有レモネード系飲料の摂取の影響を示す。 図2は、体の各部位のあたたまり感に及ぼすコショウ抽出物含有レモネード系飲料の摂取の影響を示す。 図3は、コショウ抽出物含有レモネード系飲料の摂取時の「首」におけるあたたまり実感者数の経時変化を示す。 図4は、コショウ抽出物含有レモネード系飲料の摂取時の「背中」におけるあたたまり実感者数の経時間変化を示す。 図5は、コショウ抽出物含有レモネード系飲料の摂取時の「へその周り」におけるあたたまり実感者数の経時間変化を示す。

Claims (3)

  1. 飲用後に、首、背中またはへその周りであたたまり感が維持される、加温用の200mL以上500mL以下の容量を有する飲料であって、飲料中にコショウ科植物由来のピペリン類を35μg以上140μg以下含むことを特徴とする50℃以上100℃未満に加温される加温用飲料。
  2. 飲用後に、首、背中またはへその周りであたたまり感が維持される、200mL以上500mL以下の容量を有する飲料であって、飲料中にコショウ科植物由来のピペリン類を35μg以上140μg以下含み、50℃以上100℃未満に加温された飲料。
  3. コショウ科植物が、Piper Longum およびPiper nigrum からなる群より選択される、請求項1または2記載の飲料。
JP2006103326A 2006-04-04 2006-04-04 あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料 Active JP4977394B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006103326A JP4977394B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006103326A JP4977394B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007274929A JP2007274929A (ja) 2007-10-25
JP4977394B2 true JP4977394B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=38677129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006103326A Active JP4977394B2 (ja) 2006-04-04 2006-04-04 あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4977394B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5093808B2 (ja) * 2008-03-27 2012-12-12 キッコーマン株式会社 豆乳、その製造方法、及び豆乳用甘味組成物
JP5159568B2 (ja) * 2008-11-07 2013-03-06 小林製薬株式会社 ヒハツ抽出物を含有する飲食品組成物及びヒハツ抽出物含有飲食品組成物の味改善方法
JP4773502B2 (ja) * 2008-11-27 2011-09-14 株式会社 伊藤園 加温販売用容器詰酢飲料及び冷え性改善剤
JP2012075389A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Hitoshi Ishida 飲食物提供システム
JP6862688B2 (ja) * 2015-07-27 2021-04-21 大正製薬株式会社 ピペリン含有経口組成物
JP6142936B2 (ja) * 2016-03-04 2017-06-07 学校法人近畿大学 β‐セクレターゼ阻害剤及びβ‐セクレターゼ阻害用飲食品
JP7267860B2 (ja) * 2019-07-10 2023-05-02 株式会社ノエビア 経口用組成物及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2661207B2 (ja) * 1988-11-02 1997-10-08 味の素株式会社 アミノ酸含有飲料及び氷
JP4448266B2 (ja) * 2001-07-30 2010-04-07 丸善製薬株式会社 冷え性改善剤及び冷え性改善用組成物
US20050276839A1 (en) * 2004-06-10 2005-12-15 Rifkin Calman H Appetite satiation and hydration beverage
JP4249116B2 (ja) * 2004-11-12 2009-04-02 ハウス食品株式会社 ヒハツ抽出物含有飲料及び飲料用粉末

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007274929A (ja) 2007-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4977394B2 (ja) あたたまり感の維持効果をもつ加温飲料
Jridi et al. Tunisian date (Phoenix dactylifera L.) by-products: Characterization and potential effects on sensory, textural and antioxidant properties of dairy desserts
ES2817049T3 (es) Extracto de estevia que contiene glucósidos de esteviol seleccionados como modificador del perfil de sabor, salado y dulce
JP6370258B2 (ja) 体内摂取用体臭改善剤、それを用いた飲食品及び体臭改善方法
Agarwal et al. Sensory and nutritional evaluation of sweet milk products prepared using stevia powder for diabetics
JP2009067731A (ja) 冷え性改善用組成物
Ruijschop et al. Effects of retro-nasal aroma release on satiation
López-Martínez et al. Development of functional ice cream with egg white hydrolysates
Choi et al. Sweetness potency and sweetness synergism of sweeteners in milk and coffee systems
JP2013079227A (ja) 代謝促進組成物及び該代謝促進組成物を含有する機能性食品
Chamchan et al. Formulation of reduced sugar herbal ice cream using lemongrass or ginger extract
CN107242421A (zh) 一种草本植物饮料
WO2015151817A1 (ja) 容器詰飲料
JP5208142B2 (ja) 低カロリーデザート食品
Limsuwan et al. Total phenolic compounds, antioxidant activity and nutritional values of sugar-free and reduced-fat milk-based ice cream enriched with selected herb ingredients
JP2013116100A (ja) あたたまり感を付与する飲食品用配合素材及びあたたまり感付与剤
Hiola et al. Development of effervescent granule of corn milk, supplemented with probiotics lactobacillus strain shirota
Wong et al. Effect of beverage flavor on body hydration in Hong Kong Chinese children exercising in a hot environment
JP2007204419A (ja) 食品組成物
Kumar et al. Numerical optimization approach for the development of Giloy stem (Tinospora cordifolia) extract based functional yoghurt
JP4669077B1 (ja) アスパラガス擬葉を有効成分とする自律神経調整剤
CA2941254A1 (en) Athletic performance enhancing beverage
TW200304775A (en) Agent for alpha-wave appearance, an agent for inducing a relaxed state and a food or drink comprising the agents
Kim et al. Effects of aroma–taste interaction on the sensory attributes of rebaudiosides in soymilk and milk
Damayanthi et al. Developing enteral feeding formulas for stroke patients using lactose-free Milk and mung bean as the non-dairy protein source

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20111221

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120327

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4977394

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250