JP4975404B2 - 医療用複室容器 - Google Patents
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Description
したがって、同一ラインを使用して、ある種の注射製剤を投与する前に、その他の薬剤などを投与していた場合、また、この逆の順番で投与する際には、ライン中に残存する注射製剤及びその他の薬剤などを確実に取り除いた上で投与する必要がある。
そこで、医療現場では、このような薬液同士の混合による変化を避けるために、薬液の点滴を始める前に、三方活栓から生理食塩水を注射器などでライン中に供給してライン洗浄、いわゆるフラッシングを行った後に点滴をする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。
このように構成することで、閉止機構により直上の収容部に収容されている薬液又は第二洗浄液が混合されることなく順番にラインに供給される。
このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。
このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。
このように構成することで、注射器などを用いず、通常の点滴を行うような手順で、点滴のライン洗浄を行った後に、薬液の供給を行い、薬液の供給が終了した後に再度ライン洗浄を行うことができる。
本発明の第一参考例を図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように、医療用複室容器1は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される矩形状の合成樹脂フィルムからなる容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に各フィルムに狭持された樹脂製で中空形状の排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が長手方向に並べて配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
また、シール温度やシール時間などの熱シール条件を特定の条件とすることで剥離可能なシールとしてもよい。シールの表面形状をローレットなどの特殊な形状にすることで剥離可能なシールとしてもよい。
輸液容器19には点滴のライン20が接続されており、患者の腕などに繋がっている。また、ライン20の途中には、三方活栓21が設けられており、医療用複室容器1と三方活栓21との間には、分岐ライン22が設けられている。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器1の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器1を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、弱シール部の剥離強度に差をつけることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。
本発明の第二参考例を図2〜図5に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示すように、医療用複室容器23は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常はゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
仕切部材24、25の幅方向端部に形成された傾斜面32は、仕切部材24、25と容器本体3を形成している二枚の合成樹脂フィルムとを隙間無く溶着させるためのものである。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器23の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器23を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、仕切部材を設けたことで、第一仕切部材及び第二仕切部材を一つずつ破断しやすくなり、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。
本発明の第三参考例を図2、図6に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、医療用複室容器35は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3は、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6と第二洗浄液収容部7とが、並んで配されるように構成されている。また、薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間は、周縁部2と同様に剥離不能に融着された仕切壁36が形成されている。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器35の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器35を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、第三弱シール部を剥離開通させるために薬液収容部を押圧する際に、第四弱シール部には押圧することによる圧力がかからない配置にすることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。
本発明の第四参考例を図2、図7に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示すように、医療用複室容器40は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液11が収容された第一洗浄液収容部5として構成されており、第一洗浄液収容部5の内部に薬液12が収容された袋状の薬液収容部41及び第二洗浄液13が収容された袋状の第二洗浄液収容部42が容器本体3の合成樹脂フィルムに熱シールによる融着などの方法により固設されている。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、袋状の薬液収容部41には薬液12が、袋状の第二洗浄液収容部42には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器40の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器40を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、第五弱シール部を剥離開通させるために薬液収容部を押圧する際に、第六弱シール部には押圧することによる圧力がかからない配置にすることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。更に、薬液収容部及び第二洗浄液収容部を袋状にして、第一洗浄液収容部内に固設することで、合成樹脂フィルムが二重に構成され、強度を増すことができる。
本発明の第一実施形態を図2、図8に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示すように、医療用複室容器50は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。
また、第一洗浄液収容部5の底部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第一バイパス管52が設けられている。更に、薬液収容部6の底部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第二バイパス管53が設けられている。第一バイパス管52及び第二バイパス管53は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる直線的なストロー形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上下端(両端)が開放可能なストッパー54で閉塞されている。第一バイパス管52及び第二バイパス管53は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器50の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。
その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器50を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、各バイパス管を開放するだけで、その後は人手を借りずに洗浄液及び薬液の供給を行うこととしたために、作業を簡便にすることができ、確実にフラッシングをすることができる。
また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加挿入するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。
本発明の第二実施形態を図2、図9に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示すように、医療用複室容器60は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。
また、第一洗浄液収容部5の底部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第三バイパス管61が設けられている。更に、薬液収容部6の底部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第四バイパス管62が設けられている。第三バイパス管61及び第四バイパス管62は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる直線的なストロー形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上端が開放可能なストッパー54で閉塞されており、下端は浮玉63を固定部材64で固定した状態で閉塞されている。第三バイパス管61及び第四バイパス管62は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムや各バイパス管、浮玉63に用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器60の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。
その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器60を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加挿入するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。更に、各バイパス管の下端に浮玉を設けて下部に薬液などがある程度残存している間は、その上部の洗浄液などが早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。
本発明の第三実施形態を図2、図10に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図10に示すように、医療用複室容器70は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。
また、第一洗浄液収容部5の頂部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第五バイパス管71が設けられている。更に、薬液収容部6の頂部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第六バイパス管72が設けられている。第五バイパス管71及び第六バイパス管72は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる曲がったチューブ形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上下端(両端)が開放可能なストッパー54で閉塞されている。第五バイパス管71及び第六バイパス管72は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。そして、第五バイパス管71の容積は第一洗浄液11の容量と等しく設定されており、第六バイパス管72の容積は第一洗浄液11の体積と薬液12の体積との和と等しく設定されている。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器70の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。
その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器70を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
ここで、第一洗浄液11がライン20へ供給されると、その供給量だけ薬液12が第五バイパス管71に流入する。したがって、第一洗浄液11が全て第一洗浄液収容部5から流出すると、薬液12が第五バイパス管71の下端部まで到達し、第一洗浄液収容部5へ流出する。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。
また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加設置するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。更に、各バイパス管の容積とその下部に収容されている薬液又は洗浄液の体積とを等しく設定することで、その上部の洗浄液又は薬液が早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。
本発明の第四実施形態を図2、図11に基づいて説明する。
なお、第一参考例と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示すように、医療用複室容器80は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口81が設けられた構成となっている。排出口81は、非可撓性であり、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。
ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。
そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムおよび第二洗浄液収容部7の容器に用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。
第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器80の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。また、本実施形態では、第二洗浄液収容部7が容器本体3内ではなく外付けされているため、図示しない別のフックなどで吊り下げられるようにしてもよい。
その後、排出口81に刺栓針を刺入し、医療用複室容器80を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。
ここで、第一洗浄液11がライン20へ供給されると、その供給量だけ薬液12が第七バイパス管82に流入する。したがって、第一洗浄液11が全て第一洗浄液収容部5から流出すると、薬液12が第七バイパス管82の下端部まで到達し、第一洗浄液収容部5へ流出する。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。
また、本実施形態の医療用複室容器は、第一洗浄液と第二洗浄液を非可撓性容器に収容したことで、圧力バランスを確保し易くすることができ、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。更に、第七バイパス管の容積と第一洗浄液の容量とを等しく設定することで、薬液が早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。
第一参考例などでは、弱シール部を容器本体の幅方向に直線状に形成したもので説明をしたが、機能を満たせば弱シール部の形状は拘らない。
第二参考例などでは、仕切部材を容器本体の幅方向に直線状に形成したもので説明をしたが、機能を満たせば仕切部材の形状は拘らない。
第四参考例では、袋状の収容部を容器本体の合成樹脂フィルムに熱シールで融着する説明をしたが、容器本体の周縁部に袋状の収容部を挟持するようにして固設してもよい。
第一〜第三実施形態では、各収容部間を剥離不能に融着する説明をしたが、一部に剥離可能な弱シール部及び開放可能な仕切部材を設けても良い。
第一実施形態などでは、バイパスをストロー形状の管で構成する説明をしたが、容器本体の周縁部に同様の形状を有するように加工してバイパスを形成しても良い。
第二実施形態では、浮玉を用いてバイパス管の端部を閉塞する説明をしたが、浮力を利用して開閉する蓋材を用いてもよい。
第一〜第四実施形態では、各バイパス管を合成樹脂製の場合で説明をしたが、機能を満たせば材質は拘らない。
第四実施形態では、第二洗浄液収容部は容器本体から離れて存在する場合で説明したが、容器本体に固定されていてもよい。また、第九のバイパス管の薬液収容部内の一端は、薬液収容部の頂部近傍にある場合で説明したが、薬液収容部の底部近傍にあってもよい。また、医療用複室容器の輸送時などの振動による第二洗浄液の第八バイパス管および第九バイパス管への流入防止が可能なストッパーを使用直前まで第二洗浄液収容部近傍のこれらバイパス管に設けることも好ましい。
Claims (5)
- 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、
前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、
前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第一のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第二のバイパスとを具備し、
前記第一のバイパス内及び前記第二のバイパス内は気体が収容され、上下端には両端部を閉塞するストッパーが設けられ、使用時には前記ストッパーを取り除くことで両端部を開放し、該両端部に位置する各収容部間を連通可能に構成されていることを特徴とする医療用複室容器。 - 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、
前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、
前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第三のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第四のバイパスとを具備し、
前記第三のバイパスの前記第一洗浄液収容部側の下端部と、前記第四のバイパスの前記薬液収容部側の下端部とに、第一洗浄液及び薬液に対して浮力を有する浮玉が備えられ、前記浮力を利用して前記第三のバイパス及び前記第四のバイパスの前記下端部側の開口を閉止し、前記第一洗浄液及び前記薬液の液面が前記各バイパスの前記下端部側よりも低くなったときに前記浮玉が前記下端部側の開口から離反して開放し連通可能に構成された閉止機構を設け、
前記第三のバイパス内及び前記第四のバイパス内は気体が収容され、前記第三のバイパス及び前記第四のバイパスの上端部には該上端部を閉塞するストッパーが設けられ、使用時には前記ストッパーを取り除くことで上端部を開放し連通可能に構成されていることを特徴とする医療用複室容器。 - 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、
前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、
前記第一洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第五のバイパスと、前記薬液収容部の頂部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第六のバイパスとを具備し、前記第五のバイパス内及び前記第六のバイパス内は気体が収容され、上下端には両端部を閉塞するストッパーが設けられ、使用時には前記ストッパーを取り除くことで両端部を開放し、該両端部に位置する各収容部間を連通可能に構成されており、
前記第五のバイパスの容積と第一洗浄液の容量とが等しく、前記第六のバイパスの容積と前記第一洗浄液及び薬液の容量の和とが等しくなっており、
使用時に前記各バイパスの両端部を開放し、該両端部に位置する各収容部間を連通可能に構成されていることを特徴とする医療用複室容器。 - 非可撓性容器からなる第一洗浄液収容部に排出口が接続され、容器本体に薬液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間は第一洗浄液の容量と等しい容積を有する第七のバイパスで接続され、
非可撓性容器からなる第二洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第八のバイパスと、前記第二洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部とを接続する第九のバイパスとが設けられ、
前記第七のバイパスは容器本体内の一端には該一端側を閉塞するストッパーが設けられ、使用時には前記ストッパーを取り除くことで前記一端を開放し、前記第七のバイパスの両端部に位置する各収容部間を連通可能に構成されており、前記第八のバイパス内及び前記第九のバイパス内は気体が収容され、前記第八のバイパスにおける前記薬液収容部側の一端および前記第九のバイパスにおける前記薬液収容部側の一端にはそれぞれの一端を閉塞するストッパーが設けられ、使用時には前記ストッパーを取り除くことで各一端部を開放し連通可能に構成されており、
前記第二洗浄液収容部の底部が前記薬液収容部の底部よりも高い位置に配され、
使用時に前記各バイパスの端部を開放し、該両端部に位置する各収容部間を連通可能に構成されていることを特徴とする医療用複室容器。 - 第一洗浄液収容部、薬液収容部、及び第二洗浄液収容部が設けられた医療用複室容器であって、
前記第一洗浄液収容部に第一洗浄液が収容され、前記薬液収容部に薬液が収容され、前記第二洗浄液収容部に第二洗浄液が収容され、
前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、
前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び、前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間には、それぞれバイパス管が設けられ、各収容部間を連通可能に構成されており、
前記第一洗浄液が排出された後に前記薬液が前記第一洗浄液収容部を介して排出され、前記薬液が排出された後に前記第二洗浄液が前記薬液収容部及び前記第一洗浄液収容部を介して排出可能に構成されていることを特徴とする医療用複室容器。
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