JP4452903B2 - 医療用薬液混注用バッグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の室を備える医療用薬液混注用バックに関する。より詳細には、人体に点滴により供給される輸液製剤、例えば、高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、その他の医療用輸液に反応を生じ易い薬液を使用直前に注入するために好適な複数の室を備える医療用薬液混注用バッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、点滴により人体に供給される輸液成分、例えば、アミノ酸液、ブドウ糖液等は、混合すると変質するため、剥離可能な隔離手段により仕切られた輸液バッグ内の複数の個室へそれぞれ収容し、使用時に輸液バッグを外から押圧して隔離手段を剥離させて混合することが工夫されており、このような技術は、例えば、特開昭62−176451号公報、特開平8−182739号公報、特表平8−509631号公報等に開示されている。また点滴により患者に輸液を投与する場合、患者の病態により、アミノ酸液、ブドウ糖液等の基本液に少量の各種薬剤、例えば、トレースミネラル(微量金属)、ビタミン剤、鎮痛剤、脂肪輸液、抗生物質、ミネラル分、強心剤等を混合することが必要になる。通常、基本液に少量の薬剤を混合する作業(混注)は、病院内のクリーンブース内で行われ、混合すべき薬剤を注射器を用いて輸液バッグ内の輸液へ注入する。この場合、薬液の細菌感染を起こさないように注意深く行われる。
【0003】
少量の各種の薬剤を輸液に混合する場合、予め輸液に混合し投与まで長時間おくことは好ましくないことが多い。例えば、ビタミンB1は、高カロリー基本液の中のアミノ酸の酸化防止剤として用いられる亜硫酸塩によって分解が促進される。また、少量の各種薬剤同志も混合によって汚濁が生じたり分解が促進されるものがあり、各薬剤の投与を時間差をおいて行うことが好ましいとされるものもある。輸液は、通常1リットル程度あるため、細かい作業を行うことが困難であり、一度に混注作業が可能な薬剤の数も限定される。
【0004】
少量の各種の薬剤を基本液に混合する混注作業は、比較的重量のある液体であるに拘わらず細心の注意を払うことが必要な繁雑な作業であり、問題点を多く含む。特公平5−52748号公報は、注射器による混注作業の不便さを解消するための混注用輸液バッグを開示する。この混注用輸液バッグは、バッグ本体に瓶針を設け、瓶針と薬剤を収納したバッグ本体内部の間に、破断により瓶針と本体内部を連通させる流路を設けたものである。他方、近年、在宅医療が好まれ増加する傾向にあり、家庭で患者に輸液を点滴により投与することが多くなっている。輸液は、1日の投与量が約1kgの輸液バッグ2個の場合が多く、比較的重量があり、また在宅医療用の輸液への薬剤の混注が病院で行われる場合、混注後に変質しない間に患者に投与するため、病院から輸液を頻繁に運搬することが必要となり、在宅看護の負担を重くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、その他の医療用輸液を収容する輸液バッグ内へ患者に必要な少量の薬剤を混注する作業を、病院において安全に且つ容易に行うことができ、また在宅医療がなされる家庭において混注作業を可能にする混注用の薬液バッグを提供することを目的とする。本発明は、また複数の少量の薬剤を時間差をおいて相互作用を排除し選択的に輸液に混合することが可能な医療用薬液バッグを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、混注用薬液バッグの各室への薬液や薬剤の充填のため複雑な構造の注入口を必要としない薬液バッグを提供することである。本発明の更に他の目的は、先端部が鋭利でない連通針を備えることにより複数の少量の薬剤を基本液に容易に混入可能な薬液バッグを提供することである。本発明のその他の目的は、以下の説明において明らかにされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の医療用薬液混注用バックは、可撓性樹脂フイルムにより包囲されそれぞれ液体を密封し収容可能な第1室、第2室及び副室を有し、第1室及び第2室は、それぞれ外部から薬液又は薬剤を充填可能且つ閉鎖可能な第1注入口及び第2注入口を備え、副室は、輸液バッグに連通可能な注出口を備え、第1室と副室との間に第1イージーピールシールが配置され、第2室と副室との間に第2イージーピールシールが配置され、第1室に収容された薬液が第1室の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することにより第1イージーピールシールを剥離させて副室へ流入可能であり、第2イージーピールシールは、第2室内又は副室内の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することにより剥離され第2室と副室とを連通させることができる。
【0007】
本発明の医療用薬液混注用バッグは、好ましくは次の構成を具備する。即ち、(a)第1注入口及び第2注入口の少なくとも1つは、樹脂フイルムの一部分を切断して薬液を室内へ注入しその後フイルムの切断部分付近を密封するものである。(b)第1注入口及び第2注入口の少なくとも1つは、円筒形空間及び円筒形空間を遮断するゴム栓を備える管部材から成り、円筒形空間は、室内部と外部を連通可能であり、ゴム栓は、注射針又は連通針により貫通可能であり、注射針又は連通針を引き抜くことにより再シール可能である。(c)注出口は、輸液バッグの注入口部と接続又は連通可能な先端部を備える連通針から成る。(d)注出口は、円筒形空間及び円筒形空間を遮断するゴム栓を備える管部材から成り、円筒形空間は、副室内部と外部を連通可能であり、ゴム栓は、連通針又は両頭針の一方の先端部により貫通可能である。(e)第1室、第2室及び副室は、2枚の可撓性樹脂フイルムの周縁部を相互に強固に密着させ、第1室と第2室の間に強固な密封部を設けることにより形成されるものである。(f)第1室及び第2室の一方に固体の薬剤が収容される。(g)薬液を収容可能な第3室を更に有し、第3室と副室との間に第3イージーピールシールが配置され、第3室に収容された第3薬液が第3室を外部から押圧することにより第3イージーピールシールを剥離させて副室へ流入可能である。(h)それぞれ別個の第3イージーピールシールにより副室との間を区画される複数の第3室を含む。(j)第1室と第2室がスリットを介して連結されるか又は互いに分離されており、別々に押圧し時間差をおいて各室の薬液を注出することが容易にされる。
【0008】
【作用】
薬液バッグの第1室、第2室にそれぞれ患者の病態に合わせた薬液又は薬剤が注入口を介し充填され、注入口が流体密封状態に閉じられる。点滴の直前に、第1室及び第2室の薬液が輸液バッグ内の輸液に混合される。第1室の薬液が外部から樹脂フィルムを介して押圧され、液圧により第1イージーピールシールを剥離させ、第1室と副室内が連通され、第1室の薬液が副室内へ流入する。また注出口の連通針の先端部が輸液バッグのゴム栓を貫通して連通針の中空部を介し副室内部と輸液バッグ内部が連通され、この状態で第1室及び副室を外部から押圧することにより、副室内の薬液が輸液バッグ内の輸液中へ移動され混合される。第2室の薬液又は薬剤は、副室又は第2室の薬液が外部から押圧され、第2イージーピールシールを剥離させ、第2室と副室を連通させ、第2室内の薬液が副室内へ流入する。副室内へ流入した薬液は、薬液バッグが外部から押圧されることにより、連通針を介して輸液バッグ内の輸液中へ移動され混合される。
【0009】
【発明の実施の態様】
次に本発明の実施の態様を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例の医療用薬液バッグ10の側面図である。薬液バック10は、可撓性樹脂フイルムにより包囲され、それぞれ患者の病態に合わせて投与されるべき薬液又は薬剤、例えば、ビタミン剤、微量金属、強心剤、鎮痛剤等を収容可能な第1室42、第2室52及び副室82を備える。図1の実施例において、薬液バッグ10は、可撓性樹脂フイルムのほぼ5角形の2枚の平らなシートを重ね、両シートをほぼ平行の2つの側縁部12、12、側縁部にほぼ垂直に伸びる端縁部14、側縁部に鈍角をなす2つの傾斜縁部16、16をヒートシールにより流体密封可能に強固に接着して形成される。薬液バッグ10は、更に側縁部12、12に沿って伸長し、長方形部分を第1室42、第2室52にほぼ2分する仕切部22を備える。仕切部22は、側縁部12と同様に、ヒートシールにより流体密封可能に強固に接着され形成される。重ねた2枚の平らなシートに代えて、1枚の平らなシートを折り畳んで重ねたシート、又は平らに圧しつぶした円筒形シートを用いることができる。このような場合、連結されている側縁部を結合する工程は不要である。
【0010】
図1の医療用薬液バック10において、3角形の副室82は、2枚の樹脂フィルムが重ねてヒートシールされた2つの傾斜縁部16、16を備える。第1室42及び第2室52は、それぞれ外部から薬液又は薬剤を充填可能且つ閉鎖可能な第1注入口46及び第2注入口56を備え、副室82は、薬液を外部へ注出口可能な注出口84を備える。副室82と第1室42の間は、第1イージーピールシール44により仕切られ、副室82と第2室52の間は、第2イージーピールシール54により仕切られる。第1イージーピールシール44は、第1室の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することにより剥離され、それにより第1室42に収容された薬液が剥離された第1イージーピールシール44通り副室82へ流入可能である。同様に、第2イージーピールシール54は、第2室52内又は副室82内の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することにより剥離され、第2室と副室とを流体連通させることができる。
【0011】
図6Aは、第1注入口46又は第2注入口56として使用可能な注入口96の斜視図、図6Bは、図6Aの線F−Fに沿う断面図である。注入口96は、樹脂製円筒部97及び円筒部97内部に軸線に垂直方向に伸長して配置されるゴム膜部材98を含む。円筒部97の一端は、外部へ開口し、円筒部の外周面は、端縁部14の重なり合うシートの間に配置されてシートに強固に接着され、円筒部の他端は、第1室内部に開口される。薬液又は薬剤は、ゴム膜部材98を配置する前に、円筒部97の中空部分を介し薬液バッグ内へ充填される。ゴム膜部材98は、薬液又は薬剤を充填後に、固着部材99により円筒部97内部に軸線に垂直方向に伸長して配置される。ゴム膜部材98は、第1室又は第2室内へ追加の薬液を注入するため中空針(注射針)により刺通可能である。
【0012】
図7A〜Dは、第1室42及び第2室52へ薬液R及びSをそれぞれタブ146、156により形成される注入口を使用し充填する工程を示す図である。図7Aは、薬液注入前の薬液バッグ10の平面図、図7Bは、第1室42のタブ146を工具162により切離して注入開口147を設ける工程を示す平面図、図7Cは、第1室への薬液Rの充填が済み、第2室へ注入開口157を介し薬液Sを充填ノズル160を用いて注入する工程を示す平面図、図7Dは、注入開口147、157の付近の樹脂フィルムをヒートシールし流体密封部148、158を形成する工程を示す平面図である。充填ノズル160は、図示しない薬液タンクから矢印Vで示すように送られる薬液を第2室52へ充填する。
【0013】
図8Aは、第1室又は第2室から剥離された第1又は第2イージーピールシールを通り副室82内へ流入された薬液を薬液バッグ10の外部へ注出する注出口84を示す。注出口84は、鋭利な先端部86を備える中空針(注射針)85により形成され、中空針85は、その基端において副室の傾斜縁部16の2枚の樹脂シートの間に配置されて樹脂シートに流体密封状態に強固に結合される。中空針85の先端部86は、図示しない輸液バッグのゴム栓を貫通可能に鋭利にされ、通常は、図8Bに示す安全キャップ88により覆われており、中空針85の使用時に、安全キャップ88が外される。鋭利な先端部86を有する中空針に代えて、特表平7−501961号公報に示される先の尖っていない連通針を用いることができる。この場合、輸液バッグの注入口部は、同じく、特表平7−501961号公報に示される膜シールを備え、膜シールは、連通針を引き抜くと再シール可能なスリットを有するものとされる。図9は、注出口84の変形例を示す部分断面を含む平面図である。図9の注出口84は、図8Aに示す事例と同じく、鋭利な先端部86を有する中空針85を備え、且つ先端部86の周囲が保護筒87により包囲される。保護筒87は、指等がその内部へ入り込まない限り鋭利な先端部に触れない構造に形成され、且つ輸液バッグの注入口部に係合する係合突起を備える。
【0014】
図2A及びBは、本発明の第2実施例の医療用薬液バッグ10を示し、図2Aは、薬液バッグ10の平面図であり、図2Bは、薬液を収容し膨れた状態の薬液バッグ10の図2Aの線M−Mにおける断面図である。図2A及びBに示す薬液バッグ10は、注入口46、56の構造において図1の薬剤バッグと異なるが、その他の構造においては、図1の薬剤バッグと同様である。図2A及びBにおいて、注入口46、56は、いずれも図7A及びBのものと同様に、薬液バッグの端縁部14又はその一部を切除し開口を形成し、その開口を介して第1室及び第2室へそれぞれ薬液又は薬剤を充填し、その後、開口周囲の樹脂フィルムをヒートシールするものである。
【0015】
図3A及びBは、本発明の第3実施例の医療用薬液バッグ10を示し、図3Aは、薬液バッグ10の平面図であり、図3Bは、第3実施例の変形例を示す側面図である。図3Aの薬液バッグ10は、側縁部12、12及び仕切部22の構造において図1の薬剤バッグと異なるが、その他の構造においては、図1の薬剤バッグと同様である。図3Aの実施例においては、押し潰し平らにされた円筒形樹脂フィルムが使用され、円筒形樹脂フィルムの一方の端部を軸線にほぼ垂直に切断し、ヒートシールして端縁部14を形成し、他方の端部を軸線に対し傾斜させて切断し、ヒートシールして傾斜端縁部16、16を形成している。仕切部22は、軸線に平行に2枚の樹脂フィルムの間をヒートシールし接着して形成される、仕切部にスリット23が設けられている。図3Bは、第1室と第2室の仕切部22が、完全に分離されている。図3Aの薬液バッグは、スリット23を利用し第1室と第2室を手で引き離すことにより、また図3Bの薬液バッグは、第1室と第2室が仕切部で分けられていることにより、各室を独立して押圧し、第1イージーピールシール44を第2イージーピールシール54から独立して剥離させ、時間差をおいて第1室と第2室の薬液を注出することが容易である。
【0016】
図4は、本発明の第4実施例の医療用薬液バッグ10を示す平面図である。この薬液バッグ10は、第1室42と第2室52の間に第3室62が設けられる。第3室62と副室82との間は、第3イージーピールシール64により仕切られる。第3イージーピールシール64は、第2イージーピールシール54と同様に、第3室62内又は副室82内の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することによりを剥離され、第3室と副室82とを流体連通させることができる。第3室66は、薬液又は薬剤を第3室へ充填するための注入口66を備える。注入口66は、図1又は図2の実施例と同様に、図6又は図7に記載の注入口の構造を取ることができる。第3室62は、複数個設けることが可能である。この場合、各第3室と副室82との間が、別個の第3イージーピールシール64により仕切られ、別々に剥離可能とすることができる。各第3室は、異なる薬液又は薬剤を収容するようにされる。副室82その他の構造は、図1〜図3のものと同様とすることができる。
【0017】
図5は、本発明の第5実施例であり、第2室52内に副イージーピールシール55が設けられ、第2室52の一部が第2の副室53にされた点を除き、図1の薬液バッグ10と同様の構造を備える。第2の副室53へは、側縁部12を切除する図7の形式の注入口を介して薬剤Tが挿入されるか、又は副イージーピールシール56を形成する前に、第2注入口56を介して第2の副室53へ薬剤Tを挿入される。副イージーピールシール55は、第2室52内又は第2の副室82内の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することによりを剥離され、第2室と第2の副室53と副室82とを流体連通させることができる。
【0018】
図1〜図5の実施例において、副室82は、注出口84を介し、副室84内の薬液を他容器内へ供給可能にされる。注出口84は、図8A及びBに示すように、鋭利な先端部86を備える中空針85、及びその先端部86を覆う安全キャップ88により構成可能であり、また図9に示すように、鋭利な先端部86を有する中空針85及び先端部86の周囲に配置される保護筒88により構成することができる。注出口84のその他の構造は、図6A及びBに示す注入口46と同様の樹脂製円筒部47及び円筒部47内部に配置されるゴム膜部材48を含む構造とすることができる。この場合、無菌処理された両頭針の一方の先端部により注出口84のゴム膜部材を貫通し、他方の先端部により輸液容器のゴム膜を刺通し、副室82内の薬液を輸液容器内へ流入させる。
【0019】
図1〜図5の実施例において、第1室、第2室、第3室又は第2の副室に薬液又は薬剤を充填するための注入口46、56又は66は、それぞれ図6A及びBに示す樹脂製円筒部97及び円筒部97内部に配置されるゴム膜部材98を含む構造とすることが可能である。また図6A及びBの構造に代えて、図7に示すように樹脂フィルムの一部を切除して各室と外部を連通する開口を形成し、その開口を介し、薬液又は薬剤を挿入後、開口付近の樹脂フィルムをヒートシールにより液体密封可能に強固に接着するものとすることが可能である。図1〜5の実施例において、第1室、第2室、第3室又は第2の副室は、薬液又は薬剤を収容され、副室82は、空の状態に構成されるが、副室82に薬液又は薬剤を収容することも可能である。
【0020】
図1〜図5の実施例において、薬液バッグの外部からの力で開封可能の各イージーピールシール44、54、55、64は、共通の圧力で開封されるようにし、同時に開封して薬液又は薬剤を混合し注出口から外部へ供給可能にすることができる。またこれに代えて、各イージーピールシールを開封する圧力を異なるものとし、各室を時間間隔をおいて開封し、各室の薬液又は薬剤を順次供給可能な構造とすることができる。薬液バッグの一部の室に凍結乾燥製剤などの固形薬剤を封入しておくことや、生理食塩水と凍結乾燥製剤を別々の室に封入しておき、必要時にイージーピールシールを剥離させ溶解させることができる。イージーピールシールの外側にタブを付けることによりイージーピールシールの選択開封がより容易に行うことができる。
【0021】
【発明の効果】
高カロリー輸液等の輸液は、それを用いる患者の病態別に種々の薬剤、例えば、微量金属、ビタミン剤、強心剤、鎮痛剤、脂肪輸液、を混ぜて投与されるが、例えば、輸液の中のアミノ酸酸化防止剤の亜硫酸塩によりビタミンB1の分解が進むこと等があり、輸液に種々の薬剤を長時間混ぜた状態でおくことは不都合である。また、混合される種々の薬剤は、それら同志を混合すると、混濁や分解を生じることがある。本発明の複数の室を有する医療用薬液バッグは、種々の薬剤をそれぞれ別室に保存し、それらの薬剤同志の混合による混濁や分解を生じないようにすると共に、輸液の使用直前又は使用中に順次種々の薬液を輸液に混合することができる。薬液の混合作業は、注射器等の別個の機器を使用することなく、容易に行うことができ、病院における混注作業の負担が軽減される。
【0022】
家庭で患者に輸液を点滴により投与する場合、比較的重量の大きい、例えば、1週間分14Kg程になる、輸液を運送業者により患者宅へ輸送し、本発明の医療用薬液バッグに封入された混注すべき薬剤だけを看護者が病院から持ち帰り家庭において混合することが可能であり、在宅看護において、看護者の労力負担を大きく軽減することができる。本発明によれば、輸液バッグ内へ患者に必要な微量薬剤を混注する作業を、病院又は在宅看護がなされる家庭において容易に且つ安全に行うことができる。
【0023】
本発明の薬液バッグは、各イージーピールシールの剥離に必要な圧力を異なるものとし、薬液バッグの注出口を点滴用輸液バッグの混合用ゴム栓に刺通状態とし、順次に薬液バッグの各室の薬液を点滴液に混合し、患者に投与することができる。本発明薬液バッグは、薬剤の注入又は挿入のため複雑な構造の注入口を設けることが不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の医療用薬液バッグの側面図。
【図2】図2Aは、本発明の第2実施例の医療用薬液バッグの側面図であり、図2Bは、 図2Aの線M−Mに沿って取った断面図。
【図3】図3Aは、本発明の第3実施例の医療用薬液バッグの側面図であり、図3Bは、 第3実施例の変形例の側面図。
【図4】本発明の第4実施例の医療用薬液バッグの側面図。
【図5】本発明の第5実施例の医療用薬液バッグの側面図。
【図6】図6Aは、注入口46の斜視図、図6Bは、図6Aの線F−Fに沿う断面図である。
【図7】図7A〜Dは、タブにより形成される注入口を使用し第1室及び第2室へ薬液を充填する工程を示す図であり、図7Aは、薬液注入前のバッグ10の側面図、図7Bは、第1室42のタブを切離して注入開口147を設けた状態を示す側面図、図7Cは、第1室への薬液Rの充填が済み、第2室へ注入開口157を介し充填ノズル160から薬液Sを充填する工程を示す側面図、図7Dは、注入開口147、157の付近の樹脂フィルムを接着し流体密封部148、158を形成する工程を示す側面図である。
【図8】図8Aは、注出口を形成する中空針85を示す側面図、図8Bは、中空針の先端を覆う安全キャップ88の側面図である。
【図9】図9は、注出口84の変形例を示す部分断面を含む側面図である。
【符号の説明】
10:薬液バッグ、12、12:側縁部、14、14:端縁部、16、16:傾斜縁部、22:仕切部、42:第1室、44:第1イージーピールシール、46:第1注入口、52:第2室、54:第2イージーピールシール、56:第2注入口、62:第3室、64:第3イージーピールシール、82:副室、84:注出口、85:中空針、88:安全キャップ、97:樹脂製円筒部、98:ゴム膜部材、146、156:注入口、147、157:注入開口、148、158:流体密封部、160:充填ノズル、R,S:薬液、T:薬剤。
Claims (8)
- 可撓性樹脂フイルムにより包囲されそれぞれ液体を密封し収容可能な第1室、第2室及び副室を有し、第1室及び第2室は、それぞれ外部から薬液又は薬剤を充填可能且つ閉鎖可能な第1注入口及び第2注入口を備えると共に、第1室と第2室との間には可撓性樹脂フイルムが強固に接着して形成された仕切部を備え、薬剤バッグの第1室、第2室にそれぞれ患者の病態に合わせた薬液又は薬剤が注入口を介し充填され、注入口が液体密封状態に閉じられ、第1室と副室との間に第1イージーピールシールが配置され、第2室と副室との間に第2イージーピールシールが配置され、第1室に収容された薬液が第1室の薬液を樹脂フィルムを介し外部から押圧することにより第1イージーピールシールを剥離させて副室へ流入可能であり、第2イージーピールシールは、第2室内又は副室内の薬液を外部から押圧することにより剥離され第2室と副室とを連通させる、副室が輸液バッグに連通可能な注出口を備えた医療用薬液混注用バッグ。
- 第1注入口及び第2注入口の少なくとも1つは、樹脂フイルムの一部分を切断して薬液を室内へ注入しその後フイルムの切断部分付近を密封するものである請求項1の医療用薬液混注用バッグ。
- 第1注入口及び第2注入口の少なくとも1つは、円筒形空間及び円筒形空間を遮断するゴム栓を備える管部材から成り、円筒形空間は、室内部と外部を連通可能であり、ゴム栓は、注射針又は連通針により貫通可能であり、注射針又は連通針を引き抜くことにより再シール可能である請求項1又は2の医療用薬液混注用バッグ。
- 注出口は、輸液バッグの注入口部と連通可能な先端部を備える連通針から成る請求項1乃至3のいずれか1項の医療用薬液混注用バッグ。
- 注出口は、円筒形空間及び円筒形空間を遮断するゴム栓を備える管部材から成り、円筒形空間は、副室の内部と外部を連通可能であり、ゴム栓は、連通針又は両頭針の一方の先端部により貫通可能である請求項1乃至3のいずれか1項の医療用薬液混注用バッグ。
- 第1室、第2室及び副室は、2枚の可撓性樹脂フイルムの周縁部が相互に強固に接着されて形成されるものである請求項1乃至5のいずれか1項の医療用薬液混注用バッグ。
- 第1室及び第2室の一方に固体の薬剤が収容される請求項1乃至6のいずれか1項の医療用薬液混注用バッグ。
- 薬液を収容可能な1以上の第3室を更に有し、各第3室と副室との間にそれぞれ別個に第3イージーピールシールが配置され、各第3室に収容された薬液又は薬剤がそれぞれ別個の第3イージーピールシールを剥離させて副室へ流入可能にされる請求項1乃至7のいずれか1項の医療用薬液混注用バッグ。
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