JP4974449B2 - 配管材固定具 - Google Patents
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Description
図1は本発明の実施の形態1に係る配管材固定具を示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係る配管材固定具を示す正面図である。図3は本発明の実施の形態1に係る配管材固定具を示す平面図である。図4は図3のA−A線断面図である。
図1〜4に示すように、実施の形態1に係る配管材固定具10は、一般にサドルと呼ばれる配管材固定具10に具体化され、発泡体等からなる保護管P1の内部に追焚き管等の管材P2を収容保護した配管材Pを、内壁面等の配設面に配設(配管)するために使用される。詳細には、実施の形態1に係る配管材固定具10は、台座11及び一対の周壁12,13有する。台座11は、前記配設面に密接状態で対向配置される略板状をなし、配設面に固定されるようになっている。具体的には、台座11は、幅方向(図2,3,4中の左右方向)に延びる平面略矩形の板状をなし、前記幅方向が配設面における配線材・配管材の配設経路と略直交するよう、前記配設面に配置される。また、台座11は、上面の幅方向中央に直線状の凹部11aを形成している。台座11の凹部11aは、台座11の前後方向(図3中の上下方向)全体に延設されている。そして、台座11の凹部11aの中央部には、台座11を厚さ方向(図2中の上下方向)に貫通する円形の挿通孔11bが形成されている。一方、台座11は、下面において前記挿通孔11bの周囲に、複数の肉抜き凹部11cを形成している。
次に、実施の形態1に係る配管材固定具10の使用方法並びに作用及び効果について説明する。図5は本発明の実施の形態1に係る配管材固定具を連接して一方の配管材固定具に配管材を挿入する過程を示す正面図である。
壁面等の配設面Sに実施の形態1の配管材固定具10を固定して使用する場合、まず、台座11の下面を配設面Sの所定位置に配置する。この状態で、台座11の挿通孔11bに木螺子等の締結具(図示略)の軸部を挿通し、締結具の軸部を配設面Sから壁等の内部に螺入して、台座11を介して両周壁12,13を壁面Wに固定する。なお、複数の配管材Pを並列して配管すべく、配管材固定具10を複数連接する場合、図5に示すように、隣接する一方の配管材固定具10の第1の連結部15の長さ方向一端から、他方の配管材固定具10の第2の連結部16を内部に挿着する。そして、このように複数の配管材固定具10を第1及び第2の連結部15,16を介して互いに連結した状態で配設面Sに固定する。これにより、両周壁12,13間の開口14から保持対象としての配管材Pを内部に挿入して保持することができる。即ち、配管材Pを両周壁12,13間の開口14内に圧入していくと、両周壁12,13が徐々に拡開して配管材Pの通過を許容する。このとき、周壁12,13の拡開に伴い、突起17,18が外側方へ移動し、隣接する配管材固定具10の突起17,18に接近する。しかし、周壁12,13の拡開に伴い、突起17,18は台座11側方向に変位し、隣接する配管材固定具10の突起17,18に接触したり干渉したりすることはない。その後、配管材Pが両周壁12,13間の収容空間内に収容されると、両周壁12,13が、その弾性力により通常状態に復帰し、両周壁12,13の内周面が配管材Pの外周面に密接して、配管材Pを定位置に保持する。このとき、両周壁12,13間に保持した配管材Pに対して開口14から抜け出る方向(図5中の上方)への力が働いたとしても、配管材Pは、両側壁12,13の内側面に当接して移動を規制され、ベース部10の開口14から外部に離脱することを阻止される。また、このとき、前記突条19が、配管材Pの外周面に係合して、配管材Pが長さ方向に位置ずれすることを阻止する。即ち、配管材Pとして外層に軟質発泡樹脂からなる保護管P1を有するものを使用した場合、突条19が、軟質発泡樹脂からなる断面略円形状の保護管P1の外周面に食い込み、保護管P1が長さ方向に位置ずれすることを阻止する。よって、配管材Pを開口14から両周壁12,13間の収容空間に圧入等するだけで、配管材Pを配管材固定具10に固定することができ、配管材の収容或いは保持作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
実施の形態1に係る配管材固定具10は、更に、上記のように両周壁12,13間に配管材Pを保持した後、両突起17,18間に線材を結線することができる。これにより、例えば、図8に示すように、配管材Pを配管材固定具の近傍で配設面Sから離間する方向に屈曲した場合等、両周壁12,13間の挟持力を超えて配管材Pが開口14から外部に抜け出るような大きな力(図8中の矢印方向の力)が作用した場合でも、開口14に掛け渡された線材Wにより、配管材Pが両周壁12,13間の開口14から外部に抜け出ることを阻止するようになっている。即ち、この場合、例えば、図6に示すように、線材Wを両突起17,18の基部17a,18aの基端側に環状に掛け渡して結線することができる。或いは、図7に示すように、線材Wを両突起17,18の一方の側の小突起17b,18b間に掛け渡して結線することもできる。更に、図示はしないが、線材Wを、一方の突起17の一方側(例えば右側)の小突起17bと、他方の突起18の他方側(例えば左側)との間に対角線上に掛け渡して結線することもできる。なお、これらの場合、線材Wとして多少の弾性を有するゴム製等の環状の線材等を使用し、線材Wを両突起17,18間の間隔より若干大きく引き伸ばして両突起17,18間に掛け渡した後、弾性により収縮させて基部17a,18aの基端間または小突起17b,18b間に掛け渡すことができる。なお、このとき、配管材Pを両周壁12,13間の開口14から外部に抜け出させる方向の力が働いた場合でも、両突起17,18間に結線した線材Wが必要以上に伸張して配管材Pが開口14から抜け出ることがないよう、線材Wの弾性(即ち、線材Wの材料)を適宜設定する。或いは、線材Wとして番線等の弾性を有しない一本の線状のものを使用し、その一端を一方の突起17の小突起17bに引っ掛けると共に、他端を他方の突起18の小突起18bに引っ掛けて、両突起17,18間に掛け渡して結線することもできる。
図9は、同一寸法の3個の配管材固定具10を幅方向に連接し、それら3個の配管材固定具10のうちの最も左側の配管材固定具10に、より小さい寸法の配管材固定具10Sを連接すると共に、最も右側の配管材固定具10に、より大きな寸法の配管材固定具10Lを連接した状態を示す。即ち、実施の形態1に係る配管材固定具は、第1及び第2の連結部15,16を同一寸法とする限りにおいて、台座11の幅や周壁12,13の高さ等、各種寸法を増減変更して実施することができ、この場合でも、これら寸法の異なる配管材固定具10,10S,10Lを、第1及び第2の連結部15,16を介して幅方向に連接することができる。そして、この場合において、例えば、線材Wを中央の3個の同一寸法の配管材固定具10に突起17,18を介して結線するには、まず、3個の配管材固定具10において両端に位置する突起17(図9中の最も左側の突起17)及び突起18(図9中の最も右側の突起18)に線材Wを引っ掛け等して固定する。また、それ以外の突起17,18については、小突起17b,18bの下側を単にくぐらせて線材Wを掛け渡す。即ち、両端の突起17,18以外の突起17,18については、線材Wを突起17,18の下側を単にくぐらせて掛け渡すだけでよく、結線作業を簡単に行うことができる。これにより、上記のように、各配管材固定具10において、両周壁12,13間の挟持力を超えて配管材Pが開口14から外部に抜け出るような大きな力が作用し、配管材Pが各配管材固定具10の開口14から外部に抜け出ようとした場合でも、開口14に掛け渡された線材Wに配管材Pが当接してそれ以上の移動を阻止される。このとき、図9に示すように、線材Wは、両端の突起17,18については突起17,18に引っ掛けて固定され、それ以外の突起17,18については突起17,18の下側を単にくぐらせて掛け渡されているため、図9中の上方に移動する配管材Pの力により、線材Wが突起17,18から上方に離脱することはない。よって、配管材Pが両周壁12,13間の開口14から外部に抜け出ることを確実に阻止することができる。なお、より大きい寸法の配管材固定具L及びより小さい寸法の配管材固定具10Sについては、各々の突起17,18間に線材Wを固定してもよいが、前記3個の配管材固定具10に結線した線材Wを、上記と同様にして掛け渡して結線してもよい。
ここで、配管材固定具10,10S,10Lへの結線方法は、図6や図7等で説明したような各種の方法を採用することができる。例えば、図9の例では、図7と同様の結線方法により、幅方向一側の突起17,18に線材W2を掛け渡してもよい。或いは、図10に示すように、図9の例においても、図6と同様の結線方法により、幅方向両側の突起17,18に線材W2を環状となるよう掛け渡して結線してもよい。この場合、やはり、3個の配管材固定具10において両端に位置する突起17(図10中の最も左側の突起17)及び突起18(図10中の最も右側の突起18)の基部17a,18aの基端側に線材Wを引っ掛け等して保持する。また、それ以外の突起17,18については、小突起17b,18bの下側を単にくぐらせて線材Wを掛け渡す。これにより、配管材Pが各配管材固定具10の開口14から外部に抜け出ようとした場合でも、開口14に掛け渡された(開口14部分で見ると合計2本の)線材Wに配管材Pが当接してそれ以上の移動を阻止される。
図11は本発明の実施の形態2に係る配管材固定具の突起を拡大して示す要部斜視図である。
図11に示すように、実施の形態2に係る配管材固定具110は、突起117,118の構成において実施の形態1に係る配管材固定具10と異なり、それ以外の構成は実施の形態1に係る配管材固定具10と同様である。即ち、一対の周壁12,13の外周面には、それぞれ、線材を引っ掛けて結線可能な形状の突起117が一体形成され、一対の突起117,118間に線材を引っ掛け等して掛け渡して結線することにより、一対の周壁12,13が互いに拡開して内部の配管材Pが外部に抜け出ることを防止するようになっている。なお、図11では、左側の周壁12の突起117のみ図示しているが、右側の周壁13の突起も、突起117を対称形状としたものであり、突起117と同様の構成である。具体的には、突起117は、実施の形態1に係る配管材固定具10突起17,18と同様の位置に配置されている。また、各突起117は、基部117aと小突起117bとを有する。前記基部117aは、周壁12,13の幅方向に所定幅で延びる略平板状をなし、周壁12,13の外周面から外側方に所定距離突出している。前記小突起117bは、対をなすよう、基部117aの幅方向両側面の略中央位置からそれぞれ側方に突出する。即ち、一対の小突起117bは、前記開口14と略平行となるよう周壁12,13の幅方向と略同一方向に突出する。このように、各突起117は、平面略十字状をなす。なお、各突起117の基部117aの周壁12,13からの突出長や、各小突起117bの基部117からの突出長は、実施の形態1の突起17,18と同様とすることができる。また、突起117の周壁12,13に対する傾斜角度についても、実施の形態1の突起17,18と同様とすることができる。
図12は本発明の実施の形態3に係る配管材固定具の突起を拡大して示す平面図である。
図12に示すように、実施の形態3に係る配管材固定具210は、突起217,218の構成において実施の形態1に係る配管材固定具10と異なり、それ以外の構成は実施の形態1に係る配管材固定具10と同様である。突起217,218は、実施の形態1の突起17,18の一方の小突起17b,18bを省略した構成となっており、それ以外の構成は実施の形態1の突起17,18と同様とすることができる。即ち、実施の形態3に係る配管材固定具210の各突起217,218は、周壁12,13の外周面から突出する基部17a,18aと、基部17a,18aの幅方向一側から周壁12,13の幅方向と略同一方向に突出する一つの小突起17b,18bとからなり、平面略L字状をなす。また、一対の突起217,218は、各々の小突起217b,218bが同一側に位置するよう、周壁12,13に配置されている。
図13は本発明の実施の形態4に係る配管材固定具の突起を拡大して示す平面図である。
図13に示すように、実施の形態4に係る配管材固定具310は、突起317,318の構成において実施の形態1に係る配管材固定具10と異なり、それ以外の構成は実施の形態1に係る配管材固定具10と同様である。突起317,318は、実施の形態3と同様、実施の形態1の突起17,18の一方の小突起17b,18bを省略した構成となっており、それ以外の構成は実施の形態1の突起17,18と同様とすることができる。即ち、実施の形態4に係る配管材固定具310の各突起317,318は、周壁12,13の外周面から突出する基部317a,318aと、基部317a,318aの幅方向一側から周壁12,13の幅方向と略同一方向に突出する一つの小突起317b,318bとからなり、平面略L字状をなす。更に、平面略L字状をなす一対の突起317,318は、実施の形態3と異なり、各々の小突起317b,318bが反対側に位置するよう、一対の周壁12,13に対して点対称に配置されている。一対の突起317,318の各々の小突起317b,318bが開口14を間に挟んで反対側に配置されるため、それら小突起間317b,318bに線材を結線することで、線材が開口14を略対角線上に延設されることになり、開口14からの配管材の離脱等をより効果的に防止することができる。
図14は本発明の実施の形態5に係る配管材固定具を連接した状態を示す正面図である。
図14に示すように、実施の形態5に係る配管材固定具410は、一対の突起17,18を、一対の周壁12,13の外周面において異なる周方向位置に配置した点において実施の形態1に係る配管材固定具10と異なる。実施の形態5に係る配管材固定具410のそれ以外の構成は、実施の形態1に係る配管材固定具10と同様とすることができる。具体的には、実施の形態5に係る配管材固定具410は、一方の突起17を、他方の突起18より台座11により近い位置に配置している。即ち、他方の突起18は、実施の形態1と同様、周壁13の先端部に配置され、一方の突起17は周壁12の先端部より若干台座11よりの位置(図14中の下方位置)に配置されている。これにより、実施の形態5に係る配管材固定具410は、複数の配管材固定具410を幅方向に連接したときに、隣接する突起が異なる周方向位置に配置されることになり、隣接する配管材固定具410において互いに対向する前記突起17,18が互いに干渉しないようにしている。
12,13:周壁、14:開口、15:第1の連結部、16:第2の連結部
17,18,117,118,217,218,317,318:突起
17a,18a,117a,217a,218a,317a,318a:基部
17b,18b,117b,217b,218b,317b,318b:小突起
Claims (6)
- 互いに対向して配置され、先端間に配管材を挿入するための開口を形成する一対の周壁と、
前記一対の周壁にそれぞれ一体形成され、線材を結線可能な形状の突起と、
前記一対の周壁のうちの一方の周壁の基端側に設けられた第1の連結部と、
前記一対の周壁のうちの他方の周壁の基端側において前記第1の連結部と対応する位置に設けられ、前記第1の連結部と連結自在な第2の連結部とを備え、
前記第1の連結部及び第2の連結部を連結することにより、複数の配管材固定具を幅方向に並設して連結自在とし、
前記一対の周壁の突起間に線材を掛け渡して結線することにより、前記一対の周壁が互いに拡開して内部の配管材が外部に抜け出ることを防止するようにした配管材固定具であって、
前記各突起は、少なくとも一つの小突起を有し、
前記周壁における突起の位置及び前記小突起の突出方向を、それぞれ、複数の配管材固定具を前記第1の連結部及び前記第2の連結部を介して幅方向に連結して並設したときに、前記結線しようとする複数の配管材固定具の並設方向両端に位置する突起に線材の両端部の各々を結線すると共に、前記並設方向両端の突起間に配置される突起の前記小突起の下側をくぐらせて前記線材を掛け渡すことができる位置及び突出方向として、前記周壁の先端側の位置及び前記周壁の幅方向と略同一方向に設定し、
前記複数の配管材固定具を前記第1の連結部及び前記第2の連結部を介して幅方向に連結して並設したときに、前記結線しようとする複数の配管材固定具の並設方向両端に位置する突起間に掛け渡すことができる長さの着脱自在な線材を使用して、前記結線しようとする複数の配管材固定具の並設方向両端に位置する突起に当該線材を結線すると共に、前記並設方向両端の突起間に配置される突起の前記小突起の下側をくぐらせて当該線材を掛け渡すようにしたことを特徴とする配管材固定具。 - 前記各突起は、前記周壁の外周面から突出する基部と、前記基部の幅方向両側から前記周壁の幅方向と略同一方向に突出する一対の小突起とからなり、平面略T字状または十字状をなすことを特徴とする請求項1記載の配管材固定具。
- 前記各突起は、前記周壁の外周面から突出する基部と、前記基部の幅方向一側から前記周壁の幅方向と略同一方向に突出する一つの小突起とからなり、平面略L字状をなすことを特徴とする請求項1記載の配管材固定具。
- 前記一対の周壁は対称形状の略円弧板状をなし、前記一対の周壁の内周面により形成される配管材の保持用の空間が断面略円形となるようにし、
前記突起は、前記周壁の先端位置に設けられると共に、壁面等の配設面への配設時において前記配設面から離間する方向へ傾斜して延びることで、前記突起が前記周壁の先端に対して前記配設面よりも更に離間する位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の配管材固定具。 - 前記突起の小突起は、それぞれが線材を結線可能な突出長を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の配管材固定具。
- 前記一対の周壁に形成した一対の突起間の角度は、前記一対の周壁間の開口の開口角度より大きく、かつ、180度より小さい角度としたことを特徴とする請求項4記載の配管材固定具。
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