以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる文書廃棄管理システムの全体構成を示すブロック図である。
このシステムは、複数のクライアント端末10(10−1,10−2,…)、画像形成装置30、文書管理装置50、文書廃棄装置70の各装置を、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等で構成されたネットワーク(NW)90を介して通信可能に接続して構成される。
各装置は、例えば、図2〜図4、及び図8に示すように、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、主記憶手段としてのメモリであるROM(Read Oniy Memory)やRAM(Random Access Memory)、周辺記憶手段としてのハードディスク、入力インタフェース、通信インタフェース等から構成される。
なお、図1のシステム構成において、画像形成装置30、文書管理装置50及び文書廃棄装置70についても、それぞれ、複数台配置しても良い。
図2は、図1におけるクライアント端末10の機能構成を示すブロック図である。
クライアント端末10は、PC(パーソナル・コンピュータ)等の汎用コンピュータにより実現され、図2に示すように、キーボードやマウス等の入力デバイスから成る入力/操作部11、操作ガイダンスや動作状態等の各種情報を表示する表示部12、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部13、装置全体の制御を行う制御部14、画像形成装置30、文書管理装置50等とNW90を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部15を備えて構成される。
制御部14には、入力/操作部11での所定の操作に応じて文書ファイル(電子文書データ:以下、電子文書)に対する各種の操作〔生成、保存(登録)、表示(閲覧)、編集、印刷指示等〕に関する処理を行うアプリケーション部141、文書管理装置50に対して電子文書、文書操作権限情報、文書に対する上記操作に係わるメタ情報等の情報を登録する情報登録処理、及び、文書管理装置50から電子文書や文書操作権限情報等の情報を取得する情報取得処理を行う情報登録/取得部142、入力/操作部11での所定の印刷指示操作に基づき印刷対象の電子文書の印刷ジョブを生成して画像形成装置30に送出する印刷ジョブ生成部143、文書に対して上述の各種操作がなされることにより情報登録/取得部142がメタ情報を登録する際、該操作により派生した文書であることを識別する文書識別情報(文書ID)等を含む文書属性情報を生成する文書属性情報生成部144、電子文書に対する操作に際し文書管理装置50におけるユーザ属性情報管理機能と協働してユーザ認証の制御を行うユーザ認証制御部145、電子文書に対する操作に際して、上記情報登録/取得部142が文書管理装置50の文書操作権限(ポリシー)管理機能から取得した文書操作権限情報に基づいて当該文書処理を実行するか禁止するかの文書処理許否制御を行う文書許否制御部146を具備して構成される。
図3は、図1における画像形成装置30の機能構成を示すブロック図である。
この画像形成装置30は、例えば、原稿読取(スキャン)、複写(コピー)、印刷(プリント)、FAX(ファクシミリ通信)等の複数の機能を有する複合機であり、図3に示すように、プラテン上にセットされる原稿(紙文書)の画像をスキャンし、電気的な画像信号(画像データ)に変換する読取部(スキャナ部)31、読取部31により紙文書をスキャンして得られたスキャンデータや、クライアント端末10から送られてくる印刷ジョブから印刷データを生成するための画像処理を行う画像処理部32、スキャンデータや動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部33、画像処理部32により生成された印刷データに基づき電子写真プロセスを実行して記録媒体(記録用紙)に該印刷データに対応する画像を形成する画像形成部34、タッチパネル機能を有する大型ビットマップディスプレイ等から成る表示/操作部35、スキャン、コピー、プリント及びFAX等の各機能に係わる該当各部の動作制御等、装置全体の制御を行なう制御部36、クライアント端末10、文書管理装置50、文書廃棄装置70等とNW90を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部37を備えて構成される。
制御部36には、印刷制御部361、読取情報抽出部362、情報登録/取得部363、文書/埋込情報生成部364、ユーザ認証制御部365、文書処理許否制御部366が設けられる。
印刷制御部361は、クライアント端末10から通信I/F部37を通じて受信される印刷ジョブ、あるいは、読取部31により紙文書をスキャンして得られるスキャンデータを基に画像処理部32で印刷データを生成させ、画像形成部34で該印刷データに基づく画像を記録用紙に形成(印刷)して紙文書として出力する印刷制御を行う。
読取情報抽出部362は、上記スキャンデータから読取対象の紙文書の文書データと該文書データに付加される付加データ〔文書IDや、後述する集約識別情報(集約ID)等の埋め込み情報〕とを分離して抽出する処理を行う。
情報登録/取得部363は、紙文書のスキャンやコピーの操作が行われた場合に、該操作により派生した文書であることを識別する文書ID等を含む文書属性情報を生成し、該文書属性情報を該操作に係わるメタ情報と共に登録するなどの情報登録処理、及び、文書管理装置50から、上記読取情報抽出部362により抽出された付加データに対応する文書操作権限情報を取得するなどの情報取得処理を行う。
文書/埋込情報生成部364は、上記スキャンデータから抽出された文書データに基づいてスキャンデータとして保持する電子ファイルを生成する処理の他、文書操作がN−upの印刷やコピー、あるいは両面印刷等の頁集約印刷である場合に、上記スキャンデータから抽出された文書データに埋め込んで紙文書上に印刷する埋め込み情報〔集約ID(集約印刷対象の元原稿がN−up印刷の何アップ目に当たるかを示すN−up ID)等〕を生成する処理を行う。
ユーザ認証制御部365は、紙文書のスキャンやコピー等に際してユーザから該ユーザを識別するためのユーザIDやパスワードを取得し、文書管理装置20と協働して該ユーザIDやパスワードに基づくユーザ認証の制御を行う。
文書処理許否制御部366は、ユーザ認証制御部365によるユーザ認証完了後、文書管理装置50と協働し、例えば、読取部31で紙文書の画像をスキャンして得たスキャンデータから抽出した付加データ(文書ID)と、ユーザ認証時にユーザから取得したユーザIDを基に、該紙文書に対する文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)に関する操作権限を文書管理装置50から取得し、該取得した操作権限に基づいて該文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)を実行するか禁止するかの文書処理許否制御を行う。
図4は、図1における文書管理装置50の機能構成を示すブロック図である。
文書管理装置50は、汎用のコンピュータから成り、図4に示すように、クライアント端末10、画像形成装置30、文書廃棄装置70等とNW90を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部51、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部52、例えば、ハードディスク駆動装置(HDD)で構成され、クライアント端末10から登録要求された電子文書等の情報を記憶する記憶装置53、装置全体の制御を行なう制御部54を具備して構成される。
制御部54には、クライアント端末10や画像形成装置30等から各種の情報の登録または取得要求を受付け、要求された情報の登録または検索の実行を後述の情報管理部542または情報取得配信処理部543に指示する処理要求受付部541、処理要求受付部541からの情報登録指示に基づき、要求された情報(電子文書、文書操作権限情報、電子文書または紙文書操作時におけるメタ情報等)を記憶部52または記憶装置53に登録すると共に、登録された情報の管理を行う情報管理部542、処理要求受付部541からの情報検索指示に基づき、取得要求された情報(文書操作権限情報、ユーザ認証情報等)を記憶部52または記憶装置53から検索して、要求元の装置に配信する処理を行う情報取得配信処理部543、画像形成装置30をユーザが利用する際に該ユーザが入力したユーザIDに基づき当該ユーザの認証制御を行うユーザ認証制御部544、文書廃棄装置70と協働して文書廃棄装置70に投入された紙文書の廃棄を許可または禁止するかを判定する文書廃棄許否判定処理部545が備わる。
また、記憶部52には、文書操作履歴管理テーブル(TB)521、登録文書管理テーブル(TB)522及び操作権限管理テーブル(TB)523が設けられる。
情報管理部542は、これら各テーブル521、522、523を用いて各種情報の管理を行う。
一例を挙げると、情報管理部542は、クライアント端末10での電子文書に対する各種操作時に情報登録/取得部142から送出される該電子文書の文書ID及びメタデータの登録要求(図9のS108a参照)、または、画像形成装置30での紙文書に対するスキャンやコピー等の操作時に情報登録/取得部363から送出される該紙文書の文書ID及びメタデータの登録要求(図10のS126a参照)に基づき、該登録要求された文書IDとメタデータとを関連付けて文書操作履歴情報として文書操作履歴管理テーブル(TB)521に保持、管理する。
図5は、文書管理装置50の文書操作履歴管理テーブル521に登録される文書操作履歴情報の一例を示す表図である。
図5において、文書操作履歴管理テーブル521には、文書ID、利用者ID、操作日時、利用端末(IPアドレス)、操作種別、派生元文書等の各情報項目から成る文書操作履歴情報が登録される。
この文書操作履歴管理テーブル521の登録情報中、符号(A1)で示す欄内の情報は、利用者ID=00001の利用者が、IPアドレス=123.456.789.011のクライアント端末10で、2006年9月10日10時11分に、文書ID=docu00001の電子文書を生成した場合に登録された文書操作履歴情報である。
同様に、符号(A2),(A3),(A4)で示す欄内の情報は、上記と同じ利用者が同じクライアント端末10を用いて、それぞれ、文書ID=docu00002、docu00003、docu00004の電子文書を生成した場合に登録された文書操作履歴情報である。
また、符号(B1)で示す欄内の情報は、利用者ID=00001の利用者が、IPアドレス=123.456.789.311の画像形成装置30で、2006年9月11日9時50分に、文書ID=docu10001の電子文書を印刷した場合に登録された文書操作履歴情報である。
同様に、符号(B2),(B3),(B4)で示す欄内の情報は、利用者ID=00001の利用者が、IPアドレス=123.456.789.311の画像形成装置30またはIPアドレス=123.456.789.312の画像形成装置30を用いて、それぞれ、文書ID=docu10002、docu10003、docu10004の電子文書を印刷した場合に登録された文書操作履歴情報である。
また、符号(C1)で示す欄内の情報は、利用者ID=00001の利用者が、IPアドレス=123.456.789.311の画像形成装置30で、2006年9月11日11時15分に、文書ID=docu10001、docu10002、docu10003、docu10004の4枚の紙文書を、文書ID=docu20001を付して4−upコピーした場合に登録された文書操作履歴情報である。
また、符号(D1)で示す欄内の情報は、利用者ID=00001の利用者が、IPアドレス=123.456.789.711の文書廃棄装置70で、2006年9月15日10時15分に、文書ID=docu20001の紙文書(4−upコピー)を廃棄した場合に登録された文書操作履歴情報である。
また、情報管理部542は、クライアント端末10での電子文書の生成時には、該電子文書の生成に係わるメタデータの登録要求に先立ち情報登録/取得部142から送出される文書登録要求(図9のS107a参照)、あるいは、画像形成装置30での紙文書のスキャン時には、該紙文書のスキャンに係わるメタデータの登録要求に先立ち情報登録/取得部363から送出される電子文書(スキャンデータに相当)の登録要求に基づき、該登録要求された電子文書を、例えば、記憶装置53に設けたデータベース(DB)の空き領域に格納すると共に、該格納場所と、当該登録要求に含まれる文書IDを関連付けて、例えば、記憶部52内に設けられる登録文書管理テーブル(TB)522上に保持、管理する。
特に、本発明では、クライアント端末10での電子文書の生成時に情報登録/取得部142から送出される文書登録要求には、登録対象の電子文書と該電子文書の文書IDの他、該電子文書の画像データ、及び類似度の情報も含まれ、情報管理部542は、該文書登録要求に基づき、登録文書管理テーブル522上で、該文書IDに対応して、電子文書及びその画像データの格納場所に加えて、更に、類似度の情報も登録、管理する。
図6は、文書管理装置50における記憶装置53及び登録文書管理テーブル522を用いた情報管理形態の一例を示す概念図である。
図6の例によれば、例えば、クライアント端末10から電子文書1とその文書ID(=docu00001)、画像データ並びに類似度(95%)を含む登録要求を受けた場合、情報管理部542は、該電子文書1を記憶装置53のftp://xxxxxに格納し、かつ、その画像データを該記憶装置53のftp://xxxxaに格納する一方で、該電子文書1の文書ID(=docu00001)に対応して、当該電子文書1及び画像データそれぞれの格納場所(=ftp://xxxxx)、(ftp://xxxxa)と、類似度(=95%)の情報を関連付けて登録文書管理テーブル522に登録する。
同様に、情報管理部542は、クライアント端末10から電子文書2,3,4とその文書ID(=docu00002),(=docu00003),(=docu00004)、画像データ並びに類似度(85%),(95%),(70%)を含む登録要求を受けた場合、該電子文書2,3,4の文書ID(=docu00002),(=docu00003),(=docu00004)にそれぞれ対応して、当該電子文書2,3,4、及び、これら各文書の画像データそれぞれの格納場所〔(=ftp://yyyyy)、(ftp://yyyya)〕,〔(=ftp://zzzzz)、(ftp://zzzza)〕,〔(=ftp://vvvvvv)、(ftp://vvvva)〕と、類似度(=85%),(=95%),(=70%)の情報を関連付けて登録文書管理テーブル522に登録する。
ここで、類似度の値はセキュリティレベルに応じた値であり、セキュリティレベルが高い程、大きな値に設定されている。
また、情報管理部542は、登録文書管理テーブル522上で文書IDに対応して管理される各電子文書1,2,3,4が画像形成装置30により文書IDを埋め込んで、それぞれ、例えば、紙文書41,42,43,44(図11参照)として印刷された後、該紙文書41,42,43,44が、例えば、4−upコピーされる際、これらの各文書IDとその時の用紙サイズ及び集約数(up数=4)を画像形成装置30から取得し(図13のS3451参照)、該各文書IDに対応して登録されているオリジナルの画像データを該用紙サイズとup数に応じて拡大又は縮小(拡縮)した拡縮画像データを生成してそれぞれ記憶装置53に格納し(図13のS551参照)、その際、登録文書管理テーブル522には、当該各文書IDに対応して、対応する拡縮画像データの格納場所(=ftp://xxxxb),(ftp://yyyyb),(=ftp://zzzzb),(ftp://vvvvb)を追加、登録する。
また、情報管理部542は、上述した文書の生成、登録に際し、文書メタデータの登録に続いてクライアント端末10から該文書に関する操作権限情報の入力を受け付け(図9のS110a参照)、該入力された操作権限情報を当該文書の文書IDに対応付けて操作権限情報管理テーブル523に設定し(図9のS503参照)、管理する。
図7は、文書管理装置50における文書操作権限情報管理テーブル523に登録される情報の一例を示す表図である。
この例の文書操作権限情報管理テーブル523によれば、生成された電子文書の文書IDに対応して、例えば、閲覧、印刷、スキャン、コピー、廃棄等の各種別の文書操作に関するセキュリティレベル別の操作許否条件〔例えば、フラグ“1”有りが許可を示し、フラグ“1”なしが操作禁止〕が設定されている。
ここで、セキュリティレベルa,b,cは、例えば、一般社員、部長、役員等の肩書きによって区分けができる。
一方で、情報管理部542は、例えば、記憶部52内に設けられるユーザ属性情報管理テーブル(不図示)を用いて、ユーザが上記のどの肩書き(セキュリティレベル)に属するかを対応付けたユーザ属性情報を保持、管理している。
これにより、ユーザがクライアント端末10や画像形成装置30を利用する際、該ユーザのユーザIDを取り込み、上記ユーザ属性情報を参照して該ユーザIDに対応するセキュリティレベル(肩書き)を特定したうえで、更に、操作権限情報管理テーブル523から当該文書操作に対する当該セキュリティレベルの操作許否条件を特定することで当該文書に対する操作許否制御が実現できる。
図8は、図1における文書廃棄装置70の機能構成を示すブロック図である。
文書廃棄装置70は、紙文書等の廃棄対象を投入する廃棄対象投入部71、廃棄対象投入部71に投入された紙文書の画像をスキャンし、電気的な画像信号(画像データ)に変換する読取部72、開閉制御可能なゲートを有し、該ゲートを開いて廃棄対象投入部71から紙文書を取り込み、細断する細断部73、タッチパネル機能を有するビットマップディスプレイ等から成る表示/操作部74、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部を有し、該動作プログラムに基づき装置全体の制御を行なう制御部75、文書管理装置50等とNW90を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部76を具備して構成される。
制御部75には、情報読取制御部751、文書廃棄許否制御部752、ユーザ認証制御部753が備わる。
情報読取制御部751は、廃棄対象投入部71に廃棄対象の紙文書が投入され、表示/操作部74により文書廃棄開始の操作がなされることにより、読取部72を駆動して該紙文書に形成された画像の読取(スキャン)制御を行なう。
文書廃棄許否制御部752は、投入された紙文書から読取部72により読取られた画像データに基づき、文書管理装置50と協働して該紙文書を廃棄または廃棄禁止する文書廃棄許否制御を行う。
ユーザ認証制御部753は、文書廃棄開始操作の受付けに先立ってユーザからユーザIDやパスワードを取得し、文書管理装置50と協働して該ユーザIDやパスワードに基づくユーザ認証制御を行う。
上記構成を有するシステムにおいて、ユーザは、クライアント端末10を用いて、電子文書の生成、登録、閲覧、編集、廃棄、画像形成装置30による紙文書としての印刷等の操作を行うことができ、また、画像形成装置30を用いて、上記紙文書のスキャンやコピー等の操作を行うことができ、更には、文書廃棄装置70を用いて紙文書の廃棄を行うことができる。
このシステムでは、上述した、電子文書から紙文書への変換、紙文書から電子文書への変換、紙文書の廃棄というドキュメントライフサイクルにおける文書の操作履歴を文書操作履歴管理テーブル521(図5参照)を用いて管理できることを基本としながら、文書IDが埋め込まれた複数の紙文書から1枚の紙文書を派生させる頁集約印刷(N−upコピーや両面コピー等)操作がなされた場合でも、元文書の追跡を通して、文書廃棄装置70での当該派生文書(N−upコピー結果や、両面印刷結果に当たる紙文書)の廃棄制御を可能にするものである。
この頁集約印刷された紙文書の廃棄制御を実現するため、本発明に係わるシステムの各装置は、それぞれ、図1におけるシステム構成中に各符号(101,301,501,502,701,702)を付して示す処理機能を有する。
例えば、クライアント端末10において、情報登録/取得部142は、文書管理装置50への電子文書の登録に際し、該電子文書の文書IDと画像データを生成すると共に、更に、類似度の設定操作を受付け、文書管理装置50に対して、該文書IDに対応して電子文書、その画像データ及び類似度の登録を要求する画像データ/類似度登録要求機能101を有する。
ここで登録要求する類似度は、文書管理装置50が、後述する文書廃棄許否判定処理(図18参照)において、文書廃棄装置70から、廃棄対象として投入された紙文書から読取った任意数の集約画像データと、任意数の文書ID及び集約ID対を含む文書廃棄許否判定要求を受付け、各文書IDをキーに集約画像データと照合用画像データを照合してそれぞれ類似度を算出し、該算出した類似度がしきい値を超えているか否かに応じて紙文書を廃棄するか否かを判定する際の上記しきい値として用いられるものである。
また、画像形成装置30において、印刷制御部361は、クライアント端末10から印刷指示された電子文書を文書IDを埋め込んで紙文書として印刷する機能に加えて、文書IDが埋め込まれた複数の紙文書を1枚の紙文書に集約して印刷(N−upコピー等)する際、これら印刷対象の各文書(元文書)の集約画像データ(各文書の画像データを指定された用紙サイズ及び集約数に応じて拡縮処理した画像データ)がN分割領域のうちの集約ID=n/N(nは、1以上の整数。N=2,4,6,…)によって示される各領域に各々配置され、かつ、該各文書毎に、文書ID及び集約IDが埋め込まれた紙文書として集約印刷する集約ID付加印刷機能301を有する。
また、文書管理装置50において、情報管理部542は、クライアント端末10の画像データ/類似度登録要求機能101からの上記登録要求に基づき、文書IDに対応して該当する電子文書、その画像データ(該当する文書の画像データを所定の用紙サイズ及び集約数に応じて拡縮した照合用画像データ)、及び類似度を登録文書管理テーブル522を用いて登録、管理すると共に、文書IDを埋め込んだ複数の紙文書を画像形成装置30で1枚に集約印刷する際、該各紙文書の文書IDと用紙サイズ及び集約数の情報を該画像形成装置30から取得して該文書IDに対応する文書の画像データを当該用紙サイズと集約数に基づいて拡縮して上記参照用画像データを生成し、これを保持、管理する画像データ/類似度管理機能501を有する。
また、文書管理装置50において、文書廃棄許否判定処理部545は、文書廃棄装置70から、廃棄対象の紙文書から読取った、任意数の集約画像データと、任数の文書ID及び集約ID対を含む文書廃棄許否判定要求を受付け、文書ID毎に該文書IDをキーに集約画像データと照合用画像データを照合して類似度を算出すると共に、該算出された全ての類似度が各々該当する設定値(しきい値)を超え、かつ、集約画像データが集約IDが示す集約数(up数:N)分揃っているか否かに応じて当該文書の廃棄を許可するか否かを判定し、該判定結果を文書廃棄装置70に応答送信する文書廃棄許否判定機能502を有する。
また、文書廃棄装置70において、文書廃棄許否制御部752は、頁集約印刷された紙文書(例えば、N−upコピーの出力結果)を読取走査して得た画像読取出力から集約画像データと、文書ID及び集約ID対を分離抽出し、該抽出した任意数の集約画像データと、任意数の文書ID及び集約ID対を含む文書廃棄許否判定要求を文書管理装置50に送出する集約ID付加文書廃棄許否判定要求機能701と、該文書廃棄判定要求に対して文書管理装置50の文書廃棄許否判定機能502から応答送出される上記判定結果を受信し、該判定結果が廃棄許可である場合には、細断部73のゲートを開いて紙文書を取り込んで該紙文書を廃棄し、廃棄不許可である場合には上記ゲートを閉じた状態に維持して紙文書の廃棄を禁止する文書廃棄許否制御機能702とを有する。
かかる機能構成を有する各装置を通信接続して成る本発明のシステム構成(図1参照)によれば、画像形成装置30において、集約ID付加印刷機能301が、用紙サイズ及び集約数Nを指定した複数の文書の集約印刷指示に応じて、該各文書を、用紙サイズ及び集約数に応じて拡縮した各文書の集約画像データをN分割された中の該当する領域に各々配置し、かつ、該各文書毎に、文書ID及び集約IDが埋め込まれた紙文書(集約ID付加文書)として印刷した後、文書廃棄装置70において、紙文書(集約ID付加文書)が投入され文書廃棄開始操作がなされた際、集約ID付加文書廃棄許否判定要求機能701が、紙文書上の集約画像と、文書ID:集約ID対の情報を読取り、該読取った任意数の集約画像データと任意数の文書ID:集約ID対の情報を含む文書廃棄判定要求を文書管理装置50に送出する一方、文書管理装置50では、文書廃棄許否判定機能502が、上記文書廃棄判定要求に基づき、文書ID毎に該文書IDをキーに集約画像データと照合用画像データを照合して類似度を算出し、該算出された全ての類似度が各々該当するしきい値を超え、かつ、集約画像データが集約IDが示す集約数(up数:N)分揃っている場合に廃棄許可を示す判定結果を応答送信し、更に、文書廃棄装置70では、文書廃棄許否制御機能702が、上記判定結果を解析して廃棄許可を示していることを認識し、ゲートを開いて紙文書を細断部73に取り込んで廃棄する制御が行なわれる。
以上に述べた各装置の機能構成を踏まえ、以下、本発明のシステムにおける処理動作についてより詳しく説明する。
図9は、本発明のシステムにおける文書生成、登録処理に係わるクライアント端末10と文書管理装置50間の制御シーケンスを示す図である。
図9に示す文書登録処理に際し、クライアント端末10は、入力/操作部11での所定のユーザ操作に基づき、アプリケーション部141に指示してアプリケーション(文書処理アプリケーション)を起動し(ステップS101)、編集画面を表示して情報の入力を受付け、該入力情報に基づいて電子文書を生成する(ステップS102)。
電子文書生成処理中、文書属性情報生成部144は、ユーザにより入力/操作部11で文書登録操作がなされたか否かを監視し(ステップS103)、登録操作がなされた場合(ステップS103YES)、例えば、登録設定画面を用いて所望の文書IDをユーザに入力させる等の方法により、該電子文書データを識別する文書IDを生成する(ステップS104)。
なお、上記ステップS102では、例えば、文書管理装置50等に事前に登録されている電子文書データを取得する処理も許容し、電子文書データが登録先から取得された場合、ステップS104では、その登録先から該電子文書データの文書IDを取得するようにしても良い。
上記ステップS104で文書IDの生成が完了すると、引き続き、情報登録/取得部142は、当該電子文書の画像データを生成し(ステップS105)、更には、例えば、表示部12に所定の類似度設定受付画面を設定し、該画面上で所望の類似度の入力を受付ける処理(ステップS106)を行う。
そして、この類似度設定受付け処理が終了すると、情報登録/取得部142は、それまでに生成された電子文書、該電子文書の画像データ及び類似度の情報を登録する処理(ステップS107)と、上記ステップS104で生成(または、取得)した文書IDを含む各種データ(該電子文書データの登録に関するメタデータ)を登録する処理(ステップS108)を順次実施する。
ステップS107での電子文書、画像データ及び類似度の登録処理に際し、情報登録/取得部142は、電子文書データ(上記ステップS102で生成)、文書ID(同、ステップS104で生成)、画像データ(同、ステップS105で生成)、類似度(同、ステップS106でユーザより受付け)を含む電子文書登録要求を文書管理装置50に送出する(ステップS107a)。
これに対し、文書管理装置50では、クライアント端末10が送出した上記電子文書登録要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、該登録要求に含まれる電子文書と画像データを、例えば、記憶装置53に設けたデータベース(DB)に格納すると共に、該格納場所と、当該登録要求に含まれる類似度の情報を、該登録要求に含まれる当該文書の文書IDに対応付けて登録文書管理テーブル522上に登録(図6参照)する(ステップS501:電子文書/画像データ/類似度登録処理)。
また、上記ステップS108での電子文書メタデータ登録処理に際し、情報登録/取得部142は、該電子文書データの生成に際して文書属性情報生成部144により生成された文書IDと共に、該文書登録に関する各種メタデータを含む登録要求を文書管理装置50に送出する(ステップS108a)。
なお、この文書メタデータ登録処理に際し、文書属性情報生成部144では、上記メタデータとして、該文書を生成した利用者の利用者ID、該文書の生成日時、該文書を生成したクライアント端末のIPアドレス、該文書操作種別(この場合は「生成」)等の情報を生成し、上記文書メタデータ登録要求に含めて送出する。
これに対し、文書管理装置50では、クライアント端末10が送出した上記電子文書メタデータ登録要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、該登録要求に含まれる文書ID、各種メタデータを対応付けて文書操作履歴管理テーブル521に文書操作履歴情報(図5参照)として格納する(ステップS502:電子文書メタデータ登録処理)。
具体的な例を挙げると、例えば、上記ステップS102で生成され、上記ステップS104で文書ID=docu00001が生成された電子文書の登録時には、この時のクライアント端末10からの電子文書メタデータ登録要求に含まれる文書ID、該文書のメタデータに基づき、文書操作履歴管理テーブル521には、図5の符号(A1)欄に示すような該文書ID(=docu00001)に対応するエントリが新たに生成され、該エントリ内の利用者ID,操作日時,利用端末(IPアドレス),操作種別の各情報項目欄には、該電子文書メタデータ登録要求にメタデータとして含まれる利用者の利用者ID、該文書の生成日時、該文書を生成したクライアント端末のIPアドレス、該文書操作種別(=「生成」)の各情報が該文書の操作履歴情報として格納される。
同様に、上記ステップS102で生成され、上記ステップS104で文書ID=docu00002,docu00003,docu00004が生成された各電子文書の登録時においても、文書操作履歴管理テーブル521には、それぞれ、図5の符号(A2),(A3),(A4)欄に示すような文書操作(「生成」)履歴情報が格納される。
上記ステップS108での文書メタデータの登録完了後、引き続き、情報登録/取得部142は、上記ステップS107で登録した文書データに対する操作権限の登録設定処理に移行する。
この操作権限登録設定処理において、情報登録/取得部142は、例えば、上記ステップS107、S108での文書データ及び文書メタデータの登録処理の終了後、操作権限設定要求があるか否かを監視し(ステップS109)、設定要求がある場合(ステップS109YES)、ユーザによって入力された設定内容情報を含む権限設定要求を文書管理装置50に送り(ステップS109a)、文書管理装置50では、情報管理部542が、該文書権限設定要求を受けてその設定内容を文書操作権限情報管理テーブル523に設定する処理を行う(ステップS503)。
これにより、それぞれ上記ステップS102で生成され、それぞれ上記ステップS104で文書ID=docu00001,docu00002,…が生成された各電子文書を対象とする操作権限登録処理に際し、文書操作権限情報管理テーブル523には、例えば、図7に示すように、該各電子文書の文書ID(=docu00001,docu00002,…)にそれぞれ対応して、閲覧、印刷、スキャン、コピー、廃棄等の各種別の操作に関する操作権限の有無(権限有=フラグ“1”あり,権限なし=フラグ無し)が、利用者の属性〔役職等に対応して決められるセキュリティレベル〔例えば、レベルa(レベル高):部長職以上、レベルb(レベル中):課長職以上、レベルc(レベル低):一般社員〕に関連付けて登録設定される。
図10は、本発明のシステムにおける電子文書の印刷処理に係わるクライアント端末10と文書管理装置50間の制御シーケンスを示す図である。
図10に示す電子文書印刷処理に際し、クライアント端末10は、例えば、図9のステップS101と同様にアプリケーションを起動し(ステップS121)、更に、図9のステップS102と同様の処理により電子文書データを生成または取得する(ステップS122)。
電子文書データの生成(あるいは、取得)が終了すると、文書属性情報生成部144は、ユーザにより入力/操作部11を用いて該電子文書に対する印刷開始操作がなされたか否かを監視し(ステップS123)、ある画像形成装置30を出力先として指定した印刷開始操作がなされた場合(ステップS123YES)は、該電子文書の印刷による派生文書を識別するための文書IDを生成する(ステップS124)。
この場合も、例えば、図9のステップS104と同様、登録設定画面を用いて所望の文書IDをユーザに入力させる等の方法により文書IDを生成することができる。また、文書属性情報生成部144が、印刷対象の電子文書データに基づいてハッシュ値を算出し、該ハッシュ値を文書IDとして生成するようにしても良い。
次いで、印刷ジョブ生成部143は、上記ステップS122で生成(または、取得)した電子文書データと、上記ステップS124で生成した文書IDとから印刷ジョブを生成する(ステップS125)。
ここで、印刷ジョブ生成部143は、印刷対象の電子文書データを、対応する文書IDを付与して描画する描画命令、より具体的には、電子文書データと、該電子文書データを基に文書IDとして算出されたハッシュ値に対応するQRコードとを描画する命令を記述した印刷ジョブを生成する。
ステップS125で印刷ジョブが生成された後、情報登録/取得部142は、ステップS124で生成した文書IDに対応付けて、該電子文書の印刷に係わるメタデータを登録する処理(ステップS126)を実施する。
この文書印刷に係わるメタデータの登録処理に際し、情報登録/取得部142は、上記文書IDと共に、該文書印刷に関する各種メタデータを含む登録要求を文書管理装置50に送出する(ステップS126a)。
なお、該登録要求の送出に際し、文書属性情報生成部144では、上記メタデータとして、該文書の印刷を行った利用者の利用者ID、該文書を印刷した日時、該文書の出力先の画像形成装置30のIPアドレス、該文書操作種別(この場合は「印刷」)、派生元文書情報(印刷指示された電子文書の文書ID)等の情報を生成して送出する。
これに対し、文書管理装置50では、クライアント端末10が送出した上記文書印刷メタデータ登録要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、該登録要求に含まれる文書ID、各種メタデータを文書操作履歴情報(図5参照)として文書操作履歴管理テーブル521に格納する(ステップS511:文書印刷メタデータ登録処理)。
具体的な例を挙げると、例えば、登録文書管理テーブル522(図6参照)において、文書ID(=docu00001)に対応付けて管理される登録電子文書の印刷時には、クライアント端末10からの該文書の印刷に係わる文書印刷メタデータ登録要求に含まれる文書ID、該文書のメタデータに基づき、文書操作履歴管理テーブル521には、図5の符号(B1)欄に示す該文書ID(=docu10001)に対応するエントリが新たに生成され、該エントリ内の利用者ID,操作日時,利用端末(IPアドレス),操作種別、派生元文書の各情報項目欄には、当該文書印刷メタデータ登録要求にメタデータとして含まれる利用者の利用者ID(この例では、00001)、該文書の印刷日時(同、2006年9月10日10時20分)、該文書の出力先の画像形成装置30のIPアドレス(同、123.456.789.311)、該文書操作種別(=「印刷」)、派生元の電子文書の文書ID(=docu00001)の各情報が該文書の操作(印刷)履歴情報として格納される。
上記文書印刷メタデータの登録が終了すると、印刷ジョブ生成部143は、上記ステップS125で生成した印刷ジョブを通信I/F部15を通じ、NW90を介して画像形成装置30に送信する印刷指示処理を行う(ステップS127)。
これに対し、画像形成装置30では、クライアント端末10が送出した上記印刷ジョブを通信I/F部37を通じて受信すると、印刷制御部361が、該印刷ジョブに基づき紙文書を印刷出力する処理(ステップS301)を実行する。
この印刷処理において、印刷制御部361は、受信した印刷ジョブ中の描画命令を解析し、その解析結果に従って、画像処理部32で、該印刷ジョブに含まれる各文書データを画像として描画し、かつ、該印刷ジョブに含まれる文書IDに相当するQRコードの画像を所定の個所に埋め込んで描画し得る印刷イメージデータを生成させ、画像形成部34により、該印刷イメージデータを基に、上記文書IDに相当するQRコードから成る画像が指定個所に形成され、かつ、文書データ内容に相当する画像が形成された記録用紙(紙文書)を印刷出力させる。
図11は、画像形成装置30における紙文書印刷処理(図10のステップS301)による紙文書印刷出力例を示す概念図である。
図11において、同図(a),(b),(c),(d)は、それぞれ、登録文書管理テーブル522(図6参照)において、文書ID(=docu00001),(=docu00002),(=docu00003),(=docu00004)に対応付けて管理される登録電子文書1,2,3,4の印刷出力例を示している。
電子文書1の出力結果である紙文書41〔図11(a)〕には、該電子文書1の文書データの画像401と、該電子文書1の文書ID(=docu00001)の値を持つ埋め込み情報(QRコード)の画像402が印刷される。
同様に、電子文書2,3,4それぞれの出力結果である紙文書42〔図11(b)〕,紙文書43〔図11(c)〕,紙文書44〔図11(d)〕にも、各々、該電子文書2,3,4の文書データの画像401と、該各電子文書2,3,4の文書ID,(=docu00002),(=docu00003),(=docu00004)の値を持つ埋め込み情報(QRコード)の画像402が印刷される。
次に、図11に示す出力形態を有する紙文書を画像形成装置30でコピーする場合の処理動作について説明する。
図12は、本発明のシステムにおける紙文書のコピー処理に係わる画像形成装置30と文書管理装置50との間の制御シーケンスを示す図である。
画像形成装置30において、紙文書をスキャンする場合、ユーザは、まず、ユーザ認証操作を行う。
ユーザ認証操作を受付けるために、ユーザ認証制御部365は、例えば、表示/操作部35に、ユーザID及びパスワードの入力を促す操作ガイダンスを表示し、入力該操作ガイダンスに従ってユーザにより入力されるユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証処理を行う(ステップS311)。
このユーザ認証処理において、ユーザ認証制御部365は、ユーザにより入力されたユーザID及びパスワード(ユーザ認証情報)を含むユーザ認証要求を文書管理装置50に送出する。
これに対し、文書管理装置50では、画像形成装置30から送出されたユーザ認証要求を処理要求受付部541で受付ける(受信する)と、ユーザ認証処理部544が、該ユーザ認証要求に含まれるユーザID及びパスワードを抽出し、該ユーザIDをキーにユーザ属性情報管理テーブル(不図示)を検索して該ユーザIDが登録されており、かつ、該ユーザIDに対応して登録されているパスワードが受信したパスワードと一致するか否かによりユーザ認証OKかNGかを判別するユーザ認証処理を行い(ステップS521)、該判別結果(ユーザ認証結果)を画像形成装置30に送出する。
他方、画像形成装置30では、文書管理装置50から送出される上記ユーザ認証判別結果を受信すると、ユーザ認証制御部365は、該判別結果がユーザ認証OKかユーザ認証NGかを判別し、ユーザ認証OKである場合に、ユーザによる各種機能の開始操作を受付け可能に制御する。
ここで、紙文書をコピーする場合、ユーザは、該紙文書を、例えば、プラテン上の所定の読取位置にセットした後、表示/操作部35を用いてコピー開始操作を行う。
一例として、図11に示した4枚の紙文書41,42,43,44を4upコピーする場合、各紙文書41,42,43,44を、プラテン上に、例えば、図14に示す態様で並べてセットしたうえで、処理メニューの中から“N−upコピー”を選択してup数〔1枚の紙に集約する紙文書の枚数(集約数)〕N=4を指定し、更に、用紙サイズを指定したうえで“コピー開始”ボタンを押下する。
これに対し、上記ユーザ認証の完了後、画像形成装置30では、制御部36が、コピー開始操作が行われたか否かを監視し(ステップS321)、コピー(4−upコピー)開始操作が行われると(ステップS321YES)、読取部31を駆動して、プラテン上の紙文書の画像をスキャンし、該読取部31から得られる画像データ(スキャンデータ)を、例えば、記憶部33に保持しながら該スキャン動作を続ける(ステップS322)。
その後、このスキャン動作が終了すると(ステップS323YES)、読取情報抽出部362は、記憶部33に保持されたスキャンデータから、各紙文書の文書データと各紙文書に埋め込まれた文書IDとを分離抽出する(ステップS324)。
次いで、文書処理許否制御部366は、上記ステップS324で抽出した各文書IDと、上記ステップS311のユーザ認証処理に際してユーザから取得したユーザIDを含む文書処理権限問合せ要求を文書管理装置50に送出する(ステップS325)。
一方、文書管理装置50では、画像形成装置30から送出された上記文書処理権限問合せ要求を処理要求受付部541で受付ける(受信する)と、情報取得配信処理部543が該文書処理権限問合せ要求に基づいて権限情報検索配信処理を行う(ステップS531)。
この権限情報検索配信処理において、情報取得配信処理部543は、受信した文書処理権限問合せ要求に含まれるユーザID、各文書IDを抽出したうえで、該抽出したユーザIDに対応する権限レベル〔a,b,c(役職等に応じて決められている)〕をユーザ属性管理テーブル(不図示)から取得すると共に、該取得した権限レベルと、該ユーザIDと共に抽出した各文書IDをキーに、文書操作権限情報管理テーブル523(図7参照)から、該各文書IDに関連付けられている権限情報〔許可される操作内容(「閲覧」、「印刷」、「スキャン」、「コピー」等)を示す〕を調べて、該権限情報を画像形成装置30に通知する。
他方、画像形成装置30において、文書処理許否制御部366は、文書管理装置50から送られる権限情報を受信し(ステップS326)、該権限情報を解析して、上記ステップS321でユーザにより指示された文書処理(コピー)が許可されているか否かを判別する(ステップS327)。
ここで、上記文書処理(コピー)が許可されていないと判別された場合(ステップS327で不許可)には、その旨を示すエラーメッセージを表示/操作部35に表示し(ステップS328)、その後、待機状態に復帰する。
これに対して、上記ステップS321でユーザにより指示された文書処理(コピー)が許可されていると判別された場合(ステップS327で許可)、印刷制御部361は、情報登録/取得部363、文書/埋込情報生成部364等と協働し、上記ステップS324でスキャンデータから分離抽出された各文書データ及び各文書ID、上記ステップS321でユーザにより指示された用紙サイズ、up数=Nに基づいてN−up(この例では、N=4)コピーを得るための印刷処理を実施する(ステップS340)。
ステップS340におけるN−up印刷(コピー)処理の詳細について、図13に示す画像形成装置30と文書管理装置50間の制御シーケンスを参照して説明する。
図13に示すN−up印刷処理は、図12のステップS327でコピーを許可する旨の判定(ステップS327で許可)がなされることにより開始される。
このN−up印刷処理(ステップS340)に移行すると、文書/埋込情報生成部364は、例えば、表示/操作部35を用いて所望の文書IDをユーザに入力させる等の方法により、該N−upコピーを紙文書からの派生文書として識別するために用いる派生文書IDを生成する(ステップS341)。
次に、文書/埋込情報生成部364は、上記ステップS321でのコピー(N−upコピー)開始操作により指示されたup数=Nに基づいて集約ID〔N−up ID:上記ステップS324で抽出した各文書データに該各文書データがN−up中の何枚目(何up目)に当たるかを識別するために埋め込む1/N,2/N,…,N/Nという連続した値を持つN個の情報〕を生成する(ステップS342)。
次に、印刷制御部361は、上記ステップS321でのコピー開始操作により指示されたup数=N及び用紙サイズ、上記ステップS324で抽出された各文書データ及び各文書ID、上記ステップS341及びS342で各々生成された派生文書ID及び各N−up IDに基づき、上記用紙サイズを有する1枚の用紙に対して、N枚の元原稿(紙文書)それぞれの文書データをup数Nに対応するサイズに拡縮した画像(N−up画像:特許請求の範囲における集約画像)として描画する命令と、上記派生文書IDを該用紙の特定個所(一箇所)に埋め込んで描画する命令と、上記各N−up画像にそれぞれ対応して各々の元原稿の文書IDとN−up IDが対になった情報を埋め込んで描画する命令を含む印刷ジョブを生成する(ステップS343)。
この印刷ジョブの生成が完了すると、情報登録/取得部363は、該N−upコピーに係わる各種データ(メタデータ:上記ステップS324で抽出した各文書ID、上記ステップS341で生成した派生文書IDを含む)を登録する処理(ステップS344)と、当該N−upコピーの派生元の各文書(元原稿)に対応する照合用画像データの生成要求処理(ステップS345)とを順に実施する。
上記ステップS344でのメタデータの登録処理に際し、情報登録/取得部363は、上記ステップS324で抽出した各文書ID、上記ステップS341で生成した派生文書IDの他、当該N−upコピーに係わる利用者IDや操作日時、利用端末(IPアドレス)、操作種別(=N−upコピー)、派生元紙文書の文書ID等のメタデータ(操作履歴情報)登録要求を文書管理装置50に送出する(ステップS3441)。
これに対し、文書管理装置50では、画像形成装置30が送出した上記メタデータ登録要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、該登録要求に含まれる派生文書IDに対応付けて、各種メタデータを文書操作(紙文書のN−upコピー)履歴情報(図5参照)として文書操作履歴管理テーブル521に格納する〔ステップS541:メタデータ「操作(N−up印刷)履歴」登録処理〕。
具体例として、例えば、図14に示す態様でセットされた紙文書41,42,43,44を元原稿とする4−upコピー時には、画像形成装置30からのメタデータ登録要求に含まれる文書ID(上記ステップS341で生成された派生文書ID)及びメタデータ〔上記ステップS324で抽出された派生元文書(N−upコピーの元原稿)の文書IDを含む〕に基づき、文書操作履歴管理テーブル521には、図5の符号(C1)欄に示す該派生文書ID(=docu20001)に対応するエントリが新たに生成され、該エントリ内の利用者ID,操作日時,利用端末(IPアドレス),操作種別、派生元文書の各情報項目欄には、当該メタデータ登録要求にメタデータとして含まれるN−upコピー実行者である利用者の利用者ID(この例では、00001)、コピー実施日時(同、2006年9月11日11時15分)、コピーを実行した画像形成装置30のIPアドレス(同、123.456.789.311)、該文書操作種別(=「4−upコピー」)、派生元文書の文書ID(docu10001、docu10002、docu10003、docu10004)の各情報が該文書の操作(紙文書のN−upコピー)履歴情報として格納される。
また、上記ステップS345での照合用画像データ生成要求処理に際し、情報登録/取得部363は、上記ステップS321でのコピー開始操作により指示された用紙サイズ及びup数=Nと、上記ステップS324でスキャンデータより抽出された各文書IDを含む照合用画像データ生成要求を文書管理装置50に送出する(ステップS3451)。
これに対し、文書管理装置50では、画像形成装置30が送出した上記照合用画像データ生成要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、記憶装置53から、該照合用画像データ生成要求に含まれる各文書IDに対応する電子文書の画像データを読み出し、該画像データを、同、照合用画像データ生成要求に含まれる用紙サイズとup数=Nに対応する比率で拡縮処理し、該処理後の拡縮画像データを照合用画像データとして該記憶装置53の所定領域に格納する処理を行う(ステップS551:照合用画像データ生成処理)。
この照合用画像データ生成処理の終了後、文書管理装置50からその旨の通知(データ生成完了通知:ステップS5551)を受取った画像形成装置30では、印刷制御部361が、上記ステップS344で生成した印刷ジョブに基づきN−upコピー結果に相当する紙文書の印刷処理(ステップS346)を実行し、該紙文書の印刷(N−upコピー)完了後、図12におけるステップS321の処理へと戻る。
ステップS346での紙文書の印刷処理(N−upコピー)において、印刷制御部361は、上記印刷ジョブ中の描画命令を解析し、その解析結果に従って、複数の元原稿(紙文書)の集約画像データ(各紙文書から読取った画像データを、指定された用紙サイズ及びup数=Nに応じて拡縮処理した画像データ)に相当する画像がN分割領域のうちのN−up IDによって示される各領域に各々配置され、かつ、該各文書毎に、文書ID及びN−up IDが埋め込まれ、更には、特定個所(例えば、一箇所)に派生文書IDに対応する画像が埋め込み形成されたN−up ID付加文書(N−upコピー)を印刷出力させる。
具体例を挙げると、例えば、図14に示す態様でセットされた紙文書41,42,43,44を元原稿とする4−upコピー時には、図15に示すように、該4−upコピーの元原稿(紙文書41,42,43,44)それぞれの各文書データ(N−up縮小文書データ)に相当するN−up画像601−1,601−2,601−3,601−4と、これら各N−up画像601−1,601−2,601−3,601−4に各々対応して埋め込まれ、それぞれの元原稿に当たる紙文書41,42,43,44の文書IDとN−up IDを対応付けた4つの文書ID:N−up ID対〔(docu00001:1/4up),(docu00002:2/4up),(docu00003:3/4up),(docu00004:4/4up)〕に相当する画像602−1,602−2,602−3,602−4と、該4−upコピー結果を識別するために埋め込まれた派生文書ID(docu20001)に相当する画像603とが形成された紙文書61が印刷出力される。
ここで、上記画像602−1,602−2,602−3,602−4と、画像606は、例えば、それぞれ対応する上記値を有するQRコードとして形成することができる。
図16は、本発明のシステムにおけるN−upコピー結果(図15に示す紙文書61等)が保持する埋め込み情報の情報構造を示す概念図である。
図16に示すように、N−upコピー結果である紙文書61等においては、埋め込み情報610として、例えば、16ビットで構成される1つの派生文書ID(図15の画像603に相当)と、N枚の各元原稿に対応付けて、それぞれが、例えば、12ビットで構成される文書IDと4ビットで構成されるN−up IDの対から成るN個の文書ID:N−up ID対(それぞれ、図15の画像602−1,602−2,602−3,602−4に相当)の情報を保持する。
次に、文書廃棄装置70における紙文書の廃棄処理動作について説明する。
図17は、本発明のシステムにおける紙文書廃棄処理に係わる文書廃棄装置70と文書管理装置50との間の制御シーケンスを示す図である。
この制御シーケンスを参照し、例えば、図15に示した紙文書(4−upコピー結果)61を廃棄する場合を念頭においてその廃棄処理動作について説明する。
なお、紙文書の廃棄処理に際しても、例えば、画像形成装置30でN−upコピー等の操作を行う場合と同様、文書廃棄装置70(ユーザ認証制御部753)が文書管理装置50(ユーザ認証制御部544)と協働してユーザ認証を行い、文書操作権限を確認してから廃棄制御を実行することが考えられるが、ここでは、便宜上、ユーザ認証処理及び文書操作権限確認処理についての説明は割愛する。
図17に示すように、文書廃棄装置70では、待機中に文書廃棄許否制御部752が、廃棄対象投入部71に紙文書が投入され、表示/制御部74を用いてユーザにより廃棄開始操作が行われたか否かを監視している(ステップS711)。
ここで、廃棄開始操作が行われた場合(ステップS711YES)、情報読取制御部751が読取部72を駆動して、投入された紙文書の画像をスキャンし、該読取部72から得られる画像データ(スキャンデータ)を逐次保持するスキャン動作を行う(ステップS712)。
その後、このスキャン動作が終了すると(ステップS713YES)、文書廃棄許否制御部752は、それまでに得られたスキャンデータから、N(N=1,2,4,6,…)個の文書ID:N−up ID対と、該各文書ID:N−up ID対にそれぞれ対応するN個のN−up画像データ(N−upコピー対象の各紙文書それぞれのN−up画像データ)と、該紙文書の所定個所に埋め込まれる1つの派生文書IDを分離抽出する(ステップS714)。
具体例を挙げると、例えば、紙文書61(図15参照)が投入されて廃棄開始操作がなされた場合には、該紙文書61のスキャンデータから、1/4up,2/4up,3/4up及び4/4upの4つのN−up画像データと、該4つのN−up画像それぞれに埋め込まれている(docu00001:1/4up)、(docu00002:2/4up)、(docu00003:3/4up)及び(docu00004:4/4up)の4つの文書ID:N−up ID対と、該紙文書61の文書ID(=docu20001)の各情報が分離、抽出される。
次いで、文書廃棄許否制御部752は、上記ステップS714で抽出した各N−up画像データと、該各N−up画像データにそれぞれ対応する文書ID:N−up ID対の情報に基づいて、投入中の紙文書の廃棄拒否判定を要求する処理(ステップS715)を行う。
この処理に際し、文書廃棄許否制御部752は、上記ステップS714で抽出した各N−up画像データと該各N−up画像データにそれぞれ対応する文書ID:N−up ID対の情報を含む文書廃棄許否判定要求を文書管理装置50に送出する(ステップS7151)。
一方、文書管理装置50では、文書廃棄装置70から送出された上記文書廃棄許否判定要求を処理要求受付部541で受付ける(受信する)と、文書廃棄許否判定処理部545が、該文書廃棄許否判定要求に基づき、紙文書の廃棄を許可するか不許可とする(禁止する)かを判定する(ステップS561)。
この紙文書廃棄許否判定処理(ステップS561)において、文書廃棄許否判定処理部545は、後で図18を参照して詳述するように、受信した文書廃棄許否判定要求から各N−up画像データと、その各々に対応する各文書ID:N−up ID対の情報を抽出したうえで、N−up IDの値が小さいものから順番に、該N−up IDと対を成す文書IDをキーに、該文書IDに対応するN−up画像データ(当該文書廃棄許否判定要求に含まれている)と、該文書IDに対応して記憶装置53に登録されているN−up画像データ(以下、照合用画像データ)を照合してそれぞれ類似度を算出し、全てのN−up画像データについてその類似度がそれぞれ対応する類似度(しきい値として設定されている類似度:設定値)を超えているか否か、及び、上記文書廃棄許否判定要求に含まれるN−up画像データの数がup数(N)分揃っているか否かに応じて廃棄を許可または不許可とする旨の判定結果を生成し、文書廃棄装置70に送出する(ステップS573)。
これに対し、文書廃棄装置70は、上記ステップS7151で文書廃棄許否判定要求を送出した後、該要求に対して文書管理装置50から応答送出される上記判定結果を受信すると(ステップS716)、文書廃棄許否制御部752が、該判定結果が文書の廃棄許可を示しているか廃棄不許可を示しているかを判別する(ステップS717)。
ここで、文書の廃棄が許可されていないと判別された場合(ステップS717で不許可)には、その旨を示すエラーメッセージを表示/操作部74に表示し(ステップS718)、紙文書の廃棄を禁止する制御(例えば、投入中の紙文書を逆搬送して排出させる等の制御)を行ない、その後、待機状態に復帰する。
これに対して、文書の廃棄が許可されていると判別された場合(ステップS717で許可)、文書廃棄許否制御部752は、文書廃棄操作履歴登録要求処理(ステップS719)に移行する。
この文書廃棄操作履歴登録要求処理に際し、文書廃棄許否制御部752は、上記ステップS714でスキャンデータから抽出した派生文書IDの他、該紙文書の廃棄操作を行った利用者の利用者IDや操作日時、利用端末(IPアドレス)、操作種別(=N−upコピー廃棄)等のメタデータ(操作履歴情報)登録要求を文書管理装置50に送出する(ステップS7191)。
これに対し、文書管理装置50では、画像形成装置30が送出した上記メタデータ登録要求を処理要求受付部541で受付けると、情報管理部542が、該登録要求に含まれる派生元文書IDに対応付けて、各種メタデータを文書操作(N−upコピーの廃棄)履歴情報(図5参照)として文書操作履歴管理テーブル521に格納する〔ステップS581:文書廃棄メタデータ(操作履歴)登録処理〕。
具体例として、例えば、図15に示す紙文書61(紙文書41,42,43,44を元文書とする4−upコピー)の廃棄が実行された時には、文書廃棄装置70からのメタデータ登録要求に含まれる派生文書ID(上記ステップS714で紙文書61から抽出)及びメタデータに基づき、文書操作履歴管理テーブル521には、図5の符号(D1)欄に示す該派生文書ID(=docu20001)に対応するエントリが新たに生成され、該エントリ内の利用者ID,操作日時,利用端末(IPアドレス),操作種別の各情報項目欄には、当該メタデータ登録要求にメタデータとして含まれるN−upコピー廃棄実行者である利用者の利用者ID(この例では、00001)、廃棄実施日時(同、2006年9月15日10時15分)、廃棄を実行した文書廃棄装置70のIPアドレス(同、123.456.789.711)、該文書操作種別(=「廃棄」)の各情報が文書操作(N−upコピーの廃棄)履歴情報として格納される。
この文書廃棄操作履歴登録処理の終了後、文書管理装置50では、その旨を通知し(登録完了通知:ステップS5811)、該通知を受取った文書廃棄装置70では、文書廃棄許否制御部752が、細断部73のゲートを開放状態に制御して投入中の紙文書を取り込み、かつ、細断部73を駆動して該紙文書を裁断し(ステップS720)、該細断(文書の廃棄)終了後、待機状態(ステップS711)に復帰する。
次に、図17のステップS561における紙文書廃棄許否判定処理の詳細について、図18に示すフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、文書管理装置50では、図12のステップS7151で文書廃棄装置70から送出される文書廃棄許否判定要求の受信状況を監視しており(ステップS562)、該廃棄許否判定要求が受信されると(ステップS562YES)、文書廃棄許否判定処理部545は、該廃棄許否判定要求に含まれる各N−up画像データと、その各々に対応する各文書ID:N−up ID対の情報を抽出する(ステップS563)。
次に、文書廃棄許否判定処理部545は、N−upカウンタのカウント値nを初期値=“0”から“1”に更新し(ステップS564)、上記ステップS563で抽出した文書ID:N−up ID対中、該更新後のカウント値(=1)を有するN−up IDと対を成す文書IDを特定する(ステップS565)。
次に、この特定した文書IDに対応する電子文書のN−up画像データ(図13のステップS551の処理で登録済みの画像データ:照合用画像データ)を記憶装置53から読出したうえで、上記ステップS563で文書廃棄許否判定要求から抽出したN−up画像データのうちの当該文書IDに対応するN−up画像データと、その読み出した照合用画像データを照合し、類似度を算出する(ステップS566)。
なお、このステップS566におけるN−up画像データと照合用画像データ間の類似度は、周知の類似画像判定処理(例えば、特許文献1参照)を適用することにより実現できる。
次に、上記ステップS565で特定した文書IDに対応して予め設定されている類似(設定値)を登録文書管理テーブル522(図6参照)から読出し(ステップS567)、上記ステップS566で算出した類似度が該設定値を超えているか否かを判別する(ステップS568)。
ここで、類似度が設定値を超えている場合(ステップS568YES)、次の文書ID:N−up ID対が存在するか否かをチェックする(ステップS569)。
上述したステップS564〜S569までの処理は、ステップS569において、次の文書ID:N−up ID対が存在すると判定(ステップS569YES)されている間、文書廃棄許否判定処理部545によって繰り返し実行される。
この繰り返し実施される処理の中で、文書廃棄許否判定処理部545は、次の文書ID:N−up ID対が存在する判定される(ステップS569YES)毎に、N−upカウンタのカウント値nを“1”加算した値(=2,3,…)に順次更新(ステップS564)していき、該更新したN−upカウント値n(=2,3,…)を有するN−up IDと対を成す文書IDを特定し(ステップS565)、該特定した文書IDに対応するN−up画像データと照合用画像データと照合して類似度を算出し(ステップS566)、更に、上記ステップS565で特定した文書IDに対応して予め設定されている類似度(設定値)を読出して(ステップS567)、上記ステップS566で算出した類似度が該設定値を超えているか否かを判別する(ステップS568)。
このようにして、文書廃棄装置70から受信した文書廃棄許否判定要求から抽出した全ての文書ID:N−up ID対について、該各文書IDをキーとしたN−up画像データと対応する照合用画像データの類似度を算出し、該算出した類似度が設定値を超えるか否かを判定する処理を実行している間に(ステップS564〜S568)、類似度が設定値を超えていないと判定された場合(ステップS568NO)、文書廃棄許否判定処理部545は、文書廃棄を不可とする判定結果を生成し(ステップS572)、該判定結果(=文書廃棄不可)を文書廃棄装置70に通知(送出)し(ステップS573)、その後、ステップS562に戻る。
また、受信した文書廃棄許否判定要求から抽出した全ての文書ID:N−up ID対について、該各文書IDをキーとしたN−up画像データと対応する照合用画像データの類似度が各々対応する設定値を超えていないと判定されることなく(ステップS568YES)、次の文書ID:N−up ID対が存在しないことが判定された場合(ステップS569NO)、文書廃棄許否判定処理部545は、N−upカウンタのカウント値nが、文書廃棄許否判定要求から抽出されたN−up IDが示すup数=Nに達しているか否かをチェックする(ステップS570)。
ここで、N−upカウンタのカウント値nが、up数=Nに達していない場合(ステップS570NO)、上記ステップS568で類似度が設定値を超えていない場合(ステップS568NO)と同様、文書廃棄を不許可とする判定結果を生成し(ステップS572)、該判定結果(=文書廃棄不許可)を文書廃棄装置70に通知(送出)し(ステップS573)、その後、ステップS562に戻る。
これに対して、N−upカウンタのカウント値nが、up数=Nに達している場合(ステップS570YES)、文書廃棄許否判定処理部545は、文書廃棄を許可とする判定結果を生成し(ステップS571)、該判定結果(=文書廃棄許可)を文書廃棄装置70に通知(送出)し(ステップS573)、その後、ステップS562に戻る。
図18に示す紙文書廃棄許否判定制御(ステップS561)によれば、文書管理装置50(文書廃棄許否判定処理部545)は、文書廃棄装置70から、N−upコピー結果である紙文書から読取った各N−up画像データと、該各N−up画像データにそれぞれ対応する文書ID:N−up ID対を含む文書廃棄許否判定要求を受付け、各N−up画像データの全てに関して、照合用画像データとの類似度が各々に対応して設定された設定値を超え、かつ、各N−up画像データがup数=Nだけ揃った場合に文書廃棄許可判定を、また、各N−up画像データのうちの1つでも、照合用画像データとの類似度が各々に対応して設定された設定値を下回った場合、あるいは、各N−up画像データがup数=N揃わない場合には文書廃棄不許可判定を廃棄許否判定要求元の文書廃棄装置70に応答送信する。
そして、文書廃棄装置70(文書廃棄許否制御部752)では、文書廃棄判定要求送出後、文書管理装置50から応答送出される上記判定結果を受信し、該判定結果が廃棄許可の場合には投入中の文書の廃棄を行い、廃棄不許可の場合は該紙文書を廃棄しないように制御する。
かかる制御に基づく文書廃棄動作の具体例として、文書廃棄装置70において、例えば、図15に示す紙文書61が廃棄対象として投入された場合、該文書廃棄装置70からは、該紙文書61から読取られた1/4up,2/4up,3/4up及び4/4upの4つのN−up画像データと、該4つのN−up画像それぞれに埋め込まれている各文書ID:N−up ID対〔(docu00001:1/4up)、(docu00002:2/4up)、(docu00003:3/4up)、(docu00004:4/4up)〕を含む文書廃棄許否判定要求が文書管理装置50に送出される。
これに対し、文書管理装置50では、文書廃棄装置70から受信した上記文書廃棄許否判定要求に基づく紙文書廃棄許否判定処理(図18参照)において、1/4up,2/4up,3/4up,4/4upの順に、それぞれ、docu00001,docu00002,docu00003,docu00004をキーにして、各N−up画像データと照合用N−up画像データの類似度を算出し、該算出した各類似度がそれぞれの設定値(95%,85%,95%,70%:図6参照)を超えているか否かを判定する処理を実行する中で(ステップS564〜S568)、docu00004をキーにしたN−up画像データと照合用N−up画像データの類似度が設定値を超えている判定される(ステップS568YES)ことにより次の文書IDを捕捉する際、次の文書IDがないと判定され(ステップS569NO)、続くステップS570では、N−upカウント値n=4とup数N=4が比較され、up数N=4に相当する数(4個)のN−up画像データが揃っている(ステップS570YES)と判定される結果、文書廃棄装置70に廃棄許可の判定結果(ステップS571)が通知されて当該紙文書61の廃棄が行なわれる。
次に、別の具体例として、図19に示す紙文書が投入された際の廃棄許否制御について考えてみる。
図19は、図15に示す紙文書61の一部分が切り取られた後の紙文書の形態を例示するものである。
特に、図19(a)は、上記紙文書61中、4/4upの画像データ及びその埋め込み情報(文書ID:N−up ID対)が切り落とされた紙文書61aの形態を示し、図19(b)は、上記紙文書61中、4/4upの画像データ及びその埋め込み情報(文書ID:N−up ID対)、3/4upの画像データ及びその埋め込み情報(文書ID:N−up ID対)、2/4upの画像データの一部が切り落とされた紙文書61bの形態を示している。
このうち、文書廃棄装置70に図19(a)に示す紙文書61aが投入されて廃棄開始操作がなされた場合、該文書廃棄装置70からは、該紙文書61aから読取られた1/4up,2/4up及び3/4upの3つのN−up画像データと、該3つのN−up画像それぞれに埋め込まれている各文書ID:N−up ID対〔(docu00001:1/4up)、(docu00002:2/4up)、(docu00003:3/4up)〕を含む文書廃棄許否判定要求が文書管理装置50に送出される。
これに対し、文書管理装置50では、文書廃棄装置70から受信した上記文書廃棄許否判定要求に基づく紙文書廃棄許否判定処理(図18参照)において、1/4up,2/4up,3/4upの順に、それぞれ、docu00001,docu00002,docu00003をキーにして、各N−up画像データと照合用N−up画像データの類似度を算出し、該類似度が設定値を超えているか否かを判定する処理を実行する中で(ステップS564〜S568)、docu00003をキーにしたN−up画像データと照合用N−up画像データの類似度が設定値を超えている判定される(ステップS568YES)ことにより次の文書IDを捕捉する際、次の文書IDがないと判定され(ステップS569NO)、続くステップS570では、N−upカウント値n=3とup数N=4が比較され、up数N=4に相当する数(4個)のN−up画像データが揃っていない(ステップS570NO)と判定される結果、文書廃棄装置70に廃棄不許可の判定結果(ステップS572)が通知されて当該紙文書61aの廃棄が禁止される。
また、文書廃棄装置70に図19(b)に示す紙文書61bが投入されて廃棄開始操作がなされた場合、該文書廃棄装置70からは、該紙文書61bから読取られた1/4up及び2/4upの2つのN−up画像データ(但し、2/4upのN−up画像データは一部欠損)と、該2つのN−up画像それぞれに埋め込まれている各文書ID:N−up ID対〔(docu00001:1/4up)、(docu00002:2/4up)を含む文書廃棄許否判定要求が文書管理装置50に送出される。
これに対し、文書管理装置50では、文書廃棄装置70から受信した上記文書廃棄許否判定要求に基づく紙文書廃棄許否判定処理(図18参照)において、1/4up,2/4upの順に、それぞれ、docu00001,docu00002をキーにして、各N−up画像データと照合用N−up画像データの類似度を算出し、該類似度が設定値を超えているか否かを判定する処理を実行する中で(ステップS564〜S568)、docu00002をキーにしたN−up画像データと照合用N−up画像データの類似度を算出して設定値を超えているか否かを判定する際(ステップS568)、該docu00002に対応するN−up画像データが一部欠損していることによって類似度が設定値(85%:図6参照)より小さい(ステップS568NO)と判定される結果、文書廃棄装置70に廃棄不許可の判定結果(ステップS572)が通知されて当該紙文書61bの廃棄が禁止される。
上記実施例では、N−upコピー結果である紙文書61を廃棄する場合について説明したが、本発明は、両面印刷を行なった紙文書、あるいは、両面にN−up印刷を施した紙文書の廃棄制御にも適用できる。
なお、両面印刷された紙文書(派生文書)を対象に元文書を追跡して該派生紙文書の廃棄制御を可能にするためには、画像形成装置30において、印刷制御部361(集約ID付加印刷機能301)には、指定された文書を、各面毎に、それぞれ、該当する文書の画像データに文書識別情報及び集約ID=(1/2),(2/2)を埋め込んで両面印刷する機能を持たせる一方、文書廃棄装置70では、読取部72が紙文書の両面を読取走査する機能を有し、文書廃棄許否制御部752(集約ID付加文書廃棄許否判定要求機能701)が、紙文書の両面を読取部72で読取走査して表裏各面毎に画像データと文書ID及び集約ID対を抽出し、該抽出した画像データと文書ID及び集約ID対を用いて文書管理装置50に文書廃棄許否判定要求を行う構成とすれば良い。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記実施例では、文書IDや集約IDをQRコードで印刷する例を挙げたが、これに限らず、二次元バーコード等の機械可読符号を用いても良く、更には、ハイブリッドウォータマーク等を透かし印刷する技術を適用しても良い。
また、上記実施例では、画像形成装置30、文書管理装置50、文書廃棄装置70等の装置(以上、コンピュータ)に文書廃棄管理プログラムを実装し、該プログラムに基づき、該コンピュータを、複数の文書を、該各文書の、指定された用紙サイズ及び集約数に応じて拡大または縮小された集約画像データがN分割領域のうちの集約識別情報n(1以上の整数)/Nによって示される各領域に各々配置され、かつ、該各文書毎に、文書識別情報及び前記集約識別情報が埋め込まれた紙文書として集約印刷する印刷手段、文書識別情報に対応して、該当する文書の画像データを所定の用紙サイズ及び集約数に応じて拡大または縮小した照合用画像データ、及び紙文書の廃棄許否判定のしきい値として用いる類似度を管理する管理手段、廃棄対象の紙文書の画像読取出力から集約画像データと、文書識別情報及び集約識別情報対を分離抽出し、該抽出された任意の数の集約画像データと、任意の数の文書識別情報及び集約識別情報対を用いて前記文書管理装置に文書廃棄許否判定を要求する文書廃棄許否判定要求手段、各々任意数の集約画像データと、文書識別情報及び集約識別情報対を含む前記文書廃棄許否判定要求を受付け、前記文書識別情報毎に該文書識別情報をキーに集約画像データと前記照合用画像データを照合して類似度を算出すると共に、該算出された全ての類似度が各々該当する前記しきい値を超え、かつ、前記集約画像データが前記集約識別情報が示す集約数分揃っているか否かに応じて当該文書の廃棄を許可するか否かを判定する判定手段、前記文書廃棄許否判定要求に対する前記判定手段による前記判定結果に基づき、前記廃棄対象の紙文書を廃棄または廃棄禁止する文書廃棄許否制御を行なう文書廃棄許否制御手段として機能させるようにしているが、当該文書廃棄管理プログラムをCDROM等の記憶媒体に格納して提供するようにしても良い。
10,10−1,10−2…クライアント端末(PC)、101…画像データ/類似度登録要求機能、11…入力/操作部、12…表示部、13…記憶部、14…制御部、141…アプリケーション部、142…情報登録/取得部、143…印刷ジョブ生成部、144…文書属性情報生成部、145…ユーザ認証制御部、146…文書処理許否制御部、15…通信インタフェース(I/F)部、30…画像形成装置、301…集約ID付加印刷機能、31…読取部、32…画像処理部、33…記憶部、34…画像形成部、35…表示/操作部、36…制御部、361…印刷制御部、362…読取情報抽出部、363…情報登録/取得部、364…文書/埋込情報生成部、365…ユーザ認証制御部、366…文書処理許否制御部、37…通信インタフェース(I/F)部、41,42,43,44,61,61a,61b…紙文書、50…文書管理装置、501…画像データ/類似度管理機能、502…文書廃棄許否判定機能、51…通信インタフェース(I/F)部、52…記憶部、521…文書操作履歴管理テーブル(TB)、522…登録文書管理テーブル(TB)、523…操作権限管理テーブル(TB)、53…記憶装置、54…制御部、541…処理要求受付部、542…情報管理部、543…情報取得配信処理部、544…ユーザ認証制御部、545…文書廃棄許否判定処理部、70…文書廃棄装置、701…集約ID付加文書廃棄許否判定要求機能、702…文書廃棄許否制御機能、71…廃棄対象投入部、72…読取部、73…細断部、74…表示/操作部、75…制御部、751…情報読取制御部、752…文書廃棄許否制御部、753…ユーザ認証制御部、76…通信インタフェース(I/F)部、90…ネットワーク(NW)