JP4973041B2 - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、作動溶液に含まれるアントラキノン類(以下、「アントラキノン及び/又はテトラヒドロアントラキノン」を指す)を繰り返し還元・酸化することにより、連続的に過酸化水素を製造する改良された方法に関する。更に詳しくは、アントラキノン類として、エチルアントラキノンおよびエチルテトラヒドロアントラキノンを特定量用いることを特徴とする過酸化水素の製造方法に関する。
工業的過酸化水素の製造方法としてアントラキノン法が知られている。この方法では、アントラキノン類を有機溶媒に溶解して作動溶液を得、水素化工程においてアントラキノン類を水素化触媒の存在下で水素により還元し、アントラヒドロキノン類を生成させる。次いで、酸化工程においてアントラヒドロキノン類をアントラキノン類に再度転化し、同時に過酸化水素を生成させる。作動溶液中の過酸化水素は、水抽出等の方法により、作動溶液から分離される。過酸化水素が抽出された作動溶液は、再び水素化工程に戻され、循環プロセスを形成する。
この水素化工程はアントラキノン法において最も重要な工程であり、その特徴は反応媒体にアントラキノン(以下、置換基を有するアントラキノン及び置換基を有しないアントラキノンの両方を指す)、またはテトラヒドロアントラキノン(以下、置換基を有するテトラヒドロアントラキノン及び置換基を有しないテトラヒドロアントラキノンの両方を指す)、あるいはその両方を使用することによって大別できる。
特開平6−191803(特許文献1)には、反応媒体としてアントラキノン、またはテトラヒドロアントラキノンを使用する従来技術がまとめられている。即ち、従来は、テトラヒドロアントラキノンを反応媒体として用いる場合は、酸化工程の反応条件を強化する必要があり、アントラキノンを反応媒体とする場合は、水素化されたアントラヒドロキノンの溶解度が低い問題が挙げられていた。そこで、効率よく経済的に過酸化水素を製造する方法として、還元工程において、作動溶液中のテトラヒドロアントラキノンの全量およびアントラキノンの一部または全量を還元し、還元工程後の作動溶液中のアントラヒドロキノンの含有量をテトラヒドロアントラヒドロキノンの含有量よりも多く保つ過酸化水素の製造方法が提案されている。つまり特許文献1には、1循環当たりの過酸化水素所得量を高く維持する方法の一つが提案されている。また、酸化反応が容易に進行するアントラヒドロキノンを酸化反応速度の遅いテトラヒドロアントラヒドロキノンよりも多く用いることにより、酸化工程でのエネルギー消費量を低く抑えることが可能になっている。
また、特許文献1には2種類以上のアントラキノン類を使用する事例も紹介されており、古くからアントラキノン類を混合して使用することが知られている。
特開2001−163608(特許文献2)、特表2002−511377(特許文献3)には、主にテトラヒドロアントラキノンを反応媒体として使用する事例が紹介されている。特許文献2はアントラキノン類として、エチルアントラキノン類とアミルアントラキノン類を混合して使用する事例が示されており、特許文献3においてはエチルアントラキノン類と新規の化合物2−(4−メチル−3−ペンテニル)−アントラキノン、2−(4−メチルペンチル)−アントラキノンを混合して使用する事例が紹介されている。この特許文献2および3は異なる2種以上のアントラキノン類を使用し、主にテトラヒドロアントラキノンを反応媒体として使用する点で非常に似ており、異なるのは使用しているアントラキノン類の置換基である。また、その特徴はテトラヒドロアントラキノンを主に反応媒体として使用することによる、1循環当たりの過酸化水素所得量を高く維持することである。
しかし、主にテトラヒドロアントラキノンを反応媒体とする場合、酸化反応速度の遅いテトラヒドロアントラヒドロキノンの酸化工程での条件強化が問題となるのは特許文献1に述べられている通りである。また、テトラヒドロアントラキノンを主に反応媒体として用いる過酸化水素製造方法より得られた過酸化水素には、非常に多くのテトラヒドロアントラキノン由来の分解生成物が存在する。これはテトラヒドロアントラキノンまたはその酸化体であるテトラヒドロアントラキノンエポキシド由来であるアルキル化フタル酸を主成分とする分解物である。テトラヒドロアントラキノン由来である根拠は、得られているフタル酸類がすべて反応媒体由来のアルキル化フタル酸であるためである。つまり、反応媒体に2−エチルテトラヒドロアントラキノンを使用している場合には、通常は主にβ−テトラヒドロアントラキノン体からなり、得られた過酸化水素中にはエチルフタル酸が存在する。また、これらアルキル化フタル酸は、特許文献1記載のアントラキノン類を反応媒体として用いる過酸化水素製造方法より得られた過酸化水素中にはほとんど見られていない。つまり、これら分解物は作動溶液中のテトラヒドロアントラキノン量に依存して、製品である過酸化水素中の不純物として存在することになり問題である。
これら不純物は工業的にあらゆる方法で分離することが可能であるが、例えば蒸留、又は吸着除去などの場合においてさえも原料である過酸化水素中の不純物量が多ければそれだけ装置が大きくなり設備費の負担が大きくなり、または設備の稼働時間の延長など好ましくないことは明らかである。また、これら不純物の除去を行うに際しての過酸化水素自体のロス、または分解が起こり、生産量・変動費にかかる負担は無視できないものである。
また、製造された過酸化水素の用途には様々な分野があるが、例えば紙パルプの漂白向け、食品物添加用、電子工業用の洗浄液など、いずれの分野においても低不純物の過酸化水素が好ましいのは明らかである。特に電子工業用の過酸化水素は、一般には超純過酸化水素とよばれ、工業的に特殊な精製を施した過酸化水素であり、原料の過酸化水素の不純物量はそのまま精製工程への負荷となり好ましくなく、または精製された超純過水中の不純物量の増加につながり好ましくない。
一方、特許文献1記載の方法では反応媒体としてアントラキノンをテトラヒドロアントラキノンよりも多く用いるため、反応媒体として主にテトラヒドロアントラキノンを用いる場合よりも、アルキル化フタル酸を主とする不純物量が少ないのは前述のとおり明らかである。しかし、特許文献1においてはアントラキノンとして、アミルアントラキノンの使用が好ましく、その他のアルキル化アントラキノン、即ちエチルアントラキノン、ターシャリーブチルアントラキノン、或いは複数のアントラキノンの混合物を用いることができることが明記されているが、具体的な混合物を用いることによる優位性に関しては明らかにされていない。例えば使用が好ましいと明記されているアミルアントラキノンを用いた場合には、特許文献1の方法では水素化工程において反応が遅くなる事実がある。つまり水素化工程において遅い反応を補うために大きな反応器が必要となり設備費の負担が大きくなる。また別の解決法として遅い反応速度を補うために触媒量を多くすることも可能であるが、触媒購入の初期投資のみではなく、触媒量を多くすることによって触媒からの金属類の溶出量も増加する問題点がある。触媒から溶出する金属は、例えばパラジウム、白金、ニッケルが挙げられ、これらは酸化工程で生成する過酸化水素の分解を引き起こすだけではなく、製造される過酸化水素中にも不純物として溶出し、前述の通り問題となる。
総じて、特許文献1記載の方法では金属などの無機系の不純物が、特許文献2、特許文献3記載の方法では有機系の不純物が、製造される過酸化水素に混入し問題となる。
特開平6−191803 特開2001−163608 特表2002−511377
本発明の目的は、従来技術における上記のような課題を解決し、アントラキノン法による過酸化水素製造において不純物含量の少ない過酸化水素の製造方法を提供することである。
本発明の一実施態様は、反応媒体としてアントラキノン類を含む作動溶液を、交互に還元・酸化することにより過酸化水素を製造する方法において、作動溶液中のアントラキノン類として、アルキル置換基を有するアントラキノンとアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラキノンのモル比が2:1〜8:1である混合物を用い、還元工程において、該作動溶液中の該テトラヒドロアントラキノンの全量および該アントラキノンの一部または全量を還元し、還元工程後で酸化工程前の作動溶液中のアルキル置換基を有するアントラヒドロキノンの含有量をアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラヒドロキノンの含有量よりも多く保つ工程を有し、前記作動溶液中のアントラキノン類として、エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンを、両方の合計が前記作動溶液中の全アントラキノン類の10〜45モル%の割合で用いることを特徴とする過酸化水素の製造方法である。
好ましい態様は、前記作動溶液中のエチルアントラキノンの濃度が、0.10から0.45mol/Lである。別の好ましい態様は、前記エチルアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノン以外のアントラキノン類が、アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノンである。別の好ましい態様は、前記酸化工程における反応温度が50℃以下である。別の好ましい態様は、前記反応媒体であるアントラキノン類の溶剤として、キノン溶剤である芳香族炭化水素と、ヒドロキノン溶剤である高級アルコール、アルキルリン酸塩、四置換尿素、シクロヘキサノールのカルボン酸エステル、および環状尿素からなる群より選ばれる一種以上とを含む。好ましい別の態様は、前記エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンを、両方の合計が前記作動溶液中の全アントラキノン類の20〜40モル%の割合で用いる。
本発明によれば、アントラキノン法による過酸化水素製造において不純物含量の少ない過酸化水素を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施をすることができる。
本発明の一実施態様は、反応媒体としてアントラキノン類を含む作動溶液を、交互に還元・酸化する工程を有し、作動溶液中のアントラキノン類として、アルキル置換基を有するアントラキノンとアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラキノンのモル比が2:1〜8:1である混合物を用いる。そして、還元工程において、作動溶液中のテトラヒドロアントラキノンの全量およびアントラキノンの一部または全量を還元し、還元工程後で酸化工程前の作動溶液中のアルキル置換基を有するアントラヒドロキノンの含有量をアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラヒドロキノンの含有量よりも多く保つ工程を有する。更に、前記作動溶液中のアントラキノン類として、エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンを、両方の合計が前記作動溶液中の全アントラキノン類の10〜45モル%の割合で用いる。
本発明においては、テトラヒドロアントラキノンとアントラキノンの両方を反応媒体として還元し、作動溶液中に異種のヒドロキノン類を混合状態とすることでヒドロキノン類の溶解度を高め、その結果、作動溶液1循環あたりの過酸化水素所得量を高く維持することが可能となる。また、本発明においては、過酸化水素製造のための反応媒体として酸化反応が容易に進行するアントラヒドロキノンを、酸化反応速度の遅いテトラヒドロアントラヒドロキノンよりも多く用いることにより、酸化工程でのエネルギー消費量を低く抑えることが可能となる。また、本発明においては、反応媒体として使用するテトラヒドロアントラキノンの量が、還元工程におけるアントラヒドロキノン量より低く制限され、製造された過酸化水素中へのテトラヒドロアントラキノン由来の分解物の混入を低減することが可能となる。
本発明で使用されるアントラキノン類としては、全アントラキノン類中のエチルアントラキノン類(以下、「エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンの両方」を指す)の割合が10〜45モル%であることを特徴とする。その他のアントラキノン類としては、特に溶解度の高いアミルアントラキノン類(以下、「アミルアントラキノンとアミルテトラヒドロアントラキノンの両方」を指す)を用いることが好ましく、ターシャリーブチルアントラキノン類、置換基のないアントラキノン類などの少量の混合物を使用することができる。
エチルアントラキノン類を反応媒体に用いることによって、水素化工程での反応速度が速くなり、主にアミルアントラキノン類を反応媒体として用いる場合に比較して、使用する触媒量を減らすことができ、触媒から溶出する金属量を減少することができて、製品である過酸化水素中への金属の溶出を低減することができる。しかし、エチルアントラキノン類は反応速度が早い一方で、アミルアントラキノン類に比較して反応媒体の溶剤に対する溶解度が低いことが一般に知られている。図1にアミルアントラキノンとエチルアントラキノンの混合物の溶解度を示す。図1から明らかなように共融混合物になることによってその溶解度は大きく変わる。作動溶液中のアントラキノン類の濃度は密度により制限され実質1.2mol/L以下であり、それ以上高濃度になると密度が上昇し抽出工程での液分離に問題が生じ、また液粘度の上昇も伴い好ましくない。例えば液粘度の上昇は水添工程における触媒ろ過のフィルターの差圧上昇を引き起こし、送液ポンプの負荷が上昇し問題となる。つまり、図1から明らかなように最大1.2mol/Lの作動溶液に混合できるエチルアントラキノンは45モル%以下である。反応速度を早くするために必要とするエチルアントラキノン類の量はごくわずかでも効果は得られるが10モル%以上から顕著な効果が現われる。
エチルアントラキノンの最大の添加量は、1.2mol/L x 0.45モル%より容易に推算できるが、作動溶液として水添反応を繰り返す間にエチルテトラヒドロアントラキノンに一部が転化する。このエチルテトラヒドロアントラキノンを含むテトラヒドロアントラキノンは、アントラキノンに対して1:2〜1:8になるように再生反応が行われる。また、少量は劣化物に変化する。したがって、エチルアントラキノンとしての濃度は、差引で0.1〜0.45mol/Lが実際の濃度であり且つ好ましい。より好ましくは、最大濃度に近い0.2〜0.35mol/Lである。そして、エチルテトラヒドロアントラキノンの濃度を考慮すると、エチルアントラキノン類の全アントラキノン類に対する割合は、20〜40モル%がより好ましい。
エチルテトラヒドロアントラキノンは、エチルアントラキノンよりも溶解性が良好であるのでエチルテトラヒドロアントラキノンの比率を上げることで全アントラキノンに対するエチルアントラキノン類の混合割合を上げることも可能である。しかし、エチルテトラヒドロアントラキノンだけを再生せずに残す反応条件は難しく、テトラヒドロアントラキノン全体の濃度が上昇してしまい、テトラヒドロアントラキノンに由来する劣化物の蓄積や製造される過酸化水素への混入が起きてしまう。
因みに、エチルアントラキノンは、他のアントラキノン類よりも分子が小さいので触媒の細孔に入りやすく、水素化反応が速いと推測される。この結果、優先的に水素化反応が行われるため、エチルテトラヒドロアントラキノンに転化する確立も高い。しかし、再生触媒に対しても細孔に入りやすく、再生反応も速くなる。したがって、全体としてみれば、エチルテトラヒドロアントラキノンの比率は、全テトラヒドロアントラキノンの濃度におおむね比例して変動する。
また、エチルアントラキノンの混合によるもう一つの利点は、水素化工程における水素化の度合いを下げることができる点である。
水素化度(%)=ヒドロキノン類(:過酸化水素所得量(モル))/キノン類(モル)
・・・・式1
*ヒドロキノン類(エチルテトラヒドロアントラヒドロキノン・アミルテトラヒドロアントラヒドロキノン・エチルアントラヒドロキノン・アミルアントラヒドロキノン・・・・)
キノン類(エチルテトラヒドロアントラキノン・アミルテトラヒドロアントラキノン・エチルアントラキノン・アミルアントラキノン・・・・)
前述の通り、アントラキノンの溶解度は密度に制限されて最大溶解量が決まり、エチルアントラキノンは他のアントラキノン、本発明においては主にアミルアントラキノンに比較して分子量が小さく、同じ密度で比較した場合、最大溶解量(:モル数)を向上できる。つまり、式1における分母を大きくでき、総じて水素化度を下げることが可能となる。水素化度が高い場合は、テトラヒドロアントラキノンの選択率が悪化することが一般的に知られているが、その他にも製造する過酸化水素中の有機化合物の不純物の量も増加するため好ましくない。よって、できる限り水素化の度合いを下げる必要があり、エチルアントラキノン類の混合はこの点でも好適である。
ヒドロキノン類の溶解度は、テトラヒドロアントラヒドロキノンとアントラヒドロキノンの混合割合により変化するが、作動溶液中のヒドロキノン類の濃度を高めると前述の水素化度の他に酸化工程で部分的に遊離する過酸化水素水の濃度が高くなりすぎ安全上の問題点が生じる。そこで安全性及び経済性を考慮した上で、好ましい溶解度を示す混合割合が選択される。本発明で用いられる作動溶液中のアントラキノンとテトラヒドロアントラキノンの比率は、好ましくは2:1〜8:1、さらに好ましくは3:1〜6:1になるように調整される。
本発明による酸化工程でのエネルギー消費量の低減化は、反応媒体として酸化が容易に進行するアントラヒドロキノンを主体的に利用することによって達成することができる。そのため酸化工程での反応温度を50℃以下にすることが、安全性の点からも好ましい。より好ましくは、35〜45℃の反応温度である。温度が50℃を超える場合は、使用している溶媒によっては引火点に近く爆発の危険性が高くなる。また反応温度が高温になり、酸化反応でテトラヒドロアントラキノンエポキシド類に代表される酸化不純物の生成を促進し、好ましくない。これらの酸化不純物は作動溶液中に蓄積されるのはもちろんのこと、製造される過酸化水素中へ混入する不純物も増加し好ましくない。酸化工程の圧力範囲は特に限定されないが、0.01〜1.0MPaの領域で行うことが好ましい。常識的に考えても反応装置・コンプレッサーの負荷を考慮すると、より低圧で行う方が経済的である。酸化工程の反応装置に関しても特に限定されるものではなく、化学工学的に常識的な酸化塔が使用できる。例えば、向流酸化・並流酸化などに関しても特に限定されず、それぞれ技術的な特徴を生かし採用することができる。
本発明において作動溶液を調製するために用いられる溶媒は、キノン溶剤である芳香族炭化水素と、ヒドロキノン溶剤である高級アルコール、アルキルリン酸塩、四置換尿素、シクロヘキサノールのカルボン酸エステル、および環状尿素からなる群より選ばれる一種以上とを含むことが好ましい。本発明における還元工程の操作条件は特に制限されるものではないが、一般にパラジウム触媒、白金触媒、ニッケル触媒等の触媒の存在下、10〜80℃の温度範囲、0.01〜1.0MPaの圧力範囲にて水素または水素含有ガスを用いて還元する方法を好ましく採用することができる。反応装置の形式としては、固定床式反応装置、流動床式反応装置または攪拌式反応装置等を制限なく採用することができる。
実施例
以下に実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、アミルアントラキノンを「AmAQ」と、エチルアントラキノンを「EtAQ」と表す。
(参考例
作動溶液中のアントラキノン濃度を0.6mol/Lとし、EtAQ(30mol%)+AmAQ(70mol%)の組成比として、作動溶液の水素吸収量の評価を行った。
具体的な測定の仕方を以下に記す。100ml三口フラスコにパラジウム担持触媒100mg(Pd=1mg相当)と25mlの作動溶液を入れた。作動溶液の溶剤にはプソイドクメン60容積%とジイソブチルカルビノール40容積%の混合溶剤を用いた。内部を完全密封できる磁力誘導方式の攪拌機および真空コックを装着したフラスコを、常圧水素化反応装置に設置した。この装置は、フラスコ内での圧力変動を水位で検知し、リレー式電磁弁を介して水素吸収に見合う分の水素が計量管から供給される。水素計量管はビュレット部と水貯液部からなり、水素計量管内の水がピストンの役割をしてフラスコ内圧と大気圧が等しく保たれる。水素吸収量は水素計量管内の液面高さの差として測定される。フラスコを30℃の水浴に浸し、フラスコ内の排気と水素導入を三回繰り返した。5分後に攪拌機を作動させて水素吸収を開始し、開始から30分後までの水素吸収を測定した。0℃、1atmでの水素吸収量に換算した。水素吸収量は131Nmlであった。水素吸収速度の結果を図2に示す。
(参考例
EtAQ(15mol%)+AmAQ(85mol%)とした以外は、参考例1と同様の方法を用いて水素吸収速度を測定した。水素吸収速度は119Nmlであった。水素吸収速度の結果を図2に示す。
<比較例1>
AmAQ(100mol%)とした以外は、参考例1と同様の方法を用いて水素吸収速度を測定した。水素吸収速度は107Nmlであった。水素吸収速度の結果を図2に示す。
<比較例2>
EtAQ(50mol%)+AmAQ(50mol%)とした以外は、参考例1と同様の方法を用いて水素吸収速度を測定した。水素吸収速度は132Nmlであった。水素吸収速度の結果を図2に示す。
<比較例3>
EtAQ(100mol%)とした以外は、参考例1と同様の方法を用いて水素吸収速度を測定した。水素吸収速度は128Nmlであった。水素吸収速度の結果を図2に示す。
図2から明らかなように、EtAQの割合を増やすことによって水素吸収速度は増加した。しかし、EtAQの添加割合が30〜50mol%ではあまり効果が大きくない。また、EtAQ=100mol%では後半に吸収量が減っていた。これはエチルアントラヒドロキノンの溶解度不足による析出が起きて触媒の細孔を埋めてしまい触媒活性が落ちたためである。
水添工程、酸化工程、抽出工程、及び再生工程を有する過酸化水素製造装置を用いて、作動溶液の循環運転を行い、製造した過酸化水素の成分を調べた。
過酸化水素製造装置は以下の構成になっている。
水添工程:攪拌式水添反応器、水添触媒Pd担持触媒
酸化工程:多段式向流酸化塔形式 (反応温度:40℃)
作動溶液は長年使用したものであり、その組成には分析不能な経年劣化物を含む。作動溶液中のアントラキノン類の主な組成、及び得られた過酸化水素中のフタル酸量を以下に示す。
作動溶液中のアントラキノン類
アミルアントラキノン=420mmol/l; アミルテトラヒドロアントラキノン=80mmol/l
エチルアントラキノン=200mmol/l; エチルテトラヒドロアントラキノン=35mmol/L
過酸化水素中のフタル酸類の濃度(エチルフタル酸+アミルフタル酸)=0.1mg/H−kg
アミルテトラヒドロアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノンの合計と、アミルアントラキノン及びエチルアントラキノンの合計とのモル比は、1:5.4であった。
<比較例4>
実施例3と同様な装置を用いて、作動溶液として下記組成のものを用いたほかは実施例3と同じ条件で実施した。特に水素化度、抽出する過酸化水素濃度などは同様の条件として、抽出時の影響が無視できるようにした。
作動溶液中のアントラキノン類
アミルアントラキノン=250mmol/l; アミルテトラヒドロアントラキノン=250mmol/l
エチルアントラキノン=120mmol/l; エチルテトラヒドロアントラキノン=120mmol/L
過酸化水素中のフタル酸類の濃度(エチルフタル酸+アミルフタル酸)=0.4mg/H−kg
アミルテトラヒドロアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノンの合計と、アミルアントラキノン及びエチルアントラキノンの合計とのモル比は、1:1であった。
<比較例5>
実施例3と同様な装置を用いて、作動溶液として下記組成のものを用いたほかは実施例3と同じ条件で実施した。特に水素化度、抽出する過酸化水素濃度などは同様の条件として、抽出時の影響が無視できるようにした。
作動溶液中のアントラキノン類
エチルアントラキノン=350mmol/l; エチルテトラヒドロアントラキノン=400mmol/L
過酸化水素中のフタル酸類の濃度(エチルフタル酸+アミルフタル酸)=0.6mg/H−kg
アミルテトラヒドロアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノンの合計と、アミルアントラキノン及びエチルアントラキノンの合計とのモル比は、1:0.9であった。エチルテトラヒドロアントラキノンの比率が高いので、溶解度の高いアミルアントラキノン類なしでも運転可能ではあった。
実施例3及び比較例4、5の結果より、作動溶液中のテトラヒドロアントラキノンの割合が増えるにしたがって過酸化水素中のフタル酸類の濃度が上昇した。
(参考例
アントラキノン類の安定性の評価
アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノンを含む作動溶液に、過酸化水素の分解を促進する為の4%NaOH溶液を加えて攪拌し、60%過酸化水素を滴下した。
反応液は、室温から徐々に温まり、最終的には60℃となった。反応中に液をサンプリングしてHPLCで分析したところ、アミルテトラヒドロアントラキノンが減少しアミルテトラヒドロアントラキノンエポキシドが生成していることが確認された。反応開始から8時間後にはアミルテトラヒドロアントラキノンの80%が消失しており、またアミルテトラヒドロアントラキノンエポキシドも減少していた。これに対してアミルアントラキノンの濃度は一定であり変化しなかった。
反応後の水層を分液し、硫酸で酸性化してクロロホルムで抽出したところ、アミルフタル酸が検出された。得られたアミルフタル酸の量は、元のアミルテトラヒドロアントラキノンの60%に相当する量であった。
(参考例
アントラキノン類の安定性の評価
参考例4と同様にエチルアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノンを含む作動溶液に対して安定性の試験を実施した。参考例4と同様に反応液は、室温から徐々に温まり、最終的には60℃となった。反応中に液をサンプリングしてHPLCで分析したところ、エチルテトラヒドロアントラキノンが減少しエチルテトラヒドロアントラキノンエポキシドが生成していることが確認された。反応開始から6時間後にはエチルテトラヒドロアントラキノンの90%が消失しており、またエチルテトラヒドロアントラキノンエポキシドも減少していた。これに対してエチルアントラキノンの濃度は一定であり変化しなかった。
反応後の水層を分液し、硫酸で酸性化してクロロホルムで抽出したところ、エチルフタル酸が検出された。得られたエチルフタル酸の量は、元のエチルテトラヒドロアントラキノンの70%に相当する量であった。
水添工程、酸化工程、抽出工程、及び再生工程を有する小規模な過酸化水素製造装置を用いて、作動溶液の循環運転を行い、水添反応器のガス部の水素分圧を調べた。
過酸化水素製造装置は以下の構成になっている。
水添工程:攪拌式水添反応器、水添触媒Pd担持触媒
酸化工程:多段式向流酸化塔形式 (反応温度:40℃)
作動溶液の全量は45Lであり、循環流量15L/hr.で行った。水添反応器内の圧力を窒素ガスを用いて一定に保つように制御した。ガス部の水素分圧(=水素濃度)は触媒の反応速度に依存する。
作動溶液は長年使用したものであり、その組成の概略を以下に示すが、分析不能な経年劣化物を含む。
EtAQ類(エチルアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノン)15mol%
AmAQ類(アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノン)85mol%
そのうちテトラヒドロアントラキノン類(エチルテトラヒドロアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノン)は16モル%
作動溶液中のエチルアントラキノンの濃度は、0.107mol/Lであり、作動溶液中のエチルテトラヒドロアントラキノンの濃度は、0.020mol/Lであった。
水素分圧の経時変化を図3に示す。なお、水添触媒は一定量水添反応器に添加し入れ替えなしに実施しており、反応時間による劣化速度の評価を実施した。
作動溶液として長年使用した下記の組成のものを使用した時の水素分圧の経時変化を同じく図3に示す。その他の反応条件は実施例6と同様に実施した。
EtAQ類(エチルアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノン)30mol%
AmAQ類(アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノン)70mol%
そのうちテトラヒドロアントラキノン類(エチルテトラヒドロアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノン)は17モル%
作動溶液中のエチルアントラキノンの濃度は、0.204mol/Lであり、作動溶液中のエチルテトラヒドロアントラキノンの濃度は、0.042mol/Lであった。
実施例7と同じ作動溶液、同じ条件を用いて実施した。但し、水添反応器に入れた水添触媒(Pd担持触媒)は、実施例6,7と同じものを2/3(重量比)とした。
<比較例6>
作動溶液として長年使用した下記の組成のものを使用した時の水素分圧の経時変化を同じく図3に示す。その他の反応条件は実施例6、7と同様に実施した(触媒量も実施例6,7と同重量)。
AmAQ類(アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノン)100mol%
そのうちアミルテトラヒドロアントラキノンは17モル%
実施例6〜8及び比較例6の結果より、EtAQ類の添加の効果により反応速度が速くなる(即ち水素分圧が低下する)ことが明らかで、その分、水添触媒でPd担持触媒の触媒量を低減することが可能であった。
AmAQ+EtAQの飽和濃度の変化を示す図である。 参考例1,2及び比較例1〜3で得られた経過時間に対する水素吸収量の変化を示す図である。 実施例6〜8及び比較例6で得られた水素分圧の経時変化を示す図である。

Claims (5)

  1. 反応媒体としてアントラキノン類を含む作動溶液を、交互に還元・酸化することにより過酸化水素を製造する方法において、
    作動溶液中のアントラキノン類として、アルキル置換基を有するアントラキノンとアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラキノンのモル比が2:1〜8:1である混合物を用い、
    還元工程において、該作動溶液中の該テトラヒドロアントラキノンの全量および該アントラキノンの一部または全量を還元し、還元工程後で酸化工程前の作動溶液中のアルキル置換基を有するアントラヒドロキノンの含有量をアルキル置換基を有するテトラヒドロアントラヒドロキノンの含有量よりも多く保つ工程を有し、
    前記作動溶液中のアントラキノン類として、エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンを、両方の合計が前記作動溶液中の全アントラキノン類の10〜45モル%の割合で用い、前記エチルアントラキノン及びエチルテトラヒドロアントラキノン以外のアントラキノン類が、アミルアントラキノン及びアミルテトラヒドロアントラキノンであることを特徴とする過酸化水素の製造方法。
  2. 前記作動溶液中のエチルアントラキノンの濃度が、0.10から0.45mol/Lである請求項1記載の過酸化水素の製造方法。
  3. 前記酸化工程における反応温度が50℃以下である請求項1または2に記載の過酸化水素の製造方法。
  4. 前記反応媒体であるアントラキノン類の溶剤として、キノン溶剤である芳香族炭化水素と、ヒドロキノン溶剤である高級アルコール、アルキルリン酸塩、四置換尿素、シクロヘキサノールのカルボン酸エステル、および環状尿素からなる群より選ばれる一種以上とを含む請求項1からのいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
  5. 前記エチルアントラキノンとエチルテトラヒドロアントラキノンを、両方の合計が前記作動溶液中の全アントラキノン類の20〜40モル%の割合で用いる請求項1からのいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
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