JP4970648B2 - コンバイン - Google Patents

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JP4970648B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンバインの一形態として、原動機部からの出力をカウンターケースに入力させ、同カウンターケースから作業駆動力を出力させるとともに、作業駆動力として刈取部へ動力を伝達する際に、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させるようにして、同刈取部による刈取効率を良好に確保できるようにしたものがある。
【0003】
上記したコンバインでは、機体が畦に近接した場合や機体を方向転換する場合に、機体を低速走行させたり、停止状態にしたり、又は、後退移動させる必要性があるが、このような場合に刈取部の刈取処理速度が走行速度に同調して低速制御されると、既に刈取部により刈り取っている穀稈や、フィードチェンにより搬送されている穀稈の脱穀部への流し込み作業の速度が低下したり、また、流し込み作業が中断されるために、かかる穀稈流し込み作業能率が低下するという不具合がある。
【0004】
そこで、上記カウンターケース内における動力伝達経路中に、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させるための刈取処理速度同調経路に加え、所定の刈取処理速度で刈取処理を行う定速処理用経路を設け、機体を低速走行させたり、停止状態にする場合は、前記刈取処理速度同調経路への動力伝達を切断して定速処理用経路へ動力を伝達するようにして、走行速度にかかわらず、所定の刈取処理速度で刈取処理を行えるようにしたコンバインが提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カウンターケースを装備するとなると、コンバインの製造コストが著しく増加してしまう。
【0006】
そのようなことから、市場からは、上記したような走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させる刈取処理速度同調機能と、車速にかかわらず所定の刈取処理速度で刈取処理を行える定速処理機能とを備えながら、なおかつ低コストで入手できるコンバインが望まれている。
【0007】
しかし、かかる高機能なコンバインを低コストで製造する技術は未だ確立されておらず、しかも、メンテナンス性を向上させるために、フィードチェンを外方へ開放できるような構成は確保しなければ商品価値が低下してしまうし、定速処理機能を具現化するための構成要素などがフィードチェンを流れる穀稈と干渉しないように配設しなければならないなど、コストダウンを図ることは容易ではない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決することのできるコンバインを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の本発明では、機体前側部に設けた刈取部により刈取った穀稈をフィードチェンを介して脱穀部に搬送し、同脱穀部により穀稈を脱穀するようにしたコンバインにおいて、原動機部からの動力を前記刈取部へ伝達する動力伝達経路中に、ミッション部を介して動力を入力し、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させる刈取処理速度同調経路と、原動機部から動力を入力し、所定の刈取処理速度で刈取処理を行う定速処理用経路と、原動機部から動力を脱穀部と揺動選別部とにそれぞれ動力伝達する脱穀用経路と、を設け、フィードチェンは、その回動支点が前端部側に配設され、原動機部から動力を前記揺動選別部より伝動機構と変速機構とを介して動力伝達することにより駆動するようにし、同定速処理用経路を、前記フィードチェン側に配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンより車体中心側に配設した。
【0010】
また、請求項2記載の本発明では、刈取部に連動連結した刈取駆動軸の一側端部に、前記刈取処理速度同調経路からの動力を入力する第1の入力部を設ける一方、他側端部に、前記脱穀用経路からの動力を入力する第2の入力部を設けた。
【0011】
さらに、請求項3記載の本発明では、上記刈取駆動軸のフィードチェン側をなす端部にプーリを取付けて第2の入力部となし、同プーリと脱穀用経路に設けた脱穀軸のフィードチェン側をなす一端に設けたプーリとをベルトにより連動連結した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明に係るコンバインは、基本的構造として、走行部上に、運転部を設けた機体フレームを載設し、同機体フレームの前端部に穀桿を刈り取る刈取部を取り付け、また、機体フレーム上に、刈取部により刈り取った穀桿を脱穀する脱穀部を配設し、同脱穀部の下方に脱穀した穀粒を選別する揺動選別部を配設し、同揺動選別部の後方上部に排藁処理部を配設し、さらに、前記脱穀部の上方位置には穀粒貯留部を配設している。なお、刈取部によりより刈取られた穀稈は、フィードチェンを介して脱穀部に搬送されるようにしている。
【0014】
そして、特徴的構造としては、原動機部からの動力を前記刈取部へ伝達する動力伝達経路中に、ミッション部を介して動力を入力し、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させる刈取処理速度同調経路と、原動機部から動力を入力し、所定の刈取処理速度で刈取処理を行う定速処理用経路を設け、しかも、同定速処理用経路を、前記フィードチェンに近接して配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンの内側に配設している。
【0015】
すなわち、本実施形態におけるコンバインは、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させるようにして、同刈取部による刈取効率を良好に確保することができるとともに、機体を低速走行させたり、停止状態にする場合は、定速処理用経路へ動力を伝達するようにして、走行速度にかかわらず、所定の刈取処理速度で刈取処理を行うこともできる。しかも、従来のように高価なカウンターケースを装備する必要がなく、低コストで高機能のコンバインを提供することが可能となっている。
【0016】
さらに、定速処理用経路を、前記フィードチェン側に配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンの内側に配設したことにより、例えばフィードチェンそのものや、機体内部のメンテナンスを行う際に、前記入力部が邪魔になることなくフィードチェンを外側に開放することができ、定速処理用経路の構成要素を取外したりする必要はない。
【0017】
また、上記動力伝達経路は、原動機部からミッション部を介して走行部に動力伝達する走行用経路と、原動機部からミッション部を介して刈取部に動力伝達する刈取処理速度同調経路と、原動機部から脱穀部に動力伝達する脱穀用経路と、同脱穀用経路を介して原動機部からの動力を刈取部に伝達する定速処理用経路とを備える構成とし、刈取部に連動連結した刈取駆動軸の一側端部に、前記刈取処理速度同調経路からの動力を入力する第1の入力部を設ける一方、他側端部に、前記脱穀用経路からの動力を入力する第2の入力部を設けた構成とすることができる。
【0018】
このように、定速処理用経路への動力伝達を、脱穀用経路を介して行えることから、同定速処理用経路をフィードチェン側に容易に配置することができ、コンバインにおける動力伝達経路のレイアウトを簡素化することができる。
【0019】
さらに、定速処理用経路からの動力を刈取部に入力する上記第2の入力部を、上記刈取駆動軸のフィードチェン側をなす端部にプーリを取付けて構成し、同プーリと脱穀用経路に設けた脱穀軸のフィードチェン側をなす一端に設けたプーリとをベルトにより連動連結することができる。
【0020】
かかる構成とすることで、フィードチェンを開放すれば、脱穀部や揺動選別部など機体内部のメンテナンスも容易に行えるとともに、定速処理用経路についても作業者の近くに位置することになるので、同定速処理用経路のメンテナンスも極めて容易となる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は本実施例に係るコンバインの全体側面図、図2は同コンバインの運転部の平面図、図3は参考例に係る同コンバインの動力伝達部の模式的説明図、図4は刈取駆動軸に取付けた第2の入力部とフィードチェンとの位置関係を示す説明図、図5は定速処理用経路の説明図である。
【0022】
図1に示すように、本実施例に係るコンバインAは、左右一対のクローラ式の走行部1,1上に機体フレーム2を載設し、同機体フレーム2の前端部に刈取部4を取り付け、機体フレーム2上の左側前部に脱穀部6を配設し、同脱穀部6の直下方位置に揺動選別部7を配設する一方、同揺動選別部7の後方上部であって、脱穀部6の直後方位置に排藁処理部8を配設している。11は、刈取部4に設けた穀稈搬送機構、12は刈刃、13は、脱穀部6に設けた扱胴である。
【0023】
また、コンバインAは、機体フレーム2上の右側前部に運転部9を配設しており、さらに、同運転部9の直後方位置であって、前記脱穀部6の直上方位置に穀粒貯留部10を配設している。
【0024】
また、脱穀部6に設けた扱胴13の左側方位置には、前後方向に伸延するフィードチェン14を配設しており、同フィードチェン14の上方位置に狭やく桿15を対向させて配置して、同狭やく桿15とフィードチェン14とが協働して穀桿の株元部を狭持し、同穀桿の穂先部を扱胴13の下側周面に沿わせて前方から後方へ向けて搬送できるようにしている。
【0025】
また、フィードチェン14は、図3に示すように、その後端部に設けた回動支点となる軸Dを中心に側方へ回動して開放可能とし、例えばフィードチェン14そのものや、機体内部の脱穀部6や揺動選別部7などのメンテナンスを行えるようにしている。14aはフィードチェン14の後端部に設けたブラケットであり、前記軸Dを回動自在に嵌装している。
【0026】
また、運転部9は、図2に示すように、キャビン20内の床部21の前部略中央位置に、上部にステアリングホイール23を取り付けたステアリングコラム22を操縦装置として立設し、また、ステアリングホイール23の左側方位置に操作コラム24を配置するとともに、同ステアリングホイール23の後方位置に運転者用座席25を配置している。28は操作コラム24に設けた変速レバーである。
【0027】
そして、床部21の左側前部位置に主クラッチペダル26を配置する一方、ステアリングコラム22を挟むようにして、床部21の右側前部位置には、後述する定速処理用経路経路34に配設した定速処理用クラッチ73の操作手段となる定速処理用クラッチペダルSを配置している。
【0028】
上記構成により、本コンバインAは、走行しながら刈取部4に設けた刈刃12により圃場に植生している穀稈を刈り取り、この刈り取った穀稈を刈取部4に設けた穀稈搬送機構11により後上方へ搬送してフィードチェン14に受け渡し、同フィードチェン14と狭やく桿15とにより穀桿の株元部を狭持するとともに、穀桿の穂先部を扱胴13の下側周面に沿わせて前方から後方へ向けて搬送して、同扱胴13により脱穀することができる。そして、この脱穀した穀粒を揺動選別部7により選別して、選別した清粒を穀粒貯留部10に搬送して貯留する一方、排藁を排藁処理するようにしている。
【0029】
ところで、前記した走行部1,1と刈取部4と脱穀部6とフィードチェン14は、図3に示すように、原動機部Eからの出力を動力伝達部30を介して伝達して作動させるようにしている。
【0030】
動力伝達部30には、原動機部Eからミッション部Mを介して走行部1,1に動力を伝達する走行用経路31と、原動機部Eからミッション部Mを介して刈取部4とフィードチェン14とにそれぞれ動力を伝達する刈取用経路として、走行速度に同調させて刈取部4の刈取処理速度を変化させる同調制御機能をもたせた刈取処理速度同調経路32と、原動機部Eから脱穀部6と揺動選別部7とにそれぞれ動力を伝達する脱穀用経路33とを設け、さらに、原動機部Eから前記脱穀用経路33を介して刈取部4とフィードチェン14とにそれぞれ動力を伝達し、所定の刈取処理速度で刈取処理を行わせる定速処理用経路34を設けている。
【0031】
すなわち、原動機部Eより突出させた駆動軸40に、主クラッチCを介してミッション部Mを連動連結し、同ミッション部Mに前記走行用経路31を介して走行部1,1の駆動輪1a,1aを連動連結している。
【0032】
また、刈取処理速度同調経路32は、ミッション部Mに突設した出力軸41に取付けたプーリ44と、刈取部4の後方位置に、機体を横断するように伸延させて配置した刈取駆動軸42のフィードチェン14と反対側をなす端部に取付けた第1のプーリ45との間に刈取伝動ベルト43を巻回し、同刈取伝動ベルト43を刈取クラッチ35により緊張・弛緩自在として動力の伝達を接続・切断可能として、走行速度に同調させて刈取部4の刈取処理速度を変化させることができるようにしている。また、上記プーリ44、第1のプーリ45には、ワンウェイクラッチC1を設けている。
【0033】
また、脱穀用経路33は、原動機部Eより突出させた駆動軸40と、原動機部E側からフィードチェン1 4側へ伸延させた脱穀駆動軸50との間に脱穀伝動ベルト51をプーリ52,53を介して巻回し、同脱穀伝動ベルト51を脱穀クラッチ54により緊張・弛緩自在となして、動力の伝達を接続・切断可能としている。
【0034】
そして、脱穀駆動軸50に脱穀部6の扱胴13(図1参照)を連動連結するとともに、同脱穀駆動軸50に揺動選別部7の駆動部(図示せず)を連動連結している。55は脱穀部伝動用プーリ、56は選別部伝動用プーリである。
【0035】
さらに、定速処理用経路34は、前記刈取駆動軸42のフィードチェン14側をなす端部に第2のプーリ72を取付け、同プーリ72と前記脱穀駆動軸50のフィードチェン14側をなす端部に取付けたプーリ71との間に定速処理用伝動ベルト70を巻回して、同定速処理用伝動ベルト70を、定速処理用クラッチ73により緊張・弛緩自在として動力の伝達を接続・切断可能としている。なお、第2のプーリ72にはワンウェイクラッチC1を設けている。
【0036】
このように、本実施例では、前記脱穀駆動軸50と刈取駆動軸42との間に設けた上記定速処理用経路34をフィードチェン14側に配置して、同定速処理用経路34からの動力を、刈取部4への入力部として設けた第2のプーリ72を、前記フィードチェン14の内側に配設したことに特徴がある。
【0037】
すなわち、本実施例に係るコンバインAは、前記刈取クラッチ35により、刈取処理速度同調経路32の刈取伝動ベルト43を緊張させて動力伝達を行えば、走行速度に同調させて刈取部4の刈取処理速度を変化させることができ、刈取部4による刈取効率を良好に確保することができる。
【0038】
他方、機体を低速走行させたり、停止状態にする場合は、前記した定速処理用クラッチ73により、定速処理用経路34の定速回転系伝動ベルト70を緊張させて動力伝達を行えば、走行速度にかかわらず、所定の刈取処理速度で刈取処理を行うことができる。
【0039】
しかも、従来のように高価なカウンターケースを装備する必要がなく、低コストで高機能のコンバインを提供することが可能である。
【0040】
さらに、定速処理用経路34を、上述したように、フィードチェン14側に配置するとともに、同定速処理用経路34からの動力を刈取部4へ入力する第2のプーリ72を、図3及び図4に示すように、前記フィードチェン14の内側に配設したことにより、例えばフィードチェン14そのものや、機体内部の脱穀部6や揺動選別部7などのメンテナンス時にフィードチェン14を外側に開放する場合、前記第2のプーリ72が邪魔になることなく、同プーリ72などを含め、定速処理用経路34の構成要素を取外したりする必要がなくなる。しかも、第2のプーリ72がフィードチェン14を流れる穀稈と干渉することもない。なお、図4中、Eは刈取部4からフィードチェン14へ穀稈を搬送するための補助搬送路である。
【0041】
また、定速処理用経路34への動力伝達は、原動機部E側からフィードチェン14側へ機体を横断するように伸延させた脱穀駆動軸50を介して行っているので、同定速処理用経路34をフィードチェン14側に容易に配置することができ、コンバインAにおける動力伝達経路のレイアウトを簡素化することができる。
【0042】
図3中、47は刈取駆動軸42の中途部に取付けた出力用ベベルギヤであり、同出力用ベベルギヤ47に刈取部4の入力軸48に取り付けた入力用ベベルギヤ49を噛合させて、刈取処理速度同調経路32あるいは定速処理用経路34を介して、刈取駆動軸42より刈取部4に動力を伝達することができる。
【0043】
また、60は刈取駆動軸42の機体進行方向左側端部に設けた減速ケースであり、同減速ケース60より出力軸61を突設し、同出力軸61とフィードチェン14に設けた入力軸62との間に伝動チェン63をスプロケット64,65を介して巻回して、刈取駆動軸42より減速ケース60を介してフィードチェン14に減速した動力を伝達することができるようにしている。なお、フィードチェン14を外側へ開放したときに、前記入力軸62は機体側に固定され、フィードチェン14の前端部に設けた駆動用スプロケット66と離脱可能としている。66aは駆動用スプロケット66に設けた前記入力軸61との連結機構部、67はフィードチェン14の従動スプロケット、68は同従動スプロケット67の従動軸である。
【0044】
ところで、前記した定速処理用クラッチ73は、図5に示すクラッチ作動機構36を介して、クラッチ操作スイッチとして機能する前記定速処理用クラッチペダルSに連動連結している。
【0045】
すなわち、定速処理用クラッチ73は、図5に示すように、アーム支持台74にテンションアーム75の基端部を枢支ピン76により枢支し、同テンションアーム75の中途部と機体フレーム2に設けたスプリングステー76との間に引張スプリング77を介設して、同テンションアーム75の先端部に設けたテンションローラ75aを定速回転系伝動ベルト70の上側回動側部70aより離隔する方向に弾性付勢している。
【0046】
そして、クラッチ作動機構36は、テンションアーム75の中途部と運転部9に設けた定速処理用クラッチペダルSとの間に押し引きワイヤ78を介設している。
【0047】
本実施例に係るクラッチ作動機構36は、運転部9の前側部略中央位置に突設したステアリングコラム22の右側床部21上にペダル枢支体79を設け、同ペダル枢支体79にペダル支持アーム80を介して前記定速処理用クラッチペダルSの後部を枢軸81により枢支し、同枢軸81よりも下方にペダル支持アーム8 0より延設したワイヤ作動アーム82に、前記押し引きワイヤ78の一側端部を連結して構成している。83はペダル復元用スプリングである。
【0048】
このようにして、定速処理用クラッチペダルSの踏み込み操作に連動して押し引きワイヤ78を引張動作させて、テンションアーム75の先端部に設けたテンションローラ75aを定速処理用伝動ベルト70の上側回動側部70aに押圧させて、同定速処理用伝動ベルト70を緊張状態となすことができるようにして、所定の回転速度を第2のプーリ72を介して刈取駆動軸42に伝達することができる。
【0049】
すなわち、運転部9の座席25に着座した作業者は、定速処理用クラッチペダルSを足で踏み込み操作することができ、操作中のステアリングハンドル23やその他のレバー類などから手を話す必要がなく、穀稈の脱穀部4への流し込み操作を容易に行うことができる。
【0050】
そして、定速処理用クラッチペダルSの踏み込み操作により、定速処理用クラッチ73を接続動作させると、原動機部E→脱穀用経路33→定速処理用経路34→刈取駆動軸42→刈取部4及びフィードチェン14に動力を伝達して、刈取部4とフィードチェン14を、走行速度に同調することなく、脱穀部7に同調させて作動させることができる。
【0051】
したがって、機体が減速走行、停止、又は後退移動している場合にも、既に刈取部4により刈り取っている穀稈や、フィードチェン14により搬送されている穀稈の脱穀部7への流し込み作業の処理速度を低下させたり、また、流し込み作業を中断させたりすることなく、継続してかかる穀稈流し込み作業を効率良く行うことができる。
【0052】
また、走行速度に刈取処理速度を同調させた通常の刈取作業を行う際には、定速処理用クラッチペダルSの踏み込み操作を解除した状態としておくことにより、刈取クラッチ35を接続状態に保持させることができ、その結果、原動機部E→ミッション部M→刈取処理速度同調経路32→刈取部4及びフィードチェン14に動力を伝達して、刈取部4とフィードチェン14を走行部1,1に同調させて作動させることができる。
【0053】
なお、定速処理用クラッチペダルSの操作により、走行速度に刈取処理速度を同調させた通常の刈取作業を行う場合や、車速と同調させることなく刈り取り動作させる場合において、刈取駆動軸42の両端に取付けた刈取処理速度同調経路32の入力部となる第1のプーリ45、及び定速処理用経路34の入力部となる第2のプーリ72にはワンウェイクラッチC1を設けているので、刈取処理速度同調経路32と定速処理用経路34のいずれか一方の回転数が大きい方の動力が刈取部4に入力されることになる。
【0054】
上記構成において、定速処理用経路34から動力を刈取部4へ伝達する場合、刈取駆動軸42の回転数を、本実施例では図6に示すように、最大回転数の1/2〜最大回転数までの間に設定している。
【0055】
すなわち、図6において、通常の作業では、刈取駆動軸42の回転数は車速と同調してリニアに変化するが(図5のO−A)、例えばB−C間においては、車速が低速であっても高速回転が可能で、このように、車速にかかわらず刈取部4の処理速度を高速で行うことができる。
【0056】
したがって、機体停止時や低速走行に穀稈の流し込みが必要な場合においても刈取部4は高速処理が可能となって、刈取作業能率をいつも良好に維持することができる。
【0057】
(第1実施例)
図7は、第1実施例としての動力伝達部30を示している。
【0058】
動力伝達部30は、基本的構造を先に説明した第1実施例における動力伝達部30と同じくしているが、フィードチェン14の駆動を揺動選別部7より伝動機構85と変速機構86とを介して行うようにするとともに、フィードチェン14の回動支点が前端部側にある点で異なる。
【0059】
すなわち、フィードチェン14は、前端部側に従動用スプロケット67を配置するとともに、後端部側に駆動用スプロケット66を配置して、同駆動用スプロケット66を有段式の変速機構86に設けたフィードチェン駆動軸88により支持している。
【0060】
そして、伝動機構85は、選別部7に設けた出力軸89と、変速機構86に設けた入力軸90との間に、伝動ベルト91をプーリ92,93を介して巻回して構成している。
【0061】
また、変速機構86は、前記入力軸90とフィードチェン駆動軸88とをファン軸94と中間軸95とを介して連動連結しており、中間軸95に設けた大・小径ギヤ96,97に、フィードチェン駆動軸88にスライド自在に設けた高・低速変速ギヤ98,99を選択的に噛合させて、フィードチェン14の駆動を二段変速可能としている。100は出力ギヤ、101は排塵ファン、102はファン入力兼伝達用ギヤである。
【0062】
そして、フィードチェン14の前端部側に設けたブラケット14aを、回動支点である軸Dに嵌装して、前側を回動支点として側方へ開放可能としている。なお、フィードチェン14の開放時には、この場合でもフィードチェン駆動軸88は機体側に固定されている。
【0063】
このように、本実施例においても、先の実施例同様に、フィードチェン14の開放時には、第2のプーリ72は邪魔になることがなく、同プーリ72などを含め、定速処理用経路34の構成要素を取外したりする必要はない。
【0064】
(第2実施例)
図8は、第2実施例としての動力伝達部30を示しており、同動力伝達部30は、前記した第2実施例としての動力伝達部30と基本的構造を同じくしているが、変速機構86を無段式に構成している点で異なる。
【0065】
すなわち、変速機構8 6は、ファン軸94に出力側割プーリ103を設ける一方、フィードチェン駆動軸88に入力側割プーリ104を設け、両プーリ103,104間に伝動ベルト105を巻回して、両プーリ103,104の径を無段階に変更調節することにより、フィードチェン14の駆動を無段変速可能としている。106はクラッチである。
【0066】
なお、上記してきた第2、第3実施例では、刈取クラッチ35と定速処理用クラッチ73とを連動させて、定速処理用クラッチペダルSを操作すれば、定速処理用クラッチ73の接続・切断に連動して刈取クラッチ35が切断・接続するようにしており、第1実施例(図3)のように、ミッション部Mに突設した出力軸41に取付けたプーリ44と、刈取駆動軸42のフィードチェン14と反対側をなす端部に取付けた第1のプーリ45と、同刈取駆動軸42のフィードチェン14側をなす端部に取付けた第2のプーリ72とにそれぞれ設けたワンウェイクラッチC1を廃止している。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0068】
(1)請求項1記載の本発明では、機体前側部に設けた刈取部により刈取った穀稈をフィードチェンを介して脱穀部に搬送し、同脱穀部により穀稈を脱穀するようにしたコンバインにおいて、原動機部からの動力を前記刈取部へ伝達する動力伝達経路中に、ミッション部を介して動力を入力し、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させる刈取処理速度同調経路と、原動機部から動力を入力し、所定の刈取処理速度で刈取処理を行う定速処理用経路と、原動機部から動力を脱穀部と揺動選別部とにそれぞれ動力伝達する脱穀用経路と、を設け、フィードチェンは、その回動支点が前端部側に配設され、原動機部から動力を前記揺動選別部より伝動機構と変速機構とを介して動力伝達することにより駆動するようにし、同定速処理用経路を、前記フィードチェン側に配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンより車体中心側に配設したことにより、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させて、同刈取部による刈取効率を良好に確保することができるとともに、機体を低速走行させたり、停止状態にする場合は、定速処理用経路へ動力を伝達するようにして、走行速度にかかわらず、所定の刈取処理速度で効率的に刈取処理を行うことができる。
【0069】
しかも、定速処理用経路を、前記フィードチェン側に配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンの内側に配設したことにより、例えばフィードチェンそのものや、機体内部のメンテナンスを行う際に、前記入力部が邪魔になることなくフィードチェンを外側に開放することができ、定速処理用経路の構成要素を取外したりする必要がない。
【0070】
このように、高機能のコンバインを、従来のように高価なカウンターケースを装備する必要がないために、低コストで提供することができる。
【0071】
(2)請求項2記載の本発明では、刈取部に連動連結した刈取駆動軸の一側端部に、前記刈取処理速度同調経路からの動力を入力する第1の入力部を設ける一方、他側端部に、前記脱穀用経路からの動力を入力する第2の入力部を設けたことにより、定速処理用経路をフィードチェン側に容易に配置することができ、コンバインにおける動力伝達経路のレイアウトを簡素化することができる。
【0072】
(3)請求項3記載の本発明では、上記刈取駆動軸のフィードチェン側をなす端部にプーリを取付けて第2の入力部となし、同プーリと脱穀用経路に設けた脱穀軸のフィードチェン側をなす一端に設けたプーリとをベルトにより連動連結したことにより、フィードチェンを開放すれば、脱穀部や揺動選別部など機体内部のメンテナンスを容易に行えるとともに、定速処理用経路についても作業者の近くに位置することになるので、メンテナンスが極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るコンバインの全体側面図である。
【図2】 同コンバインの運転部の平面図である。
【図3】 参考図であるコンバインの動力伝達部の模式的説明図である。
【図4】 刈取駆動軸に取付けた第2の入力部とフィードチェンとの位置関係を示す説明図である。
【図5】 定速処理用経路の説明図である。
【図6】 刈取駆動軸の回転数と車速との関係を示すグラフである。
【図7】 第1実施例に係るコンバインの動力伝達部の模式的説明図である。
【図8】 第2実施例に係るコンバインの動力伝達部の模式的説明図である。
【符号の説明】
A コンバイン
E 原動機部
M ミッション部
4 刈取部
6 脱穀部
14 フィードチェン
30 動力伝達経路
31 走行用経路
32 刈取処理速度同調経路
33 脱穀用経路
42 刈取駆動軸
45 第1のプーリ(第1の入力部)
50 脱穀駆動軸
72 第2のプーリ(第2の入力部)

Claims (3)

  1. 機体前側部に設けた刈取部により刈取った穀稈をフィードチェンを介して脱穀部に搬送し、同脱穀部により穀稈を脱穀するようにしたコンバインにおいて、
    原動機部からの動力を前記刈取部へ伝達する動力伝達経路中に、ミッション部を介して動力を入力し、走行速度に同調させて刈取部の刈取処理速度を変化させる刈取処理速度同調経路と、原動機部から動力を入力し、所定の刈取処理速度で刈取処理を行う定速処理用経路と、原動機部から動力を脱穀部と揺動選別部とにそれぞれ動力伝達する脱穀用経路と、を設け、
    フィードチェンは、その回動支点が前端部側に配設され、原動機部から動力を前記揺動選別部より伝動機構と変速機構とを介して動力伝達することにより駆動するようにし、
    同定速処理用経路を、前記フィードチェン側に配置するとともに、同定速処理用経路からの動力を刈取部へ入力する入力部を、前記フィードチェンより車体中心側に配設したことを特徴とするコンバイン。
  2. 刈取部に連動連結した刈取駆動軸の一側端部に、前記刈取処理速度同調経路からの動力を入力する第1の入力部を設ける一方、他側端部に、前記脱穀用経路からの動力を入力する第2の入力部を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
  3. 刈取駆動軸のフィードチェン側をなす端部にプーリを取付けて第2の入力部となし、同プーリと脱穀用経路に設けた脱穀軸のフィードチェン側をなす一端に設けたプーリとをベルトにより連動連結したことを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
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