JP4970027B2 - シーリングプレート - Google Patents

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この発明は、スプリンクラヘッドに取付けられ、天井に形成された取付孔の内側面と前記スプリンクラヘッドの外側面との隙間を前記天井の下側から覆うシーリングプレートに関する。
従来、天井に形成された取付孔の内周面とスプリンクラヘッドの外側面との隙間を前記天井の下側から覆うシーリングプレートにおいて、一端部が前記スプリンクラヘッドに固定され、他端部が前記スプリンクラヘッドの感熱部の外周の全面に渡って前記隙間を覆うシーリングプレートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−94307号公報
しかしながら、このものの場合、感熱部の先端部がシーリングプレートの下端から露出されているので、外力による衝撃が加わる恐れがあるという問題点があった。
また、感熱部を外力から保護するために、別部材として、感熱部の先端部を覆う保護部材を設けた場合、この保護部材により、火災時の熱気流が感熱部に直接あたるのが妨げられるので、感熱部の感度が低下するという問題点があった。
この発明は、上述のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は、感熱部の感度を低下させることなく、感熱部を外力から保護するシーリングプレートを提供するものである。
この発明に係るシーリングプレートは、天井に形成された取付孔から先端部が床側へ突出したスプリンクラヘッドであって、上端部側に設けられたフランジと先端部に設けられた感熱部と前記感熱部が加熱されることにより下方へ落下するデフレクタとを有する前記スプリンクラヘッドの外側面に設けられ、前記取付孔の内側面と前記スプリンクラヘッドの外側面との隙間を前記天井の下側から覆うシーリングプレートにおいて、前記フランジの外側面に固定される固定部と、前記固定部の下端から径方向外側に向かって鍔状に延びて前記隙間を覆う平板部と、前記平板部の下面に、前記デフレクタの下方への落下が可能となるように、前記感熱部の外周に沿って設けられたガード部を有し、前記ガード部には、周方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の突出部により、径方向に沿って導通した複数の気流通過路が形成されている。
この発明に係るシーリングプレートによれば、感熱部の感度を低下させることなく、感熱部を外力から保護することができる。
実施の形態1.
図1(a)は実施の形態1に係るシーリングプレート3をスプリンクラヘッド1に取付けたときの断面図、図1(b)は図1(a)のシーリングプレート3の底面図である。
スプリンクラヘッド1は、先端部1aが天井2に形成された取付孔2aから床側へ突出して設けられている。
シーリングプレート3は、スプリンクラヘッド1の外周面に設けられ、取付孔2aの内側面とスプリンクラヘッド1の外側面との隙間を天井2の下側から覆っている。
スプリンクラヘッド1の先端部1aには、熱を検知する感熱部1bが取付けられている。スプリンクラヘッド1は、周辺の温度が上昇すると、感熱部1b内に設けられた低融点のハンダが溶けて、図2に示すように、このハンダを有したリンク機構(図示せず)が分解することにより、スプリンクラヘッド1から水が放出される。このとき、放射状に散水するデフレクタDは、シーリングプレート3の下端よりも下方に降下し、放水時において、シーリングプレート3がデフレクタDから散水される水の障害となることはない。
デフレクタDは、通常時の状態においては、スプリンクラヘッド1のフレーム内に設けられ、シーリングプレート1の平板部4より上方に位置している。そして、ヘッド動作時には、リンク機構の分解によって、ガイドロッドの長さ分だけ降下して、突出部5の下端よりも下方に位置するようになっている。
シーリングプレート3は、一端部がスプリンクラヘッド1に固定される固定部3aを有し、他端部が感熱部1bの外周に沿って設けられたガード部3bを有している。
固定部3aは、円筒形状であり、その内周面にはネジ溝が形成されており、外周面にネジ溝が形成されたスプリンクラヘッド1の上端側に設けられたフランジに螺着されている。
ガード部3bは、固定部3aの下方に設けられ、円筒形状の固定部3aの下端から、径方向外側に向かって鍔状に延びた平板部4と、この平板部4の下面であって周方向に沿って等間隔に5箇所設けられた突出部5とを有している。
平板部4と、隣り合う突出部5とにより、径方向に沿って導通した気流通過路6が5箇所形成されている。
より具体的に言えば、平板部4において、隣り合う突出部5の間に気流通過路6が設けられる。この気流通過路6には、火災時において、天井2下面に沿って水平に流れる熱気流が通過して、感熱部1bを加熱する。
また、突出部5の対向する位置に、気流通過路6が形成される位置関係になっている。
突出部5は、内側(スプリンクラヘッド1の中心側)に向かうにつれて、細く、かつ、床側に向かって延びるように形成されており、断面略直角三角形の形状を有している。突出部5の床側の下端部は、感熱部1bの下端部と床から同じ高さにまで床側へ延びている。
言い換えると、突出部5の床側の可端部は、感熱部1bの下端部とほぼ同じ高さの位置にある。なお、突出部5の床側の下端部をさらに下方(床側)へ延ばして、突出部5の下端部の方が、感熱部1bの下端部より下方に位置させるようにしてもよく、これにより、感熱部1bをガードすることができる。
気流通過路6の内径側の幅は、突出部5の周方向の幅のおよそ1.5〜2倍の大きさがあり、さらに、感熱部1bを構成する感熱板1cの直径とほぼ同程度の大きさである。
なお、気流通過路6の内径側の幅は、突出部5の外周側の幅とほぼ同じ大きさであり、このように突出部5の幅を大きくすることで、感熱部の保護機能を高めている。
ガード部3bの内側であって、突出部5の根元部および平板部4には、全周に渡って、感熱部1bの外周に対向して凹部7が形成されている。ここで、根元部とは、床側へ一番延びた突出部5の上部のことを指している。
このシーリングプレート3は、固定部3aとガード部3bとが一体に形成されており、ガード部3bを径方向に沿って、突出部5を残すようにして削り取ることで、気流通過路6が形成されている。
なお、シーリングプレート3の固定部3aにおいて、ネジ溝の下方には、内側方向に環状に突出した当たり部10が形成されている。この当たり部10の内径は、スプリンクラヘッド1の外径とほぼ等しくなるようにしており、当たり部10によって、スプリンクラヘッド1のフレーム自体が保持され、シーリングプレート3の外力によるがたつきを防止する。
前述の凹部7は、この当たり部10の下方に、環状に凹んだ部分であり、火災時において、熱気流が滞留しやすくなっている。
次に、衝突物がガード部3bにぶつかる場合について説明する。
例えば、掃除用のモップの柄などの細長い棒状の衝突物が、感熱部1bに向かって横方向からぶつかるとすると、感熱部1bの周囲にはガード部3bが設けられているので、気流通過路6の幅よりも直径の大きいものは突出部5にあたり、感熱部1bは外力から保護される。その結果、感熱部1bが外力により破壊されて、スプリンクラヘッド1から誤って散水されるのを防ぐことができる。
また、衝突物が、感熱部1bに向かって下方向からぶつかるとすると、突出部5の床側の端部は、感熱部1bと同じまたはそれ以上の高さになるまで床側へ延びており、衝突物は突出部5の下端部にあたるので、感熱部1bを外力から確実に保護することができる。
また、気流通過路6の幅よりも薄い板状の衝突物が、例えば、気流通過路6に入り込むように感熱部1bに向かって下方向からぶつかるとすると、感熱部1bを中心として、気流通過路6の対向する位置に突出部5が設けられているので、衝突物は気流通過路6に対向して形成された突出部5にあたる。このようにして、感熱部1bを外力から確実に保護することができる。
次に、火災が発生し、感熱部1bが作動する場合について説明する。
火災が発生すると、天井2付近では、水平方向の熱気流が発生する。
感熱部1bの外周に設けられたガード部3bには、径方向に向かって気流通過路6が形成されているので、水平方向の熱気流は、ガード部3bを通過して、感熱部1bに直接あたる。
特に、気流通過路6の幅は、感熱板1cの直径とほぼ同じ大きさであるので、どの方向から熱気流が流れても、突出部5に妨げられることはなく、感熱板1cは確実に熱気流により加熱される。
また、気流通過路6を通過した熱気流は、ガード部3bの根元部の内周に形成された凹部7において滞留するので、感熱部1bの加熱を促進して感度を高めることが可能となる。
このように、感熱部1bは、ガード部3bが全周に渡って設けられているものの、隣り合う突出部5の間に気流通過路6が設けられているので、感熱部1bの感度を低下させることなく、感熱部1bを外力から保護することができる。
実施の形態2.
図3(a)は実施の形態2に係るシーリングプレート3をスプリンクラヘッド1に取付けたときの断面図、図3(b)は図3(a)のシーリングプレート3の底面図である。
実施の形態2に係るシーリングプレート3は、隣接する突出部5の間において内径側に、両突出部5を連結する連結部8が設けられており、突出部5の床側端部は環状に連結されている。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
ただし、連通部8を設けたことにより、保護機能が向上しているので、突出部5の外周側の幅は、熱気流通過路6の内周側の幅よりも小さくなっている。
この実施の形態2では、例えば、掃除用のモップの柄などの細長い棒状の衝突物が、感熱部1bに向かって横方向からぶつかるとすると、ガード部3bには、突出部5だけでなく、連結部8も設けられているので、衝突物が気流通過路6を通過しようとしても、衝突物が先に連結部8にあたるので、実施の形態1に係るシーリングプレート3より確実に、感熱部1bを外力から保護することができる。
図4は、実施の形態2に係るシーリングプレート3において、スプリンクラヘッド1が動作したときの状態を示した図面である。このものの場合においても、スプリンクラヘッド1が動作すると、そのデフレクタDは、シーリングプレート3の下端よりも下方に落下する。このため、放水の際、シーリングプレート3が散水の障害になることはない。
なお、上記各実施の形態では、周方向に沿って等間隔に5箇所設けられた複数の突出部5により、径方向に沿って導通した気流通過路6が5箇所形成されたガード部3bについて説明したが、勿論この数に限らない。
また、上記各実施の形態では、突出部5の床側の端部が、感熱部1bの端部と床から同じ高さになるように床側へ延びているシーリングプレートについて説明したが、突出部5の床側の端部が、感熱部1bの端部より床からの高さが低くなるように床側へ延びているシーリングプレートであってもよい。
図1(a)は実施の形態1に係るシーリングプレートをスプリンクラヘッドに取付けたときの断面図、図1(b)は図1(a)のシーリングプレートの底面図である。 図1のスプリンクラヘッドから放水されるときの断面図である。 図3(a)は実施の形態2に係るシーリングプレートをスプリンクラヘッドに取付けたときの断面図、図3(b)は図3(a)のシーリングプレートの底面図である。 図3のスプリンクラヘッドから放水されるときの断面図である。
符号の説明
1 スプリンクラヘッド、1a 先端部、1b 感熱部、1c 感熱板、2 天井、2a 取付孔、3 シーリングプレート、3a 固定部、3b ガード部、4 平板部、5 突出部、6 気流通過路、7 凹部、8 連結部、10 当たり部、D デフレクタ。

Claims (5)

  1. 天井に形成された取付孔から先端部が床側へ突出したスプリンクラヘッドであって、上端部側に設けられたフランジと先端部に設けられた感熱部と前記感熱部が加熱されることにより下方へ落下するデフレクタとを有する前記スプリンクラヘッドの外側面に設けられ、前記取付孔の内側面と前記スプリンクラヘッドの外側面との隙間を前記天井の下側から覆うシーリングプレートにおいて、
    前記フランジの外側面に固定される固定部と、
    前記固定部の下端から径方向外側に向かって鍔状に延びて前記隙間を覆う平板部と、
    前記平板部の下面に、前記デフレクタの下方への落下が可能となるように、前記感熱部の外周に沿って設けられたガード部
    を有し、
    前記ガード部には、周方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の突出部により、径方向に沿って導通した複数の気流通過路が形成されていることを特徴とするシーリングプレート。
  2. 隣接する前記突出部の間には、両突出部を連結する連結部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のシーリングプレート。
  3. 前記気流通過路の幅は、前記感熱部を構成する感熱板の直径とほぼ同じ大きさであるとともに、突出部の外周側の幅とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーリングプレート。
  4. 前記突出部の対向する位置に、前記気流通過路が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のシーリングプレート。
  5. 前記ガード部は、根元部の内側に、前記感熱部の外周に対向して周方向に延びた凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のシーリングプレート。
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