JP4969420B2 - 静電荷潜像現像用トナー、プロセスカートリッジ並びに画像形成方法 - Google Patents
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Description
電子写真、静電記録、静電印刷等において、高品位、高画質の画像を得るためには、トナーの粒子径を小さくしたり、その粒度分布を狭くしたりすることにより改良が図られているが、通常の混練、粉砕法による製造方法ではその粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合は現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下するという現象が発生している。またその形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動化剤を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。
これらは、結着樹脂、もしくはその原材料となるモノマー、着色剤、ワックス成分、帯電制御剤などを含有するトナー原材料混合体を、水系分散媒に分散させて、該トナー原材料混合体の粒子を生成する造粒工程により、トナーとして適した大きさ、具体的には3〜12μm程度の粒径のトナー粒子を作成し、作成されたトナー粒子を水系分散媒から取り出し、洗浄、乾燥を経てトナーを得るものである。
トナーの形状においても、凹凸状にすることにより流動化剤として添加したシリカの凹部での付着が弱いことや、使用中凹部へのシリカの移動が原因となって、感光体汚染の問題等が起こりやすくなる。溶解懸濁法においては、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるが高分子量成分を加える必要があるため液粘度が上がり生産性の問題が起こる。又、規則性のない凹凸形状は帯電安定性に欠け、更に、耐久性、離型性に問題が残る。
層状無機鉱物とは、無機分子の層が積層凝集された微視的構造を有する無機鉱物のことである。無機分子の層は、厚さが数Å〜数nm、数百nm〜数μmであり、SiやAl、Feなどを中心に持つ4面体が2次元に広がりを持つ4面体シート、AlやMgなどを中心に持つ8面体が2次元に広がりを持つ8面体シートが、単独、もしくは2〜3層重なった構造をとる。
各層を構成する金属原子の価数によっては、無機分子の層がプラス、もしくはマイナスの荷電を有することがあり、それぞれ、層間にアニオン、カチオンをインターカレートして全体としては荷電が相殺された状態で存在する。天然に産出されたものは、炭酸イオンやCl−、Na+、K+、Mg2+、Ca2+などの無機イオンがインターカレートされており親水性が高い。層がプラスの電荷を有するもの(アニオン性層状無機鉱物)としては、ハイドロタルサイト、層がマイナスの荷電を持つもの(カチオン性層状無機鉱物)としてはサポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、バーミキュライト、天然雲母、合成雲母(マイカ)、レピドライト、イライト、パナゴライト、クリントナイト、マーガライト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイトなどがある。このため、積層している無機分子層の間には、ファンデルワールス力のほかに、荷電を有するものでは静電力が働いている。静電力の比較的弱いハイドロタルサイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、バーミキュライト、膨潤性マイカなどの中には、層間に水分子が入り膨潤し、最終的には積層構造が剥離するものもある。
(特許文献2、3,4参照)
(1)少なくとも重合性単量体と着色剤および、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有する重合性単量体組成物を水性分散媒中で懸濁重合して得られるトナーであって、前記層状無機鉱物の含有量がトナーに対して0.05〜5質量%であり、前記層状無機鉱物がトナーの表面近傍に偏在しており、TEM像においてトナー周縁部から50nmの領域における層状無機鉱物の占める面積の割合が52〜81%であることを特徴とする静電荷潜像現像用トナー。
(2) 前記トナーのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷潜像現像用トナー。
(4) 前記重合性単量体が一部重合反応を行わせた後に、分散工程を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電荷潜像現像用トナー。
(5) 少なくとも、回動するトナー搬送部材、静電潜像現像用トナーを該搬送部材に供給するトナー供給部材とを有する現像装置とを有するプロセスカートリッジにおいて、該静電潜像現像用トナーは、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷潜像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(8)前記導電シートがナイロン、PTFE、PVDF、ウレタンから選ばれた導電シートであることを特徴とする前記(7)に記載の画像形成方法。
(10) 前記導電シート抵抗が10e+1〜10e+9Ωの導電シートであることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれかに記載の画像形成方法。
(11)前記導電シートに印加される電圧が−1.4〜0kVであることを特徴とする前記(7)〜(10)のいずれかに記載の画像形成方法。
層状無機鉱物はプラスティックの強靭性付与やガスバリア性付与にしばしば使用される。そこで、層状無機鉱物をトナー中に分散させ、トナーの強靭性を高めることができれば、トナーが電子写真プロセスで受けるさまざまなストレスによる割れや変形を防ぐことができると考えられる。
しかし、懸濁重合法トナーにおいて、顔料やワックスと一緒に層状無機鉱物を分散させて重合を行うと、層状無機化合物は造粒工程で水相へ移行してしまいトナー中に留めることができないか、トナー表面に露出してしまい、高温高湿環境下ではトナーの帯電性が低下し、白紙部分への地汚れなどが発生してしまう。水相へ移行してしまうのは、層状無機鉱物の極性が高いため、水相へ分散したほうが系が安定になるためであると考えられ、また、高温高湿環境下でトナーが帯電しなくなるのは、やはり層状無機鉱物の極性が高く層状無機鉱物表面や層間に大気中の水分子を抱き込みやすいためであると考えられる。
その結果、トナー表面近傍の強靭性を高めることになるため、電子写真プセスでの力学的ストレスに対して割れや変形が抑えることができるのに加え、トナー内部はこれまでと組成が何ら変わらないため、溶融したトナーは、有機変性層状無機鉱物を含有しないものと同じ挙動を示し、定着時の紙への含浸性には全く影響を与えない。
またさらには、層状無機鉱物が表面に露出することなく偏在したトナーは、長時間の保存によってもその品質の劣化が極めて少ない。これは、層状無機鉱物がトナー表面を均一に覆うように偏在しているため、トナー内部への酸素の侵入を防ぎ、樹脂や顔料分子の酸化が進行しないためであると考えられる。
カチオン性層状無機鉱物の場合には、有機カチオンで、また、アニオン性層状無機鉱物の場合は、有機アニオンで変性を行うことができる。
有機カチオンとしては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAがあげられる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレ
ート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体、メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
本発明のガラス転移点(Tg)の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEXTG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。 Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
本発明では、有機変性された層状無機鉱物がトナー表面近傍に均一に偏在している状態になることが好ましく、そのためには、トナーを製造する過程において、この層状無機鉱物が重合性単量体組成物中に十分に分散されている必要がある。
分散後の重合性単量体組成物の粘度としては、例えばB型粘度計を用いて回転数を100rpmに設定したときの測定値で、液温が24℃のときに100〜3000cP・s、好ましくは200〜2000cP・sの範囲である。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)の各色のトナー像を形成するための4つのプロセスカートリッジ1Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット50、レジストローラ対54、転写ユニット60等も備えている。各符号の末尾に付された添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー,マゼンダ,シアン,ブラック用の部材であることを示す。
同図において、Y用のプロセスカートリッジ1Yは、感光体3Y、帯電ブラシローラ4Y、図示しない除電ランプ、現像手段たる現像装置40Y等を、1つのユニットとして共通のカートリッジ(保持体)に保持させて、プリンタ本体に対して着脱可能にしたものである。
り、アジテータ43Yから送られてくるYトナーを良好に捕捉する。このようにして捕捉されたYトナーは、トナー供給ローラ44Yと現像ローラ42Yとの当接部で現像ローラ42Yに供給される。そして、現像剤担持体たる現像ローラ42Y内の表面に担持されたYトナーは、現像ローラ42Yの図中反時計回り方向の回転駆動に伴って規制ブレード45Yとの接触位置を通過する際にその層厚が規制されたり、摩擦帯電が促されたりした後、感光体3Yと対向する現像領域に搬送される。
複数の張架ローラとは、具体的には、従動ローラ62、駆動ローラ63、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,K等のことである。
M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいては、1次転写手段として1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを用いてもよい。また、転写チャージャーなどを用いてもよい。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えており、その中に記録紙Pを複数枚重ねた記録紙束の状態で収容している。そして、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで給紙路に送り出す。送り出された記録紙Pは、給紙路の末端に配設されたレジストローラ対54のレジストニップ内に挟み込まれる。
図2は、実施例に係るプリンタにおけるY用のプロセスカートリッジ1Yを示す拡大構成図である。このプリンタでは、いわゆるクリーナーレス方式を採用している。クレーナーレス方式とは、感光体3Yなどの静電潜像担持体上に付着している転写残トナーをクリーニング回収するための専用の手段を用いることなく静電潜像担持体上での画像形成プロセスを実行する方式のことである。また、クリーニング回収するための専用の手段とは、具体的には、転写残トナーを静電潜像担持体から分離した後、再び静電潜像担持体に付着させることなく、廃トナー容器まで搬送して回収したり、現像装置内に搬送してリサイクル回収したりする手段である。転写残トナーを潜像担持体から掻き取るクリーニングブレードも、専用の手段に含まれる。
実施例1
四つ口容器中にイオン交換水340部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液380部を添加し、高速撹拌装置ホモミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液30部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
一方、分散質として、
スチレン……………………………………………………83部
n−ブチルアクリレート…………………………………17部
銅フタロシアニン顔料… …………………………………5部
クレイトンAPA …………………………………………2部
サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業製E−304)
……………………………………………………………0.8部
パラフィンワックス(融点73℃)………………………5部
ポリエステル樹脂(Mw=25,000、酸価15mgKOH/g)
……………………………………………………5部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
重合終了後、内温を80℃に昇温し、更に重合を行なった。次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000部の水で洗浄を行った。その後、真空乾燥装置を用いて充分に乾燥させ、平均円形度は0.976、また、体積平均粒径(Dv)は6.8μm、個数平均粒径(Dp)は6.2μmのトナー母粒子が得られた。
次に上記トナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明の[トナー1]を得た。
本発明のトナーの2μm以下粒子率及び円形度、平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
以下にその測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dv/Dnを求めた。
クレイトンAPAの添加量を、2.0部から1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母粒子2を製造した。
実施例3
クレイトンAPAの添加量を、2.0部から0.15部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母粒子3を製造した。
実施例4
クレイトンAPAの添加量を、2.0部から4.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母粒子4を製造した。
実施例5
クレイトンAPAからクレイトンHY(Southern Clay Products社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、トナー母粒子5を製造した。
クレイトンAPAからクレイトンAF(Southern Clay Products社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、トナー母粒子6を製造した。
実施例7
ハイドロタルサイト(PURAL MG 61 HT、Sasol製)10gを脱イオン水100mlに投入し、80℃で1時間攪拌することにより分散させた。
次いで、セバシン酸1.5gを脱イオン水100mlに溶解した溶液に、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを8に調整したものを、先ほどのハイドロタルサイト分散液に添加したのち、70℃で6時間撹拌を続けた。その後、分散液をろ過し、脱イオン水1000mlで洗浄したものを、真空において60℃〜80℃で乾燥し、セバシン酸により変性されたハイドロタルサイトを得た。
実施例1のクレイトンAPAを、この有機変性ハイドロタルサイトに変更したこと以外は実施例1と同様にしてトナーを製造し、トナー母粒子7を製造した。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、
スチレン…………………………………………………………………83部
n−ブチルアクリレート………………………………………………17部
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)………… 2部
を入れ空気を窒素ガスにて置換し、攪拌しながら30分かけて70℃に加熱し20分後ふたたび30分かけて24℃まで冷却したのち、アトライター(三井金属社製)に移し、
ジビニルベンゼン……………………………………………………0.1部
銅フタロシアニン顔料……………………………………………………5部
クレイトンAPA …………………………………………………………2部
サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業製E−304)………0.8部
パラフィンワックス(融点73℃)……………………………………5部
を加えて3時間分散させた後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
一方、四つ口容器中にイオン交換水340部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液380部を添加し、高速撹拌装置ホモミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液30部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
重合終了後、内温を80℃に昇温し、更に重合を行なった。次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000部の水で洗浄を行った。その後、真空乾燥装置を用いて充分に乾燥させ、平均円形度は0.977、また、体積平均粒径(Dv)は6.7μm、個数平均粒径(Dp)は6.1μmのトナー母粒子が得られた。
次に上記トナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明の[トナー8]を得た。
四つ口容器中にイオン交換水340部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液380部を添加し、高速撹拌装置ホモミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液30部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
一方、分散質として、
スチレン……………………………………………………83部
n−ブチルアクリレート…………………………………17部
ジビニルベンゼン………………………………………0.1部
銅フタロシアニン顔料 … …………………………………5部
クレイトンAPA ……………………………………………2部
サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業製E−304)
……………………………………………………………0.8部
パラフィンワックス(融点73℃)………………………5部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い5時間分散させた後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
重合終了後、内温を80℃に昇温し、更に重合を行なった。次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000部の水で洗浄を行った。その後、真空乾燥装置を用いて充分に乾燥させ、平均円形度は0.975、また、体積平均粒径(Dv)は6.9μm、個数平均粒径(Dp)は6.2μmのトナー母粒子が得られた。
次に上記トナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明の[トナー9]を得た。
クレイトンAPAを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてトナー母体101を製造した。
比較例2
四つ口容器中にイオン交換水340部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液380部を添加し、高速撹拌装置ホモミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液30部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
一方、分散質として、
スチレン……………………………………………………83部
n−ブチルアクリレート…………………………………17部
銅フタロシアニン顔料………………………………………5部
ジビニルベンゼン………………………………………0.5部
サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業製E−304)
…………………… 0.8部
パラフィンワックス(融点73℃) ………………5部
ポリエステル樹脂(Mw=25,000、酸価15mgKOH/g)
…………5部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
重合終了後、内温を80℃に昇温し、更に重合を行なった。次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000部の水で洗浄を行った。その後、真空乾燥装置を用いて充分に乾燥させ、平均円形度は0.976、また、体積平均粒径(Dv)は6.8μm、個数平均粒径(Dp)は6.2μmのトナー母粒子102が得られた。
次に上記トナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、比較例の[トナー102]を得た。
クレイトンAPAをオルガノシリカゾル(MEK−ST−UP、固形分濃度20%、日産化学工業製)10部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナー母粒子103を製造した。
比較例4
帯電制御剤として使用しているクレイトンAPAを未変性層状無機鉱物モンモリロナイト(商品名クニピア クニミネ工業株式会社)に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー母粒子104を製造した。
比較例5
帯電制御剤として使用しているクレイトンAPAを未変性層状無機鉱物ハイドロタルサイト(DHT−4A(協和化学工業社製))に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー母粒子105を製造した。
(クリーナレス適性評価:導電性シートに対する固着耐性)
図2に示す如く、リコー製IPSIO CX3000の帯電ローラをブラシローラ5に置き換え、また静電潜像担持体クリーニングブレードを取り除き、そこへ導電性シートを静電潜像担持体1表面に接触させるように設置し図2のような静電潜像担持体クリーナレスシステムとした。図2中、2は転写部材、3は帯電付与部材、6は現像器、7は転写補助部材である。
○:固着は一切認められない。
△:固着は若干あるが、指でなぞると容易に取れる。
×:指で取れない固着が発生している。
リコー製ipsio CX7500の定着機を取り外した改造機に、トナー5部とシリコーン樹脂コートキャリア95部を混合攪拌して作成した二成分現像剤を入れ、転写紙(リコー製タイプ6200Y目紙)に縦方向の先端余白100mmを有するベタ画像で、1.1±0.1 mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行ない、未定着状態の転写紙を出力した。
○:走行した跡(線)が全く認められない。
△:画像の真上から観察すると線は微かに認められるが、斜め45度から観察するとはっきりと認められない。
×:画像の真上から観察すると線がはっきりと認められる。
トナー母体を2液系のエポキシ樹脂にて包埋したのち、クライオミクロトームを用いて切片を出し、約100μmに超薄切片化した。この極薄切片を、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率25000倍でトナーの断面観察を行った。トナー断面のなかで、トナー断面の長径がトナー体積平均粒径の0.9〜1.2倍であるものを20点写真撮影し、これらの写真(20個のトナー)を画像評価することにより、トナー中における層状無機鉱物の存在状態を観察した。
なお、有機変性層状無機鉱物が表面に露出することなく偏在しているトナーのTEM像を観察すると、層状無機鉱物はトナー表面に対し水平にそろって存在していることが分かる。さらに、倍率を100000倍まで拡大して観察すると、層状無機鉱物を構成する一枚一枚の無機分子の様子が観察できる。
なお、層状無機鉱物の面積の割合は、20個のトナーの算術平均をとった。
3Y,M,C,K:感光体(静電潜像担持体)
4Y:帯電ブラシローラ(帯電部材)
5Y:回転軸部材
6Y:植毛繊維
10Y:導電シート(トナー帯電付与部材)
40Y,M,C,K:現像装置(現像手段)
50:光書込ユニット(静電潜像形成手段)
60:転写ユニット(転写手段)
Claims (11)
- 少なくとも重合性単量体と着色剤および、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有する重合性単量体組成物を水性分散媒中で懸濁重合して得られるトナーであって、前記層状無機鉱物の含有量がトナーに対して0.05〜5質量%であり、前記層状無機鉱物がトナーの表面近傍に偏在しており、TEM像においてトナー周縁部から50nmの領域における層状無機鉱物の占める面積の割合が52〜81%であることを特徴とする静電荷潜像現像用トナー。
- 前記トナーのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷潜像現像用トナー。
- 前記重合性単量体組成物に、さらに樹脂が溶解されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷潜像現像用トナー。
- 前記重合性単量体が一部重合反応を行わせた後に、分散工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷潜像現像用トナー。
- 少なくとも、回動するトナー搬送部材、静電潜像現像用トナーを該搬送部材に供給するトナー供給部材とを有する現像装置とを有するプロセスカートリッジにおいて、該静電潜像現像用トナーは、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷潜像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体から、次工程へ転写後に静電潜像担保持体面上に残存するトナーを、再度帯電させるための帯電付与部を通過後させた後、現像工程において現像装置内に回収することを特徴とする画像形成方法において、該静電潜像現像用トナーは、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 前記帯電付与部が静電潜像担持体表面に圧接されている導電シートで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記導電シートがナイロン、PTFE、PVDF、ウレタンから選ばれた導電シートであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
- 前記導電シート厚みが0.05〜0.5mmの導電シートであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成方法。
- 前記導電シート抵抗が10e+1〜10e+9Ωの導電シートであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記導電シートに印加される電圧が−1.4〜0kVであることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成方法。
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