従来、時分割多重伝送で負荷の制御及び監視を行なう遠隔監視制御システムがある。この遠隔監視制御システムは図13に示すように伝送ユニット1と、壁スイッチのような操作スイッチ4の操作監視を行なう複数の監視用端末器3と、照明負荷のような負荷5を制御する複数の制御用端末器2とを2線式の伝送線L1を介して接続して構成される。
このような遠隔監視制御システムでは、伝送ユニット1から図14(a)に示すような形式を有した伝送信号Vsを送出することにより、各端末器2,3との間でデータを授受する。すなわち、伝送信号Vsは、信号の送出開始を示すスタートパルスST、信号のモードを示すモードデータMD、アドレスデータAD、負荷を制御する制御データCD、伝送誤りを検知するチェックサムデータCS、返信データの返信待機期間を設定する返信信号期間WTよりなる複極(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。
各端末器2,3では、それぞれ伝送線L1を介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADがあらかじめ設定されている自己のアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの返信信号期間WTにデータを電流モード信号(伝送線L1を適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返信する。
伝送ユニット1から所望の端末器2,3にデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、端末器2,3のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを伝送線L1に送出すれば、アドレスデータADに一致する端末器2,3が制御データCDを受け取り、制御データCDにパリティビットを付加した信号を返信信号期間WTに返信する。伝送ユニット1では送出した信号と返信信号期間WTにおける受信信号との一致によって制御データCDが所望の端末器2,3に伝送されたことを確認する。監視用端末器3や制御用端末器2は受け取った制御データCDに従って制御動作を行う。
一方、伝送ユニット1は常時はモードデータMDをダミーモード或いは常時ポーリングとしてダミー用のアドレス又は接続されている全端末器のアドレスに伝送信号Vsを一定時間間隔で送出しており、端末器2,3が伝送ユニット1に対して何らかの情報を伝送しようとするときには、ダミーモード或いはポーリング中の伝送信号VsのスタートパルスSTに同期させて図14(b)のような割込信号Viを発生させる。このとき、端末器2,3は割込フラグを設定して伝送ユニット1との以後の情報の授受に備える。伝送ユニット1では割込信号を受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとし、且つアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出する。割込信号Viを発生した端末器2,3では、割込ポーリングモードの伝送信号Vsに含まれるアドレスデータADの上位4ビットが自己のアドレスの上位4ビットに一致するときに、返信信号期間WTにアドレスの下位の半数のビットを伝送ユニット1に返信する。このように、伝送ユニット1は割込信号Viを発生した端末器2,3を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で端末器2,3を発見することができる。伝送ユニット1が割込信号を発生した端末器2,3のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを伝送線L1に送出し、これに対して端末器2,3は伝送しようとする情報を返信信号期間WTに返信するのである。最後に、伝送ユニット1は割込信号を発生した端末器2,3に対して割込リセットを指示する信号を送出し、端末器2,3の割込フラグを解除する。以上のようにして、端末器2,3から伝送ユニット1への情報伝送は、伝送ユニット1から端末器2,3への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送ユニット1が所望の端末器2,3の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視データとした伝送信号を送出するだけでよい。
而して、伝送ユニット1では、監視用端末器3に設けた操作スイッチ4が操作されると、監視用端末器3から返信された監視データに基づいて、操作スイッチ4との対応関係があらかじめ設定されている制御用端末器2に伝送する制御データCDを生成し、その制御データCDを含む伝送信号Vsを伝送線L1に送出することによって、対応する制御用端末器2に制御データCDを伝送し、制御用端末器2により、負荷5への電源供給をオン/オフするリモコンリレー6の動作を制御させる。
また、制御用端末器2は負荷5(リモコンリレー6)の動作状態を示す監視データを伝送ユニット1へ返信させるようになっており、伝送ユニット1はこの監視データに基づいて対応する監視用端末器3に対して操作スイッチ4に付設している動作モニタ用のLED(図示せず)を点灯/消灯させる制御データCDを伝送し、この制御データCDを受け取った監視用端末器3では制御データに基づいて対応する操作スイッチ4に付設してある動作モニタ用のLEDを点灯又は消灯させることにより、負荷5のオン状態又はオフ状態を表示する。
このような遠隔監視制御システムでは、操作スイッチ4と、操作対象の負荷5に対応するリモコンリレー6とのアドレス(端末器のアドレスと操作スイッチ4又はリモコンリレー6に割り付けた負荷番号との組み合わせ)の対応関係を伝送ユニット1で管理しているから、伝送ユニット1において1回路の操作スイッチ4のアドレスに対して複数回路のリモコンリレー6のアドレスを対応付けておけば、1回路の操作スイッチ4で複数回路のリモコンリレー6(負荷5)を一括して制御することが可能である。このような一括制御にはグループ制御とパターン制御とがある。グループ制御では複数のリモコンリレー6を同じ制御状態で動作(オン又はオフ)させ、パターン制御では複数のリモコンリレー6をあらかじめ設定した制御状態に制御する。伝送ユニット1には、パターン制御用の操作スイッチ4のアドレスに複数のリモコンリレー6のアドレスを対応させたアドレス対応表が用意されており、このアドレスをパターン制御アドレスと呼ぶ。また伝送ユニット1には、グループ制御用の操作スイッチ4のアドレスに複数のリモコンリレー6のアドレスを対応させたアドレス対応表も用意され、このアドレスをグループ制御アドレスと呼ぶ。而して伝送ユニット1では、監視用端末器3から監視データとしてパターン制御アドレス又はグループ制御アドレスを受け取ると、上記のアドレス対応表を参照して対応する複数のリモコンリレー6のパターン制御又はグループ制御を行うようになっている。また、例えば特許文献1に示されるように、運転開始時刻と制御情報からなるスケジュール情報を伝送ユニットに予め登録しておき、伝送ユニットでは、現在時刻が運転開始時刻になると、対応する制御情報を該当する制御用端末器に送信し、制御用端末器が予め登録されたスケジュール情報にしたがって負荷を制御するようにしたシステムも従来提案されている。
ところで、上述のような多重伝送系を複数構築し、複数の多重伝送系を上位システムに接続して、上位システムから各多重伝送系の監視、制御を行ったり、複数の多重伝送系を連動して動作させるようにしたシステムもあり、この種の大規模システムでは、図15に示すように複数(図15の例では2系統)の多重伝送系N1,N2に、多重伝送系のインターフェース機能と、ローカルバスとのインターフェース機能とを具備したローカルインタフェースユニット(以下、LIUと称す。)7をそれぞれ設け、ローカルバスを制御するとともに、上位のWebサーバユニット9との間で通信を行うインターフェース機能を備えたネットワークコントローラ(以下、NCUと称す。)8と、各多重伝送系N1,N2…のLIU6とをローカルバスL2を介して接続してローカルバスを構築している。そして、Webブラウザを搭載したコンピュータからなる中央監視装置10が、インターネット又はイントラネットのような通信ネットワークNTを介してWebサーバユニット9に接続され、各多重伝送系の監視或いは制御を行えるようになっている。
この従来システムでは、下位ネットワークを構成する多重伝送系N1,N2…に連動関係(パターン制御アドレス及びグループ制御アドレス)を持たせて、複数の多重伝送系N1,N2…に亘るパターン制御・グループ制御を可能としている。またWebサーバユニット9には、複数のパターン制御アドレス又はグループ制御アドレスをまとめて制御するために、多重伝送系N1,N2…の複数のパターン制御アドレスに対応付けられたマスタパターン制御アドレスや、複数のグループ制御アドレスに対応付けられたマスタグループ制御アドレスが用意されており、複数のパターン制御アドレスとマスタパターン制御アドレスとの対応関係を示すテーブルや、複数のグループ制御アドレスとマスタグループ制御アドレスとの対応関係を示すテーブルを用いて、複数グループのリモコンリレーのパターン制御やグループ制御が行えるようになっている。
ここで、多重伝送系N2の負荷5として、図16に示すように建物の同一フロア内にある複数台の照明負荷I01〜I25を制御する場合を想定して説明を行う。複数台の照明負荷I01〜I25はマトリクス状に配置されており、実線で囲んだ範囲をそれぞれ1つのグループ(G1〜G5)として、グループ制御の対象にするとともに、破線で囲んだ範囲(MG1)をマスタグループ制御の対象としている。図17(a)は伝送ユニット1に設定されたグループ制御の設定を示す設定表TB1であり、グループNo1〜5にそれぞれ対応する照明負荷I01〜I25(実際にはリモコンリレー6のアドレス)が登録されている。例えばグループ制御アドレスG1には4つの照明負荷I01,I02,I06,I07が登録されている。また図17(b)はWebサーバユニット9に設定されたマスタグループ制御の設定を示す設定表TB2であり、マスタグループNoに対応する制御グループNoが登録されている。例えばマスタグループ制御アドレスMG1にはグループ制御アドレスG1〜G5が登録されている。
またWebサーバユニット9には、制御アドレス(個別のアドレス単位、パターン制御/グループ制御のアドレス単位、マスタパターン制御/マスタグループ制御のアドレス単位)に対応付けて動作時刻および制御方式が設定されたスケジュール機能設定表を持たせることができ、このスケジュール機能設定表にしたがって、対応する多重伝送系N1,N2…の伝送ユニット1により、予め設定された動作時刻に所定の負荷を所定の制御状態に制御することができ、例えば人がいない時間帯(店舗の閉店時間帯など)に不要な照明負荷を消灯させることで、消費電力を低減することができる。ここで、図18(a)はスケジュール機能設定表TB3の一例を示しており、例えばスケジュールNo.1では、制御対象のグループ制御アドレスG1を月曜日から金曜日まで10:00にオンさせ、20:00にオフさせるような制御情報が設定させている。
また更に、所望の制御アドレスを上記設定表TB3に設定されたスケジュールとは異なるスケジュールで一時的に動作させたい場合があり、このような場合にはWebサーバユニット9に、当日から7日後までの間で、1回限りの一時スケジュール情報(制御対象のアドレス、制御時間および制御方式などからなる)を追加設定すれば、スケジュール機能設定表TB3で設定された定常的なスケジュール情報の制御内容を変更したり、スケジュールの追加などを行うことができる。図18(b)は一時スケジュール機能設定表TB4の一例を示し、例えばスケジュールNo.1では、制御対象のグループ制御アドレスG1を10:00にオンさせ、22:00にオフさせるような制御情報が設定させており、グループG1の制御時間を20:00から22:00に延長することが可能になる。
特開2001−275170号公報
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態の遠隔監視制御システムは、図15で説明した遠隔監視制御システムと同様の構成を備えており、複数系統(図1の例では2系統)の多重伝送系N1,N2に、多重伝送系のインターフェース機能と、ローカルバスとのインターフェース機能とを具備したローカルインタフェースユニット(以下、LIUと称す。)7をそれぞれ設け、ローカルバスを制御するとともに、上位のWebサーバユニット9との間で通信を行うインターフェース機能を備えたネットワークコントローラ(以下、NCUと称す。)8と、各多重伝送系N1,N2…のLIU6とをローカルバスL2を介して接続してローカルバスを構築している。そして、Webブラウザを搭載したコンピュータからなる中央監視装置10が、インターネット又はイントラネットのような通信ネットワークNTを介してWebサーバユニット9に接続され、各多重伝送系N1,N2…の監視或いは制御を行えるようになっている。
ここで、各系統の多重伝送系N1,N2…は、伝送ユニット1と、壁スイッチのような操作スイッチ4の操作監視を行なう複数の監視用端末器3と、照明負荷のような負荷5を制御する複数の制御用端末器2とを2線式の伝送線L1を介して接続して構成される。尚、図1では伝送線L1に監視用端末器3および制御用端末器2を1台ずつしか接続していないが、伝送線L1に複数台の監視用端末器3及び制御用端末器2を接続しても良い。
各端末器2,3には個別のアドレスが割り当てられており、伝送ユニット1からアドレスを含む多重伝送信号を伝送することによって各端末器2,3にアクセスし、制御用端末器2には対応する監視用端末器3に接続された操作スイッチ4の操作データに基づく負荷5の制御内容を制御アドレスとして与えるとともに、制御アドレスに対する制御結果を多重伝送信号に設けた返信待機期間中に監視データとして伝送ユニット1へ返信させ、監視用端末器3に対しては接続された操作スイッチ4の操作データを多重伝送信号に設けた返信待機期間中に監視データとして伝送ユニット1へ返信させている。尚、各多重伝送系N1,N2…の監視制御動作は図13及び図14を参照して説明した従来システムの動作と同様であるので、詳細な説明については省略する。
LIU7は、伝送線L1に接続されて多重伝送系との間で多重伝送信号を送受信するとともに、ローカルバスL2に接続されて、ローカルバスを通じた通信を行う。
NCU8は、Webサーバユニット9に接続されるとともに、ローカルバスL2を介してLIU7に接続され、Webサーバユニット9から多重伝送系の監視制御の実行依頼を受けるとLIU7を介して多重伝送系N1,N2…の監視/制御を実行する。
Webサーバユニット9は、Webサーバ機能を有し、インターネットやイントラネットといったIPネットワークNTを介してクライアント端末(中央監視装置10)に接続されている。而してクライアント端末である中央監視装置10から、Webサーバユニット9、NCU8およびLIU7を介して多重伝送系N1,N2の制御又は監視を行うことができるようになっている。
またWebサーバユニット9は、複数の一括制御アドレス(グループ制御アドレス及びパターン制御アドレス)をまとめて制御する際に用いるマスタ制御アドレス(マスタグループ制御アドレス及びマスタパターン制御アドレス)と対応付けられた一括制御アドレスの設定データを記憶するデータベース9aと、制御対象の制御アドレスと制御時間と制御状態とを少なくとも含むスケジュール情報が設定され、スケジュール情報で設定された制御時間になると制御対象を所定の制御状態で制御させるための制御依頼を出力するスケジュール処理機能9bと、スケジュール処理機能9b又は後述のWebサーバ機能9eから制御依頼を受けて、この制御依頼をNCU処理機能9dに出力するメイン処理機能9cと、NCU8との間の通信機能を有し、メイン処理機能9cから制御依頼が与えられると、制御アドレスがマスタ制御アドレスの場合はデータベース9aを参照して制御対象のアドレスを取得するとともに、NCU8に対して制御対象のアドレスに対する制御内容の実行を依頼するNCU処理機能9dと、中央監視装置10に搭載されたWebブラウザからの要求に応じて、Web画面などの情報を返信するWebサーバ機能9eとを備えている。尚、これらの各機能9a〜9eは、Webサーバユニット9が組み込みのプログラムを実行することによって実現されている。
本システムでは、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bに、予めスケジュール情報が設定されており、スケジュール情報で設定された制御時間がくると、当該スケジュール情報に設定された制御アドレスを所定の制御状態で制御させるための制御依頼がメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力される。NCU処理機能9dでは、スケジュール処理機能9bからの制御依頼を受け、制御アドレスがマスタグループ制御アドレス或いはマスタパターン制御アドレスの場合はデータベース9aを参照して、当該マスタグループ制御アドレス或いはマスタパターン制御アドレスに対応付けられた一括制御アドレス(グループ制御アドレス又はパターン制御アドレス)を取得し、グループ制御アドレス又はパターン制御アドレスに対する制御内容の実行をNCU8に依頼する。そしてNCU8では、Webサーバユニット9から一括制御アドレスに対する制御内容の実行が依頼されると、LIU7を介して対応する多重伝送系N1,N2…の伝送ユニット1に所定の一括制御アドレスを所定の制御状態で制御させるための監視データを伝送する。伝送ユニット1には、一括制御アドレス(グループ制御アドレス又はパターン制御アドレス)とリモコンリレー6のアドレスとを対応付けた対応表が予め設定されており、LIU7を介してNCU8から送られた一括制御アドレスを順次受信すると、対応表を参照して一括制御アドレスに対応付けられたリモコンリレー6に制御データを送信することで、複数台の制御用端末器2を一括して制御することができる。
ここで、Webサーバユニット9のデータベース9aに、5つのグループ制御アドレスG1〜G5をまとめて制御するためのマスタグループ制御アドレスMG1が設定され、このマスタグループ制御アドレスMG1を制御アドレスとするスケジュール情報がスケジュール処理機能9bに設定されている状態で、このスケジュール情報からグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報が変更された場合の制御動作について図2及び図3に基づいて説明する。尚、図2はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を一時的に変更し、変更された一時スケジュール動作を実行するまでの動作を説明する状態遷移図である。また図3(a)(b)はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を変更した後の設定データを示し、同図(a)は一時スケジュール情報を設定する一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。また図3(c)(d)はグループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール制御を実行した後の設定データを示し、同図(c)は一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。ここにおいて、一時スケジュール機能設定表TB4には、各々の一時スケジュール情報のスケジュールNoと、その一時スケジュール情報の有効/無効を示すデータと、変更の有無を示すデータと、制御対象のアドレスと、制御方式と、制御時間(時間)とからなるデータが設定されている。
初期状態(ステップS1)では、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bには、マスタグループ制御アドレスMG1に対する一時スケジュール情報No.01(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜20:00)のみが設定されており、その後、ステップS2において中央監視装置10からの変更指示を受けて、メイン処理機能9cがスケジュール処理機能9bにグループ制御アドレスG1に対する制御内容を追加(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜22:00)すると、図3(a)に示すようにスケジュール処理機能9bに持たせた一時スケジュール機能設定表TB4に、マスタグループ制御アドレスMG1に対する一時スケジュール情報No.01に加えて、グループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール情報No.02が登録される。またステップS2においてメイン処理機能9cは、制御内容が変更されたグループ制御アドレスG1を、データベース9aに設定されたマスタグループ制御アドレスMG1の設定データから除いており(MG1=MG1−G1)、図3(b)に示すように設定表TB2においてマスタグループ制御アドレスMG1にはグループ制御アドレスG2〜G5のみが対応付けられることになる。
その後、一時スケジュール情報No.01に設定された制御時間になり(ステップS3)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bが、マスタグループ制御アドレスMG1に対して一時スケジュール情報No.01に設定された制御内容の制御依頼をメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力すると(ステップS4)、NCU処理機能9dではデータベース9aを参照してマスタグループ制御アドレスMG1に対応するグループ制御アドレスG2,G3,G4,G5を取得し(ステップS5,S6)、各グループ制御アドレスG2,G3,G4,G5に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS7)。なおステップS2の処理でマスタグループ制御アドレスMG1からグループ制御アドレスG1が除かれているので、グループ制御アドレスG1はスケジュール情報No.01によっては制御されない。
また、一時スケジュール情報No.02に設定された制御時間になり(ステップS8)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bが、グループ制御アドレスG1に対して一時スケジュール情報No.02に設定された制御内容の制御依頼を、メイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力すると(ステップS9)、NCU処理機能9dはグループ制御アドレスG1に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS10)。そして、一時スケジュール情報No.02によるスケジュール制御が終了すると、メイン処理機能9cは、スケジュール処理機能9bに設定された一時スケジュール機能設定表TB4から一時スケジュール情報No.02を削除するとともに(図3(c)参照)、データベース9aに設定されたマスタグループ制御アドレスMG1の設定データに、一時スケジュール情報No.02の制御対象であるグループ制御アドレスG1を加えて(MG1=MG1+G1)、スケジュール情報を変更する前の状態に戻しており、図3(d)に示すようにマスタグループ制御アドレスMG1にはグループ制御アドレスG1〜G5が対応付けられることになる。
このように本システムでは、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bには、マスタ制御アドレス(マスタグループ制御アドレス或いはマスタパターン制御アドレスからなる)を制御アドレスとするスケジュール情報(定常的なスケジュール情報や一時スケジュール情報)を設定できるので、一括制御アドレス(グループ制御アドレス或いはパターン制御アドレスからなる)に比べて広範囲の制御対象についてスケジュール情報を設定することでスケジュール情報の数を少なくでき、設定や変更の手間を低減することができるとともに、スケジュール情報を記憶するのに必要な記憶容量を削減することができる。しかも、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bでは、マスタ制御アドレスに対応付けられた一括制御アドレス(例えばマスタグループ制御アドレスMG1=G1〜G5)の内、一部の一括制御アドレス(例えばグループ制御アドレスG1)に対する制御内容が変更された場合、一部の一括制御アドレス(G1)に対しては変更内容に応じた一時スケジュール情報を作成して、一時スケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うと共に、残りの一括制御アドレス(G2〜G5)に対しては変更前のスケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うので、定常的なスケジュール情報が設定された制御対象の範囲(マスタ制御アドレス)に比べて、相対的に狭い一部の範囲(一括制御アドレス)について一時的なスケジュールの変更や追加に容易に対応することができる。さらに、本実施形態では、マスタ制御アドレス(MG1)の設定データから制御内容の変更された一部の一括制御アドレス(G1)を除くことで、制御内容が変更された一括制御アドレス(G1)に対しては変更前のスケジュール情報にしたがった制御を行わず、変更後のスケジュール情報にしたがった制御を行っているので、一部の一括制御アドレスに対する制御内容の変更や追加に容易に対応することができ、例えば普段はフロア全体の照明器具を点灯させるとともに、当日は一部範囲の照明器具のみを点灯させたり、点灯状態を延長或いは短縮するといった柔軟な使用方法が可能になる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図4〜図6に基づいて説明する。尚、マスタ制御アドレスを制御アドレスとしたスケジュール情報の制御内容のうち、一部の一括制御アドレスに対する制御内容が変更された場合のスケジュール動作を除いては、実施形態1で説明した遠隔監視制御システムと構成および動作は共通するので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図4はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を一時的に変更し、変更された一時スケジュール動作を実行するまでの動作を説明する状態遷移図である。また図5は中央監視装置又はスケジュール処理機能9bからの制御要求にしたがってNCU8に制御の実行を依頼する際の処理を説明する説明図である。また図6(a)(b)はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を変更した後の設定データを示し、同図(a)は一時スケジュール情報を設定する一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。また図6(c)(d)はグループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール制御を実行した後の設定データを示し、同図(c)は一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。
初期状態(図4のステップS11)においてWebサーバユニット9のデータベース9aには、5つのグループ制御アドレスG1〜G5をまとめて制御するためのマスタグループ制御アドレスMG1が設定されるとともに、このマスタグループ制御アドレスMG1を制御アドレスとする一時スケジュール情報No.01(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜20:00)がスケジュール処理機能9bに設定されているものとする。
その後、ステップS12において中央監視装置10からの変更指示を受けて、グループ制御アドレスG1に対する制御内容が追加(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜22:00)されると、Webサーバユニット9のメイン処理機能9cが、マスタグループ制御アドレスMG1からグループ制御アドレスG1を除いた代替マスタグループ制御アドレス(以下、マスタグループ制御アドレスと略称す。)MG1’(MG1’=MG1−G1=G2,G3,G4,G5)を作成してデータベース9aに登録するとともに(図6(b)参照)、スケジュール処理機能9bに登録されている一時スケジュール情報No.01を無効にし、且つ、グループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール情報No.02と、マスタグループ制御アドレスMG1’に対する一時スケジュール情報No.03とをスケジュール処理機能9bに追加登録する(図6(a)参照)。尚、マスタグループ制御アドレスMG1’に対する一時スケジュール情報No.03は、変更前の一時スケジュール情報No.01と制御対象が異なるだけで、それ以外の制御内容(制御方式や制御時間)はマスタグループ制御アドレスMG1に対する一時スケジュール情報No.01と同じである。
その後、一時スケジュール情報No.01、No.03に設定された制御時間になると(ステップS13)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bでは、一時スケジュール情報No.01の設定が無効になっているので、一時スケジュール情報No.03の制御のみを実行し、マスタグループ制御アドレスMG1’に対して一時スケジュール情報No.03に設定された制御内容の制御依頼をメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力する(ステップS14)。この時、NCU処理機能9dではデータベース9aを参照してマスタグループ制御アドレスMG1’に対応するグループ制御アドレスG2,G3,G4,G5を取得し(ステップS15,S16)、各グループ制御アドレスG2,G3,G4,G5に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS17)。
また、一時スケジュール情報No.02に設定された制御時間になり(ステップS18)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bが、グループ制御アドレスG1に対して一時スケジュール情報No.02に設定された制御内容の制御依頼をメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力すると(ステップS19)、NCU処理機能9dはグループ制御アドレスG1に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS20)。そして、一時スケジュール情報No.02によるスケジュール制御が終了すると、メイン処理機能9cは、スケジュール処理機能9bに持たせた一時スケジュール機能設定表TB4からグループ制御アドレスG1、マスタグループ制御アドレスMG1’に対する一時スケジュール情報No.02、No.03を削除するとともに、マスタグループ制御アドレスMG1に対する一時スケジュール情報No.01を有効とし(図6(c)参照)、さらにデータベース9aからマスタグループ制御アドレスMG1’の設定を削除する(図6(d)参照)。
また上述のようにグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報No.02が追加された状態で、スケジュール機能を用いた場合の制御と、スケジュール機能を用いない場合の制御の違いについて図5を参照して説明する。
ここで、スケジュール機能を用いた制御では、図4の状態遷移図を参照して説明したように、メイン処理機能9cがスケジュール処理機能9bからマスタグループ制御アドレスMG1’に対する制御依頼を受け取ると(図5の処理(1))、この制御依頼をNCU処理機能9dへ出力し(図5の処理(2))、NCU処理機能9dからデータベース9aにマスタグループ制御アドレスMG1’の内容を照会して(図5の処理(3))、その内容を取得した後(図5の処理(4))、マスタグループ制御アドレスMG1’をグループ制御アドレスG2〜G5に展開して(図5の処理(5))、グループ制御アドレスG2〜G5に対する制御の実行をNCU8に要求する(図5の処理(6))。
一方、スケジュール機能を用いない場合の制御(例えば中央監視装置10からの制御)において、メイン処理機能9cがWebサーバ機能9eからマスタグループ制御アドレスMG1に対する制御依頼を受け取ると(処理[1])、この制御依頼をNCU処理機能9dへ出力し(処理[2])、NCU処理機能9dからデータベース9aにマスタグループ制御アドレスMG1の内容を照会して(処理[3])、その内容を取得した後(処理[4])、マスタグループ制御アドレスMG1をグループ制御アドレスG1〜G5に展開し(処理[5])、グループ制御アドレスG1〜G5に対する制御の実行をNCU8に要求する([6])。したがって、グループ制御アドレスG1の設定変更に応じてマスタグループ制御アドレスMG1’が追加登録された場合でも、スケジュール制御以外の制御では、元のままのマスタグループ制御アドレスMG1に対して制御又は監視を行うことができる。
以上説明したように本システムでは、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bには、マスタ制御アドレス(マスタグループ制御アドレス或いはマスタパターン制御アドレスからなる)を制御アドレスとするスケジュール情報(定常的なスケジュール情報や一時スケジュール情報)を設定できるので、一括制御アドレス(グループ制御アドレス或いはパターン制御アドレスからなる)に比べて広範囲の制御対象についてスケジュール情報を設定することでスケジュール情報の数を少なくでき、設定や変更の手間を低減することができるとともに、スケジュール情報を記憶するのに必要な記憶容量を削減することができる。しかも、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bでは、マスタ制御アドレスに対応付けられた一括制御アドレス(例えばマスタグループ制御アドレスMG1=G1〜G5)の内、一部の一括制御アドレス(例えばグループ制御アドレスG1)に対する制御内容が変更された場合、一部の一括制御アドレス(G1)に対しては変更内容に応じた一時スケジュール情報を作成して、一時スケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うと共に、残りの一括制御アドレス(G2〜G5)に対しては変更前のスケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うので、定常的なスケジュール情報が設定された制御対象の範囲(マスタ制御アドレス)に比べて、相対的に狭い一部の範囲(一括制御アドレス)について一時的なスケジュールの変更や追加に容易に対応することができる。
さらに、Webサーバユニット9では、マスタ制御アドレスを制御アドレスとしたスケジュール情報の制御内容のうち一部の一括制御アドレスに対する制御内容が変更されると、当該マスタ制御アドレスの設定データから、制御内容が変更された一部の一括制御アドレスを除いた代替マスタ制御アドレスを作成してデータベース9aに記憶させ、変更されたマスタ制御アドレスに対するスケジュール情報を無効にする一時スケジュール情報と、制御内容が変更されたマスタ制御アドレスに対するスケジュール情報と制御時間及び制御状態が同じで制御アドレスを代替マスタ制御アドレスとした一時スケジュール情報を作成し、スケジュール処理機能9bから、追加された一時スケジュール情報の制御依頼がメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力されると、代替マスタ制御アドレスをデータベースから削除するとともに、上記の一時スケジュール情報により変更前のマスタ制御アドレスに対するスケジュール情報を有効にしているので、マスタ制御アドレスの設定が変更されることはない。したがって、一部の一括制御アドレスに対する制御内容が変更されても、マスタ制御アドレスの設定は変更されないため、クライアント端末(中央監視装置10)からマスタ制御アドレスを制御アドレスとする制御依頼が入力された場合には、制御内容が変更された一部の一括制御アドレスも含めて、データベース9aに設定された通りのマスタ制御アドレス(グループ制御アドレス又はパターン制御アドレス)に対する一括制御(グループ制御又はパターン制御)を実行することができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図7及び図8に基づいて説明する。尚、マスタ制御アドレスを制御アドレスとしたスケジュール情報の制御内容のうち、一部の一括制御アドレスに対する制御内容が変更された場合のスケジュール動作を除いては、実施形態1で説明した遠隔監視制御システムと構成および動作は共通するので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を一時的に変更し、変更された一時スケジュール動作を実行するまでの動作を説明する状態遷移図である。また図8(a)(b)はグループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を変更した後の設定データを示し、同図(a)は一時スケジュール情報を設定する一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。また図8(c)(d)はグループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール制御を実行した後の設定データを示し、同図(c)は一時スケジュール機能設定表TB4、同図(b)はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2である。
初期状態(図7のステップS21)においてWebサーバユニット9のデータベース9aには、5つのグループ制御アドレスG1〜G5をまとめて制御するためのマスタグループ制御アドレスMG1が設定されるとともに、このマスタグループ制御アドレスMG1を制御アドレスとする一時スケジュール情報No.01(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜20:00)がスケジュール処理機能9bに設定されているものとする。
その後、ステップS22において中央監視装置10からの変更指示を受けて、グループ制御アドレスG1に対する制御内容が追加(制御方式がON−OFF、制御時間が10:00〜22:00)されると、Webサーバユニット9のメイン処理機能9cは、図8(b)に示すようにマスタグループ制御アドレスMG1からグループ制御アドレスG1を除いた代替マスタグループ制御アドレスMG1’(MG1’=MG1−G1=G2,G3,G4,G5)を作成してデータベース9aに登録するとともに(ステップS23)、図8(a)に示すように上記の一時スケジュール情報No.01に加えて、グループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール情報No.02をスケジュール処理機能9bに追加登録し(ステップS24)、さらにNCU処理機能9dに対して、設定が変更されたマスタグループ制御アドレスMG1に対する制御依頼が入力された場合はデータベース9aからマスタグループ制御アドレスMG1の代わりに代替マスタグループ制御アドレスMG1’を参照させるよう設定する(ステップS25)。
その後、一時スケジュール情報No.01に設定された制御時間になると(ステップS26)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bでは、一時スケジュール情報No.01の設定にしたがってマスタグループ制御アドレスMG1に対する制御依頼をメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力する(ステップS27)。この時、NCU処理機能9dでは、上記の設定に従ってデータベース9aから、マスタグループ制御アドレスMG1の代わりにマスタグループ制御アドレスMG1’に対応するグループ制御アドレスG2,G3,G4,G5を取得し(ステップS28,S29)、各グループ制御アドレスG2,G3,G4,G5に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS30)。
また、一時スケジュール情報No.02に設定された制御時間になり(ステップS31)、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bが、グループ制御アドレスG1に対して一時スケジュール情報No.02に設定された制御内容の制御依頼をメイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力すると(ステップS32)、NCU処理機能9dはグループ制御アドレスG1に対する制御の実行をNCU8に依頼する(ステップS33)。そして、一時スケジュール情報No.02によるスケジュール制御が終了すると、メイン処理機能9cは、スケジュール処理機能9bに持たせた一時スケジュール機能設定表TB4からグループ制御アドレスG1に対する一時スケジュール情報No.02を削除するとともに(図8(c)参照)、データベース9aからマスタグループ制御アドレスMG1’の設定を削除する(図8(d)参照)。
このように本システムでは、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bには、マスタ制御アドレス(マスタグループ制御アドレス或いはマスタパターン制御アドレスからなる)を制御アドレスとするスケジュール情報(定常的なスケジュール情報や一時スケジュール情報)を設定できるので、一括制御アドレス(グループ制御アドレス或いはパターン制御アドレスからなる)に比べて広範囲の制御対象についてスケジュール情報を設定することでスケジュール情報の数を少なくでき、設定や変更の手間を低減することができるとともに、スケジュール情報を記憶するのに必要な記憶容量を削減することができる。しかも、Webサーバユニット9のスケジュール処理機能9bでは、マスタ制御アドレスに対応付けられた一括制御アドレス(例えばマスタグループ制御アドレスMG1=G1〜G5)の内、一部の一括制御アドレス(例えばグループ制御アドレスG1)に対する制御内容が変更された場合、一部の一括制御アドレス(G1)に対しては変更内容に応じた一時スケジュール情報を作成して、一時スケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うと共に、残りの一括制御アドレス(G2〜G5)に対しては変更前のスケジュール情報にしたがったスケジュール制御を行うので、定常的なスケジュール情報が設定された制御対象の範囲(マスタ制御アドレス)に比べて、相対的に狭い一部の範囲(一括制御アドレス)について一時的なスケジュールの変更や追加に容易に対応することができる。
さらにWebサーバユニット9のメイン処理機能9cでは、マスタ制御アドレスを制御アドレスとしたスケジュール情報の制御内容のうち一部の一括制御アドレスに対する制御内容が変更されると、当該マスタ制御アドレスの設定データから、制御内容が変更された一括制御アドレスを除いた代替マスタ制御アドレスを作成してデータベース9aに記憶させるとともに、NCU処理機能9dに対して、制御内容が変更されたマスタ制御アドレスに対する制御依頼が入力された場合はデータベース9aからマスタ制御アドレスの代わりに代替マスタ制御アドレスを参照させるよう設定している。そして、スケジュール処理機能9bが、追加された一時スケジュール情報に応じた制御依頼を、メイン処理機能9cを介してNCU処理機能9dに出力すると、代替マスタ制御アドレスをデータベース9aから削除するとともに、NCU処理機能9dに行った代替マスタ制御アドレスの参照設定を削除しているので、一時スケジュール情報の追加、変更が少なくて済み、一時スケジュール情報を記憶するための記憶領域の使用が少なくなるから、より多くの一括制御アドレスについて一時的なスケジュールの変更や追加に対応することができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図9〜12に基づいて説明する。尚、遠隔監視制御システムの構成及び動作は実施形態1〜3で説明したシステムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
実施形態1〜3で説明した遠隔監視制御システムではWebブラウザを搭載した中央監視装置10からWebサーバユニット9に対してスケジュール情報の変更や追加を行っており、中央監視装置10からWebサーバユニット9に対してスケジュール情報の変更や追加を行うWeb画面を要求すると、この要求に応じたWeb画面が中央監視装置10に返信され、当該Web画面上で行ったスケジュール情報の変更や追加内容がWebサーバユニット9に入力されるようになっている。そして本実施形態では、中央監視装置10側で、マスタ制御アドレスに対応付けられた一括制御アドレスのうち、一部の一括制御アドレスに対して制御内容の変更を入力する際に、Webサーバユニット9が中央監視装置10に対して、変更対象の一括制御アドレスを対象とする1乃至複数のマスタ制御アドレスを表示させるともに、それぞれのマスタ制御アドレスから、変更対象の一括制御アドレスを除くか否かを選択するためのWeb画面を表示させている。
ここで、多重伝送系N1の負荷5として、図9に示すように建物の同一フロア内にある複数台の照明負荷I01〜I25を制御する場合を想定して説明を行う。複数台の照明負荷I01〜I25はマトリクス状に配置されており、実線で囲んだ範囲をそれぞれ1つのグループ(G1〜G5)として、グループ制御の対象にするとともに、破線で囲んだ範囲(MG1,MG2)をマスタグループ制御の対象としている。図10はマスタグループ制御アドレスの設定表TB2であり、マスタグループNoに対応する制御グループNoが登録されている。ここで、マスタグループ制御アドレスMG1にはグループ制御アドレスG1〜G5が登録され、マスタグループ制御アドレスMG2にはグループ制御アドレスG1,G2が登録されている。また図11はマスタグループ制御アドレスMG1,MG2を制御アドレスとするスケジュール情報の設定表TB3であり、マスタグループ制御アドレスMG1,MG2にはそれぞれ別個のスケジュール情報が設定されている。
このように、グループ制御アドレスG1に対して2つのマスタグループ制御アドレスMG1,MG2が設定されている場合に、中央監視装置10からグループ制御アドレスG1に対する制御内容を変更しようとした場合、Webサーバユニット9では、図12(a)に示すように変更対象のグループ制御アドレスG1を含むマスタグループ制御アドレスMG1,MG2と、これらのマスタグループ制御アドレスMG1,MG2を制御対象とするスケジュール情報の内容を表示するWeb画面W1を作成して、中央監視装置10に提示しており、個々のスケジュール情報に対応して設けた有効/無効切替ボタンB1,B2を中央監視装置10側の操作者が選択すると、変更対象のグループ制御アドレスG1をマスタグループ制御アドレスから除くか否かを選択することができる。図12(b)はマスタグループ制御アドレスMG2に対する有効/無効切替ボタンB2を選択操作した場合を示しており、グループ制御アドレスG1,G2を制御対象とするマスタグループ制御アドレスMG2を除外するとともに、グループ制御アドレスG1に対するスケジュール情報を追加している。
而して、本実施形態ではクライアント端末(中央監視装置10)から所望の一括制御アドレスに対する制御内容を変更する際に、この一括制御アドレスを対象とするマスタ制御アドレスをクライアント端末に表示させるとともに、変更対象の一括制御アドレスをマスタ制御アドレスから除くか否かを選択させるためのWeb画面をクライアント端末に表示させているので、制御内容を変更する一括制御アドレスがどのマスタ制御アドレスの対象であるかを容易に把握でき、制御内容の変更によって実際にどのような制御が行われるかを理解しやすくできる。また制御内容を変更した一括制御アドレスが複数のマスタ制御アドレスの対象である場合は、それぞのマスタ制御アドレスから制御内容を変更した一括制御アドレスを除くか否かを選択できるので、使い勝手が向上するという効果もある。