JP4963898B2 - 駆動装置、ledヘッド、及び画像形成装置 - Google Patents

駆動装置、ledヘッド、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、被駆動素子の群、例えば光源に発光ダイオード(以下、LEDと称す)を用いた電子写真プリンタにおけるLEDの列、サーマルプリンタにおける発熱抵抗体の列、更には表示装置における表示素子の列を、選択的に駆動する駆動装置に関する。また、本発明は更にそのような駆動装置を有するLEDヘッド、画像形成装置に関する。
従来、この種の駆動装置においては、例えばLEDヘッドの各LED素子のドライバICがカスケードに接続されており、ドライバIC内のシフトレジスタを介してデータ転送するものがある。このような駆動装置では、データ転送用クロックが、例えば小振幅差動信号で各ドライバICに供給され、プリント基板の配線パターンによって生じる分布容量と前記ドライバICの入力端子の静電容量とで決定されるLEDヘッドの特性インピーダンスに等しい終端抵抗を備えていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001―199096号公報(第6頁、図5)
上記した終端抵抗を備えることにより、LEDヘッド基板内での信号反射の発生を防止できる。しかしながら、印刷制御部からLEDヘッドに各種の信号を伝達するための接続ケーブルの特性インピーダンスは任意に設定できないため、LEDヘッド基板の特性インピーダンスと整合できなかった。このため信号反射を生じ、この信号反射波と信号遷移タイミングとが重なって誤動作が発生する問題があった。一方、信号反射タイミングと信号遷移タイミングが重ならないようにクロック周波数を下げると、データ転送が低下するという問題あった。
本発明の目的は、これらの問題を解消し、データ転送用クロックのクロック周波数を高く維持し、且つ安定したデータ転送を可能とする駆動装置を提供することにある。
本発明による駆動装置は、アレイを構成する被駆動素子を駆動する駆動回路と駆動データ信号を転送するためのシフトレジスタとを有する複数のドライバICをカスケードに接続してなる駆動装置であって、
前記複数のドライバICに共通に接続され、第1の差動クロック信号が流れる第1のクロック信号配線と、前記複数のドライバICに共通に接続され、前記第1の差動クロック信号と反対の論理を有する第2の差動クロック信号が流れる第2のクロック信号配線と前記第1の差動クロック信号が入力される第1の接続端子と前記第2の差動クロック信号が入力される第2の接続端子とを有すると共に、第1の特性インピーダンスを有する接続配線接続される接続部と、前記第1の接続端子と前記第1のクロック信号配線の一端との間に接続され、第1の抵抗値を有する第1の抵抗と、前記第2の接続端子と前記第2のクロック信号配線の一端との間に接続され、前記第1の抵抗値を有する第2の抵抗と、前記第1のクロック信号配線の他端と前記第2のクロック信号配線の他端との間に接続され、第2の抵抗値を有する第3の抵抗とを備え
前記複数のドライバIC、前記第1のクロック信号配線、及び前記第2のクロック信号配線が第2の特性インピーダンスを有するとき、前記第2の抵抗値は、前記第2の特性インピーダンスに略等しく、前記第1の抵抗値は、前記第1の特性インピーダンスと前記第2の抵抗値の半分の抵抗値との差に略等しいことを特徴とする。
本発明による別の駆動装置は、アレイを構成する被駆動素子を駆動する駆動回路と駆動データ信号を転送するためのシフトレジスタとを有する第1番目から第N(2以上の整数)番目までのN個のドライバICをカスケードに接続してなる駆動装置であって、
前記第1番目のドライバICへ信号伝達する第1の特性インピーダンスを持つ接続配線が接続される接続部と、前記接続部に接続される第1の抵抗と、前記第2番目からN番目までのドライバICに共通に接続される共通配線と、前記共通配線に接続される第2の抵抗とを有し、
前記第1のドライバICには前記接続部を介して入力した信号を出力する出力回路が備えられ、前記共通配線の、一端が前記出力回路の出力部に接続され、他端に前記第2の抵抗が接続され
前記第2から第N番目までのドライバICと前記共通配線とが第2の特性インピーダンスを持つとき、前記第2の抵抗値が前記第2の特性インピーダンスと略等しく、前記第1の抵抗値が前記第1の特性インピーダンスと略等しいことを特徴とする。
本発明によるLEDヘッドは、
LEDを直線状に配列した複数のLEDアレイと、前記LEDを駆動する上記駆動装置とを有することを特徴とする。
本発明による画像形成装置は、
上記LEDヘッドと、前記LEDヘッドに前記駆動データ信号を送信する印刷制御部と、 前記LEDヘッドによって露光される感光体ドラムとを有することを特徴とする。
本発明によれば、第1の抵抗により、信号を伝送する接続配線とインピーダンス整合をとって、接続配線に伝わる信号反射波の発生を防止することが可能となる。
実施の形態1.
図1は、本発明によるLEDヘッドを採用した画像形成装置の実施の形態1の制御系の要部構成を示すブロック図である。
尚、以下の説明において、発光ダイオードをLED、モノリシック集積回路をIC、NチャネルMOSトランジスタをNMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタをPMOSランジスタと略称することがある。また正論理の場合、信号レベルの“High”を論理値“1”に、信号レベルの“Low”を論理値“0”に対応させて記載することがある。更に、論理信号における正論理や負論理の別を明示する必要のある場合には、正論理信号の末尾に−Pを、負論理信号の末尾に−Nを付与して区別する場合がある。
以下、被駆動素子の群を、画像形成装置としての電子写真プリンタに用いられたLED素子の列とした場合を例にして、説明する。
図1に示すように、制御系1は、印刷制御部10、モータドライバ2,4、現像・転写プロセスモータ3、用紙送りモータ5、用紙給入口センサ6、用紙排出口センサ7、用紙残量センサ8、用紙サイズセンサ9、定着器温度センサ23、定着器22、LEDヘッド19、帯電用高圧電源25、転写用高圧電源26、現像部27、及び転写部28を有する。
この制御系1を有する図示しない画像形成装置は、LEDヘッド19によって、帯電した感光体ドラム(図示せず)にプリント情報に応じて選択的に光を照射して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて現像を行ってトナー像を形成し、このトナー像を用紙に転写して定着させる。以下、画像形成装置の構成及び動作について、図1の制御系のブロック図を参照しながらより詳細に説明する。
図1において、印刷制御部10は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート、タイマ等によって構成されて画像形成装置の印字部の内部に配設され、図示しない上位コントローラからの制御信号SG1、ビデオ信号(ドットマップデータを一次元的に配列したもの)SG2等によって画像形成装置全体をシーケンス制御して印刷動作を行う。印刷制御部10は、制御信号SG1によって印刷指示を受信すると、先ず定着器温度センサ23によってヒータ22aを内蔵した定着器22が使用可能な温度範囲にあるか否かを検出し、使用可能な温度範囲になければヒータ22aに通電し、使用可能な温度まで定着器22を加熱する。
次に、モータドライバ2を介して現像・転写プロセス用モータ(パルスモータ)3を回転させ、同時にチャージ信号SGCによって帯電用高圧電源25をオンにし、現像部27による帯電を行う。そして、セットされている図示しない用紙の有無及び種類が用紙残量センサ8及び用紙サイズセンサ9によって検出され、用紙に合った用紙送りが開始される。ここで、用紙送りモータ(パルスモータ)5は、モータドライバ4を介して双方向に回転させることが可能となっている。これにより、1ページ印刷開始毎に、最初に用紙送りモータ5を逆転させ、セットされた用紙を用紙吸入口センサ6が検知するまで予め設定された量だけ送り、続いて正回転させて用紙を画像形成装置内部の印刷機構内に搬送する。
印刷制御部10は、用紙が印刷可能な位置まで到達した時点において、上位コントローラに対してタイミング信号SG3(主走査同期信号、副走査同期信号を含む)を送信することによってビデオ信号SG2を受信する。上位コントローラにおいてページ毎に編集され、印刷制御部10に受信されたビデオ信号SG2は、印字データ信号HD−DATA3〜0としてLEDヘッド19に転送される。LEDヘッド19は、後述するように、それぞれ1ドット(ピクセル)の印字のために設けられたLED素子を複数個直線上に配列した発光部を有する。
そして、印刷制御部10は1ライン分のビデオ信号SG2を受信すると、LEDヘッド19にラッチ信号HD−LOADを送信し、印字データ信号HD−DATAをLEDヘッド19内に保持させる。また、印刷制御部10は、上位コントローラから次のビデオ信号SG2を受信している最中においても、LEDヘッド19に保持した印字データ信号HD−DATA3〜HD−DATA0について印刷することができる。
HD−CLK−P、HD−CLK−Nは印字データ信号HD−DATA3〜HD−DATA0をLEDヘッド19に送信するためのクロック信号であり、小振幅差動信号が用いられる。以後、特に明示する必要のない場合、差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nを単にクロック信号HD−CLKとして略記する場合がある。HD−HSYNC−Nは主走査同期信号、HD−STB−Nはストローブ信号である。
尚、印刷制御部10とLEDヘッド19とは接続配線としての接続ケーブル60により接続され、接続ケーブルとしては良好な信号伝達特性を得るために同軸ケーブルやフレキシブルフラットケーブルが用いられるが、印刷制御部10とLEDヘッド19とが離れて配置される関係から、そのケーブル長は長くならざるを得ない。特にタンデム構成のカラープリンタのようにLEDヘッドを原色数分並置して同時に印刷処理する場合には、画像形成装置も大型化することになり、前記接続ケーブル長は更に長くなって1mに達することも希ではない。
ビデオ信号SG2の送受信は印刷ライン毎に行われる。LEDヘッド19は印刷情報に基づいて発光し、マイナス電位に帯電させられた図示しない感光体ドラム上を照射する。これにより、印刷される情報は感光体ドラムにおいて電位の上昇したドットとして潜像化される。そして、現像部27において、マイナス電位に帯電させられた画像形成用のトナーが、電気的な吸引力によって各ドットに吸引されてトナー像が形成される。その後、このトナー像は転写部28に送られる。
一方、転写信号SG4によって転写用高圧電源26がプラス電位にオンし、転写部28は、電気的作用によって感光体ドラムと転写部28との間を通過する用紙上にトナー像を転写する。転写されたトナー像を有する用紙は、ヒータ22aを内蔵する定着器22に当接して搬送され、定着器22の熱によってトナー像が定着される。この定着されたトナー画像を有する用紙は、更に搬送されて画像形成装置の印刷機構から用紙排出口センサ7を通過して画像形成装置の外部に排出される。
印刷制御部10は、用紙サイズセンサ9、用紙吸入口センサ6の検知に対応し、用紙が転写部28を通過している間だけ転写用高圧電源26からの電圧を転写部28に印加する。そして印刷が終了して用紙が用紙排出口センサ7を通過すると、帯電用高圧電源25による現像部27への電圧の印加を終了し、同時に現像・転写プロセス用モータ3の回転を停止させる。以後、印刷制御部10は、制御信号SG1によって印刷指示を受信する毎に、上記の動作を繰り返す。
図2は、LEDヘッド19を構成する、LEDアレイ及びこれを駆動するドライバICの接続関係を説明するブロック図である。
同図に示すLEDヘッド19は、1インチ当たり600ドットの解像度でA4サイズの用紙に印刷可能なLEDヘッドを例にしている。この場合、被駆動素子としてのLED素子の総数は4992ドットであり、これを構成するため、各々192個のLED素子LED1〜LED192が含まれている26個のLEDアレイCHP1〜CHP26を直線状に配列している。各LEDアレイCHP1〜CHP26内のLED素子LED1〜LED192は、奇数番目のLED素子のカソード同士、偶数番目のLED素子のカソ−ド同士が接続され、隣接して配置される2個のLED素子のアノード端子同士が、後述するドライバICの同じ駆動電流端子(DO)に接続され、奇数番目のLED素子と偶数番目のLED素子とが時分割に駆動される。
図2において、上記したようにCHP1〜CHP26はLEDアレイであり、このうちCHP3〜CHP26は図示を省略している。LEDアレイを駆動するドライバIC101〜126は、各LEDアレイCHP1〜CHP26に対応して配置され、それぞれ対応するLEDアレイを駆動するが、この内ドライバIC103〜126は図示を省略している。各ドライバIC101〜126は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。
LEDアレイCHP1,CHP2には、それぞれ192個のLED素子LED1〜LED192が所定の間隔で直線状に配置され、そのうち、奇数番目のLED素子のカソードがパワーNMOSトランジスタTr1のドレーンに接続され、偶数番目のLED素子のカソードがパワーNMOSトランジスタTr2のドレーンに接続されている。パワーNMOSトランジスタTr1及びTr2の各ソースは共グランドに接続され、パワーNMOSトランジスタTr1のゲートはドライバIC102のKDRV端子と接続され、パワーNMOSトランジスタTr2のゲートはドライバIC101のKDRV端子と接続されている。
尚、パワーNMOSトランジスタTr1のゲート端子信号をODD、パワーNMOSトランジスタTr2のゲート端子信号をEVENとして図中に記載する。
図2に示すように本構成では、印刷データHD−DATA3〜0のデータ線を4本とし、隣接するLED素子8個のうち、奇数番目同士或いは偶数番目同士の4画素分のデータを1パルスのクロック信号毎に同時に送出する構成としている。このため、印刷制御部10(図1)から出力される4ビットの印刷データHD−DATA3〜0はクロック信号HD−CLKと共にLEDヘッド19に入力され、前記した4992ドット分のビットデータが後述するフリップフロップ回路から成るシフトレジスタ中を順次転送される。但し、ここでは、奇数番目のLED素子と偶数番目のLED素子が時分割制御されるため、2496ドット分ずつ2度に分けて転送される。
次に、転送されたビットデータは、LEDヘッド19に入力されるラッチ信号HD−LOADによって、上記シフトレジスタを構成するフリップフロップ回路に対応して設けられた各ラッチ回路にラッチされる。続いて、ラッチされたビットデータと印刷駆動信号HD−STB−Nとによって、4992(26×192)個のLED素子のうち、論理値“1”のドットデータに対応するものが、奇数、偶数毎に時分割点灯される。
尚、VDDは電源、GNDはグランドであり、HD−HSYNC−Nは前記した時分割駆動において奇数番目のLED駆動であるか偶数番目のLED駆動であるかの初期状態を設定するための同期信号、VREFはLED駆動のための駆動電流値を指令するための基準電圧であって、LEDヘッド19内に設けられた後述する基準電圧発生回路40(図3)により発生される。
LEDヘッド19が、印刷制御部10(図1)から入力するクロック信号は、後述する理由により、その差動クロック信号HD−CLK−Pが、カスケード接続された奇数段目のドライブIC(101,103・・・125)においては端子CLKPと接続され、カスケード接続された偶数段目のドライブIC(102,104・・・126)においては端子CLKNと接続される。同様にして、差動クロック信号HD−CLK−Nは、カスケード接続された奇数段目のドライブIC(101,103・・・125)においては端子CLKNと接続され、カスケード接続された偶数段目のドライブIC(102,104・・・126)においては端子CLKPと接続される。
図3は、LEDヘッド19の要部構成を示すブロック図である。以下、図3を参照しながら、LEDヘッド19の構成及び動作について説明する。
同図に示すLEDヘッド19は、1インチ当たり600ドットの解像度でA4サイズの用紙に印刷可能なLEDヘッドであり、この場合、被駆動素子としてのLED素子の総数は4992ドットである。これを構成するため、各々192個のLED素子LED1〜LED192(図2)が含まれている26個のLEDアレイCHP1〜CHP26を直線状に配列しているが、図3にはこのうちCHP3〜CHP25についての図示を省略している。LEDアレイを駆動するドライバIC101〜126は、各LEDアレイCHP1〜CHP26に対応して配置され、それぞれ対応するLEDアレイを駆動するが、図3にはこのうちドライバIC103〜125についての図示を省略している。各ドライバIC101〜126は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。
以上のように、LEDヘッド19には、後述するように、プリント配線板251(図5参照)上に、26個のLEDアレイCHP1〜CHP26と、それを駆動する26個のドライバIC101〜126とが、それぞれ対向しながら整列して配置されている。ドライバIC101〜126は、1チップ当たり192個のLED素子を時分割駆動でき、これらのチップが26個カスケードに接続され、外部から入力される印刷データをシリアルに転送できるように構成されている。また、前記したように、本構成では印刷データHD−DATA3〜0のデータ線を4本とし、1つのクロックエッジ信号で隣接するLED素子8個のうち、奇数番目同士或いは偶数番目同士の4画素分のデータを一度に転送できる構成としている。
図3の構成で用いられているLEDアレイCHP1〜CHP26は、GaAsPやAlGaAs等からなる化合物半導体を基材として製造されるものであるが、これらにおいては、結晶の格子欠陥等に起因する特性ばらつきが不可避であって、発光素子を形成する場合に、LEDアレイチップ毎やLED素子毎に光量ばらつきを生じてしまう。このような光量ばらつきをそのままにLEDプリンタを構成すると、印字むらとなって現れ、印字品位の著しい低下をもたらすことになる。図3のLEDヘッド19は、後述するように、LEDアレイCHP1〜CHP26の光量ばらつきを補正するように、LEDアレイ毎やLED素子毎に駆動電流を調整し、LEDの光量を補正できる構成となっている。
各ドライバIC101〜126は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。後述するように、ドライバIC101〜126のシフトレジスタ回路34は、24段の合計96(24*4)個のフリップフロップ回路を有し、4ビットの印刷データHD−DATA3〜0を、クロック信号HD−CLKに同期させてシフト入力させ、12パルスのクロック入力により96(24*4)ドット分の印刷データを転送することができる。尚、後述するように、ここではフリップフロップ回路がクロックの立ち上がりと立下りとでデータを取り込むため、12パルスで24回の処理を実行する。
ドライバIC内部は、差動信号からなるクロック信号を、ドライバIC内部で用いるシングルエンド信号に変換するためのクロック入力回路36と、このクロック入力回路36から出力されるクロック信号CLKを受けて印刷データのシフト転送を行うシフトレジスタ回路34と、シフトレジスタ回路34の出力信号をラッチ信号HD−LOADによりラッチするラッチ回路33と、シフトレジスタ回路34の出力信号をメモリするメモリ回路32と、主走査同期信号HD−HSYNCに基づいてメモリ回路32から出力される奇数と偶数のLED素子に対応する2種類の電流補正データを選択して出力するマルチプレクサ回路31と、マルチプレクサ回路31及びラッチ回路33の出力データに基づいて所定の駆動電流を対応するLEDアレイCHP1〜CHP26の個々のLED素子LED1〜LED192毎に時分割で流すLED駆動回路30と、メモリ回路32からのデータに基づいて、LEDアレイCHP1〜CHP26毎の駆動電流を調整するための制御電圧VcontをLED駆動回路30に出力する制御電圧発生回路35とを備えている。
ストローブ信号HD−STB−Nは、後述するようにメモリ回路31の入力に印加される。また基準電圧発生回路40は、電源端子が電源VDDに、グランド端子がLEDヘッド19のグランドに接続され、出力端子からはグランド電位を基準とする所定の基準電圧Vrefを出力し、各ドライバIC101〜126の制御電圧発生回路35に供給する。
前記印刷データHD−DATA3〜0、クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−N、ラッチ信号HD−LOAD、ストローブ信号HD−STB−N及び主走査同期信号HD−HSYNC−Nの各信号は印刷時に印刷制御部10(図1)から送られてくる。
尚、差動クロック信号HD−CLK−P、HD−CLK−Nは、後述するようにLEDヘッド19内のプリント配線板251(図5)と実装されたドライバICとにより構成された、所定の特性インピーダンスをもつ伝送線路により伝送される。終端抵抗41は、前記特性インピーダンスと等しい抵抗値とされる。これにより、プリント配縁板内の差動クロック信号は終端抵抗41により無反射終端される構成となっているため、各ドライバICに入力されるクロック信号の間には、信号伝搬による微少な遅延時間を生じるものの、各ドライバIC間それぞれにおける伝送波形には相違を生じることなく信号伝送を行うことができる。
更に、LEDヘッド19の、差動クロック信号HD−CLK−P、HD−CLK−N信号の各伝送路には、入力端部において、入力部抵抗42、43がそれぞれ直列に接続されている。
図4は、ドライバICの内部構成を示すブロック図である。図3に示すドライバIC101〜126は、同一回路により構成されているため、ここでは、ドライバIC101を例にして説明する。
フリップフロップ回路(以下、FF回路と称す)FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、FFD1〜FFD25は、図3に示すシフトレジスタ34を構成し、ラッチLTA1〜LTD1、LTA2〜LTD2、・・・、LTA24〜LTD24は、図3に示すラッチ回路33に相当する。メモリMEM1〜MEM97、第1制御回路201、インバータ203,204、NAND205、及びプルアップ素子である抵抗202は、図3に示すメモリ回路32を構成し、マルチプレクサMUX1〜MUX96及び第2制御回路208は、図3に示すマルチプレクサ回路31を構成し、そしてドライバ(DRV)DV1〜DV96は、図3に示すLED駆動回路30を構成する。
セレクタ回路207は、各々4個の入力端子A3〜A0,B3〜B0と、4個の出力端子Y3〜Y0と、データ端子の選択入力端子Sを備え、選択入力端子Sが“Low”のとき入力端子A3〜A0への入力データが出力端子Y3〜Y0から出力され、選択入力端子Sが“High“のとき入力端子B3〜B0への入力データが出力端子Y3〜Y0から出力される。また、制御電圧発生回路(ADJ)35は図3に示す制御電圧発生回路35である。
制御電圧発生回路(ADJ)35は、4本のデータ入力端子S3〜S0と、基準電圧入力端子VREFを備えている。この基準電圧入力端子VREFは、図3に示すように基準電圧発生回路40の出力と接続されて、グランド電位を基準とする基準電圧Vrefが印加される。制御電圧発生回路(ADJ)35のV端子は出力端子であって、96個配列されているドライバDV1〜DV96に対して、制御電圧値Vcontを出力している。また、前記のデータ入力端子S3〜S0はメモリ回路32のメモリMEM97のQ3〜Q0端子と接続され、後述するようにメモリMEM97に格納されているチップ補正データが入力される。
FF回路FFA1〜FFA25はカスケード接続されており、FF回路FFA1のデータ入力端子DはドライバIC101のデータ入力端子DATAI0に接続され、FF回路FFA24とFFA25のデータ出力はセレクタ回路207へ入力され、セレクタ回路207の出力端子Y0はドライバIC101のデータ出力端子DATAO0に接続されている。
同様に、FF回路FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25もそれぞれカスケード接続されており、FFB1、FFC1、FFD1の各データ入力端子Dは、ドライバIC101のデータ入力端子DATAI1、DATAI2、DATAI3にそれぞれ接続され、FFB24とFFB25、FFC24とFFC25、FFD24とFFD25からの出力もセレクタ回路207に接続され、セレクタ回路207の各々の出力はドライバIC101のデータ出力端子DATAO1、DATAO2、DATAO3にそれぞれ接続されている。
従って、FF回路FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25は、それぞれ25段のシフトレジスタを構成しており、セレクタ回路207によってシフト段数を24段と25段とに切り替えることができる。また、FF回路FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25の各クロック端子は、クロック入力回路36から出力されるクロック信号CLKをバッファ回路50を介して入力し、該信号に同期してシフト動作が行われる。ドライバICのデータ出力端子DATAO0〜DATAO3は、次段のドライバICのデータ入力端子DATAI0〜DATAI3にそれぞれ接続される。クロック入力回路36は小振幅差動信号CLK−P、CLK−Nの入力回路であり、これらの小振幅信号をIC内部で用いられる論理振幅のシングルエンド信号に変換したクロック信号CLKを出力する。
ここでの各FF回路は、入力されるクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方のタイミングでD入力端子のデータを取り込んで、Q端子より出力するものとしている。これにより、入力されるクロック信号の立ち上がりエッジのみでデータを取り込む場合に対して、シフトレジスタのシフトデータ伝送レートを同じでありながら、クロック周波数を1/2に低減することができる。
従って、ドライバIC101〜126の各FF回路FFA1〜FFA25は、印刷制御部10(図1)から初段のドライバIC101に入力されるデータ信号HD−DATA0をクロック信号HD―CLKに同期してシフトさせる24×26段、あるいは25×26段のシフトレジスタを構成する。同様に、ドライバIC101〜126のFF回路FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25は、それぞれ印刷制御部10から初段のドライバIC101に入力されるデータ信号HD−DATA1、HD−DATA2、及びHD−DATA3をクロック信号HD―CLKに同期してシフトさせる24×26段、あるいは25×26段のシフトレジスタを構成することになる。
ラッチLTA1〜LTA24、LTB1〜LTB24、LTC1〜LTC24、及びLTD1〜LTD24は、LEDヘッド19に入力するラッチ信号HD−LOAD−Pで動作する。ラッチ回路LTA1〜LTA24は、FF回路FFA1〜FFA24に格納されたデータ信号HD−DATA0をラッチする。同様に、ラッチ回路LTB1〜LTB24、LTC1〜LTC24、及びLTD1〜LTD24は、それぞれFF回路FFB1〜FFB24、FFC1〜FFC24、及びFFD1〜FFD24に格納されたデータ信号HD−DATA1、HD−DATA2、及びHD−DATA3をラッチする。
メモリ回路32のNAND回路205の一方の入力端子は、インバータ203を介してドライバIC101のSTB入力端子に接続され、このSTB入力端子は、ストローブ信号HD−STB−Nを入力するLEDヘッド19(図3)の入力端子に接続されている。また、NAND回路205の他方の入力端子はインバータ204を介してドライバIC101のLOAD端子に接続され、このLOAD端子は、ラッチ信号HD−LOAD−Pを入力するLEDヘッド19(図3)の入力端子に接続されている。
NAND回路205は、その出力がドライバDV1〜DV96の各駆動オンオフ端子Sに接続され、LEDヘッド19に入力されるラッチ信号HD−LOAD−Pが“Low”、且つLEDヘッド19に入力されるストローブ信号HD−STB−Nが“Low”レベルの場合に“Low”となって、ドライバDV1〜DV192に対する駆動のオン,オフを制御する駆動オンオフ指令信号Sを出力する。尚、ドライバDV1〜DV192は、後述するように、駆動オンオフ指令信号Sが“Low”のとき、出力可能状態となる。
メモリMEM1〜MEM96は、対応するドライバDV1〜DV96が駆動する奇数番目と偶数番目の2つのLED素子(図2参照)の光量のバラツキを補正するドット補正データを格納する。メモリMEM1〜MEM97は、印刷時とは異なる所定のタイミングでこのドット補正データを格納するべく、その書き込み制御信号入力端子W0〜W3に入力する書き込み制御信号、及び識別信号入力端子E1、E2に入力する、奇数、偶数を識別する識別信号に基づいて、これらの制御信号に同期して送られてくる補正データをシフトレジスタ回路34からデータ入力端子に取り込み、奇数用、偶数用の2種類の4ビットのドット補正データを格納する。そして奇数に対応するドット補正データ出力部ODD及び偶数に対応するドット補正データ出力部EVNから各ドット補正データを出力する。
メモリMEM97は、LEDアレイ毎の光量のバラツキを補正するチップ補正データを格納する。メモリMEM97は、印刷時とは異なる所定のタイミングでこのチップ補正データを格納するべく、その書き込み制御信号入力端子W0〜W3に入力する書き込み制御信号に基づいて、この書き込み制御信号に同期して送られてくる補正データをシフトレジスタ回路34からデータ入力端子に取り込んで4ビットのチップ補正データを格納し、制御電圧発生回路35に出力する。
第1の制御回路201は、入力するストローブ信号STBとラッチ信号LOADとから、識別信号及び書き込み制御信号を形成し、識別信号出力端子E1、E2、及び書き込み信号出力端子からこれらの信号を出力する。
制御電圧発生回路35は、VREF端子に基準電圧値VREFを受け、更に入力するチップ補正データに基づいて、LEDアレイ単位の光量バラツキの補正がなされた制御電圧Vcontを各ドライバDV1〜DV96に供給する。尚、基準電圧値VREFは、基準電圧発生回路40(図3)により発生させられるものであり、LEDの全点灯駆動時のように電源電圧が一瞬降下するような状況においても、基準電圧VREFは所定値を維持でき、LED駆動電流の低下は発生しない。
マルチプレクサMUX1〜MUX96は、対応するドライバDV1〜DV96が駆動する奇数番目と偶数番目の2つのLED(図2参照)の駆動タイミングに同期して、入力する奇数用、偶数用の2種類の4ビットのドット補正データから対応する一方のドット補正データを選択して対応するドライバDV1〜DV96に出力する。
第2の制御回路208は、入力する主走査同期信号HSYNCとラッチ信号LOADとから切替指令信号を生成して切替指令信号出力端子S2N,S1Nから出力する。マルチプレクサMUX1〜MUX96は、この切替指令信号に基づいて前記したドット補正データの選択を実行する。例えば、各マルチプレクサMUX1〜MUX96は、第2の制御回路208の、出力端子S2Nが論理値“1”及び出力端子S1Nが論理値“0”のとき、奇数用のドット補正データを選択して出力し、出力端子S2Nが論理値“0”及び出力端子S1Nが論理値“1”のとき、偶数用のドット補正データを選択して出力する。
各ドライバDV1〜DV96は、同一の構成をもつものであるため、ここでは例えばドライバDV96を例にして説明する。ドライバDV96の印刷データ入力端子Eには、図4に示すように、ラッチLTD1のQN出力が入力される。このように、ドライバDV1〜DV96の各印刷データ入力端子Eには、図4に示すように対応するラッチLTA1〜LTD1,LTA24〜LTD24の反転データ出力端子QNの出力が入力される。
ドライバDV96は、印刷データ入力端子Eに入力する印刷データ及び駆動オンオフ端子Sに入力する駆動オンオフ指令信号が共に論理値“0”のときに、即ち、LEDアレイCHP1〜CHP26を駆動するタイミング時で、且つLED素子LED191(奇数)又はLED素子LED192(偶数)を点灯する指示を受けているときに、駆動電流端子DO96から駆動電流を出力する。このときの駆動電流は、制御電圧Vcontに応じて決まる、4ビットの奇数用又は偶数用のドット補正データで重み付けされた電流を加えて生成されるものである。
このように、駆動電流端子DO96からは、時分割でLED素子LED191(奇数)又はLED素子LED192(偶数)用の駆動電流が出力される。他のドライバDV1〜DV95についても同様にしてLED駆動電流が駆動電流端子DO1〜DO95から出力される。一方、前記したように、奇数、偶数の駆動電流の出力に同期してパワーNMOSトランジスタTr1及びTr2(図2)が切り替え駆動され、選択されたグループのLED素子のカソードがグランドに接続されて電流駆動される。
バッファ回路50は、クロック入力回路36の出力を受けてFFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、FFD1〜FFD25からなるシフトレジスタ回路34のクロック信号を出力する。ディレイ回路51〜54は、小振幅差動信号CLK−P、CLK−Nを入力するクロック入力回路36やバッファ回路50等による信号遅延に略等しい遅延時間をデータ信号に対しても与えることで、クロック信号経路とデータ信号経路との間で、信号遅延に著しい差を生じない様にしている。バッファ回路55〜58は、セレクタ回路207からの出力信号を受けて、データ出力端子DATAO3〜DATAO0に出力する。
以上のように構成されたドライバIC101〜126は、対応して直線状に配置されたLEDアレイCHP1〜CHP26の4992個(26×192)のダイオード素子を、LEDアレイ及びLED素子毎に、光量のバラツキを補正しながら発光駆動する。
図5は、LEDヘッド19の、ドライバIC101〜126とLEDアレイCHP1〜CHP26を実装するプリント配線板、即ちLEDヘッド基板のレイアウトを示す要部平面図であり、図6は、図5の一部分を拡大した部分拡大図である。
図5に示すように、長方形状のプリント配線板251には、LEDアレイCHP1〜CHP26が、ヘッドの主走査方向に等ピッチで直線状に整列配置され、各LEDアレイの対向する位置には、対応するLEDアレイを駆動するドライバIC101〜126が、同じく等ピッチで直線状に整列配置されている。ドライバIC101〜IC126の駆動電流端子DO1〜96(図2)とLEDアレイCHP1〜CHP26の対応するLED素子のアノード間等の接続は、それぞれに設けられた電極パッド間を、金線によるワイヤーボンディング法により直接に接続している。尚、図2において説明したように、本実施の形態でのLEDヘッド19は、そのドットピッチが1インチ当たり600ドットであり、LEDアレイ毎に192個のLED素子を配置してなるものである。そのため、LEDアレイの配列ピッチは
192×25.4mm/600≒8.1mm
となる。
矩形波状にパターン形成された共通配線としてのクロック配線252は、ペア配線252a,252b(図6参照)で形成され、その末端において終端抵抗41を介して両配線が接続されている。この終端抵抗41の抵抗値は、後述するように、クロック配線252に信号反射を生じさせない値に設定される。LEDヘッド19のコネクタ253は、印刷制御部10(図1)に接続される接続部であり、例えば接続ケーブル60によって接続され、図1に示す各種信号を印刷制御部10から入力する。ペア配線252a,252bの先端はそれぞれコネクタ253の接続端子に個別に接続しており、ペア配線252a,252bが接続されたコネクタ253の接続端子には、それぞれ小振幅差動クロック信号CLK−P、CLK−Nを伝送する接続ケーブル60の接続端が接続される。
図6(a)は、図5に示す、カスケード接続されたLEDアレイCHP1〜CHP3、及びドライバIC101〜103、即ちこれらの1段目〜3段目までの部分とその近傍を部分拡大した平面図であり、図6(b)は、図6(a)に対比して描いた側面図である。
図6(a)に示すLEDヘッド19のプリント配線板251の配線パターンを参照して明らかなように、コネクタ253(図5)介して小振幅差動クロック信号CLK−P、CLK−Nが印加されるペア配線252a,252bからなるクロック配線252は、各ドライバIC間を蛇行しながらクランク状のルートを描いて終端抵抗41(図5)へと配線されている。このとき、配線板251上に占めるクロック配線252の割合を軽減するため、前記したクランク形状のピッチをドライバICの長手方向2チップ分の長さにしている。このため、隣接するドライバICにおいて、その差動クロック信号の入力端子(CLKP,CLKN)とプリント配線板251のペア配線252a,252bとの接続が異なるようになる。
図4において説明したように、ドライバIC101〜126のシフトレジスタ回路34は、入力されるクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方でシフト動作を行う構成となっている。このため、図6に示すように隣接するドライバIC間で、差動クロック信号CLK−P,CLK−NとドライバICのクロック入力端子(CLKP,CLKN)との接続が入れ替わる構成であっても支障無く動作できる。
前記したように、LEDヘッド19全体では26個のLEDアレイCHP1〜CHP26が配設されるが、図6(a)にはLEDアレイCHP1〜CHP3までが記載されている。プリント配線板上の接続パッド251a,251bとドライバICの対応する端子パッド間はボンディングワイヤ255によって接続され、ドライバICの駆動電流端子DOとLEDアレイのアノード端子間はボンディングワイヤ256によって接続され、LEDアレイのカソード端子とプリント配線板上の共通配線パッド251c(奇数用)、251d(偶数用)との間はボンディングワイヤ257によって接続されている。
プリント配線板上に設けられた接続パッド251aは、例えばドライバIC101のDATAO3〜DATAO0端子パッドに接続されたボンディングワイヤとドライバIC102のDATAI3〜DATAI0端子パッドに接続されボンディングワイヤとを接続しており、データを各ICドライバに配信するための中継点としての役割をもっている。またプリント配線板上に設けられた接続パッド251bは、クロックのペア配線252a,252bに設けられ、前記したように、各ドライバICのクロック入力端子とワイヤ接続される。
図7は、本実施の形態のLEDヘッド19における差動クロック信号CLK−P,CLK−Nの接続関係を説明するための説明図で、同図(a)は図5及び図6に示すクロック配線252、ボンディングワイヤ255、及びドライバIC101〜126間の接続形態を原理的に示し、同図(b)はその等価回路である。
図7(a)、(b)において、破線で囲まれる領域はLEDヘッド19である。破線部の左側は、図5に示すコネクタ253を介して接続する接続ケーブル60や印刷制御部10(図1)等をモデル化して示している。同図(a)において、信号経路T1、T2、…、T27は、各ドライバIC(IC101〜IC126)へ供給されるクロック信号(CLK−P、CLK−N)の信号経路のうち、分岐された部分を除いた信号経路を代表して示している。例えば信号経路T1はLEDヘッド境界(図5におけるコネクタ253に対応)からドライバIC101への分岐点(接続パッド部)に至る信号経路に対応し、信号経路TS1は信号経路T1からIC101方向へ分岐するスタブ配線で、図7(a)において一点鎖線で示したボンディングワイヤ255(図6参照)を含む。
同様に、信号経路T2は前記信号経路TS1の分岐点からドライバIC102への分岐点(接続パッド部)へ至る信号経路に対応し、信号経路TS2は信号経路T2よりIC102方向へ分岐するスタブ配線で、同様に一点鎖線で示したボンディングワイヤを含むものである。このように、クロック信号の信号経路は、各ドライバICに順次信号分岐して配線末端となるドライバIC126の位置まで続き、信号経路T27を経由して終端抵抗41(図5)へ至る。尚、図7においては、前記終端抵抗41を、抵抗値が半分の抵抗RL(抵抗値もRLで表す)とし、入力部抵抗42,43(図5)を、抵抗値が等しい抵抗R1(抵抗値もR1で表す)として図中に記載している。
以上のように、図7(a)の配線図は、図5又は図6に示すように、実際には差動クロック信号CLK−P,CLK−Nをペア配線252a,252bで伝送する2系統の伝送形態のうちの一方の伝送系を示すものである。2つの伝送系は、全く同様に作用するため、ここでは、図7に示す一方の系統のみについて説明する。
図7(b)は、同図(a)に対比して描いた等価回路である。同図(b)において、Isは信号源であり、本実施の形態では、ほぼ定電流源とみなせる駆動源と電流方向を切り替えるスイッチング手段からなるものである。この信号は特性インピーダンスToをもつ信号経路T0によりLEDヘッド19へ信号伝達される。換言すれば、LEDヘッド19の接続ケーブル60(図5)のクロック信号伝送に関する特性インピーダンスがToであるとしている。
尚、前記ケーブルとして同軸ケーブルが選択されるとき、一般的に入手可能なものとしては日本工業規格JIS C 3501に準拠したものがあり、特性インピーダンスは50Ωと75Ωのものに限定され、任意に選択することができないという設計上の制約がある。
また、同図(b)において、信号経路T1〜T27、及びTS1〜TS26は、前記した同図(a)で説明した各経路をモデル化したものである。容量C1は、ドライバIC101のクロック入力端子の静電容量をモデル化したもので、典型的にはIC端子のパッドの浮遊容量やIC上のESD(Electro−Static Discharge:静電気放電)保護素子、入力バッファの静電容量などを合計したものである。同様に、C2〜C26も、ドライバIC102〜IC126におけるクロック入力端子の静電容量をモデル化したものである。
尚、各ドライバIC101〜126は同一構成であるため、その入力容量は相等しく、C1〜C26は同一値となる。各ドライバICの配置間隔はLEDアレイCHP1〜CHP26の配置間隔と同じであり、本実施の形態でのピッチは約8.1mmとなる。このため、前記した信号経路T2〜T26は、各線路長が約8.1mmで、周期的に配置された、ドライバIC101〜126についての伝送線路としてモデル化することができる。
これにより、信号経路TS1〜TS26及びT2〜T26や容量C1〜C26により構成される系の特性インピーダンスを計算することができる。デジタル信号伝送に関する著書(例えば、H.W.Johnson, M.Graham、“High−Speed Digital Design:A Handbook of Black Magic”,(Prentice Hall))において、記載されよく知られた関係を用いることにより、ドライバICの影響を加味したLEDヘッド基板の特性インピーダンスZoは、下式により求められる。
Figure 0004963898
ここで、Zo´は信号経路T2〜T26の特性インピーダンス、Coは信号経路T2〜T26の特性キャパシタンスであり、信号経路の単位長さ当たりの容量に信号線路長を乗じたものである。CはドライバICの入力端子静電容量であり、前記した容量C1〜C26(これらは相等しい)に相当する。また容量CはドライバIC内のクロック入力回路36(図4)の入力容量の他、当該端子部に備えられた図示しないESD保護素子の容量や、端子パッドの容量等を合計したものであり、前記容量Coに比べ無視できない程の値となる。
一例として、Co=1pF、C=3pFであったとすると、前式におけるLEDヘッド基板の特性インピーダンスZoは
Zo=Zo´/2
となって、プリント配線板251自体の配線パターン(クロック配線252)の特性インピーダンスZo´に対して、ドライバICを接続したことにより、LEDヘッド基板のクロック信号線の特性インピーダンスは半減することになる。
尚、図7に示す終端抵抗RL(抵抗41の半分の抵抗値に相当)は、前記したLEDヘッド基板の特性インピーダンスZoと略等しくなるように選定されている。
また、図7では、図3に示す入力部抵抗42,43を抵抗値R1として記載しており、この抵抗値R1を、LEDヘッドへの接続ケーブル60の特性インピーダンスToと抵抗値RLとの差に等しく、即ち
R1=To−RL ・・・(1)
と選ぶことで、LEDヘッド19のコネクタ253(図5)部分よりヘッド側を見たインピーダンス(R1+RL)を接続ケーブル60の特性インピーダンスToと等しくすることができ、LEDヘッド19による信号反射を防止することができる。
図8は、図7のモデルを元に描いたLEDヘッド19各部の信号波形を示す信号波形図である。
図8(a)は、図7(b)のA点における差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの波形を示している。同図(b)、(c)も同様であって、(b)はLEDヘッド19のコネクタ253(図5)近傍に相当する図7(b)のB点における波形、(c)はLEDヘッド19のプリント配線板251(図5)の末端に位置するドライバIC126への分疑点に相当する図7(b)のC点における波形を示している。尚、C点における波形は、ドライバIC126と上記終端抵抗41(抵抗RLに相当)との距離が小さいため、点Dにおける終端抵抗部RLでの波形とも略等しい。
Tclkは差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの周期、t0は信号経路T0、即ち接続ケーブル60の信号伝搬遅延時間であって、信号源Is(印刷制御部10をモデル化したもの)から発生した信号がLEDヘッド19のコネクタ253部に到達するまでの時間に等しい。t1は接続ケーブル60(信号経路T0に相当)の往復の伝搬遅延時間に対応するものであって、印刷制御部10(信号源Isに相当)より送信された波形がLEDヘッド部で反射した場合に、再び印刷制御部10に戻るまでの一往復時間であり、前記信号伝搬遅延時間t0の2倍に等しい。一方、t26はLEDヘッド19のコネクタ253側端部B点から信号経路T1〜T26を介してC点に到達するまでの伝搬遅延時間である。
本実施の形態の画像形成装置では、LEDヘッド19のLEDヘッド基板による信号反射を防止するために、上式(1)を満たすような抵抗値R1の入力部抵抗42,43を設けている。このため、信号送出端(印刷制御部10)より送出され信号遷移した差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの波形は、LEDヘッド部での信号反射がある場合にその反射波が戻ってくる時間t1=2*t0の経過後においてもクロック波形は平坦なままであり、LEDヘッド部において信号反射していないことが判る。
同様に、LEDヘッド19のコネクタ253(図5)近傍に相当する図7のB点における波形を示す同図(b)においても、信号反射の影響を示す段差部は生じておらず、更にLEDヘッド19のプリント配線板251の末端に位置するドライバIC126への分疑点に相当する図7のC点における波形を示す同図(c)においても、波形振幅が減少して現れている以外には信号波形そのものの異常はなく、各ドライバICの動作には全く支障をきたさない。
(比較例)
図9は、本実施の形態の画像形成装置の比較例として示す、LEDヘッド79の要部構成を示すブロック図であり、図10はこのLEDヘッド79における差動クロック信号CLK−P,CLK−Nの接続関係を説明するための説明図であり、図11は、図10のモデルを元に描いたLEDヘッド79各部の信号波形を示す信号波形図であり、それぞれ本実施の形態の画像形成装置を説明する前記した図3、図7、及び図8に対応している。
比較例として図9に示すLEDヘッド79が、本実施の形態のLEDヘッド19(図3)と異なる点は、LEDヘッド19に設けられた入力部抵抗42,43が除かれている点である。従って図10の説明図においても入力部抵抗42,43に対応する抵抗R1が除かれた構成となっている。
以上のように、比較例として示したこのLEDヘッド79には、LEDヘッド19のコネクタ253(図5)部分よりヘッド側を見たインピーダンスをLEDヘッド接続ケーブル60(図5)の特性インピーダンスToと等しくするための入力部抵抗42,43が除かれているため、LEDヘッド79による信号反射が発生することとなる。従って、図11(a)において示すように、信号送出端(印刷制御部10)より送出され信号遷移した差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nは、その信号送出から時間t0の後、LEDヘッド79部へ到達し、このLEDヘッド部で信号反射を生じ、再び時間t0の後に信号送出端へ戻って来る。この結果、信号送出時刻より時刻t1=2*t0の後に前記信号反射の影響が現れ、信号波形の振幅に変化が現れる。ここでは振幅が減少している。同様の波形変化はLEDヘッド79内においても発生し、図11(b)、(c)のように最初の信号遷移より時刻t1の後に信号振幅の変化となって現れることになる。
尚、図10(b)において、信号源Isは定電流性のパルス信号を発生し、その駆動インピーダンスはモデル化して信号経路T0で示す接続ケーブルの特性インピーダンスToよりも大きい。そのため、LEDヘッド19側で信号反射がある場合には、信号送信端で再反射されて多重反射することになるが、図11においては図の簡略化のため、このような多重反射の影響を除外して記載している。
この場合、信号波形の劣化は、クロック周波数が低い場合においては顕在化しないものの、高速プリンタのようにクロック周期が短く、波形の元々の遷移部と前記不整合による信号反射波形とが合致する場合には著しい波形劣化を生じ、LEDヘッドに対して正しいクロック波形として伝送することができなくなり、誤印字を生じるなど許容できない不具合を生じることになる。
上記した本実施の形態の画像形成装置によれば、終端抵抗の抵抗値をLEDヘッド内の所定の特性インピーダンスに応じて設定することによって、プリント配縁板内の差動クロック信号を無反射終端する他、上式(1)を満たす抵抗値の入力部抵抗を設けているため、LEDヘッド19のコネクタ253(図5)部分よりLEDヘッド側を見たインピーダンスをLEDヘッド接続ケーブルの特性インピーダンスと整合することができ、LEDヘッドによる信号反射を防止することができる。これにより、LEDヘッド内各部で信号反射による波形段差等の異常を防止でき、クロック周波数を変化させたとしても、また接続ケーブル長を異なるものとしても信号波形に異常をきたさない。この結果、画像形成装置による印刷動作の高速化のためクロック周波数を増加させたとしても、支障無く動作させることが可能となる。
実施の形態2.
図12は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用されるLEDヘッド89の要部構成を示すブロック図である。このLEDヘッド89を採用する画像形成装置が、前記した図1に示す実施の形態1の画像形成装置と主に異なる点は、LEDヘッド89の一部構成のみである。従って、このLEDヘッド89を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図12に示すLEDヘッド89は、1インチ当たり600ドットの解像度でA4サイズの用紙に印刷可能なLEDヘッドであり、この場合、被駆動素子としてのLED素子の総数は4992ドットである。これを構成するため、各々192個のLED素子LED1〜LED192(図2)が含まれている26個のLEDアレイCHP1〜CHP26を直線状に配列しているが、図12にはこのうちCHP3〜CHP25についての図示を省略している。LEDアレイを駆動するドライバIC151〜176は、各LEDアレイCHP1〜CHP26に対応して配置され、それぞれ対応するLEDアレイを駆動するが、図12にはこの内ドライバIC153〜175についての図示を省略している。各ドライバIC151〜176は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。
以上のように、LEDヘッド89には、プリント配線板251(図14参照)上に、26個のLEDアレイCHP1〜CHP26と、それを駆動する26個のドライバIC151〜176とが、それぞれ対向しながら整列して配置されている。ドライバIC151〜176は、1チップ当たり192個のLED素子を時分割駆動でき、これらのチップが26個カスケードに接続され、外部から入力される印刷データをシリアルに転送できるように構成されている。また、後述するように、本構成では印刷データHD−DATA3〜0のデータ線を4本とし、1つのクロックエッジ信号で隣接するLED素子8個のうち、奇数番目同士或いは偶数番目同士の4画素分のデータを一度に転送できる構成としている。
図12の構成で用いられているLEDアレイCHP1〜CHP26は、GaAsPやAlGaAs等からなる化合物半導体を基材として製造されるものであるが、これらにおいては、結晶の格子欠陥等に起因する特性ばらつきが不可避であって、発光素子を形成する場合に、LEDアレイチップ毎やLED素子毎に光量ばらつきを生じてしまう。このような光量ばらつきをそのままにLEDプリンタを構成すると、印字むらとなって現れ、印字品位の著しい低下をもたらすことになる。図12のLEDヘッド89は、後述するように、LEDアレイCHP1〜CHP26の光量ばらつきを補正するように、LEDアレイ毎やLED素子毎に駆動電流を調整し、LEDの光量を補正できる構成となっている。
各ドライバIC151〜176は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。後述するように、ドライバIC151〜176のシフトレジスタ回路34は、24段の合計96(24*4)個のFF回路を有し、4ビットの印刷データHD−DATA3〜0を、クロック信号HD−CLKに同期させてシフト入力させ、12パルスのクロック入力により96(24*4)ドット分の印刷データを転送することができる。尚、ここではFF回路がクロックの立ち上がりと立下りとでデータを取り込むため、12パルスで24回の処理を実行する。
ドライバIC内部は、差動信号からなるクロック信号を、ドライバIC内部で用いるシングルエンド信号に変換するためのクロック入力回路36と、このクロック入力回路36から出力されるクロック信号CLKを受けて印刷データのシフト転送を行うシフトレジスタ回路34と、シフトレジスタ回路34の出力信号をラッチ信号HD−LOADによりラッチするラッチ回路33と、シフトレジスタ回路34の出力信号をメモリするメモリ回路32と、主走査同期信号HD−HSYNCに基づいてメモリ回路32から出力される奇数と偶数のLED素子に対応する2種類の電流補正データを選択して出力するマルチプレクサ回路31と、マルチプレクサ回路31及びラッチ回路33の出力データに基づいて所定の駆動電流を対応するLEDアレイCHP1〜CHP26の個々のLED素子LED1〜LED192毎に時分割で流すLED駆動回路30と、メモリ回路32からのデータに基づいて、LEDアレイCHP1〜CHP26毎の駆動電流を調整するための制御電圧VcontをLED駆動回路30に出力する制御電圧発生回路35と、その入力がクロック信号の入力回路36の出力と接続され、入力するクロックと同相、及び逆相の各クロック信号を出力する一対の出力がドライバICの出力端子と接続されているクロック信号の出力回路301とを備えている。
ストローブ信号HD−STB−Nは、後述するようにメモリ回路31の入力に印加される。また基準電圧発生回路40は、電源端子が電源VDDに、グランド端子がLEDヘッド19のグランドに接続され、出力端子からはグランド電位を基準とする所定の基準電圧Vrefを出力し、各ドライバIC101〜126の制御電圧発生回路35に供給する。
前記印刷データHD−DATA3〜0、クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−N、ラッチ信号HD−LOAD、ストローブ信号HD−STB−N及び主走査同期信号HD−HSYNC−Nの各信号は印刷時に印刷制御部10(図1)から送られてくる。
尚、差動クロック信号HD−CLK−P、HD−CLK−Nは、後述するようにLEDヘッド89内のプリント配線板251(図14)と実装されたドライバICとにより構成された、所定の特性インピーダンスをもつ伝送線路により伝送される。終端抵抗41は、前記特性インピーダンスと等しい抵抗値とされる。これにより、プリント配縁板内の差動クロック信号は終端抵抗41により無反射終端される構成となっているため、各ドライバICに入力されるクロック信号の間には、信号伝搬による微少な遅延時間を生じるものの、各ドライバIC間それぞれにおける伝送波形には相違を生じることなく信号伝送を行うことができる。
更に、クロック信号HD−CLKを入力するコネクタ253(図14)端子は、ドライバIC151のクロック入力端子に接続される一方で、入力抵抗302と接続される。またIC151内のクロック信号の出力回路301から出力されるクロック信号を出力するドライバIC151のクロック出力端子は、後述する所定の信号経路によりIC152〜IC176の各クロック入力端子に順次接続されると共に、終端抵抗41に接続される。
図13は、ドライバICの内部構成を示すブロック図である。図12に示すドライバIC151〜176は、同一回路により構成されているため、ここでは、ドライバIC151を例にして説明する。
フリップフロップ回路(以下、FF回路と称す)FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、FFD1〜FFD25は、図12に示すシフトレジスタ34を構成し、ラッチLTA1〜LTD1、LTA2〜LTD2、・・・、LTA24〜LTD24は、図12に示すラッチ回路33に相当する。メモリMEM1〜MEM97、第1制御回路201、インバータ203,204、NAND205、及びプルアップ素子である抵抗202は、図12に示すメモリ回路32を構成し、マルチプレクサMUX1〜MUX96及び第2制御回路208は、図12に示すマルチプレクサ回路31を構成し、そしてドライバ(DRV)DV1〜DV96は、図12に示すLED駆動回路30を構成する。
セレクタ回路207は、各々4個の入力端子A3〜A0,B3〜B0と、4個の出力端子Y3〜Y0と、データ端子の選択入力端子Sを備え、選択入力端子Sが“Low”のとき入力端子A3〜A0への入力データが出力端子Y3〜Y0から出力され、選択入力端子Sが“High“のとき入力端子B3〜B0への入力データが出力端子Y3〜Y0から出力される。また、制御電圧発生回路(ADJ)35は図12に示す制御電圧発生回路35である。
制御電圧発生回路(ADJ)35は、4本のデータ入力端子S3〜S0と、基準電圧入力端子VREFを備えている。この基準電圧入力端子VREFは、図12に示すように基準電圧発生回路40の出力と接続されて、グランド電位を基準とする基準電圧Vrefが印加される。制御電圧発生回路(ADJ)35のV端子は出力端子であって、96個配列されているドライバDV1〜DV96に対して、制御電圧値Vcontを出力している。また、前記のデータ入力端子S3〜S0はメモリ回路32のメモリMEM97のQ3〜Q0端子と接続され、後述するようにメモリMEM97に格納されているチップ補正データが入力される。
FF回路FFA1〜FFA25はカスケード接続されており、FF回路FFA1のデータ入力端子DはドライバIC151のデータ入力端子DATAI0に接続され、FF回路FFA24とFFA25のデータ出力はセレクタ回路207へ入力され、セレクタ回路207の出力端子Y0はドライバIC151のデータ出力端子DATAO0に接続されている。
同様に、FF回路FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25もそれぞれカスケード接続されており、FFB1、FFC1、FFD1の各データ入力端子Dは、ドライバIC151のデータ入力端子DATAI1、DATAI2、DATAI3にそれぞれ接続され、FFB24とFFB25、FFC24とFFC25、FFD24とFFD25からの出力もセレクタ回路207に接続され、セレクタ回路207の各々の出力はドライバIC151のデータ出力端子DATAO1、DATAO2、DATAO3にそれぞれ接続されている。
従って、FF回路FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25は、それぞれ25段のシフトレジスタを構成しており、セレクタ回路207によってシフト段数を24段と25段とに切り替えることができる。また、FF回路FFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25の各クロック端子は、クロック入力回路36から出力されるクロック信号CLKをバッファ回路50を介して入力し、該信号に同期してシフト動作が行われる。ドライバICのデータ出力端子DATAO0〜DATAO3は、次段のドライバICのデータ入力端子DATAI0〜DATAI3にそれぞれ接続される。クロック入力回路36は小振幅差動信号CLK−P、CLK−Nの入力回路であり、これらの小振幅信号をIC内部で用いられる論理振幅のシングルエンド信号に変換したクロック信号CLKを出力する。
ここでの各FF回路は、入力されるクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方のタイミングでD入力端子のデータを取り込んで、Q端子より出力するものとしている。これにより、入力されるクロック信号の立ち上がりエッジのみでデータを取り込む場合に対して、シフトレジスタのシフトデータ伝送レートを同じでありながら、クロック周波数を1/2に低減することができる。
従って、ドライバIC151〜176の各FF回路FFA1〜FFA25は、印刷制御部10(図1)から初段のドライバIC151に入力されるデータ信号HD−DATA0をクロック信号HD―CLKに同期してシフトさせる24×26段、あるいは25×26段のシフトレジスタを構成する。同様に、ドライバIC151〜176のFF回路FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、及びFFD1〜FFD25は、それぞれ印刷制御部10から初段のドライバIC151に入力されるデータ信号HD−DATA1、HD−DATA2、及びHD−DATA3をクロック信号HD―CLKに同期してシフトさせる24×26段、あるいは25×26段のシフトレジスタを構成することになる。
ラッチLTA1〜LTA24、LTB1〜LTB24、LTC1〜LTC24、及びLTD1〜LTD24は、LEDヘッド19に入力するラッチ信号HD−LOAD−Pで動作する。ラッチ回路LTA1〜LTA24は、FF回路FFA1〜FFA24に格納されたデータ信号HD−DATA0をラッチする。同様に、ラッチ回路LTB1〜LTB24、LTC1〜LTC24、及びLTD1〜LTD24は、それぞれFF回路FFB1〜FFB24、FFC1〜FFC24、及びFFD1〜FFD24に格納されたデータ信号HD−DATA1、HD−DATA2、及びHD−DATA3をラッチする。
メモリ回路32のNAND回路205の一方の入力端子は、インバータ203を介してドライバIC101のSTB入力端子に接続され、このSTB入力端子は、ストローブ信号HD−STB−Nを入力するLEDヘッド19(図2)の入力端子に接続されている。また、NAND回路205の他方の入力端子はインバータ204を介してドライバIC101のLOAD端子に接続され、このLOAD端子は、ラッチ信号HD−LOAD−Pを入力するLEDヘッド19(図2)の入力端子に接続されている。
NAND回路205は、その出力がドライバDV1〜DV96の各駆動オンオフ端子Sに接続され、LEDヘッド19に入力されるラッチ信号HD−LOAD−Pが“Low”、且つLEDヘッド19に入力されるストローブ信号HD−STB−Nが“Low”レベルの場合に“Low”となって、ドライバDV1〜DV192に対する駆動のオン,オフを制御する駆動オンオフ指令信号Sを出力する。尚、ドライバDV1〜DV192は、後述するように、駆動オンオフ指令信号Sが“Low”のとき、出力可能状態となる。
メモリMEM1〜MEM96は、対応するドライバDV1〜DV96が駆動する奇数番目と偶数番目の2つのLED素子(図2参照)の光量のバラツキを補正するドット補正データを格納する。メモリMEM1〜MEM97は、印刷時とは異なる所定のタイミングでこのドット補正データを格納するべく、その書き込み制御信号入力端子W0〜W3に入力する書き込み制御信号、及び識別信号入力端子E1、E2に入力する、奇数、偶数を識別する識別信号に基づいて、これらの制御信号に同期して送られてくる補正データをシフトレジスタ回路34からデータ入力端子に取り込み、奇数用、偶数用の2種類の4ビットのドット補正データを格納する。そして奇数に対応するドット補正データ出力部ODD及び偶数に対応するドット補正データ出力部EVNから各ドット補正データを出力する。
メモリMEM97は、LEDアレイ毎の光量のバラツキを補正するチップ補正データを格納する。メモリMEM97は、印刷時とは異なる所定のタイミングでこのチップ補正データを格納するべく、その書き込み制御信号入力端子W0〜W3に入力する書き込み制御信号に基づいて、この書き込み制御信号に同期して送られてくる補正データをシフトレジスタ回路34からデータ入力端子に取り込み、4ビットのチップ補正データを格納し、制御電圧発生回路35に出力する。
第1の制御回路201は、入力するストローブ信号STBとラッチ信号LOADとから、識別信号及び書き込み制御信号を形成し、識別信号出力端子E1、E2、及び書き込み信号出力端子からこれらの信号を出力する。
制御電圧発生回路35は、VREF端子に基準電圧値VREFを受け、更に入力するチップ補正データに基づいて、LEDアレイ単位の光量バラツキの補正がなされた制御電圧Vcontを各ドライバDV1〜DV96に供給する。尚、基準電圧値VREFは、基準電圧発生回路40(図12)により発生させられるものであり、LEDの全点灯駆動時のように電源電圧が一瞬降下するような状況においても、基準電圧VREFは所定値を維持でき、LED駆動電流の低下は発生しない。
マルチプレクサMUX1〜MUX96は、対応するドライバDV1〜DV96が駆動する奇数番目と偶数番目の2つのLED(図2参照)の駆動タイミングに同期して、入力する奇数用、偶数用の2種類の4ビットのドット補正データから対応する一方のドット補正データを選択して対応するドライバDV1〜DV96に出力する。
第2の制御回路208は、入力する主走査同期信号HSYNCとラッチ信号LOADとから切替指令信号を生成して切替指令信号出力端子S2N,S1Nから出力する。マルチプレクサMUX1〜MUX96は、この切替指令信号に基づいて前記したドット補正データの選択を実行する。例えば、各マルチプレクサMUX1〜MUX96は、第2の制御回路208の、出力端子S2Nが論理値“1”及び出力端子S1Nが論理値“0”のとき、奇数用のドット補正データを選択して出力し、出力端子S2Nが論理値“0”及び出力端子S1Nが論理値“1”のとき、偶数用のドット補正データを選択して出力する。
各ドライバDV1〜DV96は、同一の構成をもつものであるため、ここでは例えばドライバDV96を例にして説明する。ドライバDV96の印刷データ入力端子Eには、図13に示すように、ラッチLTD1のQN出力が入力される。このように、ドライバDV1〜DV96の各印刷データ入力端子Eには、図13に示すように対応するラッチLTA1〜LTD1,LTA24〜LTD24の反転データ出力端子QNの出力が入力される。
ドライバDV96は、印刷データ入力端子Eに入力する印刷データ及び駆動オンオフ端子Sに入力する駆動オンオフ指令信号が共に論理値“0”のときに、即ち、LEDアレイCHP1〜CHP26を駆動するタイミング時で、且つLED素子LED191(奇数)又はLED素子LED192(偶数)を点灯する指示を受けているときに、駆動電流端子DO96から駆動電流を出力する。このときの駆動電流は、制御電圧Vcontに応じて決まる、4ビットの奇数用又は偶数用のドット補正データで重み付けされた電流を加えて生成されるものである。
このように、駆動電流端子DO96からは、時分割でLED素子LED191(奇数)又はLED素子LED192(偶数)用の駆動電流が出力される。他のドライバDV1〜DV95についても同様にしてLED駆動電流が駆動電流端子DO1〜DO95から出力される。一方、前記したように、奇数、偶数の駆動電流の出力に同期してパワーNMOSトランジスタTr1及びTr2(図2)が切り替え駆動され、選択されたグループのLED素子のカソードがグランドに接続されて駆動される。
バッファ回路50は、クロック入力回路36の出力を受けてFFA1〜FFA25、FFB1〜FFB25、FFC1〜FFC25、FFD1〜FFD25からなるシフトレジスタ回路34のクロック信号を出力する。ディレイ回路51〜54は、小振幅差動信号CLK−P、CLK−Nを入力するクロック入力回路36やバッファ回路50等による信号遅延に略等しい遅延時間をデータ信号に対しても与えることで、クロック信号経路とデータ信号経路との間で、信号遅延に著しい差を生じない様にしている。バッファ回路55〜58は、セレクタ回路207からの出力信号を受けて、データ出力端子DATAO3〜DATAO0に出力する。
また、出力回路301は、その入力がバッファ回路50を介してクロック信号の入力回路36の出力と接続され、その出力はドライバICのクロック出力端子と接続されている。尚、図12の説明で明らかなように、ドライバIC152〜176の各クロック入力回路36は、ドライバIC151の出力回路301から出力される小振幅差動信号CLK−P、CLK−Nを入力するように構成されている
以上のように構成されたドライバIC151〜176は、対応して直線状に配置されたLEDアレイCHP1〜CHP26の4992個(26×192)のダイオード素子を、LEDアレイ且つLED素子毎に、光量のバラツキを補正しながら発光駆動する。
図14は、LEDヘッド89の、ドライバIC151〜176とLEDアレイCHP1〜CHP26を実装するプリント配線板、即ちLEDヘッド基板のレイアウトを示す要部平面図であり、図15は、図14の一部分を拡大した部分拡大図である。
ここに示すLEDヘッド89のプリント配線板のレイアウトが前記した図5、図6に示すLEDヘッド19のプリント配線板のレイアウトと異なるのは、入力部抵抗42,43(図5)の代わりに入力抵抗302(図14)が備えられ、ドライバIC151に対するクロック配線が異なる点である。従って、図14、図15に示すLEDヘッド89のLEDヘッド基板が、前記した図5、図6に示すLEDヘッド19のLEDヘッド基板と共通する部分に同符号を付してここでの説明は省略し、異なる点を重点的に説明する。
図14及び図15に示すように、LEDヘッド89のコネクタ253につながるクロック配線252であるペア配線252a,252b間には入力抵抗302が入れられ、図15に示すように、配線パッド251fからボンディングワイヤを介して直接LEDドライバ151のクロック入力端子(CLKP,CLKN−IN)に接続されている。前記したように、クロック出力回路301から出力される小振幅差動信号CLK−P、CLK−NはLEDドライバ151のクロック出力端子(CLKP,CLKN−OUT)に現れる。このクロック出力端子(CLKP,CLKN−OUT)は、ボンディングワイヤ255を介して再びペア配線252a,252bの配線パッド251gに接続されている。また、図15に示すように、ペア配線252a,252bは、配線パッド251fと、配線パッド251g間で途切れている。
従って、ドライバIC152〜176には、ドライバIC151のクロック出力回路301から出力された差動クロック信号HD−CLK−P、HD−CLK−Nが入力される構成となっている。即ち、図14、図15に示すLEDヘッド89のプリント配線板のレイアウトは、図12のブロック図に示すクロック信号の伝達経路を具現した構成となっている。尚、ドライバIC151(図12)の、クロック入力回路36に入力するクロック信号と、クロック出力回路301から出力されるクロック信号を、共に差動クロック信号HD−CLK−P、HD−CLK−Nとするが、必要なときのみ、その差について記述する。
図16は、本実施の形態のLEDヘッド89における差動クロック信号CLK−P,CLK−Nの接続関係を説明するための説明図で、同図(a)は図14及び図15に示すクロック配線252、ボンディングワイヤ255、及びドライバIC151〜176間の接続形態を原理的に示し、同図(b)はその等価回路である。
図16(a)、(b)において、破線で囲まれる領域はLEDヘッド89である。破線部の左側は、図14に示すコネクタ253を介して接続する接続ケーブル60や印刷制御部10(図1)等をモデル化して示している。同図(a)において、信号経路T1、T2、…、T27は、各ドライバIC(IC151〜IC176)へ供給されるクロック信号(CLK−P、CLK−N)の信号線のうち、分岐された部分を除いた信号経路を代表して示している。例えば信号経路T1はLEDヘッド境界(図14におけるコネクタ253に対応)からドライバIC101への分岐点に至る信号線に対応し、信号経路TS1は信号経路T1からIC151方向へ分岐するスタブ配線で、図16(a)において一点鎖線で示したボンディングワイヤ255(図15参照)を含む。
同様に、信号経路T2は前記信号経路TS1の分岐点からドライバIC152への分岐点(接続パッド部)へ至る信号線に対応し、信号経路TS2は信号経路T2よりIC152方向へ分岐するスタブ配線で、同様に一点鎖線で示したボンディングワイヤを含むものである。このように、クロック信号の信号経路は、各ドライバICに順次信号分岐して配線末端となるドライバIC176の位置まで続き、信号経路T27を経由して終端抵抗41(図14)へ至る。尚、図16においては、前記終端抵抗41を、抵抗値が半分の抵抗RL(抵抗値もRLで表す)として図中に記載している。
LEDヘッド89のコネクタ253(図14)のクロック信号を入力する入力端子は、信号経路T1を経由して信号経路TS1への分岐点を経たあとで入力抵抗302(図14)に至って終端される。なお、図16においては、この入力抵抗302を、抵抗値が半分のRL1(抵抗値もRL1で表す)として図中に記載している。
以上のように、図16(a)の配線図は、図14又は図15に示すように、実際には差動クロック信号CLK−P,CLK−Nをペア配線252a,252bで伝送する2系統の伝送形態のうちの一方の伝送系を示すものである。2つの伝送系は、全く同様に作用するため、ここでは、図16に示す一方の系統のみについて説明する。
図16(b)は、同図(a)に対比して描いた等価回路である。同図(b)において、Isは信号源であり、本実施の形態では、ほぼ定電流源とみなせる駆動源と電流方向を切り替えるスイッチング手段からなるものである。この信号は特性インピーダンスToをもつ信号経路T0(接続ケーブルに相当)によりLEDヘッド19へ信号伝達され、特性インピーダンスToと略等しい抵抗値RL1の入力抵抗302(図12)により終端されている。LEDヘッド89の入力部に入力抵抗302(抵抗RL1)が設けられるため、配線経路TS1とドライバIC151の静電容量C1とが特性インピーダンスへ与える影響はほとんど無視できる位に小さい。
尚、入力抵抗302は、2系統の伝送系に対応しているため、1系統の伝送系として説明する図16(b)の抵抗RL1の抵抗値に対して倍の抵抗値を持つものである。
前記接続ケーブルとして同軸ケーブルが選択されるとき、一般的に入手可能なものとしては日本工業規格JIS C 3501に準拠したものがあり、特性インピーダンスは50Ωと75Ωのものに限定され、任意に選択することができないという設計上の制約があるが、入力抵抗302は任意に選択可能であって、前記同軸ケーブルの特性インピーダンス値と等しく設定する上で何ら支障はない。このように、入力抵抗302の抵抗値を、接続ケーブルの特性インピーダンスTo(2系統分)と等しく設定することにより、LEDヘッドによる信号反射を防止することができる。
また、同図(b)において、前記クロック出力回路301からの出力信号を信号源Is1としてモデル化して記載しており、信号経路T1〜T27、及びTS1〜TS26は、前記した同図(a)で説明した各経路をモデル化したものである。容量C1は、ドライバIC151のクロック入力端子の静電容量をモデル化したもので、典型的にはIC端子のパッドの浮遊容量やIC上のESD(Electro−Static Discharge:静電気放電)保護素子、入力バッファの静電容量などの合計したものである。同様に、C2〜C26についてもドライバIC152〜IC176におけるクロック入力端子の静電容量をモデル化したものである。
尚、各ドライバIC151〜176は同一構成であるため、その入力容量は相等しく、C1〜C26は同一値となる。各ドライバICの配置間隔はLEDアレイCHP1〜CHP26の配置間隔と同じであり、本実施の形態でのピッチは約8.1mmとなる。このため、前記した信号経路T3〜T26は、各線路長が約8.1mmで、周期的に配置された、ドライバIC152〜176についての伝送線路としてモデル化することができる。
これにより、信号経路TS2〜TS26及びT3〜T26や容量C2〜C26により構成される系の特性インピーダンスを計算することができて、ドライバICの影響を加味したヘッド基板の特性インピーダンスZooは、下式により求められる。
Figure 0004963898
ここで、Zoo´は信号経路T3〜T26の特性インピーダンス、Cooは信号経路T3〜T26の特性キャパシタンスであり、信号経路の単位長さ当たりの容量に信号線路長を乗じたものである。CはドライバIC152〜176の入力端子静電容量であり、前記した容量C2〜C26(これらは相等しい)に相当する。また容量CはドライバIC内のクロック入力回路36(図13)の入力容量の他、当該端子部に備えられた図示しないESD保護素子の容量や、端子パッドの容量等を合計したものであり、前記容量Cooに比べ無視できない程の値となる。
一例として、Coo=1pF、C=3pFであったとすると、前式におけるZooは
Zoo=Zoo´/2
となって、プリント配線板251自体の配線パターン(クロック配線252)の特性インピーダンスZoo´に対して、ドライバICを接続したことにより、LEDヘッド基板のクロック信号線の特性インピーダンスは半減することになる。
尚、図16における終端抵抗RL(抵抗41の半分の抵抗値に相当)は、前記したLEDヘッド基板の特性インピーダンスZooと略等しくなるように選定されている。
図17は、図16のモデルを元に描いたLEDヘッド89各部の信号波形を示す信号波形図である。
図17(a)は、図16(b)のA点における差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの波形を示している。同図(b)、(c)も同様であって、(b)はLEDヘッド89のコネクタ253(図14)近傍に相当する図16(b)のB点における波形、(c)はLEDヘッド89のプリント配線板251(図14)の末端に位置するドライバIC176への分疑点に相当する図16(b)のC点における波形を示している。尚、C点における波形は、ドライバIC176と上記終端抵抗41(抵抗RLに相当)との距離が小さいため、点Dにおける終端抵抗部RLでの波形とも略等しい。
Tclkは差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの周期、t0は信号経路T0、即ち接続ケーブル60の信号伝搬遅延時間であって、信号源Is(印刷制御部10をモデル化したもの)から発生した信号がLEDヘッド89のコネクタ253部に到達するまでの時間に等しい。t1は接続ケーブル60(信号経路T0に相当)の往復の伝搬遅延時間に対応するものであって、印刷制御部10(信号源Isに相当)より送信された波形がLEDヘッド部で反射した場合に、再び印刷制御部10に戻るまでの一往復時間であり、前記信号伝搬遅延時間t0の2倍に等しい。一方、t26はLEDヘッド89のコネクタ253側端部B点から信号経路T1〜T26を介してC点にまでの伝搬遅延時間である。
本実施の形態の画像形成装置では、LEDヘッド89のLEDヘッド基板による信号反射を防止するために、LEDヘッド89のコネクタ253(図14)部分よりヘッド側を見たインピーダンス、即ち入力抵抗302の抵抗値をLEDヘッド接続ケーブルの特性インピーダンスTo(2系統分)と等しく設定している。このため、信号送出端(印刷制御部10)より送出され信号遷移した差動クロック信号HD−CLK−P及びHD−CLK−Nの波形は、LEDヘッド部での信号反射がある場合にその反射波が戻ってくる時間t1=2*t0の経過後においてもクロック波形は平坦なままであり、LEDヘッド部で信号反射していないことが判る。
同様にLEDヘッド89のコネクタ253(図14)近傍に相当する図16のB点における波形を示す同図(b)においても、信号反射の影響を示す段差部は生じておらず、更にLEDヘッド89のプリント配線板251の末端に位置するドライバIC176への分疑点に相当する図16のC点における波形を示す同図(c)においても、信号波形に大きな変化が無いため、各ドライバICの動作には全く支障をきたさない。
尚、前記した実施の形態1では、LEDヘッド19のクロック入力端における入力インピーダンス調整のために入力部抵抗42,43(図3)を設けたため、これ等の抵抗と終端抵抗41の分圧によって、図8の信号波形図に示すように、点C(図7(b))におけるクロック信号の波形振幅が、点B(図7(b))おけるクロック信号の波形振幅より減少して現れる。しかしながら、本実施の形態では、図16(b)に示すように、点Cにいたるクロック信号が信号源Is1(出力回路301:図12)から出力されているため、図17の信号波形図に示すように、点Cにおけるクロック信号の波形振幅を、点Bおけるクロック信号の波形振幅と同等に保つことができる。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、終端抵抗の抵抗値をLEDヘッド内の所定の特性インピーダンスに合わせて設定することによって、プリント配縁板内の差動クロック信号を無反射終端する他、入力抵抗302によって、LEDヘッド89のコネクタ253(図14)部分よりLEDヘッド側を見たインピーダンスを、LEDヘッド接続ケーブルの特性インピーダンスと整合することができ、LEDヘッドによる信号反射を防止することができる。これにより、前記した実施の形態1の画像形成装置と同様に、LEDヘッド内各部で信号反射による波形段差等の異常が防止でき、クロック周波数を変化させたとしても、また接続ケーブル長を異なるものとしても信号波形に異常をきたさない。この結果、画像形成装置による印刷動作の高速化のためクロック周波数を増加させたとしても、支障無く動作させることが可能となる。
更に、LEDヘッド89の入力部に入力するクロック信号を、振幅減少させることなく、各ドライバICのクロック入力部に供給することが可能となる。
前記した各実施の形態では、光源としてLEDを用いたLEDアレイを駆動するLEDヘッドに適用する例について説明したが、同様の構成で、光源として有機EL素子を用いる有機ELヘッドに適用できるほか、サーマルプリンタにおける発熱抵抗体、表示装置における表示素子の列を駆動する場合にさえも適用することができる。
本発明によるLEDヘッドを採用した画像形成装置の実施の形態1の制御系の要部構成を示すブロック図である。 LEDヘッドを構成する、LEDアレイ及びこれを駆動するドライバICの接続関係を説明するブロック図である。 実施の形態1のLEDヘッドの要部構成を示すブロック図である。 実施の形態1のドライバICの内部構成を示すブロック図である。 実施の形態1のLEDヘッドの、ドライバICとLEDアレイを実装するプリント配線板、即ちLEDヘッド基板のレイアウトを示す要部平面図である。 (a)は、図5に示す、カスケード接続されたLED、及びドライバICの1段目〜3段目までの部分とその近傍を部分拡大した平面図であり、(b)は、(a)に対比して描いた側面図である。 実施の形態1のLEDヘッドにおける差動クロック信号の接続関係を説明するための説明図で、(a)は図5及び図6に示すクロック配線、ボンディングワイヤ、及びドライバIC間の接続形態を原理的に示し、(b)はその等価回路である。 図7のモデルを元に描いたLEDヘッド各部の信号波形を示す信号波形図である。 実施の形態1の画像形成装置の比較例として示す、LEDヘッドの要部構成を示すブロック図である。 比較例のLEDヘッドにおける差動クロック信号の接続関係を説明するための説明図である。 図10のモデルを元に描いたLEDヘッド各部の信号波形を示す信号波形図である。 本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用されるLEDヘッドの要部構成を示すブロック図である。 実施の形態2のドライバICの内部構成を示すブロック図である。 実施の形態2のLEDヘッドの、ドライバとLEDアレイを実装するプリント配線板、即ちLEDヘッド基板のレイアウトを示す要部平面図である。 (a)は、図14に示す、カスケード接続されたLED、及びドライバICの1段目〜3段目までの部分とその近傍を部分拡大した平面図であり、(b)は、(a)に対比して描いた側面図である。 実施の形態2のLEDヘッドにおける差動クロック信号の接続関係を説明するための説明図で、(a)は図14及び図15に示すクロック配線、ボンディングワイヤ、及びドライバIC間の接続形態を原理的に示し、(b)はその等価回路である。 図16のモデルを元に描いたLEDヘッド各部の信号波形を示す信号波形図である。
符号の説明
1 制御系、 2 モータドライバ、 3 現像・転写プロセスモータ、 4 モータドライバ、 5 用紙送りモータ、 6 用紙給入口センサ、 7 用紙排出口センサ、 8 用紙残量センサ、 9 用紙サイズセンサ、 10 印刷制御部、 19 LEDヘッド、 22 定着器、 22a ヒータ、 23 定着器温度センサ、 25 帯電用高圧電源、 26 転写用高圧電源、 27 現像部、 28 転写部、 30 LED駆動回路、 31 マルチプレクサ回路、 32 ラッチ回路、 33 メモリ回路、 34 シフトレジスタ回路、 35 制御電圧発生回路、 36 クロック入力回路、 40 基準電圧発生回路、 41 終端抵抗、 42 入力部抵抗、 43 入力部抵抗、 50 バッファ回路、 51〜54 ディレイ回路、 55〜58 バッファ回路、 60 接続ケーブル、 79 LEDヘッド、 89 LEDヘッド、 101〜126 ドライバIC、 151〜176 ドライバIC、 201 第1制御回路、 202 抵抗、 203,204 インバータ、 205 NAND、 207 セレクタ回路、 208 第2制御回路、 251 プリント配線板、 251a,251b,251c,251d,251f,251g 配線パッド、 252 クロック配線、 252a,252b ペア配線、 253 コネクタ、 255 ボンディングワイヤ、 256 ボンディングワイヤ、 257 ボンディングワイヤ、 301 出力回路、 302 入力抵抗、 CHP1〜CHP26 LEDアレイ、 LED1〜LED192 LED素子、 FFA1〜FFA25,FFB1〜FFB25,FFC1〜FFC25,FFD1〜FFD25 フリッピフロップ回路、 LTA1〜LTD1,LTA2〜LTD2,・・・,LTA24〜LTD24 ラッチ、 MEM1〜MEM97 メモリ、 MUX1〜MUX96 マルチプレクサ、 DV1〜DV96 ドライバ、 Tr1,Tr2 パワーNMOSトランジスタ、 R1,R2 入力抵抗、 C1〜C26 容量、 T1〜T27,Ts1〜TS26 信号経路、 Is,Is1 信号源、 DO1〜DO96 駆動電流端子。

Claims (5)

  1. アレイを構成する被駆動素子を駆動する駆動回路と駆動データ信号を転送するためのシフトレジスタとを有する複数のドライバICをカスケードに接続してなる駆動装置において、
    前記複数のドライバICに共通に接続され、第1の差動クロック信号が流れる第1のクロック信号配線と、
    前記複数のドライバICに共通に接続され、前記第1の差動クロック信号と反対の論理を有する第2の差動クロック信号が流れる第2のクロック信号配線と
    前記第1の差動クロック信号が入力される第1の接続端子と前記第2の差動クロック信号が入力される第2の接続端子とを有すると共に、第1の特性インピーダンスを有する接続配線接続される接続部と、
    前記第1の接続端子と前記第1のクロック信号配線の一端との間に接続され、第1の抵抗値を有する第1の抵抗と、
    前記第2の接続端子と前記第2のクロック信号配線の一端との間に接続され、前記第1の抵抗値を有する第2の抵抗と、
    前記第1のクロック信号配線の他端と前記第2のクロック信号配線の他端との間に接続され、第2の抵抗値を有する第3の抵抗と
    を備え
    前記複数のドライバIC、前記第1のクロック信号配線、及び前記第2のクロック信号配線が第2の特性インピーダンスを有するとき、
    前記第2の抵抗値は、前記第2の特性インピーダンスに略等しく、
    前記第1の抵抗値は、前記第1の特性インピーダンスと前記第2の抵抗値の半分の抵抗値との差に略等しい
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. アレイを構成する被駆動素子を駆動する駆動回路と駆動データ信号を転送するためのシフトレジスタとを有する第1番目から第N(2以上の整数)番目までのN個のドライバICをカスケードに接続してなる駆動装置において、
    前記第1番目のドライバICへ信号伝達する第1の特性インピーダンスを持つ接続配線が接続される接続部と、
    前記接続部に接続される第1の抵抗と、
    前記第2番目からN番目までのドライバICに共通に接続される共通配線と、
    前記共通配線に接続される第2の抵抗と
    を有し、
    前記第1のドライバICには前記接続部を介して入力した信号を出力する出力回路が備えられ、前記共通配線の、一端が前記出力回路の出力部に接続され、他端に前記第2の抵抗が接続され
    前記第2から第N番目までのドライバICと前記共通配線とが第2の特性インピーダンスを持つとき、
    前記第2の抵抗値が前記第2の特性インピーダンスと略等しく、
    前記第1の抵抗値が前記第1の特性インピーダンスと略等しい
    ことを特徴とする駆動装置。
  3. 前記接続部は、互いに相の異なる第1クロック信号と第2のクロック信号を別々に伝達する第1の接続端子と第2の接続端子を有し、
    前記出力回路は互いに相の異なる第1クロック信号と第2のクロック信号を別々に出力する第1の出力部と第2の出力部を有し、
    前記共通配線は、一端が前記第1の出力部に接続される第1の信号配線と、一端が前記第2の出力部に接続される第2の信号配線とを有し、
    前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との間に前記第1の抵抗が接続され、
    前記第1の信号配線の他端と前記第2の信号配線の他端との間に前記第2の抵抗が接続された
    ことを特徴とする請求項記載の駆動装置。
  4. LEDを直線状に配列した複数のLEDアレイと、
    前記LEDを駆動する請求項1乃至の何れかに記載の駆動装置と
    を有することを特徴とするLEDヘッド。
  5. 請求項記載のLEDヘッドと、
    前記LEDヘッドに前記駆動データ信号を送信する印刷制御部と、
    前記LEDヘッドによって露光される感光体ドラムと
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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