JP2002278660A - 双方向に信号を伝送する回路 - Google Patents

双方向に信号を伝送する回路

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JP2002278660A
JP2002278660A JP2001074879A JP2001074879A JP2002278660A JP 2002278660 A JP2002278660 A JP 2002278660A JP 2001074879 A JP2001074879 A JP 2001074879A JP 2001074879 A JP2001074879 A JP 2001074879A JP 2002278660 A JP2002278660 A JP 2002278660A
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signal
transmission line
circuit
impedance
outputs
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Toru Otaki
徹 大滝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の双方向に信号が入出力するICが伝送
線路に接続しているバスシステムにおいて、1本の伝送
線路に1個の終端抵抗で、どのICが出力した時でも、
信号の乱れを防ぐことができる回路構成を提供する。こ
れにより、基板高密度化や、入出力の多ピン化に対応す
る。 【解決手段】 伝送線路の一方の端に双方向に信号を入
出力する端子を持つIC1を接続し、もう一方の端に抵
抗値Rの終端抵抗を接続し、複数個の双方向に信号を
入出力するIC2、IC3、・・・をこの伝送線路の途
中に直接または分岐された伝送線路に接続する。このと
きIC1が信号を出力する時のインピーダンスをR
IC1が信号を入力する時のインピーダンスをR、I
C1以外のICが信号を出力する時のインピーダンスを
とした時、R1≒2R 、R≒R の条件を満
たすように、回路を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双方向に信号を伝
送する回路に関し、特にインピーダンス整合を必要とす
る高速回路および、それを備えたプリント配線板、およ
び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器においては高速化が進み、デジ
タル回路におけるクロック周波数は、高周波化の一途で
ある。それにつれ、たとえばプリント配線板のデジタル
回路においては反射による信号波形の乱れが大きな解決
すべき課題となっている。
【0003】この対策として、情報処理装置において
は、バス配線の両端に、終端抵抗器を接続するのが普通
である。バス配線の両端に終端抵抗器を接続する方法
は、例えば特開平10−198473号公報に記載され
ており、この場合には終端抵抗器の抵抗値を制御するシ
ステムを備えている。このように終端抵抗を備えていな
いと、IC(集積回路)から出力された信号がバス配線
の両端で反射してしまい、この反射した信号が重ね合わ
さることで信号が乱れ、極端な場合には電子機器の誤動
作の原因になる。
【0004】また、デジタル信号を出力するICとその
信号が伝達される他のICの間に抵抗部品を挿入して上
記の反射による誤動作を防止することもよく行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、電子機器
の小型化が進み、プリント配線板のサイズも小さくなっ
てきている。また、デジタル回路においては、大量の情
報を高速で処理する必要があるため、メモリーバスの本
数が急激に増加しており、それにつれてデータバスやア
ドレスバスの終端抵抗部品の数も急激に増加している。
例えば、メモリーのデータバスの本数は8本→16本→
32本と増加しており、まもなく64本が主流になろう
としている。これら双方向のデータバス配線の両端には
終端抵抗を接続するのが望ましいが、基板サイズを小さ
くする必要のあるものは、実装するスペースが不足する
ため、1本のデータバスの両端に終端抵抗を配置するこ
とは非常に難しくなって来ている。
【0006】また、デジタル信号を出力するICとその
信号が伝達される他のICの間に抵抗部品を挿入して反
射ノイズを制御する終端方法も良く用いられる。この方
法は伝送線路に流れる電流を抑制することができるた
め、放射ノイズ対策にも有効である。しかしながら、I
C間に抵抗部品を挿入するというこの方法は、アドレス
バスのように信号を出力するICと信号を受ける他のI
Cが決定している場合には有効であるが、双方向信号を
入出力するICが接続されるデータバスなどの場合に
は、あるICが信号を出力する条件の時には波形が乱れ
ないが、逆に他のICが出力する場合には波形が乱れる
といった現象が起き易い。この現象を防ぐには、1本の
伝送線路にいくつもの抵抗部品を配置する必要があっ
た。
【0007】ここで、従来回路における電気信号の反射
について詳述する。
【0008】デジタル信号が送信側から信号配線を経由
して受信側に伝わる際に、インピーダンスの不連続部分
で信号の反射が起こり、ある種の条件では大きなリンギ
ングが発生して波形が乱れ、そのため誤動作などが生じ
る。
【0009】図7の簡単な回路図を用いて、反射により
信号波形がどのよう変化するかについて説明する。
【0010】電圧VS、出力インピーダンスがRSの電圧
源201に、特性インピーダンスZ 0で配線長l(エ
ル)の信号パターン203が接続され、配線パターンの
終わりにRLのインピーダンスの負荷202が接続され
た回路を考える。
【0011】まず、A点およびB点の反射係数ρA及び
ρBを求めると、 ρA=(RS−Z0)/(RS+Z0) ρB=(RL−Z0)/(RS+Z0) となる。
【0012】さらに、信号パターンの配線長lの長さを
電気信号が伝播するのにかかる時間をTとする。電圧源
201から信号が出力されるとA点ではまず、 VA=VS・Z0/(RS+Z0) に分圧される。この信号はさらにT時間後にB点に到達
し、その瞬間進行波VAと反射波ρB・VAが合成された
電圧(VA+ρB・VA)となる。さらにそこからT時間
後には、B点からの反射波ρB・VAがA点に到達し、最
初の進行波VAとB点からの反射波ρB・VAと反射波の
反射波ρA・ρB・VAとが合成された電圧(VA+ρB
A+ρA・ρB・VA)となる。さらにT時間後は、上記
のA点での反射波の反射波ρA・ρB・VAがB点に到達
し、その瞬間に電圧(VA+ρB・VA+ρA・ρB・VA
ρB・ρA・ρB・VA)となる。このように反射が繰り返
されてA点及びB点の電圧はVSの電圧に近づいて行
く。
【0013】ここで、伝送線路の特性インピーダンスを
0とした時に、配線パターン203の端にインピーダ
ンスRLの値の抵抗を接続しておけば、RL=Z0すなわ
ちρB=0となり、B点での反射が起こらなくなる。情
報処理装置においてはバス配線の両端に、終端抵抗器を
接続するのが普通であるが、このようにバス配線の両端
に終端抵抗器を接続しておけば、伝送線路の両端での反
射係数が0となり、反射は起こらない。
【0014】このように、単純な回路では伝送線路の特
性インピーダンスZ0に終端抵抗の値を整合するが、線
路の途中に別の負荷が接続したり、分岐配線が接続した
場合には、近似的に伝送線路の特性インピーダンスが下
がったような振る舞いをするため、以下のような補正を
行い、Z0effの値に整合させることもある。
【0015】このとき、実効的な特性インピーダンスを
0effとすると、伝送線路の特性インピーダンスが
0、長さがl1、単位長さ当たりの容量がC1、ICの
入出力回路の総容量をC2、分岐された部分の伝送線路
の長さがl2で、単位長さ当たりの容量がC3とすると、 Z0eff=Z0/√(1+(C2+C3×l2)/C1×l1) となる。
【0016】次に、この従来例を、図8を用いて説明す
る。伝送線路106には、IC(集積回路)101、I
C102、IC103、IC104がそれぞれ接続され
ている。さらに、伝送線路106の両端には、それぞれ
終端抵抗107、105が接続されている。
【0017】図8ではIC102が信号を出力して、I
C101が信号を受け取る場合を図示している。IC1
02から信号が出力されると、進行波は伝送線路106
の左右にわかれて進む。図8の左側に進んでいく進行波
は、IC101に信号を伝達して、最終的に終端抵抗1
07に到達する。終端抵抗107ではインピーダンス整
合しているため、ほとんど反射波は発生しない。
【0018】同様に、伝送線路106の右側に進む進行
波は、最終的には終端抵抗105に到達する。終端抵抗
105でも、インピーダンス整合をとっているため、反
射波はほとんど発生せず、従ってこの回路の反射波によ
る波形の乱れは、ほとんど発生しない。
【0019】このように伝送線路106の両端でインピ
ーダンス整合させておけば、伝送線路106に接続して
いるどのICから出力した信号であっても、伝送線路端
で反射波は発生し難い。
【0020】次に、ダンピング抵抗を用いた波形整形の
手法について述べる。
【0021】通常使用されているデジタルICのバッフ
ァ部の出力インピーダンスは、数Ω〜100Ωの特性を
持つ。また、デジタル信号を受け取る入力側の入力イン
ピーダンスは数KΩ〜数十MΩの特性を持っている。さ
らに、プリント配線板の特性インピーダンスは、通常数
十〜百数十Ω程度となる。従って、通常のデジタル回路
においては、例えば図7の構成で考えると、ρAは−
0.9〜0.5の反射係数となり、ρBはほぼ1の反射
係数となって、B点では全反射となる。このような回路
構成では、出力インピーダンスRSが配線パターンの特
性インピーダンスZ0よりも小さいほど、特にB点での
リンギングが大きくなるのは明らかである。
【0022】このように、リンギングが生じる条件で
は、ダンピング抵抗を用いて見かけ上、出力インピーダ
ンスを上げると、反射によるリンギングがしだいに小さ
くなる。すなわち、ダンピング抵抗の抵抗値をRとし
て、RS+Rを大きくすると、次第にリンギングが小さ
くなり、RS+R≧Z0の条件のときには、信号の反射に
よるリンギングは発生しない。プリント配線板の信号線
の特性インピーダンス(Z 0)は、数十〜百数十Ωの特
性であるから、一般的には多くの場合、ダンピング抵抗
Rの値は数Ω〜数十Ωの値となる。
【0023】また、この場合は、RS+R=Z0 とすれ
ば、ρA=0 となりA点で整合した回路となる。アドレ
スバスのように、常に信号を出力するICが一定の場合
にはこの方法でも有効であるが、双方向に信号を入出力
するICが伝送線路に接続した場合などでは、入出力が
切り替わっても整合するように、抵抗値および抵抗の位
置を規定することは難しい。
【0024】次に、伝送線路の左端に、ダンピング抵抗
108とIC101とが接続され、その右側にIC10
2、IC103、およびIC104とが接続してある回
路構成を例に、ダンピング抵抗で波形整形する従来例を
説明する。
【0025】図9は、双方向に信号を入出力するIC1
01が信号を出力して、IC102、またはIC10
3、またはIC104が信号を入力する場合において、
IC101の出力インピーダンスとダンピング抵抗10
8とを加えた値と、伝送線路106のZ0effの値とを概
ね等しくしてある。この条件の場合、伝送線路106
を、IC101の出力電圧の1/2のレベルの進行波が
まず進み、最終的にIC104に到達する。IC104
の入力インピーダンスは、通常数KΩ〜数十MΩの特性
を持っているため、ここでほぼ全反射がおこり、進行波
とほぼ同レベルの電圧の反射波が発生する。この反射波
は伝送線路106を通ってIC101に向かって行く
が、IC101の出力インピーダンスとダンピング抵抗
108を加えた値と、伝送線路のZ0effとを概ね等しく
してあるため、図9の左端では反射波が発生せず、波形
が大きく乱れることはない。IC101の出力インピー
ダンスとダンピング抵抗108の抵抗値とを加えた値が
伝送線路のZ0effの値よりも大きいと、波形のリンギン
グは起きないが、立ち上がりと立下り時間が長くなるた
め、高速な回路には向かない。
【0026】図10は図9と同様な回路構成であるが、
IC102が信号を出力してIC101がその信号を受
ける場合である。通常のデジタルICは入出力端子の入
力時のインピーダンスが数KΩ〜数十MΩの特性であ
り、IC101およびIC103およびIC104も同
様の特性とする。この場合、伝送線路106の両端で反
射係数はほぼ1となり、そのため伝送線路106の両端
で反射が繰り返されて波形が乱れてしまう。図10の中
の矢印は、信号の反射が繰り返される状態を模式的に表
現したものである。
【0027】このように、双方向のデータバス配線の両
端には終端抵抗を接続するのが望ましいが、基板サイズ
を小さくする必要のあるものは、実装するスペースが不
足するため、1本のデータバスの両端に終端抵抗を配置
することは非常に難しくなって来ており、1本のデータ
バスの片側に終端抵抗を配置する場合は、あるICが信
号を出力する条件の時には波形が乱れないが、逆に他の
ICが出力する場合には波形が乱れるといった現象が起
き易い。
【0028】本発明は、上述のような点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、双方向のデータバ
ス配線に対して、終端抵抗を複数個使用しなくても、終
端抵抗を1個だけで、どのICが出力する状態でも波形
の乱れを大幅に低減することができ、波形の乱れを最小
限にすることができるようにすることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、伝送線路に複数の双方向に信号を入出
力する端子を持つICを接続する回路において、伝送線
路の一方の端に双方向に信号を入出力する端子を持つI
C1を接続し、もう一方の端に抵抗値R1の値の終端抵抗
を接続し、複数個の双方向に信号を入出力するIC2、
IC3、・・・をこの伝送線路の途中に直接または分岐
された伝送線路に接続する。
【0030】このときにIC1が信号を出力する時のイ
ンピーダンスをR2、IC1が信号を入力する時のインピ
ーダンスをR3、IC1以外のICが信号を出力する時
のインピーダンスをR4とした時、 R1≒2R4 …(1) R2≒R3 …(2) の条件を満たすように回路を構成する。
【0031】望ましくはR2の値は、伝送線路の特性イ
ンピーダンスがZ0、長さがl1、単位長さ当たりの容量
がC 1で、ICの入出力回路の総容量をC2、分岐された
部分の伝送線路の長さがl2で、単位長さ当たりの容量
がC3とした時、 R2≒Z0eff …(3) であって、ここで Z0eff=Z0/√(1+(C2+C3×l2)/C1×l1) …(4) に設定するのが良い。
【0032】このような回路構成とすることで、どのI
Cが信号を出力した場合でも、外付けの終端抵抗を1個
使用することで、波形の乱れを極力抑えることが出来
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0034】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態における双方向に信号を伝送する回路であっ
て、複数のメモリーICと、これらメモリーICをコン
トロールするICとを実装したプリント配線板の構成を
示す上面図である。
【0035】図1に示すように、伝送線路16が形成さ
れているプリント配線板19a上に、メモリーコントロ
ーラIC11a、およびメモリーIC12a、メモリー
IC13a、メモリーIC14aが実装されている。伝
送線路16はデータバスの中の1本を模式的に表現した
もので、一方の端にメモリーコントローラIC11aの
データ信号を入出力するための信号ピン17aが接続さ
れている。この伝送線路16の途中には、メモリーIC
12a、メモリーIC13a、メモリーIC14aのそ
れぞれのデータ信号を入出力するための信号ピン18a
が接続されており、もう一方の端には終端抵抗15aが
接続されている。
【0036】この時、伝送線路16の長さは15cm
で、線路の特性インピーダンスZ0=100Ωで、0.
6pF/cmの容量がついている。IC11a、IC1
2a、IC13a、IC14aの信号入出力部には、そ
れぞれ3pFの容量がついている。この場合の伝送線路
16の実効的な特性インピーダンスZは約83Ωとな
り、その値に近い82Ωの終端抵抗15aが伝送線路1
6の終端に接続している。
【0037】ここで実効的な特性インピーダンスZ0eff
は、伝送線路16の特性インピーダンスがZ0、長さが
1、単位長さ当たりの容量がC1で、ICの入出力回路
の総容量をC2、分岐された部分の伝送線路の長さがl2
で、単位長さ当たりの容量がC3とした時、 Z0eff=Z0/√(1+(C2+C3×l2)/C1×l1) で計算した値である。
【0038】また、メモリーをコントロールするIC1
1aの出力インピーダンスは約40Ωで、信号を入力す
るモードでの入力インピーダンスは約80Ωに調整され
ている。IC12a、IC13a、IC14aの出力イ
ンピーダンスは約20Ωで、信号を入力するモードでの
入力インピーダンスは約1MΩである。
【0039】IC12a、IC13a、IC14aが信
号を出力する時は、2本の伝送線路を駆動することにな
るので、出力インピーダンスをIC11aの1/2に設
定している。
【0040】図1では、プリント配線上に見やすいよう
に模式的に1本の伝送線路しか描かれていないが、実際
には当然、複数本の伝送線路が存在する。また、実際の
プリント配線板には多くの部品が実装され、他の信号パ
ターンなどもあるが、これらは全て省略してある。
【0041】図1のプリント配線板19aは、図2及び
図3の回路構成を取っており、以下に説明するように、
複数のICの中のいずれのICが信号を出力しても波形
の大きな乱れは発生しない。
【0042】次に、図2と図3の回路構成を説明する。
ここで、101は図1のメモリーコントローラIC11
aに対応し、102、103、104は図1のメモリー
IC12a,13a,14aに対応し、および105は
図1の終端抵抗15aに相当し,106は図1の伝送線
路16に対応している。
【0043】図2は、双方向に信号を入出力するIC1
01が信号を出力して、IC102またはIC103ま
たはIC104がその信号を入力する場合の信号の流れ
を矢印で示している。各IC101〜104のインピー
ダンス特性が上述の式(1)〜(4)の条件を満たして
いる場合を考える。
【0044】IC101から出力された信号の進行波
は、IC102、IC103、IC104に信号を伝達
して、最終的には終端抵抗105に到達する。終端抵抗
105は伝送線路106の実効的な特性インピーダンス
0effに整合されているので、反射波はほとんど発生せ
ず、この回路の波形の乱れはほとんど発生しない。実用
的には、終端抵抗は Z0eff≦R2 および R3≦2Z0eff 程度でも効果は大きいが、完全にZ0effに整合させるの
が望ましい。
【0045】図3は、IC102が信号を出力して、I
C101がその信号を受け取る場合の信号の流れを矢印
で示している。IC102から信号が出力されると、そ
の信号の進行波は伝送線路106の左右にわかれて進
む。図3の左側に進んでいく進行波は、IC101に到
達しても、インピーダンスがほぼ整合しているため、ほ
とんど反射波は発生しない。
【0046】同様に、図3の右側に進む進行波は最終的
には終端抵抗105に到達する。終端抵抗105でもイ
ンピーダンス整合をとっているため、反射波はほとんど
発生せず、従ってこの回路の反射波による波形の乱れ
は、ほとんど発生しない。
【0047】実用的には、終端抵抗105およびIC1
01の入力インピーダンスが、 Z0eff≦R2 および R3≦2Z0eff でも効果は大きいが、完全にZ0effに整合させるのが望
ましい。
【0048】以上のように、伝送線路106に接続して
いる複数のIC101〜104の中のどのICが信号を
出力しても、伝送線路106に終端抵抗205が1個で
もって、反射による波形の乱れを抑制することができ
る。
【0049】(第2の実施形態)図4及び図5は、本発明
の第2の実施形態における双方向に信号を伝送する回路
の構成を示す。図4は複数のメモリーIC121〜12
4をコントロールするメモリーコントローラIC101
が信号を出力する場合であり、図5は複数のメモリーI
C121〜124の中の任意のメモリーIC122が信
号を出力する場合である。それぞれ、信号の流れを矢印
で示している。
【0050】伝送線路106から分岐した第1の伝送線
路125にメモリーIC121とメモリーIC122が
接続されており、伝送線路106から分岐した第2の伝
送線路126にメモリーIC123とメモリーIC12
4が接続している以外は、作用を含めて上述の第1の実
施形態と同様である。分岐した伝送線路125、126
は主配線の伝送線路106よりも、十分短いことが望ま
しい。
【0051】(第3の実施形態)図6は、図1に示した
本発明の第1の実施形態のプリント配線板を電子機器に
取り付けたときの状態を示す断面図である。図6におい
て、11bはメモリーと信号を入出力するコントローラ
ICの断面、12b、13a、14aはメモリーICの
断面、15bは終端抵抗の断面、17bはメモリーと信
号を入出力するコントローラICのリードの断面、18
bはメモリーICのリードの断面、19bはプリント配
線板の断面、301は電子機器の筐体の断面、302は
筐体とプリント配線板の間のスペーサーの断面である。
【0052】本実施形態では、プリント配線板での波形
の乱れが少ないため、誤動作し難い。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伝送線路に複数の双方向に信号を入出力する端子を持つ
ICを接続する回路において、伝送線路の一方の端に双
方向に信号を入出力する端子を持つIC1を接続し、も
う一方の端に抵抗値R1の値の終端抵抗を接続し、複数
個の双方向に信号を入出力するIC2、IC3、・・・
をこの伝送線路の途中に直接または分岐された伝送線路
に接続し、このときにIC1が信号を出力する時のイン
ピーダンスをR2、IC1が信号を入力する時のインピー
ダンスをR3、IC1以外のICが信号を出力する時のイ
ンピーダンスをR 4とした時、 R1≒2R42≒R3 の条件を満たすように回路を構成するようにしたので、
終端抵抗を複数個使用しなくても、1個だけで、どのI
Cが出力する状態でも波形の乱れを大幅に低減すること
ができる。
【0054】また、本発明によれば、伝送線路の特性イ
ンピーダンスがZ0、長さがl1、単位長さ当たりの容量
がC1で、ICの入出力回路の総容量をC2、分岐された
部分の伝送線路の長さがl2で、単位長さ当たりの容量
がC3とした時、上記R2の値を、 R2≒Z0eff ここで Z0eff=Z0/√(1+(C2+C3×l2)/C1×l1) とすることで、波形の乱れを最小限にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態における双方向
に信号を伝送する回路であって、複数のメモリーIC
と、これらメモリーICをコントロールするICとを実
装したプリント配線板の構成を示す上面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における回路構成を示
し、双方向に信号を入出力するIC101が信号を出力
して、IC102またはIC103またはIC104が
その信号を入力する場合を示す回路図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における回路構成を示
し、IC102が信号を出力して、IC101がその信
号を受け取る場合を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における回路構成を示
し、双方向に信号を入出力するIC101が信号を出力
して、IC121またはIC122またはIC123ま
たはIC124がその信号を入力する場合を示す回路図
である。
【図5】本発明の第2の実施形態における回路構成を示
し、IC122が信号を出力して、IC101がその信
号を受け取る場合を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施形態として、本発明の第1
の実施形態のプリント配線板を電子機器に組み込んだ状
態を示す断面図である。
【図7】信号の反射の現象を説明するための回路構成を
示す回路図である。
【図8】伝送線路の両端に終端抵抗を配置した従来例の
回路構成を示す回路図である。
【図9】ダンピング抵抗を用いた従来例の回路構成を示
し、双方向に信号を入出力するIC101が信号を出力
して、IC102またはIC103またはIC104が
その信号を入力する場合を示す回路図である。
【図10】ダンピング抵抗を用いた従来例の回路構成を
示し、IC102が信号を出力して、IC101がその
信号を受け取る場合を示す回路図である。
【符号の説明】
11a メモリーと信号を入出力するコントローラIC
の上面 11b メモリーと信号を入出力するコントローラIC
の断面 12a、13a、14a メモリーICの上面 12b、13a、14a メモリーICの断面 15a 終端抵抗の上面 15b 終端抵抗の断面 16 プリント配線板上に形成した伝送線路 17a メモリーと信号を入出力するコントローラIC
のリードの上面 17b メモリーと信号を入出力するコントローラIC
のリードの断面 18a メモリーICのリードの上面 18b メモリーICのリードの断面 19a プリント配線板の上面 19b プリント配線板の断面 101、102、103、104 伝送線路に接続する
信号を入出力する回路 105、107 終端抵抗 106 伝送線路 108 ダンピング抵抗 121、122、123、124 分岐した伝送線路に
接続する信号を入出力する回路 125、126 メインの伝送線路から分岐した伝送線
路 201 電圧源 202 伝送線路 203 終端抵抗 301 電子機器の筐体の断面 302 筐体とプリント配線板の間のスペーサーの断面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送線路に複数の双方向に信号を入出力
    する端子を持つICを接続する回路において、伝送線路
    の一方の端に双方向に信号を入出力する端子を持つIC
    1が接続し、もう一方の端に抵抗値R1の終端抵抗を接続
    し、複数個の双方向に信号を入出力する端子を持つIC
    2、IC3、・・・をこの伝送線路の途中に直接または
    分岐された伝送線路に接続し、IC1が信号を出力する
    時のインピーダンスをR2、IC1が信号を入力する時の
    インピーダンスをR3、IC1以外のICが信号を出力す
    る時のインピーダンスをR4とした時、 R1≒2R42≒R3 の条件を満たすことを特徴とする双方向に信号を伝送す
    る回路。
  2. 【請求項2】 前記伝送線路の特性インピーダンスがZ
    0、長さがl1、単位長さ当たりの容量がC1で、ICの
    入出力回路の総容量をC2、分岐された部分の伝送線路
    の長さがl2で、単位長さ当たりの容量がC3とした時、
    前記R2の値を、 R2≒Z0eff ここで Z0eff=Z0/√(1+(C2+C3×l2)/C1×l1) としたことを特徴とする請求項1記載の双方向に信号を
    伝送する回路。
  3. 【請求項3】 前記IC2、IC3・・がメモリーI
    C、または複数のメモリーが搭載されているモジュール
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向
    に信号を伝送する回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の双方向
    に信号を伝送する回路の前記伝送線路をプリント基板上
    に形成し、双方向に信号線を出力するIC1、IC2、
    IC3、・・・をプリント基板上に実装したことを特徴
    とするプリント配線板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の双方向
    に信号を伝送する回路、または請求項4に記載のプリン
    ト配線板を備えたことを特徴とする電子機器。
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