JP4963254B2 - ナノインプリント用の膜形成組成物、並びに構造体の製造方法及び構造体 - Google Patents
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Description
<シルセスキオキサン樹脂(A)>
本発明の膜形成組成物は、下記一般式(a−1)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(A)を含有することを特徴とする。この構成単位は、1種を用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、R2は単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等の直鎖状のアルキレン基や、イソプロピレン基、n−ブチレン基等の分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。このR2としては、メチレン基及びエチレン基が特に好ましい。
また、このようなシルセスキオキサン樹脂(A)を含有する本発明の膜形成組成物は、樹脂層と基体との密着性、樹脂層からのモールドの剥離性も良好なものとなる。
さらに、このようなシルセスキオキサン樹脂(A)を含有する本発明の膜形成組成物は、高い透明性・屈折率を有する。したがって、この膜形成組成物により、レンズ等の高屈折率部材を製造することが可能となる。
本発明の膜形成組成物は、前述のシルセスキオキサン樹脂(A)等の全ての成分を適当な有機溶剤に溶解して溶液の形態で用いるのが好ましい。
有機溶剤(B)としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル若しくはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;ジオキサン等の環状エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤(B)は、1種を用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、n−ブタノールを用いることが好ましい。
本発明の膜形成組成物は、必要に応じて界面活性剤(C)を含有していてもよい。界面活性剤(C)を含有することにより、モールドの形状の転写性が良好なものとなる。界面活性剤(C)としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができる。
本発明の構造体の製造方法は、基体上にシルセスキオキサン樹脂を含む膜形成組成物を塗布して樹脂層を形成する工程と、樹脂層にモールドを押し付ける工程と、樹脂層からモールドを剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
また、基体としては、特に限定されず、例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属からなる基板やガラス基板、或いはこれらに所定の配線パターンが形成されたものを用いることができる。また、これらの基板に有機層や無機層が形成されたものを用いてもよい。
上述のように、本発明の構造体の製造方法によれば様々な形状の構造体を製造することができるが、以下では、本発明の膜形成組成物により、基体上に所定のパターンの構造体を形成し、この構造体をレジストとして用いる場合について、さらに説明する。但し、このパターン形成方法は、上述した構造体の製造方法と同様であるため、同一の部分については記載を省略又は簡略化する。
有機層の膜厚は、100〜14000nmが好ましく、300〜5000nmがより好ましい。この範囲内の膜厚とすることにより、十分なエッチング耐性が確保できる。
下記化学式(1)及び(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:8500、(1):(2)=30:70(モル比))を用い、この樹脂の濃度が15質量%となるようにn−ブタノールで調整し、膜形成組成物1を得た。
プレス圧力20MPaにて40%(240nm)以上の深さまでパターニングできているものを○、40%(240nm)未満の深さまでしかパターニングできていないものを×として、パターニング深さを評価した結果を表1に示す。また、ボイド、基板からの剥がれ等が発生していないものを○、発生しているものを×として、パターニング形状を評価した結果を表1に示す。
上記化学式(1)及び下記化学式(3)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:2800、(1):(3)=28:72(モル比))を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調整し、膜形成組成物2を得た。
下記化学式(4)及び上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:3000、(4):(2)=70:30(モル比))を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで調整し、膜形成組成物3を得た。
下記化学式(5)及び上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:3600、(5):(2)=70:30(モル比))を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調整し、膜形成組成物4を得た。
上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:7000)と上記化学式(1)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:6000)とを70:30のモル比で混合し、この混合樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調整し、膜形成組成物5を得た。
上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:7000)と下記化学式(6)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−2、東京応化工業社製、質量平均分子量:1500)とを50:50のモル比で混合し、この混合樹脂の濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:エタノール:酢酸エチル=5:4:1の混合溶剤で調整し、膜形成組成物6を得た。
上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:7000)と下記化学式(7)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−9、東京応化工業社製、質量平均分子量:2200)とを50:50のモル比で混合し、この混合樹脂の濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:エタノール:n−ブタノール:メトキシプロピオン酸メチル=5:2:2:1の混合溶剤で調整し、膜形成組成物7を得た。
上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:7000)と下記化学式(8)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−12、東京応化工業社製、質量平均分子量:1800)とを50:50のモル比で混合し、この混合樹脂の濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールジメチルエーテル=5:5の混合溶剤で調整し、膜形成組成物8を得た。
上記化学式(2)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:7000)と上記化学式(6)及び(7)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−7、東京応化工業社製、質量平均分子量:2000、(6):(7)=50:50(モル比))とを50:50のモル比で混合し、この混合樹脂の濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:イソプロパノール:アセトン=5:3:2の混合溶剤で調整し、膜形成組成物9を得た。
上記化学式(1)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(質量平均分子量:6000)を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調整し、膜形成組成物10を得た。
上記化学式(6)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−2、東京応化工業社製、質量平均分子量:1500)を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるように、エタノール:酢酸エチル=8:2の混合溶剤で調整し、膜形成組成物11を得た。
上記化学式(8)で表される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂(製品名:OCD T−12、東京応化工業社製、質量平均分子量:1800)を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールジメチルエーテルで調整し、膜形成組成物12を得た。
シリコン基板表面上に膜形成組成物1をスピンコート法にて塗布し、膜厚100nmの樹脂層を得た。樹脂層を乾燥や硬化することなく、ナノインプリンター NM−0401(明昌機工社製)を用いて、樹脂層に対してモールド(凹型パターン、ライン/スペース40nm)をプレス圧力20MPa(5000Nの荷重)にて室温(25℃)で60秒間押し付けた。その後、モールドを剥離することにより、基板上にパターン状の構造体を形成した。
Claims (8)
- 前記R1が水素原子である請求項1記載の膜形成組成物。
- 前記シルセスキオキサン樹脂(A)の質量平均分子量が2000〜30000である請求項1又は2記載の膜形成組成物。
- 基体上に請求項1から3のいずれか記載の膜形成組成物を塗布して樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層にモールドを押し付ける工程と、
前記樹脂層から前記モールドを剥離する工程と、を含むことを特徴とする構造体の製造方法。 - 前記剥離する工程後に、前記樹脂層に紫外線を照射する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の構造体の製造方法。
- 前記剥離する工程後に、前記樹脂層を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の構造体の製造方法。
- 前記樹脂層に前記モールドを押し付けた状態で該樹脂層を硬化させることを特徴とする請求項4から6のいずれか記載の構造体の製造方法。
- 請求項4から7のいずれか記載の構造体の製造方法により得られた構造体。
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