JP4961935B2 - トラクタ用pto制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の適用対象となるトラクタの1例としての農用トラクタについて説明する。
農用トラクタ1は、機体側面図を図1に示すように、前輪2、2と後輪3、3とを備えた機体に操縦用のキャビン7を構成し、同機体の前部を覆うボンネット内にエンジン4を搭載し、このエンジン4の回転動力をミッションケース5内の変速伝動部5aに伝達し、この変速伝動部5aで適宜減速された動力を前輪2、2と後輪3、3とに伝達するとともに、昇降可能な不図示の3Pリンクに連結した作業機にPTO軸(不図示)を介して後部出力するように構成されている。
キャビン7内には、図2の斜視図に示すように、オペレータ操作のために、ミッションケース5の上部位置に操縦席7sを配置し、この操縦席7sの片側のアームレスト21およびその外側方に後述の操作パネル装置22を設けるほか、操縦席7sの他側方に、駐車ブレーキ7b、PTOチェンジレバー7c、7d等を配置して操作部を構成し、また、ステアリングハンドル11の近傍に前後進切換レバー11a、基部にクラッチペダル11b、左右ブレーキペダル11c、11d、アクセルペダル11e等の走行操作具が配置される。また、ステアリングポストには、速度計を初めとする機器情報を表示する後述のメーターパネル(表示装置)Mを設け、上記アームレスト21には、作業機昇降レバー21a、作業機昇降スイッチ21b、走行変速スイッチ21c、21d等の作業走行用の操作具が配置される。
操作パネル装置22は、操作性を向上するために作業機や走行系およびエンジン回転数等の操作手段を操縦席7sの片側方(図例は右側方)に集中配置したものであり、トラクタを構成する走行系および作業系の機器を制御操作するための操作具と、これら操作具を支持して操縦席7sの片側方に集中配置する操作卓として構成し、さらに、後述のスイッチボックス26aを備える。
上記操作パネル装置22の各操作具の具体的な説明は以下のとおりである。
基段操作部23には、後述のPTO入り切りスイッチ、PTO手動自動スイッチ、デフロックスイッチ等のトランスミッションの動力伝達と遮断を直接実施する操作スイッチを配置する。これらスイッチは、単純なオンオフ操作であることから、オペレータが腕を曲げた状態の比較的窮屈な姿勢でも容易に操作することができる。
中段操作部24には、2つのエンジン回転数記憶スイッチ、ドラフト比調整ダイヤル、上げ調整ダイヤル、傾き調整ダイヤル、4WD切替スイッチ、水平シリンダ手動上げ下げスイッチ等を配置する。
操作卓の上段操作部25には、スロットルレバー25a、副変速レバー25b、サブコンレバー25c、25d、オプションのサブコンレバー25e、また、操作卓の後部には、スイッチボックス26aを配置する。
スイッチボックス26aは、その見取図を図3に示すように、スイッチ類を複数収納したスイッチパネル31にカバーを開閉可能に設けて構成する。これを操作卓の後部位置において操縦席7sのオペレータに向けて傾斜して配置する。このスイッチボックス26aは、使用頻度が低い機能について操作部を小さくしてコンパクトに構成し、使用しない場合はオペレータの視界の外に位置し、使用する場合は操縦席7sから操作できる近い位置に配置することにより、通常の作業に支障を来すことなく、ユーザーにより、或いは、作業により、必要に応じて、全ての機能を操縦席7sから操作することができる。
下げ速度ダイヤル32cは作業機下降速度を調整する。「速」側(右回り)に操作すると作業機は速く降り、作業機重量が軽い場合に適用する。「遅」側(左回り)に操作すると作業機は遅く降り、作業機重量が重い場合に適用する。
ブレーキ調整ダイヤル32dはオートブレーキスイッチ33eが「入り」のときに作用するブレーキ力を調整(左が弱、右が強)する。
ATシフト路上スイッチ33aは、「入り」にすると路上走行のときに自動変速(オートドライブ)する。
ATシフト作業スイッチ33bは、「入り」にすると作業走行のときに自動変速(オートドライブ)する。
バックアップ入切スイッチ33cは、「入り」にすると後進動作と連動して作業機が上昇する。
オートリフト入切スイッチ33dは、「入り」にすると機体旋回時のハンドル操作と連動して作業機が上昇する。
オートブレーキ入切スイッチ33eは、「入り」にすると機体旋回時のハンドル操作と連動して旋回内側の後輪のみにブレーキがかかる。
接続感度PTOスイッチ34bは、PTOのつながり方を切換える。「ロータリ」はPTOのつながりが早くなる。PTOが回転始めると、すぐに土の抵抗に負けない回転力で回るので、主にロータリなどの耕うん作業機で使用する。「牧草1」、「牧草2」はPTOのつながりが緩やか(2つの変速)となる。主に牧草作業機やスノーブロワーなどPTO接続をゆっくり行う作業機で使用する。
水平切換スイッチ34dは、作業機の水平制御を行う。「自動水平」は水平センサにより、自動的に水平を保持する。「手動」は上記傾き調整ダイヤル24eによる手動調整用である。「平行」は本機に対して3Pリンクを常に平行にする。「傾斜」は地面に対してある一定の角度をもたせる。
3P切換スイッチ34eは、リフトシリンダ取り付け穴の選択によって、電子油圧操作ボックスの3P切換の選択を行う。カテゴリ1の作業機(ロワーリンクの前穴に付けるとき)は「1」を選択し、カテゴリ2の作業機(ロワーリンクの後穴に付けるとき)は「2」を選択する。
例えば、通常制御時は、スイッチ操作と対応してモニターが点灯・消灯することから、スイッチを押してもモニターが点灯しない場合は、スイッチとモニターの何れの故障か判断できないので、チェックモード状態でスイッチがオンの時のみ点灯する構成とすることにより、故障の部位(スイッチ、モニター)の判断が行いやすい。また、スイッチの変化のみはメーターパネルMで確認することができる。
メーターパネルMは、図4の見取図に示すように、中央位置のエンジン回転計41のほか、各種機器の動作状況をランプで表示する。
詳細には、上縁部の左右のウィンカランプ42,42b、その右方に続く警告灯42c、デフロック表示灯42d、左側部の作業機表示としてATシフトの作業表示灯43aと路上表示灯43b、オートリフト表示灯44a、オートブレーキ表示灯44b、バックアップ表示灯44c、PTO表示灯44d、上昇ランプ44e、オートアクセル表示灯44f、アクセルメモリの作業A表示灯44g、作業B表示灯44h、右側部の複合表示用液晶表示器45による主変速位置、車速、燃料、水温の表示、およびその下方の走行系表示として2WDランプ46a、4WDランプ46b、急旋回表示灯46c、パーキングブレーキ表示灯46d、ブレーキペダル非連結警告灯46e等を配置する。
次に、機体外部のフェンダについて説明する。
左右のフェンダ51は、一方(左側)についての要部斜視図を図5に示すように、後輪をその上方を覆うように湾曲し、このフェンダ51と一体に、側方を照らす作業灯52、制動灯、方向指示灯等を含む複合尾灯53、反射板54を備えるほかに、PTO停止用、車高調節用等のスイッチを配置した外部操作部を設ける。この外部操作部のPTO切り車外スイッチ55は、PTO入切用の車内スイッチと合わせてPTO制御装置を構成する。実施例では左側のフェンダを示しているが、右側のフェンダにも同様のスイッチを設けてもよい。
PTO制御装置は、システム構成図を図6(a)に示すように、制御部61の入力側に、前述の操作パネル装置22の基段操作部23に配置したPTO入切スイッチ(車内スイッチ)23aとフェンダ51に配置したPTO切り車外スイッチ(車外スイッチ)55を接続し、出力側に、PTO装置の伝動制御用のPTOソレノイド62、モニター表示用のメーターパネルMを接続する。
また、上記PTO切り車外スイッチ55は、PTO装置の稼働中における強制停止制御によりPTO装置を停止操作することができ、さらに、強制停止後は、PTO装置の停止を強制継続制御することにより、電源供給の間停止までの範囲で、PTO入切スイッチ23aの誤操作の影響を受けることなく、PTO装置の停止が維持される。
一方、PTO装置の稼働中は、車内スイッチ23aの操作と対応してPTOソレノイド62の停止とPTOモニター点滅(S6,S7)によって緊急停止とその対応表示の処理を行う。
エンジン停止操作検出をメインキースイッチのオフ検出あるいはコントローラの電源遮断によるリセットでPTO切り状態(停止継続状態)を解除する構成において、図8のフローチャートに示すように、PTOの「入り」検出(S14a)は、PTO入切スイッチ23aのオフからオンへの変化(S11〜S13)で動力伝達出力を行うように制御構成する。
上記制御により、電源ラインの瞬間停止が通常作業中にあった場合は、これを無視できるようにしておくことで、不意にPTOが止まったままになるようなことを防ぐことができる。
次に、ドラフト制御における昇降LEDについて説明する。
ドラフト制御時は、実際の上昇、下降ソレノイド出力に対して数百msの出力ディレーを設けて昇降LEDを点灯制御する。
ミックスドラフト制御時においては、圃場や作業機の違いによってドラフト比ダイヤルを操作したドラフトの効き具合を調整する必要があり、この時、上昇、下降ソレノイド出力をダイレクトに昇降LEDに反映した場合、昇降LED出力はあまり調整の目安にならない。ドラフト比を変化させてもドラフト比30%から100%の間では、出力の回数はあまり変化しない。しかし、ドラフト比ダイヤルをドラフト100%側に回すほど、一発の時間が長いドラフトによる出力が増える。したがって、出力ディレーをある程度設定することで昇降LED出力回数は変化し、調整の目安として利用可能となる。
また、本機LEDとCAN通信により結合された操作スイッチパネル内に上昇出力、下降出力をオペレータに報知する昇降LEDを設ける。このように構成することにより、ミックスドラフト制御等で制御出力回数、いわゆる感度を調整するのに昇降LEDを使用することで、定量的な目安にすることができる。
5 ミッションケース
7s 操縦席
22 操作パネル装置
23 基段操作部
23a PTO入切スイッチ(車内スイッチ)
23b PTO切換スイッチ
31 スイッチパネル
51 フェンダ
55 PTO切り車外スイッチ(車外スイッチ)
61 制御部
62 PTOソレノイド
M メーターパネル(表示装置)
Claims (4)
- トラクタ(1)の操作パネル装置(22)の基段操作部(23)にオン操作信号およびオフ操作信号に応じてPTO装置の稼動と停止を独立して制御するPTO入切スイッチ(23a)を設け、左右の後輪(3,3)を覆う左右のフェンダ(51,51)のいずれか一方にPTO装置の稼動中にオフ操作信号によりPTO装置を強制的に停止制御するPTO切り車外スイッチ(55)を設け、
上記PTO切り車外スイッチ(55)によるPTO装置の強制停止後は、上記PTO入切スイッチ(23a)の操作にかかわらずエンジンを停止操作するまでPTO装置の強制停止を継続するように制御部(61)が制御することを特徴とするトラクタ用PTO制御装置。 - 前記PTO切りスイッチ(55)によりPTO装置の強制停止をすると、エンジンの停止操作が必要であることを表示装置(M)に表示することを特徴とする請求項1に記載のトラクタ用PTO制御装置。
- 前記PTO入切スイッチ(23a)が入りになっていると、エンジン始動を抑制するように制御部(61)が制御することを特徴とする請求項1又は2記載のトラクタ用PTO制御装置。
- トラクタ(1)に装着した作業機の昇降に応じて点灯する昇降LEDを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトラクタ用PTO制御装置。
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