JP5045552B2 - 作業車両 - Google Patents
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Description
上記スイッチは、通常のスイッチ操作による機能設定のほかに、その長押し操作によってその時の主変速位置が副変速の切替え時の変速位置として新たに設定される。
また、スイッチのいわゆる「長押し」の操作により、そのときの主変速位置を副変速切替え時の変速位置として設定可能に構成したことから、メモリー変速を適用しない場合の主変速位置として副変速切替え時の変速制御が可能となるので、作業者の好みに沿って作業条件と作業内容に幅広く対応することができる変速制御が、特段の設定手段を要することなく、簡易な操作で適用可能となる。
また、通常のスイッチ操作でメモリー変速の適用と別途設定の主変速位置の適用を選択することができる上に、特段の設定手段を要することなく、簡易な操作で、主変速位置を設定することができるので、個々の作業者が作業内容に応じた変速制御が可能となる。
本発明の作業車両の1例としての農用トラクタ1は、機体側面図を図1に示すように、前輪2、2と後輪3、3とを備えた機体の前部を覆うボンネット内にエンジン4を搭載し、このエンジン4の回転動力をミッションケース5内の変速伝動部5aに伝達し、この変速伝動部5aで適宜減速された動力を前輪2、2と後輪3、3とに伝達するとともに、付図示の3Pリンクに連結した作業機に付図示のPTO軸を介して後部出力するように構成されている。
キャビン内には、図2の斜視図に示すように、オペレータ操作のために、ミッションケース5の上部位置に機器操作席7を配置し、この機器操作席7の片側のアームレスト21およびその外側方に後述の操作装置22を設けるほか、機器操作席7の他側方に、駐車ブレーキ7b、PTOチェンジレバー7c、7d等を配置して操作部を構成し、また、ステアリングハンドル11の近傍に前後進切換レバー11a、基部にクラッチペダル11b、左右ブレーキペダル11c、11d、アクセルペダル11e等の走行操作具が配置される。
作業機昇降レバー21aは、後側が「上昇」、前側が「下降」で、機体旋回等の際に作業機を昇降する。
作業機昇降スイッチ21bは、シーソースイッチであり、後側のワンプッシュ操作で上げ調整ダイヤルで調整した最大位置まで上昇し、前側のワンプッシュ操作で作業機昇降レバー21aの位置まで下降する。
2つ一組の走行変速スイッチ21c、21dは、それぞれを1回押すごとにシフトアップ、シフトダウンし、低速8段、中速8段、高速8段、路上走行速4段の範囲で速度調整する。
操作装置22は、拡大斜視図を図3に示すように、操作性を向上するために作業機や走行系およびエンジン回転数等の操作部を機器操作席7の片側方(図例は右側方)に集中配置したものであり、トラクタを構成する走行系および作業系の機器を制御操作するための操作具23a〜25eと、これら操作具23a〜25eを支持して機器操作席7の片側方に集中配置する操作パネル22tとから構成する。
基段部23には、取付け面見取図を図4に示すように、PTO入り切りスイッチ23a、PTO手動自動スイッチ23b、デフロックスイッチ23c等のトランスミッションの動力伝達と遮断を直接実施する操作スイッチを配置する。これらスイッチは、操作が比較的複雑なモード設定スイッチと異なり、操作が単純であることから、オペレータが腕を曲げた状態の比較的窮屈な姿勢でも容易に操作することができる。
PTO手動自動スイッチ23b(左で「手動」、右で「自動」)は主に水田作業で利用し、「手動」の時はPTO入りでチェンジが入っていると常時回転し、「自動」の時はクラッチを踏んだり、3Pリンクを上げたりすると回転が止まる。
デフロックスイッチ23cは、機器操作席7に寄った手前側は押せないシーソースイッチであり、座席と反対側を押すとデフロック、もう一度押すとデフロックを解除する。
水平シリンダの手動上げ下げスイッチ24gは作業機の脱着等に使用し、3Pリンクの水平シリンダを手動で動かす。
次に、前記スイッチボックス26aについて説明する。
スイッチボックス26aは、使用状態の見取図を図7に示すように、スイッチ類を複数収納したスイッチパネル31にカバー31aを開閉可能に設けて構成する。これを操作パネル22tの後部位置において機器操作席7のオペレータに向けて傾斜して配置する。このスイッチボックス26aは、使用頻度が低い機能について操作部を小さくしてコンパクトに構成し、使用しない場合はオペレータの視界の外に位置し、使用する場合は機器操作席7から操作できる近い位置に配置することにより、通常の作業に支障を来すことなく、ユーザーにより、或いは、作業により、必要に応じて、全ての機能を機器操作席7から操作することができる。
パネル面には、作業機上昇・下降モニターランプ32a、ATシフト作業感度ダイヤル32b、下げ速度ダイヤル32c、ブレーキ調整ダイヤル32dを比較的大きく配置し、その他、電子油圧制御を初めとする制御設定のスイッチ類33a〜33e、34a〜34eのスイッチボタンBをモニターランプLとともに比較的小さく集中して配置する。
下げ速度ダイヤル32cは作業機下降速度を調整する。「速」側(右回り)に操作すると作業機は速く降り、作業機重量が軽い場合に適用する。「遅」側(左回り)に操作すると作業機は遅く降り、作業機重量が重い場合に適用する。
ブレーキ調整ダイヤル32dはオートブレーキスイッチ33eが「入り」のときに作用するブレーキ力を調整(左が弱、右が強)する。
ATシフト路上スイッチ33aは、「入り」にすると路上走行のときに自動変速(オートドライブ)する。
ATシフト作業スイッチ33bは、「入り」にすると作業走行のときに自動変速(オートドライブ)する。
バックアップ入切スイッチ33cは、「入り」にすると後進動作と連動して作業機が上昇する。
オートリフト入切スイッチ33dは、「入り」にすると機体旋回時のハンドル操作と連動して作業機が上昇する。
オートブレーキ入切スイッチ33eは、「入り」にすると機体旋回時のハンドル操作と連動して旋回内側の後輪のみにブレーキがかかる。
接続感度PTOスイッチ34bは、PTOのつながり方を切換える。「ロータリ」はPTOのつながりが早くなる。PTOが回転始めると、すぐに土の抵抗に負けない回転力で回るので、主にロータリなどの耕うん作業機で使用する。「牧草1」、「牧草2」はPTOのつながりが緩やか(2つの変速)となる。主に牧草作業機やスノーブロワーなどPTO接続をゆっくり行う作業機で使用する。
水平感度スイッチ34cは、自動水平制御装置の動作感度を切換える。スイッチを押すと、自動水平制御の動きが遅くなり、再びスイッチを押すと元に戻る。
水平切換スイッチ34dは、作業機の水平制御を行う。「自動水平」は水平センサにより、自動的に水平を保持する。「手動」は上記傾き調整ダイヤル24eによる手動調整用である。「平行」は本機に対して3Pリンクを常に平行にする。「傾斜」は地面に対してある一定の角度をもたせる。
3P切換スイッチ34eは、リフトシリンダ取り付け穴の選択によって、電子油圧操作ボックスの3P切換の選択を行う。カテゴリ1の作業機(ロワーリンクの前穴に付けるとき)は「1」を選択し、カテゴリ2の作業機(ロワーリンクの後穴に付けるとき)は「2」を選択する。
例えば、通常制御時は、スイッチ操作と対応してモニタが点灯・消灯することから、スイッチを押してもモニタが点灯しない場合は、スイッチとモニタの何れの故障か判断できないので、チェックモード状態でスイッチがオンの時のみ点灯する構成とすることにより、故障の部位(スイッチ、モニター)の判断が行いやすい。また、スイッチの変化のみはメーターパネルで確認することができる(短絡、オープンは確認できない)。
次に、メモリー変速適用を設定するためのスイッチについて説明する。
走行系伝動制御としてメモリー変速を行う制御装置を備えた作業車両、すなわち、副変速の切替え時に変速実績時間が最長の変速位置に主変速を切替える作業車両にあっては、メモリー変速の最長実績位置を適用せずに、任意設定による主変速位置を適用する制御モード切替えのためのスイッチと、その任意設定位置を入力するためのスイッチを設け、または、次の例のように、前述のスイッチパネル31のATシフト作業スイッチ33bに機能を追加することにより、メモリー変速のモード切替えおよび任意設定位置による変速を可能に構成する。
次に、センサ異常の対応処理について説明する。
センサ異常によって異常出力が出続ける事態を避けるために、センサの異常(断線、ショート)を検出した時に出力を停止し、出力要求方向が逆方向に変更された場合に再出力を行う。
上記制御構成により、センサや配線自体の異常な時でも、出力が出続けることを防止することができる。
2 前輪
3 後輪
4 エンジン
5a 変速伝動部
7 機器操作席
11e アクセルペダル
22t 操作パネル
25b 副変速レバー
26a スイッチボックス
31 スイッチパネル
33a ATシフト路上スイッチ
33b ATシフト作業スイッチ
B スイッチボタン
C パネル制御部(制御部)
L モニターランプ
Claims (2)
- 副変速機構によって切替えられた車速帯域について主変速機構を変速制御する制御部(C)と、その変速制御機能設定用のスイッチを配置したスイッチパネル(31)とを備えた作業車両において、
上記制御部(C)は、副変速の切替えの際に変速実績時間に基づいて決定した主変速位置に変速するメモリー変速制御機能を備え、このメモリー変速制御機能の適用の設定と他の機能設定の組合せを選択するための単一のATシフトの作業スイッチ(33b)により両機能について個別設定可能に構成すると共に、
上記制御部(C)は、上記スイッチ(33b)のいわゆる「長押し」の操作により、そのときの主変速位置を副変速切替え時の変速位置として設定可能に構成し、
上記ATシフトの作業スイッチ(33b)は、アクセルペダル(11e)の踏込み操作量に応じて自動的に車速を増減速する自動変速制御を適用するスイッチであり、このATシフト作業スイッチ(33b)に機能を追加することで、メモリー変速のモード切替えと任意設定位置による変速とを選択可能に構成したことを特徴とする作業車両。 - 前記ATシフト作業スイッチ(33b)の信号を受け、同スイッチを押すごとに、1回目で自動変速を入かつメモリー変速を入、2回目で自動変速を切かつメモリー変速を入、3回目で自動変速を切かつメモリー変速を切とするモード切換をし、このモード切替えと対応して、モニターランプ(L)を点灯、点滅、消灯と切替える構成にしたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
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