JP4961113B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は二次電池に関し、特に衝撃や振動による極板群の移動で不具合が発生するのを防止し、耐衝撃性の向上を図った二次電池に関するものである。
リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池として、図9に示すように、有底筒状の電池ケース32内に、発電要素としての極板群33と電解液を収容し、電池ケース32の開口部に絶縁ガスケット34を介して組立封口板35にて封口し、極板群33の一端から延出された一方の極性のリード(図示せず)を組立封口板35に接続し、極板群33の他端から延出された他方の極性のリード(図示せず)を電池ケース32の内底面に接続し、極板群33の両端には絶縁板36a、36bを配置した構成の二次電池31が知られている。
組立封口板35は、図10に示すように、電池ケース32内に臨む内面を形成するとともに通気孔38が形成されたフィルタ37と、ガスケット39を介してフィルタ37と絶縁された状態で外部に臨む外面を形成するとともに排気孔41が形成されたキャップ40と、フィルタ37とキャップ40の間の空間に内蔵され、電池ケース32内が所定圧力以上になると破断して、極板群33とキャップ40間の通電経路を遮断するとともに、通気孔38と排気孔41を連通させる安全弁機構42とを備えている。安全弁機構42は、下弁体43と上弁体44から成り、かつ下弁体43と上弁体44の外周部がガスケット39を介して相互に絶縁された状態でフィルタ37とキャップ40にて挟持され、下弁体43と上弁体44の中央部が相互に接続されるとともに、その周囲に所定以上の圧力が作用した時に破断する破断部が形成されて構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、極板群と封口板との間に、上部が封口板底面に接し、下部が極板群に加圧状態で接する樹脂製の絶縁リングを配置し、極板群を確実に固定することにより、衝撃、振動によるリードの変形を抑え、電池の耐衝撃性を高めるようにしたものは知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、封口板の下面にあるガス抜き穴の周縁に複数の突起を形成し、電池ケース内のガス圧力が急激に上昇して極板群と封口板を接続する帯状のリードが封口板に向けて押し上げられても、リードにてガス抜き穴が塞がれるのを防止し、ガスを安全に逃散させるようにした電池も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平9−129195号公報 特開2000−182592号公報 特許第3596918号明細書
ところで、図9、図10に示した構成の二次電池では、衝撃を受けた場合、図11に示すように、極板群33が衝撃によって組立封口板35に向けて移動することがあり、その場合組立封口板35側の絶縁板36aが衝撃力で変形されて、組立封口板35のフィルタ37に形成されている通気孔38が絶縁板36aで塞がれてしまい、発生したガスを逃散させることができない恐れがあるという問題がある。
一方、特許文献2に開示された電池の構成では、衝撃を受けた場合の極板群の移動を防止してリードの変形は防止されるが、絶縁リングの配置によって極板群の外周部からのガスの排気ルートが損なわれるという問題があり、排気ルートを確保するために絶縁リングに切り込みを設けると、樹脂製の絶縁リングの強度低下を来たして、耐衝撃効果が低減してしまうという問題がある。
また、特許文献3に開示された電池の構成では、金属製封口板のガス抜き穴の周縁に突起を設けていることでガス排気ルートは確保されるが、衝撃を受けたときの極板群の移動を防止することはできないという問題があり、また移動防止のために突起を大きくすると、極板群に直接接触して短絡を生じてしまうという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、衝撃や振動を受けた場合の極板群の移動による不具合の発生を防止できる二次電池を提供することを課題とする。
本発明の二次電池は、電池ケース内に極板群と電解液が収容され、電池ケースの一端開口が、電池ケース内が所定以上の圧力になったとき圧力を外部に排出する安全機構を内蔵し、かつ電池ケースに対して絶縁された組立封口板で封口され、極板群の一端から延出された一方の極性のリードが組立封口板に接続され、極板群の他端から延出された他方の極性のリードが電池ケースに接続された二次電池において、組立封口板の電池ケース内に臨む通気孔の少なくとも一部を切り起こし片の形成による開口部にて構成するとともに、切り起こし片の先端を極板群の一端に接して配設された絶縁板に当接させ、かつ他方の極性にあるリードの少なくとも一部は、電池ケースの内底面に沿って延出するとともにその中間部に折り返し部を設けて先端部を電池ケースの底面に接続したものである。
この構成によると、組立封口板において、その安全機構のガス排気通路となる通気孔を構成するために形成した切り起こし片にて、絶縁板を介して極板群の一端を支持しているので、衝撃や振動を受けた場合でも極板群の移動を確実に防止することができ、極板群や絶縁板の移動やそれに伴うリードの変形によって通気孔が塞がれる恐れがなく、円滑にガスを排気する通路を確保することができ、安全性を確保できる。また、極板群の他端から延出されたリードと電池ケースとの接続部が極板群の移動によって外れる恐れも無くすことができる。また、大電流の取り出し時にはリードでの発熱量が多いために高温になり易いが、リードの近傍側部に位置する切り起こし片にてその熱が吸収されて組立封口板の全体にて放熱されるので、リードが高温になるのを抑制することができ、大電流に対する適性を向上できる。また、切り起こし片の形成によって組立封口板の電池ケース内に臨む面の剛性が向上するので、電池ケースの内圧の上昇に伴う変形によって安全機構の作動に障害が生じるのを防止する効果も得られる。また、この構成によると、衝撃や振動を受けた時に、たとえ極板群が組立封口板に向けて多少移動することがあったとしても、折り返し部を有する他方の極性にあるリードの変形によってその移動量を吸収することができて、他方の極性のリードと電池ケースの底面の接続が外れる恐れはなく、耐衝撃性の高い電池を得ることができる。
また、切り起こし片にて形成される通気孔は組立封口板の直径方向に対向する両側部に配設し、それらの間の空間に一方の極性のリードを配置し、このリード配設空間の通気孔は打ち抜き形成すると、切り起こし片とリードが干渉することがなくかつ高い放熱効果が得られるとともに、通気孔の総開口面積を十分に確保することができる。
また、組立封口板の通気孔を形成している壁面における通気孔の開口縁部若しくは通気孔間に、面剛性を高める凹部又は突部をプレス成形すると、組立封口板の電池ケース内に臨む面の面強度を確保でき、電池ケースの内圧の上昇に伴う変形によって安全機構の作動に障害が生じるのを防止できる。
また、組立封口板の外面を形成するキャップの中央部に、平面形状が四角形以上の多角形状の接続突部を突出成形するとともに、多角形の各辺を形成する立ち上がり側壁に排気孔を形成すると、安全機構の作動を阻害する恐れのある異物などの侵入を防止できるように、各排気孔の面積を小さく制限しながら、排気孔の総面積を十分に確保でき、異常時にガスを円滑に排気できて高い安全性を確保することができる。
本発明の二次電池によれば、極板群を収容した電池ケースの開口を封口する組立封口板において、内蔵している安全機構の通気孔を構成するために形成した切り起こし片によって、絶縁板を介して極板群の一端を支持しているので、衝撃や振動を受けた場合でも極板群の移動を確実に防止することができ、極板群や絶縁板の移動やそれに伴うリードの変形によって通気孔が塞がれる恐れが無く、ガスを円滑に排気する通路を確保できて、電池の安全性を向上できる。
以下、本発明の二次電池の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1〜図3において、1はリチウムイオン電池から成る円筒形の二次電池で、有底円筒状の電池ケース2内に、発電要素としての極板群3が電解液とともに収容されている。極板群3は、帯状の正極板とセパレータと負極板とセパレータを順次重ねた状態で巻芯材の外周に巻回し、巻回終了後に巻芯材を引き抜いて構成されており、正極板と負極板がそれらの間にセパレータを介装した状態で積層された構成となっている。セパレータは、正極板及び負極板よりも上下に適当寸法だけ突出されており、このセパレータの上下の突出部を径方向内側に倒すことで正極板と負極板間の絶縁性が確保されている。極板群3の外周は短絡防止の必要に応じて外周セパレータ(図示せず)にて覆われ、若しくは電池ケース2の内周に絶縁樹脂層(図示せず)が形成されている。また、極板群3の上下両端に当接して上部絶縁板4aと下部絶縁板4bが配置され、その状態で電池ケース2内に収容されている。
極板群3において、正極板はアルミ箔から成る芯材に正極合剤を塗着・乾燥して構成され、負極板は銅箔から成る芯材に負極合剤を塗着・乾燥して構成され、セパレータは多孔性ポリプロピレンフィルムなどにて構成されている。また、二次電池としての充放電リザーブを設けるために、図5に示すように、正極板5よりも負極板6方が上下及び長手方向に大きく形成されており、負極板6は正極板5の上下に所定寸法だけ突出するとともに、両端部も長く延びている。なお、図5ではセパレータを省略して図示している。そして、IEC規格「INR26650」(外径26mm×高さ65mm)程度の比較的大容量の電池において、大電流を効率的に取り出せるように、正極板5の中央部に単一の広幅の正極リード7が接合され、負極板6の両端部に正極リード7の略半分の狭幅である一対の負極リード8a、8bが接合されている。
電池ケース2の上端部には、外面からの溝入れ加工により内側に突出して上部絶縁板4aの外周部に上方から係合する段部9が設けられている。電池ケース2内の段部9上には絶縁ガスケット10を介して組立封口板11が挿入配置されている。この組立封口板11は、電池ケース2の開口縁部を内側にかしめ加工することによって絶縁ガスケット10を介して密封性と電池ケース2に対する電気絶縁性を確保した状態で電池ケース2に一体的に固着されている。
組立封口板11は、図4に示すように、電池ケース2内に臨む内面を形成するとともに通気孔13a、13b、13cが形成されたフィルタ12と、ガスケット14を介してフィルタ12と絶縁された状態で外部に臨む外面を形成するとともに排気孔16が形成されたキャップ15と、フィルタ12とキャップ15の間の空間に内蔵され、電池ケース内が所定圧力以上になると破断して、極板群3とキャップ15間の通電経路を遮断するとともに、通気孔13a、13bと排気孔16を連通させる安全弁機構17と、安全弁機構17とキャップ15の間に介装されたPTC素子18とを備えている。
安全弁機構17は、下弁体19と上弁体20から成り、かつ下弁体19と上弁体20の外周部がガスケット14を介して相互に絶縁された状態でフィルタ12とキャップ15にて挟持され、下弁体19と上弁体20の中央部の接続部21で相互に接続されるとともに、その周囲に所定以上の圧力が作用した時に破断する破断部22が形成されて構成されている。
フィルタ12には、直径方向に対向して一対の長方形の通気孔13aが、それと直交する直径方向に対向して一対の長方形の通気孔13bが、中央部に円形の通気孔13cが形成されている。通気孔13aは、電池ケース2内側に突出する切り起こし片23を成形することによって形成される開口部にて構成されており、切り起こし片23は、図1に示すように、その先端が上部絶縁板4aに当接するように形成されている。なお、切り起こし片23の突出量に比べて通気孔13aの開口幅を大きく設定する場合には一部を打ち抜き、一部を切り起こして形成される。通気孔13bと通気孔13cは、正極リード7と干渉する恐れがないように打ち抜き形成されている。
なお、切り起こし片23は、正極リード7と干渉しないように適宜に配設すれば良く、例えば図4の例では、切り起こし片23を通気孔13a、13aの互いに遠い方の側辺にのみ設けているが、切り起こし片23とは別に通気孔13a、13aの互いに近い側の側辺に、安全弁機構17側に向けて逆方向に突出する切り起こし片を設けて補強効果が得られるようにしても良い。また、任意の通気孔13aの全周に断続的に切り起こし片23を設けてもよい。また、一対の通気孔13a、13aと正極リード7と干渉する恐れのない一方の通気孔13bとに切り起こし片23を設けても良い。
また、フィルタ12の各通気孔13a、13b間には、フィルタ12の面剛性を高めるため、組立封口板11の内側に凹む補強凹部24が半径方向に延出させて形成されている。なお、補強凹部24に代えて、図4(c)に仮想線で示すように、電池ケース2側に突出する補強突部24aを形成しても良い。また、補強凹部24や補強突部24aは、通気孔13a、13bの間に限らず、通気孔13a、13bの周縁に設けても良い。このように、補強凹部24や補強突部24aの大きさや数や配設状態は、安全弁機構17の作動を阻害せず、正極リード7と干渉しないという条件下でできるだけ面剛性を高めるように適宜設計すれば良い。
キャップ15の中央部には、図2に示すように、平面形状が四角形以上の多角形状、図示例では六角形の接続突部25が突出成形され、その各辺を形成する立ち上がり側壁に、図1、図3、図4に示すように、複数の排気孔16が形成されている。これにより、安全弁機構17の作動を阻害する恐れのある異物などの侵入を防止できるように、個々の排気孔16の面積を小さく制限しながら、複数の排気孔16の総面積を十分に確保して異常時にガスを円滑に排気できようにしている。
極板群3の正極リード7は、極板群3の上端の半径方向中間部から上方に延出され、上部絶縁板4aを貫通して突出しており、図8に示すように、組立封口板11の一対の通気孔13a、13a間の下部に正極リード7の上端部が位置するように組立封口板11を配置し、その状態で正極リード7の先端をフィルタ12の中央部にある通気孔13cの下部位置に溶接部26にて接続し、その後組立封口板11を電池ケース2の開口部に嵌合させることで、図3に示すように、何れの通気孔13a、13b、13cも塞がない折り返し状態で収容されている。
一方、極板群3の負極リード8a、8bは、図6に示すように、極板群3の下端における半径方向の中央部と外周縁部からそれぞれ下方に延出されており、極板群3の中心部近傍から延出された負極リード8aは電池ケース2の内底面2aに沿って径方向外方に向けて曲げて延出させた後、折り返し部27で径方向内方に向けて折り返されて中央部まで延設されている。また、極板群3の外周縁部近傍から延出された負極リード8bは電池ケース2の内底面2aに沿って径方向内方に向けて曲げられて中央部まで延設されている。これら負極リード8a、8bの先端部が極板群3の中心部で電池ケース2の内底面2aに溶接部28にて接続されている。また、下部絶縁板4bの下面の折り返し部27に対応する部分に、折り返し部27の少なくとも一部を収容できる凹部29が形成されている。
次に、以上の二次電池1の製造工程について、図7、図8を参照して説明する。まず、正極リード7と負極リード8a、8bが上下端から突出された極板群3を構成した後、図7(a)に示すように、正極リード7と負極リード8a、8bにそれぞれ上部絶縁板4aと下部絶縁板4bを挿通して極板群3の上下端に当接配置する。次に、図7(b)に示すように、負極リード8a、8bを上記のように折り曲げ加工を行う。次に、図7(c)に示すように、この極板群3を電池ケース2内に挿入した後、電池ケース2の上端部に段部9を溝入れ加工して極板群3を電池ケース2内に収納固定し、負極リード8a、8bの先端部を電池ケース2の内底面2aに溶接して接続し、所定量の電解液を注入する。次に、図8(a)、(b)に示すように、正極リード7の上端部を組立封口板11のフィルタ12に上記のように溶接して接続する。その後、組立封口板11の外周に絶縁ガスケット10を装着した状態で、電池ケース2の開口部に嵌合し、電池ケース2の開口縁部をかしめて封止することで二次電池1が完成する。
以上の本実施形態の二次電池1によれば、組立封口板11のフィルタ12にガス排気通路となる通気孔13aを構成するために形成した切り起こし片23によって、上部絶縁板4aを介して極板群3の一端を支持しているため、衝撃や振動を受けた場合でも極板群3が移動するのを確実に防止することができ、極板群3や絶縁板4aの移動やそれに伴う正極リード7の変形によってフィルタ12の通気孔13a、13b、13cが塞がれる恐れがなく、円滑にガスを排気する通路を確保することができ、安全性を確保できる。
また、極板群3が移動しないように拘束されることで、極板群3の他端から延出された負極リード8a、8bと電池ケース2との接続部が極板群3の移動によって外れる恐れも無くすことができる。また、大電流の取り出し時には正極リード7での発熱量が多いために高温になり易いが、正極リード7の近傍側部に位置する切り起こし片23にてその熱が吸収されて組立封口板11の全体にて放熱されるので、正極リード7が高温になるのを抑制することができ、大電流に対する適性を向上できる。また、切り起こし片23の形成により組立封口板22のフィルタ12の面剛性が向上するので、電池ケース2の内圧の上昇に伴う変形によって安全弁機構17の作動に障害が生じるのを防止する効果も得られる。
また、切り起こし片23にて形成される通気孔13aを組立封口板11の直径方向に対向する両側部に配設し、それらの間の空間に正極リード7を配置し、この正極リード7を配設する空間の通気孔13b、13cは打ち抜き形成しているので、切り起こし片23と正極リード7が干渉することがなくかつ高い放熱効果が得られるとともに、通気孔13a、13b、13cの総開口面積を十分に確保することができる。
また、組立封口板11のフィルタ12における通気孔13a、13b間に、面剛性を高める補強凹部24又は補強突部24aをプレス成形しているので、組立封口板11のフィルタ12の面強度を確保でき、電池ケース2の内圧の上昇に伴う変形によって安全弁機構17の作動に障害が生じるのを防止できる。
また、組立封口板11の外面を形成するキャップ15の中央部に、多角形状の接続突部25を突出成形し、その多角形の各辺を形成する立ち上がり側壁に排気孔16を形成しているので、安全弁機構17の作動を阻害する恐れのある異物などの侵入を防止できるように、各排気孔16の面積を小さく設定しても排気孔16の総面積を十分に確保でき、異常時にガスを円滑に排気できて高い安全性を確保することができる。
また、負極リード8a、8bを極板群3の中心部近傍と外周縁部近傍とから延出し、中心部近傍から延出された負極リード8aは電池ケース2の底面2aに沿って径方向外方に延出させた後折り返し部27で折り返し、外周縁部近傍から延出された負極リード8bは電池ケース2の底面2aに沿って径方向内方に延出し、極板群3の中心部でこれら負極リード8a、8bの先端部を電池ケース2の底面2aに接続しているので、衝撃や振動によってたとえ極板群3が電池ケース2の底面2aから離間するように多少移動したとしても、その移動量を負極リード8aの折り返し部27と負極リード8bの変形によって容易に吸収することができ、それらの負極リード8a、8bと電池ケース2の底面2aとの接続部に過大な力が作用して外れるというような恐れがなく、耐衝撃性の高い電池を得ることができる。
また、極板群3の他端と電池ケース2の底面2aとの間に介装した下部絶縁板4bに、負極リード8aの折り返し部27に対向して凹部29を設けているので、折り返し部27が凹部29内に収容されることで、折り返し部27に局部的に過大な応力が作用することがなく、負極リード8aの折り返し部27での破断を確実に防止することができる。
本発明の二次電池は、その電池ケースを封口する組立封口板に設けられる安全機構の通気孔を切り起こし片によって形成し、その切り起こし片にて絶縁板を介して極板群の一端を支持した構成であるので、衝撃や振動を受けた場合でも極板群の移動を確実に防止できて耐衝撃性を向上することができ、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの各種二次電池に有用である。
本発明の一実施形態である二次電池の縦断面図。 同実施形態の二次電池の上面図。 図1のA−A矢視縦断面図。 同実施形態の二次電池の組立封口板を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のC−C矢視断面図、(c)は(a)のD−D矢視断面図。 同実施形態の二次電池の極板群における電極板の展開模式図である。 同実施形態の二次電池の下端部の詳細縦断面図。 同実施形態の二次電池の製造工程を示す断面図。 同実施形態の二次電池の製造工程における組立封口板を接続する工程を示し、(a)、(b)は互いに直交して縦断した縦断面図。 従来例の二次電池の縦断面図。 同従来例の組立封口板の断面図。 同従来例の二次電池が衝撃を受けた時の状態を示す縦断面図。
符号の説明
1 二次電池
2 電池ケース
2a 底面
3 極板群
4a 上部絶縁板
4b 下部絶縁板
7 正極リード
8a、8b 負極リード
11 組立封口板
12 フィルタ
13a、13b、13c 通気孔
15 キャップ
16 排気孔
17 安全弁機構
23 切り起こし片
24 補強凹部
24a 補強突部
25 接続突部
27 折り返し部
28 溶接部
29 凹部

Claims (4)

  1. 電池ケース内に極板群と電解液が収容され、電池ケースの一端開口が、電池ケース内が所定以上の圧力になったとき圧力を外部に排出する安全機構を内蔵し、かつ電池ケースに対して絶縁された組立封口板で封口され、極板群の一端から延出された一方の極性のリードが組立封口板に接続され、極板群の他端から延出された他方の極性のリードが電池ケースに接続された二次電池において、組立封口板の電池ケース内に臨む通気孔の少なくとも一部を切り起こし片の形成による開口部にて構成するとともに、切り起こし片の先端を極板群の一端に接して配設された絶縁板に当接させ、かつ他方の極性にあるリードの少なくとも一部は、電池ケースの内底面に沿って延出するとともにその中間部に折り返し部を設けて先端部を電池ケースの底面に接続したことを特徴とする二次電池。
  2. 切り起こし片にて形成される通気孔を組立封口板の直径方向に対向する両側部に配設し、それらの間の空間に一方の極性のリードを配置し、このリード配設空間の通気孔は打ち抜き形成されたことを特徴とする請求項記載の二次電池。
  3. 組立封口板の通気孔を形成している壁面における通気孔の開口縁部若しくは通気孔間に、面剛性を高める凹部又は突部をプレス成形したことを特徴とする請求項記載の二次電池。
  4. 組立封口板の外面を形成するキャップの中央部に、平面形状が四角形以上の多角形状の接続突部を突出成形するとともに、多角形の各辺を形成する立ち上がり側壁に排気孔を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の二次電池。
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