JP2000277079A - 円筒型アルカリ蓄電池 - Google Patents

円筒型アルカリ蓄電池

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JP2000277079A
JP2000277079A JP11081137A JP8113799A JP2000277079A JP 2000277079 A JP2000277079 A JP 2000277079A JP 11081137 A JP11081137 A JP 11081137A JP 8113799 A JP8113799 A JP 8113799A JP 2000277079 A JP2000277079 A JP 2000277079A
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plate
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Takeshi Yoshinaka
毅 芳中
Norio Suzuki
憲男 鈴木
Hideo Kaiya
英男 海谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒型アルカリ蓄電池において、その封口構
造の改良および簡略化による電池安全性の向上と信頼性
の改善を図る。 【解決手段】 帯状の正極板と負極板とセパレータから
なる渦巻状に巻回された極板群と、この極板群を内部に
収納した金属ケースと、この金属ケースの上部を封口す
る封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電池において、封
口板は中央にガス抜き穴を有する円板状のフィルターと
キャップ状端子板とからなり、かつ内部に安全弁を収納
しており、金属ケースの上部を内方へカシメることによ
ってフィルター外周部とキャップ状端子板の鍔部とを絶
縁体を介して固定すると同時に電池上部を密閉した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒型アルカリ蓄電
池において、その封口構造の改良および簡略化による電
池安全性の向上と信頼性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒型アルカリ蓄電池には種々あるが、
ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池等
が代表的であり、これらの電池は信頼性が高く、そのメ
ンテナンスも容易であることから、携帯電話やノートパ
ソコン等の各種用途に幅広く使用されている。また、近
年では、ますます小型化が進み、円筒型アルカリ蓄電池
も一層の小型化・大容量化が要望されている。
【0003】従来、このような円筒型アルカリ蓄電池
は、帯状の正極板と負極板とセパレータとからなる渦巻
状の極板群と、前記極板群を内部に収納した金属ケース
と、内部に安全弁を備えて前記金属ケースの上部を密閉
する封口板とからなる。
【0004】図4は、従来の円筒型アルカリ蓄電池Dの
断面図を示しており、封口板D1は、キャップ部14a
と鍔部14bとからなるキャップ状端子板14とその下
側に位置した中央にガス抜き穴1aを有する円板状のフ
ィルター1とからなり、キャップ状端子板14とフィル
ター14bとはキャップ状端子板14の鍔部14bを挟
むようにフィルター14bをカシメることによって一体
となっており、絶縁体4を介して金属ケース5を内方へ
カシメることによって封口板14が電池Dの上部に固定
されるとともに電池Dは密閉されている。
【0005】また、従来の他の例の円筒型アルカリ蓄電
池としては、封口板のキャップ状端子板とフィルターと
は溶接することによって一体にし、フィルターは絶縁体
を介して金属ケースを内方にカシメることによって電池
は密閉されており、例えば、特開平10−261397
号公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
キャップ状端子とフィルターとを金属ケースをカシメる
ことによって一体とする封口板の場合は、そのカシメ部
の厚さによる電池内容積の損失が大きく、電池内部の電
極容積が減少し電池の容量が減少するという問題があっ
た。
【0007】また後者のキャップ状端子とフィルターと
を溶接することによって一体とする封口板の場合は、キ
ャップ状端子とフィルターとの溶接強度が十分得ること
ができず、振動などによって外れるという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、簡単な構造で薄くて信頼性の高い高容量な円筒型ア
ルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、本発明は、帯状の正極板と負極板とセパレ
ータとからなる渦巻状の極板群と、この極板群を内部に
収納した金属ケースと、この金属ケースの上部を密閉す
る封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電池において、封
口板は、キャップ部と鍔部とからなるキャップ状端子板
とその下側に位置した中央にガス抜き穴を有する円板状
のフィルターとからなり、金属ケースを内方へカシメる
ことによってフィルターとキャップ状端子の鍔部とが絶
縁体を介して封口されているものとした。
【0010】本発明に用いる封口板は、従来のキャップ
状端子板とフィルターとを金属ケースをカシメることに
よって一体とする封口板よりも厚みを薄くすることがで
き、かつ封口板のキャップ状端子板とフィルターとは溶
接することによって一体にした封口板をよりも振動など
で溶接が外れることがなく、しかも簡単な構造で構成で
き、円筒型アルカリ蓄電池の信頼性を向上できる。
【0011】また、上記封口板のキャップ状端子板の鍔
部とフィルターとの合わせ面をレーザーあるいは抵抗溶
接などにより接合することにより電気的な接続がより確
実にすることができる。
【0012】さらに、このような構成をより確実なもの
にするため、キャップ状端子板の鍔部とフィルターとが
接する面に撥水剤やブロンアスファルトのような封止剤
を塗布することにより耐漏液性能をより向上させること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、帯状の正極板と負極板とセパレータとからなる渦巻
状の極板群と、前記極板群を内部に収納した金属ケース
と、内部に安全弁を備えて前記金属ケースの上部を密閉
する封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電池において、
前記封口板は、キャップ部と鍔部とからなるキャップ状
端子板とその下側に位置した中央にガス抜き穴を有する
円板状のフィルターとからなり、前記キャップ状端子板
には前記フィルターと接しない面にガス排気孔を有し、
前記金属ケースを内方へカシメることによって前記フィ
ルターと前記キャップ状端子板の鍔部とが絶縁体を介し
て封口されているものである。
【0014】これは、金属ケースを内方へカシメること
によってフィルターとキャップ状端子板の鍔部とが絶縁
体を介して封口されると同時に電池も密閉されるもので
ある。このため、図3に示したように従来のフィルター
をカシメてフィルターとキャップ状端子板とを一体とし
た封口板をもちいた電池よりも部品の簡素化と封口部肉
厚の薄型化が可能となる。また、図4に示したように、
従来のフィルターとキャップ状端子の鍔部と溶接するこ
とによって一体とした封口板を用いたものよりも、キャ
ップ状端子とフィルターとを金属ケースを内方へカシメ
ることによって固定しているため、溶接は不要となり、
キャップ状端子板とフィルターの溶接外れもない。
【0015】また、請求項1に記載の発明は、電池に異
常な大電流を流して使用した場合でも、電池内圧の上昇
時に封口溝部が伸びて封口が緩くなり、キャップ状端子
板とフィルターとは、その接触面が封口板内に収納され
た安全弁の反発力により離れるので、電気的に断線状態
となり、この状態より大きな電流は電池に流れることは
なくなり、安全に電池が機能停止することできる。
【0016】請求項2に記載の発明は、帯状の正極板と
負極板とセパレータとからなる渦巻状の極板群と、前記
極板群を内部に収納した金属ケースと、前記金属ケース
の上部を密閉する封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電
池において、前記封口板は、キャップ部と鍔部とからな
るキャップ状端子板とその下側に位置した中央にガス抜
き穴を有する円板状のフィルターとからなり、前記金属
ケースを内方へカシメることによって前記フィルターと
前記キャップ状端子板の鍔部とが絶縁体を介して封口さ
れているものである。
【0017】これは、請求項1記載の発明と同様に、金
属ケースを内方へカシメることによってフィルターとキ
ャップ状端子板の鍔部とが絶縁体を介して封口されると
同時に電池も密閉されるものである。このため、図3に
示したように従来のフィルターをカシメてフィルターと
キャップ状端子板とを一体とした封口板をもちいた電池
よりも部品の簡素化と封口部肉厚の薄型化が可能とな
る。また、従来のフィルターとキャップ状端子板の鍔部
と溶接することによって一体とした封口板を用いたもの
よりも、キャップ状端子板とフィルターとを金属ケース
を内方へカシメることによって固定しているため、溶接
は不要となり、キャップ状端子板とフィルターの溶接外
れもない。
【0018】また、請求項2に記載の発明では、封口板
のキャップ状端子板にはガス排気孔がないので、電池内
のガス発生などによる圧力はフィルターのガス抜き穴を
通してキャップ状端子板のみにかかるため、電池に異常
な大電流を流して使用した場合などの電池内圧上昇時に
はキャップ状端子板にかかる圧力により封口溝部が伸
び、封口カシメ部も緩くなり、キャップとフィルターの
接触面の接触圧が低くなり、抵抗が上昇する。さらにこ
の電池内圧が上昇して行くと最後にはキャップ状端子板
とフィルターとの接触面に完全に空間ができ、絶縁状態
となり、この状態より大きな電流は電池に流れなくな
り、異常使用時でも安全に電池の機能停止をすることが
できる。
【0019】請求項3に記載の発明は、帯状の正極板と
負極板とセパレータとからなる渦巻状の極板群と、前記
極板群を内部に収納した金属ケースと、前記金属ケース
の上部を密閉する封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電
池において、前記封口板は、キャップ部と鍔部とからな
るキャップ状端子板とその下側に位置した中央にガス抜
き穴を有する円板状のフィルターとからなり、前記フィ
ルターと接する前記キャップ状端子の鍔部には少なくと
も一つのガス排気孔を備え、前記金属ケースを内方へカ
シメることによって前記フィルターと前記キャップ状端
子の鍔部とが絶縁物からなるガスケットを介して封口さ
れているものである。
【0020】これは、請求項1記載の発明と同様に、金
属ケースを内方へカシメることによってフィルターとキ
ャップ状端子の鍔部とが絶縁体を介して封口されると同
時に電池も密閉されるものである。このため、図3に示
したように従来のフィルターをカシメてフィルターとキ
ャップ状端子板とを一体とした封口板をもちいた電池よ
りも部品の簡素化と封口部肉厚の薄型化が可能となる。
また、従来のフィルターとキャップ状端子の鍔部と溶接
することによって一体とした封口板を用いたものより
も、キャップ状端子とフィルターとを金属ケースを内方
へカシメることによって固定しているため、溶接は不要
となり、キャップ状端子板とフィルターの溶接外れもな
い。
【0021】また、請求項3に記載の発明では、封口板
のキャップ状端子板にはガス排気孔がないので、電池内
のガス発生などによる圧力はフィルターのガス抜き穴を
通してキャップ状端子板のみにかかるため、電池に異常
な大電流を流して使用した場合などの電池内圧上昇時に
はキャップ状端子板にかかる圧力により封口溝部が伸
び、封口カシメ部も緩くなり、キャップとフィルターの
接触面の接触圧が低くなり、抵抗が上昇する。さらにこ
の電池内圧が上昇して行くと最後にはキャップ状端子板
とフィルターとの接触面に完全に空間ができ、絶縁状態
となり、この状態より大きな電流は電池に流れなくなる
と同時に、キャップ状端子板に設けられた排気孔から、
発生したガスが排気されるため異常使用時でもより安全
に電池を機能停止させることができる。
【0022】上記の請求項1から3記載の発明におい
て、キャップ状端子板の鍔部外径とフィルター外径とを
同径とすることによって、より封口板としての一体性を
強くでき電池の密閉性を高めることができる。
【0023】また、上記の請求項1から3記載の発明に
おいて、キャップ状端子板の鍔部とフィルターとの間に
封止剤を塗布することによって、より封口板としての一
体性を強くでき、電池内部のアルカリ電解液の電池外へ
の漏液を防止することができる。この封止剤としては、
フッ素樹脂,ブロンアスファルトおよびシリコーン系樹
脂などが好ましい。
【0024】さらに、上記の請求項1から3記載の発明
において、キャップ状端子板の鍔部とフィルターとを抵
抗溶接やレーザー溶接することによって、より封口板と
しての一体性を強くでき、電気的接触を強くすることが
できる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0026】(実施例1)図1に本発明の実施例1にお
けるニッケル−水素蓄電池Aの断面図を示す。
【0027】電池Aの上部には、ガス抜き穴1aを有す
るフィルター1上にゴム製の安全弁2が配置され、キャ
ップ部3aと鍔部3bからなるキャップ状端子板3で挟
んで封口板A1を構成しており、キャップ部3aにはガ
ス排気孔3cが二つある。キャップ状端子3の鍔部3b
の外径とフィルター1の外径とは同一であり、それぞれ
ガスケット4に嵌合されており、金属製の電池ケース5
は内方へカシメられており、電池Aの上部が密閉される
とともに封口板A1のフィルター1とキャップ状端子3
の鍔部3bとが固定されている。
【0028】電池ケース5の内部には、水酸化ニッケル
を活物質の主体としたペーストを帯状の金属多孔体に充
填した正極板6と、水素吸蔵合金ペーストをパンチング
メタルのシートに塗着した帯状の負極板7とポリプロピ
レン製のセパレータ8からなり、正極板6の先端部分が
上方へ突出し、負極板7の先端部分が下方へ突出するよ
うに渦巻状に巻回された極板群が収納されており、正極
板6はリード板9によってフィルター1の下部に接続さ
れており、負極板7はリード板10によって電池ケース
5の底部に接続されている。極板群の上には、ポリプロ
ピレン製の絶縁リング11が位置する。
【0029】電池ケース5を内方へカシメることによっ
てキャップ状端子3の鍔部3bとフィルター1とは、固
定され互いに圧接された状態となり、アルカリ電解液の
封止および電気的な接続を行っている。このため、図4
に示したようなフィルターを折り返してキャップ状端子
を挟んでいる封口板と比べるとフィルターの折り返し分
だけ厚みを薄くすることが可能となり、高容量なアルカ
リ蓄電池を得ることができる。
【0030】また、キャップ状端子3の鍔部3bとフィ
ルター1との接触面にフッ素樹脂やブロンアスファルト
などの封止剤塗付することにより耐漏液特性を向上させ
ることができる。
【0031】さらに、キャップ状端子3の鍔部3bとフ
ィルター1との接触面をレーザー溶接あるいは抵抗溶接
することによりキャップ状端子3とフィルター1との間
の電気的な導電性を向上させることができる。
【0032】(実施例2)図2に実施例2における本発
明のニッケル−水素蓄電池Bの断面図を示す。
【0033】電池Bの上部には、ガス抜き穴1aを有す
るフィルター1上にキャップ部12aと鍔部12bから
なるキャップ状端子12とで封口板B1を構成してい
る。この封口板B1には、実施例1で用いた安全弁2が
収納されておらず、またキャップ部12aにもガス排気
孔cがない。
【0034】キャップ状端子板12の鍔部2bの外径と
フィルター1の外径とは同一であり、それぞれガスケッ
ト4に嵌合されている。金属製の電池ケース5を内方へ
カシメることによって電池Bの上部が密閉されるととも
に封口板B1のキャップ状端子12とフィルター1とが
圧接固定されており、アルカリ電解液の封止と電気的接
続とを行っている。
【0035】電池Bではキャップ状端子12にはガス抜
き穴がないため、電池Bの内圧はフィルター1のガス抜
き穴を通してキャップ12にかかるため、異常な大きな
電流が流れて電池内圧が上昇する場合、電池内圧の上昇
に伴ないキャップ12は上方へ動き、これによりキャッ
プ状端子12の鍔部12bとフィルター1との間の圧接
力が弱くなり、接触抵抗が大きくなり、最後には絶縁状
態になる。
【0036】このように、電池Bでは、異常な大きな電
流が流れて電池内圧が上昇する場合、安全弁が作動して
排気するのではなく、通電状態を絶縁状態にするという
電流遮断を特徴としている。
【0037】また、電池Bでは、金属ケース5の肉厚を
変えることにより、電流遮断ポイントを変化させること
も可能となる。しかも、絶縁状態になっても、封口カシ
メ部の緩み自体は微少な為、弾性変形内であり、電池内
圧が下がると、キャップ状端子板12とフィルター1と
は元の圧接状態に戻り、通電状態になるという復帰性を
も有する。
【0038】このため、図4に示したようなフィルター
を折り返してキャップ状端子を挟んでいる封口板と比べ
るとフィルターの折り返し分だけ厚みを薄くすることが
可能となり、高容量なアルカリ蓄電池を得ることができ
る。
【0039】また、キャップ状端子板12の鍔部12b
とフィルター1との接触面にフッ素樹脂やブロンアスフ
ァルトなどの封止剤塗付することにより耐漏液特性を向
上させることができる。
【0040】さらに、キャップ状端子板12の鍔部12
bとフィルター1との接触面をレーザー溶接あるいは抵
抗溶接することによりキャップ状端子板12とフィルタ
ー1との間の電気的な導電性を向上させることができ
る。
【0041】(実施例3)図3に実施例3における本発
明のニッケル−水素蓄電池Cの断面図を示す。
【0042】電池Cの上部には、中央にガス抜き穴1a
を有するフィルター1上にキャップ部13aと鍔部13
bからなるキャップ状端子13とで封口板C1を構成し
ている。この封口板C1には、実施例1用いた安全弁2
が収納されておらず、またキャップ部13aにもガス排
気孔13cがない。
【0043】キャップ状端子板13の鍔部13bの外径
とフィルター1の外径とは同一であり、それぞれガスケ
ット4に嵌合されている。キャップ状端子板13の鍔部
13bには、フィルター1と接する面にガス排気孔13
dを備えている。
【0044】金属製の電池ケース5を内方へカシメるこ
とによって電池Cの上部が密閉されるとともに封口板C
1のキャップ状端子板13とフィルター1とが圧接固定
され、アルカリ電解液の封止と電気的接続を果たしてい
る。
【0045】電池Cではキャップ状端子板13にはガス
抜き穴がないため、電池Cの内圧はフィルター1のガス
抜き穴を通してキャップ状端子板13にかかるため、異
常な大きな電流が流れて電池内圧が上昇する場合、電池
内圧の上昇に伴ないキャップ13は上方へ動き、これに
よりキャップ状端子板13の鍔部13bとフィルター1
との間の圧接力が弱くなり、接触抵抗が大きくなり、最
後には絶縁状態になる。
【0046】このように、電池Cでは、異常な大きな電
流が流れて電池内圧が上昇する場合、安全弁が作動して
排気するのではなく、通電状態を絶縁状態にするという
電流遮断を特徴としている。また、図4に示すようにこ
れと同時に電池Cでは、キャップ状端子板13の鍔部1
3bにガス排気孔13dの作用として、キャップ状端子
板13が上方へ動くと鍔部13bとフィルター1との間
に発生する隙間13eよりガスが入り、ガス排気孔13
dよりガスが徐々に排気され、より安全性高くなるとい
う特徴もある。
【0047】さらに、電池Cでは、金属ケース5の肉厚
を変えることにより、電流遮断ポイントを変化させるこ
ともできる。しかも、絶縁状態になっても、封口カシメ
部の緩み自体は微少な為、弾性変形内であり、電池内圧
が下がると、キャップ状端子板13とフィルター1とは
元の圧接状態に戻り、通電状態になるという復帰性をも
有する。
【0048】このため、図4に示したようなフィルター
を折り返してキャップ状端子を挟んでいる封口板と比べ
るとフィルターの折り返し分だけ厚みを薄くすることが
可能となり、高容量なアルカリ蓄電池を得ることができ
る。
【0049】また、キャップ状端子板13の鍔部13b
とフィルター1との接触面に排気孔13dを塞がないよ
うにフッ素樹脂やブロンアスファルトなどの封止剤塗付
することにより耐漏液特性を向上させることができる。
【0050】さらに、キャップ状端子板13の鍔部13
bとフィルター1との接触面をレーザー溶接あるいは抵
抗溶接することによりキャップ状端子板13とフィルタ
ー1との間の電気的な導電性を向上させることができ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡単な構
造で薄型かつ信頼性の高い封口板構造を得ることがで
き、小型高容量な円筒型アルカリ蓄電池を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における円筒型アルカリ蓄電
池Aの断面図
【図2】同実施例2における円筒型アルカリ蓄電池Bの
断面図
【図3】同実施例3における円筒型アルカリ蓄電池Cの
断面図
【図4】同実施例3における封口板C1の状態を示す模
式断面図
【図5】従来の円筒型アルカリ蓄電池Eの断面図
【符号の説明】
1 フィルター 1a ガス抜き穴 2 ゴム製安全弁 3 キャップ状端子 3a キャップ部 3b 鍔部 3c ガス排気孔 4 絶縁体 5 電池ケース 6 正極板 7 負極板 8 セパレータ 9 リード板 10 リード板 11 絶縁リング 12 封口板B1 13 封口板C1 13d ガス排気孔 13e 隙間 14 従来の封口板D1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海谷 英男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H012 AA01 BB02 BB11 CC01 DD01 DD04 DD07 DD10 DD14 EE04 GG01 JJ01 JJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の正極板と負極板とセパレータとから
    なる渦巻状の極板群と、前記極板群を内部に収納した金
    属ケースと、内部に安全弁を備えて前記金属ケースの上
    部を密閉する封口板とからなる円筒型アルカリ蓄電池に
    おいて、前記封口板は、キャップ部と鍔部とからなるキ
    ャップ状端子板とその下側に位置した中央にガス抜き穴
    を有する円板状のフィルターとからなり、前記キャップ
    状端子板には前記フィルターと接しない面にガス排気孔
    を有し、前記金属ケースを内方へカシメることによって
    前記フィルターと前記キャップ状端子の鍔部とが絶縁体
    を介して封口されている円筒型アルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】帯状の正極板と負極板とセパレータとから
    なる渦巻状の極板群と、前記極板群を内部に収納した金
    属ケースと、前記金属ケースの上部を密閉する封口板と
    からなる円筒型アルカリ蓄電池において、前記封口板
    は、キャップ部と鍔部とからなるキャップ状端子板とそ
    の下側に位置した中央にガス抜き穴を有する円板状のフ
    ィルターとからなり、前記金属ケースを内方へカシメる
    ことによって前記フィルターと前記キャップ状端子の鍔
    部とが絶縁体を介して封口されている円筒型アルカリ蓄
    電池。
  3. 【請求項3】帯状の正極板と負極板とセパレータとから
    なる渦巻状の極板群と、前記極板群を内部に収納した金
    属ケースと、前記金属ケースの上部を密閉する封口板と
    からなる円筒型アルカリ蓄電池において、前記封口板
    は、キャップ部と鍔部とからなるキャップ状端子板とそ
    の下側に位置した中央にガス抜き穴を有する円板状のフ
    ィルターとからなり、前記フィルターと接する前記キャ
    ップ状端子の鍔部には少なくとも一つのガス排気孔を備
    え、前記金属ケースを内方へカシメることによって前記
    フィルターと前記キャップ状端子の鍔部とが絶縁物から
    なるガスケットを介して封口されている円筒型アルカリ
    蓄電池。
  4. 【請求項4】封口板のキャップ状端子板の鍔部外径とフ
    ィルターの外径とが同径である請求項1から3のいずれ
    かに記載の円筒型アルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】封口板のキャップ状端子の鍔部とフィルタ
    ーとの間に封止剤が塗布されている請求項1から3のい
    ずれかに記載の円筒型アルカリ蓄電池。
  6. 【請求項6】封止剤は、フッ素樹脂,ブロンアスファル
    トおよびシリコーン系樹脂である請求項5記載の円筒型
    アルカリ蓄電池。
  7. 【請求項7】封口板のキャップ状端子の鍔部とフィルタ
    ーとは、抵抗溶接またはレーザー溶接によって溶接され
    ている請求項1から3のいずれかに記載の円筒型アルカ
    リ蓄電池。
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