JP4959438B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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本発明は、ブレーキ制御装置に関し、特に電動ブレーキの制御装置に関する。
従来、電動モータなどのアクチュエータにより駆動力を発生して、この駆動力により制動力を発生する電動ブレーキ装置が知られている。電動ブレーキを制御する場合、荷重センサによりブレーキシューなどの摩擦部材を押し付けている荷重を検出したり、回転角センサを用いて電動モータの作動量を検出したりして、この検出した量に基づいて、ブレーキシューなどの駆動量を決定している(特許文献1、2参照)。
特開2000−71974号公報 特開2003−287066号公報
しかし、前記した荷重センサや回転角センサが電気的または機械的に故障した場合、検出結果に基づいて行うフィードバック制御ができなくなることにより、摩擦部材をディスクロータなどの制動部材から離間させる際に、精度良く戻すことが困難になる。そのため、故障したセンサを修理するまでの期間は、ブレーキを掛けていないときの制動部材と摩擦部材のクリアランスが設定通りにならないという問題がある。
そこで、本発明では、荷重センサや回転角センサなどのセンサに異常があった場合でも、摩擦部材と制動部材のクリアランスを適正に確保することができるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、アクチュエータに電流を供給することで摩擦部材を制動部材に押圧して制動力を発生させる電動ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、前記アクチュエータの作動量を検出する検出部からの検出結果に基づいて前記アクチュエータを動作させるとともに、前記アクチュエータに供給される入力電流と、前記摩擦部材を前記制動部材に押圧する荷重との対応関係を予め記憶しており、前記対応関係を参照し、前記入力電流に基づいて前記アクチュエータを動作させる制御部を有し、前記制御部は、前記摩擦部材を前記制動部材に押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、前記検出部の検出結果に基づいて前記アクチュエータの駆動量を制御する第1の制御と、前記入力電流の電流値が所定値以下になった時点からの時間によって前記アクチュエータの駆動量を制御する第2の制御とを選択的に切り替え、前記摩擦部材を前記制動部材に押圧した際の荷重が大きいほど、前記第2の制御における前記時間を長くすることを特徴とする。
このような、ブレーキ制御装置によれば、検出部が検出したアクチュエータの作動量に基づいて第1の制御がなされるだけでなく、アクチュエータに入力する入力電流に基づいてアクチュエータを制御する第2の制御も適宜切り替えて行うことができる。そのため、摩擦部材を制動部材から離間させる状態へ制御する場合に、検出部が故障した場合においても、設定されたクリアランスを確保することができる。なお、第1の制御と第2の制御を切り替えるタイミングは、後述するように検出部の異常を診断し、異常が検出された場合に第2の制御を用いることもできる。
なお、検出部はアクチュエータの動作を直接に検出するものであってもよいし、アクチュエータの動作に伴い動く部分の動作を検出するものであってもよい。
一般に、摩擦部材を制動部材に押し付けて制動力を発生した場合、この荷重が大きいほど、摩擦部材や制動部材に一時的なへたりが発生し、元の形状に戻るのに多少の時間が掛かる。そのため、第2の制御において入力電流の電流値が所定値以下になった時点からの時間を一定にした場合、大きな制動力を発生させた後は、へたりが元に戻ったときに摩擦部材と制動部材のクリアランスが小さくなるおそれがある。そのため、この時間、すなわち摩擦部材を制動部材に押し付ける方向とは逆方向に移動させる時間を、摩擦部材を前記制動部材に押圧した際の荷重が大きいほど、長くすることで、摩擦部材と制動部材のクリアランスを適切な量にすることができる。
また、前記したブレーキ制御装置においては、前記アクチュエータは、例えば、電動モータである。
前記したブレーキ制御装置においては、前記検出部の異常を診断する診断部を有し、前記制御部は、前記診断部によって異常が検出された場合に、前記第2の制御を実行するのが望ましい。
このように構成することで、診断部により異常が検出された場合にのみ、第2の制御を実行して、可能な限り正確に制動部材と摩擦部材のクリアランスを確保することができる。
前記したブレーキ制御装置においては、前記アクチュエータは電動モータであり、前記検出部は、前記電動モータの回転量を検出する回転角センサであり、前記制御部は、前記回転角センサによって検出された回転量に基づいて前記駆動量を決定することができる。
本発明によれば、摩擦部材を制動部材に押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、アクチュエータに入力する入力電流に基づきアクチュエータの駆動量を制御する第2の制御を行い、摩擦部材と制動部材のクリアランスを適切に確保することができる。
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、本発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態に係るブレーキ制御装置で制御される電動ブレーキの断面図である。
図1に示すように、ブレーキ制御装置1は、電動モータ30に電流を供給することで摩擦パッド16をディスクロータDに押圧して制動力を発生させる電動ブレーキ装置10を制御する装置である。ブレーキ制御装置1は、アクチュエータの一例である電動モータ30と、ブレーキペダルPの操作状態を検出するペダルセンサ91と、電動モータ30の作動量として回転角を検出する検出部の一例としての回転角センサ93と、車両に搭載されるECU(電子制御装置)20とを備えて構成される。ECU20内には、電動モータ30に入力される電流(入力電流Im)を検出する電流検出部94が設けられている。
ECU20は、制御部の一例であり、ペダルセンサ91、回転角センサ93および電流検出部94の検出値に基づき、電動モータ30の駆動量ないし入力電流Imを決定して電動モータ30を駆動させることで、電動ブレーキを実現するようになっている。ECU20は、図示はしないが、CPUおよび記憶装置を有し、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、前記した各センサの入力に応じて電動モータ30を制御する信号を出力する。
ペダルセンサ91は、ブレーキペダルPの操作状態を検出するもので、この検出状態としては、ブレーキペダルPの踏み込み量や、踏み込み荷重などが挙げられ、必要に応じ、これらのすべてを検出するように複数のセンサを設けてもよいし、これらの一部のみを検出するためにセンサを一つのみ設けてもよい。
次に、図2を参照して電動ブレーキ装置10の機械的構成について説明する。
電動ブレーキ装置10は、車両のホイールWの中に設けられる制動部材の一例としてのディスクロータDに対し、摩擦部材の一例としての摩擦パッド16を両側から押し付ける装置である。電動ブレーキ装置10は、キャリパボディ11内に、電動モータ30の一部を構成するコイル15と、電動モータ30により駆動されるボールネジ機構12と、電動モータ30の回転駆動力をボールネジ機構12に伝える減速ギヤ機構14とを備えて構成されている。
キャリパボディ11は、ディスクロータDを挟んで一方(車両内側)の摩擦パッド16の背面に配置された作用部11aと、他方(車両外側)の摩擦パッド16の背面に配置された反作用部11bと、これらの作用部11aと反作用部11bとを連結するブリッジ部11cとから構成されている。作用部11aは、円筒状に形成され、この中に前記した各構成要素が配置されている。
コイル15は、キャリパボディ11の作用部11aの内周面に固定され、ECU20から電力が供給されて電動モータ30のステータとして機能する。
減速ギヤ機構14は、コイル15の内側に配置される円筒部14aと、この円筒部14aの一方(車両内側)に配置されたギヤ機構部14bとを備えてなる。円筒部14aの外周面には複数のマグネット15aがコイル15に対面するように固定されており、これにより円筒部14aは、電動モータ30のロータとして機能する。ギヤ機構部14bの詳細は省略するが、遊星ギヤを備え、側面視において略三角形状をなしている。ギヤ機構部14bの内側には、出力ギヤ14cが設けられている。
キャリパボディ11の作用部11aの内面であって、ギヤ機構部14bの車両外側には、回転角センサ93が配置されている。回転角センサ93は、前記したギヤ機構部14bの側面視三角形における頂部を検出することで、電動モータ30の回転角を検出するようになっている。
ボールネジ機構12は、ネジ軸12aと、このネジ軸12aに螺合するナット12bとを備えてなる。ナット12bは、キャリパボディ11の作用部11aに軸受19を介して回転可能に支持されている。そして、ナット12bの車両内側の外周には、入力ギヤ12cが設けられている。入力ギヤ12cは、前記した減速ギヤ機構14の出力ギヤ14cと噛み合っている。
ネジ軸12aの先端には、摩擦パッド16を取り付ける平板状のパッド押圧板16aが接続されている。ネジ軸12aは、ナット12bの回転により、その軸方向に進退するように移動する。
以上の構成により、電動ブレーキ装置10の動作の概略を説明すれば、コイル15を所定の電圧パターンで誘導して減速ギヤ機構14の円筒部14aを回転させると、ギヤ機構部14bで回転速度が減速された上、出力ギヤ14cと入力ギヤ12cとの噛み合いによりナット12bに回転が伝わる。そして、ナット12bの回転により、ネジ軸12aがその軸方向に進退動作して、摩擦パッド16をディスクロータDに押し付けるように送り動作させ、または摩擦パッド16をディスクロータDから離すように戻り動作させることができる。
次に、図3を参照しながら、実施形態に係るブレーキ制御装置1の機能的構成について説明する。図3は、実施形態に係るブレーキ制御装置の機能ブロック図である。
制御部の一例であるECU20は、摩擦パッド16をディスクロータDに押し付けて制動力を発生するため、電動モータ30に、必要な電流を流す。そのため、ECU20は、目標荷重演算部21aと、ストローク−荷重演算部21bと、電流−荷重演算部21cと、差分演算部22と、荷重制御部23と、モータドライバ24と記憶部29とを備えている。
記憶部29には、目標クリアランスCLと、ストローク−荷重マップ29aと、入力電流−荷重マップ29bとが記憶されている。
目標クリアランスCLは、通常戻し制御において、摩擦パッド16とディスクロータDとのクリアランス(以下、「パッドクリアランス」という。)を所定量確保した状態で停止させるため、摩擦パッド16がディスクロータDから離れる直前の状態からの摩擦パッド16の戻し量を記憶したデータである。
ストローク−荷重マップ29aは、図4に示すように、摩擦パッド16の位置に相当するストロークSTと、摩擦パッド16をディスクロータDに押し付ける荷重Fとの対応関係を示したデータである。当然のことながら、ストロークSTが大きくなるほど、荷重Fは大きくなる。そして、ストロークSTが僅かな時点では、摩擦パッド16がディスクロータDに接触しないので荷重Fは0となり、接触し始めると徐々に荷重Fが増加する関係となっている。
ストローク−荷重マップ29aは、回転角センサ93によって求めたストロークSTと、このとき実測して得た荷重Fとの関係を多数記憶しておくことによって精度良く作成することができる。
入力電流−荷重マップ29bは、図5に示すように、電動モータ30に入力している電流、すなわち実際に流れている電流と、摩擦パッド16をディスクロータDに押し付ける荷重Fとの関係を示したデータである。
入力電流Imは、電動モータ30に掛かる負荷に応じて高くなるので、入力電流Imと荷重Fとの関係は、入力電流Imが低い範囲を除き、ほぼ比例関係になる。
目標荷重演算部21aは、ペダルセンサ91からの検出値が入力されて、摩擦パッド16をディスクロータDに押し付ける目標荷重Ftを演算する部分である。そのため、目標荷重演算部21aは、例えばブレーキペダルPの踏み込み荷重に比例した目標荷重Ftを出力したり、ブレーキペダルPの操作速度が速い場合には、目標荷重Ftを大きくする補正をするなどして目標荷重Ftを決定する。この決定方法は、従来公知の方法を任意に利用することができ、この決定方法を実現する条件や規則が記憶部29に記憶されている。
ストローク−荷重演算部21bは、回転角センサ93が取得した回転角Δθに基づいて摩擦パッドの位置に相当するストロークを演算し、このストロークから、ストローク−荷重マップ29aを参照して推定荷重Fstを演算する部分である。
推定荷重Fstは、差分演算部22と電流−荷重演算部21cに出力される。
電流−荷重演算部21cは、推定荷重Fstに基づいて、入力電流−荷重マップ29bを参照して、推定電流Imhを演算する部分である。推定荷重Imhは、診断部27へ出力される。
差分演算部22は、目標荷重演算部21aが出力した目標荷重Ftとストローク−荷重演算部21bが出力した推定荷重Fstの差分を演算して荷重差ΔFを出力する部分である。この荷重差ΔFは、荷重制御部23に出力される。
荷重制御部23は、荷重差ΔFに基づいて、電動モータ30を駆動する方向および量を決定し、モータドライバ24に駆動量を出力することでフィードバック制御を実現する部分である。例えば、荷重差ΔFが正の値であった場合には、推定荷重Fstが目標荷重Ftに足りないので、摩擦パッド16をディスクロータDに向けて所定量送る(押し付ける)ことを決定し、モータドライバ24にその向きと所定量を出力する。逆に、荷重差ΔFが負の値であった場合には、推定荷重Fstが目標荷重Ftより高いので、摩擦パッド16をディスクロータDから所定量戻すことを決定する。なお、摩擦パッド16を送り、または戻す所定量は、荷重差ΔFの大きさに応じて変化させてもよい。
モータドライバ24は、荷重制御部23の指令に基づき、電動モータ30に電流を供給して電動モータ30を駆動する部分である。モータドライバ24内には、図示しないシャント抵抗が設けられている。電流検出部94は、このシャント抵抗の両端の電圧降下を見ることで、電動モータ30に流れている電流値を検出することができる。
また、ECU20は、摩擦パッド16をディスクロータDに押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、回転角センサ93の検出結果に基づいて電動モータ30の駆動量を制御する通常戻し制御(第1の制御)と、電動モータ30に供給される入力電流Imの電流値が所定値以下になった時点からの時間TMによってアクチュエータの駆動量を制御する異常時戻し制御(第2の制御)とを選択的に切り替えるようになっている。
このため、ECU20は、通常戻し制御部25と、異常時戻し制御部26と、診断部27と、タイマ28とを備えている。
通常戻し制御部25は、摩擦パッド16をディスクロータDに押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、回転角センサ93の検出結果に基づいて電動モータ30の駆動量を制御する部分である。摩擦パッド16をディスクロータDから戻す場合、摩擦パッド16がディスクロータDに押し付けられている間は、推定荷重Fstがほぼ0になる直前の、荷重閾値Fthまで電動モータ30を戻し側に回転させる。このため、通常戻し制御部25は、モータドライバ24に電動モータ30の駆動量を出力する。
推定荷重Fstが荷重閾値Fthよりも小さくなった場合には、摩擦パッド16とディスクロータDの押圧状態が無くなったと判断できる。ここでは、この状態を「接触点CP」と呼ぶことにする。この後は、電動モータ30を予め記憶していた目標クリアランスCLだけ摩擦パッド16を後退させるようにモータドライバ24に駆動量の指令を出力する。そのため、通常戻し制御部25は、回転角センサ93が検出した回転角Δθを取得し、接触点CPからの戻しストロークRSTを計算し、この戻しストロークRSTが目標クリアランスCLになるまでフィードバック制御する。
異常時戻し制御部26は、回転角センサ93が故障した場合に、摩擦パッド16をディスクロータDに押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、電動モータ30に供給される入力電流Imの電流値が所定値以下になった時点からの時間TMによってアクチュエータの駆動量を制御する部分である。
回転角センサ93が故障した場合、入力電流Imを参照することで、荷重Fが把握できる。そのため、電流検出部94からの検出値を参照し、荷重閾値Fthに相当する電流閾値Imthまで、戻し側に電動モータ30を駆動するようにモータドライバ24に駆動量の指示を出力してフィードバック制御する。
電流検出部94が検出した入力電流Imが電流閾値Imth以下になったならば、異常時戻し制御部26は、タイマ28をスタートして時間TMを測定し始める。そして、タイマ28がカウントした時間TMが所定の閾値Tthより大きくなるまで一定速度で摩擦パッド16を戻し側へ移動させるように駆動量をモータドライバ24に出力する。
閾値Tthは、摩擦パッド16をディスクロータDに押圧した際の荷重Fが大きいほど大きく設定されているのが望ましい。すなわち、図6に示したような荷重Fと閾値Tthの関係を記憶部29に記憶させておく。図6の閾値Tthは、直前のブレーキの荷重Fが大きいほど大きい値を取っている。異常時戻し制御部26が戻し制御をする場合には、直前のブレーキにおける推定荷重Fstに基づいて、図6のマップを参照して閾値Tthを決定し、この閾値Tthの時間だけ、接触点CPから摩擦パッド16を戻すようにするとよい。このようにすることで、大きなブレーキ荷重により、摩擦パッド16およびその他の部品が一時的にへたった場合でも、大きめのパッドクリアランスを確保し、へたりが回復したときに適正なパッドクリアランスを得ることができる。
診断部27は、回転角センサ93の異常を診断する部分である。このため、診断部27は、回転角センサ93から回転角Δθを取得し、摩擦パッド16の位置、つまりストロークSTを演算する。そして、ストローク−荷重マップ29aを参照して推定荷重Fstを算出する。一方で、診断部27は、推定電流Imhと、実際の電流Imを取得する。そして、推定電流Imhと電流Imの差が所定の誤差閾値Ethを超えた場合には、回転角センサ93が異常であると診断する。
以上のように構成されたブレーキ制御装置1の動作について図7から図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下においては、回転角センサ93の異常の診断と、摩擦パッド16の戻し側の制御についてのみ説明する。図7は、異常の診断と、制御モードの決定の処理を示すフローチャートであり、図8は、通常戻し制御のフローチャートであり、図9は、異常時戻し制御のフローチャートである。
図7に示すように、ブレーキ制御装置1は、常時、回転角センサ93の異常の診断をしている。ECU20は、回転角センサ93から回転角Δθを取得し(S101)、この回転角Δθに基づいて摩擦パッド16の位置であるストロークSTを演算する(S102)。ストロークSTの演算は、例えば、前回計算したストロークSTに、今回取得した電動モータ30の回転角Δθに応じた摩擦パッド16の移動量を加算または減算して行うことができる。
そして、演算したストロークSTに基づき、ストローク−荷重マップ29aを参照して、推定荷重Fstを取得する(S103)。一方、入力電流−荷重マップ29bを参照して、推定荷重Fstに基づき、推定電流Imhを取得する(S104)。また、電流検出部94から入力電流Imを取得する(S105)。
次に、ステップS104で得た推定電流Imhと入力電流Imの差が所定の誤差閾値Ethより大きいか否か判断し、大きい場合(S106,Yes)、回転角センサ93が異常であると判断する(S108)。そして、摩擦パッド16を戻し側に移動させるときには、異常時戻し制御(S300)をする。
一方、ステップS104で得た推定電流Imhと入力電流Imの差が所定の誤差閾値Eth以下の場合(S106,No)、回転角センサ93は正常であると判断し(S107)、摩擦パッド16を戻し側に移動させるときには、通常戻し制御(S200)をする。
次に通常戻し制御の動作について説明する。
図8に示すように、ECU20は、目標荷重演算部21aにより目標荷重Ftを取得する(S201)。そして、ストローク−荷重演算部21bにより、回転角センサ93が検知した回転角Δθに基づいてストロークを演算するとともに、ストローク−荷重マップ29aを参照して推定荷重Fstを取得する(S202)。次に、推定荷重Fstが、所定の荷重閾値Fth以下か否か判断する(S203)。推定荷重Fstが荷重閾値Fthよりも大きい場合(S203,No)、戻し側に電動モータ30を回転制御し(S204)、ステップS201からの処理を繰り返す。
一方、推定荷重Fstが荷重閾値Fth以下である場合(S203,Yes)、摩擦パッド16とディスクロータDの互いの押圧力が、ほぼ0に近く、摩擦パッド16が接触点CPにあるということなので、パッドクリアランスを確保する制御に移る。
そのため、ECU20は、回転角Δθを取得し(S205)、この回転角Δθに基づき、戻しストロークRSTを演算する(S206)。ここでの戻しストロークRSTは、摩擦パッド16とディスクロータDの接触点CPからの戻し側への移動量である。この戻しストロークRSTの演算も前記したストロークSTと同様に行うことができる。
そして、戻しストロークRSTと、予め記憶部29に記憶していた目標クリアランスCLとを比較し、戻しストロークRSTが目標クリアランスCL以下の場合には(S207,No)、パッドクリアランスがまだ十分ではないので、電動モータ30を戻し側に回転制御し(S208)、ステップS204からの処理を繰り返す。
一方、戻しストロークRSTが目標クリアランスCLより大きい場合には(S207,Yes)、所定の目標クリアランスCLが確保できたので処理を終了する。
次に、異常時戻し制御の動作について説明する。
図9に示すように、ECU20は、電流検出部94から入力電流Imを取得する(S301)。そして、入力電流Imが所定の電流閾値Imth以下か否か判断し、電流閾値Imthよりも大きい場合(S302,No)には、電動モータ30を戻し側に回転制御し(S303)、ステップS301からの処理を繰り返す。
一方、ステップS302で、入力電流Imが電流閾値Imth以下の場合には(Yes)、パッドクリアランスを確保する制御に移行するので、タイマ28をスタートする(S304)。
そして、時間TMを取得して(S305)、時間TMが閾値Tthよりも大きいか否か判断する(S306)。時間TMが閾値Tth以下だった場合(S306,No)、電動モータ30を戻し側に回転制御し(S307)、ステップS305からの処理を繰り返す。
一方、時間TMが閾値Tthよりも大きい場合(S306,Yes)、目標クリアランスCLが確保できたので処理を終了する。
このように、本実施形態のブレーキ制御装置1によれば、回転角センサ93が正常である場合には、摩擦パッド16とディスクロータDとが互いに押圧している間は、推定荷重Fstに基づき制御を行い、摩擦パッド16とディスクロータDが離れる直前からは、回転角センサ93の検出値に基づきパッドクリアランスを確保する。このため、正確なパッドクリアランスを確保することができる。
また、回転角センサ93に異常があった場合であっても、電動モータ30の入力電流Imに基づき、摩擦パッド16とディスクロータDが離れる直前までの制御を行うとともに、入力電流Imが電流閾値Imth以下になってからは、所定時間(閾値Tthと同じ時間)だけ電動モータ30を一定速度で駆動することで、ほぼ設定通りのパッドクリアランスを確保することができる。
したがって、本実施形態のブレーキ制御装置1によれば、回転角センサ93に異常があったとしても、パッドクリアランスを適正に確保することが可能である。
さらに、荷重Fが大きい場合に、所定の閾値Tthを大きくすれば、摩擦パッド16やその他の部材のへたりがあっても、適正なパッドクリアランスを確保することが可能である。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態には限定されず、適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態においては、ディスクブレーキを例に本発明を説明したが、本発明をドラムブレーキに適用することも可能である。
前記実施形態においては、電動モータ30の入力電流Imを検出するため、ECU20内に設けられた電流検出部94を用いたが、モータドライバ24と電動モータ30の間に電流センサを設けて検出部として利用することもできる。
前記実施形態においては、電動モータ30の作動量を検出する検出部として回転角センサ93を示したが、ディスクロータDの押圧力を測定する荷重センサを別途設けて検出部とすることもできる。
また、アクチュエータの一例として、電動モータ30を示したが、アクチュエータは、電動のものであれば、電動モータには限られない。
本発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るブレーキ制御装置で制御される電動ブレーキの断面図である。 実施形態に係るブレーキ制御装置の機能ブロック図である。 ストローク−荷重マップの一例を示す図である。 入力電流−荷重マップの一例を示す図である。。 荷重Fと閾値Tthの関係の一例を示す図である。 異常の診断と、制御モードの決定の処理を示すフローチャートである。 通常戻し制御のフローチャートである。 異常時戻し制御のフローチャートである。
符号の説明
1 ブレーキ制御装置F
10 電動ブレーキ装置
11 キャリパボディ
12 ボールネジ機構
14 減速ギヤ機構
15 コイル
15a マグネット
16 摩擦パッド
19 軸受
20 ECU
30 電動モータ
91 ペダルセンサ
93 回転角センサ
94 電流検出部
D ディスクロータ
P ブレーキペダル
W ホイール

Claims (4)

  1. アクチュエータに電流を供給することで摩擦部材を制動部材に押圧して制動力を発生させる電動ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、
    前記アクチュエータの作動量を検出する検出部からの検出結果に基づいて前記アクチュエータを動作させるとともに、前記アクチュエータに供給される入力電流と、前記摩擦部材を前記制動部材に押圧する荷重との対応関係を予め記憶しており、前記対応関係を参照し、前記入力電流に基づいて前記アクチュエータを動作させる制御部を有し、
    前記制御部は、前記摩擦部材を前記制動部材に押圧させている状態から離間させる状態へと制御するに際し、前記検出部の検出結果に基づいて前記アクチュエータの駆動量を制御する第1の制御と、前記入力電流の電流値が所定値以下になった時点からの時間によって前記アクチュエータの駆動量を制御する第2の制御とを選択的に切り替え
    前記摩擦部材を前記制動部材に押圧した際の荷重が大きいほど、前記第2の制御における前記時間を長くすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記アクチュエータは、電動モータであることを特徴とする請求項に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記検出部の異常を診断する診断部を有し、
    前記制御部は、前記診断部によって異常が検出された場合に、前記第2の制御を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記検出部は、前記電動モータの回転量を検出する回転角センサであり、
    前記制御部は、前記回転角センサによって検出された回転量に基づいて前記駆動量を決定することを特徴とする請求項に記載のブレーキ制御装置。
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