JP7089872B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動ブレーキ装置に関し、角度推定の異常を安価に且つブレーキ操作時等にも判断することができる技術に関する。
電動モータ装置および電動モータを使用した電動アクチュエータとして、以下の技術が提案されている。
(1)電動モータの回転駆動力を減速機により減速し、直動機構を介して直線運動に変換して、摩擦パッドをディスクロータに押圧接触させて制動力を付加する技術(特許文献1)。
(2)ブレーキ非操作時にモータを動作させ、ブレーキの異常を判断する技術(特許文献2)。
特開2003-247576号公報 特開平11-170991号公報
例えば、特許文献1のような、電動アクチュエータを使用した電動ブレーキ装置において、例えば車両のブレーキのような用途に用いる場合、一般に、極めて高い安全性を要求されることが多い。特に、電動ブレーキ装置のセンサ系統に異常が発生すると、重大な動作異常が生じる可能性が高いため、センサ系統の異常を正確に検出する事が重要となる。
前記の電動ブレーキ装置において、中でも、角度センサの異常検出が困難となる場合が多い。対策として、例えば角度センサを複数設けて冗長化する場合、センサのコストおよび搭載スペースが問題となる場合がある。
例えば、特許文献2のような、操縦者によってブレーキが操作されない状況において電動モータを駆動し、異常を判断する場合、ブレーキ操作時に異常が発生した場合に異常を検出できず、動作異常を生じる場合がある。
この発明の目的は、角度推定の異常を安価に且つブレーキ操作時等にも判断することができる電動ブレーキ装置を提供することである。
この発明の電動ブレーキ装置1は、ブレーキロータ8と、このブレーキロータ8と接触してブレーキ力を発生する摩擦材9と、電動モータ4と、この電動モータ4の出力を前記摩擦材9の押圧力に変換する摩擦材操作手段6と、前記電動モータ4を制御する制御装置2と、を備えた電動ブレーキ装置において、
前記制御装置2は、
前記電動モータ4の角度を推定する角度推定機能部26と、
前記摩擦材9の押圧力の反作用による反力を推定する反力推定機能部27と、
前記角度推定機能部26の異常の有無を判断する角度推定異常検出機能部24と、を有し、
前記角度推定異常検出機能部24は、
前記角度推定機能部26で推定した角度である推定角度またはこの推定角度と等価となるパラメータ、および前記反力推定機能部27で推定した反力である推定反力をデータとして取得するデータ取得部29と、
このデータ取得部29で取得した前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する反力相関導出部28と、
この反力相関導出部28で推定した反力相関と、前記データ取得部29で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断する異常判断部31と、を有する。
前記定められた条件、前記定められた基準は、それぞれ設計等によって任意に定める条件、基準であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な条件、基準を求めて定められる。
前記推定した反力相関と前記データとが良く一致するとは、前記一致度合が高いことを意味し、前記推定した反力相関と前記データとがあまり一致しないとき、前記一致度合が低いことを意味する。
この構成によると、反力相関導出部28は、取得した推定角度またはパラメータと推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する。異常判断部31は、推定した反力相関と、元のデータ(つまり実際の結果)との一致度合の高さを評価する。異常判断部31は、一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、角度推定機能部26が異常であると判断する。
角度推定機能部26において、例えば、出力の固着等の異常が発生すると、推定角度がその状態で静止する。このとき角度が動かないため、推定反力の大きさは増大し、例えば電動モータ4の発揮し得る最大トルク相当まで増大する。このとき、推定角度と推定反力との反力相関は、アクチュエータ剛性に依存した連続的なカーブから、不連続性の高い折れ点のような軌跡を描く。このため、このような軌跡に対する元のデータの一致度合は、比較的大きな推定誤差を生ずる。したがって、一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、角度推定機能部26が異常であると判断し得る。このように角度推定の異常を、従来技術よりも安価に且つブレーキ操作時等にも判断することができる。
前記反力相関導出部28は、前記定められた条件として、前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを関連付ける規範相関関数を有し、この規範相関関数と、前記データ取得部29で取得したデータとの誤差に基づく評価指標を最小とする前記反力相関を導出する機能を有し、
前記異常判断部31は、前記反力相関の推定時の前記誤差に基づく評価指標について、前記誤差が定められた量より大きい状態に相当する評価が為されたとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた量は、設計等によって任意に定める量であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な量を求めて定められる。
この構成によると、前記一致度合を比較的容易に演算できるため、電動ブレーキ装置1の角度推定異常を正確に検出し冗長性を高めることができる。また複数の角度センサ等を設けなくても角度推定機能部26の異常を判断することができるため、センサのコスト低減を図れる。
前記反力相関が、ブレーキを解除した状態からブレーキ力を発揮し、再び前記ブレーキを解除するまでの第一のブレーキサイクルにおける前記推定角度と前記推定反力とを関連付ける反力相関であり、
前記異常判断部31は、前記第一のブレーキサイクルより後に実行される、前記ブレーキを解除した状態からブレーキ力を発揮させる第二のブレーキサイクル中において、前記推定角度および前記推定反力の第一のブレーキサイクル中において求められた前記反力相関に対する乖離量が定められた量より大きいとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた量は、設計等によって任意に定める量であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な量を求めて定められる。
この構成によると、演算負荷等の都合により前記相関推定をリアルタイムで行うことが困難である場合においても、前記ブレーキ作動時の相関を用いて、角度推定機能部26の異常を推定することが可能となる。
前記制御装置2は、前記電動モータ4の角速度を推定する角速度推定機能部25を有し、この角速度推定機能部25で推定した角速度である推定角速度に基づいて、前記電動モータ4が前記摩擦材9の押圧力を昇圧方向に回転しているか降圧方向に回転しているかを判断し、
前記反力相関導出部28は、前記反力相関として、前記電動モータ4が前記昇圧方向に回転しているときの正作動相関と、前記電動モータ4が前記降圧方向に回転しているときの逆作動相関とを推定する機能を有し、
前記異常判断部31は、前記電動モータ4が前記昇圧方向に回転しているときの前記正作動相関の一致度合と、前記電動モータ4が前記降圧方向に回転しているときの前記逆作動相関の一致度合とのいずれか一方または両方の一致度合が定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた基準は、設計等によって任意に定める基準であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な基準を求めて定められる。
この構成によると、摩擦材操作手段6等を備えた電動ブレーキ装置1は摩擦力等の影響によりヒステリシス特性を示すため、電動モータ4が昇圧方向に回転しているときの正作動時と降圧方向に回転しているときの逆作動時とを分けて角度推定機能部26の異常を評価することで、異常判断の精度を向上することができる。
前記制御装置2は、前記電動モータ4の角速度を推定する角速度推定機能部25を有し、この角速度推定機能部25で推定した角速度である推定角速度に基づいて、前記電動モータ4が前記摩擦材9の押圧力を昇圧方向に回転しているか降圧方向に回転しているかを判断する機能を有し、
前記反力相関導出部28は、前記電動モータ4が前記昇圧方向に回転しているときの正作動相関と、前記電動モータ4が前記降圧方向に回転しているときの逆作動相関のいずれか一方を推定する機能を有し、前記推定された正作動相関ないし逆作動相関のいずれか一方の相関に基づいて、定められた換算係数を介して他方の相関を推定する機能を有し、
前記異常判断部31は、前記電動モータ4が前記昇圧方向に回転しているときの前記正作動相関の一致度合と、前記電動モータ4が前記降圧方向に回転しているときの前記逆作動相関の一致度合のいずれか一方または両方の一致度合が定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた換算係数、前記定められた基準は、それぞれ設計等によって任意に定める換算係数、基準であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な換算係数、基準を求めて定められる。
この構成によると、アクチュエータ特性において、正作動時と逆作動時の効率特性がある程度強く関連している場合、正・逆いずれか一方の作動相関から他方の作動相関も規定することができ、計算負荷を軽減することができる。
前記制御装置2は、推定角速度が定められた大きさより小さいとき、前記電動モータ4が停止状態にあるとみなす機能を有し、
前記制御装置2は、前記電動モータ4が停止状態にあるとみなせる場合において、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づいて、前記反力相関を導出する一方の第一のパラメータから、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づく他方の第二のパラメータを導出する機能を有し、
前記異常判断部31は、前記第二のパラメータが、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づいて導出された第二のパラメータ群の範囲から誤差補正比率に基づいて拡大された範囲外であるとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた大きさ、前記誤差補正比率は、それぞれ設計等によって任意に定める大きさ、誤差補正比率であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な大きさ、誤差補正比率を求めて定められる。
この構成によると、電動モータ4の正、逆作動時だけでなくヒステリシス中の状態においても角度推定機能部26の異常を判断し得る。
前記反力相関導出部28は、前記定められた条件として、前記摩擦材9を含む電動ブレーキ装置1の構成部の剛性に基づき、この剛性を変化せしめる可変剛性パラメータαを含む、反力と角度との第一の結合関数f1と、この第一の結合関数f1に含まれる前記構成部以外の電動ブレーキ装置1の構成部の剛性に基づく第二の結合関数f2と、前記第一の結合関数f1に関連する構成部と前記第二の結合関数f2に関連する構成部との変形比率βと、を用いて、推定反力pおよび推定角度ないし推定位置xに対して、
p=f1(α,βx)+f2((1-β)x)による演算誤差の分散が最小となるよう前記可変剛性パラメータα、変形比率βを決定する機能を有するものであってもよい。
この構成によると、相関関数の形状を予めある程度規定しておき、関連する変数を減らすことで、計算負荷を軽減することができる。
前記制御装置2は、前記摩擦材9の押圧力を推定する荷重推定機能部19を有し、
前記反力相関が、前記荷重推定機能部19で推定した押圧力である推定荷重と、前記推定反力とを関連付ける反力相関であり、
前記異常判断部31は、前記反力相関と、前記データ取得部29で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部26が異常であると判断してもよい。
前記定められた基準は、設計等によって任意に定める基準であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な基準を求めて定められる。
この構成によると、推定反力と推定荷重との反力相関は、アクチュエータの非線形剛性の影響を受けないため、比較的容易に相関関係を設定することができる。
前記制御装置2は、前記電動モータ4の角加速度ないしこの角加速度に相当し得る値を推定する角加速度推定機能部33を有し、
前記反力相関導出部28は、前記角加速度推定機能部33で推定した推定角加速度が定められた大きさより小さい条件における推定反力および推定角度を用いて、前記反力相関を推定してもよい。
前記定められた大きさは、設計等によって任意に定める大きさであって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な大きさを求めて定められる。
角速度が大きい条件において、慣性モーメント誤差等によって反力推定の精度が低下する場合がある。このため、この構成によると、そのような角速度が大きい状態を除外して反力相関を推定することで、異常判断の精度を向上することができる。
この発明の電動ブレーキ装置は、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生する摩擦材と、電動モータと、この電動モータの出力を前記摩擦材の押圧力に変換する摩擦材操作手段と、前記電動モータを制御する制御装置と、を備えた電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータの角度を推定する角度推定機能部と、前記摩擦材の押圧力の反作用による反力を推定する反力推定機能部と、前記角度推定機能部の異常の有無を判断する角度推定異常検出機能部と、を有し、前記角度推定異常検出機能部は、前記角度推定機能部で推定した角度である推定角度またはこの推定角度と等価となるパラメータ、および前記反力推定機能部で推定した反力である推定反力をデータとして取得するデータ取得部と、このデータ取得部で取得した前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する反力相関導出部と、この反力相関導出部で推定した反力相関と、前記データ取得部で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する異常判断部と、を有する。このため、角度推定の異常を安価に且つブレーキ操作時等にも判断することができる。
この発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置を概略示す図である。 同電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 同電動ブレーキ装置の角度推定異常検出機能部の実行例を示すフローチャートである。 同電動ブレーキ装置の動作例を示す図である。 図4の例において角度センサの固着が発生せず、電動ブレーキ装置の正常な動作例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動ブレーキ装置の角度推定異常検出機能部の実行例を示すフローチャートである。 同電動ブレーキ装置の動作例を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動ブレーキ装置の角度推定異常検出機能部の実行例を示すフローチャートである。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動ブレーキ装置の角度推定異常検出機能部の実行例を示すフローチャートである。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 同電動ブレーキ装置の動作例を示す図である。
この発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置を図1ないし図5と共に説明する。この電動ブレーキ装置は例えば車両に搭載される。
図1に示すように、この電動ブレーキ装置1は、電動式直動アクチュエータDAと、電源装置3と、摩擦ブレーキBRとを備える。先ず、電動式直動アクチュエータDAおよび摩擦ブレーキBRの構造について説明する。
<電動式直動アクチュエータDAおよび摩擦ブレーキBRの構造>
図1に示すように、電動式直動アクチュエータDAは、アクチュエータ本体AHと、後述する制御装置2とを備える。図1および図2に示すように、アクチュエータ本体AHは、電動モータ4と、減速機構5と、摩擦材操作手段である直動機構6と、パーキングブレーキ機構7と、角度センサSaと、荷重センサSbとを有する。
図1に示すように、電動モータ4は、永久磁石式の同期電動機により構成すると省スペースで高効率かつ高トルクとなり好適であるが、例えば、ブラシを用いたDCモータ、または永久磁石を用いないリラクタンスモータ、あるいは誘導モータ等を適用することもできる。
減速機構5は、電動モータ4の回転を減速する機構であり、一次歯車12、中間歯車13、および三次歯車11を含む。この例では、減速機構5は、電動モータ4のロータ軸4aに取り付けられた一次歯車12の回転を、中間歯車13により減速して、回転軸10の端部に固定された三次歯車11に伝達可能としている。
直動機構6は、減速機構5で出力される回転運動を送りねじ機構により直動部14の直線運動に変換して、ブレーキロータ8に対して摩擦材9を当接離隔させる機構である。直動部14は、回り止めされ且つ矢符A1にて表記する軸方向に移動自在に支持されている。直動部14のアウトボード側端に摩擦材9が設けられる。電動モータ4の回転を減速機構5を介して直動機構6に伝達することで、回転運動が直線運動に変換され、それが摩擦材9の押圧力に変換されることによりブレーキ力を発生させる。なお電動ブレーキ装置1を車両に搭載した状態で、車両の車幅方向外側をアウトボード側といい。車両の車幅方向中央側をインボード側という。
パーキングブレーキ機構7のアクチュエータ16として、例えば、リニアソレノイドが適用される。アクチュエータ16によりロック部材15を進出させて中間歯車13に形成された係止孔(図示せず)に嵌まり込ませることで係止し、中間歯車13の回転を禁止することで、パーキングロック状態にする。ロック部材15を前記係止孔から離脱させることで中間歯車13の回転を許容し、アンロック状態にする。
図2に示すように、角度センサSaは、電動モータ4の回転の角度を検出する。角度センサSaは、例えば、レゾルバまたは磁気エンコーダ等を用いると高精度かつ高信頼性であり好適であるが、光学式のエンコーダ等の各種センサを適用することもできる。前記角度センサSaを用いずに、例えば、後述する制御装置2において、電動モータ4の電圧と電流との関係等からモータ角度を推定するような角度センサレス推定を用いることもできる。
荷重センサSbは、直動機構6の荷重が作用する所定部位の変位または変形を検出する。このような荷重センサSbとして、例えば、磁気センサ、歪センサ、圧力センサ等を用いることができる。前記荷重センサSbを用いずに、制御装置2において、モータ角度および電動ブレーキ装置剛性、モータ電流および電動式アクチュエータDAの効率等から荷重センサレス推定を行ってもよい。あるいは、例えば、摩擦ブレーキBRを実装する車輪のホイールトルクまたは電動ブレーキ装置1を搭載する車両の前後力を検出するセンサ等、その他外部センサであってもよい。また、サーミスタ等の各種センサ類を要件に応じて別途設けてもよい。
図1に示すように、摩擦ブレーキBRは、車両の車輪と連動して回転するブレーキロータ8と、このブレーキロータ8と接触して制動力を発生させる摩擦材9とを有する。この摩擦材9はブレーキロータ近傍に配置される。摩擦材9をアクチュエータ本体AHにより操作してブレーキロータ8に押圧し、摩擦力によって制動力を発生させる機構を用いることができる。前記ブレーキロータ8および摩擦材9は、例えば、ブレーキディスクおよびキャリパを用いたディスクブレーキ装置であってもよく、あるいはドラムおよびライニングを用いたドラムブレーキ装置であってもよい。
<制御装置2について>
図2に示すように、各制御装置2は、対応する電動モータ4を制御する。各制御装置2に、電源装置3と、各制御装置2の上位制御手段である上位ECU17とが接続されている。電源装置3は、電動モータ4および制御装置2に電力を供給する。電源装置3は、例えば、この電動ブレーキ装置1を搭載する車両の低圧(例えば12V)バッテリ等を適用し得る。
上位ECU17として、例えば、車両全般を制御する電気制御ユニット(Vehicle Control Unit, VCU)が適用される。上位ECU17は、各制御装置2の統合制御機能を有する。上位ECU17は指令手段17aを備え、この指令手段17aは、図示外のブレーキ操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力に応じて、各制御装置2に目標とするブレーキ力指令値をそれぞれ出力する。なお指令手段17aは、ブレーキ操作手段そのものであってもよく、あるいはブレーキ操作手段の操作に依ることなく、例えば、自動運転車両における制動を判断して各制御装置2に指令値をそれぞれ出力することも可能である。
各制御装置2は、制御演算を行う各種制御演算機能部と、電流センサScと、モータドライバ18とを備える。前記各種制御演算機能部は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、または、FPGA、ASIC等の演算器および周辺回路により構成される。前記各種制御演算機能部は、荷重推定機能部19、電流推定機能部20、荷重制御機能部21、電流制御機能部22、運動状態推定機能部23および角度推定異常検出機能部24を有する。
荷重推定機能部19は、荷重センサSbの出力から制御演算に用いる荷重(推定荷重)を推定する機能を有する。あるいは、荷重推定機能部19は、前述の通り、前記荷重センサSbを用いずに、推定荷重を求める荷重センサレス推定を行ってもよい。
電流センサScは、例えば、シャント抵抗両端の電圧を検出するアンプからなるセンサ、または通電経路の周囲の磁束等を検出する非接触式センサ等を用いることができる。
電流推定機能部20は、前記電流センサScの出力から制御演算に用いる電流を推定する機能を有する。もしくは本図2の他の構成として、例えば、モータドライバ18を構成する素子等の端子電圧等を検出する構成としてもよく、一次側の電流からモータ相電流を推定する構成としてもよい。あるいは、一切の電流センサを設けずに、後述の電流制御機能部22において、電動モータ4の抵抗またはインダクタンス等の特性に基づきフィードフォワード制御を行うこともできる。
荷重制御機能部21は、指令手段17aより要求される指令値に対して、前記推定荷重が追従するよう操作量を演算する。前記操作量は、例えば、モータトルクであってもよく、電流ノルムまたは電流ベクトルであってもよい。荷重制御機能部21の制御演算は、例えば、荷重指令値および推定荷重を直接制御演算に用いてもよく、ブレーキ力を角度等の他の物理量に変換して制御演算を行ってもよい。また、荷重のフィードバック制御の他、例えば、ブレーキ力制御ループ内にモータ電流制御ループを設けるように、複数のマイナーフィードバックループを設ける演算構造としてもよく、単一のフィードバックループにてモータ操作量を演算する構造としてもよい。その他、あるいはフィードフォワード制御等を用いるか、またはフィードバック制御とフィードフォワード制御を適宜併用することもできる。
電流制御機能部22は、荷重制御機能部21の操作量であるモータトルクまたは電流を指令値として電動モータ4を駆動する機能を有する。特に、前記指令値をモータトルクとする場合、電流制御機能部22は、所定のモータトルクを発揮するための電流指令値を求める電流変換機能を備えてもよく、角速度推定機能部25で推定したモータ角速度等の所定条件に応じて電流指令値を導出する機能を備えると、電動モータ4を高出力に駆動できて好適である。また電流制御機能部22の電流制御は、例えば、電流フィードバック制御を用いてもよく、所定のモータ特性に基づいてフィードフォワード制御を用いてもよく、これら電流フィードバック制御とフィードフォワード制御を適宜併用してもよい。
運動状態推定機能部23は、モータ角度を推定する角度推定機能部26と、前記角速度推定機能部25と、摩擦材9の押圧力による反作用による反力を推定する反力推定機能部27とを有する。角度推定機能部26は、角度センサSaの出力から制御演算に用いる電動モータ4の角度(推定角度)を推定する機能を有する。なお角度推定機能部26は、角度センサSaを用いずに推定角度を求める角度センサレス推定を行ってもよい。
運動状態推定機能部23は、例えば、モータトルク等の操作量および推定角度を用いて、アクチュエータ慣性等の物性を状態遷移式に含む状態推定オブザーバを構成することができ、状態量に角度、角速度、反力等を含めることで角速度推定機能部25および反力推定機能部27を設けることができる。もしくは運動状態推定機能部23は、例えば、外乱オブザーバを用いた反力推定機能部27、および推定角度の微分演算により角速度を推定する角速度推定機能部25等により前記状態量と等価なパラメータを推定してもよい。また、本図2の構成の他、例えば、角速度センサを設け、この角速度センサで検出した角速度の積分相当量である状態量として角度(推定角度)を導出することもできる。
角度推定異常検出機能部24は、角度推定機能部26の異常の有無を判断する。この角度推定異常検出機能部24は、推定反力と推定角度との相関を推定する反力相関導出部28と、反力相関を導出するためのデータを取得するデータ取得部としての反力相関推定用データ記憶部29と、前記反力相関導出部28の結果を適切な結果に収束させる収束演算部30と、前記反力相関導出部28の収束結果から角度推定機能部26の異常を判断する異常判断部31とを備える。
反力相関導出部28は、推定反力と推定角度とを関連付ける所定の反力相関(所定関数)を推定する。前記所定関数は、例えば、所定の多項式と、勾配または非線形性を調整する調整係数と、を含む関数において、前記調整係数を設定する方法とすることができ、あるいはより自由度の高い、多項式係数を直接設定する方法とすることができる。
例えば、摩擦ブレーキBRにおいて、キャリパ剛性、アクチュエータ剛性、ブレーキロータ剛性は、温度により微小な影響を除けば、設計段階から概ね一定であると言える。一方、摩擦材剛性は、主に摩耗により大きく変化する。すなわち、摩擦材9の摩耗による剛性変化係数αと、摩耗材変形量x1を変数とする関数f1(α,x1)と、前記キャリパ、アクチュエータ等の変形量x2を変数とする関数f2(x2)との総和により、反力pは、p=f1(α,x1)+f2(x2)とすることができる。
さらに、摩耗材変形量x1と、キャリパ等の変形量x2について、剛性比率βにより総変形量xに対してx1=β・x、x2=(1-β)xとすることで、最終的に反力pにつきp=f1(α,βx)+f2((1-β)x)とし、変数α、βの2値についての収束演算を行えばよく、収束解は応答曲面法等を用いて比較的容易に求めることができる。なお、前記変形量x,x1,x2はモータ角度換算値であってもよく、等価リード等を介した直動量であってもよい。
また、前記推定反力は、アクチュエータ本体AHの増圧/減圧の動作方向に対してヒステリシス特性を示す。このため、反力相関導出部28は、電動モータ4が増圧(昇圧)方向に回転している正作動時の正作動相関を推定する正作動相関推定部28aと、電動モータ4が減圧(降圧)方向に回転している逆作動時の逆作動相関を推定する逆作動相関推定部28bとを備え、これら正作動相関推定部28a、逆作動相関推定部28bを状況毎に区別すると好適である。このとき、前記正作動と逆作動は、例えば、モータ角速度の極性等から区別することができるが、正作動と逆作動が切替わる角速度ゼロ近傍のデータは、前記相関推定において除外する処理を設けると、推定精度を向上できて好ましい。
前記推定角度について、所定周期でオーバーラップないしアンダーラップする角度の周期動作を補完し、連続した角度を導出する機能を有していてもよい。例えば、レゾルバ等の角度センサSaまたは角度センサレス推定における一周期に対して、一般に電動ブレーキ装置における荷重を零から最大値まで推移させると複数周期に相当する量を電動モータが回転するため、前記の補完を行うことによって総回転角度を導出することができる。
反力相関推定用データ記憶部29は、反力相関導出部28において用いるためのデータを蓄積する機能を有する。このとき、反力相関推定用データ記憶部29は、例えば、前記推定反力と推定角度の少なくともいずれか一方が所定以上変化しない限り、データの蓄積を行わない処理を用いてもよい。前記の処理を用いることで、相関を導出する上で意味の薄いデータがサンプルされて演算負荷が増大することを抑制できて好適である。あるいは、例えば、前記推定反力に誤差を生じやすいモータ急加速時等を除外してサンプリングする等の処理を設けてもよい。
収束演算部30は、例えば、レーベンバーグ・マッカート法に代表される最小二乗法等に基づき、前記推定反力と推定角度を関連付ける所定関数を求めるための収束演算を行う機能を有することができる。収束演算部30における収束演算の終了条件として、所定以下の誤差となった場合、誤差縮小傾向の極値を検出した場合、所定の繰り返し回数を経た場合等を用いることができ、これらを適宜併用してもよい。
異常判断部31は、例えば、収束演算結果の誤差縮小値を評価し、誤差が大きい場合は角度推定機能部26が異常であると判断する機能とすることができる。換言すれば、異常判断部31は、反力相関導出部28で推定した反力相関と、反力相関推定用データ記憶部29で取得したデータとの一致度合(カーブフィッティングの一致度合(一致精度))の高さが定められた基準を下回るとき、角度推定機能部26が異常であると判断し得る。
モータドライバ18は、電動モータ4のコイルに供給する電力を制御する。モータドライバ18は、例えば、電界効果トランジスタ(Field effect transistor;略称FET)等のスイッチ素子を用いたハーフブリッジ回路を構成し、前記スイッチ素子のON-OFFデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う構成とすると安価で高性能となる。あるいは、変圧回路等を設け、PAM制御を行う構成とすることもできる。
前記ハーフブリッジ回路のうち、電源装置3のプラス側との接続を行うHアームスイッチ素子のスイッチング用電位源として、Lアームスイッチ素子がONになった際に所定の電位源から電荷が蓄積され、Hアームスイッチ素子がONとなる際にゲートに印加する電位源として機能するブートストラップコンデンサを用いたチャージ回路を設けると、低コストでモータドライバ18を駆動できて好適である。
本図は、あくまで機能構成の概念を示したものであり、図示外の要素は要件に応じて適宜設けられるものとする。また、各機能ブロックは便宜上設けているものであり、実装上の都合に伴い適宜統合ないし分割可能であるものとする。
また、各機能の接続形態は一つの例として示すものであり、前述の機能に支障をきたさない範囲で変更できるものとする。例えば、運動状態推定機能部において推定する各パラメータは本図において接続されていない荷重制御機能部においても利用可能である。
<角度推定異常検出機能部の実行フロー例>
図3は、図2の電動ブレーキ装置の角度推定異常検出機能部の実行例を示すフローチャートである。図3の説明において図2も適宜参照しつつ説明する。
本処理開始後、反力相関推定用データ記憶部29は、推定角度および推定反力を相関計算用のデータとして取得する(ステップS1)。本図3の例では、データとして角度と反力とを使用する例を示すが、後述する図6、図11に示すように適宜変更可能とする。また、前記と等価なパラメータであってもよく、例えば、角度に代えて、アクチュエータ本体AHの等価リードを介したストローク量等を用いることもできる。
次に、反力相関導出部28は、反力Fre、角度Thを関連付けるFre=f(Th)の関数fを求める(ステップS2)。関数fは、前記と逆に反力を引数として角度を求める関数であってもよい。反力相関導出部28は、ステップS2で求めた相関と、ステップS1で取得した実際の推定値との誤差を評価する(ステップS3)。誤差の評価は、例えば、求めた相関から演算した値と実際の推定値との偏差の二乗平均等で与えられる。あるいは、誤差の評価は、誤差率の二乗平均または総和を用いてもよく、さらに所定の角度または反力の領域を重点的にフィッティングするための重み係数等を適宜設けてもよい。
収束演算部30は、ステップS3の誤差が小さくなるよう、ステップS2の相関を調整するカーブフィッティング収束演算を行う(ステップS4)。前記収束演算は、例えば、Levenberg-Marquardt法またはGauss-Newton法に代表される収束演算法を用いることができる。前記誤差が最小値に収束しないとき(ステップS4:no)、ステップS2に戻る。
異常判断部31は、最終的に収束された誤差(ステップS4:yes)に対して、所定の基準値に対する大小関係を比較し(ステップS5)、前記基準値より誤差が大きい場合(ステップS5:yes)は、角度推定機能部26が異常と判断する(ステップS6)。その後、本処理を終了する。
本図3は必要最小限のフローに省略化されたものであり、実際に運用する上で、本図3に記載しないフローを適宜設けてもよい。例えば、ステップS2~S4は無限ループとなり得るため、繰り返し回数の上限によって収束演算を終了し、ループを脱する処理を設けることもできる。
<電動ブレーキ装置の動作例>
図4は、角度センサの出力の固着が発生した場合における、図2の角度推定異常検出機能部の実行例を示す。
図4(a),(b)に示すように、電動ブレーキ装置の作動時に角度センサの出力の固着が発生すると、推定角度がその状態で静止する。このとき、角度が動かないため、図4(c)に示すように、推定反力は電動モータの発揮し得る最大トルク相当まで上昇する。
このとき、図4(e)に示すように、推定角度と推定反力との相関は、アクチュエータ剛性に依存した連続的なカーブから不連続性の高い折れ点のような軌跡を描く。このため、このような軌跡に対するカーブフィッティングの結果は比較的大きな推定誤差を生ずることとなり、異常判断部31(図2)は、図4(d)に示すように、この誤差が所定の閾値を超えたところで角度推定機能部26(図2)が異常と判断することができる。なお、本実施形態は、例えば、角度センサレス推定を行う場合において、入出力の観測異常または推定値を格納するレジスタの固着等により異常が発生した場合においても、本図と同様の異常推定が可能である。
図5は、図4の例において角度センサの出力の固着が発生せず、正常な動作であった場合の例を示す。この図5の場合、推定角度と推定反力との相関は、アクチュエータ剛性に依存した連続的なカーブの軌跡を描く。このような軌跡に対するカーブフィッティングの結果は、大きな推定誤差を生ずることがない。
<作用効果>
以上説明した電動ブレーキ装置1によれば、反力相関導出部28は、取得した推定角度と推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する。異常判断部31は、推定した反力相関と、元のデータとの一致度合の高さを評価する。異常判断部31は、一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、角度推定機能部26が異常であると判断する。このように角度推定の異常を、従来技術よりも安価に且つブレーキ操作時等にも判断することができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図6は、図2に対して、収束演算部を設けない例を示す。この図6の場合、反力相関導出部28は、所定の推定反力および推定角度から、相関関数を一意に決定する機能を有する。例えば、シミュレーションおよび実験等により、収束演算を行わずとも所定の推定反力および推定角度から相関関数を微調整するのみで十分に高精度な所定の相関関数が得られることが事前検証により確認できている場合、本図6の手法により演算負荷を軽減できる。誤差演算部32は、求めた相関と実際の推定値との誤差を演算する。異常判断部31は、この誤差が所定の閾値を超えたところで角度推定機能部26が異常と判断し得る。
図7は、アクチュエータ本体の電動モータが昇圧(増圧)方向に回転しているときの正作動、電動モータが降圧(減圧)方向に回転しているときの逆作動、ヒステリシス中間作動において、それぞれ相関推定および異常判断を行う例を示す。
本処理開始後、制御装置2(図2等)は、モータ回転方向を判定し(ステップS11)、増圧方向、減圧方向、ゼロ(回転無し)に条件分離する。前記回転方向は、例えば、モータ角速度より判断することができる。またゼロ速度の厳密の判断は困難であるため、例えば、角速度が±0.5rad/s等の所定の範囲内にある場合はゼロ速度と見なしてもよく、このときの角速度閾値はシミュレーション等から任意に定めるものであってもよい。
電動モータが増圧方向に回転しているとき、反力相関導出部28(図2等)は、正作動における相関(正作動相関)を導出する(ステップS12)。このステップS12の相関導出過程は、例えば、図3のステップS2~S4に相当する。
相関導出における誤差が大きい場合(ステップS13:yes)、異常判断部31(図2等)は、角度推定異常として判断する(ステップS16)。その後本処理を終了する。
電動モータが減圧方向に回転しているとき、反力相関導出部28(図2等)は、逆作動における相関(逆作動相関)を導出する(ステップS14)。このステップS14の相関導出過程は、例えば、図3のステップS2~S4に相当する。
相関導出における誤差が大きい場合(ステップS15:yes)、異常判断部31(図2等)は、角度推定異常として判断する(ステップS17)。その後本処理を終了する。
このとき、アクチュエータの仕様によっては、正作動時または逆作動時の特性のうちいずれか一方から、他方を概ね推定可能である場合がある。この場合、正作動時のステップS12~における反力相関推定または逆作動時のステップS14~における反力相関推定のうち、いずれか一方のみを演算を実行し、その結果に定められた換算係数を介して他方の反力相関を演算し、他方においては前記演算された反力相関に基づく既定の結果に対する実際の推定結果の誤差を評価し、前記誤差が所定より大きい場合を角度推定異常として判断する処理としてもよい。
電動モータが停止状態にあるとみなせる場合、制御装置2は、正作動相関および逆作動相関に基づいて、反力相関を導出する一方の第一のパラメータから、正作動相関および逆作動相関に基づく他方の第二のパラメータを導出する機能を有する。異常判断部31は、第二のパラメータが、正作動相関および逆作動相関に基づいて導出された第二のパラメータ群の範囲から誤差補正比率に基づいて拡大された範囲外であるとき、角度推定機能部26が異常であると判断する。
モータ角度と、推定反力と、を関連付ける反力相関において、モータ角度を第一のパラメータ、推定反力を第二のパラメータとする。モータ角速度が概ねゼロであるヒステリシス中間動作の場合、それまで計算された正作動相関、逆作動相関を基に、第二のパラメータである反力の上下限値(第二のパラメータ群)を計算する(ステップS18)。推定反力が、正作動時の相関より演算した反力を上回る場合(ステップS19:yes)、または推定反力が、逆作動時の相関より演算した反力を下回る場合(ステップS20:yes)、前記第二のパラメータである推定反力が第二のパラメータ群である反力の上下限値からなる範囲を逸脱したことを判断し、角度推定異常として判断する(ステップS21)。その後本処理を終了する。
前記反力の上下限値について、相関推定の誤差を考慮し、導出された上下限値を基に所定の誤差補正比率に基づいて前記上下限値からなる幅が広がるよう前記上下限値を補正し、前記幅を広げた上下限値に基づいて上記判断を行う処理としても良い。
また、前記とは逆に、推定反力を第一のパラメータとし、モータ角度を第二のパラメータとしてもよい。所定の角度における反力の上下限値を推定反力が逸脱する状況は、換言すれば所定の反力における角度の上下限値を推定角度が逸脱する状況と概ね等価である。
図8は、図7に示す正作動・逆作動を分けて反力相関を推定する手法を適用し、増減圧動作における減圧時に角度センサの固着が発生した場合の動作例を示す。この角度センサの固着が発生した場合、推定角度と推定反力との相関は、アクチュエータ剛性に依存した連続的なカーブから不連続性の高い折れ点のような軌跡を描く。このため、このような軌跡に対するカーブフィッティングの結果は比較的大きな推定誤差を生ずることとなり、異常判断部31(図2)は、この誤差が所定の閾値を超えたところで角度推定機能部が異常と判断する。なお増圧時に角度センサの固着が発生した場合にも、前記と同様に角度推定機能部の異常を判断し得る。
図9は、電動モータの角加速度が所定より大きい場合のデータを相関推定から除外する処理を適用する例を示す。一般に、角加速度が大きい場合には、主に慣性モーメント誤差および摺動抵抗等の影響により、推定反力の推定誤差が比較的大きくなることが多いため、本図の処理を行うと前記の誤差の大きい推定値の影響を低減できる。
本処理開始後、角加速度推定機能部33(図2)で推定した角加速度の大きさが所定より小さい場合(ステップS31:no)、反力相関推定用データ記憶部29(図2)は反力相関用のデータを取得する(ステップS32)。なお、ステップS31の角加速度は、例えば、出力トルク、推定反力トルク、および慣性モーメントを用いた推定、または推定角度の2階微分値等より得ることができる。
また、ステップS31における角加速度の“大きさ”とは、正負を問わず絶対値としての大きさを意味するものとする。ステップS32で取得するデータは、図3ステップS1に示す推定反力および推定角度であってもよく、その他の推定ストローク量、推定ブレーキ荷重、等のパラメータであってもよい。データ数が所定数以上揃った場合(ステップS33:yes)、反力相関の推定および角度推定異常診断(ステップS34~S37)を行う。その後本処理を終了する。
この構成によると、角速度が大きい状態を除外して反力相関を推定することで、異常判断の精度を向上することができる。
図10は、電動ブレーキ装置を搭載した車両において、摩擦ブレーキ(ブレーキ)を解除した状態からブレーキ力を発揮させるブレーキ動作を行い、また摩擦ブレーキが解除されるまでの少なくとも1ブレーキサイクルにおいて反力相関を推定する。この反力相関から次以降のブレーキ動作時の推定反力および推定角度との誤差から、角度推定異常を判断する例を示す。
本処理開始後、制御装置は、摩擦ブレーキが解除中か動作中かを判断し(ステップS41)、解除中であれば、反力相関推定用データ記憶部29(図2等)は、それまでのブレーキ動作履歴から相関計算用のデータを取得し(ステップS45)、反力相関導出部28(図2等)は反力相関を計算する(ステップS46)。ステップS45で取得するデータは、図3ステップS1に示す推定反力および推定角度であってもよく、その他の推定ストローク量、推定ブレーキ荷重、等のパラメータであってもよい。
このとき、例えば、極低いブレーキ荷重しか発揮されていないような場合、反力相関を計算するのに不十分である場合が考えられるため、例えば、少なくとも所定以上のブレーキ荷重が発揮されたときに、ステップS46~S46の処理を行ってもよい。ステップS46で計算する反力相関はブレーキ作動から解除までの1ブレーキサイクルであってもよく、所定の複数のブレーキサイクルであってもよい。
摩擦ブレーキが作動中(動作中)である場合、角度推定異常検出機能部24(図2等)は、前回までのブレーキ動作から導出した反力相関に対する現在のブレーキ動作における推定相関および推定角度の誤差(乖離量)を計算する(ステップS42)。この計算は、例えば、前回までのブレーキ動作において角度Thnに対して反力pnを得る所定の関数pn=fn(Thn)を得た場合、例えば、現在の推定反力ptおよび推定角度Thtについて、Δ=|pt-fn(Tht)|を計算して求めてもよく、前記のような単純差分ではなく誤差率等を用いてもよい。
前記誤差が所定値より大きい場合(ステップS43:yes)、角度推定機能部が異常と判断する(ステップS44)。その後本処理を終了する。
この構成によると、演算負荷等の都合によりリアルタイムでの処理が困難である場合においても、前記ブレーキ作動時の相関を用いて、角度推定機能部の異常を推定することが可能となる。
図11は、図2に対して、推定角度に代えて推定荷重を用いる例を示す。図12は、推定反力と推定荷重(推定ブレーキ荷重)との相関を用いる例を示す。一般に、荷重と反力との関係は比較的単調な相関を示すため、相関関数の導出が容易となる。図11および図12に示す構成によると、推定反力と推定荷重との反力相関は、アクチュエータ本体AHの非線形剛性の影響を受けないため、比較的容易に相関関係を設定することができる。なお、この構成の場合、荷重推定機能部19は荷重センサSbを用いて荷重を推定する機能に限定される。
異常判断部31にて角度推定機能部26が異常であると判断された場合、異常判断部31は、各種制御機能部に角度推定結果が異常であることを送信し、各制御機能部は角度推定異常が発生した場合に所定の安全動作を行う仕様としてもよい。例えば、角度推定結果を使用しない電動モータ4の制御法により、電動ブレーキ装置1の動作を継続してもよい。
具体的には、例えば、制御装置2は、電動モータ4の実際の角度によらず、荷重推定機能部19で推定される推定荷重から求められるブレーキ力推定値とブレーキ力指令値との偏差に基づいて、電動モータ4の電流位相を決定する。制御装置2は、ブレーキ力推定値とブレーキ力指令値との偏差から演算電気角速度を求め、この演算電気角速度から決定された演算電気角からモータ電流を求める。制御装置2は、決定された前記電流位相等から求められるモータ電流目標値に対して、前記演算電気角から求められるモータ電流等を追従させる。
あるいは、角度推定機能部26に異常が発生した場合には、制御装置2は、電動モータ4への通電を停止する処理を行ってもよく、これらは車両における安全設計要件に基づき適切な処理が選択できるものとする。
直動機構6の変換機構部として、遊星ローラ、ボールねじ等の各種ねじ機構、ボールランプ等の傾斜を利用した機構等を用いることができる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…制御装置
4…電動モータ
6…直動機構(摩擦材操作手段)
8…ブレーキロータ
9…摩擦材
19…荷重推定機能部
24…角度推定異常検出機能部
25…角速度推定機能部
26…角度推定機能部
27…反力推定機能部
28…反力相関導出部
29…反力相関推定用データ記憶部(データ取得部)
31…異常判断部
33…角加速度推定機能部

Claims (8)

  1. ブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生する摩擦材と、電動モータと、この電動モータの出力を前記摩擦材の押圧力に変換する摩擦材操作手段と、前記電動モータを制御する制御装置と、を備えた電動ブレーキ装置において、
    前記制御装置は、
    前記電動モータの角度を推定する角度推定機能部と、
    前記摩擦材の押圧力の反作用による反力を推定する反力推定機能部と、
    前記角度推定機能部の異常の有無を判断する角度推定異常検出機能部と、を有し、
    前記角度推定異常検出機能部は、
    前記角度推定機能部で推定した角度である推定角度またはこの推定角度と等価となるパラメータ、および前記反力推定機能部で推定した反力である推定反力をデータとして取得するデータ取得部と、
    このデータ取得部で取得した前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する反力相関導出部と、
    この反力相関導出部で推定した反力相関と、前記データ取得部で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する異常判断部と、を有し、前記反力相関導出部は、前記定められた条件として、前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを関連付ける規範相関関数を有し、この規範相関関数と、前記データ取得部で取得したデータとの誤差に基づく評価指標を略最小とする前記反力相関を導出する機能を有し、
    前記異常判断部は、前記反力相関の推定時の前記誤差に基づく評価指標について、前記誤差が定められた量より大きい状態に相当する評価が為されたとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  2. ブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生する摩擦材と、電動モータと、この電動モータの出力を前記摩擦材の押圧力に変換する摩擦材操作手段と、前記電動モータを制御する制御装置と、を備えた電動ブレーキ装置において、
    前記制御装置は、
    前記電動モータの角度を推定する角度推定機能部と、
    前記摩擦材の押圧力の反作用による反力を推定する反力推定機能部と、
    前記角度推定機能部の異常の有無を判断する角度推定異常検出機能部と、を有し、
    前記角度推定異常検出機能部は、
    前記角度推定機能部で推定した角度である推定角度またはこの推定角度と等価となるパラメータ、および前記反力推定機能部で推定した反力である推定反力をデータとして取得するデータ取得部と、
    このデータ取得部で取得した前記推定角度または前記パラメータと前記推定反力とを定められた条件に従って関連付ける反力相関を推定する反力相関導出部と、
    この反力相関導出部で推定した反力相関と、前記データ取得部で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する異常判断部と、を有し、前記反力相関が、ブレーキを解除した状態からブレーキ力を発揮し、再び前記ブレーキを解除するまでの第一のブレーキサイクルにおける前記推定角度と前記推定反力とを関連付ける反力相関であり、
    前記異常判断部は、前記第一のブレーキサイクルより後に実行される、前記ブレーキを解除した状態からブレーキ力を発揮させる第二のブレーキサイクル中において、前記推定角度および前記推定反力の第一のブレーキサイクル中において求められた前記反力相関に対する乖離量が定められた量より大きいとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータの角速度を推定する角速度推定機能部を有し、この角速度推定機能部で推定した角速度である推定角速度に基づいて、前記電動モータが前記摩擦材の押圧力を昇圧方向に回転しているか降圧方向に回転しているかを判断し、
    前記反力相関導出部は、前記反力相関として、前記電動モータが前記昇圧方向に回転しているときの正作動相関と、前記電動モータが前記降圧方向に回転しているときの逆作動相関とを推定する機能を有し、
    前記異常判断部は、前記電動モータが前記昇圧方向に回転しているときの前記正作動相関の一致度合と、前記電動モータが前記降圧方向に回転しているときの前記逆作動相関の一致度合とのいずれか一方または両方の一致度合が定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータの角速度を推定する角速度推定機能部を有し、この角速度推定機
    能部で推定した角速度である推定角速度に基づいて、前記電動モータが前記摩擦材の押圧力を昇圧方向に回転しているか降圧方向に回転しているかを判断する機能を有し、
    前記反力相関導出部は、前記電動モータが前記昇圧方向に回転しているときの正作動相関と、前記電動モータが前記降圧方向に回転しているときの逆作動相関のいずれか一方を推定する機能を有し、前記推定された正作動相関ないし逆作動相関のいずれか一方の相関に基づいて、定められた換算係数を介して他方の相関を推定する機能を有し、
    前記異常判断部は、前記電動モータが前記昇圧方向に回転しているときの前記正作動相関の一致度合と、前記電動モータが前記降圧方向に回転しているときの前記逆作動相関の一致度合のいずれか一方または両方の一致度合が定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、推定角速度が定められた大きさより小さいとき、前記電動モータが停止状態にあるとみなす機能を有し、
    前記制御装置は、前記電動モータが停止状態にあるとみなせる場合において、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づいて、前記反力相関を導出する一方の第一のパラメータから、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づく他方の第二のパラメータを導出する機能を有し、
    前記異常判断部は、前記第二のパラメータが、前記正作動相関および前記逆作動相関に基づいて導出された第二のパラメータ群の範囲から誤差補正比率に基づいて拡大された範囲外であるとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置において、前記反力相関導出部は、前記定められた条件として、前記摩擦材を含む電動ブレーキ装置の構成部の剛性に基づき、この剛性を変化せしめる可変剛性パラメータαを含む、反力と角度との第一の結合関数f1と、この第一の結合関数f1に含まれる前記構成部以外の電動ブレーキ装置の構成部の剛性に基づく第二の結合関数f2と、前記第一の結合関数f1に関連する構成部と前記第二の結合関数f2に関連する構成部との変形比率βと、を用いて、推定反力pおよび推定角度ないし推定位置xに対して、
    p=f1(α,βx)+f2((1-β)x)による演算誤差の分散が最小となるよう前記可変剛性パラメータα、変形比率βを決定する機能を有する電動ブレーキ装置。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記摩擦材の押圧力を推定する荷重推定機能部を有し、
    前記反力相関が、前記推定角度と前記推定反力との間の反力相関に代えて、前記荷重推定機能部で推定した押圧力である推定荷重と、前記推定反力とを関連付ける反力相関であり、
    前記異常判断部は、前記反力相関と、前記データ取得部で取得したデータとの一致度合の高さが定められた基準を下回るとき、前記角度推定機能部が異常であると判断する電動ブレーキ装置。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータの角加速度ないしこの角加速度に相当し得る値を推定する角加速度推定機能部を有し、
    前記反力相関導出部は、前記角加速度推定機能部で推定した推定角加速度が定められた大きさより小さい条件における推定反力および推定角度を用いて、前記反力相関を推定する電動ブレーキ装置。
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