JP2020043665A - 電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置 Download PDF

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【課題】高速かつ精密な位置決めを行うことができる電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置を提供する。【解決手段】この電動式アクチュエータDAの制御装置2は、力行回生判断部26と、出力制限手段27とを備える。力行回生判断部26は、電動モータ4の回転方向および電動モータ4に発生しているトルクの方向に基づいて、電動モータ4の駆動状態が力行または回生のいずれであるかを判断する。出力制限手段27は、電動モータ4が急速に回転していると推定される定められた運動状態において、電動モータ4の駆動状態が力行であるときの電動モータ4の最大出力の絶対値よりも、電動モータ4の駆動状態が回生であるときの電動モータ4の最大出力の絶対値が大きくなるように電動モータ4の出力を制限する。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、車両等に搭載される電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置に関し、高速かつ精密な位置決めを行うことができる技術に関する。
電動モータを使用した電動アクチュエータとして、以下の技術が提案されている。
1.遊星ローラ機構および電動モータを使用した電動アクチュエータ(特許文献1)。
2.電動モータ、直動機構および減速機を使用した電動アクチュエータ(特許文献2)。
特開2006−194356号公報 特開平6−327190号公報
特許文献1,2のような、位置決め機能を有する電動式アクチュエータを、例えば、電動ブレーキ装置に適用する場合等に代表して、高速かつ精密な位置決め機能が求められる場合がある。
一般に、電動モータの角速度が増加すると、誘起電圧または駆動電力といった制約によって、モータトルクが低下するようにトルクを制限することが多い。このとき、例えば、前記のように位置決め制御を行う場合において、電動モータが高速回転している状態でトルクが低下していると、電動モータが減速するまでに比較的長い時間を要する。このため、比較的大きなオーバーシュートが生じる等の制御性の悪化、および位置決めの応答性を低下させる必要が生じる等、高速かつ精密な位置決めを行う上での問題が発生する場合がある。
この発明の目的は、高速かつ精密な位置決めを行うことができる電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置を提供することである。
この発明の電動式アクチュエータは、電動モータ4と、この電動モータ4の角度または角度相当値を、与えられた角度または角度相当値の目標値である角度目標値に追従制御する制御装置2とを備えた電動式アクチュエータにおいて、
前記制御装置2は、
前記電動モータ4の回転方向および前記電動モータ4に発生しているトルクの方向に基づいて、前記電動モータ4の駆動状態が力行または回生のいずれであるかを判断する力行回生判断部26と、
前記電動モータ4が急速に回転していると推定される定められた運動状態において、前記電動モータ4の駆動状態が力行であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値よりも、前記電動モータ4の駆動状態が回生であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値が大きくなるように前記電動モータ4の出力を制限する出力制限手段27と、を備える。
前記定められた運動状態とは、電動モータ4の各種パラメータから電動モータ4が急速に回転していると推定される回転運動状態であり、前記各種パラメータとして、モータ角度、モータ角速度、回転子位相の微分相当値等を採用し得る。例えば、電動モータ4の角速度の絶対値が定められた値以上のとき、前記電動モータ4は前記定められた運動状態となる。前記定められた値は、設計等によって任意に定める値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な値を求めて定められる。
電動モータ4の回転方向とトルクの方向が一致するとき、電動モータ4の駆動状態は「力行」であり、電動モータ4の回転方向とトルクの方向が不一致のとき電動モータ4の駆動状態は「回生」である。
前記「角度相当値」とは、電動モータ4の角度に換算できる値であり、例えば、電動モータ4の回転運動を直線運動に変換する直動機構6の位置、または直動機構6の軸方向荷重等である。
この構成によると、力行回生判断部26は、電動モータ4の回転方向および電動モータ4に発生しているトルクの方向に基づいて、電動モータ4の駆動状態が力行または回生のいずれであるかを判断する。出力制限手段27は、電動モータ4が定められた運動状態において、力行時の電動モータ4の最大出力の絶対値よりも、回生時の電動モータ4の最大出力の絶対値が大きくなるように電動モータ4の出力を制限する。このように回生時のモータ出力を力行時より大きく設定し、モータ角速度が比較的大きくなった状態からモータ角速度を低下させるために比較的大きなトルクを発生できるようにする。これにより、制御装置2は、電動モータ4の角度または角度相当値を角度目標値に速やかかに追従制御することができる。したがって、電動モータ4が定められた運動状態において、高速かつ精密な位置決めを行うことができる。
前記出力制限手段27は、前記力行であるときの前記電動モータ4の駆動電力の大きさよりも、前記回生であるときの前記電動モータ4の駆動電力の大きさが同じかまたは小さくなるように前記電動モータ4の出力を制限するものであってもよい。
電動モータ4の駆動電力を大きくすると、電動モータ4を、例えば、バッテリ駆動する場合等において電源装置3への過剰な負荷となり得る。そのため、この構成によると、電動モータ4の出力は回生側を大きくしつつ、電動モータ4の駆動電力は力行時と回生時が等しいか、または回生時の方が小さくなるように設定する。力行時の駆動電力は、主にモータ出力とモータ損失との和であるのに対し、回生時の駆動電力は、モータ出力とモータ損失との差になるため、このような設定が成り立つ。
前記出力制限手段27は、前記電動モータ4のモータ電流を制限する電流制限部30,31を有し、この電流制限部30,31は、前記力行である場合の最大トルクを出力するときの無効電流よりも、前記回生である場合の最大トルクを発生するときの無効電流が大きくなるようにモータ電流を制限するものであってもよい。この場合、回生時の無効電流を大きくすることで、さらに回生時のモータ出力を増加させつつ、駆動電力を超過しないようにできる。
前記制御装置2は、前記電動モータ4の角速度を推定する角速度推定部19bを有し、
前記出力制限手段27は、
前記推定された角速度の絶対値が定められた値より小さいとき、前記力行であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値を、前記回生であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値以下とし、
前記定められた運動状態として、前記推定された角速度の絶対値が前記定められた値以上のとき、前記力行であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値よりも、前記回生であるときの前記電動モータ4の最大出力の絶対値が大きくなるように前記電動モータ4の出力を制限するものであってもよい。
回生時のモータ出力を大きくする必要性が強い状況とは、電動モータ4が比較的高速に回転している状況であるから、電動モータ4の角速度が大きい状況のみ回生時のモータ出力を大きくする処理としても、十分な効果が期待できる。期待される効果として、回生時のモータ出力を大きくする場合、回生時の電流を大きくする必要があるが、回生時のモータ出力を大きくする機能を実行する状況を、前述のように電動モータ4の角速度が大きい状況のみに制限することで、モータ駆動素子の電流定格を小さくすることが可能となる。または、回生時のモータ出力を大きくする機能を実行するために電流定格の大きなモータ駆動素子が必要となってしまうことを抑止することができる。
前記出力制限手段27は、前記推定された角速度の絶対値が大きくなる程、前記回生であるときの前記電動モータ4の最大出力と前記力行であるときの前記電動モータ4の最大出力との差が大きくなるように前記電動モータ4の出力を制限してもよい。この場合、角度目標値に対し電動モータ4の角度または角度相当値をより速やかかに追従制御することが可能となり、電動モータ4の応答性の向上を図れる。
前記電動式アクチュエータDAは、前記電動モータ4の回転運動を直線運動に変換する直動機構6を備えるものであってもよい。この場合、制御装置2により直動機構6の位置を高速かつ精密に位置決めすることができる。
この発明の電動ブレーキ装置1は、車輪と同期して回転するブレーキロータ8と、このブレーキロータ8と接触し制動力を発生させる摩擦材9と、この摩擦材9を操作する、前記直動機構6を備える電動式アクチュエータDAとを備えたものである。この場合、電動ブレーキ装置1を高速かつ精密に位置決めすることができるため、この電動ブレーキ装置1を搭載する車両の制動距離の短縮を図ることができるうえ、燃費または電費を向上することが可能となる。
この発明の電動式アクチュエータは、電動モータと、この電動モータの角度または角度相当値を、与えられた角度または角度相当値の目標値である角度目標値に追従制御する制御装置とを備えた電動式アクチュエータにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの回転方向および前記電動モータに発生しているトルクの方向に基づいて、前記電動モータの駆動状態が力行または回生のいずれであるかを判断する力行回生判断部と、前記電動モータが急速に回転していると推定される定められた運動状態において、前記電動モータの駆動状態が力行であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値よりも、前記電動モータの駆動状態が回生であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値が大きくなるように前記電動モータの出力を制限する出力制限手段と、を備えた。このため、高速かつ精密な位置決めを行うことができる。
この発明の電動ブレーキ装置は、車輪と同期して回転するブレーキロータと、このブレーキロータと接触し制動力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を操作する、前記直動機構を備える電動式アクチュエータとを備えたため、高速かつ精密な位置決めを行うことができる。
この発明の実施形態に係る電動式アクチュエータの構成を示すブロック図である。 同電動式アクチュエータのトルク指令器の構成例を示すフローチャートである。 同トルク指令器の力行トルク制限部および回生トルク制限部における、モータ角速度に対するモータトルク制限の一例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る電動式アクチュエータの構成を示すブロック図である。 同電動式アクチュエータのトルク指令器の構成例を示すフローチャートである。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動式アクチュエータのモータ角速度と最大トルクとの関係を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る電動式アクチュエータのモータ角速度と最大トルクとの関係を示す図である。 この発明のいずれかの電動式アクチュエータを用いた電動ブレーキ装置の構成例を概略示す図である。 同電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 この発明のいずれかの電動式アクチュエータを用いた電動ステアリング装置の制御系のブロック図である。 同電動ブレーキ装置の動作例を示す図である。 従来例の電動ブレーキ装置の動作例を示す図である。 従来例の電動ブレーキ装置の別の動作例を示す図である。
[第1の実施形態]
この発明の実施形態に係る電動式アクチュエータを図1ないし図3と共に説明する。この電動式アクチュエータは、例えば車両に搭載され後述する電動ブレーキ装置等に用いられる。
<電動式アクチュエータの構成>
図1に示すように、電動式アクチュエータDAは、直動アクチュエータ本体AHと、電源装置3と、制御装置2とを備える。直動アクチュエータ本体AHは、電動モータ4と、直動機構6と、角度センサSaとを有する。
電動モータ4は、例えば、永久磁石式の同期電動機から成る。電動モータ4として、永久磁石式の同期電動機を適用すると省スペースで高効率かつ高トルクとなり好適である。但し、電動モータ4として、例えば、ブラシを用いたDCモータ、永久磁石を用いないリラクタンスモータ、あるいは誘導モータ等を適用することもできる。
直動機構6は、電動モータ4の回転運動を直線運動に変換する機構であり、遊星ローラねじ、ボールねじ等の各種ねじ機構、ボールランプ等、回転軸周方向の傾斜により回転運動を直進運動に変換する各種機構を用いることができる。
角度センサSaは、電動モータ4の回転角度(モータ角度)を検出する。角度センサSaは、例えば、レゾルバまたは磁気エンコーダ等を用いると高精度かつ高信頼性であり好適であるが、光学式のエンコーダ等の各種センサを用いることもできる。前記角度センサSaを用いずに、後述する制御装置2において、電動モータ4の電圧と電流との関係等からモータ角度を推定する角度センサレス推定を用いることもできる。
その他、図示外の要素として、電動モータ4の回転を減速する減速機を設けてもよい。前記減速機として、例えば、平行歯車、ウォーム歯車、または遊星歯車等の減速機を適宜用いてもよい。また、サーミスタ等の各種センサ類を要件に応じて別途設けてもよい。
<制御装置2の構成>
例えば、各車輪に対応する制御装置2および直動アクチュエータ本体AHが設けられている。各制御装置2は対応する電動モータ4を制御する。各制御装置2に、直流の電源装置3と、各制御装置2の上位制御手段である上位ECU17とが接続されている。電源装置3は、電動モータ4および制御装置2に電力を供給する。電源装置3は、例えば、この電動式アクチュエータDAを搭載する車両の低圧(例えば12V)バッテリ等を適用し得る。
上位ECU17として、例えば、車両全般を制御する車両統合制御装置(Vehicle Control Unit, VCU)が適用される。上位ECU17は、各制御装置2の統合制御機能を有する。上位ECU17は指令手段17aを備え、指令手段17aは、例えば、車両の操縦者による操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力を指令値として各制御装置2に与える。なお指令手段17aは、操作手段そのものであってもよく、あるいは、例えば自動運転車両のように車両の状態および各種センサ等の情報から、操作手段の操作に依ることなく自動的に指令値を求めて出力することも可能である。
各制御装置2は、制御演算を行う各種制御演算器と、モータドライバ18と、センサ類とを備える。前記各種制御演算器は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、または、FPGA、ASIC等の演算器および周辺回路により構成される。前記各種制御演算器は、運動状態推定器19、電流推定器20、モータ電流制御器21、アクチュエータ位置制御器22およびトルク指令器23を備える。
運動状態推定器19は、角度センサSaの出力から、電動モータ4の回転運動状態を推定する。運動状態推定器19は、角度推定部19aと、角速度推定部19bとを有する。
角度推定部19aは、角度センサSaの出力から、制御演算に用いる電動モータ4の角度(推定角度)を推定する機能を有する。角度推定部19aは、例えば、電流制御に用いる電気角位相、または角度制御に用いる角度センサSaのオーバーラップおよびアンダーラップを補正した総回転角度等、電動式アクチュエータDAの用途および制御構成に基づいて、必要な物理量を適宜求める機能を有する。前記物理量の推定は、例えば、状態推定オブザーバ等の構成を用いてもよく、微分または慣性方程式に基づく逆算等の直接的な演算であってもよい。
角速度推定部19bは、電動モータ4の角速度(モータ角速度)を推定する機能を有する。角速度推定部19bは、例えば、回転子位相の微分相当値を角速度として推定してもよい。
運動状態推定器19は、例えば、電動モータ4の角加速度等の所定微積分値を推定する機能、または外乱を推定する機能等を設けてもよい。電動式アクチュエータDAが直動アクチュエータ本体AHを備えた本構成においては、運動状態推定器19は、角度、角速度に代えて、例えば、直動アクチュエータ本体AHの軸方向の直動位置、軸方向の速度を推定する機能であってもよい。
電流センサ24は、例えば、シャント抵抗両端の電圧を検出するアンプから成るセンサ、または電動モータ4の相電流の通電経路周囲の磁束等を検出する非接触式センサ等を用いることができる。あるいは、電流センサ24は、例えば、モータドライバ18を構成する素子等の端子電圧等を検出する構成としてもよい。もしくは、一切の電流センサを設けずに、電動モータ4のインダクタンスまたは抵抗値等のモータ特性に基づいてフィードフォワード制御を行うこともできる。
電流推定器20は、電流センサ24の出力から制御演算に用いる電流を推定する機能を有する。前記電流の推定は、例えば、モータ相電流の通電経路に複数設けた電流センサ24によって推定してもよく、あるいはローサイドないしハイサイドに一つ設けた電流センサ24により一次電流を推定し、モータ特性等に基づいて相電流を求める手法であってもよい。
モータ電流制御器21は、モータ電流を所定の目標値に対して追従制御する機能を有する。モータ電流制御器21において、制御するモータ電流は、例えば、ロータ磁極と同期した直交軸に変換されたd軸、q軸における軸電流制御とすると簡潔かつ高機能な制御系が構成できて好適であるが、例えば、三相交流電流のような実際の電流値を直接制御する方法であってもよい。もしくは、例えば、電動モータ4がブラシ付きDCモータである場合、モータ電流制御器21は、そのまま直流電流を制御する手法とすることができる。本図1においては、推定電流をフィードバック制御する例を示すが、前述のようにモータ特性に基づいたフィードフォワード制御であってもよく、あるいは非干渉化制御のようなフィードバックとフィードフォワードを適宜併用する制御としてもよい。
アクチュエータ位置制御器22は、直動機構6が指令手段17aより入力される指令値に応じた所定の目標位置となるように、電動モータ4を制御するための目標トルク(目標値)を導出する機能を有する。直動機構6の位置は、例えば、等価リード等の情報に基づき換算された電動モータ4の角度としてもよく、あるいは逆に運動状態推定器19で等価リード等の情報に基づきモータ角度に代えて直動位置を推定し、アクチュエータ位置制御器22においてその直動位置を制御する機能であってもよい。もしくは、例えば、直動機構6に図示外の位置センサ等を設ける構成とし、前記位置センサで実測された直動位置をアクチュエータ位置制御器22において直接制御する機能であってもよい。
トルク指令器23は、トルク電流変換部25と、力行回生判断部26と、出力制限手段27とを備える。トルク電流変換部25は、所定のトルクを出力せしめる電流条件を決定する。トルク電流変換部25は、モータ角速度および所定の目標トルクを入力条件として、その際に通電させるモータ電流(目標モータ電流)を出力する機能であってもよい。トルク電流変換部25において、前記モータ電流は、例えば、解析または実測によって事前にルックアップテーブル(Lookup table,略称:LUT)等で設定されたものであってもよく、例えば、インダクタンス等の情報を含むモータ特性等から成る所定の計算式に基づいて導出するものであってもよい。あるいは、トルク電流変換部25は、数式等を用いて、ニュートン・ラプソン法等の探査手法を用いて適宜モータ電流を求めることもできる。
力行回生判断部26は、電動モータ4の回転方向とモータトルクの方向により、電動モータ4の駆動状態が力行あるいは回生のいずれの状態にあるかを判断する。
出力制限手段27は、力行時にモータ出力を制限する力行トルク制限部28と、回生時にモータ出力を制限する回生トルク制限部29とを有する。力行トルク制限部28および回生トルク制限部29は、モータトルクを、所定の制約条件に基づいてモータ出力を制限するモータトルクへと制限する。前記所定の制約条件は、例えば、電源装置3の仕様に基づいたモータ駆動電圧またはモータ駆動電力であってもよい。
モータドライバ18は、モータ電流制御器21から与えられた電流指令値に基づいて、電源装置3の直流電力を電動モータ4の駆動に用いる交流電力に変換する。このモータドライバ18は、例えば、電界効果トランジスタ(Field effect transistor;略称FET)等のスイッチ素子を用いたハーフブリッジ回路を構成し、前記スイッチ素子のON−OFFデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う構成とすると安価で高性能となり好適である。あるいは、変圧回路等を設け、PAM制御を行う構成とすることもできる。
<トルク指令器23の構成例>
図2は、トルク指令器の構成例を示すフローチャートである。図1も適宜参照しつつ説明する。本処理開始後、トルク指令器23は、目標モータトルク(目標値)τおよびモータ角速度ωを取得する(ステップS.1、S.2)。
力行回生判断部26は、取得した目標モータトルクとモータ角速度の向きが同一であれば、電動モータ4の駆動状態が力行と判断し、目標モータトルクとモータ角速度の向きが逆であれば、電動モータ4の駆動状態が回生であると判断する(ステップS.3)。力行回生判断部26における前記向きの判断は、例えば、目標モータトルクとモータ角速度とを乗算し、符号が正であれば「力行」、負であれば「回生」、ゼロであれば「力行」、「回生」のいずれに該当するかは任意に設定する処理とすると、簡潔な構成となり好ましい。
ステップS.3において、厳密には目標モータトルクとモータ角速度との向きが逆である場合においても、回生出力が損失を上回る場合等においては電源装置3から電力が流出し、電力的には力行動作となる場合があるが、本実施形態の構成においては上記のように目標モータトルクとモータ角速度との向きが異なる場合を一律に「回生」として差支えなく、簡潔な処理となり好ましい。但し、図示外の要素として別の要件等に基づいて力行と回生を電力的な意味で厳密に管理する必要がある場合、力行回生判断部26は、目標モータトルクおよびモータ角速度から求められる推定出力と、銅損または鉄損等から成る推定モータ損失とを比較し、損失を上回る推定回生出力が得られる場合を「回生」として判断する処理とすることもできる。
ステップS.3の判断に基づいて、出力制限手段27は、力行時の制限トルクあるいは回生時の制限トルクのいずれかを取得する(ステップS.4,S.5)。同図2中のステップS.4のfおよびステップS.5のfは、モータ角速度に依存した制限トルク取得関数であり、例えば、それぞれのルックアップテーブル等を設ける場合は主に演算負荷を軽減できる点で好適であり、所定の演算式とする場合は主にプログラム領域を削減できる点で好適である。
また、このとき、ある所定条件を満たす場合は所定の引数xに対して|f(x)|<|f(x)|であり、例えば、電動モータ4が高速回転した場合においても、比較的速やかにモータ角速度の大きさを低下させることができ、安定した制御性が得られるようになる。前記ある所定条件は、制御要件に基づいて求められる。
出力制限手段27は、力行時の制限トルクあるいは回生時の制限トルクのいずれかを取得した後、元の目標モータトルクの絶対値が、前記取得した制限トルクの絶対値より大きいか否かを判断する(ステップS.6)。
元の目標モータトルクの絶対値が取得した制限トルクの絶対値より大きい場合(ステップS.6:yes)、出力制限手段27は、元の目標モータトルクを制限トルクに更新する(ステップS.7)。元の目標モータトルクの絶対値が取得した制限トルクの絶対値以下の場合(ステップS.6:no)、ステップS.8に移行する。
トルク電流変換部25は、目標モータトルクから、目標モータ電流を導出する(ステップS.8)。同図2中のステップS.8のfは、目標モータ電流取得関数であり、例えば、ルックアップテーブル等を設ける場合は主に演算負荷を軽減できる点で好適であり、所定の演算式とする場合は主にプログラム領域を削減できる点で好適である。ステップS.8の後本処理を終了する。
なお制御するモータ電流は、前述の通り、ロータ磁極と同期した直交軸に変換されたd軸、q軸における軸電流制御としてもよく、例えば、三相交流電流のような実際の電流値であってもよい。もしくは、例えば、電動モータ4がブラシ付きDCモータである場合、直流電流値であってもよい。
<モータ角速度に対するモータトルク制限の一例>
図3は、力行トルク制限部および回生トルク制限部における、モータ角速度に対するモータトルク制限の一例を示す図である。定められた運動状態として、電動モータの角速度の絶対値が定められた値以上の領域において、出力制限手段27(図1)は、最大回生トルクが最大力行トルクを絶対値として上回るように、電動モータの出力であるモータトルクを制限する。角速度推定部19b(図1)により電動モータの角速度が推定される。
また出力制限手段27(図1)は、角速度の絶対値が大きくなる程、回生であるときの電動モータの最大出力と力行であるときの電動モータの最大出力との差が大きくなるように電動モータの出力を制限している。この場合、角度目標値に対し電動モータの角度または角度相当値をより速やかかに追従制御することが可能となり、電動モータの応答性の向上を図れる。
同図3のようにモータトルクを制限すると、例えば、高速位置決め応答時に、モータトルクが低下する領域までモータ角速度が上昇した場合においても、モータ角速度を低下させるために比較的大きなモータトルクを印加することができ、速やかに直動機構の位置決めを行うことができる。このとき、大きな回生トルクを発生させるうえで、電源装置に許容される電力を超過しないことが制約となる場合が多い。このとき、力行時のモータ駆動電力は、主に、モータ出力と損失との和となる一方で、回生時のモータ駆動電力は、主に、モータ出力と損失との差となるため、回生時において、少なくともモータ損失の分はトルクを増加させてもモータ駆動電力の絶対値は力行時を超過しないことから、本図3に示すモータ駆動が可能となる。
さらに、例えば、電流ベクトル制御が可能な同期モータにおいて所定のトルクを出力する際、回生時の最大トルクを発生するときの無効電流が、力行時の最大トルクを発生するときの無効電流よりも絶対値的に大きくなる電流条件とすることで無効電力の銅損が増加し、モータ駆動電力が減少する。このため、回生時の無効電流が力行時より大きくなるような電流条件を採用することで、モータ駆動電力の制約がある場合においても、回生時のモータトルクをさらに力行時より大きくし得る。
<作用効果>
以上説明した電動式アクチュエータDAによれば、出力制限手段27は、電動モータ4が定められた運動状態において、力行時の電動モータ4の最大出力の絶対値よりも、回生時の電動モータ4の最大出力の絶対値が大きくなるように電動モータ4の出力を制限する。このように回生時のモータ出力を力行時より大きく設定し、モータ角速度が比較的大きくなった状態からモータ角速度を低下させるために比較的大きなトルクを発生できるようにする。これにより、制御装置2は、電動モータ4の角度または角度相当値を角度目標値に速やかかに追従制御することができる。したがって、電動モータ4が定められた運動状態において、高速かつ精密な位置決めを行うことができる。
出力制限手段27は、力行であるときの電動モータ4の駆動電力の大きさよりも、回生であるときの電動モータ4の駆動電力の大きさが同じかまたは小さくなるように電動モータ4の出力を制限する。電動モータ4の駆動電力を大きくすると、電動モータ4を、バッテリ駆動する場合等において電源装置3への過剰な負荷となり得る。そのため、この構成によると、電動モータ4の出力は回生側を大きくしつつ、電動モータ4の駆動電力は力行時と回生時が等しいか、または回生時の方が小さくなるように設定する。力行時の駆動電力は、主にモータ出力とモータ損失との和であるのに対し、回生時の駆動電力は、モータ出力とモータ損失との差になるため、このような設定が成り立つ。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図4は、他の実施形態に係る電動式アクチュエータDAの構成を示すブロック図である。同図4のトルク指令器23Aは、図1における、力行トルク制限部28、回生トルク制限部29に代えて、力行電流制限部(電流制限部)30と、回生電流制限部(電流制限部)31とを備える。力行電流制限部30は、例えば、電動モータ4の角速度の絶対値が定められた値以上において、力行時のモータ電流を制限する。回生電流制限部31は、例えば、電動モータ4の角速度の絶対値が定められた値以上において、回生時のモータ電流を制限する。
これら力行電流制限部30および回生電流制限部31は、モータ電流を、所定の制約条件に基づいてモータ出力を制限し得るモータ電流へと制限する。前記所定の制約条件は、例えば、電源装置3の仕様に基づいたモータ駆動電圧またはモータ駆動電力であってもよい。前記力行電流制限部30および回生電流制限部31によって、結果としてモータトルクは図3のように制限されるものとする。
図5は、図4のトルク指令器の構成例を示すフローチャートである。図4も適宜参照しつつ説明する。本処理開始後、トルク電流変換部25は、目標モータトルク(目標値)τおよびモータ角速度ωを取得し(ステップS.9、S.10)、目標モータ電流を導出する(ステップS.11)。力行回生判断部26は、取得した目標モータトルクとモータ角速度の向きが同一であれば、電動モータ4の駆動状態が力行と判断し、目標モータトルクとモータ角速度の向きが逆であれば、電動モータ4の駆動状態が回生であると判断する(ステップS.12)。
ステップS.12の判断に基づいて、出力制限手段27は、力行時の制限電流あるいは回生時の制限電流のいずれかを取得する(ステップS.13,S.14)。同図5中のステップS.13のfipおよびステップS.14のfirは、目標モータトルクおよびモータ角速度に依存した制限電流取得関数である。
出力制限手段27は、力行時の制限電流あるいは回生時の制限電流のいずれかを取得した後、元の目標モータ電流の絶対値が、前記取得した制限電流の絶対値より大きいか否かを判断する(ステップS.15)。ステップS.15における絶対値の扱いとして、目標モータ電流がdq軸電流または交流電流のような複数要素からなるパラメータである場合、このときの絶対値とは個々の要素の絶対値を示すものとし、結果もまた個々に判断されるものとする。すなわち、例えば、iがdq軸電流である場合、d軸電流値、q軸電流値それぞれにおいてステップS.15の判断が行われ、仮に要素毎に異なる結果となった場合には、要素毎に異なるフローを適用するものとする。
元の目標モータ電流の絶対値が取得した制限電流の絶対値より大きい場合(ステップS.15:yes)、出力制限手段27は、元の目標モータ電流を制限電流に更新する(ステップS.16)。その後本処理を終了する。元の目標モータ電流の絶対値が取得した制限電流の絶対値以下の場合(ステップS.15:no)、本処理を終了する。
図6、図7に示すように、出力制限手段は、モータ角速度の絶対値が全ての領域において、最大回生トルクが最大力行トルクを絶対値として上回るように、電動モータの出力であるモータトルクを制限してもよい。但し、出力制限手段は、モータ角速度の絶対値が定められた値以上のとき、モータ角速度の絶対値が大きくなる程、回生であるときの電動モータの最大出力と力行であるときの電動モータの最大出力との差が大きくなるように電動モータの出力を制限している。この場合、角度目標値に対し電動モータの角度または角度相当値をより速やかかに追従制御することが可能となり、電動モータの応答性の向上を図れる。
<電動ブレーキ装置の構成例>
図8は、いずれかの電動式アクチュエータDAを用いた電動ブレーキ装置1の構成例を概略示す図である。電動ブレーキ装置1は、電動式アクチュエータDAと、摩擦ブレーキBRとを備える。摩擦ブレーキBRは、車両の各車輪にそれぞれ設けられる。摩擦ブレーキBRは、車輪と同期して回転するブレーキロータ8と、ブレーキロータ8と接触して制動力を発生させる摩擦材9とを有する。摩擦材9は、電動式アクチュエータDAによって操作される。摩擦材9を直動アクチュエータ本体AHにより操作してブレーキロータ8に押圧し、摩擦力によって制動力を発生させる機構を用いることができる。この例の摩擦ブレーキBRとして、ブレーキディスクであるブレーキロータ8および図示外のキャリパを用いたディスクブレーキ装置を適用しているが、ドラムおよびライニングを用いたドラムブレーキ装置であってもよい。
減速機5は、電動モータ4の回転を減速する機構であり、それぞれ伝達部である一次歯車12、中間歯車13、および三次歯車11を含む。この例では、減速機5は、電動モータ4のロータ軸4aに取り付けられた一次歯車12の回転を、中間歯車13により減速して、回転軸10の端部に固定された三次歯車11に伝達可能な平行歯車が用いられている。前記伝達部は、正方向と逆方向の動作の切換えにより接触状態と離隔状態とが生じる遊びを有する。
直動機構6は、減速機5で出力される回転運動を送りねじ機構により直動部14の直線運動に変換して、ブレーキロータ8に対して摩擦材9を当接離隔させる。直動部14は、回り止めされ且つ矢符A1にて表記する軸方向に移動自在に支持されている。直動部14のアウトボード側端に摩擦材9が設けられる。電動モータ4の回転を減速機5を介して直動機構6に伝達することで、回転運動が直線運動に変換され、それが摩擦材9の押圧力に変換されることによりブレーキ力(制動力)を発生させる。なお電動ブレーキ装置1を車両に搭載した状態で、車両の車幅方向外側をアウトボード側といい。車両の車幅方向中央側をインボード側という。
パーキングブレーキ機構7のアクチュエータ16として、例えば、リニアソレノイドが適用される。アクチュエータ16によりロック部材15を進出させて中間歯車13に形成された係止孔(図示せず)に嵌まり込ませることで係止し、中間歯車13の回転を禁止することで、パーキングロック状態にする。ロック部材15を前記係止孔から離脱させることで中間歯車13の回転を許容し、アンロック状態にする。
図9に示すように、前記電動式アクチュエータDAの直動アクチュエータ本体AHは、図1他の構成に加え、直動機構6の軸方向荷重(角度相当値)を検出する荷重センサSbを備える。荷重センサSbは、例えば、直動機構6の荷重が作用する所定部材の変位または変形を検出する磁気センサ、歪センサ、圧力センサ等を用いることができる。前記荷重センサSbを用いずに、制御装置2において、例えば、モータ角度および電動ブレーキ装置剛性、またはモータ電流および直動アクチュエータ本体AHの効率等から荷重センサレス推定を行ってもよい。
車輪には、車輪速を検出する車輪速センサScを備えることができる。車輪速センサScは、例えば、車輪と一体に回転する磁気エンコーダの磁極を検出する磁極センサ、または凹凸を設けたロータのインダクタンス変動を検出するコイル等を用いることができる。あるいは、車輪速センサScに代えて、車輪の回転位置を検出する角度センサ等、他の方式の回転センサを用いてもよい。車輪速センサScで検出される車輪速、および車速推定手段32で推定される車速は、例えば、車輪のロックを防止するアンチスキッド制御器33によるアンチスキッド制御等に用いられる。
車速推定手段32は、例えば、複数輪の車輪速、あるいは図示外の加速度センサまたはGPS等に基づいて車速の推定を行う。前記車速推定手段32は、例えば、車両統合制御装置等の上位ECU17であってもよく、あるいは複数の制御装置2のうちの一つであってもよい。
ブレーキ力指令手段34は、図示外のブレーキ操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力を指令値(ブレーキ力目標値)として各制御装置2に与える。ブレーキ力指令手段34は、例えば、ブレーキペダルおよびペダルストロークセンサないしペダル踏力センサ、あるいはその両方等であってもよく、車両統合制御装置等の上位ECU17であってもよい。
電動式アクチュエータDAの制御装置2は、図1他の例に加え、ブレーキ力推定器35と、ブレーキ力制御器36と、車輪速推定器37と、アンチスキッド制御器33とを備える。
ブレーキ力推定器35は、荷重センサSbの出力から、ブレーキ力(推定ブレーキ力)を推定する機能を有する。あるいはブレーキ力推定器35は、前述の通り、荷重センサSbを用いずに、角度センサレス推定機能または荷重センサレス推定機能とすることもできる。ブレーキ力推定器35は、他の構成として、例えば、車輪に制動トルクセンサを設け、この制動トルクセンサ出力からブレーキ力を推定する構成とすることもできる。
車輪速推定器37は、車輪速センサScの出力からこの電動ブレーキ装置を搭載する車輪の角速度を推定する機能を有する。
アンチスキッド制御器33は、推定された車輪速、推定された車速等に基づいて、前記車輪の滑り状態を推定し、予め定められた所定条件に基づいて過度な滑り状態にあると判断された場合、前記過度な滑り状態を緩和するためにブレーキ力制御器36に指令を送信する。
ブレーキ力制御器36は、ブレーキ力指令手段34によるブレーキ力目標値に対して、前記推定ブレーキ力が追従するようにフィードバック制御演算を行う。ブレーキ力制御器36において演算中に用いる物理量は、例えば、モータ角度および直動機構の等価リードから算出されるアクチュエータ位置、またはモータ電流から求められるモータトルク等、設計の都合に応じて適宜選択されるものとする。その他、ブレーキ力制御器36は、フィードフォワード制御等を用いるか、またはフィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を適宜併用することもできる。
前記ブレーキ力制御器36は、ブレーキ解除時の引き摺りトルクを低減するため、ブレーキを解除する(ブレーキ力を略零とする)際に摩擦材9とブレーキロータ8との間に所定のクリアランスを設けるように直動アクチュエータ本体AHを制御する機能を設けることが好ましい。前記の機能は、例えば、モータ角度および直動機構6の等価リード等から直動アクチュエータ本体AHの直動部14(図8)の軸方向位置を推定する機能とすると低コストとなり好適であるが、直動アクチュエータ本体AHにおける直動部14(図8)の軸方向位置を検出する図示外の位置センサを別途設け、前記位置センサを用いた推定位置を制御する構成とすることもできる。
電動式アクチュエータDAを用いた他の構成例として、例えば、プレス機構を備えた電動プレス装置を構成することもできる。
図10は、いずれかの電動式アクチュエータDAを用いた電動ステアリング装置の構成例を示す。電動式アクチュエータDAの制御装置2は、図1他の例に加え、操舵反力推定器38と、ステアリングアシスト力制御器39と、操舵角推定器40とを備える。操舵反力推定器38は、トルクセンサSdの出力から、操舵反力を推定する機能を有する。操舵角推定器38は、操舵角センサSeの出力から電動ステアリングEPの操舵角を推定する機能を有する。ステアリングアシスト力制御器39は、ステアリング指令手段41による指令値に対して、推定された操舵角が追従するようにフィードバック制御演算を行う。
<電動ブレーキ装置の動作例>
図11は、いずれかの電動式アクチュエータを用いた電動ブレーキ装置の動作例を示し、図12,図13は、それぞれ従来の回生時のモータトルク制限を意図的に増加させない構成を用いた例を示す。図12の例では、電動モータの角速度が増加することで回生時の最大トルクが減少し、ブレーキ力目標値に対する推定ブレーキ力について比較的大きなオーバーシュートが生じている。図13の例では、図12の例に示すオーバーシュートを対策した結果、ブレーキ力目標値に対する推定ブレーキ力の応答性が低下している。
図11に示す本実施形態の電動ブレーキ装置では、オーバーシュートの低減を図り、且つ、ブレーキ力目標値に対する推定ブレーキ力の応答性を高めることができる。
図1、図4、図9、図10等はあくまで機能構成の概念を示したものであり、図示外の要素は要件に応じて適宜設けられるものとする。また、各機能ブロックは便宜上設けているものであり、実装上の都合に伴いハードまたはソフト上において適宜統合ないし分割可能であるものとする。
各ブロック図は、機能上の信号の流れを記述するためのものであり、実装時の演算順序およびタイミングを規定するものではない。機能が破綻しない範囲であれば、演算の順序は任意で設定できるものとし、また機能によって高速ないし低速に演算させるような複数のサンプリングレートで実行するマルチレート処理を導入する等、タイミングは適宜設定可能であるものとする。
本実施形態は、何れか一例を選択するものではなく、実装上において矛盾が生じなければ、必要に応じて一部または全体を併合した構成としてもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電動ブレーキ装置、2…制御装置、4…電動モータ、6…直動機構、8…ブレーキロータ、9…摩擦材、19b…角速度推定部、26…力行回生判断部、27…出力制限手段、30…力行電流制限部(電流制限部)、31…回生電流制限部(電流制限部)、DA…電動式アクチュエータ

Claims (7)

  1. 電動モータと、この電動モータの角度または角度相当値を、与えられた角度または角度相当値の目標値である角度目標値に追従制御する制御装置とを備えた電動式アクチュエータにおいて、
    前記制御装置は、
    前記電動モータの回転方向および前記電動モータに発生しているトルクの方向に基づいて、前記電動モータの駆動状態が力行または回生のいずれであるかを判断する力行回生判断部と、
    前記電動モータが急速に回転していると推定される定められた運動状態において、前記電動モータの駆動状態が力行であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値よりも、前記電動モータの駆動状態が回生であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値が大きくなるように前記電動モータの出力を制限する出力制限手段と、を備えた電動式アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の電動式アクチュエータにおいて、前記出力制限手段は、前記力行であるときの前記電動モータの駆動電力の大きさよりも、前記回生であるときの前記電動モータの駆動電力の大きさが同じかまたは小さくなるように前記電動モータの出力を制限する電動式アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動式アクチュエータにおいて、前記出力制限手段は、前記電動モータのモータ電流を制限する電流制限部を有し、この電流制限部は、前記力行である場合の最大トルクを出力するときの無効電流よりも、前記回生である場合の最大トルクを発生するときの無効電流が大きくなるようにモータ電流を制限する電動式アクチュエータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電動式アクチュエータにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの角速度を推定する角速度推定部を有し、
    前記出力制限手段は、
    前記推定された角速度の絶対値が定められた値より小さいとき、前記力行であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値を、前記回生であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値以下とし、
    前記定められた運動状態として、前記推定された角速度の絶対値が前記定められた値以上のとき、前記力行であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値よりも、前記回生であるときの前記電動モータの最大出力の絶対値が大きくなるように前記電動モータの出力を制限する電動式アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の電動式アクチュエータにおいて、前記出力制限手段は、前記推定された角速度の絶対値が大きくなる程、前記回生であるときの前記電動モータの最大出力と前記力行であるときの前記電動モータの最大出力との差が大きくなるように前記電動モータの出力を制限する電動式アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動式アクチュエータにおいて、前記電動式アクチュエータは、前記電動モータの回転運動を直線運動に変換する直動機構を備える電動式アクチュエータ。
  7. 車輪と同期して回転するブレーキロータと、このブレーキロータと接触し制動力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を操作する請求項6に記載の電動式アクチュエータとを備えた電動ブレーキ装置。
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