JP2011046267A - 電気ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出装置等の部品を追加することなく、バッテリと電動モータを接続した際に、確定要素を基にして電動モータの基準位置を簡単に設定する。
【解決手段】 バッテリと電動モータ4を接続した際に、電動モータ4を逆回転させ、ブレーキパッド2がブレーキロータ1から離反する状態にピストン5を駆動し、電動モータ4の電流値の上昇を捕らえてピストン5の駆動端を認識し、認識した駆動端をピストン5の基準位置として回転角センサー9の検出値を初期化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動アクチュエータにより制動力を発生させる電気ブレーキ装置に関する。
近年の電子技術の発展により、運転者のブレーキペダルの踏み込み状態を電気的に検出し、検出された踏み込み状態に応じて電動モータを駆動して制動力を発生させる電気ブレーキ装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。電気ブレーキ装置は、電動モータの駆動によりピストンを往復動させ、ピストンに連結されたブレーキパッドをブレーキロータに押し付けて制動力を得ている。
このため、電動モータの駆動電力を制御することにより、任意の特性の制動状態を得ることができ、高い自由度により運転者の意思や要求等に応じた制動特性を持った制動装置とすることができる。
このような特性を生かして確実に所望の制動力を得るため、ブレーキロータにブレーキパッドが接触を開始する位置を正確に把握する必要がある。接触開始の判定は、例えば、電動モータの電流値を検出し、ブレーキパッドがブレーキロータに接触した際の電流値が所定の値を超えた際にブレーキパッドのブレーキロータへの接触開始を判断している。
電気ブレーキ装置では、電動モータを搭載して車両のバッテリに接続した際に、駆動軸の基準の回転位置、即ち、ピストンの基準の位置を把握することが望ましい。基準位置を把握することで、電動モータやブレーキパッド、ブレーキロータの個体差に拘わらず、バッテリを接続した初期の状態でブレーキロータにブレーキパッドが接触を開始する位置を迅速に把握して走行状態での制動制御を的確に行うことができる。また、ピストンの基準位置を利用して消耗品の交換作業位置等に適用することができる。
しかし、バッテリを接続した初期の状態でピストンの基準の位置を設定する技術は確立されていないのが現状である。特に、消耗品等の不確定要素の部品を用いずに、確定要素を基にして基準位置を設定することが求められているのが現状である。例えば、ブレーキパッドとブレーキロータの隙間を検出する隙間検出手段を備え、隙間検出手段の検出結果により所望の隙間を設定して基準位置を設定することが考えられるが、部品点数が増加してコストが嵩む原因となってしまう。
特開2008−57643号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、検出装置等の部品を追加することなく、電動アクチュエータのピストンの基準位置を確定要素を基にして簡単に設定することができる電気ブレーキ装置を提供することを目的とする。
特に、ブレーキパッドやブレーキロータといった消耗品の交換作業位置等として適用できるようにピストンの基準位置を設定することができる電気ブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の電気ブレーキ装置は、電動アクチュエータのピストンの駆動によりブレーキパッドをブレーキロータに押圧して制動力を得る電気ブレーキ装置において、バッテリと前記電動アクチュエータを接続した際に、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータから離反する状態に前記ピストンを駆動させ、前記電動アクチュエータの電流の状態に基づいて前記ピストンの移動端を認識し、認識した前記移動端を前記ピストンの基準位置とする基準位置認識手段を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、ブレーキロータからブレーキパッドが離反する側のピストンの移動端で電動アクチュエータの電流値が所定値を超え、電流値が上昇して所定値を超えた状態(電流の状態)に基づいて基準位置認識手段によりピストンの基準位置と認識されるので、検出装置等の部品を追加することなく、バッテリと電動アクチュエータを接続した際に、確定要素を基にして電動アクチュエータのピストンの基準位置を簡単に設定することができる。
また、ピストンの基準位置が、ブレーキロータからブレーキパッドが離反するピストンの移動端であるので、ブレーキロータやブレーキパッドの消耗品の交換作業位置等として基準位置を適用することができる。
そして、請求項2に係る本発明の電気ブレーキ装置は、請求項1に記載の電気ブレーキ装置において、前記基準位置認識手段により前記ピストンの基準位置が認識された後、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接近する状態に前記ピストンを駆動させ、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接触した際の前記電動アクチュエータの電流値が所定の値を超えた際に前記ピストンの駆動を停止させ、前記ピストンの駆動を停止させた後に前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータから離反する状態に前記ピストンを所定量駆動させ、所定量駆動させた位置を前記ピストンの初期位置とする初期位置設定手段を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、ブレーキパッドがブレーキロータに接触した位置から所定量後退した位置をピストンの初期位置としているので、基準位置認識手段により認識されたピストンの基準位置に対して初期位置を管理することができる。このため、確定要素を基にした基準位置に応じた初期位置を利用して電気ブレーキの制御を行うことができ、部品の個体差に拘わらず所定のフィーリングを得るための制御が可能になる。
また、請求項3に係る本発明の電気ブレーキ装置は、請求項2に記載の電気ブレーキ装置において、前記基準位置認識手段により設定された前記ピストンの基準位置は、前記ブレーキパッドを交換する際に、前記ピストンを戻すための位置であることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータから離反したピストンの移動端がブレーキパッドを交換する際のピストンの位置となる。
また、請求項4に係る本発明の電気ブレーキ装置は、請求項3に記載の電気ブレーキ装置において、前記基準位置認識手段により設定された前記ピストンの基準位置から、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接触して前記電動アクチュエータの電流値が所定の値を超えるまでの前記ピストンの移動量が所定の移動量を超えた際に、前記ブレーキパッドの摩耗限界を判断する摩耗判定手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、ピストンの基準位置からピストンがブレーキロータに接触して電動アクチュエータの電流値が所定の値を超えるまでのピストンの移動量が所定の移動量を超え、ピストンの基準位置からの移動量が増加した状態を認識することで、ブレーキロータが摩耗していると判断される。
また、請求項5に係る本発明の電気ブレーキ装置は、請求項4に記載の電気ブレーキ装置において、前記電動アクチュエータは駆動軸が正逆回転することにより前記ピストンが往復移動する電動モータであり、前記駆動軸の回転角を検出する回転角検出手段を備え、前記回転角検出手段の検出値に基づいて前記ピストンの移動量を設定することを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、電動モータの回転角を検出することでピストンの移動量が設定される。
本発明の電気ブレーキ装置は、検出装置等の部品を追加することなく、電動アクチュエータのピストンの基準位置を確定要素を基にして簡単に設定することができる。
特に、本発明の電気ブレーキ装置は、ブレーキパッドやブレーキロータといった消耗品の交換作業位置等として適用できるようにピストンの基準位置を設定することができる。
本発明の一実施形態例に係る電気ブレーキ装置の概略構成図である。 ブロック構成図である。 制御フローチャートである。 タイムチャートである。 制御フローチャートである。 制御フローチャートである。
図1に基づいて電気ブレーキ装置の構成を説明する。図1には本発明の一実施形態例に係る電動ブレーキ装置の構成を説明するための概略断面を示してある。
図に示すように、車輪と共に回転するブレーキロータ1が備えられ、ブレーキロータ1は一対のブレーキパッド2に押圧されて摩擦力により制動力、減速力を発生させる。即ち、車体側にはキャリパー3が往復移動自在(図中左右方向)に支持され、キャリパー3には電動アクチュエータである電動モータ4が固定されている。また、キャリパー3にはピストン5が摺動自在に嵌合している。
ピストン5の内部にはナット部材6が固定され、ナット部材6には電動モータ4の駆動軸7に設けられたねじ部が螺合している。電動モータ4に電力が供給されることにより駆動軸7が正逆回転し、ナット部材6を介してピストン5が軸方向(図中左右方向)に往復駆動する。ブレーキロータ1の一方の面(図中右側の面)に対向するキャリパー3と、ブレーキロータ1の他方の面(図中左側の面)に対向するピストン5の先端部位とに、それぞれブレーキパッド2が取り付けられている。
電動モータ4の駆動軸7が、例えば、正方向に回転すると、ピストン5が図中左方向に駆動され、ピストン5に取り付けられたブレーキロータ1がブレーキパッド2に押圧されると同時に、キャリパー3が反力により図中右方向に摺動し、一対のブレーキパッド2によりブレーキロータ1が押圧される。これにより、制動力、減速力が発生する。電動モータ4の駆動軸7が、例えば、逆方向に回転すると、一対のブレーキパッド2がブレーキロータ1から離れる。これにより、制動力、減速力が解放される。
電動モータ4を制御するためのコントロールユニット(ECU)8が備えられ、ECU8にはブレーキペダルの操作情報(操作量、操作速度)が入力される。ブレーキペダルの操作情報に応じてECU8から電動モータ4に制御信号(電流値の指令信号)が送られ、駆動軸7の回転方向と回転速度が制御される。
電動モータ4には、駆動軸7の回転角を検出する回転角センサー9及び駆動電流を検出する電流検出センサー10が設けられている。駆動軸7の回転角と電動モータ4の電流値が検出され、回転角と電流値がECU8に入力されてフィードバック制御される。
上述した電気ブレーキ装置では、バッテリが接続された際に、ピストン5の基準位置が設定される。そして、非制動時に最小限の隙間が確保された状態で、ブレーキパッド2がブレーキロータ1に接触しない状態のピストン5の初期位置が設定される。ピストン5の基準位置及び初期位置は、電動モータ4の駆動軸7の回転角により設定される。つまり、ピストン5の基準位置で回転角センサー9の検出値が初期化されて記憶され、基準位置に基づいてピストン5の初期位置が回転角の値として設定される。
バッテリが接続された際に、ピストン5の基準位置が設定されることにより、部品などの個体差に拘わらず電気ブレーキの制御をスムーズに行うことができる。また、ピストン5の初期位置が設定されることにより、ブレーキロータ1とブレーキパッド2の隙間を一定に保つことができ、ブレーキの引きずりをなくして燃費の向上や装置の劣化を防止することができる。
図1、図2に基づいてECU8を詳細に説明する。図2には基準位置及び初期位置を設定するためのECU8のブロック構成を示してある。
ECU8には基準位置認識手段11が備えられている。基準位置認識手段11は、バッテリと電動モータ4を接続した際に、電動モータ4を逆回転させ、ブレーキパッド2がブレーキロータ1から離反する状態にピストン5を駆動し、電動モータ4の電流値の上昇を捕らえてピストン5の駆動端を認識し、認識した駆動端をピストン5の基準位置として回転角センサー9の検出値を初期化する手段である。
電動モータ4の駆動軸7の回転角は回転角センサー9で検出され、回転角センサー9の検出値に基づいてピストン5の移動量が設定される。ECU8には、バッテリの接続情報、回転角センサー9の検出情報、電流検出センサー10の検出情報が入力される。また、ECU8には電気ブレーキ駆動手段12が備えられ、電動モータ4に制御信号(電流値の指令信号)を出力する。
基準位置認識手段11を備えたことにより、検出装置等の部品を追加することなく、バッテリと電動モータ4を接続した際に、確定要素を基にして電動モータ4のピストン5の基準位置を簡単に設定することができる。また、ピストン5の基準位置が、ブレーキロータ1からブレーキパッド2が離反する側のピストン5の移動端であるので、ブレーキロータ1やブレーキパッド2の消耗品の交換作業位置等として基準位置を適用することができる。
また、ECU8には初期位置設定手段13が備えられている。初期位置設定手段13は、基準位置認識手段11によりピストン5の基準位置が認識された後、電動モータ4を正回転させ、ブレーキパッド2がブレーキロータ1に接近する状態にピストン5を駆動し、ブレーキパッド2がブレーキロータ1に接触した際の電動モータ4の電流値の上昇を捕らえ、電動モータ4の電流値が所定の値を超えた際にピストン5の駆動を停止させる。そして、ピストン5の駆動を停止した後、電動モータ4を逆回転させてブレーキパッド2がブレーキロータ1から離反する状態にピストン5を所定量駆動させ、所定量駆動させた位置をピストン5の初期位置とする手段である。
初期位置設定手段13を備えたことにより、基準位置認識手段11で認識されたピストン5の基準位置に対して初期位置を管理することができる。このため、確定要素を基にした基準位置に応じた初期位置を利用して電気ブレーキの制御を行うことができ、ブレーキロータ1やブレーキパッド2、キャリパー3、電動モータ4、ピストン5、ナット部材6等の部品の個体差に拘わらず所定のフィーリングを得るための制御が可能になる。
例えば、ブレーキパッド2がブレーキロータ1に接触した状態でピストン5を所定量駆動させて隙間を形成するので、ブレーキパッド2等の摩耗に拘わらずブレーキロータ1とブレーキパッド2の間に常に一定の隙間を確保した初期位置を管理することができる。
また、ECU8には摩耗判定手段14が備えられている。摩耗判定手段14は、基準位置認識手段11により設定されたピストン5の基準位置から、ブレーキパッド2がブレーキロータ1に接触して電動モータ4の電流値が所定の値を超えるまでのピストン5の移動量が所定の移動量を超えた際に、ブレーキパッド2(ブレーキロータ1)の摩耗限界を判断する手段である。摩耗判定手段14によりブレーキパッド2の摩耗限界が判断された場合、表示点灯等の警報15に情報が送られる。
また、基準位置認識手段11で設定されたピストン5の基準位置は、ブレーキパッド2を交換する際に、ピストン5を戻すための位置となっている。このため、ECU8には、ブレーキパッド2の交換を行う際に作業者が操作する交換スイッチ(交換SW)の情報が入力される。また、ブレーキパッド2の交換が終了した際に作業者が操作する完了スイッチ(完了SW)の情報が入力される。交換SWの情報が入力されると、ピストン5が基準位置に戻され、完了SWの情報が入力されると、基準位置から再度初期位置が設定される。
図3、図4に基づいて基準位置の設定及び初期位置の設定を具体的に説明する。
図3には基準位置及び初期位置を設定するための制御処理の流れを説明するフローチャート、図4には電動モータ4の電流値(a)、電動モータ4の駆動軸7の回転角(b)、ブレーキロータ1とブレーキパッド2の隙間(c)の経時変化を説明するタイムチャートを示してある。
図3に示すように、ステップS1でバッテリが接続されたか否かが判断され、バッテリが接続されたと判断された場合(図4(a)中t1)、ステップS2で電動モータ4を逆回転させる(図4(b)中戻し方向)。ステップS1でバッテリが接続されていないと判断された場合、エンドとなる。
電動モータ4を逆回転させ、電流検出センサー10(図1参照)で検出される電動モータ4の電流値(モータ電流値Mi)が所定の電流値(モータ電流所定値MiA)を超えたか否かがステップS3で判断される。
電動モータ4の逆回転を継続し(図4(b)中戻し方向への駆動を継続し)、ステップS3でモータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超えたと判断された場合(図4(a)中t2)、ステップS4で電動モータ4を停止する。
つまり、モータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超える前に機械的にピストン5(図1参照)が移動端で停止し、電動モータ4の電流値だけが上昇するため、電動モータ4の逆回転を継続することで、モータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超えることになる。
図4(a)中のt1からt2までの間のモータ電流値Miは、起動時に一時的に電流値が上昇し、その後電動モータ4の回転と共に電流値が上昇する。このため、モータ電流所定値MiAは、起動時に一時的上昇する電流値よりも高い値に設定されている。
図3に戻り、ステップS4で電動モータ4を停止して最大戻し位置を確認し、ステップS5で回転角センサー9の検出値を初期化し、初期化した値を回転角センサー9の基準値IAとする(図4(b)参照)。つまり、バッテリを接続した際の電動モータ4(ピストン5:図1参照)の基準位置が設定される。
ステップS5で電動モータ4の基準位置が設定された後、ステップS6で電動モータ4を正回転させる(図4(a)中t3:図4(b)制動方向)。電動モータ4を正回転させ、ステップS7で電動モータ4の電流値(モータ電流値Mi)が所定の電流値(モータ電流所定値MiA)を超えたか否かが判断される。
電動モータ4の正回転を継続し(図4(b)中制動方向への駆動を継続し)、ステップS7でモータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超えたと判断された場合(図4(a)中t4)、ステップS8で電動モータ4を停止する。
つまり、モータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超える前にブレーキパッド2(図1参照)がブレーキロータ1(図1参照)に接触し(隙間ゼロ:図4(c)参照)、電動モータ4の電流値だけが上昇するため、電動モータ4の正回転を継続することで、モータ電流値Miがモータ電流所定値MiAを超えることになる。
尚、図4(a)に示すように、ステップS3の判断で用いられるモータ電流所定値MiAと、ステップS7の判断で用いられるモータ電流所定値MiAは、同一の値が適用されているが、各ステップでモータ電流所定値を異なる値に設定することも可能である。
ステップS8で電動モータ4を停止した後、ステップS9で電動モータ4を所定量である回転角Afだけ逆回転させる(図4(a)中t5:図4(b)戻し方向)。回転角Afだけ逆回転させた際の回転角センサー9の検出値が初期値SPとされ(図4(b)参照)、終了となる。
つまり、ブレーキパッド2(図1参照)がブレーキロータ1(図1参照)に接触した状態から回転角Afだけ逆回転させた分の最小限の隙間を保った際の電動モータ4(ピストン5:図1参照)の初期位置が設定される。
ブレーキパッド2(図1参照)がブレーキロータ1(図1参照)に接触した状態から電動モータ4を回転角Afだけ逆回転させて初期位置を設定しているので、ブレーキパッド2(図1参照)やブレーキロータ1(図1参照)の摩耗状態に拘わらず(個体差に拘わらず)常に一定の隙間が設定された初期位置を管理することができる。
以上の処理により、バッテリを接続した際の電動モータ4(ピストン5:図1参照)の基準位置及び初期位置が設定される。基準位置及び初期位置は、電動モータ4に接続されたピストン5(図1参照)の機械的な移動端に基づいて設定されているので、確定要素を基にした基準位置が設定されると共に、この基準位置に応じた初期位置が設定される。
図5に基づいて摩耗判定の処理を具体的に説明する。
図5にはブレーキパッド2(ブレーキロータ1)の摩耗判定の制御処理の流れを説明するフローチャートを示してある。摩耗判定の処理は、ブレーキパッド2(図1参照)がブレーキロータ1(図1参照)に接触した際に随時実施される。
ブレーキパッド2(図1参照)がブレーキロータ1(図1参照)に接触して制動時とされた際に、ステップS11で回転角センサー9の値PAが読み込まれる。回転角センサー9の値PAが読み込まれると、ステップS12で回転角センサー9の値PAと、回転角センサー9の基準値IAとの差が摩耗判定値Weを超えたか否かが判断される。
つまり、ブレーキロータ1(図1参照)に接触した際のブレーキパッド2(図1参照)の位置(移動量)が電動モータ4の基準位置に対して増加して離れているか否かが判断される。
ステップS12で回転角センサー9の値PAと基準値IAとの差が摩耗判定値Weを超えたと判断された場合、ブレーキロータ1(図1参照)に接触する際のブレーキパッド2(図1参照)の移動量が増加していると判断され、ブレーキパッド2(図1参照)の摩耗が生じていると判定される。ステップS12でブレーキパッド2(図1参照)の摩耗が生じていると判定されると、ステップS13で警報15に情報が送られ、終了となる。
このため、電動モータ4(ピストン5:図1参照)の基準位置の情報、即ち、回転角センサー9の基準値IAに基づいてブレーキパッド2(図1参照)の摩耗限界を判定することができ、確定要素を基にした基準位置に応じて的確にブレーキパッド2(図1参照)の摩耗を把握することができる。
警報15が発せられた場合、ブレーキパッド2(ブレーキロータ1:図1参照)を交換することになる。この場合、電動モータ4(ピストン5:図1参照)を基準位置に戻して実施する。これにより、ブレーキロータ1(図1参照)とブレーキパッド2(図1参照)の隙間を充分に確保することができると共に、交換後の電動モータ4(ピストン5:図1参照)の初期位置の設定が容易になる。
尚、警報15の態様としては、摩耗の程度(回転角センサー9の値PAと基準値IAとの差)により、走行距離や点検日時を細かく表示することも可能である。また、回転角センサー9の検出値の連続性を監視することで、電気ブレーキの異常を警報15の情報として発することができる。
図6に基づいてブレーキパッド2の交換時の処理を具体的に説明する。
図6にはブレーキパッド2の交換時の制御処理の流れを説明するフローチャートを示してある。交換の処理は、摩耗限界が判断された際に実施され、処理が終了した後は図3のステップS6に移行して電動モータ4(ピストン5:図1参照)の初期位置が設定される。
ブレーキパッド2(図1参照)の交換を行う際に作業者が交換SWを操作してONにしたか否かがステップS21で判断される。交換SWがONにされたと判断された場合、ステップS22で電動モータ4を逆回転させる。電動モータ4を逆回転させ、ステップS23で回転角センサー9の検出値が基準値IAになったか否かが判断される。つまり、電動モータ4(ピストン5:図1参照)が基準位置に戻されたか否かが判断される。尚、ここでは、モータ電流値Miとモータ電流所定値MiAとの比較を併用して判断することも可能である。
ステップS23で電動モータ4(ピストン5:図1参照)が基準位置に戻されたと判断された後、ブレーキパッド2(図1参照)の交換作業が実施される。作業者により交換作業実施の完了SWが操作(ON)されたことがステップS24で確認され、図3のステップS6に移行して電動モータ4(ピストン5:図1参照)の初期位置が設定される。ブレーキパッド2(図1参照)が交換されると、電動モータ4(ピストン5:図1参照)の初期位置が基準位置から再度設定される。
このため、消耗品であるブレーキパッド2(図1参照)の交換が容易になり、その後の電動モータ4の初期位置の設定も容易に行うことができる。また、市販摩擦材や中古摩擦材を使用した際にも正確な摩耗判定を行うことができる。
従って、バッテリが接続された際に、新たな部品を用いることなく確定要素に基づいて電動モータ4の基準位置を設定することができ、部品等の個体差に拘わらず電気ブレーキの制御をスムーズに行うことができる。また、基準位置に応じて電動モータ4の初期位置を設定するので、新たな部品を用いることなく確定要素に基づいてブレーキロータ1とブレーキパッド2の隙間を的確に保つことができ、ブレーキの引きずりをなくして燃費の向上や装置の劣化を防止することができる。
上述した電気ブレーキ装置は、検出装置等の部品を追加することなく、電動モータ4のピストン5の基準位置を確定要素を基にして簡単に設定することができる。特に、ブレーキパッド2やブレーキロータ1といった消耗品の交換作業位置等として適用できるようにピストンの基準位置を設定することができる。
本発明は、電動アクチュエータにより制動力を発生させる電気ブレーキ装置の産業分野で利用することができる。
1 ブレーキロータ
2 ブレーキパッド
3 キャリパー
4 電動モータ
5 ピストン
6 ナット部材
7 駆動軸
8 コントロールユニット(ECU)
9 回転角センサー
10 電流検出センサー
11 基準位置認識手段
12 電気ブレーキ駆動手段
13 初期位置設定手段
14 摩耗判定手段
15 警報

Claims (5)

  1. 電動アクチュエータのピストンの駆動によりブレーキパッドをブレーキロータに押圧して制動力を得る電気ブレーキ装置において、
    バッテリと前記電動アクチュエータを接続した際に、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータから離反する状態に前記ピストンを駆動させ、前記電動アクチュエータの電流の状態に基づいて前記ピストンの移動端を認識し、認識した前記移動端を前記ピストンの基準位置とする基準位置認識手段を備えた
    ことを特徴とする電気ブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の電気ブレーキ装置において、
    前記基準位置認識手段により前記ピストンの基準位置が認識された後、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接近する状態に前記ピストンを駆動させ、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接触した際の前記電動アクチュエータの電流値が所定の値を超えた際に前記ピストンの駆動を停止させ、前記ピストンの駆動を停止させた後に前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータから離反する状態に前記ピストンを所定量駆動させ、所定量駆動させた位置を前記ピストンの初期位置とする初期位置設定手段を備えた
    ことを特徴とする電気ブレーキ装置。
  3. 請求項2に記載の電気ブレーキ装置において、
    前記基準位置認識手段により設定された前記ピストンの基準位置は、前記ブレーキパッドを交換する際に、前記ピストンを戻すための位置である
    ことを特徴とする電気ブレーキ装置。
  4. 請求項3に記載の電気ブレーキ装置において、
    前記基準位置認識手段により設定された前記ピストンの基準位置から、前記ブレーキパッドが前記ブレーキロータに接触して前記電動アクチュエータの電流値が所定の値を超えるまでの前記ピストンの移動量が所定の移動量を超えた際に、前記ブレーキパッドの摩耗限界を判断する摩耗判定手段を備えた
    ことを特徴とする電気ブレーキ装置。
  5. 請求項4に記載の電気ブレーキ装置において、
    前記電動アクチュエータは駆動軸が正逆回転することにより前記ピストンが往復移動する電動モータであり、
    前記駆動軸の回転角を検出する回転角検出手段を備え、
    前記回転角検出手段の検出値に基づいて前記ピストンの移動量を設定する
    ことを特徴とする電気ブレーキ装置。
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