JP4959414B2 - 画像処理装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は画像処理装置、方法及びプログラムに係り、特に、照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、前記電荷を電流として読み出すことで得られた画像に対して補正を行う画像処理装置、該画像処理装置に適用可能な画像処理方法、及び、コンピュータを前記画像処理装置として機能させるための画像処理プログラムに関する。
医療診断を目的とした放射線撮影において、被写体を透過した放射線を、放射線に感度を有する光電変換層を備えた放射線画像検出器に照射し、放射線画像検出器への照射放射線量に応じて放射線画像検出器に蓄積された電荷を、読み出しの単位領域毎に電流として順次読み出し、読み出した電流をデジタルデータへ変換することで、デジタルの放射線画像を得るシステムが知られている。この種の放射線画像検出器では、或る単位領域の電荷の読出時に、電荷未読出の単位領域からのリーク電流が読出電流に重畳される現象が生じ、この現象により読み出した画像の画質劣化が引き起こされるという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1には、X線変換層で変換された電荷を蓄積するコンデンサと、当該コンデンサに蓄積された電荷をオンオフの切り替えで読み出す薄膜トランジスタ(TFT)から成る単位領域が2次元状に配列されると共に、複数のゲートライン及び複数の信号線が2次元状に配列された構成において、全単位領域から電荷を読み出した後に、特定単位領域の電荷読出時のリーク電流として、特定単位領域と同一のデータラインに接続され、特定単位領域の電荷読出時点で電荷未読出状態の各単位領域の信号レベルを全て加算して係数Aを乗じた値を求め、求めたリーク電流値に基づいて特定単位領域の信号レベルを補正することを、全ての単位領域について各々行うことで、リーク電流の影響を除去した画像を得る技術が開示されている。
特開2006−304213号公報
しかしながら、放射線画像検出器における個々の単位領域からのリーク電流は、本願発明者が実施した実験により、時間経過に伴って減衰することが明らかとなった(詳細は後述)。これに対して特許文献1の技術は、上述した時間経過に伴って減衰するリーク電流の変化について考慮されておらず、リーク電流の影響に対する補正精度が不足しているという問題がある。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、放射線画像検出器からの読出電流に重畳するリーク電流の影響をより精度良く補正できる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを得ることが目的である。
本願発明者は、放射線画像検出器からの画像の読出時(照射された放射線に応じて放射線画像検出器に蓄積・保持されている電荷を電流として単位領域毎に順に読み出す際)に読出電流に重畳されるリーク電流の特性を確認するために、光が照射されると、光が照射された箇所に対応する単位領域に保持されている電荷が電流として出力される構成の放射線画像検出器(光読取方式の放射線画像検出器)を用い、当該放射線画像検出器に所定の放射線量の放射線を照射した後に、画像(電荷)読み出しのための読出光を照射していない状態で、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を流れる電流を一定時間に亘って測定する実験を、互いに異なる照射放射線量について各々行った。この実験の結果を図1に示す。
上記の実験では、光読取方式の放射線画像検出器に読出光を照射していないので、信号線を流れる電流は本来は0となる。しかし、図1からも明らかなように、実際には照射放射線量に応じた大きさのリーク電流が信号線を流れると共に、当該リーク電流の大きさが時間の経過に伴って徐々に低下する(図1では図示を省略しているが、上記リーク電流の大きさは0に近づいていき最終的には0になる)ことが上記実験によって観測された。なお、図1では読出電流と同方向のリーク電流を"+"、逆方向のリーク電流を"−"の符号で表している。上記電流は、放射線画像検出器の各単位領域のうち、電流の測定を行った信号線に対応する各単位領域からのリーク電流の総和と見なすことができる。
本願発明者は、上記の実験によって得られた電流の変化パターンが、電流の本来の値(すなわち0)との差が大きいときには電流の変化の傾きが大きく、電流の本来の値との差が小さくなるに従って電流の変化の傾きも小さくなっている、すなわち電流の変化が電流の本来の値との差に比例しているように見える変化パターンを示していることを見出し、読出電流に重畳される電流の大きさは、リーク電流発生時点(例えば放射線画像検出器が光読取方式であれば、放射線画像検出器への高電圧の印加を停止した時点)からの経過時間を変数とする単一の指数関数(特に自然対数の底e(ネイピア数ともいう)を底とする指数関数expX)又は複数の指数関数(特に指数関数expX)の和によって精度良く近似(推定)可能であることに想到した。そして本願発明者は、各単位領域におけるリーク電流の総和(重ね合わせ)が単一の指数関数(特に指数関数expX)又は複数の指数関数(特に指数関数expX)の和によって精度良く近似(推定)可能であることから、個々の単位領域におけるリーク電流も単一の指数関数(特に指数関数expX)又は複数の指数関数(特に指数関数expX)の和によって精度良く近似(推定)可能であることに想到した。
また、本願発明者は、リーク電流発生時点より、放射線画像検出器からの画像(電荷)の読み出しを開始する迄の時間はおよそ一定であることが多いことから、上記の指数関数は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする指数関数で代替することも可能であること、及び、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合、対象単位領域の所定方向に沿った位置は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間におよそ対応していることから、上記の指数関数は、対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする指数関数で代替することも可能であることに想到した。更に本願発明者は、上記のリーク電流は、個々の単位領域に保持されている電荷が電流として漏れ出すことが原因であり、放射線画像検出器のうち電荷の読み出しを完了した単位領域は、電荷を保持していないためにリーク電流が生じないこと、電荷未読出状態の単位領域におけるリーク電流は対応する信号線を介して出力されること、及び、光読取方式以外の構成の放射線画像検出器(例えばTFT方式の放射線画像検出器)についても、個々の単位領域の電荷を保持しておくための電気抵抗が無限大ではないので上記の知見が成り立つことに想到した。
上記知見に基づき請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行う補正手段を備えている。
請求項1記載の発明では、照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って放射線画像検出器に設けられた信号線を介し電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データを処理対象としている。上記の放射線画像検出器としては光読取方式の放射線画像検出器(請求項7に記載した放射線画像検出器)が好適であるが、TFT方式等の他の構成の放射線画像検出器を適用することも可能である。
また、請求項1記載の発明に係る補正手段は、放射線画像検出器から任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、所定方向に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定する。
上記において、所定方向に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)は、放射線画像検出器から対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていたリーク電流Ijを発生していた単位領域であり、補正手段は、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定するので、時間経過に伴って減衰するリーク電流の変化も考慮されることで、単位領域j(j=1,2,…)からのリーク電流Ijを各々精度良く推定することができる。
そして補正手段は、上述したリーク電流の推定結果に基づいて画像データのうち対象単位領域に対応するデータを補正するので、対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていたリーク電流の影響が除去されるように、対象単位領域に対応するデータを精度良く補正することができる。更に、補正手段は、上記のように単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流を推定し、リーク電流の推定結果に基づいて画像データのうち対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行うので、画像データのうち個々の単位領域に対応するデータを、個々の単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていたリーク電流の影響が除去されるように各々精度良く補正することができる。従って、請求項1記載の発明によれば、放射線画像検出器から読み出した画像に対し、放射線画像検出器からの読出電流に重畳するリーク電流の影響をより精度良く補正することができる。
なお、請求項1記載の発明において、リーク電流推定式としては、例えば請求項2に記載したように、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成る推定式を用いることができる。
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、リーク電流推定式としては、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式を用いることができ、この場合、補正手段は、より詳しくは、例えば請求項に記載したように、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式として、
Ij=Aj・exp(−αt)
(但し、tは単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、Ajは主に単位領域jの電荷量に依存する係数、αは定数)を用いて、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定するように構成することができる。これにより、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々精度良く推定することができる。
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、リーク電流推定式としては、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式を用いることも可能であり、この場合、補正手段は、より詳しくは、例えば請求項に記載したように、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式として、
Ij=ΣAjk・exp(−αkt)
(但し、tは単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、Ajkは主に単位領域jの電荷量に依存するk個の係数、αkはk個の定数)を用いて、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定するように構成することができる。この場合も単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々精度良く推定することができる。
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、リーク電流推定式としては、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式を用いることも可能であり、この場合、補正手段は、より詳しくは、例えば請求項にも記載したように、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式として、
Ij=Aj・exp(−αy)
(但し、yは電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置、Ajは主に単位領域jの電荷量に依存する係数、αは定数)を用いて、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定するように構成することができる。この場合も単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々精度良く推定することができる。
更に、請求項1又は請求項2記載の発明において、リーク電流推定式としては、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式を用いることも可能であり、この場合、補正手段は、より詳しくは、例えば請求項にも記載したように、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式として、
Ij=ΣAjk・exp(−αky)
(但し、yは電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置、Ajkは主に単位領域jの電荷量に依存するk個の係数、αkはk個の定数)を用いて、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定するように構成することができる。この場合も単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々精度良く推定することができる。
また、請求項1〜請求項の何れかに記載の発明において、補正手段によるリーク電流の推定結果に基づく対象単位領域に対応するデータの補正は、より詳しくは、例えば請求項に記載したように、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定した後に、単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを積分又は積算することで、対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた全リーク電流Iを求め、求めた全リーク電流Iに基づいて画像データのうち対象単位領域に対応するデータを補正することによって実現できる。
また、請求項1〜請求項の何れかに記載の発明において、放射線画像検出器は、例えば請求項に記載したように、信号線として、所定方向に交差する方向に沿って配列された複数の読出用電極が設けられ、光が照射されることで、光が照射された箇所に対応する単位領域に保持されている電荷量に対応する電荷が、対応する読出用電極を介し電流として出力される構成(すなわち光読取方式の放射線画像検出器)であってもよく、この場合、放射線画像検出器への光の照射箇所を所定方向に沿って走査させることで、放射線画像検出器に保持されている電荷の読み出しを行うことができる。
請求項記載の発明に係る画像処理方法は、照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行うので、請求項1記載の発明と同様に、放射線画像検出器からの読出電流に重畳するリーク電流の影響をより精度良く補正することができる。
請求項10記載の発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータを、照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行う補正手段として機能させる。
請求項10記載の発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータを上記の補正手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項10記載の発明に係る画像処理プログラムを実行することで、コンピュータが請求項1に記載の画像処理装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、放射線画像検出器からの読出電流に重畳するリーク電流の影響をより精度良く補正することができる。
以上説明したように本発明は、放射線画像検出器から所定方向に沿って設けられた信号線を介して単位領域毎に順次電荷を読み出すことで得られた画像データに対し、対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、所定方向に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の対象単位領域の所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて画像データのうち対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行うようにしたので、放射線画像検出器からの読出電流に重畳するリーク電流の影響をより精度良く補正できる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図2には本実施形態に係る放射線画像撮影装置10が示されている。放射線画像撮影装置10は、エックス線(X線)等の放射線を発生する放射線発生部12と、放射線発生部12と間隔を隔てて設けられた放射線検出部14を備えている。放射線発生部12と放射線検出部14の間は、撮影時に被写体16が位置する撮影位置とされ、放射線発生部12から射出され、撮影位置に位置している被写体16を透過することで画像情報を担持した放射線は放射線検出部14に照射される。
放射線検出部14は放射線画像検出器を含んで構成されている。放射線画像検出器は、放射線の照射を受けることで導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備え、画像情報を担持している放射線の照射を受けて静電記録部に画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。放射線画像検出器としては、静電記録部に記録した画像情報を、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用して読み取る光読取方式の放射線画像検出器や、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を1単位領域ずつオンオフすることで読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線画像検出器などがある。以下、光読取方式の放射線画像検出器を例にその構成を説明する。
図3に示すように、光読取方式の放射線画像検出器20は、放射線発生部12からの放射線(後述する読取光を区別するため記録光と称する)に対して透過性を有する第1の電極層22、第1の電極層22を透過した記録光が照射されると電荷対を発生して導電性を呈する記録用光導電層28、読取光が照射されると電荷対を発生して導電性を呈する読取用光導電層32、第1の透明線状電極38Aと第2の透明線状電極38Bと遮光膜38Cと絶縁層38Dとから成る第2の電極層38、及び、読取光に対して透過性を有する基板40が順に設けられて構成されている。なお第2の透明線状電極38Bは本発明に係る信号線に対応している。また、放射線画像検出器20の基板40側には、図4にも示すように、放射線画像検出器20に読取光を照射するためのライン光源54が設けられている。
また、第1の電極層22と記録用光導電層28の間には、第1の電極層22からの電子注入を抑制する電子注入阻止層24と、記録用光導電層の結晶化を抑制する結晶化防止層26が順に設けられており、読取用光導電層32と第2の電極層38の間には、読取用光導電層32の結晶化を抑制する結晶化防止層34と、高電圧印加時の透明線状電極38A,38Bからの正孔注入を抑制する正孔注入阻止層36が順に設けられている。そして、記録用光導電層28と読取用光導電層32との界面には、記録用光導電層28内で発生した放射線画像を担持する潜像極性電荷を蓄積する2次元状に分布した蓄電部30が形成されている。
なお、放射線画像検出器20の大きさ(面積)は、例えば20cm×20cm以上、特に胸部撮影用の場合は有効サイズ43cm×43cm程度とすることができる。また、正孔注入阻止層36は代表的な材料としてCeO2、ZnS等で構成することができる。これらは、単層のみならず、正孔阻止能力の強化のため(暗電流低減のため)多層に積層するのが好ましい。また、正孔注入阻止層36の厚さは20nm以上100nm以下が望ましい。また、電子注入阻止層24はSb2S3や有機物系の化合物等の材料で構成することができる。電子注入阻止層24も単層のみならず多層に積層してもよい。また、結晶化防止層26,307としては、結晶化温度の高いSe−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物等2元系あるいはSe−Ge−Sb、Se−Ge−As、Se−Sb−As等の3元系を用いるのが最適である。
また、記録用光導電層28としてはa-Se(アモルファスセレン)を主成分とする光導電性物質が適当であり、記録用光導電層28の厚さは、記録光を十分に吸収できるようにするために50μm以上1000μm以下が好ましい。また、読取用光導電層32としては、例えば第1の電極層22に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きいClを10〜200ppmドープしたa−Seや、Se−Ge,Se−Sb,Se−As等のSeを主成分とする光導電性物質が好適である。読取用光導電層32の厚さは記録用光導電層28の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/100以下等にするのが好ましい。
なお、上記各層の材料は、第1の電極層22に負電荷を、第2の電極層38の透明線状電極38A,38Bに正電荷を帯電させて、記録用光導電層28と読取用光導電層32との界面に形成される蓄電部30に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積させると共に、読取用光導電層32を、潜像極性電荷としての負電荷の移動度よりも、その逆極性となる輸送極性電荷としての正電荷の移動度の方が大きい、所謂正孔輸送層として機能させる場合に好適な一例であるが、これらは、それぞれが逆極性の電荷であっても良く、このように極性を逆転させる際には、正孔の輸送層として機能する読取用光導電層を電子輸送層として機能する読取用光導電層に変更する等の若干の変更を行なうだけでよい。また、読取用光導電層32をa−Seを主成分とする層とし、蓄電部30としてAs2Se3、GeSe、GeSe2、Sb2Se3層を設けるようにしてもよい。
第1の電極層22及び第1の透明線状電極38Aとしては、それぞれ記録光或いは読取光に対して透過性を有するものであればよく、例えば可視光に対して透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜として周知のSnO2、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、或いはエッチングのし易いアモルファス状光透過性酸化金属であるIDIXO(Indium X-metal Oxide;出光興産(株))等の酸化金属を50〜200nm厚程度、好ましくは100nm厚以上にして用いることができる。また、記録光としてX線を使用し、第1の電極層22側から該X線を照射して放射線画像を記録する場合、第1の電極層22の可視光に対する透過性が不要となることから、該第1の電極層22は、例えば100nm厚のAlやAu等の純金属を用いて形成するようにしてもよい。
第2の電極層38の第1の透明線状電極38Aは、単位領域ピッチでストライプ状に配列されており、単位領域ピッチは、医療用X線撮影において高い鮮鋭度を維持しつつ高S/N比を実現するために、50〜250μm程度にすることができる。また、この単位領域ピッチの範囲内で、第1の透明線状電極38Aの幅は10〜200μm程度にすることができる。また、第2の電極層38の第2の透明線状電極38Bは、記録用光導電層28と読取用光導電層32との界面に形成される蓄電部30に蓄積された潜像極性電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力するための導電部材として設けられており、第1の透明線状電極38Aと同様にストライプ状に配列されている。第2の電極層38の電極をストライプ状とすることで、ストラクチャノイズの補正を簡便にしたり、容量を低減することで画像のS/N比を向上させたり、並列読取り(主に主走査方向)を行なって読出時間の短縮を図ることができる。
また、第2の電極層38には、第2の透明線状電極38Bと第1の透明線状電極38Aとが交互に平行に配置されるように配列されている。第2の透明線状電極38Bとしては、上述の光透過性金属薄膜を用いることが好ましい。この場合、1回のリソグラフィー工程で、第1の透明線状電極38Aと第2の透明線状電極38Bのパターニングを同時に形成できる。この場合は、基板40上の各第2の透明線状電極38Bに対応する部分に、読取光の第2の透明線状電極38Bへの照射強度が読取光の第1の透明線状電極38Aへの照射強度よりも小さくなるように光透過性の劣る部材から成る遮光膜38Cを設け、読取光に対する透過率Pcを10%以下にする、すなわち遮光性を持たせることができ、第2の透明線状電極38Bに対応する読取用光導電層32内では、信号取出しのための電荷対を発生させないようにすることができる。そして、上記第1の透明線状電極38A及び第2の透明線状電極38Bは、その上に100nm以下の薄膜の正孔注入阻止層36が形成される。また、各第1の透明線状電極38Aと各第2の透明線状電極38Bとは電気的に絶縁されるように所定の距離が保たれている。
なお、放射線画像検出器20においては、第2の透明線状電極38Bの幅Wcを第1の透明線状電極38Aの幅Wbよりも広くすると共に、第1の透明線状電極38Aの読取光に対する透過率Prb、第2の透明線状電極38Bの読取光に対する透過率Prcが、条件式(Wb×Prb)/(Wc×Prc)≧5を満足するように設定することが望ましい。この場合、第2の透明線状電極38Bの幅Wcを第1の透明線状電極38Aの幅Wbよりも広くしたことに合わせて、静電潜像の記録時には、第1の透明線状電極38Aと第2の透明線状電極38Bとを接続し、第2の透明線状電極38Bを電界分布の形成に積極的に利用するようにする。このように第1の透明線状電極38Aと第2の透明線状電極38Bとを接続して記録を行うと、潜像極性電荷は、第1の透明線状電極38Aに対応する位置だけでなく、第2の透明線状電極38Bに対応する位置にも蓄積され、読取時に第1の透明線状電極38Aを通して読取用光導電層32に読取光が照射されると、第1の透明線状電極38Aを挟む2本の第2の透明線状電極38Bの上空部分の潜像極性電荷が2本の第2の透明線状電極38Bを介して順次読み出される。従って、この場合、第1の透明線状電極38Aに対応する位置が単位領域の中心となり、この第1の透明線状電極38Aを挟む両側の第2の透明線状電極38Bの各半分までが、第1の透明線状電極38A、第2の透明線状電極38Bの並び方向の1単位領域となる。また、第1の透明線状電極38A及び第2の透明線状電極38Bよりも良導電性の導電部材をバスラインとして、各第1の透明線状電極38A毎及び第2の透明線状電極38B毎に、その長さ方向に延設することが望ましい。
遮光膜38Cは必ずしも絶縁性を有している材料でなくてもよく、遮光膜38Cの比抵抗が2×10−6Ω・cm以上(さらに好ましくは1×1015Ω・cm以下)となる材料を使用することができる。例えば金属材料であればAl、Mo、Cr等を用いることができ、無機材料であればMoS2、WSi2、TiN等を用いることができる。なお、遮光膜38Cの比抵抗が1Ω・cm以上となる材料を使用するとより好ましい。また、遮光膜38Cとして金属材料等の導電性の材料を使用したときには、遮光膜38Cと第2の透明線状電極38Bとの直接接触を避けるため両者の間に絶縁物を配する。本実施形態の放射線画像検出器20は、この絶縁物として、読取用光導電層32と基板40との間にSiO2等から成る絶縁層38Dを設けている。この絶縁層38Dの厚さは、0.01〜10μm程度がよい。遮光膜38Cを形成するときには、読取光の第1の透明線状電極38Aへの照射強度をUb、第2の透明線状電極38Bへの照射強度をUcとしたとき、Ub/Uc≧5を満足するような厚さにすることが望ましい。なお、上式の右辺は、好ましくは8、更には12とすると一層好ましい。
また、第1の透明線状電極38Aと第2の透明線状電極38Bとの間隙をWbcとしたとき、遮光膜38Cの幅WdがWc≦Wd≦(Wc+2×Wbc)を満足するようにすることが望ましい。この条件式は、遮光膜38Cが少なくとも第2の透明線状電極38Bを完全にカバーし、かつ読取光の透過部分として少なくとも第1の透明線状電極38Aの幅Wb分だけ確保し、第1の透明線状電極38Aに対応する部分には遮光膜38Cが掛からないようにすることを示している。ただし、第2の透明線状電極38Bの幅Wc分だけでは遮光が不十分であり、また読取光の透過部分が第1の透明線状電極38Aの幅Wb分だけでは第1の透明線状電極38Aに到達する読取光が不十分になる恐れがあるので、(Wc+Wbc/2)≦Wd≦(Wc+Wbc)を満足するようにする方が好ましい。
なお、上述した放射線画像検出器20は、本発明に係る放射線画像検出器(より詳しくは請求項に記載の放射線画像検出器)に対応している。
また、図2に示すように、放射線発生部12及び放射線検出部14は制御装置50に各々接続されている。制御装置50は、CPU、RAM等から成るメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等から成る不揮発性の記憶部50A(記憶部50A以外は図示を省略する)を備えたコンピュータと、このコンピュータに接続された周辺回路を含んで構成されており、記憶部50Aに記憶された所定のプログラムがコンピュータのCPUによって実行され、コンピュータと周辺回路が協働することで、放射線発生部12における放射線の発生を制御する放射線発生制御部66として機能すると共に、放射線画像検出器20からの画像情報の読み出しを行う画像読出部68として機能する。なお、制御装置50には、放射線画像を表示するためのディスプレイ52も接続されている。
図4に示すように、画像読出部68は前述したライン光源54を含んで構成されている。ライン光源54は、放射線画像検出器20における第2の透明線状電極38B(及び第1の透明線状電極38A)の配列方向(主走査方向)に沿って多数個のLED(例えばB光を射出するLED)が配列されて構成されており、放射線画像検出器20からの画像情報の読み出し時には、画像読出部68の一部である駆動回路(図示省略)によって多数個のLEDが各々点灯され、放射線画像検出器20の基板40側の面にライン状の読取光を照射する。またライン光源54は、画像読出部68の一部である図示しない移動機構により、第2の透明線状電極38Bの延長方向(副走査方向(読出方向):図4の矢印A方向)に沿って放射線画像検出器20の基板40側の面上を移動可能に支持されており、放射線画像検出器20からの画像情報の読み出し時には、前述した移動機構によって一定の移動速度で副走査方向に移動(副走査)される。これにより、ライン状の読取光が放射線画像検出器20の基板40側の面の全面に順に照射される。
また画像読出部68は、放射線画像検出器20の互いに異なる第2の透明線状電極38Bに各々接続された多数個のチャージアンプ56と、放射線画像検出器20への放射線の照射時にチャージアンプ56を介して個々の第2の透明線状電極38Bと基板40の間に高電圧を印加する高電圧電源58と、多数個のチャージアンプ56の出力端に各々接続され何れかのチャージアンプ56から入力された電気信号を選択的に出力するマルチプレクサ(MPX)60と、マルチプレクサ60の出力端に接続されマルチプレクサ60を介して入力された電気信号をデジタルデータへ変換して出力するA/D変換器62を含んで構成されている。
放射線画像検出器20では、高電圧電源58による高電圧の印加が停止されている状態で、ライン光源54から射出されたライン状の読取光が照射されると、蓄電部30に蓄積された潜像極性電荷として放射線画像検出器20に記録されている画像情報のうち、読取光が照射された部分に記録されている1ライン分の画像情報が、個々の第2の透明線状電極38Bを介し、各単位領域毎に前記潜像極性電荷の量に応じたレベルの電気信号として出力される。マルチプレクサ60は、個々の第2の透明線状電極38Bを介して出力されチャージアンプ56によって増幅された電気信号がA/D変換器62へ順に出力されるように、A/D変換器62へ出力する電気信号を順に切り替える。これにより、A/D変換器62からは1ライン分の画像データが順に出力される。そして、ライン光源54から射出されたライン状の読取光が放射線画像検出器20の基板40側の全面に照射される迄の間、上記処理が繰り返されることで、放射線画像検出器20に記録された画像一面分の画像情報が画像データとして全て読み出される。
また、制御装置50の記憶部50Aには画像処理プログラムも記憶されており、当該画像処理プログラムがCPUによって実行されることで、制御装置50は図4に示す画像処理部70としても機能する。なお、当該画像処理プログラムが実行されることで実現される画像処理部70は本発明に係る画像処理装置に対応している。また、上記の画像処理プログラムには、後述するリーク電流補正処理を行うためのリーク電流補正プログラムが含まれており、このリーク電流補正プログラムは本発明に係る画像処理プログラムに対応している。
次に本実施形態の作用を説明する。図5(A)には、放射線画像検出器20の個々の単位領域に蓄積・保持される電荷(潜像極性電荷)の推移を示す。図5(A)に示すように、放射線画像検出器20の個々の単位領域の電荷は当初0とされているが、高電圧電源58によって高電圧が印加されている状態で、画像情報を担持した放射線が照射されると、照射放射線量に応じた電荷量の電荷が記録用光導電層28で発生され、当該電荷が個々の単位領域に蓄積・保持される。また、放射線画像検出器20から画像を読み出すために高電圧電源58による高電圧の印加が停止されると、本願発明者が行った実験の結果からも明らかなように、個々の単位領域において、時間の経過に伴って徐々に減衰するリーク電流が発生し(図5(B)参照)、このリーク電流が他の単位領域の電荷を読み出す際の読出電流に重畳する。また、このリーク電流の発生に伴って個々の単位領域に蓄積・保持されている電荷も徐々に低下する。そして、画像読み出しが進行し電荷未読出の特定単位領域から電荷が読み出されると、特定単位領域の電荷が0になり、特定単位領域におけるリーク電流も0となる。
上述したように、放射線画像検出器20の個々の単位領域でリーク電流が発生している期間は、高電圧の印加が停止されてから個々の単位領域に蓄積・保持されている電荷が読み出される迄の間であり、個々の単位領域で発生したリーク電流は、放射線画像検出器20に設けられた多数の第2の透明線状電極38のうち、個々の単位領域に対応する第2の透明線状電極38を流れる読出電流に重畳される。このため、図6にも示すように、第2の透明線状電極38を介して特定単位領域(図6では「対象単位領域」と表記)の電荷を読み出す場合、読出電流には、放射線画像検出器20の各単位領域のうち、ライン光源54の移動方向(副走査方向)に沿って特定単位領域と同一の信号線上に位置しており(特定単位領域と同一の第2の透明線状電極38に対応しており)、かつ特定単位領域の電荷読出時に電荷未読出状態の単位領域(図6にハッチングで示す単位領域)からのリーク電流が重畳される。なお、図6では個々の単位領域を「□」で示しているが、これは個々の単位領域の位置を模式的に示したものであり、個々の単位領域に蓄積・保持されている電荷として電荷を読み出す領域は、「□」で示す範囲とは必ずしも一致しないことを付記しておく。
このため、画像処理部70は、画像読出部68によって放射線画像検出器20から読み出された画像データが入力されると、入力された画像データに対して以下で説明するリーク電流補正処理を行った後に、リーク電流補正処理を経た画像データをディスプレイ52へ出力することで、当該画像データが表す放射線画像をディスプレイ52に表示させる。以下、図7を参照しリーク電流補正処理について説明する。なお、このリーク電流補正処理は本発明に係る画像補正方法が適用された処理であり、本発明に係る補正手段(より詳しくは請求項に記載の補正手段)に対応している。
リーク電流補正処理では、まずステップ100において、放射線画像検出器20上でのリーク電流補正対象の単位領域の位置(座標)を表す変数xi及び変数yiに各々1を代入する。なお、本実施形態において、変数xは主走査方向に沿った位置(X座標値)を表し、変数yは副走査方向に沿った位置(Y座標値)を表す(図6も参照)。次のステップ102では対象単位領域の値Q(xi,yi)を読出画像(入力画像データ)から取り込む。またステップ104では、参照単位領域の位置(X座標値)を表す変数xとして変数xiを設定し、参照単位領域の位置(Y座標値)を表す変数yとして変数yiに1を加算した値を設定する。この場合、対象単位領域に対して副走査方向下流側の1番目の単位領域が、変数x,yによって規定される参照単位領域となる。また、対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)として、ステップ102で取り込んだ対象単位領域の値Q(xi,yi)を設定する。次のステップ106では、変数yの値が最大値(副走査方向に沿った放射線画像検出器20の単位領域の総数)よりも大きいか否か判定する。判定が否定された場合はステップ108へ移行し、読出画像(入力画像データ)から座標(x,y)の単位領域、すなわち参照単位領域の値Q(x,y)を取り込む。
また本実施形態では、リーク補正処理に使用するリーク電流補正用データが制御装置50の記憶部50Aに予め記憶されている。本実施形態では、対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)を次の(1)式に従って更新することで、読出電流に重畳していた参照単位領域におけるリーク電流の影響を補正する。
Q'(xi,yi)←Q'(xi,yi)+Aexp(−αt) …(1)
なお、上記の(1)式において、tは放射線画像検出器20への高電圧の印加が停止されてから対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間、Aは参照単位領域から読み出した電荷量(参照単位領域の値Q(x,y))に依存する係数、αは時定数である。(1)式の右辺第2項は参照単位領域におけるリーク電流を表し、本発明に係るリーク電流推定式(より詳しくは請求項に記載のリーク電流推定式)に対応している。また、図1にも示すように、本実施形態ではリーク電流が読出電流と逆向きの電流である(電荷読み出し時の読出電流がリーク電流分だけ小さくなる)ことから、リーク電流推定式として、(1)式の右辺第2項を右辺第1項に加算する数式を用いているが、リーク電流が読出電流と同じ向きであれば、リーク電流推定式として、(1)式の右辺第2項を右辺第1項から減算する数式を用いればよい。リーク電流補正用データには、上記の(1)式と、時定数αと、参照単位領域の値Q(x,y)の値が各値のときの係数Aの値が対応付けて登録されたLUT(ルックアップテーブル)が含まれている。
図5(B)に示す「照射放射線量:大」の場合のリーク電流の推移と、「照射放射線量:小」の場合のリーク電流の推移を比較しても明らかなように、放射線画像検出器20の個々の単位領域におけるリーク電流の大きさは、個々の単位領域への照射放射線量、すなわち個々の単位領域の電荷量に応じて相違している。(1)式における係数Aは、(1)式の右辺第2項が表す参照単位領域におけるリーク電流の大きさを、参照単位領域の電荷量(参照単位領域の値Q(x,y))に応じて変化させるための係数であり、上記のLUTに設定するデータは、例えば本願発明者が行った実験のように、照射放射線量が各値のときのリーク電流(の総和)の変化パターンを各々測定し、照射放射線量(参照単位領域の電荷量=参照単位領域の値Q(x,y))と参照単位領域におけるリーク電流の大きさとの関係を求めることで得ることができる。また、本実施形態では時定数αとして一定の値を用いているが、上記の測定を行った結果、リーク電流の減衰速度が照射放射線量に応じて大きく変化していた(強い相関があった)場合は、係数Aと同様に時定数αも参照単位領域の電荷量(参照単位領域の値Q(x,y))に応じて変化させるようにしてもよい。
ステップ110では、リーク電流補正用データのうち係数Aの値を規定するLUTを制御装置50の記憶部50Aから読み出してメモリに記憶させ、参照単位領域の値Q(x,y)に対応する係数Aの値をメモリに記憶させたLUTから取得する。またステップ112では、リーク電流補正用データのうちの時定数αの値を記憶部50Aから読み出す。またステップ114では、対象単位領域のy座標値yiに基づき、放射線画像検出器20への高電圧の印加停止から対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間tを取得する。なお、放射線画像検出器20への高電圧の印加を停止してから、放射線画像検出器20からの画像(電荷)の読み出しを開始する迄の時間t1、及び、放射線画像検出器20から主走査方向に沿った1ライン分の単位領域の電荷を読み出すのに要する時間t2は通常一定であるので、上記の経過時間tは、例えばリーク電流補正用データとして上記の時間t1,t2も登録しておき、ステップ114で時間t1,t2を記憶部50Aから読み出し、対象単位領域のy座標値yiと時間t2との積を時間t1に加算した値を経過時間tとして演算することで取得することができる。
そしてステップ116では、リーク電流補正用データのうちの(1)式を記憶部50Aから読み出し、読み出した(1)式に、対象単位領域の現在の出力値Q'(xi,yi)、ステップ110で取得した係数A、ステップ112で読み出した時定数α及びステップ114で取得した経過時間tを各々代入して新たな出力値Q'(xi,yi)を演算する。これにより、対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)が、対象単位領域の電荷読み出し時の読出電流に重畳されていた参照単位領域におけるリーク電流に応じて補正され、参照単位領域におけるリーク電流の影響が対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)から除去されることになる。
なお、本発明に係るリーク電流推定式に相当する(1)式の右辺第2項において、放射線画像検出器20への高電圧の印加停止から対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間tに代えて、放射線画像検出器20の電荷読出開始時点から対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間t(対象単位領域のy座標値yiと時間t2との積に相当する時間)を用いてもよい。この場合、時間t1が十分に小さい値であれば、係数A及び時定数αとして(1)式と同一の値を用いることも可能であり、時間t1が無視できない程大きい値であったとしても、係数A及び時定数αを別に定めておくことで、(1)式と同様に高い精度でリーク電流を推定することができる。
次のステップ118では変数yを1だけインクリメントしてステップ106に戻る。これにより、ステップ106の判定が肯定される迄、ステップ106〜ステップ118が繰り返されることになり、ライン光源54の移動方向に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置しており(X座標値が対象単位領域と同一)、かつ対象単位領域の電荷読出時に電荷未読出状態(Y座標値が対象単位領域よりも大)となっていた全ての単位領域(図6にハッチングで示す単位領域)を各々参照単位領域としてステップ106〜ステップ118の処理が繰り返されることで、個々の単位領域におけるリーク電流の影響が対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)から全て除去される。
各単位領域におけるリーク電流の影響が対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)から全て除去されることでステップ106の判定が肯定されると、ステップ120へ移行し、出力値Q'(xi,yi)を対象単位領域の最終出力値としてメモリに記憶させる。次のステップ122では現在の変数xiが最大値(主走査方向に沿った放射線画像検出器20の単位領域の総数)に一致しているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ124へ移行し、変数xiを1だけインクリメントした後にステップ102に戻る。これにより、前回の対象単位領域に対して主走査方向下流側に位置している隣接単位領域を新たな対象単位領域として、上述したステップ102〜ステップ118の処理が繰り返され、リーク電流の影響が補正された出力値Q'(xi,yi)が算出される。また、ステップ102〜ステップ124の処理はステップ122の判定が肯定される迄繰り返されるので、同一の主走査ライン上の各単位領域に対し、リーク電流の影響を補正した最終出力値の算出が順に行われる。
また、ステップ122の判定が肯定されるとステップ126へ移行し、現在の変数yiが最大値(副走査方向に沿った放射線画像検出器20の単位領域の総数)に一致しているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ128へ移行し、変数xiに1を設定すると共に変数yiを1だけインクリメントした後にステップ102に戻る。これにより、前回の対象単位領域に対して副走査方向下流側に位置している主走査ライン上の先頭の単位領域を新たな対象単位領域としてステップ102〜ステップ118の処理が繰り返される。また、ステップ102〜ステップ128の処理はステップ126の判定が肯定される迄繰り返されるので、放射線画像検出器20の全ての単位領域に対し、リーク電流の影響を補正した最終出力値の算出が順に行われる。そして、放射線画像検出器20の全ての単位領域についてリーク電流の影響を補正した最終出力値を算出すると、ステップ126の判定が肯定されてステップ130へ移行し、全単位領域の最終出力値を出力画像データとして出力し、リーク電流補正処理を終了する。
これにより、放射線画像検出器20からの読出電流に重畳するリーク電流の影響が精度良く補正された出力画像データが得られ、この出力画像データを用いてディスプレイ52に画像を表示させることで、高画質の放射線画像をディスプレイ52に表示させることができる。なお、ディスプレイ52に画像を表示させることに代えて、フラッシュメモリやその他の情報記録媒体に画像データを記録させたり、プリンタ等の記録装置によってシート状の記録材料に画像として記録させる等の処理を行うようにしてもよい。
なお、図7に示すリーク電流補正処理では、(1)式に従い対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)を特定の参照単位領域におけるリーク電流に応じて補正する処理を、ライン光源54の移動方向に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置し(X座標値が対象単位領域と同一)、対象単位領域の電荷読出時に電荷未読出状態(Y座標値が対象単位領域よりも大)の各単位領域を参照単位領域として繰り返すことで、各単位領域におけるリーク電流の影響を対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)から除去するアルゴリズムを採用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、(1)式の右辺第2項に従って各単位領域におけるリーク電流を順に演算した後に、演算した各単位領域におけるリーク電流を積分又は積算した値を対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)に加算(又は減算)することで、各単位領域におけるリーク電流の影響を対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)から除去するアルゴリズムを用いてもよい。この態様は請求項記載の発明に対応している。
また、上記では本発明に係るリーク電流推定式として、放射線画像検出器20への高電圧の印加停止(単位領域におけるリーク電流発生時点)から対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間t(或いは、放射線画像検出器20の電荷読出開始時点から、対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間t)を変数とする指数関数から成るリーク電流推定式((1)式の右辺第2項)を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射線画像検出器20から主走査方向に沿った1ライン分の単位領域の電荷を読み出すのに要する時間t2が一定であることから、上記の経過時間に代えて、ライン光源54の移動方向(副走査方向)に沿った対象単位領域の位置y(この位置yは、対象単位領域のY座標値yiでもよいし、或いは座標値yiから算出できるライン光源54の移動開始位置から対象単位領域の位置迄の副走査方向に沿った距離でもよい)を変数とする指数関数から成るリーク電流推定式を用いてもよい。この場合も、上記の経過時間tを変数とする指数関数から成るリーク電流推定式を用いる場合と同様に、高い精度でリーク電流を推定することができる。
また、上記では本発明に係るリーク電流推定式として、放射線画像検出器20への高電圧の印加停止(単位領域におけるリーク電流発生時点)から対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間t(或いは、放射線画像検出器20の電荷読出開始時点から、対象単位領域の電荷が読み出される迄の経過時間t)を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式((1)式の右辺第2項)を用いていたが、これに限定されるものではなく、例えばリーク電流の変化の推移(変化パターン)が、図8に示すように、複数の指数関数(例えば図8に示すように速い減衰の成分に相当する指数関数と遅い減衰の成分に相当する指数関数)の和を用いた方が精度良く近似できる場合には(リーク電流の変化の推移(変化パターン)は放射線画像検出器20の構成(例えば各部分の材質等)に応じて変化する)、複数の指数関数(この指数関数は経過時間tを変数とする指数関数であってもよいし、副走査方向に沿った対象単位領域の位置yを変数とする指数関数であってもよい)の和から成るリーク電流推定式を用いるようにしてもよい。
更に、上記では対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)に対し、対象単位領域の電荷読み出し時にリーク電流発生源となる単位領域(ライン光源54の移動方向(副走査方向)に沿って対象単位領域と同一の信号線上に位置しており、かつ対象単位領域の電荷読出時に電荷未読出状態の単位領域)からのリーク電流の影響を補正していたが、図5(A)からも明らかなように、個々の単位領域の電荷量は個々の単位領域におけるリーク電流に伴って徐々に低下するので、対象単位領域の電荷読み出し時における対象単位領域の電荷量が、当初の電荷量から放射線画像検出器20への高電圧の印加停止からの経過時間tに応じた低下量だけ低下していることに基づき、対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)の補正に際し、対象単位領域におけるリーク電流に伴う対象単位領域の電荷の低下量を、放射線画像検出器20への高電圧の印加停止からの経過時間tに基づいて推定し、推定した電荷低下量分だけ対象単位領域の出力値Q'(xi,yi)を増大させる補正も併せて行うようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る放射線画像検出器として、光読取方式の放射線画像検出器20を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えばTFT方式等の他の方式の放射線画像検出器であっても、個々の単位領域の電荷を保持しておくための電気抵抗が無限大ではないことから、放射線画像検出器の各単位領域からリーク電流が発生すると共に、当該リーク電流の大きさが時間の経過に伴って徐々に低下するので、本発明に係るリーク電流補正を適用することで、リーク電流の影響を高精度に補正することができる。
また、上記では本発明に係る画像処理プログラムが制御装置50の記憶部50Aに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る画像処理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
本願発明者が実施した実験の結果を示す線図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の概略構成を示すブロック図である。 放射線画像検出器の、(A)は斜視図、(B)は(A)のX−Z線、(C)は(A)のX−Y線に沿った断面図である。 電極を含む放射線画像検出器と画像読出部の概略図である。 (A)は特定単位領域の電荷、(B)は特定単位領域におけるリーク電流の推移を各々示す線図である。 対象単位領域及び対象単位領域の電荷読み出し時にリーク電流によって影響を及ぼす単位領域を各々示す概略図である。 リーク電流補正処理の内容を示すフローチャートである。 リーク電流の推移が速い減衰の成分に相当する指数関数と遅い減衰成分に相当する指数関数の和で表される例を示す線図である。
符号の説明
10 放射線画像撮影装置
20 放射線画像検出器
28 記録用光導電層
30 蓄電部
32 読取用光導電層
38A,38B 透明線状電極
50 制御装置
50A 記憶部
54 ライン光源
58 高電圧電源
70 画像処理部

Claims (10)

  1. 照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行う補正手段を備えた画像処理装置。
  2. 前記リーク電流推定式は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成ることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段は、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式として、
    Ij=Aj・exp(−αt)
    (但し、tは前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、Ajは主に単位領域jの電荷量に依存する係数、αは定数)を用いて、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式として、
    Ij=ΣAjk・exp(−αkt)
    (但し、tは前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、Ajkは主に単位領域jの電荷量に依存するk個の係数、αkはk個の定数)を用いて、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記補正手段は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数から成るリーク電流推定式として、
    Ij=Aj・exp(−αy)
    (但し、yは電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置、Ajは主に単位領域jの電荷量に依存する係数、αは定数)を用いて、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式として、
    Ij=ΣAjk・exp(−αky)
    (但し、yは電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置、Ajkは主に単位領域jの電荷量に依存するk個の係数、αkはk個の定数)を用いて、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  7. 前記補正手段は、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを各々推定した後に、前記単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを積分又は積算することで、前記対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた全リーク電流Iを求め、求めた全リーク電流Iに基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像処理装置。
  8. 前記放射線画像検出器は、前記信号線として、前記所定方向に交差する方向に沿って配列された複数の読出用電極が設けられ、光が照射されることで、光が照射された箇所に対応する前記単位領域に保持されている電荷量に対応する電荷が、対応する読出用電極を介し電流として出力される構成であり、
    前記放射線画像検出器に保持されている電荷の読み出しは、前記放射線画像検出器への光の照射箇所を前記所定方向に沿って走査させることによって成されることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項記載の画像処理装置。
  9. 照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行う画像処理方法。
  10. コンピュータを、
    照射された放射線を電荷に変換して蓄積・保持する放射線画像検出器から、所定方向に沿って前記放射線画像検出器に設けられた信号線を介し前記電荷を電流として読み出しの単位領域毎に順次読み出すことで得られた画像データに対し、任意の対象単位領域の電荷を読み出した際の読出電流に重畳されていた、前記所定方向に沿って前記対象単位領域と同一の信号線上に位置し、かつ前記対象単位領域の電荷読出時には電荷未読出状態だった単位領域j(j=1,2,…)におけるリーク電流Ijを、前記単位領域jにおけるリーク電流発生時点からの経過時間、又は、前記放射線画像検出器の電荷読出開始時点からの経過時間、又は、電荷読出対象の単位領域を前記所定方向に沿って走査して電荷の読み出しを行った場合の前記対象単位領域の前記所定方向に沿った位置を変数とする、単一の指数関数又は複数の指数関数の和から成るリーク電流推定式によって各々推定し、リーク電流の推定結果に基づいて前記画像データのうち前記対象単位領域に対応するデータを補正することを、個々の単位領域を対象として各々行う補正手段
    として機能させるための画像処理プログラム。
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