以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
本実施の形態では、X線などの放射線を一旦光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出素子10に本発明を適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、第1の実施の形態に係る放射線検出素子10を用いた放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100は、間接変換方式の放射線検出素子10を備えている。なお、放射線を光に変換するシンチレータは省略している。
放射線検出素子10には、光を受けて電荷を発生し、発生した電荷を蓄積するセンサ部103と、センサ部103に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ4と、を含んで構成される画素20が複数配置されている。本実施の形態では、シンチレータによって変換された光がセンサ部103に照射されることにより、センサ部103で電荷が発生する。
画素20は、一方向(図1の横方向、以下「行方向」ともいう。)及び当該行方向に対する交差方向(図1の縦方向、以下「列方向」ともいう。)にマトリクス状に複数配置されている。図1及び後述する図6では、画素20配列を簡略化して示しているが、例えば、画素20は一方向及び交差方向に1024×1024個配置されている。
本実施の形態では、複数の画素20のうち、放射線画像撮影用の画素20Aと放射線検出用の画素20Bが予め定められている。図1及び後述する図6、図11、図16、図23、図26では、放射線検出用の画素20Bを破線で囲んでいる。放射線画像撮影用の画素20Aは、放射線を検出して放射線が示す画像を生成するために用いられ、放射線検出用の画素20Bは、放射線の照射開始を検出するために用いられる。
また、放射線検出素子10には、基板1(図3参照)上に、TFTスイッチ4をON/OFFするための複数の走査配線101と、上記センサ部103に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線3と、が互いに交差して設けられている。本実施の形態では、列方向の各画素列に信号配線3が1本ずつ設けられ、行方向の各画素列に走査配線101が1本ずつ設けられており、例えば、画素20が行方向及び列方向に1024×1024個配置されている場合、信号配線3及び走査配線101は1024本ずつ設けられている。
さらに、放射線検出素子10には、各信号配線3と並列に共通電極配線25が設けられている。共通電極配線25は、一端及び他端が並列に接続されており、一端が所定のバイアス電圧を供給する電源110に接続されている。センサ部103は共通電極配線25に接続されており、共通電極配線25を介してバイアス電圧が印加されている。
走査配線101には、各TFTスイッチ4をスイッチングするための制御信号が流れる。このように制御信号が各走査配線101に流れることによって、各TFTスイッチ4がスイッチングされる。
信号配線3には、各画素20のTFTスイッチ4のスイッチング状態に応じて、各画素20に蓄積された電荷に応じた電気信号が流れる。より具体的には、各信号配線3には、当該信号配線3に接続された画素20の何れかのTFTスイッチ4がONされることにより蓄積された電荷量に応じた電気信号が流れる。
各信号配線3には、各信号配線3に流れ出した電気信号を検出する信号検出回路105が接続されている。また、各走査配線101には、各走査配線101にTFTスイッチ4をON/OFFするための制御信号を出力するスキャン信号制御回路104が接続されている。図1及び後述する図6では、信号検出回路105及びスキャン信号制御回路104を1つに簡略化して示しているが、例えば、信号検出回路105及びスキャン信号制御回路104を複数設けて所定本(例えば、256本)毎に信号配線3又は走査配線101を接続する。例えば、信号配線3及び走査配線101が1024本ずつ設けられている場合、スキャン信号制御回路104を4個設けて256本ずつ走査配線101を接続し、信号検出回路105も4個設けて256本ずつ信号配線3を接続する。
信号検出回路105は、各信号配線3毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路を内蔵している。信号検出回路105では、各信号配線3より入力される電気信号を増幅回路により増幅してデジタルデータへ変換する。
この信号検出回路105及びスキャン信号制御回路104には、信号検出回路105において変換されたデジタルデータに対してノイズ除去などの所定の処理を施すとともに、信号検出回路105に対して信号検出のタイミングを示す制御信号を出力し、スキャン信号制御回路104に対してスキャン信号の出力のタイミングを示す制御信号を出力する制御部106が接続されている。
本実施の形態の制御部106は、マイクロコンピュータによって構成されており、CPU(中央処理装置)、ROMおよびRAM、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部を備えている。制御部106は、上記所定の処理が施された画像情報に対して、各放射線検出用の画素20Bの画像情報を補間する処理(補間処理)を行って、照射された放射線が示す画像を生成する。すなわち、制御部106は、各放射線検出用の画素20Bの画像情報を、上記所定の処理が施された画像情報に基づいて補間することで、照射された放射線が示す画像を生成する。
図2には、本実施形態に係る間接変換方式の放射線検出素子10の構造を示す平面図が示されており、図3には、図2の放射線画像撮影用の画素20AのA−A線断面図が示されており、図4には、図2の放射線検出用の画素20BのB−B線断面図が示されている。
図3に示すように、放射線検出素子10の画素20Aは、無アルカリガラス等からなる絶縁性の基板1上に、走査配線101(図2参照。)、ゲート電極2が形成されており、走査配線101とゲート電極2は接続されている(図2参照。)。この走査配線101、ゲート電極2が形成された配線層(以下、この配線層を「第1信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜を用いて形成されているが、これらに限定されるものではない。
この第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15が形成されており、ゲート電極2上に位置する部位がTFTスイッチ4におけるゲート絶縁膜として作用する。この絶縁膜15は、例えば、SiNX 等からなっており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜により形成される。
絶縁膜15上のゲート電極2上には、半導体活性層8が島状に形成されている。この半導体活性層8は、TFTスイッチ4のチャネル部であり、例えば、アモルファスシリコン膜からなる。
これらの上層には、ソース電極9、及びドレイン電極13が形成されている。このソース電極9及びドレイン電極13が形成された配線層には、ソース電極9、ドレイン電極13とともに、信号配線3が形成されている。ソース電極9は信号配線3に接続されている(図2参照。)。ソース電極9、ドレイン電極13、及び信号配線3が形成された配線層(以下、この配線層を「第2信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜が用いて形成されるが、これらに限定されるものではない。このソース電極9及びドレイン電極13と半導体活性層8との間には不純物添加アモルファスシリコン等による不純物添加半導体層(不図示)が形成されている。これらによりスイッチング用のTFTスイッチ4が構成される。なお、TFTスイッチ4は後述する下部電極11により収集、蓄積される電荷の極性によってソース電極9とドレイン電極13が逆となる。
これら第2信号配線層を覆い、基板1上の画素20が設けられた領域のほぼ全面(ほぼ全領域)には、TFTスイッチ4や信号配線3を保護するために、TFT保護膜層30が形成されている。このTFT保護膜層30は、例えば、SiNX等からなっており、例えば、CVD成膜により形成される。
このTFT保護膜層30上には、塗布型の層間絶縁膜12が形成されている。この層間絶縁膜12は、低誘電率(比誘電率εr=2〜4)の感光性の有機材料(例えば、ポジ型感光性アクリル系樹脂:メタクリル酸とグリシジルメタクリレートとの共重合体からなるベースポリマーに、ナフトキノンジアジド系ポジ型感光剤を混合した材料など)により1〜4μmの膜厚で形成されている。
本実施の形態に係る放射線検出素子10では、この層間絶縁膜12によって層間絶縁膜12上層と下層に配置される金属間の容量を低く抑えている。また、一般的にこのような材料は平坦化膜としての機能も有しており、下層の段差が平坦化される効果も有する。本実施の形態に係る放射線検出素子10では、この層間絶縁膜12及びTFT保護膜層30のドレイン電極13と対向する位置にコンタクトホール17が形成されている。
層間絶縁膜12上には、コンタクトホール17を埋めつつ、画素領域を覆うようにセンサ部103の下部電極11が形成されており、この下部電極11は、TFTスイッチ4のドレイン電極13と接続されている。この下部電極11は、後述する半導体層21が1μm前後と厚い場合には導電性があれば材料に制限がほとんどない。このため、Al系材料、ITOなど導電性の金属を用いて形成すれば問題ない。
一方、半導体層21の膜厚が薄い場合(0.2〜0.5μm前後)、半導体層21で光が吸収が十分でないため、TFTスイッチ4への光照射によるリーク電流の増加を防ぐため、遮光性メタルを主体とする合金、若しくは積層膜とすることが好ましい。
下部電極11上には、フォトダイオードとして機能する半導体層21が形成されている。本実施の形態では、半導体層21として、n+層、i層、p+層(n+アモルファスシリコン、アモルファスシリコン、p+アモルファスシリコン)を積層したPIN構造のフォトダイオードを採用しており、下層からn+層21A、i層21B、p+層21Cを順に積層して形成する。i層21Bは、光が照射されることにより電荷(自由電子と自由正孔のペア)が発生する。n+層21A及びp+層21Cは、コンタクト層として機能し、下部電極11及び後述する上部電極22とi層21Bをと電気的に接続する。
また、本実施の形態では、下部電極11を半導体層21よりも大きくしており、また、TFTスイッチ4の光の照射側を半導体層21で覆っている。これにより、画素領域内での光を受光できる面積の割合(所謂、フィルファクタ)を大きくしており、また、TFTスイッチ4への光入射を抑制している。
各半導体層21上には、それぞれ個別に上部電極22が形成されている。この上部電極22には、例えば、ITOやIZO(酸化亜鉛インジウム)などの光透過性の高い材料を用いている。本実施の形態に係る放射線検出素子10では、上部電極22や半導体層21、下部電極11を含んでセンサ部103が構成されている。
層間絶縁膜12、半導体層21及び上部電極22上には、上部電極22に対応する一部で開口27Aを持ち、各半導体層21を覆うように、塗布型の層間絶縁膜23が形成されている。
この層間絶縁膜23上には、共通電極配線25がAl若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした合金あるいは積層膜で形成されている。共通電極配線25は、開口27A付近にコンタクトパッド27が形成され、層間絶縁膜23の開口27Aを介して上部電極22と電気的に接続される。
一方、図4に示すように、放射線検出素子10の放射線検出用の画素20Bでは、ソース電極9とドレイン電極13とが接触するようにTFTスイッチ4が形成されている。すなわち、画素20Bでは、TFTスイッチ4のソースとドレインが短絡している。これにより、画素20Bでは、下部電極11に収集された電荷がTFTスイッチ4のスイッチング状態にかかわらず信号配線3に流れ出す。
このように形成された放射線検出素子10には、必要に応じてさらに光吸収性の低い絶縁性の材料により保護膜が形成されて、その表面に光吸収性の低い接着樹脂を用いてGOS等からなるシンチレータが貼り付けられる。
次に、画素20Bの形成方法の一例を説明する。放射線検出素子10のアクティブエリアがフォトマスクより大きい場合、図5に示すように、アクティブエリア50を分割して、分割された領域毎に露光する。なお、図5の例では、アクティブエリア50を5×6ショットに分割している。図5には、分割された各領域が示されており、本実施の形態では、放射線検出素子10の第2信号配線層を形成する際に、2種類のフォトマスクを用いて露光を行っており、「Shot A」の領域では、一部の画素20においてソース電極9とドレイン電極13とが接触するように形成されたフォトマスクを用いて露光を行い、「Shot B」の領域では、各画素20においてソース電極9とドレイン電極13とが分離するように形成されたフォトマスクを用いて露光を行う。このとき、Shot A用のフォトマスクは、画素20Bが一画素以上の間隔で画素20Bが連続して配置されないように形成することが望ましい。これにより、制御部106での補間処理によって生成される画像の画質が、放射線検出用の画素20Bが連続して配置された場合と比較して良好となる。
ここで、放射線検出素子10には、図6に示すように、放射線検出用の画素20Bが特定の信号配線3(ここでは、D2及びD6の信号配線3)に対して複数配置されるように形成することが好ましい。図6では、簡略化して示しているが、信号配線3が1024本ずつ設けられている場合、例えば、配置位置が均等にとなるように128ライン毎に8本の信号配線3に16画素ずつ画素20Bを形成する。この場合、画素20Bの画素数は128画素となり、画素20が1024×1024個である場合、全体の0.01%が画素20Bとなる。全画素20に対する放射線検出用の画素20Bの割合は、これに限定されず、様々が考えられるが、この割合は、制御部106での補間処理の精度などに基づいて定めることもできる。例えば、この補間処理によって生成される画像の画質が良好である場合には、全画素20に対する放射線検出用の画素20Bの割合は、例えば、1%位程度としてもよく、さらに比率を高くしてもよい。
次に、図7を用いて、上記構成の放射線画像撮影装置100による放射線画像を撮影する際の動作の流れについて簡単に説明する。
放射線検出素子10は、放射線が照射されていない状態であっても暗電流等によって電荷が発生して各画素20に電荷が蓄積される。このため、放射線画像撮影装置100では、待機状態の間も放射線検出素子10の各画素20に蓄積された電荷を取り出して除去するリセット動作を繰り返し行っている。
図8には、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100の待機状態での動作の流れを示すタイミングチャートが示されている。
制御部106は、待機状態の場合、スキャン信号制御回路104を制御して、スキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各走査配線101にON信号(電位VgHの信号)を出力させ、各走査配線101に接続された各TFTスイッチ4を1ラインずつ順にONさせて電荷の取り出しを行う。これにより、1ラインずつ順に各画素20に蓄積された電荷が電気信号として各信号配線3に流れ出す。制御部106は、動作状態が待機状態である間、所定期間経過後に、1ラインずつ順に各走査配線101にON信号を出力させて放射線検出素子10の各画素20の各々に蓄積された電荷を取り出して1フレーム分リセットするリセット動作を繰り返す。
このリセット動作により、各信号配線3には、放射線が照射されてない状態でも暗電流等によって発生した電荷による電気信号(所謂オフセット)が流れる。このリセット動作で読み出された電荷による情報は、暗電流等により放射線画像に発生するオフセットの補正に利用される。
放射線画像撮影装置100は、放射線の照射開始を検出して放射線検出素子10の各画素20で電荷の蓄積を開始することにより放射線画像を撮影する。放射線画像の撮影を行う際、放射線画像撮影装置100には、図7に示すように、撮影モードへの移行が通知される。
放射線画像撮影装置100は、撮影モードへの移行が通知されると、放射線の検出を行う放射線検出待ち状態に移行し、放射線を検出すると放射線検出素子10で電荷を蓄積する電荷蓄積状態に移行し、放射線を検出してから所定時間後に蓄積された電荷の読み出す電荷読出状態に移行し、電荷の読み出し終了後、待機状態に移行する。
図9には、第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置100により放射線画像を撮影する際の動作の流れを示すタイミングチャートが示されている。
制御部106は、撮影モードへの移行が通知されると放射線検出待ち状態に移行し、スキャン信号制御回路104を制御して、スキャン信号制御回路104から各走査配線101にOFF信号(電位Vglの信号)を出力させると共に、所定周期1Hで信号検出回路105により画素20Bが接続された信号配線3(図6の場合、D2、D6の少なくとも一方、例えば、D6)に流れる電気信号をデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返す。なお、所定周期1Hを、スキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各走査配線101にON信号を出力して画像の読み出しや、リセット動作を行う際の1ラインに対する周期と同一としているが、必ずしも同一にする必要はなく、所定周期1Hを、画像の読み出しやリセット動作を行う際の1ラインに対する周期より短くしてもよい。
ところで、放射線の検出待ち期間が長くなると暗電流等によって各画素20に電荷が蓄積される。そこで、本実施の形態では、制御部106がスキャン信号制御回路104を制御して、待機状態と同様にスキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各走査配線101にON信号を出力させ、各走査配線101に接続された各TFTスイッチ4を1ラインずつ順にONさせて放射線検出素子10の各画素20の各々に蓄積された電荷を取り出すリセット動作を行う。
放射線画像撮影装置100は、放射線を発生する放射線発生装置と間隔を空けて配置され、被験者を透過した放射線が照射される。
放射線が照射されると、照射された放射線は、シンチレータに吸収され、可視光に変換される。なお、放射線は、放射線検出素子10の表側、裏側の何れから照射されてもかまわない。シンチレータで可視光に変換された光は、各画素20のセンサ部103に照射される。
センサ部103では、光が照射されると内部に電荷が発生する。この発生した電荷は下部電極11により収集される。
画素20Aでは、ドレイン電極13とソース電極9が短絡していないため、下部電極11に収集された電荷が蓄積されるが、画素20Bでは、ドレイン電極13とソース電極9が短絡しているため、下部電極11に収集された電荷が信号配線3に流れ出す。特に、本実施の形態では、図6に示すように、放射線検出用の画素20Bを特定の信号配線3(ここでは、D2及びD6の信号配線3)に対して選択的に配置している。画素20Bから流れ出した電気信号は、当該特定の信号配線3毎に積算される。すなわち、画素20Bを特定の信号配線3に複数配置することにより、放射線による電気信号のレベルの変化が大きくなる。
ところで、放射線検出素子10は、各信号配線3に、衝撃、温度など様々な外乱要因に起因してノイズが発生する場合がある。よって、各信号配線3を流れる電気信号には、暗電流等によるオフセットと外乱要因に起因したノイズが含まれる場合がある。特に、外乱要因に起因して発生するノイズは、電気信号の変化も大きいという特徴がある。
そこで、本実施の形態では、信号検出回路105により、図9に示すように、所定周期1Hで画素20Bが接続された信号配線3(図6の場合、D2、D6の少なくとも一方、ここでは、D6)に流れる電気信号と共に、画素20Bが接続されていない信号配線3(図6の場合、D1、D3〜D5、D7、D8、ここでは、D7)に流れる電気信号もデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返す。画素20Bが接続された信号配線3と共にサンプリングを行う信号配線3は、各信号配線3に発生するノイズが同様の場合、画素20Bが接続されていなければいずれでもよいが、放射線検出素子10内での信号配線3の位置により発生するノイズにムラがある場合、画素20Bが接続されたサンプリング対象の信号配線3に近く、当該信号配線3と同じ信号検出回路105に接続されていることが好ましい。本実施の形態では、信号検出回路105により、画素20Bが接続されたサンプリング対象のD6の信号配線3の隣に配設されたD7の信号配線3のサンプリングを行う。信号検出回路105は、D6の信号配線3及びD7の信号配線3を流れる電気信号をそれぞれ増幅回路により増幅してそれぞれデジタルデータへ変換し、制御部106へ出力する。
制御部106では、信号検出回路105により変換された、画素20Bが接続されたD6の信号配線3のデジタルデータの値から画素20Bが接続されていないD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算し、減算されたデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用のしきい値と比較し、しきい値以上となった否かにより放射線が照射されたか否かの検出を行う。
図10には、本実施の形態に係る放射線検出素子10のD6とD7の信号配線3に注目した等価回路図が示されている。なお、図10では、信号配線3と走査配線101とが交差することによる容量をコンデンサとして各交差部に図示している。
各信号配線3に外乱要因に起因してノイズが発生した場合、D6及びD7の信号配線3には、隣合うため略同一のノイズが発生する。また、放射線が照射された場合、D6の信号配線3には、放射線検出用の画素20Bからの電気信号も流れる。
このため、D6とD7の信号配線3を流れる電気信号をデジタルデータに変換し、変換されたD6の信号配線3のデジタルデータの値からD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズ分の値をキャンセルすることができる。
制御部106は、放射線の照射を検出すると、図9に示すように、所定の蓄積期間経過後に、スキャン信号制御回路104を制御してスキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各走査配線101にON信号を出力させ、TFTスイッチ4のゲート電極2に走査配線101を介して順次ON信号を印加する。これにより、複数配置された画素20AのTFTスイッチ4が順次ONされ、各画素20Aに蓄積された電荷量に応じた電気信号が信号配線3に流れ出す。信号検出回路105は、各信号配線3に流れる電気信号をデジタルデータへ変換する。制御部106は、変換されたデジタルデータに対して所定の処理を施し、所定の処理が施された画像情報に対して、各放射線検出用の画素20Bの画像情報を補間する処理を行って、照射された放射線が示す画像を生成する。
このように、本実施の形態よれば、外乱要因などに起因してノイズが発生する場合でも、ノイズの影響を抑えて精度良く放射線を検出できる。これにより、各信号配線3にノイズが発生する場合でも、放射線検知用のしきい値をノイズ分を考慮して高くする必要がなくなるため、放射線の照射開始をより早く検出できる。
また、本実施の形態によれば、放射線画像撮影用の画素20A及び放射線検出用の画素20Bを放射線検出素子10の放射線画像が撮影可能な撮影領域に設けることにより、放射線の照射領域を狭く設定された場合でも、放射線を確実に検出できる。
また、本実施の形態によれば、放射線画像撮影用の信号検出回路105で放射線照射の検出も行えるため、別途、専用の検出回路を設ける必要がない。
また、本実施の形態によれば、放射線検出用の画素20Bを放射線画像撮影用の画素20Aと同一形状とし、分散して配置したことにより、アーティファクト発生や撮影される放射線画像の画質の低下を防ぐことができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100では、画素20BはTFTスイッチ4のスイッチング状態にかかわらず電気信号が信号配線3に流れ出すため、スキャン信号制御回路104により各走査配線101にOFF信号を出力しているオフ期間でも、信号検出回路105のサンプリングにより放射線の検出が可能となる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100では、放射線の照射開始を検出して放射線検出素子10の各画素20で電荷の蓄積を開始するため、放射線の照射が検出されるまでの期間に照射された放射線が放射線画像に寄与しなくなるが、通常の撮影での放射線の照射期間は100ms以上であり、所定周期1Hは100μs前後であるため、照射された放射線をほとんどロスせず利用できる。
また、本実施の形態によれば、特定の信号配線3上に複数(本実施の形態では16画素)の放射線検出用の画素20Bを集中して配置したことにより、画素20Bを1つしか設けていない場合の複数倍(本実施の形態では16倍)の電荷を得ることができる。これにより、放射線のエネルギーが少ない段階で放射線の照射を検出でき、蓄積動作に移行することができる。すなわち、放射線のロスを低減することが可能である。特に、X線は応答特性が緩慢で、照射初期は高いエネルギーが出ない場合が多い。このため、特定の信号配線3上に複数の放射線検出用の画素20Bを集中して配置することにより、X線の照射開始の検出精度が向上する。
また、本実施の形態よれば、放射線の検出待ち期間の間、リセット動作による電気信号も信号配線3に流れるが、特定の信号配線3に放射線検出用の画素20Bを複数配置しているため、電気信号のレベルから放射線の照射とリセット動作の判別が行い易い。
また、本実施の形態よれば、放射線検出待ち状態の間、待機状態と同様のリセット動作を行っているため、最新のオフセット補正用のデータを取得できる。放射線検出素子10の各画素20に発生するオフセットは、放射線検出素子10の状態に応じて経時的に変化する場合があるため、最新のオフセット補正用のデータを元に補正を行うことにより放射線画像のノイズを減らすことができる。
また、本実施の形態よれば、放射線の照射を検出した時点でリセット動作を停止するため、リセット動作による放射線のロスを1ライン分のみに抑えられる。放射線の照射開始時点の放射線が小さい場合には、放射線のロスの割合が小さいので、補間処理を行わずにそのままの画像を用いることも可能である。リセット動作を停止したことにより、放射線画像に停止したラインで画像に段差が発生する場合は、段差に隣接ラインの画像情報から補間処理を行うことにより段差を補正することもできる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
図11には、第2の実施の形態に係る放射線検出素子10を用いた放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図1参照)と同一部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態に係る放射線検出素子10には、放射線検出用の画素20Bが設けられた一方向(図11の横方向、以下「行方向」ともいう。)の画素列に、走査配線101と並列に走査配線108が設けられている。以下、本実施の形態では、走査配線101と走査配線108を区別するため、走査配線101を第1走査配線101と称し、走査配線108を第2走査配線108と称する。
複数の画素20のうち、放射線画像撮影用の画素20Aは、TFTスイッチ4のゲートが第1走査配線101に接続され、放射線検出用の画素20Bは、TFTスイッチ4のゲートが第2走査配線108に接続されている。また、放射線画像撮影用の画素20A及び放射線検出用の画素20Bは、共にTFTスイッチ4のソースが信号配線3に接続されている。
第1走査配線101には、放射線画像撮影用の画素20AのTFTスイッチ4をスイッチングするための制御信号が流れ、第2走査配線108には、放射線検出用の画素20BのTFTスイッチ4をスイッチングするための制御信号が流れる。画素20のうち、放射線画像撮影用の画素20Aは、各第1走査配線101に制御信号が流れることによって、TFTスイッチ4がスイッチングされ、放射線検出用の画素20Bは、各第2走査配線108に制御信号が流れることによって、TFTスイッチ4がスイッチングされる。
信号配線3には、各画素20のTFTスイッチ4のスイッチング状態に応じて、各画素20に蓄積された電荷に応じた電気信号が流れる。より具体的には、各信号配線3には、当該信号配線3に接続された画素20の何れかのTFTスイッチ4がONされることにより蓄積された電荷量に応じた電気信号が流れる。
各信号配線3は、信号検出回路105に接続されている。各第1走査配線101は、各第1走査配線101にTFTスイッチ4をON/OFFするための制御信号を出力するスキャン信号制御回路104に接続されている。第2走査配線108は、一端が並列に接続されており、当該一端が各第2走査配線108にTFTスイッチ4をON/OFFするための制御信号を出力する制御信号出力回路120に接続されている。
なお、図11では、信号検出回路105及びスキャン信号制御回路104を1つに簡略化して示しているが、例えば、信号検出回路105及びスキャン信号制御回路104を複数設けて所定本(例えば、256本)毎に信号配線3又は第1走査配線101を接続しており、例えば、信号配線3及び第1走査配線101が1024本ずつ設けられている場合、スキャン信号制御回路104を4個設けて256本ずつ第1走査配線101を接続し、信号検出回路105も4個設けて256本ずつ信号配線3を接続する。
制御信号出力回路120は、制御部106に接続され、制御部106からの制御により動作し、各第2走査配線108にTFTスイッチ4をON/OFFするための制御信号を出力する。
図12には、第2の実施形態に係る間接変換方式の放射線検出素子10の3つの放射線画像撮影用の画素20Aと1つの放射線画像撮影用の画素20Bによる4画素の構造を示す平面図が示されており、図13には、図12の放射線画像撮影用の画素20AのA−A線断面図が示されており、図14には、図12の放射線検出用の画素20BのB−B線断面図が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図2〜図4参照)と同一部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図13、図14に示すように、放射線画像撮影用の画素20A及び放射線検出用の画素20Bは、絶縁性の基板1上に、第1信号配線層として、第1走査配線101(図12参照)、ゲート電極2が形成され、さらに、放射線検出用の画素20Bは、第1信号配線層として、第2走査配線108が形成されている。放射線画像撮影用の画素20Aでは第1走査配線101とゲート電極2が接続され、放射線検出用の画素20Bでは第2走査配線108とゲート電極2が接続されている(図12参照)。
この第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15が形成され、絶縁膜15上には第1の実施の形態(図2〜図4参照)と同様に各層が形成されている。
図15には、第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置100により放射線画像を撮影する際の動作の流れを示すタイミングチャートが示されている。
上述のように、放射線の検出待ち期間が長くなると暗電流等によって各画素20に電荷が蓄積される。そこで、制御部106は、放射線検出待ち状態の場合、スキャン信号制御回路104を制御して、スキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各第1走査配線101にON信号を出力させ、各第1走査配線101に接続された各TFTスイッチ4を1ラインずつ順にONさせて放射線検出素子10の各画素20の各々に蓄積された電荷を取り出すリセット動作を行う。
また、制御部106は、制御信号出力回路120を制御して、所定周期1Hで制御信号出力回路120から各第2走査配線108にON信号を出力させると共に、当該所定周期1Hで信号検出回路105により画素20Bが接続された信号配線3(図11の場合、D2、D6の少なくとも一方、ここでは、D6)及び画素20Bが接続されていない信号配線3(図11の場合、D1、D3〜D5、D7、D8、ここでは、D7)に流れる電気信号もデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返す。なお、上述のように、画素20Bが接続された信号配線3と共にサンプリングを行う信号配線3は、各信号配線3に発生するノイズが同様の場合、画素20Bが接続されていなければいずれでもよいが、放射線検出素子10内での信号配線3の位置により発生するノイズにムラがある場合、画素20Bが接続されたサンプリング対象の信号配線3に近く、当該信号配線3と同じ信号検出回路105に接続されていることが好ましい。本実施の形態では、信号検出回路105により、画素20Bが接続されたサンプリング対象のD6の信号配線3の隣に配設されたD7の信号配線3のサンプリングを行う。信号検出回路105は、D6の信号配線3及びD7の信号配線3を流れる電気信号をそれぞれ増幅回路により増幅してそれぞれデジタルデータへ変換し、制御部106へ出力する。
制御部106では、信号検出回路105により変換された、画素20Bが接続されたD6の信号配線3のデジタルデータの値から画素20Bが接続されていないD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算し、減算されたデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用のしきい値と比較し、しきい値以上となった否かにより放射線が照射されたか否かの検出を行う。
これにより、D6とD7の信号配線3に外乱要因に起因してノイズが発生する場合でも、D6とD7の信号配線3を流れる電気信号をデジタルデータに変換し、変換されたD6の信号配線3のデジタルデータの値からD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズ分の値がキャンセルされる。
このように、本実施の形態よれば、外乱要因などに起因してノイズが発生する場合でも、ノイズの影響を抑えて精度良く放射線を検出できる。これにより、各信号配線3にノイズが発生する場合でも、放射線検知用のしきい値をノイズ分を考慮して高くする必要がなくなるため、放射線の照射開始をより早く検出できる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100では、第1走査配線101と並列に第2走査配線108を設け、放射線検出用の画素20BのTFTスイッチ4のゲートを第2走査配線108に接続したことにより、画素20Bでは、第2走査配線108からの制御信号により蓄積された電荷が電気信号として信号配線3に流れ出すため、スキャン信号制御回路104により各第1走査配線101にOFF信号(電位Vglの信号)を出力しているオフ期間や、各第1走査配線101にON信号を順に出力しているリセット動作の期間でも、信号検出回路105のサンプリングにより放射線の検出が可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。
図16には、第3の実施の形態に係る放射線検出素子10を用いた放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図1参照)と同一部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態に係る放射線検出素子10には、放射線検出用の画素20Bが設けられた一方向(図16の横方向、以下「行方向」ともいう。)の画素列に、走査配線101と並列に放射線検出用配線121が設けられており、さらに、放射線検出用配線121が設けられた行方向の各画素列の隣の画素列にノイズ検出用配線122が設けられている。
複数の画素20のうち、放射線画像撮影用の画素20Aは、センサ部103がTFTスイッチ4を介して信号配線3に接続され、放射線検出用の画素20Bは、センサ部103がTFTスイッチ4と切断され、当該センサ部103が放射線検出用配線121に接続されている。これにより、各放射線検出用の画素20Bの各センサ部103に発生した電荷に応じた電気信号が放射線検出用配線121に流れる。
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100は、放射線検出回路130を備えている。
放射線検出素子10に設けられた各放射線検出用配線121は、一端が並列に接続され、当該一端が放射線検出回路130に接続されている。各ノイズ検出用配線122も、一端が並列に接続され、当該一端が放射線検出回路130に接続されている。
放射線検出回路130は、増幅回路を内蔵しており、制御部106に接続されている。放射線検出回路130は、制御部106からの制御により動作し、接続された放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122を流れる電気信号をそれぞれ増幅回路により増幅した後、それぞれデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを制御部106へ出力する。
図17には、第3の実施形態に係る間接変換方式の放射線検出素子10の3つの放射線画像撮影用の画素20Aと1つの放射線画像撮影用の画素20Bによる4画素の構造を示す平面図が示されており、図18には、図17の放射線画像撮影用の画素20AのA−A線断面図が示されており、図19には、図17の放射線検出用の画素20BのB−B線断面図が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図2〜図4参照)と同一部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図18、図19に示すように、放射線検出素子10の画素20A及び放射線検出用の画素20Bは、絶縁性の基板1上に、第1信号配線層として、走査配線101(図17参照。)、ゲート電極2が形成されており、走査配線101とゲート電極2は接続されている(図17参照。)。また、放射線検出用の画素20Bが形成された画素列には、走査配線101と並列に、第1信号配線層としてさらに、放射線検出用配線121が形成され、放射線検出用配線121が形成された画素列の隣の画素列には、第1信号配線層としてさらに、ノイズ検出用配線122が形成されている。
この第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15が形成されている。絶縁膜15上には、半導体活性層8が島状に形成され、これらの上層には、第2信号配線層として、ソース電極9、及びドレイン電極13が形成されている。
本実施の形態に係る放射線検出素子10の画素20Bでは、絶縁膜15のドレイン電極13と放射線検出用配線121と対向する位置にコンタクトホール18が形成され、絶縁膜15に形成されたコンタクトホール18を埋めるようにドレイン電極13が形成されている。また、ドレイン電極13は2つの電極13A、13Bに分割されて形成されており、コンタクトホール18を埋めるように形成された電極13Aがコンタクトホール17を介してセンサ部103の下部電極11と接続されている。すなわち、放射線検出用配線121は、電極13Aを介して下部電極11に電気的に接続されている。このように、TFTスイッチ4を介さずに放射線検出用配線121が下部電極11に接続されているため、ダイレクトにセンサ部103の電荷を読み取ることができる。
この第2信号配線層上には、第1の実施の形態(図2〜図4参照)と同様に各層が形成されている。
図20には、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100により放射線画像を撮影する際の動作の流れを示すタイミングチャートが示されている。
上述のように、放射線の検出待ち期間が長くなると暗電流等によって各画素20に電荷が蓄積される。そこで、制御部106は、放射線検出待ち状態の場合、スキャン信号制御回路104を制御して、スキャン信号制御回路104から1ラインずつ順に各第1走査配線101にON信号を出力させ、各第1走査配線101に接続された各TFTスイッチ4を1ラインずつ順にONさせて放射線検出素子10の各画素20の各々に蓄積された電荷を取り出すリセット動作を行う。
また、制御部106は、放射線検出回路130を制御して、所定周期1Hで放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122を流れる電気信号をそれぞれデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返させる。放射線検出回路130は、変換された放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122のデジタルデータを制御部106へ出力する。
ここで、放射線検出用配線121には、放射線検出用の画素20Bが接続されているが、ノイズ検出用配線122には、放射線検出用の画素20Bが接続されていない。このため、放射線が照射された場合、放射線検出用配線121には、放射線が照射されたことにより電気信号が発生するが、ノイズ検出用配線122には、放射線が照射されたことにより電気信号が発生しない。また、放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122には、外乱要因に起因して同様のノイズが発生する。
制御部106では、放射線検出回路130から入力する、放射線検出用配線121のデジタルデータの値からノイズ検出用配線122のデジタルデータの値を減算し、減算されたデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用のしきい値と比較し、しきい値以上となった否かにより放射線が照射されたか否かの検出を行う。
これにより、放射線検出用配線121とノイズ検出用配線122に外乱要因に起因してノイズが発生する場合でも、放射線検出用配線121とノイズ検出用配線122を流れる電気信号をデジタルデータに変換し、変換された放射線検出用配線121のデジタルデータの値からノイズ検出用配線122のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズ分の値がキャンセルされる。
このように、本実施の形態よれば、外乱要因などに起因してノイズが発生する場合でも、ノイズの影響を抑えて精度良く放射線を検出できる。これにより、各信号配線3にノイズが発生する場合でも、放射線検知用のしきい値をノイズ分を考慮して高くする必要がなくなるため、放射線の照射開始をより早く検出できる。
また、本実施の形態によれば、画素20BはTFTスイッチ4のスイッチング状態にかかわらず電気信号が放射線検出用配線121に流れ出すため、スキャン信号制御回路104により各走査配線101にOFF信号を出力しているオフ期間でも、放射線検出回路130でのサンプリングにより放射線の検出が可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。
図21には、第4の実施の形態に係る放射線検出素子10を用いた放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図1参照)と同一部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態に係る放射線検出素子10は、画素20が全て放射線画像撮影用の画素20Aとされており、画素20がマトリクス状に配置された撮影領域の周囲に、放射線を受けて電荷を発生する放射線検出用のセンサ部140が複数設けられている。なお、センサ部140は、上部にシンチレータが形成されている場合、シンチレータからの光を受けて電荷を発生するものとしてもよい。
また、第4の実施の形態に係る放射線検出素子10は、撮影領域の周囲に放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122が並列に略同経路で設けられている。各センサ部140は、放射線検出用配線121に接続されている。
第4の実施の形態に係る放射線画像撮影装置100は、第3の実施の形態と同様に、放射線検出回路130を備えている。
放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122は、放射線検出回路130にそれぞれ接続されている。
放射線検出回路130は、増幅回路を内蔵しており、制御部106に接続されている。放射線検出回路130は、制御部106からの制御により動作し、接続された放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122を流れる電気信号をそれぞれ増幅回路により増幅した後、それぞれデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを制御部106へ出力する。
制御部106は、撮影モードへの移行が通知されると放射線検出待ち状態に移行し、放射線検出回路130を制御して、所定周期1Hで放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122を流れる電気信号をそれぞれデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返させる。放射線検出回路130は、変換された放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122のデジタルデータを制御部106へ出力する。
ここで、放射線検出用配線121には、センサ部140が接続されているが、ノイズ検出用配線122には、センサ部140が接続されていない。このため、放射線が照射された場合、放射線検出用配線121には、放射線が照射されたことにより電気信号が発生するが、ノイズ検出用配線122には、放射線が照射されたことにより電気信号が発生しない。また、放射線検出用配線121及びノイズ検出用配線122には、外乱要因に起因して同様のノイズが発生する。
なお、ノイズ検出用配線122の配線容量が、放射線検出用配線121よりもセンサ部140に相当する分小さいことを補間するため、ノイズ検出用配線122に、センサ部140と隣接する位置にダミー容量を配置しても良い。ダミー容量は、例えば、センサ部と同じ層構成、形状のフォトダイオードの上部電極上に遮光膜を配置することで、容量が同じである一方、放射線に対する感度をほぼゼロにした構成をとることで実現できる。
制御部106では、放射線検出回路130から入力する、放射線検出用配線121のデジタルデータの値からノイズ検出用配線122のデジタルデータの値を減算し、減算されたデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用のしきい値と比較し、しきい値以上となった否かにより放射線が照射されたか否かの検出を行う。
これにより、放射線検出用配線121とノイズ検出用配線122に外乱要因に起因してノイズが発生する場合でも、放射線検出用配線121とノイズ検出用配線122を流れる電気信号をデジタルデータに変換し、変換された放射線検出用配線121のデジタルデータの値からノイズ検出用配線122のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズ分の値がキャンセルされる。
このように、本実施の形態よれば、外乱要因などに起因してノイズが発生する場合でも、ノイズの影響を抑えて精度良く放射線を検出できる。これにより、各信号配線3にノイズが発生する場合でも、放射線検知用のしきい値をノイズ分を考慮して高くする必要がなくなるため、放射線の照射開始をより早く検出できる。
なお、上記第1の実施の形態では、放射線検出用の画素20Bでソースとドレインを短絡させてTFTスイッチ4を形成した場合ついて説明したが、例えば、TFTスイッチ4を形成せずに、センサ部103を信号配線3に直接接続するようにしてもよい。
例えば、図22に示すように、放射線検出用の画素20Bでは、ゲート電極2や半導体活性層8を設けずに、ソース電極9とドレイン電極13を接続させて、センサ部103の下部電極11と信号配線3を電気的に接続する接続配線80としてもよい。このような場合、図23に示すように、放射線画像撮影用の画素20Aは、センサ部103がTFTスイッチ4を介して信号配線3に電気的に接続されているが、放射線検出用の画素20Bは、TFTスイッチ4が設けられておらず、センサ部103が信号配線3に電気的に直接接続されていることとなる。
また、上記第1の実施の形態では、放射線検出用の画素20Bでソースとドレインが短絡させてTFTスイッチ4を形成した場合ついて説明したが、例えば、図24に示すように、ドレイン電極13の途中から接続配線82を形成して信号配線3と接続するようにしてもよい。この場合も、TFTスイッチ4のソースとドレインは実質的に短絡していることとなる。第1の実施の形態や図24に示すように、TFTスイッチ4のソースとドレインを短絡させる場合、図25に示すようにゲート電極2を走査配線101から離して形成するようにしてもよい。
また、例えば、図29に示すように、放射線検出用の画素20Bでは、接続配線82を形成して接続配線82及びコンタクトホール17を介して、センサ部103と信号配線3とを接続し、ドレイン電極13とコンタクトホール17の間を電気的に切断してもよい。
放射線検出用の画素20Bは、図2及び図4に示すように、TFTスイッチ4のソース電極9とドレイン電極13を短絡させた場合、ゲート電極2とドレイン電極13間の容量Cgdが通常の放射線画像撮影用の画素20Aよりも大きくなる。これにより、放射線検出素子10では、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3と放射線検出用の画素20Bが接続されていない他の信号配線3との配線容量の差からオフセット電荷量に差が生じる。
一方、放射線検出用の画素20Bは、図22に示すように、ゲート電極2や半導体活性層8を設けずに、ソース電極9とドレイン電極13を接続した場合、TFTスイッチ4が無いため、容量Cgdがゼロになる。しかし、放射線検出素子10では、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3と放射線検出用の画素20Bが接続されていない他の信号配線3との配線容量の差が大きくなり、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3と放射線検出用の画素20Bが接続されていない他の信号配線3のフィードスルー電圧に差異が生じ、オフセット電荷量に差異が生じる。
これに対し、放射線検出用の画素20Bは、図24に示すように、ドレイン電極13の途中から接続配線82を形成してセンサ部103と信号配線3とを接続させた場合、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3と放射線検出用の画素20Bが接続されていない他の信号配線3との配線容量の差を小さくできる。また、放射線検出用の画素20Bは、図29に示すように、接続配線82を形成してセンサ部103と信号配線3とを接続させると共に、ドレイン電極13とコンタクトホール17の間を電気的に切断すると、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3と放射線検出用の画素20Bが接続されていない他の信号配線3との配線容量の差をさらに小さくすることができる。
ここで、放射線画像撮影用の画素20Aと、図2及び図4に示すようにTFTスイッチ4のソース電極9とドレイン電極13を短絡させた放射線検出用の画素20B(以下、画素20B−1と記す。)と、図22に示すようにゲート電極2や半導体活性層8を設けずに、ソース電極9とドレイン電極13を接続した放射線検出用の画素20B(以下、画素20B−2と記す。)と、図24に示すように、ドレイン電極13の途中から接続配線82を形成してセンサ部103と信号配線3とを接続させた放射線検出用の画素20B(以下、画素20B−3と記す。)と、図29に示すように接続配線82を形成してセンサ部103と信号配線3とを接続させると共にドレイン電極13とコンタクトホール17の間を電気的に切断した放射線検出用の画素20B(以下、画素20B−4と記す。)のフィードスルー電荷、及び配線容量について具体的な比較を行う。
Cgd:ゲート電極2とドレイン電極13間の容量
Vpp:VgH(TFTスイッチ4をONする制御信号の電圧)−Vgl(TFTスイッチ4をOFFする制御信号の電圧)
Ca−Si:TFTスイッチ4のチャネル部の容量
Cgs:ゲート電極2とソース電極9間の容量
Ctft:1つのTFTスイッチ4当たりの走査配線101の容量への寄与分
Cpd:センサ部103の容量
Csd:下部電極11とその下部電極11を含む画素20の両側の信号配線3との容量
とした場合、画素20A及び画素20B―1〜20B−4のフィードスルー電荷ΔQは以下のようになる。
画素20A :ΔQ=Cgd×Vpp (1)
画素20B−1:ΔQ=(Cgd+Ca−Si+Cgs)×Vpp ≒ 4Cgd×Vpp (2)
画素20B−2:ΔQ=0 (3)
画素20B−3:ΔQ=(Cgd+Cgs)×Vpp=2Cgd×Vpp (4)
画素20B−4:ΔQ=Cgd×Vpp (5)
よって、フィードスルー電荷ΔQが画素20Aに近い画素20B−4が好ましく、また、画素20B−3も画素20B−1より好ましい。
一方、画素20A及び画素20B―1〜20B−4の1つのTFTスイッチ4当たりの走査配線101の容量への寄与分Ctftは以下のようになる。
画素20A :Ctft=Cgd+Cgs//(Cpd+Csd)
=Cgd+{Cgs(Cpd+Csd)/(Cgs+Cpd+Csd}
ここで、(Cpd≧Cgs)及び(Cpd≧Csd)であるためCgs、Csdを無視できるため
≒Cgd+Cgs≒2Cgd (6)
画素20B−1:Ctft=Cgd+Ca−Si+Cgs ≒ 4Cgd (7)
画素20B−2:Ctft=0 (8)
画素20B−3:Ctft=Cgd+Cgs ≒2Cgd (9)
画素20B−4:Ctft=Cgd (10)
よって、配線容量の変化を小さく押えようとした場合、容量Ctftが画素20Aに近い画素20B−3が好ましい。
フィードスルー電荷は、画質面への影響が大きいため、画素20B−4の構成をとることで他の画素とフィードスルー成分を揃えることができる。これにより、放射線検知用の画素20Bでオフセット値が変動する現象を抑制することができる。また、画素20B−3の構成であっても、画素20B−1に比べるとフィードスルーを半減できるため効果がある。
また、上記第1及び第2の実施の形態では、所定周期1Hで画素20Bが接続されたD6の信号配線3と共に、D6の信号配線3の隣に配設された画素20Bが接続されていないD7の信号配線3に流れる電気信号のサンプリングを行い、D6の信号配線3のデジタルデータの値からD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズをキャンセルする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図26に示すように、D6の信号配線3の両隣に配設されたD5、及びD7の信号配線3に流れる電気信号のサンプリングを行い、D5、及びD7の信号配線3のデジタルデータの値の平均値を求め、画素20Bが接続されたD6の信号配線3のデジタルデータの値から当該平均値を減算するようにしてもよい。すなわち、画素20Bが接続されていない複数の信号配線3に流れる電気信号を検出してデジタルデータをそれぞれ求め、求めたデジタルデータの値の平均値を求めて、画素20Bが接続されたD2の信号配線3のデジタルデータの値から当該平均値を減算するようにしてもよい。この場合も、画素20Bが接続された信号配線3と共にサンプリングを行う信号配線3は、各信号配線3に発生するノイズが同様の場合、画素20Bが接続されていなければいずれでもよいが、放射線検出素子10内での信号配線3の位置により発生するノイズにムラがある場合、画素20Bが接続されたサンプリング対象の信号配線3に近く、当該信号配線3と同じ信号検出回路105に接続されていることが好ましい。
また、上記各実施の形態では、デジタルデータの値の差分をとってから判断する手法を説明したが、画素20Bが接続された信号配線3(第1配線)と画素20Bが接続されていない信号配線3(第2配線)のデータを各々判断しても良い(結果的に第2配線を用いて差分処理と同様な検出精度向上の効果が得られれば良い)。例えば、第2配線の信号値が一定値以下のときに外乱ノイズがないと判断し、第1配線の信号値をそのまま放射線量の検知に用いることにより、減算処理を行わない。
また、上記第2の実施の形態では、図11に示すように、放射線検出用の画素20Bが設けられた行方向の各画素列に第1走査配線101と並列に第2走査配線108が設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、行方向の全ての画素列に第1走査配線101と並列に第2走査配線108を設けて、放射線検出用の画素20BのTFTスイッチ4を第2走査配線108に接続するようにしもてよい。これにより、第1走査配線101と第2走査配線108と信号配線3の配線パターンを同一にすることができる。
また、上記第2の実施の形態では、図11に示すように、第2走査配線108の一端を並列に接続して制御信号出力回路120から全ての第2走査配線108に一度にTFTスイッチ4をONする制御信号を出力する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各第2走査配線108をそれぞれ個別に制御信号出力回路120に接続して、制御信号出力回路120から各第2走査配線108にTFTスイッチ4をONする制御信号を個別に出力するものとしてもよい。これにより、領域を選択して放射線の検出が行える。
また、上記各実施の形態では、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3(例えばD6)を第1配線とし、画素20Bが接続されていない信号配線3(例えばD7)を第2配線として、第1配線を流れる電気信号と第2配線を流れる電気信号との差を求める場合について説明したが、これに限定されるものではない。第1配線として用いられる特定の信号配線3上に複数の画素20Bを集中して配置すればよく、画素20Bの接続数が第1配線よりも少なければ、第2配線として用いられる信号配線3にも画素20Bが接続されていてもよい。例えば、図6、図11、図26のD7の信号配線3にも、D6の信号配線3よりも少ない画素20Bが接続されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線検出素子10に画素20として、放射線画像撮影用の画素20Aと放射線検出用の画素20Bを設けた場合について説明したが、例えば、他の用途向けの画素を設けてもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線の照射開始の検出を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射線の照射中も所定周期1Hで画素20Bが接続された信号配線3及び画素20Bが接続されていない信号配線3の電気信号をデジタルデータに変換させて放射線の検出を行うサンプリングを繰り返し、画素20Bが接続された信号配線3のデジタルデータの値から画素20Bが接続されていない信号配線3のデジタルデータの値を減算したデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用の所定のしきい値と比較し、しきい値未満となった否かにより放射線の照射終了の検出を行うものとしてもよい。また、減算したデジタルデータの値を累積して、累計の放射線の照射量を検出するようにしてもよい。このように累計の放射線の照射量を検出可能となることにより画素20Bを放射線照射量検出(AEC)用のセンサとして用いることができる。
また、上記各実施の形態では、放射線検出待ち状態の間も待機状態と同様のリセット動作を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図27に示すように、放射線検出待ち状態の間はリセット動作を停止するようにしてもよい。また、所定の周期で全ての走査配線101に同時にON信号を出力させて、放射線検出素子10の全画素20の各々に蓄積された電荷を取り出すリセット動作を行うようにしてもよい。
また、上記1〜第3の実施の形態では、放射線検出用の画素20Bを分散して配置した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特定の範囲にそれぞれ複数の画素20Bを集中的に配置してもよい。特定の範囲は、例えば、画素20Bにより放射線の照射開始や照射終了の検出を行う場合、被写体が主に配置される領域の周辺が好ましく、画素20Bにより放射線照射量の検出を行う場合、被写体が主に配置される領域であることが好ましい。一般撮影では、検出領域の中央部分が被写体が主に配置される領域となり、乳房撮影では、患者側になる検出領域の一端部分が被写体が主に配置される領域となる。なお、制御部106で画素20Bの画像情報を補間する補間処理を行うため、画素20Bは、互いに隣合わないことが好ましく、例えば、互いに斜めになるように配置するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、例えば、図10に示すように、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3(D6の信号配線3)と放射線検出用の画素20Bが接続されていない信号配線3(D7の信号配線3)をそれぞれ流れる電気信号をデジタルデータに変換し、変換されたD6の信号配線3のデジタルデータの値からD7の信号配線3のデジタルデータの値を減算することにより、ノイズ分の値がキャンセルする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図28に示すように、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3(D6の信号配線3)と放射線検出用の画素20Bが接続されていない信号配線3(D7の信号配線3)をそれぞれ流れる電気信号の差を差動アンプで求めてアナログ信号でノイズ分をキャンセルしてもよい。この場合、放射線検出用の画素20Bが接続された信号配線3を流れる電気信号と放射線検出用の画素20Bが接続されていない信号配線3を流れる電気信号との差を示す差動アンプからの出力信号をデジタル変換し、変換したデジタルデータの値を予め定めた放射線検知用のしきい値と比較して放射線を照射開始すればよい。
また、上記各実施の形態では、間接変換方式の放射線検出素子10に本発明を適用した場合について説明したが、放射線を直接、半導体層で電荷に変換して蓄積する直接変換方式の放射線検出素子に適用してもよい。この場合、直接変換方式におけるセンサ部は、放射線が照射されることにより電荷を発生する。
また、上記各実施の形態では、X線を検出することにより画像を検出する放射線画像撮影装置100に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、検出対象とする放射線は、X線や可視光、紫外線、赤外線、ガンマ線、粒子線等いずれであってもよい。
その他、上記各実施の形態で説明した放射線画像撮影装置100の構成、及び放射線検出素子10の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。