JP2004170216A - 放射線検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適な自動露光制御(AEC)を行うことができる放射線撮像装置を実現できるようにする。
【解決手段】入射した放射線を電気信号に変換する変換素子101が基板上に複数配設された放射線変換部111に、変換素子101が前記電気信号を転送するスイッチ素子102を介して信号線(S1〜S4)に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素103と、変換素子101が直接、信号線(S2,S3)に接続され、放射線の照射量を調整するための信号を出力する第2の画素104とを備えるようにして、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】入射した放射線を電気信号に変換する変換素子101が基板上に複数配設された放射線変換部111に、変換素子101が前記電気信号を転送するスイッチ素子102を介して信号線(S1〜S4)に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素103と、変換素子101が直接、信号線(S2,S3)に接続され、放射線の照射量を調整するための信号を出力する第2の画素104とを備えるようにして、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線、γ線などの放射線を検出する放射線検出装置に関し、特に、医療画像診断装置、非破壊検査装置、放射線を用いた分析装置などに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、X線を用いた医療画像診断では、静止画像を得る一般撮影が多用されている。通常、この一般撮影は、蛍光板とフィルムを組み合わせたスクリーンフィルム系(以下、S/Fと略記)を用い、フィルムを露光、現像した後、定着させる方法、或いは、放射線画像を輝尽性蛍光体に潜像として記録した後、輝尽性蛍光体にレーザーを走査し、出力された光出力情報をセンサーで読み取る(コンピューティッドラジオグラフィ、以下、CRと略記)方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、これら両方法は、放射線画像を得るためのワークフローが煩雑であるといった欠点があり、且つ、デジタル化は、間接的には可能であるが即時性に欠け、他の医療画像診断で用いられるCT、MRIなどのデジタル化された環境を考慮すると、整合性があるとは言い難い状況である。言い換えれば、一般撮影のデジタル化は、医療画像診断において、最後の要求とも言える。
【0004】
この様な環境において、近年、X線、γ線などの放射線を検出する放射線検出装置としては、放射線を可視光に変換し、変換した可視光を非晶質シリコン薄膜からなる光電変換素子により検出する、所謂、間接型の放射線検出装置が製品化されている。この種の放射線検出装置が製品化された理由としては、主に、光導電性を持った非晶質シリコンを核とした液晶技術の進歩により、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)及び光センサの大面積化が可能になった背景や、従来から使用されているGOS蛍光体又はCsI蛍光体などを組み合わせたフラットパネル検出器(以下、FPDと略記)が提案され、大画面で、且つ、信頼性の高い放射線検出装置を安定的に作製することができるようになったことによる所が大きい。
【0005】
このFPDの最大の特徴は、放射線画像を瞬時に読み取り、瞬時にディスプレイ上に表示できることであり、また、その放射線画像はデジタル情報として直接取り出すことが可能であるため、データの保管、或いは、加工、転送などの取り扱いが便利であるといったこともある。更に、感度などの諸特性は、撮影条件に依存するが、従来のS/F系撮影法やCR撮影法と比較して、同等又はそれ以上であることが確認されている。
【0006】
従来、この種の代表的な放射線検出装置としては、本発明者らが提案しているMIS型光電変換素子(以下、MIS型PD:Photo Detectorと略記)とスイッチTFTとから構成されたMIS−TFT構造の光センサアレーと、前述の蛍光体とを組み合わせた放射線検出装置がある。本例での光センサアレーの特徴は、前述したスイッチTFTとMIS型PDとが同一層の構成で同一プロセスにより製造することが可能であることであり、その結果、安定的に、且つ、低価格で製造できるといった利点がある。本構成は、本発明者等により、下記特許文献1により開示されている。
【0007】
一方、PIN型光電変換素子(以下、PIN型PDと略記)とスイッチTFTとを組み合わせたPIN−TFT構造、或いは、スイッチ素子にPIN型ダイオードを用いたPIN−PIN構造の光センサアレーなど、多岐に渡る提案がされている。PIN型PDを用いたFPDとしては、高開口率を実現するため、且つ、縦方向、或いは横方向のリーク電流を低減できる構造として、Xerox社により、下記特許文献2にて開示されている。
【0008】
前述したように、基本的には、放射線を蛍光体で可視光に変換し、変換した可視光を光電変換素子により蓄積電荷として蓄積し、蓄積した電荷をスイッチ素子により順次読み出すといった共通の駆動方法を一般的に用いている。
【0009】
前述した間接型の放射線検出装置に対して、放射線を直接、電荷に変換する直接型の放射線検出装置がある。例えば、下記非特許文献1に記載されているa−Se膜を用いた直接型の放射線検出装置がある。これは、放射線を直接、電気信号に変換するa−Se半導体薄膜をTFT基板に直接形成、接続した直接型の放射線検出装置である。この直接型の放射線検出装置は、間接型に比べて光学的損失がなく、また、発生した電荷を電界により引き出すために十分厚膜化することができ、その結果、一層高感度な検出装置が実現できると考えられている。
【0010】
一般的な放射線検出装置に利用される光センサアレーの模式的な等価回路を図16に示す。同図では、説明を単純化するために、3×3の合計9個の画素を有する光センサアレーを例として示している。
同図より明らかな様に、一般的には、画素100は、1つの光電変換素子Sij(i,j=1〜3)、1つのスイッチTFT(Tij(i,j=1〜3))とを備えて構成されている。本図における光電変換素子Sijでは、前述のMIS型PDでも、或いはPIN型PDでも同一である。また、Vsn(n=1〜3)は光電変換素子のバイアス配線であり、バイアス電源Bに接続されている。また、Vgn(n=1〜3)はTFTゲート配線、Sign(n=1〜3)は信号線である。
【0011】
それぞれの光電変換素子Sijで変換した信号電荷は、光電変換素子Sij自身に蓄積される。そして、駆動用回路Dからの駆動信号によって、スイッチTFT(Tij)が順次オンされ、光電変換素子Sij自身に蓄積されている蓄積電荷に対応する電流がスイッチTFT(Tij)を介して信号線Sign(n=1〜3)に流れる。このようにして読み出された信号は、信号処理回路Aに入力されて、そこで増幅、A/D変換されて出力される。
【0012】
ここで、本従来例では、間接型の放射線検出装置として説明を行ったが、光電変換素子を直接変換素子、或いは、それに接続された容量部などの機能素子に見立てれば、前述した直接型の放射線検出装置と同一の等価回路となり、前述の説明が可能である。
【0013】
次に、放射線検出装置における重要な装置要素としての自動露出制御(以下、AECと略記)について述べる。この機構は、例えば、放射されたX線を検出し、適正なX線照射量に達した場合、X線照射を停止させるシステムである。このAECの結果、任意部位の撮影において、常に同一の撮影環境で、適切な濃度の画像を取得することができる。
【0014】
従来からAECに用いられる検出方法には、電離箱を使用し、電離電流を検出する方法(イオンタイマー)と、蛍光体を用いてX線により発生する蛍光を光電管などの光電変換素子を用いて、その出力電流を検出する方法(フォトタイマー)とがある。前者のイオンタイマーは、電離箱の出力が微小で増幅器が必要であるため、現在は、後者のフォトタイマーによるAECが主流となっている。
【0015】
実際のフォトタイマーは、例えば、カセッテ(S/F系で用いられるフィルムと蛍光板を組み合わせた撮影媒体)を用いた撮影では、X線照射側のカセッテ前面に設置される場合と、カセッテ後面に設置される場合とがある。もちろん、FPDを用いた放射線検出装置においても同様である。従来は、FPD前面に、X線の減衰が5%程度である薄型のAEC用センサーを複数個配置して、これらの出力によりX線の曝射を停止して、画像化に適切なX線照射量を得ている。
【0016】
この様に、FPDを用いた放射線検出装置においても、常に、適正な放射線画像を得るためには、入力される放射線量を調整することが必要であり、前述したAEC用センサーをFPDとは別に設置する方法が様々考えられている。
また、下記特許文献3には、画素をFirst group of pixelsとSecond group of pixelsにわけて、Second group of pixelsに、integration unit 26,threshold circuit 27が接続され、signalの積分値とthreshold値とを比較し、X線を遮断する構成が開示されている。
【0017】
【特許文献1】
特開平08−116044
【特許文献2】
特開2001−250935
【特許文献3】
USP5448616
【非特許文献1】
SPIE Vol.2708 P511〜P522
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したFPDを用いた放射線検出装置により、放射線画像のデジタル化が可能となって多くの利点を得るに至っているが、未だ放射線検出装置としての完成度は十分とは言えない。特に、個々の被写体の撮影において、常に最適な撮影を可能とする放射線検出装置を実現するには至っていない。つまり、適正な画像濃度を得るためにAEC機構が十分機能しているとは言い難い現状である。
【0019】
例えば、FPDの前面にAEC用センサーを設置して、入射光量、或いは放射線量を計測し、入射する入射光量、或いは放射線を制御する場合には、まず、AEC用センサーの配置が問題となる。
【0020】
つまり、一般にAECを行う場合、必要な情報は被写体の中央部分、即ち、FPDの中央部分にAECを行うためのAEC用センサーを設置することが望ましい。しかし、この時、撮像に支障がまったく無いようにAEC用センサーを配置することは原理的に困難であり、現状では、高品位画像になるに従ってその影響がでてくる。
【0021】
また、撮像に支障が無いようにAEC用センサーの配置位置をFPDの端部にした場合は、必要な撮影部分の情報が得ることができず、AEC用の情報の精度が低く、AEC情報としては不充分となってしまう。
【0022】
また、アクリル板などを導光板として用いて、板端部に設置して検出する場合、特に、光減衰などから高感度のAEC用センサーが必要となる。そこで、一般には、光電子増倍管が用いられるが、被写体の吸収の大小、管電圧の大小によって、FPDの感度と光電子増倍管の感度に差異が現れる場合が多く、完全に整合性を得るのは困難となる。
【0023】
一方、FPDの背面にAEC用センサーを設置した場合は、FPDの背面での光吸収、反射などの減衰により、高感度な光電子増倍管が前述と同様に必要となり、同様な問題を引き起こす。更に、コストアップ、放射線検出装置の大型化、重量アップなどの問題も発生する。
【0024】
また、上記特許文献3においては、画素の詳細な説明がなく、First group ofpixelsおよびSecond group of pixels適した画素構成などは検討の余地が残されていると考えられる。
【0025】
本発明は前述の問題点にかんがみてなされたもので、AEC用センサーを最適箇所に配設できるようにして、最適濃度の画像の取得を可能とする放射線検出装置を実現することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線検出装置は、入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、前記放射線変換部は、前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素と、前記変換素子が直接、信号線に接続され、前記放射線の照射を検出する第2の画素とを備えていること特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の放射線検出装置の実施形態について説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、変換素子としてMIS型PD、或いは、PIN型PDなどを適用した間接型のX線検出装置の例を説明する。
図1は、第1の実施形態におけるX線検出装置の模式的等価回路図である。
図1に示すように、このX線検出装置は、入射したX線を電気信号に変換する光電変換素子101が2次元状に配設されたX線変換部111を有しており、このX線変換部111には、光電変換素子101と光電変換素子101の電気信号を転送するスイッチTFT102からなる第1の画素103と、光電変換素子101のみからなる第2の画素104とが配設されている。図1には、簡略化のため、4画素×4画素の合計16画素で構成された場合のX線変換部111を示している。
【0029】
第1の画素103の光電変換素子101には、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加され、スイッチTFT102は、それぞれTFT駆動用配線G1〜G4を介してその駆動を制御するシフトレジスタ105と接続されている。また、スイッチTFT102の出力信号は、信号線S1〜S4を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に転送され、順次に信号処理される。
【0030】
ここで、図2に、第1の画素103の1画素の模式的平面図を示す。
図に示す101は光電変換素子、102はスイッチTFT、GはスイッチTFT駆動配線、Sは信号線、Vsはバイアス線である。
【0031】
また、図3に、図2のA−A間において、光電変換素子101がMIS型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す1は絶縁基板、2はMIS型PDの下電極、3はスイッチTFTのゲート電極、4は絶縁層、5は真性a−Si半導体層、6はn型マイクロクリスタル(μc)−Si層、7はバイアス線、8は信号線、9は保護層、10は接着層、11は蛍光体である。
【0032】
また、図6に、図2のA−A間において、光電変換素子101がPIN型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す12はp型μc−Si層、13は真性a−Si半導体層、14はn型μc−Si層、15は透明電極層である。
【0033】
一方、第2の画素104の光電変換素子101は、第1の画素103と同様に、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加されているが、光電変換素子101は直接、信号線S2〜S3を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に接続されている。
【0034】
ここで、図4に、第2の画素104の1画素の模式的平面図を示す。
また、図5に、図4のB−B間において、光電変換素子101がMIS型PDである場合の模式的断面図を示す。
第2の画素104の光電変換素子101は、直接信号線Sに接続されている。図5に示す2はコンタクトホールを介して8と接続された構成となっている。
【0035】
また、図7に、図4のB−B間において、光電変換素子101がPIN型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す符号は、図6で示した第1の画素103と同様である。
【0036】
図2〜図7で示した第1の画素103と第2の画素104の模式的平面図及び断面図から、光電変換素子101がMIS型PD、或いはPIN型PDどちらにおいても、第1の画素103は、光電変換素子101がスイッチTFT102を介して信号線Gと接続されており、第2の画素104は、光電変換素子101が信号線Gに直接接続されている。
【0037】
次に、図1を用いて、本実施形態における放射線検出装置の基本原理について概略を説明する。本実施例では、放射線検出装置が間接型のX線検出装置であるため、X線をGOS、或いはCsIなどの蛍光体により可視光に変換して、FPD内の第1の画素103及び第2の画素104に入射する。この入射光量に応じて、光電変換素子101内に電荷が蓄積される。
【0038】
このとき、第2の画素104に接続された信号線S2及びS3の電位は、入射光量に応じて変動する。そこで、本実施形態では、対象となる信号線から出力を読み取り、各信号線の出力を演算して、その算出された演算値と予め設定した設定値とを比較して、その比較結果に基づいてX線曝射を停止するようにする。そして、各信号線からの読出しが終了した後には、増幅器側からリセット動作が行われる。
【0039】
その後、第1の画素103に、入射光量に応じて蓄積された電荷をシフトレジスタ105によりスイッチTFT駆動配線G1〜G4を順次駆動させ、各信号線S1〜S4から読出し、増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106により処理され、画像情報として転送される。
【0040】
図8に、画素ピッチが160μmで2560画素×2560画素の大面積FPDの模式的平面図を示す。
図に示す301は大面積FPDの全画素領域である。また、302は、第1の画素103と第2の画素104とが混在しているAEC用領域である。図8に示すFPDは、AMP(増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106)側に256ビット処理ICを10個用いた構成としており、また、Dr(シフトレジスタ105)側も256ビット処理ICを10個用いた構成としている。
【0041】
この例では、AEC用領域302は、AMP_IC、或いはDr_ICの基本単位として、256画素×256画素の領域となっている。このように、X線変換部111の領域を区分して構成するのは、後述する読み取り動作において都合が良いためである。
【0042】
図9に、AEC用領域302の拡大図を示す。
図に示す白抜きの領域は第1の画素103であり、黒ぬりの領域は第2の画素104である。第2の画素104はAEC用に使用されるため、画像情報を生成するときには、その第2の画素104を左右、上下から補正する必要がある。そこで、本実施形態におけるX線検出装置は、第2の画素104の周囲に第1の画素103を配設するように構成している。
【0043】
本実施形態では、信号線の寄生容量の大きな変動を防ぐために、1本の信号線には、1つの第2の画素104を接続するように配置しているが、1本の信号線に複数の第2の画素104を接続することも可能である。
また、AEC情報を大きな領域で得るためには、基本的には、画像情報、或いは撮像方法に影響なく、本実施形態のように256画素×256画素の範囲に一様に配列することが望ましい。
【0044】
次に、FPDの動作について説明する。
まず、X線照射が開始されると、第1の画素103に画像情報が蓄積される。その間に、第2の画素104からのAEC用の出力信号を複数回読み出す。
図10に、このFPD動作におけるタイミングチャートを示す。
第2の画素104、全ての出力読込みは、一定の時間間隔で行われる。この第2の画素104からの出力読込みを行うときには、AEC用領域がAMP_IC単位で形成されているため、該当するAMP_ICにおける出力を読み取れば良いことになる。
【0045】
本実施形態では、AMP_IC内に配設された切り替えスイッチを切り替えることにより、第2の画素104からのAEC用出力信号の読み込みと第1の画素103からの画像出力信号の読み込みとを動作させることが可能である。このAEC用出力信号は演算回路で演算処理され、一方、画像出力信号は、通常の増幅、A/D変換処理がなされる。また、図10のタイミングチャートを参照すると明らかなように、AEC用の第2の画素104が接続された信号線には、画素から読み出された信号を加算する回路が接続されている。
【0046】
この読み取り処理は、該当するAMP_IC単位のすべての信号線から行われ、読み出し後に読み出した信号線がリセットされる。AEC用領域302から読み出された出力は加算されて、必要に応じて平均化された情報を読み込み回数に従って積算し、その積算値と予め設定された閾値とを比較して、比較結果に基づいてX線照射を停止する信号をX線発生装置などに出力する。
【0047】
また、その他の方法として、第2の画素104の読み込み回数を1回とし、予め設定された設計値に対して、その出力値からX線曝射時間を推定し算出して、その算出結果に基づいてX線照射を停止する信号をX線発生装置などに出力することも可能である。図11に、X線照射開始からX線照射を停止するまでのフローチャートを示す。ここで、通常のX線照射時間内に読み込みが必要であることと、その後の画像読み込み前には信号線のリセットが必要である。
【0048】
本実施形態によれば、AEC用の第2の画素104を画像読み取り用の第1の画素103と同一基板内に造り込み、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるため、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の小型化、さらに回路構成の簡易化を図ることができる。
【0049】
また、AEC用センサーである第1の画素103と画像情報に使用するセンサーである第2の画素104とを同一形態で形成することができるため、AEC用センサーの感度と読み取りセンサーの感度とを略同一にすることができる。これにより、AECが容易となり、画質を安定させることができる。その結果、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらず、最適濃度の画像を取得することができる。
【0050】
また、第2の画素104の周囲に前記第1の画素103を配設するようにしたので、画像を生成するときに、その第2の画素の位置における画像情報を左右、上下から補正することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、変換素子としてa−Seを用いた直接型のX線検出装置の例を説明する。
図12は、第2の実施形態におけるX線検出装置の模式的等価回路図である。
図1に示すように、このX線検出装置は、入射したX線を電気信号に直接変換するa−Seならなる直接変換素子201が2次元状に配設されたX線変換部121を有しており、このX線変換部121には、直接変換素子201と直接変換素子201で変換された電気信号を蓄積する蓄積容量素子202と蓄積容量素子202に蓄積された電気信号を転送するスイッチTFT102からなる第1の画素203と、直接変換素子201と蓄積容量素子202のみからなる第2の画素204とが配設されている。図12には、簡略化のため、4画素×4画素の合計16画素で構成された場合のX線変換部121を示している。
【0052】
第1の画素203の直接変換素子201は、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加され、スイッチTFT102は、それぞれTFT駆動用配線G1〜G4を介してその駆動を制御するシフトレジスタ105と接続されている。また、スイッチTFT102の出力信号は、信号線S1〜S4を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に転送され、順次に信号処理される。
【0053】
本実施形態では、前述したように直接型のX線検出装置であるため、入射したX線はa−Seなどの直接変換素子201により電荷に変換され、それぞれの蓄積容量202に蓄積される。
【0054】
このとき、第2の画素204に接続された信号線S2及びS3の電位は、入射光量に応じて変動する。そこで、本実施形態では、対象となる信号線から出力を読み取り、各信号線の出力を演算して、その算出された演算値が予め設定した閾値を越えた時点で、X線曝射を停止するようにする。そして、各信号線からの読出しが終了した後には、増幅器側からリセット動作が行われる。
【0055】
その後、第1の画素203に、入射光量に応じて蓄積された電荷をシフトレジスタ105によりスイッチTFT駆動配線G1〜G4を順次駆動させ、各信号線S1〜S4から読出し、増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106により処理され、画像情報として転送される。
【0056】
本実施形態によれば、AEC用の第2の画素204を画像読み取り用の第1の画素203と同一基板内に造り込み、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるため、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の小型化、さらに回路構成の簡易化を図ることができる。
【0057】
また、AEC用センサーである第1の画素203と画像情報に使用するセンサーである第2の画素204とを同一形態で形成することができるため、AEC用センサーの感度と読み取りセンサーの感度とを略同一にすることができる。これにより、AECが容易となり、画質を安定させることができる。その結果、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらず、最適濃度の画像を取得することができる。
【0058】
また、第2の画素204の周囲に前記第1の画素203を配設するようにしたので、画像を生成するときに、その第2の画素の位置における画像情報を左右、上下から補正することができる。
【0059】
(第3の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、第2の画素をフォトタイマーとして使用する前述の第1の実施形態及び第2の実施形態の2例とは異なり、X線モニターとして使用する場合のX線検出装置の例を説明する。また、本実施形態では、変換素子としてMIS型PD、或いは、PIN型PDなどを適用した間接型のX線検出装置について説明する。
【0060】
通常、X線モニターは、X線の照射が終了したこと検出するものであり、フォトタイマーと同様に別体で設置されており、機能的には、その信号によりFPDの画像読出し動作を開始するものである。
【0061】
図13に、画素ピッチ160μmで2560画素×2560画素の大面積FPDの模式的平面図を示す。
図に示す401は大面積FPDの全画素領域である。また、402は、第1の画素203と第2の画素204とが混在しているAEC用領域である。図14に、このAEC用領域402の拡大図を示す。図14に示す白抜きの領域は第1の画素203であり、黒ぬりの領域は第2の画素204である。第2の画素204は、撮像上の影響度合いが少ないFPD全体の領域の端部に配置され、図14では、この端部から6画素の領域内に繰り返し配列されている場合を示している。
【0062】
次に、FPDの動作について説明する。
まず、X線照射が開始されると、第1の画素203に画像情報が蓄積される。その間に、第2の画素204からのAEC用の情報を読み出す。
図15に、このFPD動作におけるタイミングチャートを示す。
第2の画素204からの出力の読込みは、一定の時間間隔で行われる。この第2の画素204からの出力読込みを行うときには、AEC用領域がAMP_IC単位で形成されているため、該当するAMP_ICにおける出力を読み取れば良いことになる。
【0063】
この読み取り処理は、該当するAMP_IC単位のすべての信号線から行われ、読み出し後に読み出した信号線がリセットされる。AEC用領域302から読み出された出力は加算されて、必要に応じて平均化された情報を読み込み回数に従って積算する。本実施形態では、この積算値が一定割合で増加しなくなった場合、X線照射が停止されたと判断する。
【0064】
また、本実施形態のAEC領域402は、FPD全体の領域の端部に配置されているために、殆どの場合に被写体が配置されない場所となるため、前述したAMP_IC単位を十分な時間で走査することが可能となる。即ち、256本の信号線を読み込んでいる間に、必ず放射線が停止するように走査することができる。つまり、仮に、X線照射が停止した場合、読み込み走査途中で各信号線からの出力信号が一定となって、それをX線照射が停止されたと判断することも可能である。以上、述べたように、AEC領域、或いはAEC情報の判定方法及び駆動方法により、X線モニターとして機能させることも可能である。
【0065】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0066】
[実施様態1] 入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、
前記放射線変換部は、
前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素と、
前記変換素子が直接、信号線に接続され、前記放射線の照射を検出する第2の画素とを備えていること特徴とする放射線検出装置。
【0067】
[実施様態2] 前記第2の画素の周囲に前記第1の画素が配設されていることを特徴とする実施様態1に記載の放射線検出装置。
【0068】
[実施様態3] 前記放射線変換部は、前記変換素子からの出力を一括して処理するための同一信号処理領域を複数有しており、前記第2の画素は、ある同一信号処理領域内に複数配設されていることを特徴とする実施様態1または2に記載の放射線検出装置。
【0069】
[実施様態4] 前記第2の画素は、前記放射線の総照射量を検出する処理回路部に接続されており、前記処理回路部には、少なくとも、前記第2の画素からの出力を演算する演算手段と、当該演算手段により算出された演算値と予め設定されている設定値と比較する比較手段と、当該比較手段の結果に基づいて前記放射線変換部に照射する前記放射線を停止する放射線遮断手段とを有することを特徴とする実施様態1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
【0070】
[実施様態5] 入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、
前記放射線変換部は、
前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続されている第1の画素と、
前記変換素子が直接、信号線に接続されている第2の画素とを備えていること特徴とする放射線検出装置。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線の照射量を調整するための信号を出力する第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができ、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の構成を簡易にすることができる。また、第1の画素と第2の画素とが略同一であることから、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらずに最適濃度の画像の取得が可能となり、さらに低価格化と機能性の向上を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における放射線検出装置の模式的等価回路図である。
【図2】第1の実施形態における放射線検出装置の第1の画素の模式的平面図である。
【図3】図2のA−A間の模式的断面図である。
【図4】第1の実施形態における放射線検出装置の第2の画素の模式的平面図である。
【図5】図4のB−B間の模式的断面図である。
【図6】第1の実施形態における放射線検出装置の第1の画素の模式的断面図である。
【図7】第1の実施形態における放射線検出装置の第2の画素の模式的断面図である。
【図8】第1の実施形態における放射線検出装置の大面積FPDの模式的平面図である。
【図9】第1の実施形態における放射線検出装置のAEC用領域の拡大図である。
【図10】第1の実施形態における放射線検出装置のFPD動作におけるタイミングチャートである。
【図11】第1の実施形態における放射線検出装置の1回の読み込み処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態における放射線検出装置の模式的等価回路図である。
【図13】第3の実施形態における放射線検出装置の大面積FPDの模式的平面図である。
【図14】第3の実施形態における放射線検出装置のAEC画素領域の拡大図である。
【図15】第3の実施形態における放射線検出装置FPD動作のタイミングチャートである。
【図16】従来の放射線検出装置におけるFPDの模式的等価回路図である。
【符号の説明】
Sij(i,j=1〜3) 光電変換素子
Tij(i,j=1〜3) スイッチTFT
Vsn(n=1〜3) 光電変換素子のバイアス配線
Vgn(n=1〜3) TFTゲート配線
Sign(n=1〜3) 信号線
1 絶縁基板
2 MIS型PDの下電極
3 スイッチTFTのゲート電極
4 絶縁層
5,13 真性a−Si半導体層
6,14 n型マイクロクリスタル(μc)−Si層
7 バイアス線
8 信号線
9 保護層
10 接着層
11 蛍光体
12 p型マイクロクリスタル(μc)−Si層
15 透明電極層
101 光電変換素子
102 スイッチTFT
103,203 第1の画素
104,204 第2の画素
105 シフトレジスタ
106 増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器
107 バイアス手段
111,121 X線変換部
201 直接変換素子
202 蓄積容量素子
301,401 大面積FPDの全画素領域
302,402 第1の画素と第2の画素とが混在しているAEC用領域
Vs バイアス線
G,G1〜G4 TFT駆動用配線
S,S1〜S4 信号線
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線、γ線などの放射線を検出する放射線検出装置に関し、特に、医療画像診断装置、非破壊検査装置、放射線を用いた分析装置などに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、X線を用いた医療画像診断では、静止画像を得る一般撮影が多用されている。通常、この一般撮影は、蛍光板とフィルムを組み合わせたスクリーンフィルム系(以下、S/Fと略記)を用い、フィルムを露光、現像した後、定着させる方法、或いは、放射線画像を輝尽性蛍光体に潜像として記録した後、輝尽性蛍光体にレーザーを走査し、出力された光出力情報をセンサーで読み取る(コンピューティッドラジオグラフィ、以下、CRと略記)方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、これら両方法は、放射線画像を得るためのワークフローが煩雑であるといった欠点があり、且つ、デジタル化は、間接的には可能であるが即時性に欠け、他の医療画像診断で用いられるCT、MRIなどのデジタル化された環境を考慮すると、整合性があるとは言い難い状況である。言い換えれば、一般撮影のデジタル化は、医療画像診断において、最後の要求とも言える。
【0004】
この様な環境において、近年、X線、γ線などの放射線を検出する放射線検出装置としては、放射線を可視光に変換し、変換した可視光を非晶質シリコン薄膜からなる光電変換素子により検出する、所謂、間接型の放射線検出装置が製品化されている。この種の放射線検出装置が製品化された理由としては、主に、光導電性を持った非晶質シリコンを核とした液晶技術の進歩により、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)及び光センサの大面積化が可能になった背景や、従来から使用されているGOS蛍光体又はCsI蛍光体などを組み合わせたフラットパネル検出器(以下、FPDと略記)が提案され、大画面で、且つ、信頼性の高い放射線検出装置を安定的に作製することができるようになったことによる所が大きい。
【0005】
このFPDの最大の特徴は、放射線画像を瞬時に読み取り、瞬時にディスプレイ上に表示できることであり、また、その放射線画像はデジタル情報として直接取り出すことが可能であるため、データの保管、或いは、加工、転送などの取り扱いが便利であるといったこともある。更に、感度などの諸特性は、撮影条件に依存するが、従来のS/F系撮影法やCR撮影法と比較して、同等又はそれ以上であることが確認されている。
【0006】
従来、この種の代表的な放射線検出装置としては、本発明者らが提案しているMIS型光電変換素子(以下、MIS型PD:Photo Detectorと略記)とスイッチTFTとから構成されたMIS−TFT構造の光センサアレーと、前述の蛍光体とを組み合わせた放射線検出装置がある。本例での光センサアレーの特徴は、前述したスイッチTFTとMIS型PDとが同一層の構成で同一プロセスにより製造することが可能であることであり、その結果、安定的に、且つ、低価格で製造できるといった利点がある。本構成は、本発明者等により、下記特許文献1により開示されている。
【0007】
一方、PIN型光電変換素子(以下、PIN型PDと略記)とスイッチTFTとを組み合わせたPIN−TFT構造、或いは、スイッチ素子にPIN型ダイオードを用いたPIN−PIN構造の光センサアレーなど、多岐に渡る提案がされている。PIN型PDを用いたFPDとしては、高開口率を実現するため、且つ、縦方向、或いは横方向のリーク電流を低減できる構造として、Xerox社により、下記特許文献2にて開示されている。
【0008】
前述したように、基本的には、放射線を蛍光体で可視光に変換し、変換した可視光を光電変換素子により蓄積電荷として蓄積し、蓄積した電荷をスイッチ素子により順次読み出すといった共通の駆動方法を一般的に用いている。
【0009】
前述した間接型の放射線検出装置に対して、放射線を直接、電荷に変換する直接型の放射線検出装置がある。例えば、下記非特許文献1に記載されているa−Se膜を用いた直接型の放射線検出装置がある。これは、放射線を直接、電気信号に変換するa−Se半導体薄膜をTFT基板に直接形成、接続した直接型の放射線検出装置である。この直接型の放射線検出装置は、間接型に比べて光学的損失がなく、また、発生した電荷を電界により引き出すために十分厚膜化することができ、その結果、一層高感度な検出装置が実現できると考えられている。
【0010】
一般的な放射線検出装置に利用される光センサアレーの模式的な等価回路を図16に示す。同図では、説明を単純化するために、3×3の合計9個の画素を有する光センサアレーを例として示している。
同図より明らかな様に、一般的には、画素100は、1つの光電変換素子Sij(i,j=1〜3)、1つのスイッチTFT(Tij(i,j=1〜3))とを備えて構成されている。本図における光電変換素子Sijでは、前述のMIS型PDでも、或いはPIN型PDでも同一である。また、Vsn(n=1〜3)は光電変換素子のバイアス配線であり、バイアス電源Bに接続されている。また、Vgn(n=1〜3)はTFTゲート配線、Sign(n=1〜3)は信号線である。
【0011】
それぞれの光電変換素子Sijで変換した信号電荷は、光電変換素子Sij自身に蓄積される。そして、駆動用回路Dからの駆動信号によって、スイッチTFT(Tij)が順次オンされ、光電変換素子Sij自身に蓄積されている蓄積電荷に対応する電流がスイッチTFT(Tij)を介して信号線Sign(n=1〜3)に流れる。このようにして読み出された信号は、信号処理回路Aに入力されて、そこで増幅、A/D変換されて出力される。
【0012】
ここで、本従来例では、間接型の放射線検出装置として説明を行ったが、光電変換素子を直接変換素子、或いは、それに接続された容量部などの機能素子に見立てれば、前述した直接型の放射線検出装置と同一の等価回路となり、前述の説明が可能である。
【0013】
次に、放射線検出装置における重要な装置要素としての自動露出制御(以下、AECと略記)について述べる。この機構は、例えば、放射されたX線を検出し、適正なX線照射量に達した場合、X線照射を停止させるシステムである。このAECの結果、任意部位の撮影において、常に同一の撮影環境で、適切な濃度の画像を取得することができる。
【0014】
従来からAECに用いられる検出方法には、電離箱を使用し、電離電流を検出する方法(イオンタイマー)と、蛍光体を用いてX線により発生する蛍光を光電管などの光電変換素子を用いて、その出力電流を検出する方法(フォトタイマー)とがある。前者のイオンタイマーは、電離箱の出力が微小で増幅器が必要であるため、現在は、後者のフォトタイマーによるAECが主流となっている。
【0015】
実際のフォトタイマーは、例えば、カセッテ(S/F系で用いられるフィルムと蛍光板を組み合わせた撮影媒体)を用いた撮影では、X線照射側のカセッテ前面に設置される場合と、カセッテ後面に設置される場合とがある。もちろん、FPDを用いた放射線検出装置においても同様である。従来は、FPD前面に、X線の減衰が5%程度である薄型のAEC用センサーを複数個配置して、これらの出力によりX線の曝射を停止して、画像化に適切なX線照射量を得ている。
【0016】
この様に、FPDを用いた放射線検出装置においても、常に、適正な放射線画像を得るためには、入力される放射線量を調整することが必要であり、前述したAEC用センサーをFPDとは別に設置する方法が様々考えられている。
また、下記特許文献3には、画素をFirst group of pixelsとSecond group of pixelsにわけて、Second group of pixelsに、integration unit 26,threshold circuit 27が接続され、signalの積分値とthreshold値とを比較し、X線を遮断する構成が開示されている。
【0017】
【特許文献1】
特開平08−116044
【特許文献2】
特開2001−250935
【特許文献3】
USP5448616
【非特許文献1】
SPIE Vol.2708 P511〜P522
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したFPDを用いた放射線検出装置により、放射線画像のデジタル化が可能となって多くの利点を得るに至っているが、未だ放射線検出装置としての完成度は十分とは言えない。特に、個々の被写体の撮影において、常に最適な撮影を可能とする放射線検出装置を実現するには至っていない。つまり、適正な画像濃度を得るためにAEC機構が十分機能しているとは言い難い現状である。
【0019】
例えば、FPDの前面にAEC用センサーを設置して、入射光量、或いは放射線量を計測し、入射する入射光量、或いは放射線を制御する場合には、まず、AEC用センサーの配置が問題となる。
【0020】
つまり、一般にAECを行う場合、必要な情報は被写体の中央部分、即ち、FPDの中央部分にAECを行うためのAEC用センサーを設置することが望ましい。しかし、この時、撮像に支障がまったく無いようにAEC用センサーを配置することは原理的に困難であり、現状では、高品位画像になるに従ってその影響がでてくる。
【0021】
また、撮像に支障が無いようにAEC用センサーの配置位置をFPDの端部にした場合は、必要な撮影部分の情報が得ることができず、AEC用の情報の精度が低く、AEC情報としては不充分となってしまう。
【0022】
また、アクリル板などを導光板として用いて、板端部に設置して検出する場合、特に、光減衰などから高感度のAEC用センサーが必要となる。そこで、一般には、光電子増倍管が用いられるが、被写体の吸収の大小、管電圧の大小によって、FPDの感度と光電子増倍管の感度に差異が現れる場合が多く、完全に整合性を得るのは困難となる。
【0023】
一方、FPDの背面にAEC用センサーを設置した場合は、FPDの背面での光吸収、反射などの減衰により、高感度な光電子増倍管が前述と同様に必要となり、同様な問題を引き起こす。更に、コストアップ、放射線検出装置の大型化、重量アップなどの問題も発生する。
【0024】
また、上記特許文献3においては、画素の詳細な説明がなく、First group ofpixelsおよびSecond group of pixels適した画素構成などは検討の余地が残されていると考えられる。
【0025】
本発明は前述の問題点にかんがみてなされたもので、AEC用センサーを最適箇所に配設できるようにして、最適濃度の画像の取得を可能とする放射線検出装置を実現することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線検出装置は、入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、前記放射線変換部は、前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素と、前記変換素子が直接、信号線に接続され、前記放射線の照射を検出する第2の画素とを備えていること特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の放射線検出装置の実施形態について説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、変換素子としてMIS型PD、或いは、PIN型PDなどを適用した間接型のX線検出装置の例を説明する。
図1は、第1の実施形態におけるX線検出装置の模式的等価回路図である。
図1に示すように、このX線検出装置は、入射したX線を電気信号に変換する光電変換素子101が2次元状に配設されたX線変換部111を有しており、このX線変換部111には、光電変換素子101と光電変換素子101の電気信号を転送するスイッチTFT102からなる第1の画素103と、光電変換素子101のみからなる第2の画素104とが配設されている。図1には、簡略化のため、4画素×4画素の合計16画素で構成された場合のX線変換部111を示している。
【0029】
第1の画素103の光電変換素子101には、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加され、スイッチTFT102は、それぞれTFT駆動用配線G1〜G4を介してその駆動を制御するシフトレジスタ105と接続されている。また、スイッチTFT102の出力信号は、信号線S1〜S4を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に転送され、順次に信号処理される。
【0030】
ここで、図2に、第1の画素103の1画素の模式的平面図を示す。
図に示す101は光電変換素子、102はスイッチTFT、GはスイッチTFT駆動配線、Sは信号線、Vsはバイアス線である。
【0031】
また、図3に、図2のA−A間において、光電変換素子101がMIS型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す1は絶縁基板、2はMIS型PDの下電極、3はスイッチTFTのゲート電極、4は絶縁層、5は真性a−Si半導体層、6はn型マイクロクリスタル(μc)−Si層、7はバイアス線、8は信号線、9は保護層、10は接着層、11は蛍光体である。
【0032】
また、図6に、図2のA−A間において、光電変換素子101がPIN型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す12はp型μc−Si層、13は真性a−Si半導体層、14はn型μc−Si層、15は透明電極層である。
【0033】
一方、第2の画素104の光電変換素子101は、第1の画素103と同様に、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加されているが、光電変換素子101は直接、信号線S2〜S3を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に接続されている。
【0034】
ここで、図4に、第2の画素104の1画素の模式的平面図を示す。
また、図5に、図4のB−B間において、光電変換素子101がMIS型PDである場合の模式的断面図を示す。
第2の画素104の光電変換素子101は、直接信号線Sに接続されている。図5に示す2はコンタクトホールを介して8と接続された構成となっている。
【0035】
また、図7に、図4のB−B間において、光電変換素子101がPIN型PDである場合の模式的断面図を示す。
図に示す符号は、図6で示した第1の画素103と同様である。
【0036】
図2〜図7で示した第1の画素103と第2の画素104の模式的平面図及び断面図から、光電変換素子101がMIS型PD、或いはPIN型PDどちらにおいても、第1の画素103は、光電変換素子101がスイッチTFT102を介して信号線Gと接続されており、第2の画素104は、光電変換素子101が信号線Gに直接接続されている。
【0037】
次に、図1を用いて、本実施形態における放射線検出装置の基本原理について概略を説明する。本実施例では、放射線検出装置が間接型のX線検出装置であるため、X線をGOS、或いはCsIなどの蛍光体により可視光に変換して、FPD内の第1の画素103及び第2の画素104に入射する。この入射光量に応じて、光電変換素子101内に電荷が蓄積される。
【0038】
このとき、第2の画素104に接続された信号線S2及びS3の電位は、入射光量に応じて変動する。そこで、本実施形態では、対象となる信号線から出力を読み取り、各信号線の出力を演算して、その算出された演算値と予め設定した設定値とを比較して、その比較結果に基づいてX線曝射を停止するようにする。そして、各信号線からの読出しが終了した後には、増幅器側からリセット動作が行われる。
【0039】
その後、第1の画素103に、入射光量に応じて蓄積された電荷をシフトレジスタ105によりスイッチTFT駆動配線G1〜G4を順次駆動させ、各信号線S1〜S4から読出し、増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106により処理され、画像情報として転送される。
【0040】
図8に、画素ピッチが160μmで2560画素×2560画素の大面積FPDの模式的平面図を示す。
図に示す301は大面積FPDの全画素領域である。また、302は、第1の画素103と第2の画素104とが混在しているAEC用領域である。図8に示すFPDは、AMP(増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106)側に256ビット処理ICを10個用いた構成としており、また、Dr(シフトレジスタ105)側も256ビット処理ICを10個用いた構成としている。
【0041】
この例では、AEC用領域302は、AMP_IC、或いはDr_ICの基本単位として、256画素×256画素の領域となっている。このように、X線変換部111の領域を区分して構成するのは、後述する読み取り動作において都合が良いためである。
【0042】
図9に、AEC用領域302の拡大図を示す。
図に示す白抜きの領域は第1の画素103であり、黒ぬりの領域は第2の画素104である。第2の画素104はAEC用に使用されるため、画像情報を生成するときには、その第2の画素104を左右、上下から補正する必要がある。そこで、本実施形態におけるX線検出装置は、第2の画素104の周囲に第1の画素103を配設するように構成している。
【0043】
本実施形態では、信号線の寄生容量の大きな変動を防ぐために、1本の信号線には、1つの第2の画素104を接続するように配置しているが、1本の信号線に複数の第2の画素104を接続することも可能である。
また、AEC情報を大きな領域で得るためには、基本的には、画像情報、或いは撮像方法に影響なく、本実施形態のように256画素×256画素の範囲に一様に配列することが望ましい。
【0044】
次に、FPDの動作について説明する。
まず、X線照射が開始されると、第1の画素103に画像情報が蓄積される。その間に、第2の画素104からのAEC用の出力信号を複数回読み出す。
図10に、このFPD動作におけるタイミングチャートを示す。
第2の画素104、全ての出力読込みは、一定の時間間隔で行われる。この第2の画素104からの出力読込みを行うときには、AEC用領域がAMP_IC単位で形成されているため、該当するAMP_ICにおける出力を読み取れば良いことになる。
【0045】
本実施形態では、AMP_IC内に配設された切り替えスイッチを切り替えることにより、第2の画素104からのAEC用出力信号の読み込みと第1の画素103からの画像出力信号の読み込みとを動作させることが可能である。このAEC用出力信号は演算回路で演算処理され、一方、画像出力信号は、通常の増幅、A/D変換処理がなされる。また、図10のタイミングチャートを参照すると明らかなように、AEC用の第2の画素104が接続された信号線には、画素から読み出された信号を加算する回路が接続されている。
【0046】
この読み取り処理は、該当するAMP_IC単位のすべての信号線から行われ、読み出し後に読み出した信号線がリセットされる。AEC用領域302から読み出された出力は加算されて、必要に応じて平均化された情報を読み込み回数に従って積算し、その積算値と予め設定された閾値とを比較して、比較結果に基づいてX線照射を停止する信号をX線発生装置などに出力する。
【0047】
また、その他の方法として、第2の画素104の読み込み回数を1回とし、予め設定された設計値に対して、その出力値からX線曝射時間を推定し算出して、その算出結果に基づいてX線照射を停止する信号をX線発生装置などに出力することも可能である。図11に、X線照射開始からX線照射を停止するまでのフローチャートを示す。ここで、通常のX線照射時間内に読み込みが必要であることと、その後の画像読み込み前には信号線のリセットが必要である。
【0048】
本実施形態によれば、AEC用の第2の画素104を画像読み取り用の第1の画素103と同一基板内に造り込み、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるため、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の小型化、さらに回路構成の簡易化を図ることができる。
【0049】
また、AEC用センサーである第1の画素103と画像情報に使用するセンサーである第2の画素104とを同一形態で形成することができるため、AEC用センサーの感度と読み取りセンサーの感度とを略同一にすることができる。これにより、AECが容易となり、画質を安定させることができる。その結果、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらず、最適濃度の画像を取得することができる。
【0050】
また、第2の画素104の周囲に前記第1の画素103を配設するようにしたので、画像を生成するときに、その第2の画素の位置における画像情報を左右、上下から補正することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、変換素子としてa−Seを用いた直接型のX線検出装置の例を説明する。
図12は、第2の実施形態におけるX線検出装置の模式的等価回路図である。
図1に示すように、このX線検出装置は、入射したX線を電気信号に直接変換するa−Seならなる直接変換素子201が2次元状に配設されたX線変換部121を有しており、このX線変換部121には、直接変換素子201と直接変換素子201で変換された電気信号を蓄積する蓄積容量素子202と蓄積容量素子202に蓄積された電気信号を転送するスイッチTFT102からなる第1の画素203と、直接変換素子201と蓄積容量素子202のみからなる第2の画素204とが配設されている。図12には、簡略化のため、4画素×4画素の合計16画素で構成された場合のX線変換部121を示している。
【0052】
第1の画素203の直接変換素子201は、バイアス線Vsを介してバイアス手段107により一定電位が印加され、スイッチTFT102は、それぞれTFT駆動用配線G1〜G4を介してその駆動を制御するシフトレジスタ105と接続されている。また、スイッチTFT102の出力信号は、信号線S1〜S4を介して増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106に転送され、順次に信号処理される。
【0053】
本実施形態では、前述したように直接型のX線検出装置であるため、入射したX線はa−Seなどの直接変換素子201により電荷に変換され、それぞれの蓄積容量202に蓄積される。
【0054】
このとき、第2の画素204に接続された信号線S2及びS3の電位は、入射光量に応じて変動する。そこで、本実施形態では、対象となる信号線から出力を読み取り、各信号線の出力を演算して、その算出された演算値が予め設定した閾値を越えた時点で、X線曝射を停止するようにする。そして、各信号線からの読出しが終了した後には、増幅器側からリセット動作が行われる。
【0055】
その後、第1の画素203に、入射光量に応じて蓄積された電荷をシフトレジスタ105によりスイッチTFT駆動配線G1〜G4を順次駆動させ、各信号線S1〜S4から読出し、増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器106により処理され、画像情報として転送される。
【0056】
本実施形態によれば、AEC用の第2の画素204を画像読み取り用の第1の画素203と同一基板内に造り込み、第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができるため、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の小型化、さらに回路構成の簡易化を図ることができる。
【0057】
また、AEC用センサーである第1の画素203と画像情報に使用するセンサーである第2の画素204とを同一形態で形成することができるため、AEC用センサーの感度と読み取りセンサーの感度とを略同一にすることができる。これにより、AECが容易となり、画質を安定させることができる。その結果、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらず、最適濃度の画像を取得することができる。
【0058】
また、第2の画素204の周囲に前記第1の画素203を配設するようにしたので、画像を生成するときに、その第2の画素の位置における画像情報を左右、上下から補正することができる。
【0059】
(第3の実施形態)
本実施形態の放射線検出装置としては、第2の画素をフォトタイマーとして使用する前述の第1の実施形態及び第2の実施形態の2例とは異なり、X線モニターとして使用する場合のX線検出装置の例を説明する。また、本実施形態では、変換素子としてMIS型PD、或いは、PIN型PDなどを適用した間接型のX線検出装置について説明する。
【0060】
通常、X線モニターは、X線の照射が終了したこと検出するものであり、フォトタイマーと同様に別体で設置されており、機能的には、その信号によりFPDの画像読出し動作を開始するものである。
【0061】
図13に、画素ピッチ160μmで2560画素×2560画素の大面積FPDの模式的平面図を示す。
図に示す401は大面積FPDの全画素領域である。また、402は、第1の画素203と第2の画素204とが混在しているAEC用領域である。図14に、このAEC用領域402の拡大図を示す。図14に示す白抜きの領域は第1の画素203であり、黒ぬりの領域は第2の画素204である。第2の画素204は、撮像上の影響度合いが少ないFPD全体の領域の端部に配置され、図14では、この端部から6画素の領域内に繰り返し配列されている場合を示している。
【0062】
次に、FPDの動作について説明する。
まず、X線照射が開始されると、第1の画素203に画像情報が蓄積される。その間に、第2の画素204からのAEC用の情報を読み出す。
図15に、このFPD動作におけるタイミングチャートを示す。
第2の画素204からの出力の読込みは、一定の時間間隔で行われる。この第2の画素204からの出力読込みを行うときには、AEC用領域がAMP_IC単位で形成されているため、該当するAMP_ICにおける出力を読み取れば良いことになる。
【0063】
この読み取り処理は、該当するAMP_IC単位のすべての信号線から行われ、読み出し後に読み出した信号線がリセットされる。AEC用領域302から読み出された出力は加算されて、必要に応じて平均化された情報を読み込み回数に従って積算する。本実施形態では、この積算値が一定割合で増加しなくなった場合、X線照射が停止されたと判断する。
【0064】
また、本実施形態のAEC領域402は、FPD全体の領域の端部に配置されているために、殆どの場合に被写体が配置されない場所となるため、前述したAMP_IC単位を十分な時間で走査することが可能となる。即ち、256本の信号線を読み込んでいる間に、必ず放射線が停止するように走査することができる。つまり、仮に、X線照射が停止した場合、読み込み走査途中で各信号線からの出力信号が一定となって、それをX線照射が停止されたと判断することも可能である。以上、述べたように、AEC領域、或いはAEC情報の判定方法及び駆動方法により、X線モニターとして機能させることも可能である。
【0065】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0066】
[実施様態1] 入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、
前記放射線変換部は、
前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素と、
前記変換素子が直接、信号線に接続され、前記放射線の照射を検出する第2の画素とを備えていること特徴とする放射線検出装置。
【0067】
[実施様態2] 前記第2の画素の周囲に前記第1の画素が配設されていることを特徴とする実施様態1に記載の放射線検出装置。
【0068】
[実施様態3] 前記放射線変換部は、前記変換素子からの出力を一括して処理するための同一信号処理領域を複数有しており、前記第2の画素は、ある同一信号処理領域内に複数配設されていることを特徴とする実施様態1または2に記載の放射線検出装置。
【0069】
[実施様態4] 前記第2の画素は、前記放射線の総照射量を検出する処理回路部に接続されており、前記処理回路部には、少なくとも、前記第2の画素からの出力を演算する演算手段と、当該演算手段により算出された演算値と予め設定されている設定値と比較する比較手段と、当該比較手段の結果に基づいて前記放射線変換部に照射する前記放射線を停止する放射線遮断手段とを有することを特徴とする実施様態1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
【0070】
[実施様態5] 入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、
前記放射線変換部は、
前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続されている第1の画素と、
前記変換素子が直接、信号線に接続されている第2の画素とを備えていること特徴とする放射線検出装置。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線の照射量を調整するための信号を出力する第2の画素(AEC用センサー)を放射線変換部の最適箇所に配設することができ、最適濃度の画像を取得することができる。これにより、AEC用センサーを別途設ける必要がなくなり、放射線検出装置の構成を簡易にすることができる。また、第1の画素と第2の画素とが略同一であることから、被写体の吸収の差異、或いは撮影条件の差異によらずに最適濃度の画像の取得が可能となり、さらに低価格化と機能性の向上を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における放射線検出装置の模式的等価回路図である。
【図2】第1の実施形態における放射線検出装置の第1の画素の模式的平面図である。
【図3】図2のA−A間の模式的断面図である。
【図4】第1の実施形態における放射線検出装置の第2の画素の模式的平面図である。
【図5】図4のB−B間の模式的断面図である。
【図6】第1の実施形態における放射線検出装置の第1の画素の模式的断面図である。
【図7】第1の実施形態における放射線検出装置の第2の画素の模式的断面図である。
【図8】第1の実施形態における放射線検出装置の大面積FPDの模式的平面図である。
【図9】第1の実施形態における放射線検出装置のAEC用領域の拡大図である。
【図10】第1の実施形態における放射線検出装置のFPD動作におけるタイミングチャートである。
【図11】第1の実施形態における放射線検出装置の1回の読み込み処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態における放射線検出装置の模式的等価回路図である。
【図13】第3の実施形態における放射線検出装置の大面積FPDの模式的平面図である。
【図14】第3の実施形態における放射線検出装置のAEC画素領域の拡大図である。
【図15】第3の実施形態における放射線検出装置FPD動作のタイミングチャートである。
【図16】従来の放射線検出装置におけるFPDの模式的等価回路図である。
【符号の説明】
Sij(i,j=1〜3) 光電変換素子
Tij(i,j=1〜3) スイッチTFT
Vsn(n=1〜3) 光電変換素子のバイアス配線
Vgn(n=1〜3) TFTゲート配線
Sign(n=1〜3) 信号線
1 絶縁基板
2 MIS型PDの下電極
3 スイッチTFTのゲート電極
4 絶縁層
5,13 真性a−Si半導体層
6,14 n型マイクロクリスタル(μc)−Si層
7 バイアス線
8 信号線
9 保護層
10 接着層
11 蛍光体
12 p型マイクロクリスタル(μc)−Si層
15 透明電極層
101 光電変換素子
102 スイッチTFT
103,203 第1の画素
104,204 第2の画素
105 シフトレジスタ
106 増幅器,マルチプレクサ,A/D変換器
107 バイアス手段
111,121 X線変換部
201 直接変換素子
202 蓄積容量素子
301,401 大面積FPDの全画素領域
302,402 第1の画素と第2の画素とが混在しているAEC用領域
Vs バイアス線
G,G1〜G4 TFT駆動用配線
S,S1〜S4 信号線
Claims (1)
- 入射した放射線を電気信号に変換する変換素子が基板上に複数配設された放射線変換部を有し、
前記放射線変換部は、
前記変換素子が前記電気信号を転送するスイッチ素子を介して信号線に接続され、画像を生成するための信号を出力する第1の画素と、
前記変換素子が直接、信号線に接続され、前記放射線の照射を検出する第2の画素とを備えていること特徴とする放射線検出装置。
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