JP2010080635A - 放射線検出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができるX線検出素子を提供する。
【解決手段】基板1の裏面上に、照射されたX線に応じた光を発生するシンチレータ30、発光部で発生した光の照射に応じて電荷が発生する半導体層6、及び半導体層6に発生した電荷を収集する下部電極11を設け、基板1の表面上にTFTスイッチ4を設けてスルーホール28の導電体を介して下部電極11とTFTスイッチ4とを接続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線検出素子に係り、特に、照射された放射線により示される画像を検出する放射線検出素子に関する。
近年、TFT(Thin film transistor)アクティブマトリックス基板上にX線感応層を配置し、X線情報を直接デジタルデータに変換できるFPD(flat panel detector)等のX線検出素子が実用化されている。このX線検出素子は、従来のイメージングプレートに比べて、即時に画像を確認でき、動画も確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。
この種のX線検出素子は、種々のタイプのものが提案されており、例えば、X線などの放射線を直接、半導体層で電荷に変換して蓄積する直接変換方式や、放射線を一度CsI:Tl、GOS(Gd2O2S:Tb)などのシンチレータで光に変換し、変換した光を半導体層で電荷に変換して蓄積する間接変換方式がある。
このX線検出素子は、例えば、複数の走査配線及び複数の信号配線が互いに交差して配設され、当該走査配線及び信号配線の各交差部に対応して電荷蓄積部及びTFTスイッチが設けられ、各交差部の電荷蓄積部及びTFTスイッチ素子を覆うように半導体層及び半導体層に発生した電荷を収集する収集電極が設けられている。
このようなX線検出素子を用いた放射線画像撮影装置では、放射線画像を撮影する場合、X線が照射される間、各走査配線に対してOFF信号を出力して各TFTスイッチをオフにして半導体層に発生した電荷を収集電極で収集して各電荷蓄積部に蓄積し、画像を読み出す場合、各走査配線に対して1ラインずつ順にON信号を出力して各電荷蓄積部に蓄積された電荷を電気信号として読み出し、読み出した電気信号をデジタルデータへ変換することにより、放射線画像を得ている。
ところで、X線検出素子において信号配線に発生する電子ノイズは、信号配線の配線容量による影響が大きい。従って、電子ノイズを低減させて検出画像の画質を向上させるためには、信号配線の配線容量の低減が課題となっている。
そこで、特許文献1には、基板の表面と裏面を貫通するスルーホールを設け、信号配線やバイアス配線、走査配線を裏面側に形成する構成が記載されている。
この特許文献1の技術を用いて信号配線を裏面側に形成してスルーホールにより表面と接続した場合、信号配線と収集電極が離れて信号配線の配線容量を小さく抑えることができる。
特開2000−162320号公報
ところで、スルーホールは、最新技術でも最小で直径が100μm程度である。
このため、例えば、基板の一方の面にTFTスイッチ素子や、半導体層、収集電極を設け、基板の他方の面の信号配線を設けて、基板に形成したスルーホールを介してTFTスイッチ素子と信号配線を接続した場合、スルーホールの占める領域が大きいため、他の配線を配置可能な画素領域を十分に確保できず、フィルファクタが低下する場合がある、という問題点があった。
なお、上記では、X線検出素子がX線を検出対象としているため、X線の場合について記載したが、検出対象がガンマ線線や中性子線等の放射線による放射線画像を得る場合にも共通する課題である。
本発明は、上記の事情に鑑み、フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができる放射線検出素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の放射線検出素子は、表面及び裏面に開口し且つ内部に導電体が形成されたスルーホールが所定領域毎に穿設された絶縁性基板と、前記絶縁性基板の表面及び裏面の一方の面上の前記所定領域毎に設けられ、照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線検出部と、前記絶縁性基板の他方の面上の前記所定領域毎に設けられ、前記スルーホールの前記導電体を介して前記放射線検出部に接続され、当該放射線検出部に発生した電荷を読み出すためのスイッチング素子と、を備を備えている。
本発明の放射線検出素子は、絶縁性基板に、表面及び裏面に開口し且つ内部に導電体が形成されたスルーホールが所定領域毎に穿設されており、絶縁性基板の表面及び裏面の一方の面上の所定領域毎に放射線検出部が設けられ、各放射線検出部に照射された放射線に応じた電荷を発生する。
また、本発明の放射線検出素子は、絶縁性基板の他方の面上の所定領域毎に、スルーホールの導電体を介して放射線検出部に接続されたスイッチング素子が設けられ、スイッチング素子により、放射線検出部に発生した電荷が読み出される。
このように、本発明によれば、絶縁性基板の一方の面上に、照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線検出部を設け、絶縁性基板の他方の面上にスイッチング素子が設けてスルーホールの導電体を介して放射線検出部とスイッチング素子とを接続しているので、フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができる。
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記放射線検出部を、照射された放射線に応じた光を発生する発光部と、前記発光部で発生した光の照射に応じて電荷が発生するセンサ部と、前記センサ部に発生した電荷を収集する収集電極と、を含んで構成してもよい。
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記放射線検出部を、放射線が照射されると電荷を発生する半導体層と、前記半導体層に発生した電荷を収集する収集電極と、を含んで構成してもよい。
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記所定領域が、放射線画像を構成する画素の情報として放射線を検出する領域であることが好ましい。
本発明の放射線検出素子は、絶縁性基板の一方の面上に、照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線検出部を設け、絶縁性基板の他方の面上にスイッチング素子が設けてスルーホールの導電体を介して放射線検出部とスイッチング素子とを接続しているので、フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明を、X線などの放射線による放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置100に適用した場合ついて説明する。
図1には、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100は、X線検出素子10を備えている。
X線検出素子10は、後述する上部電極と半導体層と下部電極を備え、照射されたX線などの放射線をシンチレータで変換した光を受けて電荷を蓄積するセンサ部103と、センサ部103に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ4と、を含んで構成される画素20が2次元状に多数設けられている。
また、X線検出素子10には、上記TFTスイッチ4をON/OFFするための複数の走査配線101と、上記電荷蓄積容量5に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線3と、が互いに交差して設けられている。
各信号配線3には、当該信号配線3に接続された何れかのTFTスイッチ4がONされることによりセンサ部103に蓄積された電荷量に応じた電気信号が流れる。各信号配線3には、各信号配線3に流れ出した電気信号を検出する信号検出回路105が接続されており、各走査配線101には、各走査配線101にTFTスイッチ4をON/OFFするための制御信号を出力するスキャン信号制御装置104が接続されている。
信号検出回路105は、各信号配線3毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路を内蔵している。信号検出回路105では、各信号配線3より入力される電気信号を増幅回路により増幅して検出することにより、画像を構成する各画素20の情報として、各電荷蓄積容量5に蓄積された電荷量を検出する。
この信号検出回路105及びスキャン信号制御装置104には、信号検出回路105において検出された電気信号に所定の処理を施すとともに、信号検出回路105に対して信号検出のタイミングを示す制御信号を出力し、スキャン信号制御装置104に対してスキャン信号の出力のタイミングを示す制御信号を出力する信号処理装置106が接続されている。
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態に係るX線検出素子10についてより詳細に説明する。なお、図2には、本実施の形態に係るX線検出素子10の1画素単位の構造を示す平面図が示されており、図3には、図2のA−A線断面図が示されている。
本実施の形態に係るX線検出素子10は、ポリイミド等の絶縁体を用いたフレキシブルプリント(FPC)基板(以下、「基板」という。)1を備えている。この基板1には、内部に導電体が形成され、かつ表面及び裏面に開口したスルーホール28が画素20を設ける画素領域毎に穿設されている。また、基板1は、スルーホール28の表面及び裏面部分にメタルキャップ31A、31Bが形成されている。メタルキャップ31Aとメタルキャップ31Bはスルーホール28によって電気的に接続されている。基板1にスルーホール28やメタルキャップ31A、31Bを形成する技術は、例えば、フジクラ技報 第108号(2005年4月発行) P44〜47、「市場の要求に応えるFPCの量産技術」に記載されているため、詳細な説明を省略する。
この基板1の表面には、ゲート電極2、走査配線101(図2参照。)、及びコンタクト14が形成されている。ゲート電極2は走査配線101に接続され(図2参照。)、コンタクト14はメタルキャップ31Aに接続されている。このゲート電極2、走査配線101、及びコンタクト14が形成された金属層(以下、この金属層を「第1信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜を用いて形成されているが、これらに限定されるものではない。
第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15が形成されている。この絶縁膜15は、例えば、SiN等からなっており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜により形成される。
絶縁膜15上のゲート電極2に対応する位置には、半導体活性層8が形成されている。この半導体活性層8は、TFTスイッチ4のチャネル部であり、例えば、アモルファスシリコン膜からなる。
これらの上層には、ソース電極9、及びドレイン電極13が形成されている。このソース電極9及びドレイン電極13が形成された金属層には、ソース電極9、ドレイン電極13とともに、信号配線3、及びコンタクト14に対応する位置にコンタクト18が形成されている。ソース電極9は信号配線3に接続され(図2参照。)、ドレイン電極13はコンタクト18に接続され、コンタクト18はコンタクト14に接続されている。このソース電極9、ドレイン電極13、信号配線3、及びコンタクト18が形成された金属層(以下、この金属層を「第2信号配線層」ともいう。)も、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜を用いて形成されているが、これらに限定されるものではない。
このソース電極9及びドレイン電極13と半導体活性層8との間にはコンタクト層(不図示)が形成されている。このコンタクト層は、不純物添加アモルファスシリコン等の不純物添加半導体からなる。
本実施の形態に係るX線検出素子10では、ゲート電極2や絶縁膜15、ソース電極9、ドレイン電極13、半導体活性層8によりTFTスイッチ4が構成されている。なお、TFTスイッチ4はセンサ部103に蓄積される電荷の極性によってソース電極9とドレイン電極13が逆となる。
第2信号配線層上には、ほぼ全面(ほぼ全領域)には、各配線を保護するための保護膜12が形成されている。
一方、基板1の裏面には、各画素20毎に、画素領域を覆うようにセンサ部103の下部電極11が形成されており、この下部電極11は、メタルキャップ31Bと接続されている。この下部電極11は、後述する半導体層6が1μm前後と厚い場合には導電性があれば材料に制限がほとんどない。このため、Al系材料、ITO(酸化スズインジウム)など導電性の金属を用いて形成すれば問題ない。
一方、半導体層6の膜厚が薄い場合(0.2〜0.5μm前後)、半導体層6で光が吸収が十分でないため、TFTスイッチ4への光照射によるリーク電流の増加を防ぐため、遮光性メタルを主体とする合金、もしくは積層膜とすることが好ましい。
下部電極11上には、画素領域のほぼ全面にフォトダイオードとして機能する半導体層6が一様に形成されている。本実施の形態では、半導体層6として、PIN構造のフォトダイオードを採用しており、下層からn層、i層、p層を順に積層して形成する。なお、本実施の形態では、半導体層6のほぼ全面に一様に形成しているが、半導体層6を各画素領域毎に分割して設けてもよい。
この半導体層6上には、上部電極7が形成されている。この上部電極7には、例えば、ITOやIZO(酸化亜鉛インジウム)などの光透過性の高い材料を用いている。
上部電極7には、不図示のバイアス電源に接続されており、当該バイアス電源から数十V程度のバイアス電圧が供給されている。なお、ITOやIZOなどの光透過性の高い材料は、アルミなどの低抵抗配線材料に比べて抵抗率が50〜200倍と非常に大きく、半導体層6に一律に同じバイアス電圧を印加できない場合がある。このため、上部電極7上に共通電極配線を配設し、共通電極配線を介して上部電極7にバイアス電圧を印加するものとしてもよい。
そして、このように形成されたX線検出素子10には、光吸収性の低い接着樹脂等を用いてGOS等からなるシンチレータ30が貼り付けられている。
図4には、本実施の形態に係るX線検出素子10の構成を模式的に示した斜視図が示されてる。
同図に示すように、基板1には、表面及び裏面を貫通し、内部に導通体が形成されたスルーホール28が複数設けらている。基板1の表面には、複数の走査配線101が並列に設けられ、走査配線101と交差して複数の信号配線3が並列に設けられている。また、基板1の表面には、走査配線101と信号配線3との交差部に対応してTFTスイッチ4が設けられている。一方、基板1の裏面には、走査配線101と信号配線3との交差部に対応してセンサ部103が設けられており、センサ部103はスルーホール28、コンタクト14、18を介してTFTスイッチ4に接続されている。
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100の動作原理について説明する。
図3の下方から放射線が照射されると、照射された放射線は、シンチレータ30に吸収され、可視光に変換される。放射線は、図3の上方から照射してもかまわない。この場合にも、放射線はシンチレータ30に吸収され、可視光に変換される。この発生した光は、上部電極7を通過して、半導体層6に照射される。
半導体層6には、上部電極7から所定のバイアス電圧が印加されており、光が照射されると内部に電荷が発生する。例えば、半導体層6が基板1側からn層、i層、p層(nアモルファスシリコン、アモルファスシリコン、pアモルファスシリコン)の順に積層したPIN構造の場合は、上部電極7に負のバイアス電圧が印加されるものとされており、I層の膜厚が1μm程度の場合、印加されるバイアス電圧が−5〜−10V程度である。半導体層6には、このような状態で光が未照射の場合、数pA/mm以下の電流しか流れない。一方、半導体層6には、このような状態で光が照射(1μW/cm)されると、数〜数十nA/mm程度の明電流が発生する。この発生した電荷は下部電極11により収集される。下部電極11は、メタルキャップ31A、スルーホール28内部の導電体、メタルキャップ31B、及びコンタクト14、18を介してTFTスイッチ4のドレイン電極13と接続されており、TFTスイッチ4のソース電極9は、信号配線3に接続されている。画像検出時には、TFTスイッチ4のゲート電極2に負バイアスが印加されてオフ状態に保持されており、下部電極11に収集された電荷が蓄積される。
画像読出時には、TFTスイッチ4のゲート電極2に走査配線101を介して順次ON信号(+10〜20V)が印加される。これにより、TFTスイッチ4が順次ONされることにより下部電極11に蓄積された電荷量に応じた電気信号が信号配線3に流れ出す。信号検出回路105は、信号配線3に流れ出した電気信号に基づいて各センサ部103に蓄積された電荷量を、画像を構成する各画素20の情報として検出する。これにより、X線検出素子10に照射された放射線により示される画像を示す画像情報を得ることができる。
ところで、本実施の形態に係るX線検出素子10では、図3に示すように、基板1の表面に信号配線3を設け、基板1の裏面に下部電極11を設けている。
このように、信号配線3と下部電極11を基板1の別な面に設けることにより、信号配線3と下部電極11とが離れ、信号配線3の配線容量が低下するため、信号配線3の電子ノイズを低減させることできる。
また、本実施の形態によれば、TFTスイッチ4と、放射線の検出を行うシンチレータ30、半導体層6、及び下部電極11とを基板1の別な面に設けてスルーホール28の導電体を介して下部電極11とTFTスイッチ4とを接続することにより、画素領域を有効に活用することができるため、フィルファクタの低下を抑えることができる。特に、本実施の形態のように間接変換型のX線検出素子10とした場合、下部電極11を信号配線3と別な面に設けることにより信号配線3と下部電極11の距離が離れて信号配線3と下部電極11との交差による信号配線3の配線容量への影響が小さくなり、下部電極11の領域を大きくするができるため、フィルファクタが向上する。
以上のように、本実施の形態によれば、基板1の裏面上に、照射された放射線に応じた光を発生するシンチレータ30、発光部で発生した光の照射に応じて電荷が発生する半導体層6、及び半導体層6に発生した電荷を収集する下部電極11を設け、基板1の表面上にTFTスイッチ4を設けてスルーホール28の導電体を介して下部電極11とTFTスイッチ4とを接続しているので、フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、基板1の裏面側に直接変換方式のセンサ部103を設けた場合について説明する。
図5には、第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置100の全体構成が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図1参照)と同一部分については同一の符号を付して、ここでの説明は省略する。
X線検出素子10は、画素20毎に、センサ部103で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積容量5をさらに備えている。電荷蓄積容量5の一方の電極は不図示の共通電極配線を介して接地されてグランドレベルとされている。なお、図5では、電荷蓄積容量5の一方の電極が個別にグランドに接続されているものとして示している。
図6には、本実施の形態に係るX線検出素子10の1画素単位の構造を示す平面図が示されており、図7には、図6のA−A線断面図が示されている。なお、上記第1の実施の形態(図2及び図3参照)と同一部分については同一の符号を付して、ここでの説明は省略する。
図7に示すように、第1信号配線層上には、一面に絶縁膜16が形成されている。この絶縁膜16も、例えば、SiN等からなっており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜により形成される。
絶縁膜16上には、各画素20毎に、コンタクト18に対応する位置に電極19が形成されている。この電極19が形成された金属層には、電極19とともに、共通電極配線25(図6参照。)が形成されている。各電極19は共通電極配線25によって接続されている。電極19、及び共通電極配線25が形成された金属層(以下、この金属層を「第3信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜が用いて形成されるが、これらに限定されるものではない。
本実施の形態に係るX線検出素子10では、コンタクト18、絶縁膜16、及び電極19により電荷蓄積容量5が構成されている。
そして、これらの上層の基板1上のほぼ全面(ほぼ全領域)には、各配線を保護するための保護膜12が形成されている。
一方、基板1の裏面の下部電極11には、画素領域のほぼ全面に半導体層6が一様に形成されている。この半導体層6は、X線などの放射線が照射されることにより、内部に電荷(電子−正孔)を発生するものである。つまり、半導体層6は導電性を有し、放射線による画像情報を電荷情報に変換するためのものである。半導体層6は、例えば、セレンを主成分とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなる。ここで、主成分とは、50%以上の含有率を有するということである。
この半導体層6上には、上部電極7が形成されている。この上部電極7には、不図示のバイアス電源が接続されており、バイアス電源から数kV程度のバイアス電圧が供給されている。
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置100の動作原理について説明する。
上部電極7に電圧を印加した状態で、半導体層6に放射線が照射されると、半導体層6内に電荷(電子−正孔対)が発生する。
半導体層6は、メタルキャップ31A、スルーホール28内部の導電体、メタルキャップ31B、及びコンタクト14を介して電荷蓄積容量5と電気的に直列に接続された構造となっている。半導体層6内に発生した電子は+電極側に移動すると共に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量5に電荷が蓄積される。
画像読出時には、TFTスイッチ4のゲート電極2に走査配線101を介して順次ON信号(+10〜20V)が印加される。これにより、TFTスイッチ4が順次ONされ、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷量に応じた電気信号が信号配線3に流れ出す。信号検出回路105は、信号配線3に流れ出した電気信号に基づいて各センサ部103の電荷蓄積容量5に蓄積された電荷量を、画像を構成する各画素20の情報として検出する。これにより、X線検出素子10に照射された放射線により示される画像を示す画像情報を得ることができる。
本実施の形態に係るX線検出素子10でも、図7に示すように、信号配線3と下部電極11を基板1の別な面に設けることにより、信号配線3と下部電極11とが離れ、信号配線3の配線容量が低下するため、信号配線3の電子ノイズを低減させることできる。
また、本実施の形態によれば、TFTスイッチ4と、半導体層6及び下部電極11とを基板1の別な面に設けてスルーホール28の導電体を介して下部電極11とTFTスイッチ4とを接続することにより、画素領域を有効に活用することができるため、フィルファクタの低下を抑えることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、基板1の裏面上に、照射されると電荷を発生する半導体層6、及び半導体層6に発生した電荷を収集する下部電極11を設け、基板1の表面上にTFTスイッチ4を設けてスルーホール28の導電体を介して下部電極11とTFTスイッチ4とを接続しているので、フィルファクタの低下を抑制しつつ信号配線の配線容量の低減させることができる。
なお、上記実施の形態では、基板1としてポリイミド等の絶縁体を用いた場合について説明したが、無アルカリガラス等からなる基板を用いもよい。この場合は、例えば、ウェットエッジ又はサンドブラスト工程を行うことにより基板にスルーホールを形成することができる。
また、上記実施の形態では、信号配線3を第2信号配線層に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、より多くの金属層を用いて形成してもよい。例えば、第3信号配線層に信号配線3を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、各信号配線層を導電性を有する金属材料によって形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性を有すれば金属材料に限定されるものではない。
また、上記各実施の形態では、検出対象とする放射線としてX線を検出することにより画像を検出するX線検出素子に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、検出対象とする放射線はガンマ線や中性子線、ガンマ線と中性子線等いずれであってもよい。
その他、上記実施の形態で説明した放射線画像撮影装置100の構成(図1、図5参照。)及びX線検出素子10の構成(図2〜図4、図6、図7参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成を示す構成図である。 第1の実施の形態に係るX線検出素子の構成を示す平面図である。 第1の実施の形態に係るX線検出素子の線断面図である。 第1の実施の形態に係るX線検出素子の構成を模式的に示した斜視図である。 第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成を示す構成図である。 第2の実施の形態に係るX線検出素子の構成を示す平面図である。 第2の実施の形態に係るX線検出素子の線断面図である。
符号の説明
1 基板
4 TFTスイッチ
6 半導体層
10 X線検出素子
11 下部電極
14 コンタクト
18 コンタクト
19 電極
20 画素
25 共通電極配線
28 スルーホール
30 シンチレータ
100 放射線画像撮影装置
101 走査配線
103 センサ部

Claims (4)

  1. 表面及び裏面に開口し且つ内部に導電体が形成されたスルーホールが所定領域毎に穿設された絶縁性基板と、
    前記絶縁性基板の表面及び裏面の一方の面上の前記所定領域毎に設けられ、照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線検出部と、
    前記絶縁性基板の他方の面上の前記所定領域毎に設けられ、前記スルーホールの前記導電体を介して前記放射線検出部に接続され、当該放射線検出部に発生した電荷を読み出すためのスイッチング素子と、
    を備えた放射線検出素子。
  2. 前記放射線検出部を、
    照射された放射線に応じた光を発生する発光部と、
    前記発光部で発生した光の照射に応じて電荷が発生するセンサ部と、
    前記センサ部に発生した電荷を収集する収集電極と、を含んで構成した
    請求項1記載の放射線検出素子。
  3. 前記放射線検出部を、
    放射線が照射されると電荷を発生する半導体層と、
    前記半導体層に発生した電荷を収集する収集電極と、を含んで構成した
    請求項1記載の放射線検出素子。
  4. 前記所定領域は、放射線画像を構成する画素の情報として放射線を検出する領域である、
    請求項1〜請求項3の何れか1項記載の放射線検出素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020107668A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 キヤノン株式会社 撮像装置及び撮像システム

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