JP4958483B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録剤を用いて画像を記録するための画像処理装置および記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置に用いられるインクは、水を主成分とし、主成分である水に安定的に溶解する染料を色材として使用する場合が多かった。このような染料インクは、一つ一つの分子が光を吸収するため、鮮やかな発色が得られる。また、専用の記録媒体の受容層に染み込んで吸着するため、記録媒体の表面性が維持されたまま発色する。しかし、染料は色材が分子で存在するため、記録後に色材が記録媒体中で移動しやすく発色が遅い、また、光やガスによって破壊されやすく退色しやすい等の問題がある。
近年では、記録直後の発色性、記録物の耐候性や耐水性を向上させることへの要求が高まっており、これに答えるため、顔料を色材に使用したインクを用いたインクジェット記録装置が開発されている。顔料インクは色材が粒子で存在するため、記録後に記録媒体中で色材が移動しにくく、発色が速い。また、色材粒子表面の分子が光やガスによって破壊されても、その内側の分子が発色に寄与するため、退色が起こりにくい等の利点がある。
しかし、特に顔料インクで記録を行うと、記録部分に映った照明の正反射光の色が、本来の照明の色とも、記録に用いたインクの色とも異なって見える現象が起こることがある。この現象を「ブロンズ現象」と呼ぶ。この「ブロンズ」現象は、特に、高い光沢を有する記録媒体に記録した場合に顕著に起こる。
このブロンズは、定量的に測定することができる。例えば、村上色彩技術研究所製の三次元変角分光測色システム(GCMS−4)を用いて、光沢紙に顔料インクで記録した単色パッチに対して45°方向から光を照射し、逆方向の45°の位置で受光することによって、正反射光の色の測定を行うことができる。
図22はこの測定システムを模式的に示す図である。図22において、B0001は評価対象となる記録媒体B0003を照明する照明手段を示す。B0002は評価対象となる記録媒体B0003からの反射光を検出する光検出手段を示す。光検出手段B0002は、記録媒体B0003の法線方向に対して照明手段と反対側に同一角度θ傾いた箇所、すなわち、正反射方向に位置する。B0004は評価対象となるパッチが記録された記録媒体B0003を固定する固定台を示す。B0005は光検出手段B0002が測定する被測定部を示す。B0006は外部からの光を遮蔽するための遮光手段を示している。
次に、測定した記録媒体の正反射光から、ブロンズの特性を算出する方法を説明する。光検出手段B0002によって測定される記録媒体B0003からの正反射光の分光強度
Figure 0004958483
から、以下の(1)式によって、正反射光の三刺激値XxYxZxを算出する。
Figure 0004958483
ただし、上記(1)において、図22の光学系では正反射光を測定するため、例えば光沢紙のように艶の度合いが大きいものは、正反射光の測定値のレンジが光源の測定に近くなる。つまり、光源からの光を直接測光する測定系に類似している。従って、通常の反射による物体色の三刺激値の算出とは異なり、正反射光の分光強度を光源の相対分光分布とみなし、光源色の三刺激値の算出方法に従う。式(1)の
Figure 0004958483
はJIS Z 8782の等色関数である。また、ここでは、比例定数の乗算による正規化を行わないが、
Figure 0004958483
を乗算する等の正規化を行っても良い。
完全拡散反射体などの白色板を測定対象としてその正反射光の分光強度をB0002で測定することによって測定される照明B0001の分光強度
Figure 0004958483
から、以下の(3)式によって、照明の三刺激値XsYsZsを算出する。式(3)は、光源色の三刺激値の算出方法に基づいており、上記照明の分光データから三刺激値XsYsZsを算出する変換式である。
Figure 0004958483
式(3)の
Figure 0004958483
はJIS Z 8782の等色関数である。また、式(3)のkは比例定数で、三刺激値のYsの値が測光量に一致するように定める。
次に、B0002で検出された評価対象となる記録媒体B0003の正反射の三刺激値XxYxZxと、照明B0001の三刺激値XsYsZsとから、JIS Z 8729に基づいてB0003の正反射のL*a*b*値を算出する。ただし、JIS Z 8729の式(1)乃至式(4)におけるX、Y、Zの値には、B0003の正反射光の三刺激値(Xx、Yx、Zx)を使用し、Xn、Yn、Znの値には、光源の三刺激値(Xs、Ys,Zx)を使用する。すなわち、a*、b*の値は以下の(4)式によって算出される。
Figure 0004958483
ブロンズは映り込んだ照明の像の明るさではなくその色味に関係するため、明るさを示す値であるL*の値は評価に用いない。本明細書では、CIELab色空間表示系におけるa*b*値だけをブロンズ特性の評価に用いる。
図23は、各顔料インクのブロンズ特性を示したものであって、本発明で適用可能な9色の顔料インクの測定結果をa*b*値で表した図である。詳しくは、シアン、マゼンタ、イエロー、第2ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、レッド、グリーン、グレーそれぞれの顔料インクで記録したそれぞれの単色パッチを上述した正反射光の測定系で測定し、この測定値と上記式からa*b*値を算出し、こうして算出されたa*b*値をa*b*平面上にプロットした図である。図23において、原点は光源の色を表している。また、原点から伸びるラインは、一例として、上記測定系による色域における、黄、赤、青の色相ラインを示す。なお、第1ブラックは、後述の実施形態で説明するように、高濃度領域で使用され、他のインクと同時に付与されることが少ないインクであり、図23には示していない。このようにブロンズの特性は、正反射光の色(色相・彩度)を意味するa*b*値で表される。
図23に示すように、例えば、シアンインクで記録したパッチは、その反射光が赤味を帯びた色として観測される。しかも、その赤は、原点からの距離が大きいことからより鮮やかな赤として観測される。また、第2ブラックのパッチは、その反射光が黄味がかった色として観測される。このように、ブロンズ現象は、正反射光の系で測定される色が元の照明の色ともインク自体の色と異なっている現象である。
このブロンズ現象に対し、既にインクそのものによる対策として、インクの製法改善が進められている(特許文献1、2、3、4参照)。しかしながら実際には、ブロンズ現象が完全に抑制されたインクだけが適用される場合はほとんどない。インクを吐出させる記録ヘッドの吐出特性や記録媒体との相性、インクの製造コスト等様々な要因によって、インクの適用範囲にも限度が生じるためである。
特開平6−228476号公報 特開平7−247452号公報 特開平7−268261号公報 特開2002−69340号公報
図23にて説明したように、インクの種類によってブロンズの色味は異なって感知される場合がある。したがって、複数種類のインクが混在して再現される色域では、異なるブロンズ色が感知される場合がある。たとえば、ブロンズ色(正反射光の色)が異なるインクを用いて特定の色域を表現する場合、用いるインクの組合せが変移する部分の前後でブロンズ色の差異が感知されやすい。このとき、両者のブロンズの色相が近い場合、上記変移部分で顕著な違和感は生じないが、両者のブロンズの色相が大きく異なる場合、上記変移部分でブロンズの色味の差異による違和感が生じ、これが「ブロンズむら」として視認される。
図25(a)は、シアンインクとブラックインクを用いてシアン−ブラックの色相を表現する従来の例を示している。図23の例では、シアンインクのブロンズの色味は赤く、第2ブラックインクのブロンズの色味は黄色い。したがって、シアンインクを支配的に使用している部分ではブロンズは赤く、シアンインクを減少させてブラックインク単色になった部分でブロンズは急激に赤から黄色に切替わる。よって、この切替わり前後の色域を再現すると、ブロンズの色味の差異による「色むら」が発生し、一般に認識されているインク自体の発色の「色むら」が抑制されたとしても、鑑賞者に不快感を与えるような画像弊害を招く。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ブロンズむらを抑制した画像を出力できる画像処理装置および記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、基本色である第1記録剤と、前記第1記録剤と同系色の記録剤であって前記第1記録剤よりも濃度の低い第2記録剤と、無彩色の第3記録剤と、を用いて記録を行う記録装置であって、複数種類の記録剤を用いてRGB色空間の白と黒とを結ぶラインの領域内の色を再現するために、前記第2記録剤の使用量が前記第3記録剤の使用量よりも多い記録剤使用域から、前記第2記録剤の使用量が前記第3記録剤の使用量よりも少なく使用し、かつ前記第3記録剤の使用量が最大となるまで、全域に亘って前記第2記録剤を用いて記録を行うことを特徴とする。
また、本発明の画像処理装置は、色信号で規定される色を再現するのに用いる記録剤の量を定める処理を行うための処理手段を有し、前記処理手段は、正反射光の色が異なる複数種類の前記記録剤を用いて再現される所定の色域の全域に亘って少なくとも1種類の前記記録剤が使用されるように、前記所定の色域内の、前記色信号で規定される色を再現するために用いる前記複数種類の記録剤の量を定めることを特徴とする。
本発明によれば、ブロンズむらを抑制し、高品位な画像を出力することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。最初に、本明細書で用いる用語について以下のように定義する。
「正反射光の色」とは、図22と図23を参照しながら説明したように、記録剤(例えばインク)が記録された記録媒体上の記録部分に光を照射することで得られる正反射光の強度と上記式(1)〜(4)とを用いて算出されるa*b*値のことである。このa*b*値から、正反射光の色相と彩度(C*={(a*)+(b*)}1/2)が分かる。なお、上述したブロンズ色の変化によるブロンズむらは、この正反射光の色相差が主たる原因である。彩度差もブロンズむらに影響を与えるが、この影響の大きさは色相差ほどではない。
また、「ブロンズの色」あるいは「ブロンズの色味」は、「正反射光の色」と同義である。
1.基本構成
1.1 記録システムの概要
図1は、本発明の一実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。この記録システムJ0011は、記録すべき画像を示す画像データの生成やそのデータ生成のためのUI(ユーザインタフェース)の設定等を行うホスト装置J0012と、このホスト装置J0012で生成された画像データに基づいて記録媒体に記録を行う記録装置J0013とで構成される。記録装置J0013は、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、グレー(Gray)の10色インクによって記録を行うものであり、そのためにこれら10色のインクを吐出する記録ヘッドH1001が用いられる。これら10色のインクは、色材として顔料を含む顔料インクである。
ホスト装置J0012のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001は記録装置で記録するための画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のホスト装置は、まずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。また、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウェブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、ホスト装置のモニタに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。ホスト装置J0012のモニタに表示されるUI画面において、ユーザは、記録に使用する記録媒体の種類や記録の品位等の設定を行うと共に記録指示を出す。この記録指示に応じて画像データR、G、Bがプリンタドライバに渡される。
プリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005および記録データ作成J0006を有している。以下、プリンタドライバで行われる各処理J0002〜J0006について簡単に説明する。
(A)前段処理
前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態では、画像データR、G、Bによって再現される色域を、記録装置J0013によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的には、R、G、Bのそれぞれが8ビットで表現された256階調の画像データR、G、Bを、3次元LUTを用いることにより、記録装置J0013の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
(B)後段処理
後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされた8ビットデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した8ビットの色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayを生成する。このように、色信号RGBで規定される色を再現するための各インクの量を定める処理を「色分解処理(色変換処理)」ともいう。なお、この処理は、前段処理と同様、3次元LUTに補間演算を併用して行う。
本発明において特徴的なのは、後述されるように、ブロンズむらを軽減するような色分解処理を行なう点にある。色分解処理の具体例は、図25(b)、図26(b)、図27(b)に示される通りであって、これら具体例では、ブロンズむらが軽減されるように各インクの量に関連する色分解データを生成している。
(C)γ処理
γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその濃度値(階調値)変換を行う。具体的には、記録装置J0013の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。
(D)ハーフトーニング
ハーフトーニングJ0005は、γ補正がなされた8ビットの色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
(E)記録データの作成処理
プリンタドライバで行う処理の最後には、記録データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする記録画像データに記録制御情報を加えた記録データを作成する。
図2はかかる記録データの構成例を示した図である。記録データは、記録の制御を司る記録制御情報および記録すべき画像を示す記録画像データ(上述の4ビットのインデックスデータ)で構成されている。記録制御情報は、「記録媒体情報」、「記録品位情報」、および給紙方法等のような「その他制御情報」から構成されている。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類が記述されており、普通紙、光沢紙、はがき、プリンタブルディスクなどのうち、いずれか1種類の記録媒体が規定されている。記録品位情報には、記録の品位が記述されており、「きれい」、「標準」、「はやい」等のうち、いずれか1種の品位が規定されている。なお、これらの記録制御情報は、ホスト装置J0012のモニタおけるUI画面にてユーザが指定した内容に基づいて形成されるものである。また、記録画像データは、前述のハーフトーン処理J0005によって生成された画像データが記述さているものとする。以上のようにして生成された記録データは、記録装置J0013へ供給される。
記録装置J0013は、ホスト装置J0012から供給された当該記録データに対して、次に述べるドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
(F)ドット配置パターン化処理
上述したハーフトーン処理J0005では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)まで階調レベル数を下げている。しかし、実際に記録装置J0013が記録できるデータは、インクドットを記録するか否かの2値データ(1ビットデータ)である。そこで、ドット配置パターン化処理J0007では、ハーフトーン処理J0005からの出力値である階調レベル0〜8の4ビットデータで表現される各画素ごとに、その画素の階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。これにより1画素内の複数のエリア各々にインクドットの記録の有無(ドットのオン・オフ)を定義し、1画素内の各エリアごとに「1」または「0」の1ビットの2値データを配置する。ここで、「1」はドットの記録を示す2値データであり、「0」は非記録を示す2値データである。
図3は、本実施形態のドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示している。図の左に示した各レベル値は、ホスト装置側のハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜レベル8に相当している。右側に配列した縦2エリア×横4エリアで構成される領域は、ハーフトーン処理で出力される1画素の領域に対応するものである。また、1画素内の各エリアは、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当するものである。なお、本明細書において「画素」とは、階調表現可能な最小単位のことであり、複数ビットの多値データの画像処理(上記前段、後段、γ補正、ハーフトーニング等の処理)の対象となる最小単位である。
図において、丸印を記入したエリアがドットの記録を行うエリアを示しており、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加している。本実施形態においては、最終的にこのような形でオリジナル画像の濃度情報が反映されていることになる。
(4n)〜(4n+3)は、nに1以上の整数を代入することにより、記録すべき画像データの左端からの横方向の画素位置を示しており、その下に示した各パターンは、同一の入力レベルにおいても画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されていることを示している。すなわち、同一のレベルが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられる構成となっているのである。
図3においては、縦方向を記録ヘッドの吐出口が配列する方向、横方向を記録ヘッドの走査方向としている。このように同一レベルに対して複数の異なるドット配置で記録できる構成にしておくことは、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させたり、記録装置特有の様々なノイズを分散させるという効果がある。
以上説明したドット配置パターン化処理を終了した段階で、記録媒体に対するドットの配置パターンが全て決定される。
(G)マスクデータ変換処理
上述したドット配置パターン化処理J0007により、記録媒体上の各エリアに対するドットの有無は決定されたので、このドット配置を示す2値データを記録ヘッドH1001の駆動回路J0009に入力すれば、所望の画像を記録することが可能である。この場合、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を1回の走査によって完成させる、いわゆる1パス記録が実行される。しかし、ここでは、記録媒体上の同一の走査領域に対する記録を複数回の走査によって完成させる、いわゆるマルチパス記録の例をとって説明する。
図4は、マルチパス記録方法を説明するために、記録ヘッドおよび記録パターンを模式的に示したものである。本実施形態に適用される記録ヘッドH10001は実際には768個のノズルを有するが、ここでは簡単のため16個のノズルを有するものとして説明する。ノズルは、図のように第1〜第4の4つのノズル群に分割され、各ノズル群には4つずつのノズルが含まれている。マスクパターンP0002は、第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)で構成される。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は、それぞれ、第1〜第4のノズル群が記録可能なエリアを定義している。マスクパターンにおける黒塗りエリアは記録許容エリアを示し、白塗りエリアは非記録エリアを示している。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は互いに補完の関係にあり、これら4つのマスクパターンを重ね合わせると4×4のエリアに対応した領域の記録が完成される構成となっている。
P0003〜P0006で示した各パターンは、記録走査を重ねていくことによって画像が完成されていく様子を示したものである。各記録走査が終了するたびに、記録媒体は図の矢印の方向にノズル群の幅分(この図では4ノズル分)ずつ搬送される。よって、記録媒体の同一領域(各ノズル群の幅に対応する領域)は4回の記録走査によって初めて画像が完成される構成となっている。以上のように、記録媒体の各同一領域が複数回の走査で複数のノズル群によって形成されることは、ノズル特有のばらつきや記録媒体の搬送精度のばらつき等を低減させる効果がある。
図5は、本実施形態で実際に適用可能なマスクパターンの一例を示したものである。本実施形態で適用する記録ヘッドH1001は768個のノズルを有しており、4つのノズル群にはそれぞれ192個ずつのノズルが属している。マスクパターン大きさは、縦方向がノズル数と同等の768エリア、横方向は256エリアとなっており、4つのノズル群それぞれに対応する4つのマスクパターンで互いに補完の関係を保つような構成となっている。
ところで、本実施形態で適用するような、多数の小液滴を高周波数で吐出するようなインクジェット記録ヘッドにおいては、記録動作時に記録部近傍に気流が生じ、この気流が特に記録ヘッドの端部に位置するノズルの吐出方向に影響を与えることが確認されている。よって、本実施形態のマスクパターンにおいては、図5からも判るように、各ノズル群また同一のノズル群の中でも、領域によって記録許容率の分布に偏りを持たせている。図5で示すように、端部のノズルの記録許容率を中央部の記録許容率よりも小さくした構成のマスクパターンを適用することにより、端部のノズルにより吐出されるインク滴の着弾位置ずれによる弊害を目立たなくすることが可能となるのである。
なお、マスクパターンで定められる記録許容率とは、マスクパターンを構成する記録許容エリア(図4のマスクパターンP0002の黒塗りエリア)と非記録許容エリア(図4のマスクパターンP0002の白塗りエリア)の合計数に対する記録許容エリアの数の割合を百分率で表したものである。すなわち、マスクパターンの記録許容エリアをM個、非記録許容エリアをN個とすると、そのマスクパターンの記録許容率(%)は、M÷(M+N)×100となる。
本実施形態においては、図5で示したマスクデータが記録装置本体内のメモリに格納してある。そして、マスクデータ変換処理J0008においては、当該マスクデータと上述したドット配置パターン化処理で得られた2値データとの間でAND処理をかけることにより、各記録走査での記録対象となる2値データが決定され、その2値データを駆動回路J0009へ送る。これにより、記録ヘッドH1001が駆動されて2値データに従ってインクが吐出される。
なお、図1では、前段処理J0002、後段処理J0003、γ処理J0004、ハーフトーニングJ0005および記録データ作成処理J0006がホスト装置J0012で実行され、ドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008が記録装置J0013で実行される形態について説明したが、この形態に限られるものではない。例えば、ホスト装置J0012で実行している処理J0002〜J0005の一部を記録装置J0013にて実行する形態であってもよいし、すべてをホスト装置J0012にて実行する形態であってもよい。あるいは、処理J0002〜J0008を記録装置J0013にて実行する形態であってもよい。
1.2 機構部の構成
本実施形態で適用する記録装置における各機構部の構成を説明する。本実施形態における記録装置本体は、各機構部の役割から、概して、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、フラットパス記録部、およびクリーニング部等に分類することができ、これらは外装部に収納されている。
図6、図7、図8、図12および図13は、本実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。ここで、図6は記録装置の非使用時における前面から見た状態、図7は記録装置の非使用時における背面から見た状態、図8は記録装置の使用時における前面から見た状態、図12はフラットパス記録時における前面から見た状態、図13はフラットパス記録時における背面から見た状態をそれぞれ示している。また、図9〜図11および図14〜図16は、記録装置本体の内部機構を説明するための図である。ここで、図9は右上部からの斜視図、図10は左上部からの斜視図、図11は記録装置本体の側断面図、図14はフラットパス記録時の断面図、図15はクリーニング部の斜視図、図16はクリーニング部におけるワイピング機構の構成および動作を説明するための断面図、図17はクリーニング部におけるウエット液転写部の断面図をそれぞれ示したものである。
以下、これらの図面を適宜参照しながら、各部を順次説明する。
(A)外装部(図6、図7)
外装部は、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部、フラットパス部およびウエット液転写部の回りを覆うように取り付けられている。外装部は主に、下ケースM7080、上ケースM7040、アクセスカバーM7030、コネクタカバーおよびフロントカバーM7010から構成されている。
下ケースM7080の下部には、不図示の排紙トレイレールが設けられており、分割された排紙トレイM3160が収納可能に構成されている。また、フロントカバーM7010は、非使用時に排紙口を塞ぐ構成になっている。
上ケースM7040には、アクセスカバーM7030が取り付けられており、回動可能に構成されている。上ケースの上面の一部は開口部を有しており、この位置で、インクタンクH1900および記録ヘッドH1001(図21)が交換可能となるように構成されている。なお、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001は、1色のインクを吐出可能な吐出部を複数色分、一体的に構成したユニットの形態であり、インクタンクH1900が色毎に独立に着脱可能な記録ヘッドカートリッジH1000として構成されている。さらに、上ケースM7040には、アクセスカバーM7030の開閉を検知するための不図示のドアスイッチレバー、LEDの光を伝達・表示するLEDガイドM7060、電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004等が設けられている。また、多段式の給紙トレイM2060が回動可能に取り付けられており、給紙部が使われない時は、給紙トレイM2060を収納することにより、給紙部のカバーにもなるように構成されている。
上ケースM7040と下ケースM7080は、弾性を持った勘合爪で取り付けられており、その間のコネクタ部分が設けられている部分を、不図示のコネクタカバーが覆っている。
(B)給紙部(図8、図11)
図8および図11を参照するに、給紙部は、記録媒体を積載する圧板M2010、記録媒体を1枚ずつ給紙する給紙ローラM2080、記録媒体を分離する分離ローラM2041、記録媒体を積載位置に戻すための戻しレバーM2020等がベースM2000に取り付けられることで構成されている。
(C)用紙搬送部(図8〜図11)
曲げ起こした板金からなるシャーシM1010には、記録媒体を搬送する搬送ローラM3060とペーパエンドセンサ(以下PEセンサと称す)E0007が回動可能に取り付けられている。搬送ローラM3060は、金属軸の表面にセラミックの微小粒がコーティングされた構成となっており、両軸の金属部分を不図示の軸受けが受ける状態で、シャーシM1010に取り付けられている。搬送ローラM3060にはローラテンションバネ(不図示)が設けられており、搬送ローラM3060を付勢することにより、回転時に適量の負荷を与えて安定した搬送が行えるようになっている。
搬送ローラM3060には、従動する複数のピンチローラM3070が当接して設けられている。ピンチローラM3070は、ピンチローラホルダM3000に保持されているが、不図示のピンチローラバネによって付勢されることで、搬送ローラM3060に圧接し、ここで記録媒体の搬送力を生み出している。この時、ピンチローラホルダM3000の回転軸は、シャーシM1010の軸受けに取り付けられ、この位置を中心に回転する。
記録媒体が搬送されてくる入口には、記録媒体をガイドするためのペーパガイドフラッパM3030およびプラテンM3040が配設されている。また、ピンチローラホルダM3000には、PEセンサレバーM3021が設けられており、PEセンサレバーM3021は、記録媒体の先端および後端の検出をPEセンサE0007に伝える役割を果たす。プラテンM3040は、シャーシM1010に取り付けられ、位置決めされている。ペーパガイドフラッパM3030は、不図示の軸受け部を中心に回転可能で、シャーシM1010に当接することで位置決めされる。
搬送ローラM3060の記録媒体搬送方向における下流側には、記録ヘッドH1001(図21)が設けられている。
上記構成における搬送の過程を説明する。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000およびペーパガイドフラッパM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバーM3021が、記録媒体の先端を検知して、これにより記録媒体に対する記録位置が求められている。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。プラテンM3040には、搬送基準面となるリブが形成されており、このリブにより、記録ヘッドH1001と記録媒体表面との間のギャップが管理されている。また同時に、当該リブが、後述する排紙部と合わせて、記録媒体の波打ちを抑制する役割も果たしている。
搬送ローラM3060が回転するための駆動力は、例えばDCモータからなるLFモータE0002の回転力が、不図示のタイミングベルトを介して、搬送ローラM3060の軸上に配設されたプーリM3061に伝達されることによって得られている。また、搬送ローラM3060の軸上には、搬送ローラM3060による搬送量を検出するためのコードホイールM3062が設けられており、隣接するシャーシM1010には、コードホイールM3062に形成されたマーキングを読み取るためのエンコードセンサM3090が配設されている。なお、コードホイールM3062に形成されたマーキングは、150〜300lpi(ライン/インチ;参考値)のピッチで形成されているものとする。
(D)排紙部(図8〜図11)
排紙部は、第1の排紙ローラM3100および第2の排紙ローラM3110、複数の拍車M3120およびギア列などから構成されている。
第1の排紙ローラM3100は、金属軸に複数のゴム部を設けて構成されている。第1の排紙ローラM3100の駆動は、搬送ローラM3060の駆動が、アイドラギアを介して第1の排紙ローラM3100まで伝達されることによって行われている。
第2の排紙ローラM3110は、樹脂の軸にエラストマの弾性体M3111を複数取り付けた構成になっている。第2の排紙ローラM3110の駆動は、第1の排紙ローラM3100の駆動が、アイドラギアを介して伝達すること行われる。
拍車M3120は、周囲に凸形状を複数設けた例えばSUSでなる円形の薄板を樹脂部と一体としたもので、拍車ホルダM3130に複数取り付けられている。この取り付けは、コイルバネを棒状に設けた拍車バネによって行われているが、同時に拍車バネのばね力は、拍車M3120を排紙ローラM3100およびM3110に対し所定圧で当接させている。この構成によって拍車M3120は、2つの排紙ローラM3100およびM3110に従動して回転可能となっている。拍車M3120のいくつかは、第1の排紙ローラM3100のゴム部、あるいは第2の排紙ローラM3110の弾性体M3111の位置に設けられており、主に記録媒体の搬送力を生み出す役割を果たしている。また、その他のいくつかは、ゴム部あるいは弾性体M3111が無い位置に設けられ、主に記録時の記録媒体の浮き上がりを抑える役割を果たしている。
また、ギア列は、搬送ローラM3060の駆動を排紙ローラM3100およびM3110に伝達する役割を果たしている。
以上の構成によって、画像形成された記録媒体は、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。排紙トレイM3160は、複数に分割され、後述する下ケースM7080の下部に収納できる構成になっている。使用時は、引出して使用する。また、排紙トレイM3160は、先端に向けて高さが上がり、更にその両端は高い位置に保持されるよう設計されており、排出された記録媒体の積載性を向上し、記録面の擦れなどを防止している。
(E)キャリッジ部(図9〜図11)
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。ガイドレールM1011は、シャーシM1010に一体に形成されており、キャリッジM4000の後端を保持して記録ヘッドH1001と記録媒体との隙間を維持する役割を果たしている。また、ガイドレールM1011のキャリッジM4000との摺動側には、ステンレス等の薄板からなる摺動シートM4030が張設され、記録装置の摺動音の低減化を図っている。
キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。また、タイミングベルトM4041は、アイドルプーリM4042によって張設、支持されている。さらに、タイミングベルトM4041は、キャリッジM4000とゴム等からなるキャリッジダンパを介して結合されており、キャリッジモータE0001等の振動を減衰することで、記録される画像のむら等を低減している。
キャリッジM4000の位置を検出するためのエンコーダスケールE0005(図18について後述)が、タイミングベルトM4041と平行に設けられている。エンコーダスケールE0005上には、150lpi〜300lpiのピッチでマーキングが形成されており、当該マーキングを読み取るためのエンコーダセンサE0004(図18について後述)が、キャリッジM4000に搭載されたキャリッジ基板E0013(図18について後述)に設けられている。キャリッジ基板E0013には、記録ヘッドH1001と電気的な接続を行うためのヘッドコンタクトE0101も設けられている。また、キャリッジM4000には、電気基板E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012(図18について後述)が接続されている。
記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に固定するための構成として、記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に押し付けながら位置決めするための不図示の突き当て部と、所定の位置に固定するための不図示の押圧手段が、キャリッジM4000上に設けられている。押圧手段は、ヘッドセットレバーM4010に搭載され、記録ヘッドH1001をセットする際に、ヘッドセットレバーM4010を回転支点を中心に回して、記録ヘッドH1001に作用する構成になっている。
さらに、キャリッジM4000には、CD−R等の特殊メディアへ記録を行う際や、記録結果や用紙端部等の位置検出用として、反射型の光センサからなる位置検出センサM4090が取り付けられている。位置検出センサM4090は、発光素子より発光し、その反射光を受光することで、キャリッジM4000の現在位置を検出することができる。
上記構成において記録媒体に画像形成する場合、行位置に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、列位置に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成および記録システムは後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
(F)フラットパス記録部(図12〜図14)
給紙部からの給紙は、図11に示したように記録媒体が通る経路がピンチローラに達するまで曲がっているため、記録媒体を曲げた状態で行われることになる。従って、例えば0.5mm程度以上の厚い記録媒体等を給紙部から給紙しようとすると、曲げられた記録媒体の反力が発生し、給紙抵抗が増えて給紙が行えない場合がある。また、給紙が可能であっても、排紙後の記録媒体が曲がったままとなったり、折れたりすることもある。
厚い記録媒体等、曲げたくない記録媒体や、CD−R等、曲げることのできない記録媒体に対して記録を行うのがフラットパス記録である。
ここで、フラットパス記録には本体背面のスリット上の開口部から(給紙装置の下)、手差し給紙の態様で記録媒体を本体のピンチローラにニップさせ、記録を行うタイプがある。しかし本実施形態のフラットパス記録は、記録媒体を本体手前の排紙口から記録位置まで給紙し、スイッチバックしてから記録を行う形態のものである。
フロントカバーM7010は、通常記録した記録媒体を数十枚程度積載しておくためのトレイを兼ねるために排紙部より下方にある(図8)。フラットパス記録時には、記録媒体を排紙口から水平に、通常の搬送方向とは反対方向に給紙するために、フロントトレイM7010を排紙口の位置まで上げる(図12)。フロントトレイM7010には不図示のフック等が設けられており、フラットパス給紙位置にフロントトレイを固定可能である。フロントトレイM7010がフラットパス記録位置にあることはセンサで検知可能であり、当該検知に応じてフラットパス記録モードと判断することができる。
フラットパス記録モードでは、記録媒体をフロントトレイM7010に載せて排紙口から記録媒体を挿入するために、まずフラットパスキーE3004を操作することによって、想定している記録媒体の厚みより高い位置まで、拍車ホルダM3130とピンチローラホルダM3000とを不図示の機構により持ち上げる。またリアトレイボタンM7110を押すことによってリアトレイM7090を開き、さらにリアサブトレイM7091をV字に開くことも可能である(図13)。リアトレイM7090およびリアサブトレイM7091は、長い記録媒体を本体前面から挿入した場合は本体背面から突出するので、長い記録媒体を本体背面でも支えるためのトレイである。厚い記録媒体は記録中にフラットな姿勢を保たないとヘッドフェイス面と擦れたり、搬送負荷が変化したりすることから記録品位に影響を及ぼすおそれがあるので、これらのトレイの配設は有効である。しかし本体背面からはみ出ない程度の長さの記録媒体であれば、リアトレイM7090等を開く必要はない。
以上によって、記録媒体を排紙口から本体内に挿入可能となる。記録媒体の後端部(ユーザに最も近く位置する手前側の端部)と右端部とをフロントトレイM7010のマーカ位置に揃えて、フロントトレイM7010に載せる。
ここで再度フラットパスキーE3004を操作すると、拍車ホルダ3130が降りて排紙ローラM3100およびM3110と拍車3120とで記録媒体をニップする。その後、排紙ローラM3100,M3110で記録媒体を所定量本体内に引き込む(通常記録時の搬送方向とは逆方向)。最初に記録媒体をセットした際に記録媒体の手前側の端部(後端部)を揃えているので、短い記録媒体の前端部(ユーザから見て最も奥側の端部)は搬送ローラM3060まで届いていないことがある。従って所定量とは、想定している一番短い記録媒体の後端が搬送ローラM3060に届くまでの距離とする。所定量送られた記録媒体は搬送ローラM3060に届いているので、その位置でピンチローラホルダM3000を降ろして、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とで記録媒体をニップさせる。そして記録媒体をさらに送り、その後端部が搬送ローラM3060とピンチローラM3070とでニップされるようにする。これで記録媒体のフラットパス記録のための給紙が終了したことになる(記録待機位置)。
排紙ローラM3100およびM3110と拍車M3120とのニップ力は、通常記録時の排紙時に形成画像に影響を与えないよう、比較的低く設定されている。従って、フラットパス記録時には記録を行うまでに記録媒体の位置がずれてしまうおそれがある。しかし本実施形態では、ニップ力が比較的高い搬送ローラM3060とピンチローラM3070とによって記録媒体をニップさせるので、記録媒体のセット位置が確保されたことになる。また、記録媒体を上記所定量だけ本体内に送るとき、プラテンM3040と拍車ホルダM3130の間にあるフラットパス紙検知センサM3170で記録媒体の後端位置(記録時の前端位置となる)を検知することができる。
記録媒体が上記記録待機位置に設定されると、記録コマンドを実行する。すなわち、記録ヘッドH1001による記録位置まで搬送ローラM3060で記録媒体を搬送し、後は通常の記録動作と同じように記録を行い、記録後フロントトレイM7010に排紙することになる。
フラットパス記録をさらに行いたい場合は、記録した記録媒体をフロントトレイM7010から取り出し、次の記録媒体をセットして、後は前述した処理を繰り返せばよい。具体的には、フラットパスキーE3004を押すことによって、拍車ホルダM3130とピンチローラホルダM3000とを持ち上げて、記録媒体をセットすることから始まる。
一方、フラットパス記録を終了する場合は、フロントトレイM7010を通常記録位置に戻すことによって通常記録モードに戻すことができる。
(G)クリーニング部(図15、図16)
クリーニング部は記録ヘッドH1001のクリーニングを行うための機構であり、ポンプM5000、記録ヘッドH1001の乾燥を抑えるためのキャップM5010、記録ヘッドH1001の吐出口形成面をクリーニングするためのブレードM5020などから構成されている。
クリーニング部には、専用のクリーニングモータE0003が配されている。クリーニングモータE0003には、不図示のワンウェイクラッチが設けられており、一方向の回転でポンプM5000を作動させ、もう一方向の回転ではブレードM5020の移動およびキャップM5010の昇降を行わせるようになっている。
キャップM5010はモータE0003から不図示の昇降機構を介して昇降可能に駆動され、上昇位置では、記録ヘッドH1500に設けた数個の吐出部のフェイス面毎にキャッピングを施し、非記録動作時等においてその保護を行ったり、あるいは吸引回復を行うことが可能である。また、記録動作時には記録ヘッド9との干渉を避ける下降位置に設定され、またフェイス面との対向によって予備吐出を受けることが可能である。例えば記録ヘッドH1001に10個の吐出部が設けられ、5個の吐出部のフェイス面毎に一括してキャッピングを施すことが可能となるよう、図示の例ではキャップM5010は2つ設けられている。
ゴム等の弾性部材でなるワイパ部H5020はワイパホルダH5021に固定されている。ワイパホルダH5021は図16の+Yおよび−Y方向(吐出部における吐出口の配列方向)に移動可能である。そして、記録ヘッドH1001がホームポジションに到達したときに、矢印−Y方向にワイパホルダ25が移動することによって、ワイピングが可能である。ワイピング動作が終了すると、キャリッジをワイピング領域の外に退避させてから、ワイパがフェイス面等と干渉しない位置に戻す。なお、本例のワイパ部M5020には、全吐出部のフェイス面を含む記録ヘッドH1001の面全体をワイピングするワイパブレードM5020Aと、5つの吐出部のフェイス面毎に、ノズル近傍をするワイピングする2つのワイパブレードM5020B,M5020Cとが設けられている。
そして、ワイピング後には、ワイパ部M5020がブレードクリーナM5060に当接することにより、ワイパブレードM5020A〜M5020C自身へ付着したインクなども除去することができる構成になっている。また、ワイピングに先立ってワイパブレードM5020A〜M5020Cにウエット液を転写させておくことによりワイピングによるクリーニング性を向上する構成(ウエット液転写部)が設けられている。このウエット液転写部の構成およびワイピング動作については後述する。
吸引ポンプM5000は、キャップM5010をフェイス面に接合させてその内部に密閉空間を形成した状態で負圧を発生させることが可能である。これにより、インクタンクH1900から吐出部内にインクを充填させたり、吐出口もしくはその内方のインク路に存在する塵埃、固着物、気泡等を吸引除去したりすることができる。
吸引ポンプM5000としては、例えばチューブポンプ形態のものが用いられる。これは、可撓性を有するものとしたチューブの少なくとも一部を沿わせて保持する曲面が形成された部材と、これに向けて可撓性チューブを押圧可能なローラと、このローラを支持して回転可能なローラ支持部とを有するものとすることができる。すなわち、ローラ支持部を所定方向に回転させることで、ローラは曲面形成部材上で可撓性チューブを押しつぶしながら転動する。これに伴い、キャップM5010が形成する密閉空間に負圧が生じてインクが吐出口より吸引され、キャップM5010からチューブないし吸引ポンプに引き込まれる一方、引き込まれているインクはさらに下ケースM7080に設けた適宜の部材(廃インク吸収体)に向けて移送される。
なお、キャップM5010の内側部分には、吸引後の記録ヘッドH1001のフェイス面に残るインクを削減するために、吸収体M5011が設けられている。また、キャップM5010を開放した状態で、キャップM5010ないし吸収体M5011に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。ここで、インク吸引経路の途中に大気開放弁(不図示)を設け、キャップM5010をフェイス面から離脱させる際に予めこれを開放しておくことで、フェイス面に急激な負圧が作用しないようにしておくことが好ましい。
また、吸引ポンプM5000は、吸引回復だけでなく、キャップM5010がフェイス面に対向した状態で行われる予備吐出動作によってキャップM5010に受容されたインクを排出するためにも作動させることができる。すなわち、予備吐出されてキャップM5010に保持されたインクが所定量に達したときに吸引ポンプM5000を作動させることで、キャップM5010内に保持されていたインクをチューブを介して廃インク吸収体に移送することができる。
以上のワイパ部M5020の動作、キャップM5010の昇降および弁の開閉など、連続して行われる一連の動作は、モータE0003の出力軸上に設けた不図示のメインカムおよびこれに従動する複数のカム,アーム等によって制御可能である。すなわち、モータE0003の回転方向に応じたメインカムの回動によってそれぞれの部位のカム部,アーム等が作動することで、所定の動作を行うことが可能である。メインカムの位置はフォトインタラプタ等の位置検出センサで検出することができる。
(H)ウエット液転写部(図17、図16)
最近では、記録物の記録濃度、耐水性および耐光性等を向上する目的で、色材として顔料成分を含有するインク(以下、顔料インクという)が使用されることが多くなってきている。顔料インクは、元来固体である色材を、分散剤や、顔料表面に官能基を導入するなどして水中に分散させてなるものである。従って、フェイス面上でインク中の水分が蒸発し乾燥した顔料インクの乾燥物は、色材自体が分子レベルで溶解している染料系インクの乾燥固着物と比べ、フェイス面に与えるダメージが大きい。また、また顔料を溶剤中に分散させるために用いている高分子化合物が吐出面に対して吸着されやすいという性質が見られる。これは、インクの粘度調整や、耐光性向上その他の目的でインクに反応液を添加する結果インク中に高分子化合物が存在する場合には、顔料インク以外でも生じる問題である。
この課題に対し、本実施形態では、ブレードM5020に液体を転写・付着させ、これによって濡れたブレードM5020でワイピングを行うことで、顔料インクによるフェイス面の劣化を防ぎ、かつワイパの磨耗を軽減し、さらにはフェイス面に蓄積したインク残渣を溶解させることによって蓄積物を除去するようにしている。かかる液体をその機能から本明細書ではウエット液と称し、これを用いるワイピングをウエットワイピングと称する。
本実施形態では、ウエット液を記録装置本体内部に貯蔵する構成がとられている。M5090はウエット液タンクであり、ウエット液としてグリセリン溶液等を収納している。M5100はウエット液保持部材で、ウエット液がウエット液タンクM5090から漏れないように適度な表面張力を有する繊維質部材等であり、ウエット液を含浸保持している。M5080はウエット液転写部材であり、例えば、多孔質であって適度な毛管力を備えた材質でなり、ワイパブレードと接触するウエット液転写部M5081を有している。ウエット液転写部材M5080はウエット液が染み込んだウエット液保持部材M5090とも接しており、従ってウエット液転写部材M5080もウエット液が染み込むことになる。ウエット液転写部材M5080は、ウエット液が残り少なくなってもウエット液転写部M5081へウエット液を供給できるだけの毛管力を有した材質である。
かかるウエット液転写部およびワイパ部の動作を説明する。
まず、キャップM5010を下降位置に設定し、キャリッジM4000がブレードM5020A〜M5020Cに触れない位置に退避させる。この状態で、ワイパ部M5020を−Y方向に移動させ、ブレードクリーナM5060の部位を通過させて、ウエット液転写部M5081に接触させる(図17)。適切な時間だけ接触状態を維持することで、ブレードM5020にウエット液が適量転写される。
次にワイパ部M5020を+Y方向に移動させるが、ブレードがブレードクリーナM5060に触れるのはウエット液が付着していない面であるので、ウエット液はブレードに保持されたままになる。
ブレードをワイピング開始位置まで戻した後、キャリッジM4000をワイピング位置まで移動させる。再度、ワイパ部M5020を−Y方向に移動させることによって、ウエット液が付いた面で記録ヘッドH1001のフェイス面をワイピングすることが可能となる。
1.3 電気回路構成
次に本実施形態における電気的回路の構成を説明する。
図18は、記録装置J0013における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。本実施形態で適用する記録装置では、主にキャリッジ基板E0013、メイン基板E0014、電源ユニットE0015およびフロントパネルE0106等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メイン基板E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4000に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタE0101を通じて記録ヘッドH1001との信号の授受、ヘッド駆動電源の供給を行うインターフェースとして機能する。ヘッド駆動電源の制御に供する部分として、記録ヘッドH1001の各色吐出部に対する複数チャネルのヘッド駆動電圧変調回路E3001を有し、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014から指定された条件に従ってヘッド駆動電源電圧を発生する。また、キャリッジM4000の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、更にその出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力する。
キャリッジ基板E0013には、図20に示すように、光学センサおよび周囲温度を検出するためのサーミスタが接続されている(以下、これらのセンサをマルチセンサE3000として参照する)。マルチセンサE3000により得られる情報は、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力される。
メイン基板E0014は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、その基板上にホストインタフェース(ホストI/F)E0017を有しており、不図示のホストコンピュータからの受信データをもとに記録動作の制御を行う。また、キャリッジM4000を主走査させるための駆動源となるキャリッジモータE0001、記録媒体を搬送するための駆動源となるLFモータE0002、記録ヘッドH1001の回復動作および記録媒体の給紙動作の駆動源となるAPモータE3005、フラットパス記録動作の駆動源となるPRモータE3006など、各種モータと接続されて各機能の駆動を制御している。さらに、PEセンサ、CRリフトセンサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサのような、プリンタ各部の動作状態を検出する様々なセンサに対して、制御信号および検出信号の送受信を行うためのセンサ信号E0104に接続される。また、メイン基板E0014は、CRFFC E0012および電源ユニットE0015にそれぞれ接続されるとともに、さらにパネル信号E0107を介してフロントパネルE0106と情報の授受を行うためのインターフェースを有している。
フロントパネルE0106は、ユーザ操作の利便性のために、記録装置本体の正面に設けたユニットであり、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018およびフラットパスキーE3004を有するほか(図6)、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F E0100を有している。
図19は、メイン基板E1004の内部構成を示すブロック図である。
図において、E1102はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、制御バスE1014を通じてROM E1004に接続され、ROM E1004に格納されたプログラムに従って、各種制御を行っている。例えば、各種センサに関連するセンサ信号E0104や、マルチセンサE3000に関連するマルチセンサ信号E4003の送受信を行うほか、エンコーダ信号E1020、フロントパネルE0106上の電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004からの出力の状態を検出している。また、ホストI/F E0017、フロントパネル上のデバイスI/F E0100の接続およびデータ入力状態に応じて、各種論理演算や条件判断等を行い、各構成要素を制御し、インクジェット記録装置の駆動制御を司っている。
E1103はドライバ・リセット回路であって、ASIC E1102からのモータ制御信号E1106に従って、CRモータ駆動信号E1037、LFモータ駆動信号E1035、APモータ駆動信号E4001およびPRモータ駆動信号E4002を生成し、各モータを駆動する。さらに、ドライバ・リセット回路E1103は、電源回路を有しており、メイン基板E0014、キャリッジ基板E0013、フロントパネルE0106など各部に必要な電源を供給し、さらには電源電圧の低下を検出して、リセット信号E1015を発生および初期化を行う。
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1102からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
ホストI/F E0017は、ASIC E1102からのホストI/F信号E1028を、外部に接続されるホストI/FケーブルE1029に伝達し、またこのケーブルE1029からの信号をASIC E1102に伝達する。
一方、電源ユニットE0015からは電力が供給される。供給された電力は、メイン基板E0014内外の各部へ、必要に応じて電圧変換された上で供給される。また、ASIC E1102からの電源ユニット制御信号E4000が電源ユニットE0015に接続され、記録装置本体の低消費電力モード等を制御する。
ASIC E1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、前述したモータ制御信号E1106、電源制御信号E1024および電源ユニット制御信号E4000等を出力する。そして、ホストI/F E0017との信号の授受を行うとともに、パネル信号E0107を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F E0100との信号の授受を行う。さらに、センサ信号E0104を通じてPEセンサ、ASFセンサ等各部センサ類を、およびマルチセンサ信号E4003を通じてマルチセンサE3000を制御するとともに状態を検知し、またパネル信号E0107の状態を検知して、パネル信号E0107の駆動を制御してフロントパネル上のLED E0020の点滅を行う。
さらにASIC E1102は、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドH1001とのインターフェースをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はCRFFC E0012を通じて入力されるエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012を通じてキャリッジ基板E0013に接続され、前述のヘッド駆動電圧変調回路E3001およびヘッドコネクタE0101を経て記録ヘッドH1001に供給されるとともに、記録ヘッドH1001からの各種情報をASIC E1102に伝達する。このうち吐出部毎のヘッド温度情報については、メイン基板上のヘッド温度検出回路E3002で信号増幅された後、ASIC E1102に入力され、各種制御判断に用いられる。
図中、E3007はDRAMであり、記録用のデータバッファ、ホストコンピュータからの受信データバッファ等として、また各種制御動作に必要なワーク領域としても使用されている。
1.4 記録ヘッド構成
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。 本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図21は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、レッド(R)、グリーン(G)およびグレー(Gray)の10色の顔料インクによって画像を形成し、従ってインクタンクT0001も10色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、インクタンクそれぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。なお、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
1.5 インク構成
以下に本発明で使用する10色のインクについて説明する。
本発明に用いられる10色とは、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、第一ブラック、第二ブラック、グレー、レッドおよびグリーンである。各色に用いられる着色剤は全てが顔料であることが好ましい。本発明の主旨にあえば、少なくとも一部の色に用いられる着色剤が染料であってもよい。また、少なくとも一部の色に用いられる着色剤が顔料と染料を調色した形でもよく、顔料を複数種含んでもよい。また本発明に用いられる10色インクには、本発明の主旨にある範疇で、水溶性有機溶剤・添加剤・界面活性剤・バインダー・防腐剤から選ばれる少なくとも1種以上が含まれてもよい。
本実施形態において、第1ブラック(K1)と第2ブラック(K2)およびグレー(Gray)は、共に無彩色であるが、インク中の顔料濃度や溶剤成分および比率を適切に調整することによって、記録媒体への浸透性や発色性を互いに異ならせている。第1ブラックは浸透性が低く、記録媒体の表面に残り易いことから、高濃度領域で積極的に使用される。第2ブラックは浸透性が高く、他色と同時に付与されても記録媒体の表面で混色することも無く、記録媒体にすばやく吸収される。よって、微妙なグレーバランスを保つために有彩色による補正が必要な、中間濃度から高濃度にかけて使用される。グレー(淡ブラック)は、顔料濃度が他のブラックよりも低く抑えられており、粒状感が目立ちやすい低濃度領域から中間濃度領域にかけて使用される。
本実施形態のインクジェット記録装置においては、記録に使用するインクを記録媒体の種類によって異ならせている。例えば、普通紙やアート紙など、光沢性を有さない記録媒体においては、第1ブラック(K1)、グレー(Gray)、ライトシアン(Lc)およびライトマゼンタ(Lm)が用いられる。また、光沢紙や写真専用紙など、光沢性を有する記録媒体においては、第2ブラック(K2)、グレー(Gray)、ライトシアン(Lc)およびライトマゼンタ(Lm)が用いられる。更に、第1ブラック(K1)と第2ブラック(K2)の浸透性の差が記録媒体で濃度差となって現れる高品位専用紙では、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、グレー(Gray)、ライトシアン(Lc)およびライトマゼンタ(Lm)が用いられる。
次に本発明で使用する10色のインクを構成する好ましい材料について、下記に具体的に説明する。
(着色剤について)
カラー顔料としては、有機顔料が挙げられ、具体的には、酸性染料系レーキ、塩基性染料系レーキのような染付けレーキ系顔料、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、β−ナフトール系、ナフトールAS系、ピラゾロン系、ベンズイミダゾロン系のような不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ顔料、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、インジゴ系、ジオキサジン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系のような縮合多環系顔料などが上げられるが、勿論、これらに限定されず、その他の有機顔料であってもよい。
ブラック顔料に使用される顔料としては、カーボンブラックが好適である。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックをいずれも使用することができる。又、本発明のために別途新たに調製されたカーボンブラックを使用することもできる。しかし、本発明は、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックをいずれも使用することができる。又、カーボンブラックに限定されず、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
ここで、顔料の分散を行うためには、公知一般の分散剤を用いてもよいし、また公知一般の方法で顔料表面を改質し、自己分散性を付与してもよい。
また、インクには水溶性有機溶剤、添加剤、界面活性剤、防腐剤を添加することができ、それらの材料としては、公知一般の材料をそれぞれ用いることができる。
(インク組成)
ここで、本発明で適用可能な10色顔料インクの組成の一例を示す。なお、これら顔料インクのブロンズ特性は、例えば、図23に示したようになる。
(イ)水性キャリア媒体(Aqueous Carrier Medium)
水性キャリア媒体は、水、あるいは水と少なくとも一種類の水溶性有機溶媒との混合物である。適当な混合物は、特定の用途に応じて選択されるもので、例えば所望の表面張力および粘性、選択された着色剤、インクの乾燥時間、さらにインクが印刷される被記録媒体の種類に応じて選択される。選択可能な水溶性有機溶媒の例は、米国特許第5,085,698号に開示されている。水と多価アルコール、例えばジエチレングリコールとの混合物が水溶性キャリア媒体として好ましい。もし水と水溶性溶媒との混合物を用いるならば、水溶性溶媒の含有量(すなわち、70ないし5%)とのバランスから水の含有量を約30ないし約95%とする。さらに、水性キャリア媒体は選択された着色剤の種類に応じてインク組成物の全重量で70ないし99.8%を成す。好ましくは、水性キャリア媒体は、有機顔料が選択された場合は94ないし99.8%、無機顔料が選択された場合は70ないし99.8%を成す。
(ロ)顔料(Pigments)
顔料は、幅広い範囲の有機顔料および無機顔料を単独で、あるいは組み合わせたものである。顔料の粒子はインクジェットプリンタ内、特に直径が10μmないし50μmである吐出口内をインクが自由に流れるほどに十分に小さい。また、粒径はインクの寿命全体にわたって重要である顔料分散安定性に影響を与える。微粒子であることによって生ずるブラウン運動は、粒子の沈殿を防ぐことに貢献するであろう。また、小さな粒子を用いることで色の濃さを最大とすることが求められている。本発明に有用な粒径は、約0.005μmないし15μm、好ましくは0.005ないし0.5μm、さらに好ましくは0.01μmないし0.3μmである。
選択された顔料を、乾燥した状態で、あるいは湿った状態(すなわち、圧縮した塊)で使用することができる。圧縮した塊の状態では、顔料はそれが乾燥した状態にある限りにおいて凝集しない。したがって、インクを調製するプロセスでの脱凝集を必要としてはいない。本発明を実施する上で使用される代表的な乾燥およびプレスケーク顔料は、米国特許第5,085,698号に開示されている。
金属または金属酸化物の微粒子もまた本発明を実施する上で使用することができる。例えば、金属および金属酸化物は磁気性のインクジェットインクを調製するのに適している。微粒子サイズの酸化物、例えばシリカ、アルミナ、二酸化チタン等を選択してもよい。さらに、微細金属粒子、例えば銅、鉄、スチール、アルミニウム、および合金を適当な用途に対して選択することができる。
有機顔料の場合、ほとんどのインクジェット印刷の用途に対してインク全体の重量でインクは約30重量%の顔料を含むことができる。しかし、一般にはインク全体の重量で1ないし15重量%、好ましくは約1ないし8重量%である。無機顔料を選択する場合、無機顔料は有機顔料に比べて比重が大きいので、有機顔料を用いるインクと比較して無機顔料を用いるインクは顔料含有率が高くなる傾向にあり、重量百分率で約50%相当とすることができる。
(ハ)分散剤(Dispersant)
重合分散剤としては、ランダム重合体および構造重合分散剤、例えばブロック共重合体、枝分かれ重合体、またはグラフト重合体が挙げられる。重合体は、アニオン系、カチオン系、または非イオン系である。ランダム重合体は、構造重合体として着色剤分散を安定化させる効果を示さないので、好ましくはない。しかし、水安定性のための親水性部分と着色剤と相互作用するための疎水性部分との両方を有し、また分散安定性に貢献する平均分子量を有するランダム重合体は、本発明を実施する上で効果的に使用することができる。そのような重合分散剤は米国特許第4,597,794号に開示されている。
上記のようなブロック重合体は、AB、BAB、およびABC型構造である。疎水性のブロックと親水性のブロックとを有し、また分散安定性に貢献する均衡のとれたブロックサイズを有するブロック重合体は、本発明を実施する上で有利である。官能基を疎水性ブロック(着色剤が結合するブロック)に組み込むことができ、それによって分散安定性を改善するために重合分散剤と着色剤との間の特異的相互作用をよりいっそう強化される。これらの重合体の詳細は、米国特許第5,085,698号および第5,272,201号、さらに欧州特許出願第0 556 649 A1号に開示されている。有用なグラフト重合体のいくつかは、米国特許第5,231,131号に開示されている。
重合体の量は、該重合体の構造、分子量、および他の特性、さらにインク組成物の他の成分に依存する。本発明を実施する上で選択される分散剤重合体の平均分子量は、40,000未満、好ましくは20,000未満、より好ましくは2,000ないし10,000の範囲内である。
重合分散剤の含有量は、インク組成物の全重量にもとづいて0.1ないし25重量%、好ましくは0.1ないし8重量%である。もし重合分散剤の含有量がこの範囲よりも高い場合、所望のインク粘度を維持するのが困難となろう。分散安定性は、十分な重合体が存在する場合、悪影響を受けるであろう。
(ニ)界面活性剤混合物(Surfactant Mixture)
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、シロキサン界面活性剤、フッ素化界面活性剤等を用いることができる。界面活性剤混合物は、インク組成物の全重量にもとづいて0.5ないし5重量%、好ましくは1.0ないし3重量%の量で存在する。
(ホ)インク配合物
インクの調製は、選択された不溶性の着色剤、例えば顔料および分散体を水性キャリア媒体に予混合し、続いて該着色剤を分散または脱凝集することによって行う。この工程は、水平小型ミル(horizontal mini mill)、ボールミル(ballmill )、磨砕機で行うことができる。あるいは、混合物を、水性キャリア媒体中の着色剤の均一分散体を作るために、少なくとも100psiの液圧で液体ジェットインタラクションチャンバーにある複数のノズルに通過させることで達成することができよう。
2.特徴構成
(第1の実施形態)
本発明は、「ブロンズむら」を抑制するために、インクの使用方法に特徴を持たせている。
既に図23にて説明したように、インクの種類によってブロンズの色味(正反射光の色)が異なる場合がある。本発明では、このようなブロンズの色味(正反射光の色)が異なるインクを用いることを前提としている。そして、このような前提の下、本発明の実施形態では、ブロンズの色味の違いによる違和感(ブロンズむら)を軽減するべく、複数種類のインクの使用方法を従来とは異ならせている。具体的には、ブロンズの色(正反射光の色)が異なるインクを用いて特定の色域を再現するに際し、従来の典型的な色分解処理を実行する場合よりもブロンズむらが軽減されるように色分解処理を実行する。以下、このような特徴的な色分解処理について説明する。
図24は、後段処理J0003で用いる色分解テーブルを概念的に示す図である。色分解テーブルの格子点は、RGB空間において規定され、それぞれの格子点に、以下で説明する、各インクのインク量に関連するデータが対応付けられている。
図25(a)は、従来の典型的な色分解処理を示しており、図24に示すC(シアン)とK(第2ブラック)を結んだラインの格子点に対する、従来のインクの用い方を示す図である。なお、横軸はある有彩色インク(C)による最大濃度点から無彩色インク(K)による最大濃度点に至る色相、縦軸はインク使用量を示している。ここで用いるシアンインクとブラックインクとでは、図23にて説明したように、ブロンズの色味(正反射光の色)が互いに異なる。具体的には、シアンインクのブロンズの色味は赤く、第2ブラックインクのブロンズの色味は黄色く見える。従って、図25(a)のように、シアンインクを減少させるのに伴って、途中から第2ブラックインクを増加させると、インクの切り替え部分でブロンズの色味が赤色から黄色に変化する。詳しくは、シアンインクだけが使用されている領域ではシアンインクによる赤いブロンズが見られ、シアンインクが減少していき第2ブラックインクが単独で使用される領域に達すると第2ブラックインクによる黄色いブロンズが現れる。この結果、インクの切り替え部分でブロンズ色に差異が生じ、このブロンズ色の差異による違和感が生じる。一方、図25(b)は、本実施形態の色分解処理を示しており、図24に示すC(シアン)とK(第2ブラック)を結んだライン(CからKに至る色域)の格子点に対する、インクの使用方法を示している。なお、横軸はシアンからブラックに至る色相、縦軸はインク使用量を示している。本実施形態では、図25(b)に示すように、途中でシアンインクの使用を止めずに、黒の最大濃度点までの全領域に亘ってシアンインクを使用し続ける。これにより、シアンインクのブロンズ色がシアンから黒の全領域に現れ、ブロンズ色が変化することによる違和感を抑制している。その際、黒の最大濃度点に第2ブラックインクとともに記録するシアンインクは、シアンインク固有のブロンズの影響を十分に与えるだけの分量記録しなければならない。本実施形態に適用するシアンインクおよび第2ブラックインクの場合、黒の最大濃度点で記録するインク量を100とすると、第2ブラックインク96に対し、シアンインク4の割合で記録を行う。こうすることにより、黒の最大濃度点にシアンインクのブロンズの効果を与えることができる。以上のように、少なくとも片方のインクをシアンから黒の全領域に亘って使用し続け、全領域に亘って同じ傾向のブロンズ色を発生させることで、ブロンズ色の変化が原因で生じるブロンズむらを抑制できる。
なお、ホワイトからシアンに至るラインを表現するためのインク使用方法は、図25には図示していないが、ホワイトからシアンまでの間、除々にシアンのインクを増加させる。
本実施形態では、シアンインクと第2ブラックインクを用いて、ホワイト−シアン−ブラックの色相を表現する場合について示したが、ブロンズの色味が互いに異なる無彩色インクと有彩色インクの組み合わせにも適用可能である。また、二種類のインク間のインク使用方法を示したが、三種類以上のインク間に適用してもよい。本実施形態は、正反射光の色(ブロンズの色)が異なるインク同士の間の色を表現する場合に、そのインク間の全領域で少なくとも一方のインクを用いればよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態についても、上記実施形態と同様のインクジェット記録装置を用いる。本実施形態では、図24に示すカラー(有彩色)とカラー(有彩色)を結んだラインの格子点に対するインクの用い方について説明する。なお、図26の横軸はある有彩色インク(C)による最大濃度点から別の有彩色インク(Y)による最大濃度点に至る色相、縦軸はインクの使用量を表している。
図26(a)は、図24に示すRGB空間において、C(シアン)とG(グリーン)とY(イエロー)とを結んだラインの格子点に対する、従来のインクの用い方を示す図である。このシアン(C)−グリーン(G)−イエロー(Y)のラインは、シアンインクとイエローインクを用いて表現される。一方、図26(b)は、同じラインの格子点に対する本実施形態におけるインクの使用方法を示している。図23に示すように、ここで用いるシアンインクのブロンズの色味は赤く、イエローインクのブロンズは青白く見える。図26(a)では、シアンインクを減少させるのに伴い、途中からイエローインクを増加させている。このため、インクの切り替え部分でブロンズ色が赤色から青白い色へ変化する。具体的には、シアンインクだけが使用されている領域ではシアンインクの赤いブロンズが見られるが、シアンインクが減少しイエローインクが単独で使用される領域になるとイエローインクの青白いブロンズが現れる。この結果、インクの切り替え部分でブロンズ色に差異が生じ、このブロンズ色の差異による違和感が生じる。
一方、本実施形態では、シアンインクとイエローインクの両方をシアンからイエローの全領域にかけて使用する。これにより、シアンおよびイエローそれぞれのブロンズがシアンからイエローの全領域に生じ、ブロンズ色の変化を抑制している。
なお、シアンからイエローの全領域に使用するインクは少なくともシアンまたはイエローの片方のインクであればよく、全領域に同じ傾向のブロンズを発生させればよい。例えば、シアンインクを全領域にかけて使用することで、シアンインクのブロンズをシアン−グリーン−イエローの全領域で生じさせ、ブロンズ色の変化を抑制してもよい。同様に、イエローインクを全領域にかけて使用することで、イエローインクのブロンズをシアン−グリーン−イエローの全領域で生じ、ブロンズ色の変化を抑制させてもよい。
このように本実施形態は、シアンインクとイエローインクの少なくとも一方をシアンからイエローの全領域にかけて使用し、インクの切り替え部分でのブロンズの変化を抑制する。
なお、本実施形態においては、シアンインクとイエローインクを用いて、シアン−グリーン−イエローの色相を表現する場合について示したが、他の互いにブロンズの色味が異なる有彩色インク同士の組み合わせにも適用可能である。また、本実施形態では二種類のインク間のインク使用方法を示したが、三種類以上のインク間に適用してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態についても、上記実施形態と同様のインクジェット記録装置を用いる。本実施形態では、グレーラインを表現する場合のインクの使い方について説明する。なお、図27の横軸は白から無彩色インク(K)による最大濃度点に至る色相、縦軸はインクの使用量を表している。
図27(a)は、図24に示す、ホワイト(W)−ブラック(K)を結んだラインの格子点に対する、従来のインクの用い方を示す図である。このホワイト(W)−ブラック(K)のラインは、グレーインク、第2ブラックインクおよび調色用カラーインク(ライトシアンインク、ライトマゼンタインク)を用いて再現される。一方、図27(b)は、本実施形態におけるインクの用い方を示している。
図27(a)では、グレーインクと第2ブラックインクを主に用い、調色成分としてライトシアンおよびライトマゼンタインクを使用することで、色転びが抑制された無彩色ラインを形成している。なお、黒の最大濃度点は第2ブラックインクのみで表現している。このため、グレーインクや調色用インクを用いている領域では、これらのインクのブロンズが見られるが、グレーインクと調色用インクを減少させて第2ブラックインク単色になると、第2ブラックインクの黄色いブロンズが顕著に現れる。その結果、インクの切り替え部分でブロンズ色の変化が生じる。
図27(b)は、グレーインクおよび調色用インクを黒の最大濃度点までの全領域にかけて使用することで、グレーインクおよび調色用インクのブロンズが黒の最大濃度点までの全領域で生じ、ブロンズ色の変化が抑制されている。なお、この図27(b)では、ライトシアンとライトマゼンタを全領域に亘って使用するようにしていているが、全領域に亘って使用するインクの種類はライトシアンとライトマゼンタの組合せに限定されるものではない。グレー、ライトシアン、ライトマゼンタのうち少なくとも一色を全領域に亘って使用し、全領域に同じ傾向のブロンズを発生させればよい。
図27(b)に示す、インクの使用方法では、調色用インクに用いたライトシアンを全体的に増量し、冷黒調のグレーラインを表現する場合、少なくともライトシアンインクは黒の最大濃度点まで使用することで、ブロンズの色転びも抑制された無彩色ラインを表現することができる。また、ライトシアンインクの代わりにイエローインクを加え、イエローインクを全体的に増量することで温黒調のグレーラインを表現する場合も、少なくともイエローインクは黒の最大濃度点まで使用することで、ブロンズの色転びも抑制されたグレーラインを表現することができる。
(その他)
上述した実施形態では、図23に示したブロンズ特性を有する顔料インクの組合せを用いる場合について説明したが、本発明で適用可能なインクはこれに限られるものではない。ブロンズの色(正反射光の色)が異なるインクを用いる形態であれば適用可能である。
また、上述した実施形態では、顔料インクを用いた例を示したが、使用するインクは顔料インク限定されず、染料インクを用いたものであってもよい。すなわち、ブロンズ現象が生じる場合であって、ブロンズむらが生じるようなインクであれば、適用することができる。
また、上述した実施形態では、記録剤としてインクを用いた例について説明したが、本発明で適用可能な記録剤はインクに限られるものではない。たとえば、トナーを用いる場合にも適用可能である。すなわち、ブロンズの色(正反射光の色)が異なるトナーを用いる形態であれば適用可能である。要するに、インクを用いるインクジェット記録方式だけでなく、トナーを用いる電子写真方式にも適用可能である。
また、上述した実施形態の記録システムJ0011は、ホスト装置J0012と、ホスト装置J0012で生成された画像データに基づいて記録媒体に記録を行う記録装置J0013とで構成されている。そして、本発明の特徴的な画像処理(色分解処理)をホスト装置J0012で行っている。しかしながら、本発明はホスト装置で画像処理を行う場合のみならず、記録装置で画像処理を行う場合にも適用される。本発明の特徴的な画像処理(色分解処理)を記録装置J0013で行う場合には、記録装置のROMに図25に示すような色分解テーブルを格納しておき、この色分解テーブルに従って画像処理を実行すればよい。この場合、上述した特徴的な画像処理を行う記録装置が本発明を構成することになる。
また、本発明は、上述した実施形態の機能を実現する、プログラムコード、またはそれを記憶した記憶媒体によっても実現することができる。また、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体あるいはプログラム自体が本発明を構成することになる。具体的には、図25(b)、図26(b)、図27(b)に示される色分解テーブルに基づいて色分解データを生成するためのプログラムあるいはそのプログラムを格納した記憶媒体が本発明を構成する。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部または全部を行うものであってもよい。
更に、プログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、CPUなどが実際の処理の一部または全部を行うものであってもよい。
本発明の一実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。 図1の記録システムにおいて、ホスト装置のプリンタドライバが記録装置に渡す記録データの構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置がドット配列パターン化処理で変換する入力レベルに対する出力パターンを示した図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置が実行するマルチパス記録方法を説明するための模式図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置が実行するマルチパス記録方法に適用されるマスクパターンの一例を示す説明図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、非使用時における前面から見た状態を示している。 本発明の実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、非使用時における背面から見た状態を示している。 本発明の実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、使用時における前面から見た状態を示している。 本発明の実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、右上部からの斜視図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、左上部からの斜視図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置本体の内部機構を説明するための側断面図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、フラットパス記録時における前面から見た状態を示している。 本発明の実施形態で用いられる記録装置の斜視図であり、フラットパス記録時における背面から見た状態を示している。 本発明の実施形態で行われるフラットパス記録を説明するための模式的側断面図である。 本発明の実施形態で用いられる記録装置本体におけるクリーニング部を示す斜視図である。 図15のクリーニング部におけるワイパ部の構成および動作を説明するための断面図である。 図15のクリーニング部におけるウエット液転写部の構成および動作を説明するための断面図である。 本発明の実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。 図18におけるメイン基板の内部構成例を示すブロック図である。 図18におけるキャリッジ基板に実装されるマルチセンサの構成例を示す図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態示した斜視図である。 本発明の実施形態で用いられるブロンズ特性測定装置の光学系を示す模式図である。 本発明の実施形態で用いられるブロンズ特性の測定結果の例である。 後段処理J0003で用いる色分解テーブルの概念図である。 本発明の第1の実施形態のシアンインクと第2ブラックを用いた色域を記録する際のインク使用方法の一例である。 本発明の第2の実施形態のシアンインクとイエローインクを用いた色域を記録する際のインクの使用方法の一例である。 本発明の第3の実施形態のモノクロモードにおけるインクの使用方法の一例である。
符号の説明
J0001 アプリケーション
J0002 前段
J0003 後段
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 記録データの作成
J0007 ドット配置パターン化処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路
H1001 記録ヘッド
J0011 記録システム
J0012 ホスト装置
J0013 記録装置

Claims (5)

  1. 基本色である第1記録剤と、前記第1記録剤と同系色の記録剤であって前記第1記録剤よりも濃度の低い第2記録剤と、無彩色の第3記録剤と、を用いて記録を行う記録装置であって、
    複数種類の記録剤を用いてRGB色空間の白と黒とを結ぶラインの領域内の色を再現するために、前記第2記録剤の使用量が前記第3記録剤の使用量よりも多い記録剤使用域から、前記第2記録剤の使用量が前記第3記録剤の使用量よりも少なく使用し、かつ前記第3記録剤の使用量が最大となるまで、全域に亘って前記第2記録剤を用いて記録を行うことを特徴とする記録装置。
  2. 前記第1記録剤としてシアンインクとマゼンタインクとを含み、前記第2記録剤としてライトシアンインクとライトマゼンタインクとを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第3記録剤はブラックインクであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記記録剤が顔料インクであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 前記第1記録剤はシアンインクであり、前記第2記録剤はライトシアンインクであり、前記第3記録剤はブラックインクであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
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