JP5901114B2 - インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクの調色方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクの調色方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクの調製方法に関する。
近年、インクジェット記録技術は、幅広い分野において利用されるようになってきており、様々な用途において使用可能なインクが求められている。特に、堅牢性を重視する用途では、色材として顔料を用いた顔料インクが利用されている。また、インクジェット記録方法では、さらなる広い色域を実現させるために、顔料インクにおいても、レッド、グリーン、ブルーといった、いわゆる特色インクを用いることが多くなってきている。
しかし、顔料は粒子として存在するために、光の散乱が起きやすいという特有の課題を有する。特に、記録媒体が光沢紙である場合に、光沢紙に記録された画像が、金属光沢様のぎらつきを起こしたり、記録物の観測角度によって、反射光が顔料本来の色とは異なる色に見えたりする、いわゆるブロンズ現象を生じるという課題がある。このブロンズ現象は、シアンインクで記録された画像において顕著に認識されるが、本発明者らの検討によれば、シアンインクだけではなく、減法混色の基本色とは異なる色相を有する、いわゆる特色インクにおいても生じており、問題である。また、この現象は、高画質化のために画像の光沢性を向上させると特に顕著となるため、画像の高い光沢性とブロンズ現象の抑制の両立が大きな課題である。ここで、インク中における顔料の含有量を極端に低くすればブロンズ現象を抑制することは可能である。しかし、その一方で、発色性が低下してしまうため、高画質化を達成することが困難になってしまう。つまり、本発明が目的としているのは、画像の発色性が高いことを前提とした上で、上記したブロンズ現象を抑制することを課題としている。
画像のブロンズ現象を抑制することに対しては、これまでにも、例えば、インクに、ポリエーテル変性ポリシロキサンとスルホン基含有(共)重合体を、樹脂エマルションとして添加するといった提案がなされている(特許文献1参照)。また、ブロンズ値が最小となる様に色分解を行う画像処理をすることで、複数のインクを重ね合わせて形成した画像のブロンズ現象を抑制することができる装置についての提案がある(特許文献2参照)。一方、画像の発色性を高くすることに関し、複数の顔料を含有するインクについての提案がある(特許文献3及び4参照)。
特開2003−306620号公報 特開2008−143135号公報 特表2008−504399号公報 特開2007−314805号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記で挙げたような従来技術のいずれを用いても、記録した画像は、先述した本発明が目的とする、画像が、高い発色性を維持した上での、高いレベルでの光沢性とブロンズ現象の抑制の両立には至らないことがわかった。
具体的には、特許文献1に記載された技術のように、インクに樹脂エマルションを含有させた場合は、ブロンズ現象はある程度抑制されるものの、樹脂エマルションは粒子径を有するため、光沢の均一性が失われ、ムラが目立つようになる。この結果、形成した画像は、画像全体としての高い光沢性を有しているとは言えないものになる。また、樹脂エマルションを含有するため、インクを吐出させる記録ヘッドの吐出特性などの信頼性への影響が懸念される。
また、特許文献2においては、複数のインクを重ね合わせて記録した画像においてブロンズ現象を抑制するとしている。しかし、ある1種のインクについて、該インクで記録された画像におけるブロンズ現象を、そもそも抑制することについての着目はない。
また、特許文献3に示されているように、高い発色性を得る目的で、複数の顔料を単純に多く含有させてインクとすると、これを用いて得られる画像は、顔料量が多いため、画像の光沢性が低下したものとなる。また、特許文献4のように、色味を調整するために、複数の顔料を低濃度で含有させてなるインクの場合は、高い発色性が達成できないだけではなく、光沢値が単純に上がってしまい、ブロンズ現象も顕著に認識されてしまうという問題がある。
したがって、本発明の目的は、発色性及び光沢性が共に優れ、しかも、ブロンズ現象が抑制された高品質の画像を記録することができるインクを提供することにある。また、本発明の目的は、かかるインクを用いることで、上記の優れた画像が得られるインクカートリッジ及びインクジェット記録方法、さらに、上記優れたインクが得られるインクの調製方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクは、色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料(以下、「顔料」ともいう)及び水を含有してなるインクジェット用のインクであって、前記複数の有機顔料が、C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185;C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71;C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272;C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、32、37、40、50;C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64;C.I.ピグメントグリーン:7、36;C.I.ピグメントブラウン:23、25、26からなる群から選択され、前記水の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であり、前記インクにより記録された所定の記録画像にについて下記式1で算出されるブロンズ値Bが0.0以上12.0以下であり、下記式2で算出される彩度値Cが65.0以上であり、20度光沢値GBが30.0以上であることを特徴とする。
Figure 0005901114
(ここで、Xx45、Yx45、Zx45は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する正反射方向の反射光の三刺激値であり、Xs45、Ys45、Zs45は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
Figure 0005901114
(ここで、Xx0、Yx0、Zx0は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する法線方向の反射光の三刺激値であり、Xs0、Ys0、Zs0は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
Figure 0005901114
また、本発明は、上記構成のインクを用いたことを特徴とする、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法であり、さらには、上記の優れた特性を有するインクの調製方法である。
本発明によれば、発色性及び光沢性に優れ、ブロンズ現象が抑制された高品質の画像を記録することができるインク、該インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供される。本発明によれば、上記の優れた画像を与えるインクが安定して得ることが可能なインクの調製方法が提供される。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
先ず、本発明で規定するブロンズ値について詳細に説明する。前述の通り、ブロンズ現象とは、反射光が顔料本来の色とは異なる色に観察される現象である。本発明者らは、ブロンズ現象を抑制するには、まずブロンズ現象の色味を指標化することが重要であると考えた。そこで、画像における45度方向からの入射光に対する正反射光の色味を指標化することを見出した。これは、45度方向からの入射光に対する正反射光が最もブロンズ現象が顕著であることに基づく。なお、正反射光とは、鏡などによる完全な光の反射であり、光の入射角と反射角が反射面に対して同じ角度となる。つまり、45度方向から入射した光の正反射光は、反射面に対して同じ45度の角度で反射した光のことである。一方、色味の指標化手法としては、一般的に、国際照明委員会が推奨するCIELab表色系における算出手法が使用されている。本発明では、ブロンズ現象の色味の評価指標として、画像における45度方向からの入射光に対する正反射光のみに基づいて、CIELab表色系における算出手法に基づいて算出した色味の値、すなわち「ブロンズ値」を1のインクに関して規定するという新たな手法を見出した。このブロンズ値の詳細な算出方法については、後述する。これにより、ブロンズ現象の色味を的確に算出することが可能となり、このブロンズ値を制御することで、ブロンズ現象を抑制することができる。そして、インクの設計段階において、このブロンズ値を検討し制御することで、当該インクによって形成した画像におけるブロンズ現象を抑制することを可能とした。
ここで、本発明における用語を定義する。まず、「所定の記録画像」とは、透気性支持体(紙など)上に、無機顔料及びバインダーを含有する多孔質性インク受容層を備えたインクジェット光沢紙に、記録デューティを100%として、1のインクを用いて記録したベタ画像を指すものとする。前記光沢紙としては、一般的な範囲の表面光沢を有する記録媒体であればよく、例えば、入射角20度、反射角20度の条件下で測定した20度光沢値が10.0以上50.0以下の範囲のものを用いることが好ましい。更には、20度光沢値が30.0以上50.0以下の範囲のものを用いることがより好ましい。なお、「記録デューティが100%である記録画像」とは、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に、1滴当たりの質量が4.5ngであるインクを1滴付与した画像を意味する。
本発明における「ブロンズ値B」とは、以下の手順で測定し、CIELab表色系における色味の算出手法を参考に算出した値である。まず、変角光度計を用いて、光源D65、視野角2度、入射角45度、反射角45度、あおり角0度の条件で測定を行い、反射光及び照明光の三刺激値を算出する。なお、後述する実施例では、「変角高速分光光度計」〔GCMS−3B型;村上色彩技術研究所製〕を用いた。反射光の三刺激値は、上記で定義した「所定の記録画像」を、上記の条件で変角光度計を用いて測定した際に得られる反射光の分光強度から求められる。また、照明光の三刺激値は、変角光度計の白色校正板としても使用される硫酸バリウムを、上記の条件で変角光度計を用いて測定した際に得られる照明光の分光強度から求められる。そして、それぞれの三刺激値を用い、以下の式1に基づいて、記録デューティが100%の記録画像の「ブロンズ値B」を算出する。
Figure 0005901114
ここで、Xx45、Yx45、Zx45は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する正反射方向の反射光の三刺激値であり、Xs45、Ys45、Zs45は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。CIELab表色系における色味の算出手法においては、下記の関係式を用いて、式1を置き換えてa*及びb*の値を近似計算することができる。
Figure 0005901114
本発明における「彩度値C」とは、JIS Z 8729に準拠した以下の手順で測定し、CIELab表色系における色味の算出手法に基づき算出した値である。まず、変角光度計を用いて、光源D65、視野角2度、入射角45度、反射角0度、あおり角0度の条件で測定を行う。なお、後述する実施例では、「変角高速分光光度計」〔GCMS−3B型;村上色彩技術研究所製〕を用いた。次に、上記のブロンズ値Bの測定方法と同様にして、反射光及び照明光の三刺激値を算出する。そして、それぞれの三刺激値を用い、以下の式2に基づいて、記録デューティが100%の記録画像の「彩度値C」を算出する。
Figure 0005901114
ここで、Xx0、Yx0、Zx0は前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する法線方向の反射光の三刺激値であり、Xs0、Ys0、Zs0は同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。CIELab表色系における色味の算出手法においては、下記の関係式を用いて、式2を置き換えてa*及びb*の値を近似計算することができる。
Figure 0005901114
また、本発明における「20度光沢値GB」とは、入射角20度、反射角20度の条件で光沢度計(後述する実施例では、「マイクロヘイズメーター」〔ビック−ガートナー製〕を用いた)を用いて測定した値である。
本発明者らは、上述の方法で、種々の画像について詳細な検討を行った。その結果、本発明が目的とする、高い発色性を維持したまま、高いレベルでの光沢性とブロンズ現象の抑制を両立した画像は、上記した値のそれぞれが、特定の範囲内である場合に確実に実現できることを見出した。すなわち、色相のなす角が10度以上の複数の顔料を含有するインクで形成した画像において、ブロンズ値Bが0.0以上12.0以下であり、彩度値Cが65.0以上であり、20度光沢値GBが30.0以上であれば、上記優れた画像となることがわかった。換言すれば、インクの構成を、インク画像が、上記した光学的特性を有するものにできれば、従来の技術では達成し得なかった本発明が目的とする画像を、容易にかつ確実に得ることができるようになる。
ここで、顔料インクで形成した画像において、上記3点を満たす本発明の構成に至った経緯を説明する。先ず、本発明者らは、本発明の目的を達成するために、組成の異なる各種の顔料インクを用いて画像を形成し、画像に現れるブロンズ現象についての詳細な検討を行った。その過程で、各種顔料を用いたインクで記録した画像について、前記の「ブロンズ値B」を測定した結果、ブロンズ現象が顕著であることが知られている銅フタロシアニン系顔料を含有するシアンインク以外のインクでも、顕著なブロンズ現象が認められた。特に、発色性の高い画像及び広い色域を有する画像を達成するために用いられる、特色インクを使用した場合の画像においてブロンズ現象が顕著であることがわかった。以下、単にインクとした場合は、顔料インクを意味する。
そこで、本発明者らは、従来よりブロンズ現象を抑制するとされている、樹脂エマルションなどを含有したインクで種々の検討を行ったところ、ブロンズ現象をある程度抑制する効果はあったが、各種インクの光沢値が低下してしまう結果となった。また、インクの付与量に大きく依存し、さらにインク種による光沢値の低下のレベルが異なるため、その結果、光沢ムラが生じてしまった。すなわち、樹脂エマルションを用いた従来の手法では、ブロンズ現象はある程度抑制できるものの、本発明が目的とする高いレベルでの画像が得られないことがわかった。この理由としては、上記手法は、ブロンズ現象のみに着目したものであるため、光沢性との両立には至らなかったものと推測している。
一方、従来より、発色性が向上するとされる複数の顔料を混合したインクを用いて、画像を形成し、各種の検討を行った。しかし、発色性の向上は確認できたが、ブロンズ特性及び光沢性の全てが求めるレベルを満足するような画像は得られなかった。すなわち、本発明が目的とする高いレベルでの画像が得られないことがわかった。これは、上記手法は、発色性のみを重視したものであるために、その他の性能との両立には至らなかったものと推測している。
そこで、本発明者らは、本発明が目的とする高いレベルでの優れた画像を得るために、ブロンズ特性・光沢性・発色性の全ての要素を踏まえて、各種の検討を行った。
先ず、各種の顔料を用いたインクにより画像をそれぞれ形成し、ブロンズ値の測定を行った。その結果、形成した画像は、顔料種により、それぞれ色味の異なるブロンズ光を有するという知見を得た。そこで、本発明者らは、ブロンズ光が反射光であるという観点から、減法混色ではなく、加法混色により白色光化すれば、画像の発色性等に影響を及ぼすことなくブロンズ現象を抑制できるのではないかと考えるに至った。本発明で規定する、ブロンズ値B、彩度値C、20度光沢値GBにおける要件を満足した画像を与えるインクは、これを可能とするものであるが、この点についての詳細は後述する。すなわち、本発明の最大の特徴は、従来の思想である、減法混色の色味に着目するだけではなく、各種顔料のブロンズ光(正反射光)の色味にも着目し、ブロンズ特性・光沢性・発色性の全ての要素を満足する画像形成ができるインクの提供を可能とした点にある。
上記の知見を元に、本発明者らはさらなる検討を行った。その結果、ある特定のブロンズ光を有する顔料に対して、補色のブロンズ光を有する顔料のみならず、各種ブロンズ光を有する顔料を併用することで、ブロンズ現象を劇的に抑制できることを見出した。本発明者らは、この点について、各種ブロンズ光を有する顔料を併用することは加法混色であるために、複数のブロンズ光が混ざることで、白色光に近づき、その結果、劇的にブロンズ現象が抑制可能になったと推測している。
また、ブロンズ光のB値の大きさは、当然ながら、光沢性を示すGB値と大きく相関する。これは、正反射光の強度であるGB値が大きくなれば、ブロンズ光のB値も必然的に大きくなるためである。そのため、従来は、GB値とともにブロンズ値Bも大きくなってしまっていた。
しかし、本発明の思想では、複数の異なる顔料の組み合わせが、ブロンズ光の色味を相殺し合うことになるため、GB値が高いままでも、ブロンズ値が大きくなることはなく、従来のように比例関係となることはない。このため、上述の通り、形成した画像において、高いレベルでのブロンズ抑制効果と、光沢性との両立が可能となる。当然ながら、従来のように減法混色による色味も着目することで、高い発色性をも維持することができる。
本発明者らは、上記3点を元にさらに詳細な検討を行い、その結果、0.0≦B≦12.0、C≧65.0、GB≧30.0とすることが、最適な構成であるとの結論に至った。上記関係を満たすように複数の顔料を選択することで、色相のなす角が10度以上の複数の顔料を含有したインクによって形成された画像は、高いレベルの画質を有するものとなる。ブロンズ値Bに関しては、0.0≦B≦8.0であることがより好ましい。
<インク>
本発明のインクを構成する各成分について、以下に説明する。
(有機顔料)
本発明のインクを構成する色材は、色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料である。なお、本発明における色相のなす角とは絶対値であるものとする。その複数の顔料の組み合わせとしては、上記で説明したブロンズ値Bが0.0以上12.0以下であり、彩度値Cが65.0以上であり、20度光沢値GBが30.0以上であることを満足するものであればよい。色相のなす角が10度以上の複数の顔料を用いる理由は以下の通りである。先に述べた通り、本発明は特色インクにおけるブロンズ現象を解決することを目的とするものである。しかし、色相のなす角が10度未満の複数の顔料をインクに含有させたとしても、特色インク(減法混色の基本色であるシアン、マゼンタ及びイエローのいずれとも色相が異なるインク)としての色調とはなりにくいためである。なお、複数の顔料の色相のなす角は180度以下であることが好ましい。顔料の色相角は、例えば、「有機顔料ハンドブック」カラーオフィス発行 2006年、などの各種の文献に記載があり、色相のなす角は、2種の顔料の色相角の差として算出することができる。そして、色相のなす角が10度以上の複数の顔料を含有するインクによって記録した所定の記録画像において、これらの条件を満たすものであれば、下記に示すような顔料から選択される任意の組み合わせとすることが可能である。
本発明者らのさらなる検討によれば、色相のなす角が10度以上の複数の顔料を含有してなる本発明のインクは、以下のような手法で顔料を選択することで、より好ましいものとできる。まず、本発明のインク中の「色相のなす角が10度以上の複数の顔料」を個々に含有させ、水で調整した以外は前記インクと同様に構成された対照インクを用意する。例えば、本発明のインクが色相の異なる2種の顔料(AとB)を含有するインクである場合は以下の通りである。本発明のインクが、顔料Aをa質量%、顔料Bをb質量%、水をc質量%、その他の構成成分をd質量%含有するとき、「対照インク」は、下記の2種類のインクを意味する。すなわち、顔料Aをa質量%、水をc+b質量%、その他の構成成分をd質量%含有するインク、及び、顔料Bをb質量%、水をc+a質量%、その他の構成成分をd質量%含有するインクである。本発明のインクが、色相の異なる複数の顔料として3種以上の顔料を含有してなる場合は、同様にして、顔料の数と同じ数の「対照インク」が存在することとなる。そして、これらの対照インクで記録した「所定の記録画像」において、それぞれの、ブロンズ値をBA、BB、GB値をGBA、GBBとしたときに、BA>BB、かつ、GBA<GBBの関係が成り立つような、顔料A及びBを含有するインクとするとよい。これは、相対的にブロンズ現象の抑制の程度の低い顔料よりも、相対的にブロンズ現象の抑制の程度の高い顔料の方が、光沢性が高いような構成とすることで、A及びBの顔料を含有するインクとしてのブロンズが、相殺されやすくなるためである。詳細には、光沢性が高いことで、ブロンズ光が大きくなり、相殺しやすくなると推測している。また、相殺しやすくなるために、必要とされる顔料濃度も低くなり、光沢性が高くなるという効果も得ることができる。なお、上記において、BA>BBであるので、ブロンズ値が相対的に大きい顔料を顔料A、相対的に小さい顔料を顔料Bとする。これは、ブロンズ光の発生自体を抑制するのではなく、色相の異なる複数の顔料に対応する各ブロンズ光を加法混色して白色化することで、複数の顔料全体でのブロンズ光の色味を認識し難くするという、本発明の技術思想でこそ成し得たものである。
なお、本発明の実施例においては、顔料の含有量が3.0質量%である対照インクにおけるブロンズ値のみを用いているが、これは以下の理由からである。インク中の顔料の含有量と画像の光沢性の関係からみると、一般的に顔料の含有量が少ない場合は光沢性が高くなり、顔料の含有量が多い場合は光沢性が低くなる。一方で、インク中の顔料の含有量と画像のブロンズ現象の発生し易さの関係からみると、顔料の含有量が少ない場合はブロンズの原因となる顔料自体が少なくなる。そのため、ブロンズ現象が発生しにくくなり、顔料の含有量が多い場合は反対にブロンズ現象が発生しやすくなる。以上の背景から、本発明者が検討を行ったところ、光沢性及びブロンズ現象の発生し易さの両方の影響をうける、画像のブロンズ値は、顔料の含有量が増減しても、その値は大きく変わらない傾向にあることが分かった。したがって、本発明においては、顔料の含有量が3.0質量%である対照インクにおけるブロンズ値のみを用いて確認すれば、十分である。
本発明においては、インク中の顔料の合計含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。顔料の合計含有量が2.0質量%未満であると、十分な画像の発色性が得られない場合がある。一方、顔料の合計含有量が10.0質量%を超えると、インクジェット方式の記録ヘッドからの吐出安定性などのインクの信頼性が十分に得られない場合がある。また、インク中の色相のなす角が10度以上の複数の顔料における、最も含有量が多い顔料(主たる顔料)の含有量と、該主たる顔料以外の顔料の(合計)含有量が、質量比率で、4:1乃至1:1の範囲内であることが好ましい。
また、本発明においては、色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料を含有してなるインクの色相角の値が、0度以上150度以下の範囲となることが好ましい。なお、本発明における「インクの色相角」は、以下の方法で算出する。まず、色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料を含有してなるインクを用いて、記録デューティが100%の画像を得る。この画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表示系におけるa*及びb*を測定する。そして、得られたa*及びb*の値から、下記式3に基づいて色相角(H°)を算出する。なお、前記a*及びb*の値は、例えば、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて測定することができる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
式3
a*≧0、b*≧0(第一象現)では、H°=tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象現)では、H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象現)では、H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象現)では、H°=360+tan-1(b*/a*)
本発明のインクに使用することができる有機顔料としては、下記に挙げるようなものを用いることができる。具体的には、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッドなどのイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料。インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなど。
また、本発明で使用することのできる有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、例えば、C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272、C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、32、37、40、50、C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン:7、36、C.I.ピグメントブラウン:23、25、26などが挙げられる。
本発明のインクを調製する際に用いる顔料の分散方式としては、以下に挙げるような、従来公知のいずれの方式も適用することができる。例えば、樹脂分散剤を用いる樹脂分散型顔料、顔料粒子を樹脂で実質的に包含したマイクロカプセル型顔料、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型顔料、顔料粒子の表面に親水性基を結合させた自己分散型顔料など。もちろん、これらの分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。
本発明において、顔料をインク中に分散させるための樹脂分散剤や、記録画像の光沢性向上などを目的としてインク中に添加する樹脂としては、水溶性を有する樹脂であればどのようなものでも用いることができる。具体的には、以下に挙げるようなモノマーやそれらの誘導体などから選ばれる少なくとも2つのモノマー(このうち少なくとも1つは親水性モノマー)から合成された、ブロック、ランダム、グラフトなどの形態の共重合体やその塩などが挙げられる。モノマーとしては、例えば、スチレンやその誘導体、ビニルナフタレンやその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸やその誘導体、マレイン酸やその誘導体、イタコン酸やその誘導体、フマル酸やその誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミドなどが挙げられる。また、ロジン、シェラック、デンプンなどの天然樹脂も使用することができる。また、顔料を分散させるための樹脂は、アルカリ可溶型、すなわち、アニオン性基を有する樹脂であることが好ましい。上記樹脂は、その重量平均分子量が、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下のもの、また、その酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のものであることが好ましい。また、インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、1価ないしは多価のアルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、複素環化合物類などのインクジェット用のインクに従来から用いられているものをいずれも使用することができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。インク中の常温で固体の水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、本発明のインクには上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドから上記で説明した本発明のインクを吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有する。インクジェット方式としては、熱エネルギーや力学的エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出するものがあるが、本発明においては、熱エネルギーを利用する記録方法においてより顕著な効果を得ることができるため特に好ましい。なお、本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。なお、本発明における「記録」とは、インク受容層を有する記録媒体や普通紙などの記録媒体に対して記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対してプリントを行う態様を含む。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するためのインク収容部を備え、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されてなるものである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、その内部の空間にインクを収容するインク収容室や、吸収体などにより生じる負圧でその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室で構成されるものが挙げられる。また、その内部の空間にインクを収容するインク収容室を持たず、収容するインクの全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。さらには、ばね部材などによりその内容積を拡大する方向の力を持たせることでインクを収容する、袋状のインク収容部としてもよい。これらの構成のインクカートリッジに、さらに記録ヘッドを一体に構成した形態としてもよい。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散体の調製>
下記表1に示す顔料15部、樹脂分散剤10部、及びイオン交換水80部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去し、さらに、ポアサイズが3.0μmであるミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した後、顔料の含有量が10.0%となるように水で調整して、各顔料分散体を調製した。なお、樹脂分散剤には、重量平均分子量10,000、酸価200mgKOH/gのスチレン−アクリル酸共重合体を、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液を用いた。
Figure 0005901114
<インクの調製>
上記で得られた顔料分散体を用いて、本発明の実施例及び比較例のインクと、これらのインクにそれぞれ対応する対照インクを調製した。下記表2、表3−1及び表3−2に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズが1.2μmであるフィルター(製品名:HDCII;ポール製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、ポリエチレングリコールには、平均分子量1,000のものを用いた。アセチレノールE100は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)である。
Figure 0005901114
Figure 0005901114
Figure 0005901114
<評価>
(対照インク1〜4における各値の測定)
上記で得られた対照インク1〜4をそれぞれインクカートリッジに充填し、インクカートリッジをインクジェット記録装置(商品名:BJF900;キヤノン製)のシアンインクの位置にセットした。その後、記録媒体(プレミアム光沢紙(厚口);キヤノン製)に、8パス双方向記録で、記録デューティが100%であるベタ画像をそれぞれ記録し、各対照インクで形成した「所定の画像」をそれぞれ得た。なお、マイクロヘイズメーター(ビック−ガートナー製)を用いて、入射角20度、反射角20度の条件下で測定した前記記録媒体の20度光沢値は40.1であった。
上記で得られた「所定の画像」を室温で1日放置して乾燥させて、測定用の記録物とした。該記録物について、変角高速分光光度計(GCMS−3B型;村上色彩技術研究所製)を用いて、光源D65、視野角2度、入射角45度、反射角45度、あおり角0度、面内回転角0度の条件下で測定を行った。また、照明光の三刺激値は、硫酸バリウム板を同条件下で測定することにより得た。そして、得られた値を元に、前記した式(1)からブロンズ値Bを算出した。また、マイクロヘイズメーター(ビック−ガートナー製)を用いて、入射角20度、反射角20度の条件下で20度光沢値GBを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005901114
(実施例及び比較例の各インクにおける各値の測定)
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜10のインクを用いて、対照インク1〜4の場合と同様にして、ブロンズ値Bの算出及び20度光沢値GBの測定を行った。また、対照インクの場合と同様にして記録物を得た。そして該記録物について、変角高速分光光度計(GCMS−3B型;村上色彩技術研究所製)を用いて、光源D65、視野角2度、入射角45度、反射角0度、あおり角0度、面内回転角0度の条件下で測定を行った。また、照明光の三刺激値は、硫酸バリウム板を同条件下で測定することにより得た。そして、得られた値を元に、前記した式(2)から彩度値Cを算出した。さらに、それぞれの記録物を目視で観察して、下記の各評価基準により、耐ブロンズ性、光沢性、及び彩度の評価を行った。得られた結果を表5に示した。
(耐ブロンズ性の評価基準)
A:ブロンズ値Bが0.0以上12.0以下であり、ブロンズ現象がほとんど認識されなかった。
B:ブロンズ値Bが12.0を超え、ブロンズ現象が顕著に認識され、許容できないレベルであった。
(光沢性の評価基準)
A:光沢感が良好なレベルであった。
B:やや光沢感に劣っていたが、許容できるレベルであった。
C:明らかに光沢感に劣り、許容できないレベルであった。
(彩度の評価基準)
A:色再現に優れ、良好なレベルであった。
B:色再現に劣り、許容できないレベルであった。
Figure 0005901114

Claims (11)

  1. 色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料及び水を含有してなるインクジェット用のインクであって、
    前記複数の有機顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3とC.I.ピグメントレッド122の組み合わせ、C.I.ピグメントブルー15:3とC.I.ピグメントイエロー74の組み合わせ、C.I.ピグメントブルー15:3とC.I.ピグメントイエロー128の組み合わせ、又はC.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントイエロー74の組み合わせであり
    前記水の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であり、
    前記インクにより記録された所定の記録画像について下記式1で算出されるブロンズ値Bが0.0以上12.0以下であり、下記式2で算出される彩度値Cが65.0以上であり、20度光沢値GBが30.0以上であることを特徴とするインク。
    Figure 0005901114
    (ここで、Xx45、Yx45、Zx45は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する正反射方向の反射光の三刺激値であり、Xs45、Ys45、Zs45は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
    Figure 0005901114
    (ここで、Xx0、Yx0、Zx0は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する法線方向の反射光の三刺激値であり、Xs0、Ys0、Zs0は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
    Figure 0005901114
  2. 前記複数の有機顔料が、顔料A及び顔料Bの2種類の顔料であって、色材として顔料Aのみを含有する対照インク1及び色材として顔料Bのみを含有する対照インク2によってそれぞれに記録された所定の記録画像において、それぞれの画像におけるブロンズ値をBA及びBB、それぞれのGB値をGBA及びGBBとしたときに、BA>BB、及び、GBA<GBBの関係が成り立つ請求項1に記載のインク。
  3. インク中の前記顔料の合計含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記複数の有機顔料のうち、最もインク中の含有量が多い顔料の含有量と、それ以外の顔料の合計の含有量との質量比率が、4:1乃至1:1である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インクを収容するためのインク収容部を備えてなるインクカートリッジであって、
    該インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 色相のなす角が10度以上の複数の有機顔料及び水を含有してなるインクジェット用のインクの調色方法であって、
    前記複数の有機顔料が、C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185;C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71;C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272;C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、32、37、40、50;C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64;C.I.ピグメントグリーン:7、36;C.I.ピグメントブラウン:23、25、26からなる群から選択され、
    前記水の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であり、
    前記インクにより記録された所定の記録画像について、下記式1にしたがってブロンズ値Bを測定及び算出し、算出したブロンズ値Bが0.0以上12.0以下、下記式2にしたがって彩度値Cを測定及び算出し、算出した彩度値Cが65.0以上、かつ、20度光沢値GBを測定し、測定した20度光沢値GBが30.0以上となる質量比率で、前記複数の有機顔料を含有させることを特徴とするインクの調色方法。
    Figure 0005901114
    (ここで、Xx 45 、Yx 45 、Zx 45 は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する正反射方向の反射光の三刺激値であり、Xs 45 、Ys 45 、Zs 45 は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
    Figure 0005901114
    (ここで、Xx 0 、Yx 0 、Zx 0 は、前記画像の法線を基準として45度方向の照明に対する法線方向の反射光の三刺激値であり、Xs 0 、Ys 0 、Zs 0 は、同条件における照明光の三刺激値であり、これらは下記の関係式を満たすものとする。)
    Figure 0005901114
  8. 前記複数の有機顔料が、顔料A及び顔料Bの2種類の顔料であって、色材として顔料Aのみを含有する対照インク1及び色材として顔料Bのみを含有する対照インク2によってそれぞれに記録された所定の記録画像において、それぞれの画像におけるブロンズ値をB A 及びB B 、それぞれのGB値をGB A 及びGB B としたときに、B A >B B 、及び、GB A <GB B の関係が成り立つ請求項7に記載のインクの調色方法。
  9. インク中の前記顔料の合計含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2.0質量%以上10.0質量%以下である請求項7又は8に記載のインクの調色方法。
  10. 前記複数の有機顔料のうち、最もインク中の含有量が多い顔料の含有量と、それ以外の顔料の合計の含有量との質量比率が、4:1乃至1:1である請求項7乃至9のいずれか1項に記載のインクの調色方法。
  11. 前記複数の有機顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー74、及びピグメントイエロー128からなる群から選択される請求項7乃至10のいずれか1項に記載のインクの調色方法。
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