JP4956405B2 - コンデンサ素子及びコンデンサ素子の製造方法 - Google Patents

コンデンサ素子及びコンデンサ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単位体積あたりの静電容量と耐電圧との積(CV積)が従来の電解コンデンサより大きいコンデンサ素子及びコンデンサ素子の製造方法に関する。
誘電体皮膜として弁金属の酸化物の一種であるAlを用いた電解コンデンサが、従来から広く用いられている。電解コンデンサは、誘電体皮膜と電解液成分の組み合わせにより構成され、極性を有する。また、Al皮膜の表面を粗化するなどにより面積の拡大がはかられているが、大容量化の限界に達しつつある。また、極性を有することから、用途が限定されるという課題があった。
これらの課題を解決して大容量化を図るため、以下の提案がなされている。具体的には、特許文献1には、図35に平面図として示されるように多数の孔5が設けられた多孔質基板4をマスクとして用い、図36に断面図として示されるようにコンデンサ用基板1上の面状電極2の表面に薄膜成膜処理もしくはエッチングにより多数の柱状体2aが規則的に配列された第1電極6aを形成し、次に図37に断面図として示されるように、該第1電極6aの表面に誘電率100以上の誘電体材料をMOCVD(有機金属気相成長法)により成膜して誘電体薄膜8を形成し、さらに該誘電体薄膜8の表面に第2電極6bを形成してコンデンサ構造体を得る方法が提案されている。
特開2003−249417号公報
しかしながら、前記のような背景技術のコンデンサ構造体の製造方法においては、多孔質基板4をマスクとして用いて柱状体2aを形成するため、前記多孔質基板4上及び該多孔質基板4の孔5の内壁への電極材料の付着や前記多孔質基板4自体のエッチングによる孔5の拡大等が生じやすい。このため、均一な断面形状で所望の長さ寸法の柱状体2aを得るのが難しいという課題があった。
また、上記柱状体2aが林立した構造の第1電極6aの表面に誘電率100以上の誘電体材料をMOCVDにより成膜して誘電体薄膜8を形成するので、前記柱状体2aの高さが高くなると、前記第1電極6aの表面のうち、原料ガスの流れに面して原料ガスが当りやすいところと原料ガスが当りにくいところとで生成される誘電体薄膜8の膜厚の差が生じやすい。このため、単位体積あたりの静電容量と耐電圧の積(CV積)が高いコンデンサを安定して得ることが難しいという課題があった。
本発明は、以上の点に着目したもので、単位体積あたりのCV積が従来の電解コンデンサより大きいコンデンサ素子を提供することを目的とする。また、極性のないコンデンサ素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、大容量で極性のないコンデンサ素子を安定して生産できる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサ素子は、(1)第1の弁金属の酸化物からなり、厚さ方向に貫通する第1のグループに属する孔と第2のグループに属する孔とが交互に複数配置された多孔板状の誘電体と、前記第1のグループに属する複数の孔内にそれぞれ形成され基端が前記誘電体の一方の主面に露出された第1の柱状電極と、前記第2のグループに属する複数の孔内にそれぞれ形成され基端が前記誘電体の他方の主面に露出された第2の柱状電極と、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上に該孔を塞ぐように、また前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上に該孔を塞ぐように、それぞれ設けられた絶縁体層を有する。そして、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接続するように設けられた第1の引出電極と、前記誘電体の他方の主面上に前記第2の柱状電極の基端と接続するように設けられた第2の引出電極とを有する。(以下、第1の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の主要な形態の一つは、(2)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は、導電性高分子が熱分解されたものである。(以下、第2の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の形態の一つは、(3)前記第2の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の引出電極と前記第2の引出電極との間に電圧印加が施されたものである。(以下、第3の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の他の主要な形態の一つは、(4)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層はTiO膜からなる。(以下、第4の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の他の主要な形態の一つは、(5)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層はSiO膜からなる。(以下、第5の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の他の主要な形態の一つは、(6)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は絶縁性樹脂層からなる。(以下、第6の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の他の主要な形態の一つは、(7)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は第2の弁金属の酸化物からなる。(以下、第7の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の他の主要な形態の一つは、(8)前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は空気層からなる。(以下、第8の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法は、(9)第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、を有する。さらに、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の内面および前記第2のグループに属する凹部の内面に無電解メッキによりシード層を形成するとともに、前記誘電体の一方の主面上に第1の引出電極を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔内の前記シード層上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上および前記第2のグループに属する孔内の前記第1の引出電極上にそれぞれ前記孔を塞ぐように電解重合により導電性高分子層を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔の内面の前記シード層上に電解メッキにより第2の柱状電極を形成するとともに、前記誘電体の他方の主面に第2の引出電極を形成する工程と、を有する。さらに、前記導電性高分子層を熱分解させ絶縁化して絶縁体層を形成する工程と、前記第1の柱状電極の先端と前記第2の引出電極との間、および前記第2の柱状電極の先端と前記第1の引出電極との間の短絡箇所を電圧印加により焼き切る工程と、を有する。(以下、本発明の第9の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法は、(10)第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上の前記第1の給電電極と第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有する。(以下、本発明の第10の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の主要な形態の一つは、(11)前記第10の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層として導電性高分子膜を形成した後、熱分解により絶縁化する。(以下、本発明の第11の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の他の主要な形態の一つは、(12)前記第10の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてTiO電着膜を形成した後、熱処理して絶縁化する(以下、本発明の第12の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の他の主要な形態の一つは、(13)前記第10の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSiO層を電解メッキする。(以下、本発明の第13の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の他の主要な形態の一つは、(14)前記第10の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSn−Pdメッキ層を形成した後、該Sn−Pdメッキ層上にSiO層を湿式堆積させる。(以下、本発明の第14の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法は、(15)第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1の給電電極と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上及び前記第2のグループに属する複数の孔内にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有する。(以下、本発明の第15の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の主要な形態の一つは、(16)前記第15の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上、及び前記第2のグループに属する孔内にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込んだ後、前記第2のグループに属する孔内の絶縁性樹脂を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込む。(以下、本発明の第16の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法の他の主要な形態の一つは、(17)前記第15の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去する。(以下、本発明の第17の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法は、(18)第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に第2の弁金属の層を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の第2の弁金属の層を除去する工程と、前記第1の給電電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化することにより前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上
にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記第1の給電電極をエッチングにより除去する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、
前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に第2の弁金属の層を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の第2の弁金属の層を除去する工程と、前記第2の引出電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化することにより前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、
前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有する。(以下、本発明の第18の課題解決手段と称する。)
また、本発明のコンデンサ素子の製造方法は、(19)第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1の給電電極と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に前記第1の柱状電極の先端との間に空気層を介してスパッタリングにより第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に、前記第2の柱状電極の先端との間に空気層を介して、スパッタリングにより前記第1の柱状電極の基端と接続する第1の引出電極を形成する工程と、を有する。(以下、本発明の第19の課題解決手段と称する。)
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の、第1のグループに属する複数の孔のそれぞれに第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する複数の孔のそれぞれに第2の柱状電極が、収容されるとともに、最も絶縁性が低下しやすい、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上を塞ぐように、また前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上を塞ぐように、それぞれ絶縁体層が設けられている。このため、電圧が加わっても絶縁性の低下が抑制され、CV積が向上するとともに、電解コンデンサのような極性を有さない。
また、上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は、導電性高分子が熱分解されたものである。このため、第1のグループに属する孔の内部、および第2のグループに属する孔の内部という絶縁性樹脂の充填が難しい箇所であっても、絶縁性を安定して得ることができる。
また、上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記第1の引出電極と前記第2の引出電極との間に電圧印加が施されたものである。これによれば、対向電極間の短絡部分が焼き切られる。このため、漏れ電流が低減されたコンデンサ素子を提供することができる。
また、上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層はTiO膜からなる。TiO膜は、誘電体層を構成する第1の弁金属の酸化物(例えばAl)に比べて誘電率が高い。このため、絶縁層の厚みをコンデンサ素子の容量に寄与する程度に薄くした場合には、より高容量のコンデンサ素子を得ることができる。
また、上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層はSiO膜からなる。このため、高い絶縁性を有するコンデンサ素子を提供することができる。
また、上記第6の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は絶縁性樹脂層からなる。このため、高い絶縁性を有するコンデンサ素子を提供することができる。
また、上記第7の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は第2の弁金属の酸化物からなる。このため、高い絶縁性を有するコンデンサ素子を提供することができる。
また、上記第8の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記絶縁体層は空気層からなる。このため、周波数インピーダンス特性における共振周波数が高い高周波特性が良好なコンデンサ素子を提供することができる。
また、上記第9の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板の誘電体を形成する工程と、を有する。さらに、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の内面および前記第2のグループに属する凹部の内面に無電解メッキによりシード層を形成するとともに、前記誘電体の一方の主面上に第1の引出電極を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔の内面の前記シード層上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上、および前記第2のグループに属する孔内の前記第1の引出電極上に、それぞれ前記孔を塞ぐように電解重合により導電性高分子層を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔の内面の前記シード層上に電解メッキにより第2の柱状電極を形成するとともに、前記誘電体の他方の主面に第2の引出電極を形成する工程と、を有する。さらに、前記導電性高分子層を熱分解させ絶縁化して絶縁体層を形成する工程と、前記第1の柱状電極の先端と前記第2の引出電極との間、および前記第2の柱状電極の先端と前記第1の引出電極との間の短絡箇所を電圧印加により焼き切る工程と、を有する。このため、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の第1のグループに属する孔に第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する孔に第2の柱状電極が、それぞれ収容されるとともに、最も絶縁性が低下しやすい、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上を塞ぐように、また前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上を塞ぐように、それぞれ絶縁体層が設けられている構造のコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第10の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上の前記第1の給電電極と第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有する。このため、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の第1のグループに属する孔に第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する孔に第2の柱状電極が、それぞれ収容されるとともに、最も絶縁性が低下しやすい前記第1のグループに属する孔を塞ぐように前記第1の柱状電極の先端と前記第2の引出電極との間、および前記第2のグループに属する孔を塞ぐように前記第2の柱状電極の先端と前記第1の引出電極との間に、絶縁体層が設けられている構造のコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第11の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(10)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層として導電性高分子膜を形成した後、熱分解により絶縁化する。このため、簡便な製造プロセスで高い絶縁性を有するコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第12の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(10)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてTiO電着膜を形成した後、熱処理して絶縁化する。このため、簡便な製造プロセスでコンデンサ素子を安定して生産することができる。
また、上記第13の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(10)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSiO層を電解メッキする。このため、簡便な製造プロセスで高い絶縁性を有するコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第14の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(10)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSn−Pdメッキ層を形成した後、該Sn−Pdメッキ層上にSiO層を湿式堆積させる。このため、比較的簡便なプロセスで高い絶縁性を有するコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第15の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上及び前記第2のグループに属する複数の孔内にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有する。このため、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の第1のグループに属する孔に第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する孔に第2の柱状電極が、それぞれ収容されるとともに、最も絶縁性が低下しやすい、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上を塞ぐように、および前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上を塞ぐように、それぞれ絶縁体層が設けられている構造のコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第16の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(15)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上、及び前記第2のグループに属する孔内にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込んだ後、前記第2のグループに属する孔内の絶縁性樹脂を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込む。このため、比較的簡便なプロセスで高い絶縁性を有するコンデンサ素子を安定して生産することができる。
また、上記第17の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(15)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去する。このため、比較的簡便なプロセスで高い絶縁性を有するコンデンサ素子を安定して生産することができる。
また、上記第18の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記(15)に加えてさらに、前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に第2の弁金属の層を形成し、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の第2の弁金属の層を除去したのち、前記第1の給電電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に第2の弁金属の層を形成し、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の第2の弁金属の層を除去したのち、前記第2の引出電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化する。このため、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の第1のグループに属する孔に第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する孔に第2の柱状電極が、それぞれ収容されるとともに、最も絶縁性が低下しやすい、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上を塞ぐように、および前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上を塞ぐように、それぞれ絶縁体層が設けられている構造のコンデンサ素子を、安定して生産することができる。
また、上記第19の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該第1の弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1の給電電極と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に前記第1の柱状電極の先端との間に空気層を介してスパッタリングにより第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に、前記第2の柱状電極の先端との間に空気層を介して、スパッタリングにより前記第1の柱状電極の基端と接続する第1の引出電極を形成する工程と、を有する。このため、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体の第1のグループに属する孔に第1の柱状電極が、また、第2のグループに属する孔に第2の柱状電極が、それぞれ収容されるとともに、前記第1の柱状電極の先端上、および前記第2の柱状電極の先端上に、それぞれ絶縁体層を設ける工程を省略して、簡便な製造プロセスでコンデンサ素子を生産することができる。
その他の本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明の上記第1の課題解決手段によれば、耐電圧が向上するので、体積あたりのCV積が従来の電解コンデンサより大きく、かつ極性のないコンデンサ素子を提供することができる。
また、本発明の上記第9の課題解決手段によれば、大容量で極性のないコンデンサ素子を安定して生産することができる。
次に、本発明のコンデンサ素子の第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1の実施形態のコンデンサ素子10の内部構造を説明するための拡大断面図であり、図1(A)はA−A線における横断面図であり、図1(B)はB−B線における縦断面図である。図2は、上記第1の実施形態のコンデンサ素子10の変形例の内部構造を示す横断面図である。
図1に示すように、第1の実施形態のコンデンサ素子10は、第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体14と、前記誘電体14に交互に配置された第1のグループに属する孔15a3内、およびの第2のグループに属する孔15b3内に、それぞれ形成された柱状電極16a,16bと、前記第1のグループに属する孔15a3内の前記柱状電極16aの先端t上、および前記第2のグループに属する孔15b3内の前記柱状電極16bの先端t上にそれぞれ形成された有機絶縁体層からなる絶縁体層18a,18bと、前記誘電体14の一方及び他方の主面14a、14bにそれぞれ設けられ、前記柱状電極16a,16bにそれぞれ接続された引出電極12a,12bと、を有するものである。
上記柱状電極16a、16bは、第1のグループに属する孔15a3内に形成された第1の柱状電極16aと、第2のグループに属する孔15b3内に形成された第2の柱状電極16bとからなる。前記第1のグループに属する孔15a3,第2のグループに属する孔15b3の配置は、図1(A)に示すように、特定の孔を中心にしたとき、周囲を6等分したうちの前記特定の孔を挟んで互いに対向する2方向のみに同じグループに属する孔が隣接し、他の4方向は他のグループに属する孔が囲む構造となっている。そして、図1(A)に示すB−B線における縦断面では、図1(B)に示すように、第1のグループに属する孔15a3と、第2のグループに属する孔15b3とが横方向に交互に配列されている。言い換えると、上記交互の配列が、上方向に隣接する列および下方向に隣接する列において、直線状に連続して繰り返されるものである。この場合、磁場に対する対称性が良好なことから、等価直列インダクタンス(ESL)が低い、高周波回路の用途に好適なコンデンサ素子である。
より具体的には、本実施形態のコンデンサ素子10は、厚さ方向に貫通する第1のグループに属する孔15a3と第2のグループに属する孔15b3とが交互に複数配置された第1の弁金属の酸化物からなる多孔板状の誘電体14と、前記第1のグループに属する複数の孔15a3内にそれぞれ形成され基端bが前記誘電体14の一方の主面に露出された第1の柱状電極16aと、前記第2のグループに属する複数の孔15b3内にそれぞれ形成され基端bが前記誘電体14の他方の主面に露出された第2の柱状電極16bと、を有する。さらに、前記第1のグループに属する孔15a3内に前記第1の柱状電極16aの先端t上を塞ぐように、また前記第2のグループに属する孔15b3内に前記第2の柱状電極16bの先端t上を塞ぐように、それぞれ設けられた有機絶縁体層からなる絶縁体層18a,18bと、前記誘電体14の一方の主面14a上に設けられ前記第1の柱状電極16aの基端bに接続された第1の引出電極12aと、前記誘電体14の他方の主面14b上に設けられ前記第2の柱状電極16bの基端bに接続された第2の引出電極12bと、を有する。
尚、上記誘電体14における第1のグループに属する孔15aと第2のグループに属する孔15bの配置は、上記に限定するものではなく、例えば、下記図2(C)〜図2(E)に示すように、種々の変形例であってもよい。
図2(C)に横断面を示すコンデンサ素子10’は、A’−A’線における縦断面が、先の図1(B)と同様であり、第1のグループに属する孔15a3’と、第2のグループに属する孔15b3’とが横方向に交互に配列されているものである。そして、上記交互の配列が、上方向に隣接する列および下方向に隣接する列において、ジグザグ状に連続して繰り返されているものである。この場合、先のコンデンサ素子10に比較して、磁場の配向性がやや低下し、ESLが多少増加する傾向にある。
また、図2(D)に横断面を示すコンデンサ素子10”は、A”−A”線における縦断面が、先の図1(B)と同様であり、第1のグループに属する孔15a3”と、第2のグループに属する孔15b3”とが横方向に交互に配列されているものである。そして、上記交互の配列が、上方向および下方向にそれぞれ一列おきにジグザグ状に繰り返されているものである。この場合、先のコンデンサ素子10に比較して、第1の柱状電極の数と第2の柱状電極の数とが異なるため、耐電流(耐リップル)性がやや低下する。そして、ESLも、上記に比べて増加する傾向にある。
さらに、図2(E)に横断面を示すコンデンサ素子10”’は、A”’−A”’線における縦断面が、先の図1(B)と同様であり、第1のグループに属する孔15a3”’と、第2のグループに属する孔15b3”’とが横方向に交互に配列されているものである。そして、上記交互の配列が、上方向および下方向にそれぞれ一列おきに直線状に繰り返されているものである。この場合、前記コンデンサ素子10”と同様に、先のコンデンサ素子10に比較して、第1の柱状電極の数と第2の柱状電極の数とが異なるため、耐電流(耐リップル)性がやや低下する。そして、ESLも、上記に比べて増加する傾向にある。
また、本実施形態のコンデンサ素子10は、前記の構成に加えて、さらに、前記有機絶縁体層は、導電性高分子層17a,17bが熱分解されたものである。
また、本実施形態のコンデンサ素子10は、前記の構成に加えて、さらに、前記第1の引出電極12aと前記第2の引出電極12bとの間に電圧印加が施され前記第1の柱状電極16aの先端tと前記第2の引出電極12bとの間、および前記第2の柱状電極16bの先端tと前記第1の引出電極12aとの間の短絡箇所が焼き切られたものである。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第1の実施形態について、図3〜図6を参照して説明する。図3は、本実施形態のコンデンサ素子10の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図4〜図6は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図1(B)に対応する縦断面図であり、図4(a)〜(e)、図5(f)〜(i),図6(j)〜(m)の順である。尚、図3における各工程に付与した符号は図4〜図6のカッコ内の符号と対応する。
まず、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法の概要は、図3に一例を示すように、a:第1の弁金属の箔を準備し、b,(d):該箔の一方の主面にたとえばインデンテーションにより微小凹部を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔の一方の主面に、異なる深さの第1のグループに属する凹部と第2のグループに属する凹部とを備えた誘電体を形成する。次に、f:前記凹部の内面に、例えば無電解メッキにより、シード層を形成する。次に、g:前記第1のグループに属する凹部の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔を形成する。次に、h:例えば電解メッキにより、第1のグループに属する孔内に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、第1の柱状電極を形成するとともに、多孔板状の誘電体の一方の主面に第1の引出電極を形成する。次に、i:上記第2のグループに属する凹部の底部を例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔を形成する。次に、j:上第1のグループに属する孔および第2のグループに属する孔を塞ぐように例えば電解重合により導電性高分子層を形成する。次に、k:例えば電解メッキにより、前記第2のグループに属する孔内に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、第2の柱状電極を形成するとともに、多孔板状の誘電体の他方の主面に第2の引出電極を形成する。次に、l:例えば熱分解により、前記導電性高分子層を絶縁化する。次に、m:例えば電圧印加により対向電極間の短絡部分を焼き切るものである。
より具体的には、まず、図4(a)に示すように、例えばAl等の第1の弁金属からなる箔13を準備する。
次に、図4(b)に示すように、該第1の弁金属の箔13を支持体11上に載置し、一方の主面に所定の配置で複数箇所に微小突起11a1が形成された押型11aを前記箔13の一方の主面13aに押し付ける所謂インデンテーションを行い、前記箔13の一方の主面13aに所定の配置で複数箇所に微小凹部15a1を形成する。
次に、図4(c)に示すように、前記第1の弁金属の箔13に陽極酸化を施し、前記微小凹部15a1を形成した箇所に第1のグループに属する凹部15a2を形成する。また、前記微小凹部15a1を形成した複数箇所の間に、必要により図4(d)に示すように前記と同様に一方の主面に所定の配置で複数箇所に微小突起11b1が形成された押型11bを前記箔13の一方の主面13aに押し付ける所謂インデンテーションを行い、前記箔13の一方の主面13aに所定の配置で複数箇所に微小凹部15b1を形成する。前記箔13にさらに陽極酸化を施す。
これにより、図4(e)に示すように、前記微小凹部15a1を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部15a2、および前記微小凹部15a1を形成した複数箇所の間に、前記第1のグループに属する凹部15a2より深さが浅い第2のグループに属する凹部15b2をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体14を形成する。
次に、図5(f)に示すように、前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の内面および前記第2のグループに属する凹部15b2の内面に無電解メッキによりシード層Sを形成するとともに、前記誘電体14の一方の主面14a上に第1の引出電極12aを形成する。
次に、図5(g)に示すように、前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を化学エッチングにより除去して前記誘電体14の他方の主面14b側に開口する第1のグループに属する複数の孔15a3を形成する。
次に、図5(h)に示すように、前記誘電体14の前記第1のグループに属する孔15a3内の前記シード層S上に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、電解メッキにより基端bが前記第1の引出電極12aに接続された第1の柱状電極16aを形成する。このとき、前記柱状電極16aは、その先端tが前記誘電体14の他方の主面14bに達しない長さとするとことが好ましい。
次に、図5(i)に示すように、前記誘電体14の第2のグループに属する凹部15b2の底部を化学エッチングにより除去して前記誘電体14の他方の主面14b側に開口する第2のグループに属する複数の孔15b3を形成する。
次に、図6(j)に示すように、前記誘電体14の前記第1のグループに属する孔15a3内の前記第1の柱状電極16aの先端t上および前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第1の引出電極12a上にそれぞれ前記孔15a3,15b3をそれぞれ塞ぐように電解重合により導電性高分子層17a,17bを形成する。
次に、図6(k)に示すように、前記誘電体14の前記第2のグループに属する孔15b3の内面の前記シード層S上に電解メッキにより第2の柱状電極16bを形成するとともに、前記誘電体14の他方の主面14bに第2の引出電極12bを形成する。
次に、上記で得られた誘電体14を例えば300℃に加熱して、図6(l)に示すように、前記導電性高分子層17a,17bを熱分解させ絶縁化して有機絶縁体層からなる絶縁体層18a,18bを形成する。上記熱分解前の前記導電性高分子層17a,17bの全体としての漏れ電流の抵抗値は例えば0.8mΩである。また、上記熱分解後の前記有機絶縁体層からなる絶縁体層18a,18bの全体としての漏れ電流の抵抗値は例えば50kΩである。
次に、前記第1の柱状電極16aの先端tと前記第2の引出電極12bとの間、および前記第2の柱状電極16bの先端tと前記第1の引出電極12aとの間の短絡箇所を電圧印加により焼き切り、図6(m)に示すように、本実施形態のコンデンサ素子10を得る。
次に、上記第1の弁金属の箔13の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記第1の弁金属としては、Alが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Ta,Nb,Ti,Hf,W,Vの単体もしくはそれらの合金であってもよい。上記第1の弁金属の箔13としては、1枚の箔から1個のコンデンサ素子を作成してもよいし、1枚の箔から複数のコンデンサ素子を作成してもよい。1枚の箔から1個のコンデンサ素子を作成する場合には、例えば、長さ10mm×幅10mm〜長さ1mm×幅1mm、厚さ20μm〜500μmが好ましい。また、1枚の箔から複数のコンデンサ素子を作成する場合には、例えば長さ500mm×幅500mm〜長さ10mm×幅10mm、厚さ20μm〜500μmが好ましい。
また、上記インデンテーションの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記インデンテーションとしては、第1の弁金属の箔13として例えばAl箔を用いた場合、該Al箔の表面に、2次元三角格子状の三角格子をなす突起の格子定数70nmで、例えば複数の微小突起が形成されたSiC製の押型で押圧することが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、単一の微小突起を有する例えば円錐状の押型を用いて、所定の配置になるように複数回押圧を繰り返してもよい。
また、上記陽極酸化の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記陽極酸化としては、例えば、陽極酸化浴(0.3MのHSO、温度10℃)中で酸化電圧を25V一定の条件で、前記第1のグループに属する凹部15a2がそれぞれ所定の深さとなるように行なうことが好ましい。
次に、上記誘電体層dの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記誘電体層dとしては、前記第1の弁金属の箔13に陽極酸化を施すことにより、多孔板状に形成されることが好ましい。上記誘電体14と同様に、前記第1の弁金属の酸化物であることが好ましく、例えば、Alの酸化物であるAlが好ましい。この場合、該誘電体層dの誘電率は約10である。また、これに限定されるものではなく、例えば、上記その他の弁金属、例えばTa,Nb,Ti,Hf,W,Vの酸化物であってもよい。
次に、上記誘電体14の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記誘電体14としては、前記第1の弁金属の箔13に陽極酸化を施すことにより、多孔板状に形成されることが好ましい。上記誘電体としては、前記第1の弁金属の酸化物であることが好ましく、例えば、Alの酸化物であるAlが好ましいが、これに限定されるものではなく、上記その他の弁金属、例えばTa,Nb,Ti,Hf,W,Vの酸化物であってもよい。
次に、上記シード層Sの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記シード層Sとしては、Cuが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Sn,Ag,Au,Zn,Cr,Pt,Niの単体もしくはそれらの合金であってもよい。上記シード層Sは、上記多孔板状の誘電体14の一方の主面14a側から前記第1のグループに属する凹部15a2,および前記第2のグループに属する凹部15b2のそれぞれ内面に、無電解メッキにより形成されることが好ましい。また、その厚さは1nm〜10nmが好ましい。
また、上記誘電体14の他方の主面14b側に施すエッチングの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記エッチングとしては、上記誘電体14の他方の主面14b側を例えばHgCl2溶液中に浸漬して、化学エッチングすることが好ましい。
次に、上記第1の柱状電極16aおよび第2の柱状電極16bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記柱状電極16a,16bとしては、上記引出電極12a,12bと同様に、Cuが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Sn,Ag,Au,Zn,Cr,Pt,Niの単体もしくはそれらの合金であってもよい。また、上記柱状電極16a,16bは、上記第1のグループに属する孔15a3,15b3の前記シード層S上に、電解メッキにより形成されることが好ましい。上記柱状電極16a,16bの直径は数nm〜数百nmのものであればよい。また、上記柱状電極16a,16bの高さは特に制限はないが数nm〜数μmであればよく、より好ましくは数十nm〜数μmが好ましい。
次に、上記第1の引出電極12a、および第2の引出電極12bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記引出電極12a,12bとしては、Cuが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Sn,Ag,Au,Zn,Cr,Pt,Niの単体もしくはそれらの合金であってもよい。上記引出電極12a,12bは、上記多孔板状の誘電体14の一方の主面14aおよび他方の主面14bをそれぞれ覆うように、電解メッキ、無電解メッキ、あるいは真空蒸着等の手段により面状に形成されることが好ましく、その厚さは1μm〜100μmが好ましい。
次に、上記導電性高分子層17a,17bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記導電性高分子層17a,17bとしては、モノマーと電解質とからなる水溶液中で上記誘電体14に給電し、電解重合により、前記第1のグループに属する孔15a3、および第2のグループに属する孔15b3をそれぞれ塞ぐように形成することが好ましい。上記モノマーとしては、例えばピロール(濃度0.2mol/l)が好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン、トリアジンチオール、ポリ(チエニルピロール)等が好ましい。また、上記電解質としては、例えば、p−スルホン酸ナトリウム(PTS)の水溶液(濃度0.3mol%/l)が好ましい。また、上記導電性高分子層17a,17bの厚さは、例えば100nm〜10μmが好ましい。
また、上記第2の柱状電極16b、および上記第2の引出電極12bの形成にあっては、上記電解メッキ法に限定するものではなく、例えば、無電解メッキ法であってもよく、また、真空蒸着法等を用いてもよい。
また、上記有機絶縁体層18a,18bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記導電性高分子層17a,17bが形成された誘電体14を、上記導電性高分子層17a,17b中の前記モノマーの分解温度(ピロールの場合は約300℃)まで例えば空気中で昇温し、例えば1時間保持することにより前記導電性高分子層17a,17bを熱分解させて、絶縁体化することが好ましい。
次に、上記絶縁体層18の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記絶縁体層18としては、導電性高分子層を熱分解して得られた有機絶縁体、TiO電着層を熱処理して得られたTiO膜、SiO電着膜、Sn−Pdメッキ層上に湿式堆積されたSiO層、絶縁性樹脂層等が好ましく、また、第2の弁金属の酸化物層や空気層であってもよい。
また、上記電圧印加の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記電圧印加としては、第1の引出電極12aと第2の引出電極12bとの間に、例えば25Vの電圧を印加し、例えば、前記有機絶縁体層18a,18b中に残存する前記シード層等の短絡部分に電流を流し、これにより該短絡部分を焼き切ることにより、漏れ電流を低減させることが好ましい。
(実施例1)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、直径10nmのSiC製の押型11aを用いて複数箇所にインデンテーションを行い、該箔13の一方の主面に2次元三角格子状の三角格子をなす突起の格子定数105nmで、微小凹部を形成した。
次に、該箔13の前記一方の主面を陽極酸化浴(0.3MのHSO、温度10℃)中に浸漬して酸化電圧25V一定の条件で陽極酸化を行ない、それぞれ内径30nmで、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。次に、前記第1および第2のグループに属する凹部15a2,15b2の内面に、無電解メッキにより、シード層Sを形成した。次に、前記第1のグループに属する凹部15a2の底部をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成した。次に、前記第1のグループに属する孔15a3内面のシード層Sに給電して、Cu電解メッキにより、第1のグループに属する孔15a3内に前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成するとともに、多孔板状の誘電体14の一方の主面14aに第1の引出電極12aを形成した。次に、上記誘電体14の上記第2のグループに属する凹部15b2の底部を前記と同様に化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、モノマーであるピロール(濃度0.2mol/l)と電解質であるp−トルエンスルホン酸ナトリウム(PTS)の水溶液(濃度0.3mol/l)中で、再度給電し、電解重合により、上第1および第2のグループに属する孔を塞ぐようにポリピロールからなる導電性高分子層17a,17bを形成した。次に、再びCu電解メッキにより、前記第2の孔15b3の内部に第2の柱状電極16bを形成するとともに、多孔板状の誘電体14の他方の主面14bに第2の引出電極12bを形成した。次に、大気中でポリピロールの分解温度である300℃まで昇温し、1時間保持して、前記ポリピロールからなる導電性高分子層17a,17bを熱分解させて導電性を失わせ、それぞれ厚さ3μmの有機絶縁体層18a,18bを形成した。次に、第1の引出電極12aおよび第2の引出電極12bの間に25Vの(交流/直流)電圧を印加し、前記有機絶縁体層18a,18b中に残存する例えばシード層S等の対向電極間の短絡部分を焼き切り、漏れ電流が低減した長さ1.5mm、幅1.5mm、厚さ0.2mmのコンデンサ素子10を得た。尚、上記コンデンサ素子10においては、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子10について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであり、従来の同サイズの電解コンデンサにおける静電容量47μF、耐電圧4Vに比較して、CV積が大きいものであった。
尚、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第1の実施形態は、先に示した一例に限定するものではなく、例えば、以下のように変形してもよい。
図7は、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第1の実施形態の製造プロセスの他の例の概要を示すフローチャートである。
具体的には、先の一例が、l:例えば熱分解により、前記導電性高分子層を絶縁化する工程の後に、m:例えば電圧印加により対向電極間の短絡部分を焼き切る工程を設けていたのに対し、本変形例では、l’例えば高温下で電圧印加することにより、導電性高分子層を絶縁化すると同時に短絡部分を焼き切りしてもよい。尚、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法は、すべてを湿式プロセスで構成でき、安価なコンデンサ素子を提供することができる。
また、漏れ電流を焼き切りにより制御できるという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の第2の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子120の絶縁体層は先の第1の実施形態と同様に例えば導電性高分子層を熱分解により絶縁化して得られた有機絶縁体層からなるため説明を省略する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第2の実施形態について、図8〜図12を参照して説明する。図8は、本実施形態のコンデンサ素子120の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図9及び図10は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図1(B)に対応する縦断面図であり、先の第1の実施形態の図4(a)〜(e)に続いて、図9(g2)〜(i2)、図10(k21)〜(f22)の順である。尚、図8における各工程に付与した符号は図9及び図10のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子の製造方法の概要は、図8に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面に例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g2:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f21:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h2:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、j21:前記第1のグループに属する孔15a3内に第1の柱状電極16aの先端t上を塞ぐように絶縁体層128aを形成する。次に、i2:前記第1の給電電極12a’と、前記第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、k21:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k22:前記第2のグループに属する孔15b3内に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、j22:前記第2のグループに属する孔15b3内に第2の柱状電極16bの先端t上を塞ぐように絶縁体層128bを形成する。次に、f22:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接続する第1の引出電極12aを形成する。
次に、本実施形態のコンデンサ素子120の製造方法が先の第1の実施形態のコンデンサ素子10の製造方法と異なる点を述べる。先の実施形態においては第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上と第2のグループに属する孔15b3の底部とに絶縁体層18を一括して形成したが、本実施形態においては、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層128aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層128bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。尚、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法は、すべてを湿式プロセスで構成でき、安価なコンデンサ素子を提供することができる。
次に、本実施形態のコンデンサ素子120の製造方法の一例を図11及び図12に示す。図11は本実施形態の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図12は、該製造プロセスの絶縁体層18の形成工程について説明するための縦断面図である。尚、図11における各工程に付与した符号は図12のカッコ内の符号と対応する。
具体的には、本実施形態のj21:第1の柱状電極16aの先端t上に絶縁体層128aを形成する工程が、j211:前記第1の給電電極12a’を給電層として前記第1の柱状電極16aの先端t上に、例えば電解重合により、導電性高分子層127aを形成した後、j212:前記導電性高分子層127aを例えば熱分解により絶縁化して絶縁体層128aを形成するものである。同様に、本実施形態のj22:前記第2の柱状電極16bの先端t上に絶縁体層128bを形成する工程は、j221:前記第2の引出電極12bを給電層として、例えば電解重合により、前記第2の柱状電極16bの先端t上に導電性高分子層127bを形成した後、j222:前記導電性高分子層127bを絶縁化して絶縁体層128bを形成するものである。
次に、上記第1の給電電極12a’の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記第1の給電電極12a’の材料としては、金属(例えば、Cu,Ni,Cr,Ag,Au,Pd,Fe,Sn,Pt,Ir,Rh,Ru,Alから選択された少なくとも一種)を用いることができる。また、上記第1の給電電極12a’の厚さは数十nm〜数μmが好ましい。また、上記第1の給電電極12a’の形成方法としては、無電解メッキの他、PVD,CVD等を用いることができる。
(実施例2)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、第1のグループに属する凹部15a2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第1のグループに属する孔15a3を形成した。次に、一方の主面14a上に無電解メッキによりNiからなる第1の給電電極12a’を形成した。次に、前記第1の給電電極12a’に給電して、Cu電解メッキにより、第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成した。次に、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に該孔15a3を塞ぐように電着ポリイミド樹脂からなる導電性高分子層127aを形成し、300℃で1時間熱処理して熱分解により導電性を失わせ、厚さ3μmの有機絶縁体からなる絶縁体層128aを形成した。次に、前記第1の給電電極12a’、及び前記第2のグループに属する凹部15b2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、前記誘電体14の他方の主面14bに無電解メッキによりNiからなる第2の引出電極12bを形成した。次に、前記第2のグループに属する孔15b3内に前記引出電極12bを給電層としてCu電解メッキにより、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様に前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上に該孔15b3を塞ぐように電着ポリイミド樹脂からなる導電性高分子層127bを形成し、熱処理して熱分解により導電性を失わせ、厚さ3μmの有機絶縁体からなる絶縁体層128bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子120を得た。尚、上記コンデンサ素子120においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子120について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第3の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子130は、前記絶縁体層がTiO膜からなる点で、先に第1および第2の実施形態のコンデンサ素子と異なる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態のコンデンサ素子は、絶縁性に優れるという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第3の実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、本実施形態のコンデンサ素子130の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図14は、該製造プロセスの絶縁体層の形成工程について説明するための縦断面図である。尚、図13における各工程に付与した符号は図14のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子130の製造方法の概要は、図13に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面に例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g3:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f31:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h3:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、先の第2の実施形態の前者の絶縁層形成工程j21に対応する工程として、j311:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に前記孔15a3を塞ぐように例えば電解メッキによりTiO電着膜137aを形成した後、j312:前記TiO電着膜137aを例えば熱処理により絶縁化してTiO膜からなる絶縁体層138aを形成する。次に、i3:前記第1の給電電極12a’と、前記第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、k31:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k32:前記第2のグループに属する孔15b3内に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、先の第2の実施形態の後者の絶縁層形成工程j22に対応する工程として、j321:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に孔15b3を塞ぐようにTiO電着膜137bを形成した後、j322:前記TiO電着膜137bを絶縁化してTiO膜からなる絶縁体層138bを形成する。次に、f32:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接続する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層138aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層138bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記TiO電着膜の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記TiO電着膜としては、塩化チタン溶液中で電解メッキ処理することによって得られるチタン酸化物膜を用いることができる。前記TiO電着膜の厚さは数十nm〜数μm程度が好ましい。
次に、上記TiO層の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記TiO層としては、厚さ数十nm〜数μmが好ましい。なお、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法においては、絶縁層の形成が容易であるという特徴を有する。
次に、上記熱処理の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記熱処理としては、酸素雰囲気中で例えば450℃で30分間程度の熱処理条件が好ましい。
(実施例3)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、前記実施例2と同様にして、第1のグループに属する孔15a3、第1の給電電極12a’、第1の柱状電極16aを形成した。次に、塩化チタン溶液中で電解メッキ処理して、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に該孔15a3を塞ぐように電着TiO層137aを形成し、450℃で30分間熱処理してTiOからなる厚さ7.5μmの絶縁体層138aを形成した。次に、前記実施例2と同様に、第2のグループに属する孔15b3、第2の引出電極12b、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様にしてTiOからなる厚さ7.5μmの絶縁体層138bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子130を得た。尚、上記コンデンサ素子130においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子130について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第4の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子140は、前記絶縁体層がSiO膜からなる点で、先に第1〜第3の実施形態のコンデンサ素子と異なる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態のコンデンサ素子140は、熱安定性に優れるという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第4の実施形態について、図15を参照して説明する。図15は、本実施形態のコンデンサ素子140の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。
本実施形態のコンデンサ素子140の製造方法の概要は、図15に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a12,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g4:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f41:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h4:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、先の第2の実施形態の前者の絶縁層形成工程j21に対応する工程として、j41:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に前記孔15a3を塞ぐように例えば電解メッキによりSiO層からなる絶縁体層148aを形成する。次に、i4:前記第1の給電電極12a’と、前記第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、k41:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k42:前記第2のグループに属する孔15b3内に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、先の第2の実施形態の後者の絶縁層形成工程j22に対応する工程として、j42:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に孔15b3を塞ぐようにSiO層からなる絶縁体層148bを形成する。次に、f42:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子140の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層148aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層148bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記SiO層の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記SiO層としては、珪フッ化アンモニウム溶液中で電解メッキ処理することによって得られる珪素酸化物膜を用いることができる。前記SiO層の厚さは数十nm〜数μmが好ましい。また、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法は、プロセスが簡便であるという特徴を有する。
(実施例4)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、前記実施例2と同様にして、第1のグループに属する孔15a3、第1の給電電極12a’、第1の柱状電極16aを形成した。次に、珪フッ化アンモニウム溶液中で電解メッキ処理して、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に該孔15a3を塞ぐようにSiO膜からなる厚さ1.5μmの絶縁体層148aを形成した。次に、前記実施例2と同様に、第2のグループに属する孔15b3、第2の引出電極12b、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様にしてSiO膜からなる厚さ1.5μmの絶縁体層148bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子140を得た。尚、上記コンデンサ素子140においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子140について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第5の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子150は、前記絶縁体層がSiO膜からなる点で、先の第4の実施形態のコンデンサ素子と同様である。その他の構成は先の第1の実施形態のコンデンサ素子10と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態のコンデンサ素子150は、先の第4の実施形態のコンデンサ素子140と同様に、熱安定性に優れるという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第5の実施形態について、図16及び図17を参照して説明する。図16は、本実施形態のコンデンサ素子150の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図17は、該製造プロセスの絶縁体層形成工程について説明するための縦断面図である。尚、図16における各工程に付与した符号は図17のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子150の製造方法の概要は、図16に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g5:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f51:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h5:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、先の第2の実施形態の前者の絶縁層形成工程j21に対応する工程として、j511:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に前記孔15a3を塞ぐように例えば電解メッキによりSn−Pdメッキ層157aを形成した後、j512:前記Sn−Pdメッキ層157a上に前記孔15a3を塞ぐようにSiO層からなる絶縁体層158aを湿式堆積により形成する。次に、i5:前記第1の給電電極12a’と、前記第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、k51:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k52:前記第2のグループに属する孔15b3内に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、先の第2の実施形態の後者の絶縁層形成工程j22に対応する工程として、j521:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に孔15b3を塞ぐようにSn−Pdメッキ層157bを形成した後、j522:前記Sn−Pdメッキ層157b上にSiO層からなる絶縁体層158bを湿式堆積により形成する。次に、f52:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子150の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層158aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層158bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記Sn−Pdメッキ層の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記Sn−Pdメッキ層としては、SnCl溶液、PdCl溶液中でそれぞれ電解メッキ処理することで得られる。前記メッキ膜の厚さは数十nm〜数μmが好ましい。
次に、上記SiO層の湿式堆積の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記SiO層の湿式堆積としては、珪フッ化アンモニウム溶液中で無電解メッキ処理で得られる珪素酸化物膜を用いることができる.厚さは数十nm〜数μmが好ましい。また、本実施形態のコンデンサ素子の製造方法においては、プロセスが簡便であるという特徴を有する。また、上記SiO層の湿式堆積は、上記無電解メッキ処理に限定するものではなく、例えば、スラリービルド法等を用いてSiO層を形成することもできる。
(実施例5)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、前記実施例2と同様にして、第1のグループに属する孔15a3、第1の給電電極12a’、第1の柱状電極16aを形成した。次に、SnCl溶液、PdCl溶液中でそれぞれ電解メッキ処理して、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に該孔15a3を塞ぐようにSn−Pdメッキ層157aを形成した。次に、珪フッ化アンモニウム溶液中で無電解メッキ処理して、前記Sn−Pdメッキ層上に該孔15a3を塞ぐようにSiO膜からなる厚さ1.5μmの絶縁体層158aを形成した。次に、前記実施例2と同様に、第2のグループに属する孔15b3、第2の引出電極12b、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様にしてSn−Pdメッキ層157b上にSiO膜からなる厚さ1.5μmの絶縁体層158bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子150を得た。尚、上記コンデンサ素子150においては、前記第1の実施例のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子150について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第6の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子160は、前記絶縁体層が絶縁性樹脂層からなる点で、先に第1〜第5の実施形態のコンデンサ素子と異なる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第6の実施形態について、図18〜図20を参照して説明する。図18は、本実施形態のコンデンサ素子160の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図19及び図20は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図1(B)に対応する縦断面図であり、先の第1の実施形態の図4(a)〜(e)に続いて、図19(g6)〜(j61)、図20(k61)〜(f62)の順である。尚、図18における各工程に付与した符号は図19及び図20のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子160の製造方法の概要は、図18に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g6:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f61:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h6:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、i6:前記第1の給電電極12a’と、第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して、第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、j61:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に前記孔15a3を塞ぐように絶縁体層168aを形成する。次に、k61:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k62:前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の引出電極12b上に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、j62:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に孔15b3を塞ぐように絶縁体層168bを形成する。次に、f62:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子160の製造方法は、先の第2の実施形態のコンデンサ素子の製造方法と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層168aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層168bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、本実施形態のコンデンサ素子160の製造方法の一例を図21及び図22に示す。図21は本実施形態の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図22は、該製造プロセスの絶縁体層形成工程について説明するための縦断面図である。
具体的には、本実施形態のj61:前記第1の柱状電極16aの先端t上に絶縁体層168aを形成する工程は、まず、例えばチャンバー内で樹脂溶液中に前記誘電体14を浸漬した状態で前記チャンバーを減圧して、j611:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上及び第2のグループに属する孔15b3内に孔15b3を塞ぐように絶縁性樹脂の溶液167aを埋め込む。次に、例えば前記誘電体14の一方の主面14a側から減圧吸引して、j612:前記第2のグループに属する孔15b3内の樹脂溶液167aを除去する。その後、例えば大気中150℃で30分間熱処理して、前記第1のグループに属する孔15a3内の前記第1の柱状電極16aの先端t上のみに選択的に残った樹脂の溶液167aを硬化させて絶縁体層168aを形成するものである。
次に、上記絶縁性樹脂の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記絶縁性樹脂としては、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等が好ましい。前記絶縁性樹脂の厚さは数十nm〜数μmが好ましい。尚、絶縁性樹脂層としてポリイミド樹脂を用いた場合には、絶縁破壊電位頻度が400000V/mと大きいという特徴を有する。また、絶縁性樹脂層としてエポキシ樹脂を用いた場合には、吸湿性が低く、リフロー半田耐熱試験の耐久性が高いという特徴を有する。
(実施例6)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、第1のグループに属する凹部15a2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第1のグループに属する孔15a3を形成した。次に、一方の主面14a上に無電解メッキによりNiからなる第1の給電電極12a’を形成した。次に、前記第1の給電電極12a’に給電して、Cu電解メッキにより、第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成した。次に、前記第1の給電電極12a’、及び前記第2のグループに属する凹部15b2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、ポリイミド樹脂の溶液を貯えたチャンバー内に上記誘電体14を収容した後、前記チャンバーを減圧して、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上及び前記第2のグループに属する孔15a3を塞ぐように、ポリイミド樹脂の溶液を充填した。次に、前記誘電体の一方の主面14a側から減圧吸引することにより前記第2のグループに属する孔15a3内の樹脂溶液を除去した後、大気中150℃で30分間熱処理して前記第1のグループに属する孔15a3内の前記第1の柱状電極16aの先端t上のみに選択的に残った樹脂の溶液167aを硬化させて、厚さ75nmの絶縁性樹脂からなる絶縁体層168aを形成した。次に、前記誘電体14の他方の主面14bに無電解メッキによりNiからなる第2の引出電極12bを形成した。次に、前記第2のグループに属する孔15b3内に前記引出電極12bを給電層としてCu電解メッキにより、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様に前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上に該孔15b3を塞ぐように前記と同様にポリイミド樹脂の溶液167bを充填し、前記と同様に熱処理して、前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上を塞ぐ厚さ75nmの絶縁性樹脂からなる絶縁体層168bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子160を得た。尚、上記コンデンサ素子160においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子160について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第7の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子170は、前記絶縁体層が絶縁性樹脂層からなる点で、先の第6の実施形態のコンデンサ素子と同様であるため説明を省略する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第7の実施形態について、図23及び図24を参照して説明する。図23は、本実施形態のコンデンサ素子170の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図24は、該製造プロセスの絶縁体層形成工程について説明するための縦断面図である。尚、図23における各工程に付与した符号は図24のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子170の製造方法の概要は、図23に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g7:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。次に、f71:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h7:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、i7:前記第1の給電電極12a’と、第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して、第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、先の第6の実施形態の前者の絶縁層形成工程j61に対応する工程として、j711:前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t側の他方の主面14bに絶縁性樹脂膜177aを形成した後、j712:前記第1のグループに属する孔15a3内を除く他方の主面14b上の絶縁性樹脂膜177aを除去することにより、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上に前記孔15a3を塞ぐように絶縁体層178aを形成する。次に、k71:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k72:前記第2のグループに属する孔15b3内に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、先の第6の実施形態の後者の絶縁層形成工程j62に対応する工程として、j721:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に孔15b3を塞ぐように絶縁性樹脂膜177bを形成した後、j722:前記第2のグループに属する孔15b3内を除く一方の主面14a上の絶縁性樹脂膜177bを除去することにより、前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上に前記孔15b3を塞ぐように絶縁体層178bを形成する。次に、f72:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子170の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層178aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層178bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記絶縁性樹脂膜の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記絶縁性樹脂膜の材料としては、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等が好ましい。また、前記絶縁性樹脂膜の厚さは数十nm〜数μm程度が好ましい。上記絶縁性樹脂膜の形成方法は、スピンコート法やスプレー法等の公知の塗布手法を用いることができる。
(実施例7)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、前記実施例6と同様にして、第1のグループに属する孔15a3、第1の柱状電極16a、第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、上記誘電体14の他方の主面14b上にスピンコート法によりポリイミド樹脂の溶液を塗布して、前記第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上及び前記第2のグループに属する孔15a3の他方の主面14b側を塞ぐように、ポリイミド樹脂の溶液を充填して絶縁性樹脂膜177aを形成した。次に、前記第2のグループに属する孔15b3内および前記他方の主面14b上の絶縁性樹脂膜177aをフォトリソグラフィにより除去した後、大気中150℃で30分間熱処理して前記第1のグループに属する孔15a3内の前記第1の柱状電極16aの先端t上のみに選択的に残った絶縁性樹脂膜177aを硬化させて、厚さ75nmの絶縁性樹脂からなる絶縁体層178aを形成した。次に、前記誘電体14の他方の主面14bに無電解メッキによりNiからなる第2の引出電極12bを形成した。次に、前記第2のグループに属する孔15b3内に前記引出電極12bを給電層としてCu電解メッキにより、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様に前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上に該孔15b3を塞ぐように前記と同様にポリイミド樹脂の溶液を塗布して絶縁性樹脂膜177bを形成した。次に、前記一方の主面14a上の絶縁性樹脂膜177bをエッチバックにより除去した後、前記と同様に熱処理して、前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上を塞ぐ厚さ75nmの絶縁性樹脂膜からなる絶縁体層178bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子170を得た。尚、上記コンデンサ素子170においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子170について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第8の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子180は、前記絶縁体層が第2の弁金属の酸化物からなる点で、先に第1〜第7の実施形態のコンデンサ素子と異なる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。尚、本実施形態のコンデンサ素子180は、絶縁体層が誘電体層と同物質である場合に、前記絶縁体層と誘電体層との親和性が高いという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第8の実施形態について、図25〜図28を参照して説明する。図25は、本実施形態のコンデンサ素子180の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図26〜図28は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図1(B)に対応する縦断面図であり、先の第1の実施形態の図4(a)〜(e)工程に続いて、図26(g8)〜(j811)、図27(j812)〜(k82)、図28(j821)〜(f82)の順である。尚、図25における各工程に付与した符号は図26〜図28のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子180の製造方法の概要は、図25に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g8:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。f81:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h8:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、i81:第2のグループに属する凹部15b2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、j811:第1のグループの属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t側の他方の主面14bに第2の弁金属の層187aを形成する。次に、j812:前記第1のグループに属する孔15a3内を除く他方の主面14b上の第2の弁金属の層187aを除去する。次に、j813:第1の給電電極12a’を給電層として前記第2の弁金属の層187aを陽極酸化して第2の弁金属の酸化物からなる絶縁体層188aを形成する。次に、i82:前記第1の給電電極12a’を例えば化学エッチングにより除去する。次に、k81:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えば無電解メッキにより第2の引出電極12bを形成する。次に、k82:前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の引出電極12b上に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、j821:前記第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t側の一方の主面14aに第2の弁金属の層187bを形成する。次に、j822:前記第2のグループに属する孔15b3内を除く一方の主面14a上の第2の弁金属の層187bを除去する。次に、j823:第2の引出電極12bを給電層として第2の弁金属の層187bを陽極酸化して第2の弁金属の酸化物からなる絶縁体層188bを形成する。次に、f82:前記誘電体14の一方の主面14aに第1の柱状電極16aの基端部bと接する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子180の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上の絶縁体層188aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層188bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記第2の弁金属の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記第2の弁金属としては、Al,Ta,Nb,Ti,Zr,Hf,Zn,W,Sbなどを用いることができる。また、前記第2の弁金属の酸化物からなる絶縁体層の厚さは数nm〜数百nmが好ましい。また、上記2の弁金属は、前記第1の弁金属と同じであってもよい。
(実施例8)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、第1のグループに属する凹部15a2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第1のグループに属する孔15a3を形成した。次に、一方の主面14a上に無電解メッキによりNiからなる第1の給電電極12a’を形成した。次に、前記第1の給電電極12a’に給電して、Cu電解メッキにより、第1のグループに属する孔15a3内に、前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成した。次に、前記第2のグループに属する凹部15b2の底をHgCl溶液を用いて化学エッチングにより除去して、第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、前記誘電体14の他方の主面14b側にAlをスパッタして、前記第1のグループの属する孔15a3内の第1の柱状電極16aの先端t上にAlからなる第2の弁金属の層187aを形成した。次に、前記第1のグループに属する孔15a3内を除く他方の主面14b上の第2の弁金属の層187aをエッチバックにより除去した。次に、前記第1の給電電極12a’を給電層として前記第2の弁金属の層187aを陽極酸化して前記第2の弁金属の酸化物(Al)からなる厚さ3μmの絶縁体層188aを形成した。次に、前記第1の給電電極12a’を化学エッチングにより除去した。次に、前記誘電体14の他方の主面14bに無電解メッキによりNiからなる第2の引出電極12bを形成した。次に、前記第2のグループに属する孔15b3内に前記引出電極12bを給電層としてCu電解メッキにより、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様にして、前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端t上を塞ぐ第2の弁金属の酸化物(Al)からなる厚さ3μmの絶縁体層188bを形成した。次に、前記誘電体14の一方の主面14aに前記第1の柱状電極16aの基端bと接するようにCu電解メッキにより第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子180を得た。尚、上記コンデンサ素子180においては、前記実施例1のコンデンサ素子10と同様に、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子180について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
次に、本発明のコンデンサ素子の第9の実施形態について説明する。本実施形態のコンデンサ素子190は、前記絶縁体層が空気層からなる点で、先に第1〜第8の実施形態のコンデンサ素子と異なる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態のコンデンサ素子190は、漏れ電流が小さいという特徴を有する。
次に、本発明のコンデンサ素子の製造方法の第9の実施形態について、図29〜図31を参照して説明する。図29は、本実施形態のコンデンサ素子190の製造方法の製造プロセスの一例の概要を示すフローチャートである。また、図30及び図31は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図1(B)に対応する縦断面図であり、先の第1の実施形態の図4(a)〜(e)工程に続いて、図30(g9)〜(i9)、図31(k91)〜(f92)の順である。尚、図29における各工程に付与した符号は図30及び図31のカッコ内の符号と対応する。
本実施形態のコンデンサ素子190の製造方法の概要は、図29に示すように、a:第1の弁金属の箔13を準備し、b,(d):該箔13の一方の主面13aに例えばインデンテーションにより微小凹部15a1,(15b1)を形成する。次に、c,e:例えば陽極酸化により、前記箔13の一方の主面13aに、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを備えた誘電体14を形成する。次に、g9:前記誘電体14の第1のグループに属する凹部15a2の底部を例えば化学エッチングにより除去して第1のグループに属する孔15a3を形成する。f91:例えば無電解メッキにより、前記誘電体14の前記一方の主面14aに第1の給電電極12a’を形成する。次に、h9:例えば電解メッキにより、前記第1のグループに属する孔15a3内に前記誘電体14の他方の主面14b側の前記孔15a3の先端を残して、第1の柱状電極16aを形成する。次に、i9:第1の給電電極12a’と、第2のグループに属する凹部15b2の底部とを例えば化学エッチングにより除去して第2のグループに属する孔15b3を形成する。次に、k91:前記誘電体14の他方の主面14bに、例えばスパッタにより、前記第1の柱状電極16aの先端tとの間に空気層からなる絶縁体層198aを介して第2の引出電極12bを形成する。次に、k92:前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の引出電極12b上に、前記誘電体14の一方の主面14a側の前記孔15b3の先端を残して、第2の柱状電極16bを形成する。次に、f92:前記誘電体14の一方の主面14aに、第2の柱状電極16bの先端tとの間に空気層からなる絶縁体層198bを介して、第1の柱状電極16aの基端部bと接続する第1の引出電極12aを形成する。
本実施形態のコンデンサ素子190の製造方法は、先の第2の実施形態と同様に、第1のグループに属する孔15a3内の第1の柱状電極16の先端t上の絶縁体層198aと、第2のグループに属する孔15b3内の第2の柱状電極16bの先端t上の絶縁体層198bとを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
次に、上記空気層の好ましい実施形態について説明する。すなわち、上記空気層の厚さ寸法は、数十nm〜数μmであることが好ましい。また、本実施形態のコンデンサ素子190の製造方法は、プロセスが簡便であるという特徴を有する。
(実施例9)
まず、長さ3.0mm、幅1.5mm、厚さ200μmのAl製の箔13を準備し、先の第1の実施例と同様にして、異なる深さの第1のグループに属する凹部15a2と第2のグループに属する凹部15b2とを有する多孔板状の誘電体14を形成した。
次に、前記実施例6と同様に、第1のグループに属する孔15a3、第1の柱状電極16a、第2のグループに属する孔15b3を形成した。次に、前記誘電体14の他方の主面14bに、Niスパッタにより、前記第1の柱状電極16aの先端tとの間に間隙寸法8.5μmの空気層からなる絶縁体層198aを介して第2の引出電極12bを形成した。次に、次に、前記第2のグループに属する孔15b3内に前記引出電極12bを給電層としてCu電解メッキにより第2の柱状電極16bを形成した。次に、前記と同様に前記誘電体14の一方の主面14aにNiスパッタにより、前記第2のグループに属する孔15b3内の前記第2の柱状電極16bの先端tとの間に間隙寸法8.5μmの空気層からなる絶縁体層198bを介して、前記第1の柱状電極16aの基端bに接続するように第1の引出電極12aを形成してコンデンサ素子190を得た。尚、上記コンデンサ素子10においては、第1の柱状電極16a及び第2の柱状電極16bがそれぞれ、直径30nm、第1の柱状電極16aと第2の柱状電極16bのピッチが70nm、前記第1の柱状電極16aと前記第2の柱状電極16bとの対向する長さ寸法は100μmであった。
得られたコンデンサ素子190について、アジレント社製のLCRメーター4263Bを用いて静電容量を測定するとともに、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340を用いて耐電圧を測定した結果、前記実施例1と同様に、静電容量が0.25mF,耐電圧が30Vの初期特性を有するものであった。
上記第2〜第9の実施形態のコンデンサ素子の製造方法においては、いずれも、上記のように第1のグループに属する孔内の第1の柱状電極の先端上の絶縁体層と、第2のグループに属する孔内の第2の柱状電極の先端上の絶縁体層とを製造プロセス上の互いに独立した工程で形成するものである。
このため、上記個々の実施形態に限定するものではなく、例えば、第1の柱状電極の先端上の絶縁体層と、第2の柱状電極の先端上の絶縁体層とを、互いに異なる材質の絶縁体層で構成することができる。また、第1の柱状電極の長さと第2の柱状電極の長さとが異なる場合に、例えば、互いに異なる厚みの絶縁体層を形成することもできる。
次に、本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサの第1の実施形態について、図32を用いて説明する。図32は前記第1の実施形態のコンデンサ素子10をコンデンサユニットCUとして備えるコンデンサ20である。該コンデンサ20は、第1の引出電極12a,および第2の引出電極12b2にそれぞれ例えば導電性の金属板からなる端子部29a,29bが接続されるとともに、前記コンデンサユニットCUを被覆する外装樹脂を有する。
上記端子部29a,29bとしては、Cu,りん青銅、各種ステンレス、Ni42−Fe合金等が好ましい。また、図示省略したが、前記引出電極12a,12bと前記端子部29a,29bとの接続は、抵抗溶接や拡散接合、カーボンペースト等の導電性接着剤による接着等が好ましい。
次に、本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサの第2の実施形態について、図33を用いて説明する。図33は上記第1の実施形態のコンデンサ素子10をコンデンサユニットCU1,CU2,CU3として備えるコンデンサ30である。各コンデンサユニットCU1,CU2,CU3はそれぞれ端子部39a,39bに並列に接続され、大きな静電容量を備えるものである。
次に、本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサ埋め込み多層配線基板の実施形態について、図34を用いて説明する。図34は、上記第1の実施形態のコンデンサ素子10をコンデンサユニットとして備えるコンデンサ埋め込み多層回路基板40である。
上記コンデンサ埋め込み多層配線基板40は、その底部にコンデンサユニットCUが埋め込まれ、第1の引出電極12aが前記コンデンサ埋め込み多層配線基板の内部導体と接続されている。また、第2の引出電極12bが前記多層配線基板の底面に、他の端子電極とともに露出されている。
本発明によれば、小型で大容量のコンデンサを利用した軽薄短小の各種電子機器の用途に好適である。
本発明のコンデンサ素子の第1の実施形態の内部構造を示す断面図である。 上記第1の実施形態のコンデンサ素子の変形例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第1の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第1の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第1の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第1の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第1の実施形態の他の例の製造工程の順序を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第2の実施形態の製造工程の順序を示す図である。 上記第2の実施形態の各工程を示す図である。 上記第2の実施形態の各工程を示す図である。 上記第2の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第2の実施形態の一例の絶縁体層形成工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第3の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第3の実施形態の一例の絶縁体層形成工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第4の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第5の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第5の実施形態の一例の絶縁体層形成工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第6の実施形態の製造工程の順序を示す図である。 上記第6の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第6の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第6の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第6の実施形態の一例の絶縁体層形成工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第7の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第7の実施形態の一例の絶縁体層形成工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第8の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第8の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第8の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第8の実施形態の一例の各工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子の製造方法の第9の実施形態の一例の製造工程の順序を示す図である。 上記第9の実施形態の一例の各工程を示す図である。 上記第9の実施形態の一例の各工程を示す図である。 本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサの第1の実施形態の内部構造を示す断面図である。 本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサの第2の実施形態の内部構造を示す断面図である。 本発明のコンデンサ素子を用いたコンデンサ埋め込み多層配線基板の実施形態の内部構造を示す断面図である。 背景技術のコンデンサ素子の製造方法を示す図である。 背景技術のコンデンサ素子の製造方法を示す図である。 背景技術のコンデンサ素子の内部構造を示す断面図である。
符号の説明
10,10’,10”,10”’、120,130,140,150,160,170,180,190:コンデンサ素子
11:支持体
11a,11b:押型
11a1,11b1:微小突起
12a:第1の引出電極
12a’:第1の給電電極
12b:第2の引出電極
13:第1の弁金属の箔
13a:一方の主面
13b:他方の主面
14,14’,14”,14”’:多孔板状の誘電体
14a:一方の主面
14b:他方の主面
15a1,15b1:微小凹部
15a2:第1のグループに属する凹部
15b2:第2のグループに属する凹部
15a3,15a3’,15a3”,15a3”’:第1のグループに属する孔
15b3,15b3’,15b3”,15b3”’:第2の部ループの孔
16a,16a’,16a”,16a”’:第1の柱状電極
16b,16b’,16b”,16b”’:第2の柱状電極
17a,17b,127a,127b:導電性高分子層
137a,137b:TiO電着膜
157a,157b:Sn−Pdメッキ層
167a,167b、177a,177b:絶縁性樹脂層
187a,187b:第2の弁金属の層
18,18a,18b,128a,128b:絶縁体層(有機絶縁体)
138a,138b:絶縁体層(TiO膜)
148a,148b,158a,158b:絶縁体層(SiO層)
168a,168b,178a,178b:絶縁体層(絶縁性樹脂)
188a,188b:絶縁体層(第2の弁金属の酸化物)
198a,198b:絶縁体層(空気層)
20:コンデンサ
29a,29b:端子部
30:コンデンサ
39a,39b:端子部
40:コンデンサ埋め込み多層配線基板
CU,CU1,CU2:コンデンサユニット
b:基端
d,d’,d”,d”’:誘電体層(第1の弁金属の酸化物)
S:シード層
t:先端

Claims (19)

  1. 第1の弁金属の酸化物からなり、厚さ方向に貫通する第1のグループに属する孔と第2のグループに属する孔とが交互に複数配置された多孔板状の誘電体と、前記第1のグループに属する複数の孔内にそれぞれ形成され基端が前記誘電体の一方の主面に露出された第1の柱状電極と、前記第2のグループに属する複数の孔内にそれぞれ形成され基端が前記誘電体の他方の主面に露出された第2の柱状電極と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上に該孔を塞ぐように、また前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上に該孔を塞ぐように、それぞれ設けられた絶縁体層と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接続するように設けられた第1の引出電極と、前記誘電体の他方の主面上に前記第2の柱状電極の基端と接続するように設けられた第2の引出電極と、を有することを特徴とするコンデンサ素子。
  2. 前記絶縁体層は、導電性高分子が熱分解されたものであることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  3. 前記第1の引出電極と前記第2の引出電極との間に電圧印加が施されたものであることを特徴とする請求項2記載のコンデンサ素子。
  4. 前記絶縁体層はTiO膜からなることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  5. 前記絶縁体層はSiO膜からなることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  6. 前記絶縁体層は絶縁性樹脂層からなることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  7. 前記絶縁体層は第2の弁金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  8. 前記絶縁体層は空気層からなることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ素子。
  9. 第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の内面および前記第2のグループに属する凹部の内面に無電解メッキによりシード層を形成するとともに、前記誘電体の一方の主面上に第1の引出電極を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記シード層上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上、および前記第2のグループに属する孔内の前記第1の引出電極上に、それぞれ前記孔を塞ぐように電解重合により導電性高分子層を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔の内面の前記シード層上に電解メッキにより第2の柱状電極を形成するとともに、前記誘電体の他方の主面に第2の引出電極を形成する工程と、前記導電性高分子層を熱分解させ絶縁化して絶縁体層を形成する工程と、前記第1の柱状電極の先端と前記第2の引出電極との間、および前記第2の柱状電極の先端と前記第1の引出電極との間の短絡箇所を電圧印加により焼き切る工程と、を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  10. 第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上の前記第1の給電電極と第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  11. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層として導電性高分子膜を形成した後、熱分解により絶縁化することを特徴とする請求項10記載のコンデンサ素子の製造方法。
  12. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてTiO電着膜を形成した後、熱処理して絶縁化することを特徴とする請求項10記載のコンデンサ素子の製造方法。
  13. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSiO層を電解メッキすることを特徴とする請求項10記載のコンデンサ素子の製造方法。
  14. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程、及び前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1の給電電極、及び前記第2の引出電極をそれぞれ給電層としてSn−Pdメッキ層を形成した後、該Sn−Pdメッキ層上にSiO層を湿式堆積させることを特徴とする請求項10記載のコンデンサ素子の製造方法。
  15. 第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1の給電電極と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上及び前記第2のグループに属する複数の孔内にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  16. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上、及び前記第2のグループに属する孔内にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込んだ後、前記第2のグループに属する孔内の絶縁性樹脂を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ絶縁性樹脂を埋め込むことを特徴とする請求項15記載のコンデンサ素子の製造方法。
  17. 前記第1の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去するものであり、前記第2の柱状電極の先端上に絶縁体層を形成する工程は、前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に絶縁性樹脂膜を形成したのち、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の絶縁性樹脂膜を除去することを特徴とする請求項15記載のコンデンサ素子の製造方法。
  18. 第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、
    前記誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、
    前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、
    前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に、前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、
    前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、
    前記誘電体の前記第1の柱状電極の先端側の前記他方の主面に第2の弁金属の層を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内を除く前記他方の主面上の第2の弁金属の層を除去する工程と、
    前記第1の給電電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化することにより前記第1のグループに属する孔内の前記第1の柱状電極の先端上
    にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、
    前記第1の給電電極をエッチングにより除去する工程と、前記誘電体の他方の主面上に第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、
    前記誘電体の前記第2の柱状電極の先端側の前記一方の主面に第2の弁金属の層を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内を除く前記一方の主面上の第2の弁金属の層を除去する工程と、
    前記第2の引出電極を給電層として前記第2の弁金属の層を陽極酸化することにより前記第2のグループに属する孔内の前記第2の柱状電極の先端上にそれぞれ前記孔を塞ぐように絶縁体層を形成する工程と、
    前記誘電体の一方の主面上に前記第1の柱状電極の基端と接するように第1の引出電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  19. 第1の弁金属の箔の一方の主面に所定の配置で複数箇所にインデンテーションにより微小凹部を形成する工程と、該弁金属の箔に陽極酸化を施し、前記微小凹部を形成した箇所に所定の深さを有する第1のグループに属する凹部、および前記微小凹部を形成した複数箇所の間に前記第1のグループに属する凹部より深さが浅い第2のグループに属する凹部をそれぞれ形成して多孔板状の誘電体を形成する工程と、前誘電体の第1のグループに属する凹部の底部をエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第1のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の前記第2のグループに属する凹部が形成された一方の主面上に第1の給電電極を形成する工程と、前記第1のグループに属する孔内の前記給電電極上に前記誘電体の他方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第1の柱状電極を形成する工程と、前記第1の給電電極と、前記誘電体の第2のグループに属する凹部の底部とをエッチングにより除去して前記誘電体の他方の主面側に開口する第2のグループに属する複数の孔を形成する工程と、前記誘電体の他方の主面上に前記第1の柱状電極の先端との間に空気層を介してスパッタリングにより第2の引出電極を形成する工程と、前記第2のグループに属する孔内の前記第2の引出電極上に、前記誘電体の一方の主面側の前記孔の先端を残して、電解メッキにより第2の柱状電極を形成する工程と、前記誘電体の一方の主面上に、前記第2の柱状電極の先端との間に空気層を介して、スパッタリングにより前記第1の柱状電極の基端と接続する第1の引出電極を形成する工程と、を有することを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
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