JP4954922B2 - 疲労特性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、疲労特性、特に、組み付け部位の接触疲労特性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法に関するものである。
自動車等の輸送機械類や、産業機械類では、素材の高強度化による薄肉化が進められている。特に、自動車の足廻り部品やホイールには、高強度の熱延鋼板の適用が進められており、フェライトとマルテンサイトとからなる金属組織を有し、疲労特性に優れた高強度熱延鋼板が提案されている(例えば、特許文献1)。また、本発明者らの一部は、Cuの含有により疲労強度を向上させた、高強度熱延鋼板を提案している(例えば、特許文献2〜4)。
ところで、自動車等の輸送機械類や、産業機械類には、複数の部材が機械的に結合される組み付け部位が存在している。例えば、動力源のシャフトには、ハブを介して車輪が取り付けられ、また、骨格部材にはネジやリベットなどを用いて金属板が固定される。このような、複数の部材が当接される組み付け部位では、繰り返し応力の作用により、著しく早期に接触部位が損傷することがある。
このような部材の当接部に生じる損傷は、磨耗に起因する損傷を起点にした疲労破壊である場合が多く、状況に応じた対策もなされている。例えば、自動車の駆動軸のハブとホイールの組み付けの場合には、接触面の精度を高めて面圧(単位面積当たりに加わる外力)を低減させている。
しかし、ホイールの相対部位は、多くの場合、プレス加工で成形された面であるため、平坦な円板形状を基本とするハブの接触面はよりも平坦度に劣る。そこで、ホイールを切削加工し、平坦度を高めて、ハブとの接触面積を増加させるという対策を施すことがある。この場合、ホイールの切削量は、部品の強度に影響するので必要最少量が指向され、多くの場合、0.1〜0.5mm程度である。
このような使用状況を前提とすると、ホイール用の材料に求められる疲労に関する特性の一つとしては、表層から0.1〜0.5mm程度切削した面の疲労強度に優れていることであるといえる。これに対して、特許文献1に提案されている鋼板は、Pを固溶強化元素として積極的に添加し、更に、スケールと地鉄との界面粗さを小さくするものであり、表面を切削した後の疲労特性を向上を課題とするものではない。
一方、特許文献2〜4に提案した鋼板は、製造ままの表面で使用されるものではあるが、全厚に亘って均一であることを前提としている。したがって、表層から0.1〜0.5mm程度を切削して使用しても優れた疲労強度を有するものと考えられる。しかし、疲労特性を向上させるためには、0.2%以上のCuの含有が必須であり、合金原料の高騰という情勢下においては、Cuを含有する鋼板が必ずしも魅力的ではないと判断されることが多くなる。
特開平11−158547号公報 特開平11−199975号公報 特開2000−309848号公報 特開2000−319731号公報
本発明は、Cuの使用量を極力削減しても、特にホイール用の材料のように、少なくとも表層から0.1〜0.5mm程度切削した面の疲労強度に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法の提供を課題とするものである。
本発明は、CuとSの間に特定の関係がある場合に、疲労特性が向上するという知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.030〜0.150%、Si:0.10〜1.50%、Mn:1.00〜3.00%、S:0.0010〜0.0100%を含有し、P:0.020%以下、Al:0.050%以下、N:0.010%以下に制限し、更に、Cu:0.040〜0.190%を、Cu/S≧20を満たすように含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライトを面積率最大の相とし、残部がマルテンサイトからなる金属組織を有することを特徴とする疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
(2) 上記(1)に記載の化学成分を有する鋼片を1300℃以下に加熱し、仕上温度をAr変態点〜900℃の範囲内とする熱間圧延を行い、10℃/s以下の平均冷却速度で600〜750℃の範囲内まで一次冷却し、更に、30℃/s以上の平均冷却速度で250℃以下まで二次冷却することを特徴とする疲労特性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によって、切削面を他部品と接触させて用いられた場合に優れた疲労特性を発揮する高強度熱延鋼板を、特に、合金価格の影響を抑制して、低コストで製造することが可能となり、産業上の大きな貢献が期待される。また、本発明の熱延鋼板を、例えば、自動車のホイールに適用すると、交換までの期間が延長され、これにより廃棄物の発生量が抑制され、環境への負荷低減にも大きく寄与することになる。
本発明者らは、合金コストの影響を可能な限り小さくするために、Cuの含有量を微量に留めたうえで、Cuの添加による疲労特性の改善の効果を活かすべく、種々の、フェライト(F)を主相(面積率最大の相)とし、これにマルテンサイト(M)を複合した金属組織を有する鋼板(以下、DP鋼板という。)を製造し、疲労特性を評価した。
具体的には、まず、質量%で、C:0.085〜0.091%、Si:1.20〜1.25%、Mn:1.91〜1.97%、P:0.010%、S:0.0010〜0.0090%、Al:0.027〜0.033%、N:0.014〜0.031%、およびCu:0.032〜0.170%を含有し、残部がFeよりなる鋼片を溶解し、鋳造した。これらを、1200℃に加熱し、810℃で仕上げ圧延を終了した後、平均の冷却速度4.5℃/sで660℃まで冷却し、引き続き平均の冷却速度30℃/sで55℃まで冷却して板厚3.2mmの鋼板を得た。
得られた鋼板から、圧延方向と直角方向を引張方向として、JIS Z 2201の5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。鋼板の引張強さ(σ)は796〜818MPaであった。金属組織の観察は埋め込み研磨後、ナイタール腐食し、光学顕微鏡を用いて行った。金属組織の観察の結果、製造された熱延鋼板は、全て、DP鋼板と判定された。
また、日本機械学会基準「フレッティング疲労試験方法」JSME S 015−2002に準拠した疲労試験を行った。試験片、接触片及び試験装置は、JSME S 015−2002の図3.9(a)〜(c)に例示されたものと同様である。試験片の長手方向は、鋼板の圧延方向と直角な幅方向とし、試験片の両面を略等しく研削し、板厚を3.0mmとした。試験は、応力比を0.1、繰り返し速度を15Hzとして行った。負荷した応力と破断までの繰り返し数の関係から、1×10回までのS−N曲線を作成し、疲労限度(σ)を決定した。
引張強さの差異を考慮するためにσをσで除した値(疲労限度比)を評価し、様々な角度から考察したところ、所定量以上のCuを含有し、かつCuとSの比が特定の条件を満たす場合に疲労限度比が優れていることを見出した。図1に、S量を横軸に、Cu量を縦軸としてプロットした疲労限度比を示す。図中の白丸(○)は疲労限度比が0.2以上、黒丸(●)は同値が0.2未満であることを表わしている。疲労限度比が0.2以上であれば、例えば、ホイール用の材料などに要求される疲労強度を満足させることができる。
図1に基づいて、Cu≧0.04%、かつCu/S≧20の場合に、優れた疲労限度比を有する鋼板が得られるとの結論に至った。0.04%以上のCuを含有し、かつCu/S≧20の場合に疲労限度比が優れる理由は必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
鋼中に含まれるCuは、固溶状態で存在するか、Cu硫化物などの析出物として存在するか、固溶状態と析出物の双方として存在するものと考えられる。本発明者らは、透過電子顕微鏡を用いた観察を行い、硫化物のうち、直径が概ね500nm以下である微細な物はSiOを包含していることがわかった。これは、Cu硫化物が、SiOを核として析出したことを意味する。
一方、Siは鋼板の表面、およびその近傍で優先的に酸化物を形成することが知られている。このことから、表面を切削した後の鋼板の表面、すなわち切削前の表面近傍にはSiOを核とした微細なCu硫化物が存在し、これらが疲労亀裂の発生や、亀裂の進展を抑制する働きをするなど、何らかの形で疲労特性の向上に寄与している可能性が高い。
以上のことから、疲労特性の向上に有効な量(密度)の硫化物を確保するために、0.04%以上のCuの含有が必要であり、疲労特性の向上に寄与するような微細なCu硫化物を得るために、Cu/S≧20を満足することが必要であると考えられる。
以下、本発明について、その限定理由を詳細に説明する。
まず、化学成分について説明する。
Cは、鋼板の強度を確保し、DP鋼板を得るために必須の元素である。高強度DP鋼板を得るためには0.030%以上の添加が必要である。しかし、Cを過剰に含有すると、溶接性を損ねるため、C量の上限を0.150%とする。
Siは、DP鋼板を得るのに用いて有用であるとともに、本発明ではSiOの形成を通して重要な働きをする元素である。その効果は、0.100%以上で認められる。一方、1.50%を越えて含有させると熱延スケールの斑、酸洗する場合には酸洗斑が生じて表面性状を損なうため、1.50%を上限とする。
Mnは、鋼板の強度を上昇させる元素であり、また焼き入れ性を高めてDP鋼板の製造を容易にする。このために1.00%以上の含有が必要である。一方、3.00%を超えて含有させると、板厚方向の偏析により、強度延性バランスなどの機械的性質を低下させたり、剪断面の性状を悪化させたりする恐れがあるため、上限を3.00%とする。
Pは、固溶強化元素として働きはあるものの、不純物であり、偏析による加工性の劣化が危惧されるので0.020%以下にすることが必要である。
Sは、本発明において重要な元素であり、微細なCu硫化物の形成によって疲労特性を向上させるため、0.0010%以上を含有させる必要がある。一方、Sを過剰に含有させると、MnSなどの介在物を形成して機械的性質を劣化させるので、0.0100%以下とする必要がある。
Alは、鋼の脱酸に用いて有益であるが、0.050%を超えて含有すると脱酸生成物が凝集粗大化して連続鋳造ノズルの目詰まりを引き起こすことが懸念される。そこで0.050%以下とする。
Nは、不純物であり、AlNなどの介在物を形成して加工性に影響を与える可能性がある。従って上限を0.010%とする。
Cuは、上述のように本発明において極めて重要な元素であり、微細なCu硫化物を形成し、疲労特性を向上させるため、0.040%以上を含有させる必要がある。一方、鋼板の合金コストを極力抑制するためにCu含有量の上限を0.190%とする。
更に、上述のように、Cu/Sは、疲労特性の向上のため、20以上とすることが必要である。Cu/Sの上限は、Cu量の上限値が0.190%であり、S量の下限値が0.0010%であることから、190である。
なお、本発明において上記以外の成分はFeとなるが、スクラップなどの溶解原料から混入する不可避的不純物は許容される。
次にミクロ組織について説明する。
優れた疲労特性を得るためにはフェライト相を主相(面積率が最大となる相)とし、第二相(面積率が2番目に最大となる相)がマルテンサイト相であるDP組織とする必要がある。フェライト相の面積率は50%以上であることが好ましい。なお、体積率(面積率)で10%未満、好ましくは5%未満のベーナイト相の存在は許容できる。また、結晶相の体積分率の測定は、得られた熱延鋼板の圧延方向と平行な断面を樹脂に埋め込み研磨した後、ナイタール腐食して光学顕微鏡でミクロ組織を観察して各相の面積率を求めることで定義される。
更に、優れた接触疲労特性を得るためには、高強度熱延鋼板の金属組織中に、Cuが固溶状態で存在するか、Cu硫化物などの析出物として存在するか、固溶状態と析出物の双方として存在することが好ましい。また、Cu硫化物のうち、直径が概ね500nm以下の微細なものは、SiOを包含していることが好ましい。Cuの存在形態は、透過電子顕微鏡を用いた金属組織の観察によって判定することができる。
次に、高強度鋼板の製造条件について説明する。
上記の化学成分を有する鋼片は、常法の溶製及び鋳造によって製造する。鋳造は、生産性の観点から連続鋳造法が好ましい。このようにして得られた鋼片に対して、熱間圧延、一次冷却及び二次冷却が施される。
熱間圧延の加熱温度(SRT)は、仕上げ温度をAr変態点以上とするために、圧延設備の能力仕様応じて適宜選択すれば良い。したがって、Ar変態点温度を下限値とするが、1000℃以上とすることが好ましい。一方、鋼片を1300℃超に加熱すると、酸化スケールによって熱延鋼板の表面性状が損われることがあるため、1300℃を上限とする。
熱間圧延の仕上げ温度(FT)は、Ar変態点を下回ると加工フェライトが生成して、延性を損なうことがあるため、Ar変態点以上とする。一方、FTが高過ぎると結晶粒径が粗大となり、機械的性質を損なうことがあるため、900℃を上限とする。
Ar変態点〜900℃で圧延を終了させた後、以下の二段階の冷却を行う。
一次冷却は、熱間圧延後の鋼板に存在するオーステナイトへCの濃化を促進させ、二次冷却にてマルテンサイトを生成させる前段処理である。一次冷却の終了温度(MT)が750℃超ではオーステナイトへのCの濃化が不十分になり、マルテンサイトの生成が困難になることがある。一方、MTが600℃未満になると、パーライトが生成して降伏比が上昇することがある。したがって、MTは600〜750℃とする。
一次冷却の平均冷却速度(CR1)は、オーステナイトへのCの濃化を促進させるため、10℃/s以下とする。これは、CR1が10℃/sを超えると、ベーナイトが過剰に生成して、強度が低下することがあるためである。
上記に続く二次冷却の冷却終了温度(CT)は250℃以下とする。これは、CTが250℃超では生成したマルテンサイトが焼き戻されたり、ベーナイトが過剰に生成して、強度の低下が懸念されるためである。
二次冷却の平均冷却速度(CR2)は、30℃/s未満ではパーライトの生成が抑制できず、降伏比が上昇することがある。一方、CR2が速すぎると、熱延鋼板の幅方向及び圧延方向の冷却が不均一になる恐れがあるため、上限を70℃/sとすることが好ましい。
表1に示す化学成分を有する鋼を溶解し、鋳造して鋼片を得た。これらを表2に示す条件で熱間圧延し、板厚2.6mmの熱延鋼板とした。得られた熱延鋼板の圧延方向と平行な断面を樹脂に埋め込み研磨した後、ナイタール腐食してミクロ組織を観察した。更に、熱延鋼板から、圧延方向と直角方向を引張方向として、JIS Z 2201の5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。
また、JIS Z 2275に準拠して、1号試験片(1−15、試験部の幅b=15mm、曲率半径R=30mm)を用いて平面曲げ疲労試験を行った。試験片は、熱延鋼板の圧延方向と垂直な方向(幅方向)を長手方向とし、両面を研削して板厚を2.3mmとした。また、平面曲げ疲労試験は、応力比を−1、繰り返し速度を25Hzとして行い、負荷した応力と破断までの繰り返し数の関係から、2×10回までのS−N曲線を作成し、疲労限度(σ)を決定した。結果を表3に示す。なお、表3のσは引張強さ、εは全伸びであり、疲労限度比は、σをσで除した値である。金属組織は、面積率が大きい相を順に示した。
Figure 0004954922
Figure 0004954922
Figure 0004954922
本発明の鋼板である製造No.5及び6は、Cuの含有量が多い製造No.7の鋼板に匹敵する、優れた疲労限度比を示す。一方、製造No.1は、Cuを添加しない鋼片aを用いた比較例であり、No.5及び6よりも疲労限度比が劣っている。また、製造No.2〜4は、成分組成が本発明の範囲内である鋼片bを用いているが、製造条件が本発明の範囲外であり、DP鋼板にならなかった比較例である。
製造No.2は、CR1が本発明の範囲外であり、一次冷却で急却されたため、金属組織がベーナイト単相となり、また、製造No.3は、MTが本発明の範囲よりも高く、主相がベーナイトとなり、疲労限度比が低下している。製造No.4は、CTが本発明の範囲よりも高いため、パーライトを生じて、疲労特性が低下している。
表4に示す化学成分を有する鋼を溶解し、鋳造して鋼片を得た。これらを表5に示す条件で熱間圧延し、板厚3.2mmの熱延鋼板とした。実施例1と同様にして、金属組織の観察を行ない、全ての鋼板が、フェライト相を主相とし、マルテンサイトを第二相とするDP鋼板であることを確認した。また、すべての鋼板において、ベーナイト相及びパーラト相は観察されなかった。
更に、実施例1と同様にして、引張試験を行い、引張強さと全伸びを求めた。また、疲労試験は、上述の日本機械学会基準「フレッティング疲労試験方法」JSME S 015−2002に準拠して行った。試験片、接触片及び試験装置は、JSME S 015−2002の図3.9(a)〜(c)に例示されたものと同様である。試験片の長手方向は、鋼板の圧延方向と直角な幅方向とし、試験片の両面を略等しく研削し、板厚を3.0mmとした。試験は、応力比を0.1、繰り返し速度を15Hzとして行った。負荷した応力と破断までの繰り返し数の関係から、1×10回までのS−N曲線を作成し、疲労限度σを決定した。鋼板の引張強さ(σ)、全伸び(ε)、疲労限度(σ)および疲労限度比を表6に示す。
Figure 0004954922
Figure 0004954922
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鋼No.e、g、h、j、l及びmは、Cu量を本発明の範囲とした鋼板であり、疲労限度比が0.2を上回っている。一方、鋼No.d、f、i、k及びnは、Cu量、Cu/Sが本発明の範囲を外れた鋼板であり、何れも疲労限度比が0.2未満である。
また、本発明の鋼板は、疲労限度(σ)が175〜211MPaを示しており、優れた接触疲労特性を有していることがわかる。
S量、Cu量及び疲労限度比の関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C :0.030〜0.150%、
    Si:0.10〜1.50%、
    Mn:1.00〜3.00%、
    S :0.0010〜0.0100%
    を含有し、
    P :0.020%以下、
    Al:0.050%以下、
    N :0.010%以下
    に制限し、更に、
    Cu:0.040〜0.190%
    を、
    Cu/S≧20
    を満たすように含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライトを面積率最大の相とし、残部がマルテンサイトからなる金属組織を有することを特徴とする疲労特性に優れた高強度熱延鋼板。
  2. 請求項1に記載の化学成分を有する鋼片を1300℃以下に加熱し、仕上温度をAr変態点〜900℃の範囲内とする熱間圧延を行い、10℃/s以下の平均冷却速度で600〜750℃の範囲内まで一次冷却し、更に、30℃/s以上の平均冷却速度で250℃以下まで二次冷却することを特徴とする疲労特性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
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